JP4699583B2 - ホイールクレーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーン作業と車両走行の両方の運転を兼用できる兼用運転室を備えたホイールクレーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホイールクレーンは、伸縮ブームを備えた旋回体が走行車体上に旋回自在に搭載されて成り、クレーン作業と車両走行の両方の運転を兼用できる兼用運転室が前記旋回体上に設置されている。
【0003】
このようなホイールクレーンにおいて、走行時の視界を良好に確保するためには、前記兼用運転室が車体の極力前側に位置していることが望まれる。しかし、ホイールクレーンでは、兼用運転室が旋回体とともに旋回するため、兼用運転室が車体の前側に位置すればするほど、旋回体の旋回半径が大きくなり、旋回体が障害物と干渉したり車体の後部に固定的に設置されたエンジン(エンジンカバー)と干渉したりする虞がある。また、兼用運転室が車体の前側に位置していると、クレーン作業時、ブームの起伏角度が大きい場合に、兼用運転室の真上もしくは後側でブームによって荷が吊り上げられる状態となり、作業視界が著しく悪くなるといった不具合も生じ得る。
【0004】
一方、クレーン作業時の視界を良好に確保するためには、前記兼用運転室が車体の極力後側に位置していることが望まれる。しかし、兼用運転室が後側に位置していると、走行時の視界が悪くなるだけでなく、兼用運転室を大きく形成することができなくなる。すなわち、車体の後側では、伸縮ブームの幅寸法が大きく、伸縮ブームが車体上の設置スペースを幅方向で大きく占めている。そのため、車体の後側に兼用運転室を設置する場合には、伸縮ブームと兼用運転室とが干渉しないように、また、兼用運転室を車幅内に収めて走行時に道路交通法による車幅制限に抵触しないようにしなければならない。したがって、車体の後側に兼用運転室を設置する場合、前側に設置する場合に比べて、兼用運転室の幅を小さく形成せざるを得なくなる。
【0005】
そこで、走行時には走行視界を確保するために兼用運転室を車体の前側に位置させ、作業時には作業視界を確保するために兼用運転室を車体の後側に位置させるべく、兼用運転室を前後に移動可能に構成するとともに、兼用運転室の室内スペースを大きく確保しながら車体後側で兼用運転室を車幅内に収めつつ伸縮ブームと兼用運転室との干渉を防止するために、ブームと干渉する兼用運転室の部位に切り欠きを設ける技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、兼用運転室に切り欠きを形成すると、兼用運転室の製造コストが上がり、強度上も問題がある。また、切り欠きによって兼用運転室における居住性が悪化する虞もある。
【0007】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、作業時および走行時の視界が良好で、兼用運転室に切り欠きを設けることなく兼用運転室の居住スペースを大きく確保できるホイールクレーンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、伸縮ブームによるクレーン作業時と伸縮ブームを倒伏して格納した状態での車両走行時の両方の運転を兼用できる兼用運転室を備えた旋回体が旋回ベアリングを介して車体上に旋回可能に搭載されて成るホイールクレーンにおいて、兼用運転室が車幅内に収まる前側の走行時の設置位置と、兼用運転室が前記走行時の設置位置よりも旋回体の回転中心側に近づく後側の作業時の設置位置と、前記走行時の設置位置と前記作業時の設置位置との間で前記兼用運転室を移動させる移動機構と、を備え、前記移動機構は、兼用運転室と旋回体との間に架設されるリンク長さが等しい互いに平行な一対のリンクを有し、該一対のリンクの一端は、前記兼用運転室底部において車幅方向に対して斜めの線上に位置する部位にブラケットを介して回動可能に連結され、前記一対のリンクの他端は、前記旋回体の上部において前記斜めの線に平行な線上に位置してブラケットを介して前記旋回体の上部に回動可能に連結されたリンク機構を含み、かつ走行時の前側設置位置での兼用運転室は車幅内に位置し、後側の作業時での設置位置での兼用運転室は少なくとも一部が車幅外に張り出して車体上に設置したエンジン部との干渉を避ける位置に設置されると共に該作業時の設置位置での兼用運転室の高さが前記走行時の設置位置での兼用運転室の高さに比べて高くなるように兼用運転室を移動して設置することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のホイールクレーンにおいて、前記兼用運転室に設けられるステアリングハンドルを備え、このステアリングハンドルは、前記走行時の設置位置に前記兼用運転室が移動したときのみに前輪を操向操作するステアリング機構に連結され、前記兼用運転室が前記走行時の設置位置に移動しているときのみに前記ステアリングハンドルにより前輪を操向操作できるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態のホイールクレーン(ラフテレーンクレーン)1は、クレーン作業と車両走行の両方の運転を兼用できる兼用運転室(以下、キャブという。)