JP4698937B2 - ポリオレフィン系組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系組成物及びその製造方法に関し、特に有機変性層状ケイ酸塩を配合し、軽量性、剛性、耐衝撃性等の機能性に優れたポリオレフィン系組成物及びその簡便且つ効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂用充填剤や有機溶媒レオロジー調整剤、その他各種分野において、有機変性層状ケイ酸塩が用いられている(特許文献1等)。
膨潤性層状ケイ酸塩の層間に有機変性剤を吸着させた有機変性層状ケイ酸塩の製造方法としては、(1)有機変性剤と膨潤性層状ケイ酸塩とを水中で接触させる液相法、(2)有機変性剤の蒸気と層状ケイ酸塩とを接触させる気相法が知られている(非特許文献1、特許文献2〜3等)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−217012号公報
【特許文献2】
特開平5−32412号公報
【特許文献3】
特開平9−87390号公報
【非特許文献1】
粘土ハンドブック第二版、405−406頁、日本粘土学会編、
技報堂出版(1987)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液相法では、過剰の有機変性剤を加えなければ反応が十分に進行せず、未反応の層状ケイ酸塩が残ったり、過剰の有機変性剤が層状ケイ酸塩表面に付着したりして、有機変性粘土鉱物として所望の性質が発揮されないことがあった。例えば、層状ケイ酸塩の未反応相の存在は、樹脂のような疎水的マトリックス中での均一分散にとって望ましくない。
また、層状ケイ酸塩の膨潤により反応系の粘度が非常に高くなるため、通常溶媒として大量の水を必要とする。このため、反応系の濃度を高めることができず、また、反応装置も大掛かりなものとなる。また、製品を得るためには固液分離・乾燥工程が必要である。
【0005】
一方、気相法は、閉鎖系容器中で蒸気と接触させるために反応が遅く、また、有機変性剤の吸着が層状ケイ酸塩の表層で起こって内部にまで進行しにくいため、液相法と同様に、層状ケイ酸塩の未反応相が残ったり、有機変性剤が層状ケイ酸塩表面にも付着してしまうことがあった。
このように、液相法、気相法の何れにおいても生産性が低く、コストが高くなるという問題があり、高品質・高性能の有機変性層状ケイ酸塩が製造可能な、簡便且つコストパフォーマンスに優れた製造方法の開発が望まれていた。
【0006】
また、従来、樹脂の物理的強度や耐熱性等の機能を向上させるために、樹脂中に層状ケイ酸塩を分散させたクレー・ポリマーナノコンポジットと称される樹脂組成物がある。層状ケイ酸塩による樹脂の機能性向上には、層状ケイ酸塩を樹脂中に良好に分散させることが非常に重要であると考えられているが、層状ケイ酸塩は極性が高いため、一般に樹脂との親和性に乏しく、良好に分散させることは難しい。そこで、このような層状ケイ酸塩の樹脂との相溶性、分散性を改善するために、有機変性層状ケイ酸塩が用いられている。
ナノコンポジットの製造方法は、溶融混練法、重合法に大別できるが、溶融混練法は、重合法に比べて簡便で、組成等において制限が少なく、融通性が高いという点で有利である。
【0007】
溶融混練法は、有機変性層状ケイ酸塩を溶融した樹脂と混合し分散させる方法である(前記特許文献1等)。有機変性層状ケイ酸塩としては、オニウム塩、特にアンモニウム塩を層間に挿入した有機変性層状ケイ酸塩が用いられており、このような有機変性層状ケイ酸塩は通常液相法で調製される。アンモニウム塩の対イオンとしては、ハロゲンイオン、特に塩素イオンが最も汎用されているが、それは水に対する溶解性が高く、また安価なためである。
【0008】
このようなハロゲンイオンを対イオンとするオニウム塩を有機変性剤として用いた場合には、オニウムイオンが層状ケイ酸塩の層間イオンとのイオン交換によって層間に挿入され、ハロゲンを含む塩類が副生する。しかしながら、ハロゲン化物は、これを配合する製品において悪影響を及ぼすことがあり、例えば、樹脂製品においてはその耐候性を阻害することがある。
【0009】
従って、ナノコンポジット材料への使用に際しては、水で繰り返し洗浄して副生した塩類を除去する洗浄工程が一般的に行われているが、これがコストや生産性を著しく悪化させていた。また、除去される塩のコストは原料コストに含まれるので、割高で無駄があった。さらに、洗浄排水が大量に排出され、環境負荷も大きかった。対イオンとして酢酸イオン等の有機性アニオンを含むオニウム塩も市販されているが、これらはコスト的に割高であり、また、副生した塩類の製品への影響も依然懸念される。