14を備えている。また、ホイールクレーン1は、前輪2および後輪3によって走行する走行車体としてのキャリア10を備えており、キャリア10上には旋回ベアリング12を介して旋回台16が旋回自在に搭載されている。また、旋回台16上には、キャブ14と伸縮ブーム18とが設けられている。すなわち、キャブ14と伸縮ブーム18は旋回台16とともに旋回する上部旋回体15を構成している。
【0011】
伸縮ブーム18は、複数のブームがテレスコープ状に連結されて成り、図示しない伸縮シリンダによって伸縮可能であるとともに、旋回台16と基端側ブーム18aの下面との間に掛け渡された起伏シリンダ(図示せず)により起伏動作されるようになっている。なお、キャリア10の後部にはエンジン19が搭載されている。
【0012】
また、本実施形態において、キャブ14は旋回台16上で前後に移動できるようになっている。具体的には、キャブ14は、後述する移動機構により、キャブ14の前端がキャリア10の前端に位置される前側位置(以下、走行位置という。…図1参照)と、キャブ14の後端部が旋回ベアリング12の位置と重なる後側位置(以下、作業位置という。…図2参照)との間で移動される。
【0013】
図3〜図5には、キャブ14を前後に移動させるための前記移動機構が示されている。これらの図から分かるように、移動機構は、平行リンク機構であり、キャブ14の底面と旋回台16とを連結する複数のリンク22,22,23,23によって構成される。以下、この平行リンク機構について詳細に説明する。
【0014】
キャブ14の底面の前側には、キャブ14の略全幅にわたって延びる第1の取付プレート20が斜めに取付けられている。この第1の取付プレート20には、互いに平行な一対の第1のリンク22,22の一端がブラケット26,26を介して回動可能に連結されている。また、各リンク22,22の他端は、前側ブラケット24,24を介して旋回台16に回動可能に連結されている。
【0015】
また、キャブ14の底面の後側には、キャブ14の略全幅にわたって延びる第2の取付プレート21が斜めに取付けられている。この第2の取付プレート21には、互いに平行な一対の第2のリンク23,23の一端がブラケット28,28を介して回動可能に連結されている。第2のリンク23,23は、前側に位置する第1のリンク22,22と平行に延びており、その他端が後側ブラケット29,29を介して旋回台16に回動可能に連結されている。
【0016】
また、旋回台16には、一対の支持部30,30が、後側ブラケット29,29よりも後方に位置して設けられている。これらの支持部30,30には互いに平行に延びる油圧シリンダ25,25が回動可能に取付けられており、各油圧シンリンダ25,25のロッド部25aは対応する第2のリンク23,23の途中部にブラケット27を介して回動可能に連結されている。
【0017】
このように構成されるリンク機構は、油圧シリンダ25のロッド部25aが伸縮動作されることにより、キャブ14を走行位置と作業位置との間で斜め前後に移動させるとともに、走行位置ではキャブ14を車幅内に収め(図1の(a)参照)、また、作業位置ではブーム18とキャブ14とが干渉しないようにキャブ14の一部を車幅外に突出させる(図2の(a)参照)。なお、図2の(a)に示されるように、作業位置で車体の側方に張り出すキャブ14の突出量Hは、旋回体15の旋回半径が大きくならないように、ブーム18とキャブ14とが干渉しない最小限の量に設定されている。また、旋回した際にエンジン19と干渉しないように設定されている。
【0018】
また、キャブ14とキャリア10とにはそれぞれ、キャブ14を前側の走行位置と後側の作業位置とに位置決めするための位置決め手段が設けられている。この位置決め手段は、キャブ14の底面に設けられた柱状の係合凸部とキャリア10上に設けられた管状の係合凹部とからなる。具体的には、図4および図5に示されるように、キャブ14の底面には第1の係合凸部40,40が前後に位置して設けられている。また、キャリア10上には第1の係合凹部41,41が前後に位置して設けられている。これらの係合凹部41,41は、キャブ14が前側の走行位置に位置された状態で第1の係合凸部40,40と係合するように配置されている。また、キャブ14の底面の前後には第2の係合凸部42,42が設けられ、旋回台16上には第2の係合凹部43,43が前後に位置して設けられている。そして、第2の係合凸部42と第2の係合凹部43は、キャブ14が後側の作業位置に位置された状態で互いに係合するようになっている。
【0019】
キャブ14内には、前輪2の操向操作を行なうステアリングハンドル35と、前輪2と後輪3とをそれぞれ独立に操向操作するためのステアリングスイッチ(図示せず)とが設けられている。この場合、ステアリングハンドル35は、ステアリングギアを介して前輪2側のタイロッドとナックルアームとに機械的にのみ連結されるようになっている。具体的には、キャブ14が前側の走行位置に位置された時にのみ、ステアリングハンドル35と前輪2側のステアリング機構とが機械的に連結されるようになっている。したがって、作業位置ではステアリングハンドル35による前輪2の操向操作はできない。また、走行位置では、前輪2が前記ステアリングスイッチとステアリングハンドル35の両者によって操向可能となるが、本実施形態では、安全のため、走行位置でステアリングハンドル35による操向操作がステアリングスイッチの操向操作よりも優先するようになっている。なお、従来と同様、1つのステアリングハンドルで油圧操作機構を介してキャブ14の前後位置にかかわらず操作できる形式にしても良い。
【0020】
次に、上記構成のホイールクレーン1の作用について説明する。
【0021】
キャブ14内の所定のキャブ移動スイッチが例えばOFFされている状態では、図1および図4に示されるように、キャブ14は、その前端がキャリア10の前端に位置される前側の走行位置に位置されている。この走行位置は、キャブ14の底面に設けられた第1の係合凸部40,40がキャリア10上の第1の係合凹部41,41と係合することにより(図4参照)、保持される。また、この走行位置では、キャブ14が車幅内に収められるとともに、ステアリングハンドル35と前輪2側のステアリング機構とが機械的に連結される。したがって、前輪2をステアリングハンドル35により、また、後輪をステアリングスイッチによりそれぞれ独立して操向操作でき、狭い曲がり角の走行が容易となる。
【0022】
作業現場に到着してキャブ移動スイッチを例えばON操作すると、リンク機構が動作して、キャブ14は、図2および図5に示されるように、その後端部が旋回ベアリング12の位置と重なる後側の作業位置へと移動される。この時、ステアリングハンドル35と前輪2側のステアリング機構との機械的な連結が解除される。したがって、作業位置では、ステアリングハンドル35による前輪2の操向操作はできない。その代わり、ステアリングスイッチによって前輪2および後輪3の操向操作を片手で行なえる。
【0023】
また、作業位置は、キャブ14の底面に設けられた第2の係合凸部42がキャリア10上の第2の係合凹部43と係合することにより(図5参照)、保持される。また、この作業位置では、ブーム18とキャブ14とが干渉しないようにキャブ14の一部が車幅外に突出される。
【0024】
このようにキャブ14が後側の作業位置に位置されると、旋回体15の旋回半径が小さくなるため、旋回体15が障害物と干渉したり車体の後部に固定的に設置されたエンジン(エンジンカバー)と干渉したりすることを回避できる。また、クレーン作業時のブーム18の起伏角度が大きい場合でも、キャブ14の前方斜め上でブーム18により荷が吊り上げられる状態となるため、作業視界が極めて良好である。
【0025】
以上説明したように、本実施形態のホイールクレーン1において、キャブ14は、平行リンクからなる移動機構により、その前端がキャリア10の前端に位置される前側の走行位置と、その後端部が旋回ベアリング12の位置と重なる後側の作業位置との間で移動される。しかも、走行位置ではキャブ14が車幅内に収まり、作業位置ではブーム18とキャブ14とが干渉しないようにキャブ14の一部が車幅外に突出される。また、作業位置で車体の側方に張り出すキャブ14の突出量Hは、旋回体15の旋回半径が大きくならないように、ブーム18とキャブ14とが干渉しない最小限の量に設定されている。
【0026】
したがって、走行時には走行視界を良好に確保でき、作業時には作業視界を良好に確保できるとともに、キャブ14に切り欠きを設けなくても、キャブ14の室内スペースを大きく確保してブーム18とキャブ14との干渉を防止できる。