【0010】
原料となる有機変性層状ケイ酸塩の生産性やコストは、溶融混練法による樹脂組成物にも跳ね返るので、有害な塩類を含まず、樹脂の機能性改善にも優れる有機変性層状ケイ酸塩を簡便且つ安価に製造することが望まれていた。
また、従来のナノコンポジットでは、耐衝撃性の改善が十分ではなく、これを改善できる有機変性層状ケイ酸塩が求められていた。
【0011】
溶融混練法の改良として、熱可塑性樹脂と、層状ケイ酸塩及び必要なら有機変性剤の水スラリーを二軸押出機中で一気に混練するクレースラリー注入法もあるが、これは有機変性層状ケイ酸塩の調製工程を省略できるメリットはあるものの、混練装置として特殊なものが必要であり、生産性が低い。また、水が存在するため、実用的な高い機械的特性をもった樹脂組成物を得ることが難しい。さらに、樹脂中から水分を完全に除去することが難しく、親水性の層状ケイ酸塩の周りに水が残りやすいため、疎水的な樹脂との相溶性が悪くなり、性能が発揮されないという問題があった。
【0012】
使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリカーボネート、その他多種のものがある。
【0013】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ポリオレフィンと、有機変性層状ケイ酸塩とを用いて、その機能、特に耐衝撃性が改良されたポリオレフィン系組成物ならびにその簡便且つ効率的な製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、有機変性剤としてオニウム塩の代わりに非イオン性の極性有機化合物を用い、これを膨潤性層状ケイ酸塩と高速攪拌すると、該極性有機化合物が層状ケイ酸塩の層間に効率的に吸着し、簡便に高品質・高性能の有機変性層状ケイ酸塩が製造できることが判明した。そして、このような有機変性層状ケイ酸塩をポリオレフィンおよび後述の酸変性ポリオレフィンと溶融混練すれば、層状ケイ酸塩が微細に分散して、ポリオレフィンの機能を改良できることを見出し本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明で使用する有機変性層状ケイ酸塩は、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に非イオン性極性有機化合物が吸着した有機変性層状ケイ酸塩であって、前記非イオン性極性有機化合物が未吸着の膨潤性層状ケイ酸塩を含まないものである。該有機変性層状ケイ酸塩において、前記非イオン性極性有機化合物のほぼ全量が、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着されていることが好適である。
【0016】
また、前記非イオン性極性有機化合物の99%以上が膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着していることが好適である。
また、前記非イオン性極性有機化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、グリセロール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、シリコーンから選ばれる1種以上であることが好適である。
【0017】
本発明で使用する有機変性層状ケイ酸塩の製造に際しては、膨潤性層状ケイ酸塩と非イオン性極性有機化合物とを、分散媒の非共存下で、機械的剪断力により混合し、前記膨潤性層状ケイ酸塩の層間に前記非イオン性極性有機化合物のほぼ全量を吸着させることが好適である
【0018】
本発明に係るポリオレフィン系組成物は、ポリオレフィンと、酸変性ポリオレフィンと、
混合された非イオン性極性有機化合物の99%以上が膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着している有機変性層状ケイ酸塩とからなり、前記有機変性層状ケイ酸塩が微細に分散していることを特徴とする。
また、前記ポリオレフィン系組成物は、酸変性ポリオレフィンがポリオレフィン系組成物中に0.01〜10質量%含まれていることが好適である。
また、前記ポリオレフィン系組成物は、有機変性層状ケイ酸塩がポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンに対して1〜20重量%含まれていることが好適である。
【0019】
本発明に係るポリオレフィン系組成物の製造方法は、ポリオレフィンと、酸変性ポリオレフィンと、混合された非イオン性極性有機化合物の99%以上が膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着している有機変性層状ケイ酸塩とを、ポリオレフィンの融点以上の温度で溶融混練することを特徴とする。
また、前記ポリオレフィン系組成物の製造方法は、酸変性ポリオレフィンをポリオレフィン系組成物中に0.01〜10質量%含ませることが好適である。
また、前記ポリオレフィン系組成物の製造方法は、有機変性層状ケイ酸塩をポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンに対して1〜20重量%含ませることが好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
1.有機変性層状ケイ酸塩
有機変性層状ケイ酸塩は、膨潤性層状ケイ酸塩と、非イオン性の極性有機化合物とを高速攪拌することにより製造することができる。イオン性極性有機化合物は層状ケイ酸塩の層間に速やかに且つ効率的に吸着される。この吸着反応は、オニウム塩のように層間イオンとのイオン交換反応によるものではなく、層間と極性有機化合物との間のある種の吸引的相互作用(例えば水素結合のような相互作用)によるものである。よって、原料となる層状ケイ酸塩の層間イオンに変動はなく、余計な塩類の副生もないので、原料の無駄がなく、洗浄工程も不要である。
【0021】
また、有機変性層状ケイ酸塩の製造に際しては分散媒を特に必要としない。反応系は固相を呈し、固液分離・乾燥工程は不要であり、そのまま各種用途に適用可能である。また、上記の製造においては、単純な混合操作のみであるにもかかわらず、用いた有機変性剤(非イオン性極性有機化合物)を、層状ケイ酸塩の層間にムラなく、速やかに吸着させることができ、未反応相(非イオン性極性有機化合物が吸着していない層状ケイ酸塩相)を含まないようにすることができる。また、非イオン性極性有機化合物のほぼ全量を層間に吸着させることができ、層状ケイ酸塩表面への付着はあったとしても極微量である。実際、表面付着量を非イオン性極性有機化合物の1%以下とすることができる。
【0022】
なお、本発明で使用する有機変性層状ケイ酸塩中に未反応相を含まないことは、後述するように、粉末X線回折において、原料層状ケイ酸塩と同じ層間距離(拡大されていない)を示すピークが検出されないことをもって、確認することができる。
また、本発明で使用する有機変性層状ケイ酸塩中の極性有機化合物の表面付着量は、後述するように、熱重量分析において、高温側の離脱温度(層間吸着)、低温側の離脱温度(表面吸着)における試料の減量から知ることができる。
【0023】
上記有機変性層状ケイ酸塩において使用する膨潤性層状ケイ酸塩としては、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族の粘土鉱物が好適である。これらは天然、合成の何れであるかを問わないが、その陽イオン交換能が80meq/100g以上の高純度のものであることが好ましい。合成粘土鉱物は高純度のものを得やすいという点で有利である。合成粘土鉱物としては、合成テトラシリシックマイカ、合成ナトリウムテニオライト等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0024】
本発明において膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着される有機変性剤は、上述した非イオン性の極性有機化合物である。非イオン性とは、アミノ基、スルホ基等のイオン性基を含まないことを意味し、非イオン性極性有機化合物とは、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、エーテル結合(−O−)、アミド結合(−CONH−)、エステル結合(−COO−)などの極性基を有するものである。従って、オニウムイオン化合物(オニウム塩)は本発明で使用する非イオン性極性有機化合物には包含されない。
【0025】