【0027】
すなわち、キャブ14の前端がキャリア10の前端に位置される走行位置では、斜め下前方の視界も良好になるため、走行時の安全性が確保されるとともに、キャブ14が車幅内に収まるため、走行時に道路交通法による車幅制限に抵触することもなくなる。一方、キャブ14の後端部が旋回ベアリング12の位置と重なる後側の作業位置では、クレーン作業時のブーム18の起伏角度が大きい場合でも、キャブ14の前方斜め上でブーム18により荷が吊り上げられる状態となるため、作業視界が極めて良好となる。また、この作業位置では、キャブ14を車幅外に突出させるようにしているため、キャブ14を大きく形成してもブーム18とキャブ14とが干渉することはない。すなわち、作業位置でキャブ14を車幅内に収める必要がないから、キャブ14に切り欠きを設けないで済む。したがって、キャブ14の製造コストを低減できるとともに、キャブ14の強度を十分確保してキャブ14の居住性も損なわないで済む。
【0028】
また、このようにキャブ14が後側の作業位置に位置されると、旋回体15の旋回半径が小さくなるため、旋回体15が障害物と干渉したり車体の後部に固定的に設置されたエンジン(エンジンカバー)と干渉したりすることを回避できる。また、キャブ14を車幅外に突出させることで、旋回台16上におけるブーム18の取付け位置等がキャブ14によって制約されないため、設計の自由度が広がるとともに、ブーム幅を大きくでき、強度上有利である。また、ブーム18を例えば旋回台16の中央に設置して左右の重量バランスを確保することができる。また、クレーン作業時にブーム18に大きな偏荷重が作用することも防止できる。
【0029】
走行用の運転室と作業用の運転室とが別個に設けられているトラッククレーン等の作業用車両とは異なり、ホイールクレーンは、走行操作もクレーン操作も兼用運転室であるキャブ14で行なわなければならず、前述したように旋回台16上におけるキャブ14の設置位置は非常に重要である。また、移動機構によって設定される走行位置と作業位置もまた重要である。すなわち、前側の走行位置はキャブ14を車幅内に収めて走行できるような位置として規定する必要があり、また、後側の作業位置は、キャブ14を車幅外に大きく突出させるのではなく、旋回半径を極力小さくできるようにブーム18との干渉を避けられる最小限の突出量に抑えることができる位置として規定する必要がある。
【0030】
図6〜図8はキャブ14を走行位置と作業位置との間で前後に移動させる移動機構の第1の変形例を示している。図示のように、本変形例に係る移動機構は、前述した実施形態と同様のリンク22,23から成るが、第2のリンク23が互いに回動可能に連結された一対のリンク部23a,23aによって構成されている点が異なる。また、図示しないが、リンク機構を動作させるための油圧シリンダは、そのロッド部が第1のリンク22の途中部に回動可能に連結されている。
なお、それ以外の構成は前述した実施形態と同一である。
【0031】
このような構成では、前記油圧シリンダのロッド部が伸縮動作されると、キャブ14が走行位置(図6参照)と作業位置(図8参照)との間で前後に移動される。この場合、キャブ14は、走行位置と作業位置との間で、斜め上方に方向付けられる中間位置(図7参照)をとることができる。
【0032】
なお、図6〜図8には、キャブ14を180度旋回させた状態が一点鎖線で示されている。図6に示されるように、走行位置でキャブを180度旋回させるとキャブ14がエンジン19と干渉するが、図8に示される作業位置でキャブ14を180度旋回させてもキャブ14がエンジン19と干渉することはない。また、図7に示される中間位置では、キャブ14が斜め上方に方向付けられてキャブ14がエンジン19の上側で旋回するため、この場合もキャブ14とエンジン19との干渉を避けられる。また、キャブ14が斜め上方に方向付けられる中間位置では、作業視界が格段に良くなることは言うまでもない。
【0033】
図9は移動機構の第2の変形例を示している。本変形例に係る移動機構は、キャブ14の底面の前後に突設された一対のピンを有している。これらの各ピンは、旋回台上に前後に位置して形成された一対のガイド溝(或いはガイドレール)90,91にそれぞれスライド可能に係合している。すなわち、前側のピンは前側のガイド溝90と係合し、後側のピンは後側のガイド溝91と係合している。
【0034】
このような構成では、油圧シリンダ等の駆動源によってキャブ14を前後に押し引きすると、ガイド溝90,91に沿ってキャブ14側のピンがスライドし、キャブ14が走行位置Aと作業位置Bとの間でスライドされる。なお、前側のガイドレールが旋回の際にエンジン19と干渉する虞がある場合には、前側のガイドレールを設けなくても良い。