本発明において用いる非イオン性極性有機化合物としては、基本的に膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着してその層間を拡大することができるものであれば特に限定されないが、後述するポリマー・マトリックスとの溶融混練に用いる場合には、層間結合力を弱めて樹脂中での層剥離を進行し易くし、且つ樹脂中での層状ケイ酸塩の分散性を良好なものとするような化合物が好適である。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価または3価の多価アルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート等の多価アルコールアルキルエステル類;ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー;シリコーン等が挙げられる。また、可塑剤や表面改質剤として用いられているものの中からも選択可能である。これらの内、特に好ましいものは2価又は3価の多価アルコールである。なお、本発明においては、有機変性剤として1種以上の非イオン性極性有機化合物を用いることができる。
【0026】
有機変性層状ケイ酸塩の製造に際しての層状ケイ酸塩と極性有機化合物との混合には、シェアがかかる方式の装置を用いることが望ましく、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、ジューサーミキサー等が例示できるが、これらに限定されるものではない。シェアの程度としては、継粉ができない程度であればよく、通常回転数200〜2000rpmで処理すればよい。攪拌時間は、吸着が十分に行われるよう適宜設定すればよいが、通常10分〜2時間である。
【0027】
なお、高速攪拌により層状ケイ酸塩は自己発熱するが、反応系の温度は80℃以下とすることが好適である。温度が高くなり過ぎると、吸着反応がうまく進行しなかったり、原料が変質する恐れがある。また、層状ケイ酸塩と極性有機化合物との混合方法は、特に限定されず、両者を一度に混合攪拌してもよいし、層状ケイ酸塩に極性有機化合物を徐々に添加しながら混合攪拌してもよい。
【0028】
層状ケイ酸塩に対する極性有機化合物量としては、用いる原料の種類や目的とする性能等によって適宜決定することができるが、層状ケイ酸塩に対して極性有機化合物が少なすぎると層状ケイ酸塩の未反応相が生じることがあり、過剰に用いると、吸着しきれない極性有機化合物が層状ケイ酸塩の表面に付着することがある。また、液状の極性有機化合物を大過剰に用いると、層状ケイ酸塩が極性有機化合物中で膨潤して反応系が高粘度のペースト(ゾル)となってしまう。従って、このような問題を生じない範囲で使用量を決定することが好適である。層状ケイ酸塩に対する極性有機化合物の使用量は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
【0029】
層状ケイ酸塩と極性有機化合物との混合には、基本的に分散媒は用いず、層状ケイ酸塩と極性有機化合物のみを用い、反応系の状態は固相(粉末状)を呈する。この点で、水のような極性溶媒を大量に使用する液相法とは全く異なる。
このような方法によれば、粉末状の吸着複合体が得られるので、吸着反応後の固液分離・乾燥工程が不要である。しかも、吸着反応が層状ケイ酸塩全体にわたってムラなく進行するので、極性有機化合物が吸着していない未反応の層状ケイ酸塩相を含まず、均一な吸着複合体が得られる。極性有機化合物の層状ケイ酸塩表面への付着はほとんどない。
【0030】
なお、状ケイ酸塩を予め加湿しておくと、その層間が予め広がっているので吸着反応が進みやすいことがある。このような加湿のための水分は、攪拌で起こる自己発熱の結果、攪拌中に完全に揮発する程度の極少量を用いる。そうすれば、特に乾燥工程を必要とせず、得られた有機変性層状ケイ酸塩をそのまま、マトリックスとなるポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンと混合しても問題とならない。層状ケイ酸塩がペーストやスラリーとなるような大量の水分を用いると、攪拌中に完全に揮発除去できないので注意を要する。
【0031】
また、極性有機化合物を極少量の揮発性溶媒に高濃度に溶解して用いることも可能である。揮発性溶媒は、極性有機化合物を高濃度に溶解でき、且つ吸着反応のための高速攪拌中に完全に揮散してしまう溶媒であれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステル、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0032】
2.ポリオレフィン系組成物
本発明に係るポリオレフィン系組成物は、上記有機変性層状ケイ酸塩を用い、ポリオレフィンの融点以上の温度で、ポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンと溶融混練することにより得ることができる。得られたポリオレフィン系組成物中に、上記有機変性層状ケイ酸塩は微細に分散している。これは、層間に吸着した非イオン性極性有機化合物が滑剤として働き、溶融混練時のシェアにより層状ケイ酸塩が単位層レベルで剥離が進行するためと考えられる。また、非イオン性極性有機化合物が層状ケイ酸塩とポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンとの親和性にも寄与し、分散安定性も良好なものとなっていると考えられる。そして、このように分散した有機変性層状ケイ酸塩はポリオレフィン系組成物の軽量化、高剛性化に寄与し、特に耐衝撃性を著しく改善することができる。
【0033】
溶融混練には、混練能力の高い装置を用いることが望ましく、このような能力を有する装置であれば、特に限定されない。例えば、汎用の二軸押出機、ディスク型押出機、ニーダー等を用いることができるので、特殊な装置を用意する必要はない。
上記ポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンに対する有機変性層状ケイ酸塩の比率は0.1〜200質量%、好ましくは1〜20質量%である。少なすぎると有機変性層状ケイ酸塩の添加効果が十分発揮されず、過剰に配合すると層状ケイ酸塩が十分分散されなかったり、作業性が低下したり、添加に見合った効果が発揮されなかったりすることがある。
【0034】
本発明においては、ポリオレフィンと有機変性層状ケイ酸塩との相溶性を向上させるために酸変性ポリオレフィンを併用することを要する発明のポリオレフィン系組成物においては、該組成物中に酸変性ポリオレフィンが0.01〜10質量%含まれるようにすることが好適である。
酸変性ポリオレフィンとは、ベース樹脂を酸で変性したものであり、このようなベース樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸エチル共重合物、ポリプロピレンなどある。
【0035】
上記ベース樹脂の中で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好適である。酸変性ポリオレフィンの主鎖となるポリオレフィンの分子量は、通常10×10〜100×10であることが好ましく、20×10〜80×10であることがより好ましい。これらのポリオレフィンを変性する酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、及びメタクリル酸などのカルボキシル基を含有する低分子量有機酸、スルホ基を含有する低分子量有機スルホン酸、ホスホン酸などのホスホ基を含有する低分子量有機酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上で変性したものを用いることができる。
【0036】
酸変性ポリオレフィンにおける酸付加量としては、酸変性ポリオレフィン中通常0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。酸変性ポリオレフィンの添加により、ポリオレフィンと層状ケイ酸塩の相溶性を高めることができ、分散性をより改善することが可能となる。本発明のポリオレフィン系組成物においては、酸変性ポリオレフィが組成物中0.01〜10質量%とすることが好適である。本発明のポリオレフィン系組成物は、ペレット、フィルム、シート、エンジニアリングプラスチックなど、用途に応じて種々の形態に成形できる。本発明のポリオレフィン系組成物は、その成型品までも包含する。
【0037】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.有機変性層状ケイ酸塩
本発明で使用する有機変性層状ケイ酸塩について説明する。有機変性層状ケイ酸塩の製造原料、ならびに試験方法は次の通りである。CECは陽イオン交換容量(層状ケイ酸塩100g当たりの陽イオン交換容量)を表す。
【0038】
I.材料
(層状ケイ酸塩)
合成ナトリウム四ケイ素雲母(CEC: 85meq/100g)
合成ナトリウムテニオライト(CEC:246meq/100g)
合成ナトリウムヘクトライト(CEC: 85meq/100g)
天然モンモリロナイト (CEC:115meq/100g)
(極性有機化合物)
エチレングリコール (試薬1級:和光純薬製)
ポリエチレングリコール(分子量200、試薬1級:和光純薬製)
ポリエチレングリコール(分子量1000、試薬1級:和光純薬製)
グリセロール (試薬1級:和光純薬製)
【0039】
II.試験方法
(外観)
反応生成物の外観を肉眼にて観察した。
(粉末X線回折)
反応生成物について、粉末X線回折装置(島津製作所製 XRD−6100)により測定を行った。