【0035】
図10は移動機構の第3の変形例を示している。本変形例に係る移動機構は、旋回体上の前側の支点O1を中心に回動する第1のリンク94と、旋回台上の後側の支点O2を中心に回動する第2のリンク95とを有している。この場合、第1のリンク94の端部はキャブ14の底面の前側に連結されている。また、第2のリンク95の端部はキャブ14の底面の後側に連結されている。さらに、各リンク94,95は図示しない駆動機構によって回転駆動される。
【0036】
このような構成では、各リンク94,95が回動することにより、キャブ14が走行位置Aと作業位置Bとの間で旋回移動される。この場合、キャブ14は、走行位置Aと作業位置Bとの間で、車体幅から略完全に突出する中間位置Cをとることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のホイールクレーンによれば、作業時および走行時の視界が良好で、兼用運転室に切り欠きを設けることなく兼用運転室の居住スペースを大きく確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るホイールクレーン(キャブが走行位置に位置された状態)の平面図、(b)は(a)のホイールクレーンの側面図である。
【図2】(a)は本発明の一実施形態に係るホイールクレーン(キャブが作業位置に位置された状態)の平面図、(b)は(a)のホイールクレーンの側面図である。
【図3】図1のホイールクレーンのキャブを前後に移動させる移動機構の平面図である。
【図4】移動機構によってキャブが走行位置に位置された状態を示す要部拡大図である。
【図5】移動機構によってキャブが作業位置に位置された状態を示す要部拡大図である。
【図6】キャブを前後に移動させる移動機構の第1の変形例(キャブが走行位置に位置された状態)を示す概念図である。
【図7】キャブを前後に移動させる移動機構の第1の変形例(キャブが中間位置に位置された状態)を示す概念図である。
【図8】キャブを前後に移動させる移動機構の第1の変形例(キャブが作業位置に位置された状態)を示す概念図である。
【図9】キャブを前後に移動させる移動機構の第2の変形例を示す概念図である。
【図10】キャブを前後に移動させる移動機構の第3の変形例を示す概念図である。
【符号の説明】
1…ホイールクレーン
10…キャリア(車体)
12…旋回ベアリング
14…キャブ(兼用運転室)
15…旋回体
22,23,94,95…リンク(移動機構)
25…油圧シリンダ(移動機構)
90,91…ガイド溝(移動機構)
Claims (2)
- 伸縮ブームによるクレーン作業時と伸縮ブームを倒伏して格納した状態での車両走行時の両方の運転を兼用できる兼用運転室を備えた旋回体が旋回ベアリングを介して車体上に旋回可能に搭載されて成るホイールクレーンにおいて、
兼用運転室が車幅内に収まる前側の走行時の設置位置と、
兼用運転室が前記走行時の設置位置よりも旋回体の回転中心側に近づく後側の作業時の設置位置と、
前記走行時の設置位置と前記作業時の設置位置との間で前記兼用運転室を移動させる移動機構と、
を備え、
前記移動機構は、兼用運転室と旋回体との間に架設されるリンク長さが等しい互いに平行な一対のリンクを有し、該一対のリンクの一端は、前記兼用運転室底部において車幅方向に対して斜めの線上に位置する部位にブラケットを介して回動可能に連結され、前記一対のリンクの他端は、前記旋回体の上部において前記斜めの線に平行な線上に位置してブラケットを介して前記旋回体の上部に回動可能に連結されたリンク機構を含み、かつ走行時の前側設置位置での兼用運転室は車幅内に位置し、後側の作業時での設置位置での兼用運転室は少なくとも一部が車幅外に張り出して車体上に設置したエンジン部との干渉を避ける位置に設置されると共に該作業時の設置位置での兼用運転室の高さが前記走行時の設置位置での兼用運転室の高さに比べて高くなるように兼用運転室を移動して設置することを特徴とするホイールクレーン。 - 前記兼用運転室に設けられるステアリングハンドルを備え、このステアリングハンドルは、前記走行時の設置位置に前記兼用運転室が移動したときのみに前輪を操向操作するステアリング機構に連結され、前記兼用運転室が前記走行時の設置位置に移動しているときのみに前記ステアリングハンドルにより前輪を操向操作できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホイールクレーン。
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