層状ケイ酸塩の層間に極性有機化合物が吸着すると、原料の層状ケイ酸塩に比べてその層間距離が拡大する。従って、反応生成物と原料の回折スペクトルデータを比較し、層間距離の拡大に相当するピークの存在により、吸着を確認することができる。
【0040】
また、反応生成物の回折スペクトルデータにおいて、原料の層状ケイ酸塩と同じ層間距離を示すピークが存在する場合には、それは極性有機化合物が吸着してない層状ケイ酸塩(未反応相)が存在することを示す。
なお、反応生成物の回折スペクトルデータにおいて、吸着した層状ケイ酸塩(反応相)を示すピークと、未吸着の層状ケイ酸塩(未反応相)を示すピークの強度を相対的に比較することにより、両者の存在割合を知ることができる。
【0041】
(熱重量分析)
反応で用いた極性有機化合物は、層状ケイ酸塩の層間に吸着される他、層状ケイ酸塩の層間以外の外部表面に付着している場合が考えられる。そこで、反応生成物について、熱重量分析装置(島津製作所製 DTG−60)を用いて測定を行った。
層間に吸着している極性有機化合物(吸着相)は、層状ケイ酸塩の表面に単に付着している極性有機化合物(表面付着相)に比べて離脱温度が高い。従って、熱重量分析で示された吸熱ピークの内、高温側、低温側のピークを極性有機化合物が吸着相、表面付着相からそれぞれ離脱する時の吸熱ピークとすることができ、これらピーク温度(離脱温度)における試料の減量を、各相の極性有機化合物の離脱によるものと見なすことができる。そして、低温側のピークが検出不能で、高温側のピークだけが検出された場合には、有機変性層状ケイ酸塩中の極性有機化合物は全て層間に吸着されているものと考えられる。
【0042】
III.有機変性層状ケイ酸塩の製造及び試験結果
実施例1〜8
表1に示すように、各種層状ケイ酸塩と非イオン性極性有機化合物を用い、コーヒーミル又はヘンシェルミキサーにより高速攪拌し、反応させた。極性有機化合物の使用量は層状ケイ酸塩使用量に対して約20質量%であった。また反応時間は何れも30分間であった。なお、高速攪拌により層状ケイ酸塩粉体は自己発熱したが、反応系の温度は80℃以下であった。
【0043】
攪拌後の反応生成物の外観、粉末X線回折及び熱重量分析結果を表2に示す。表2から解るように、何れの実施例においても得られた反応生成物は粉末状であった。
また、粉末X線回折の結果、極性有機化合物が吸着していない未反応相は検出されず、極性有機化合物が吸着した反応相のみが検出された。また、熱重量分析により、極性有機化合物のほぼ全量が層状ケイ酸塩の層間に吸着しており、層状ケイ酸塩の表面への付着はほとんどないことが確認された。
【0044】
【表1】
Figure 0004698937
【0045】
【表2】
Figure 0004698937
【0046】
比較例1
実施例1の反応条件をコーヒーミルから手による混練に変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
得られた反応生成物は不均一な粉体で継粉(ダマ)が認められた。粉末X線回折の結果、極性有機化合物(エチレングリコール)が吸着した反応相と、吸着していない未反応相とが混在していた。また、熱重量分析により、エチレングリコールの半量以上は層間ではなく、表面に付着していることが判明した。
【0047】
比較例2
実施例1において、層状ケイ酸塩に対する極性有機化合物の比率を20%から50%に増量し、かつ反応条件をコーヒーミルから手による混練に変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
得られた反応生成物はペースト状であった。粉末X線回折の結果、極性有機化合物(エチレングリコール)が吸着した反応相のみで構成され、吸着していない未反応相は検出されなかったが、熱重量分析の結果、エチレングリコールの半量以上が層間ではなく、層状ケイ酸塩の表面に付着していることが判明した。
【0048】
比較例3
層状ケイ酸塩及び極性有機化合物の種類、使用量は実施例1と同条件で、液相法により有機変性粘土鉱物を調製した。
具体的には、層状ケイ酸塩を10%(w/w)水懸濁液100gとし、攪拌しながら十分に膨潤させた(80℃、6時間)。エチレングリコールを2%水溶液(w/v)100mlとし、層状ケイ酸塩懸濁液を極性有機化合物水溶液に添加して、マグネットスターラーを用いて60分間攪拌した(反応温度80℃)。その後、遠心分離(3000rpm×10分間)により固液分離し、得られた固相を、乾燥機中、110℃×12時間の乾燥を施して反応生成物を得た。
得られた反応生成物は、塊状であった。粉末X線回折の結果、エチレングリコールが吸着した反応相と、吸着していない未反応相とが混在していた。また、熱重量分析により、エチレングリコールの一部は層間ではなく、表面に付着していることが判明した。
【0049】
比較例4
層状ケイ酸塩及び極性有機化合物の種類は実施例1と同条件で、気相法により有機変性粘土鉱物を調製した。層状ケイ酸塩に対する極性有機化合物の比率は20%から200%に増量した。具体的には、層状ケイ酸塩10g、エチレングリコール20gをデシケータ中に密閉封入し、オーブンの中で80℃に保持して6時間反応させ、反応生成物を得た。
得られた反応生成物は、粉体状であったが、粉末X線回折の結果、エチレングリコールが吸着した反応相と、吸着していない未反応相とが混在していた。また、熱重量分析により、エチレングリコールの一部は層間ではなく、表面に付着していることが判明した。
【0050】
比較例1〜4の反応条件、ならびに測定結果を表3及び表4に示す。
比較例1のように、原料の攪拌を手混練で行った場合には十分な混合が行われず、層状ケイ酸塩一部に極性有機化合物が吸着されない未反応相が残ってしまったり、極性有機化合物が層状ケイ酸塩の層間ではなく表面に付着してしまう。
また、比較例2のように、極性有機化合物を過剰量使用すると、反応系がペースト状になってしまい、表面付着量が大きくなる。また、系の粘度も高くなるため、混練に要するエネルギーも増大する。
【0051】
また、比較例3の液相法では、反応系の原料濃度が低い(約6%)ために効率が悪い。しかし、液相法では原料となる層状ケイ酸塩の膨潤性のために反応液の粘度が高く、これ以上の高濃度化は攪拌や固液分離における効率を低下させるので、実質的にこれ以上の高濃度化は困難である。また、反応生成物には未反応相がかなり含まれ、熱重量分析の結果からかなりの量の極性有機化合物が反応溶媒中に残量するものと思われる。
【0052】
比較例4は密閉系での加温蒸気化による気相反応であるが、層状ケイ酸塩の表層でしか反応が進まないため、未反応相や表面付着相が認められる。
これら比較例に対し、本発明に係る実施例1〜8では何れも未反応相は検出されず、また、表面付着相もほとんど認められなかった。その製造も非常に簡便で、効率的に層間への吸着反応が進行した。
【0053】
【表3】
Figure 0004698937
【0054】
【表4】
【表4】
Figure 0004698937
【0055】
2.ポリオレフィン系組成物
次に、上記実施例の有機変性層状ケイ酸塩を用いたポリオレフィン系組成物について検討した。
I.材料
ポリオレフィン
PP :メルトインデックス17g/10分、結晶性エチレン・プロピレン共重合体( サンアロマー製、PM870A)
(酸変性ポリオレフィン
PPMA:メルトインデックス20g/10分、PPベースの無水マレイン酸グラフト重 合体(日本ポリオレフィン製、ER320P)
(層状ケイ酸塩)
・処理マイカA〜D:前記実施例2〜5の各有機変性層状ケイ酸塩
・処理マイカE(四級アンモニウム変性処理マイカ)
・タルク
【0056】
処理マイカEは有機変性剤として四級アンモニウム塩を用い、前記比較例3と同様に液相法により有機変性層状ケイ酸塩を調製した。すなわち、合成ナトリウム四ケイ素雲母(CEC85meq/100g)の10%(w/w)水懸濁液200gを80℃の温度で攪拌しながら10時間放置し、十分に膨潤させた。その後、この懸濁液に市販の塩化ジステアリルジメチルアンモニウムをCECの1.1当量加え、マグネットスターラーを用いて4時間攪拌した。その後、遠心分離(700G)により固液分離した。得られた固相を、蒸留水で再分散させて洗浄を行い、上澄み液の電気伝導度が200μS/cmなるまで洗浄を繰り返した。洗浄終了後、ブフナーロートで吸引濾過して固液分離し、回収した固形物を乾燥機中、110℃×12時間乾燥させ、ジューサーミキサーで解砕して目的とする処理マイカEを得た。
【0057】
II.試験方法
(灰分)
質量を測定した試料を「るつぼ」に入れ、ガスバーナー上で加熱する。揮発性分解物を排除した後、550℃±25℃に加熱しておいたマッフル炉に「るつぼ」を入れ、炭素質物質がすべて燃焼し恒量になるまで加熱し、冷却した後の残量を測定する。当初の質量に対する残量の比率を算出し、灰分(%)とした。
(透明度)
厚さ1mmに調整した試験片を印刷物の上に置き、印字の見え具合で透明度を調べ、層状ケイ酸塩の分散性を評価した。評価基準は、
◎:はっきりと読める
○:読める
△:不明瞭
×:不透明
で表し、○以上を微分散と評価した。
【0058】
(剛性、耐衝撃性)
次の項目について、試験を行った。
引張強さ(MPa) : JIS K7161、7162
曲げ強さ(MPa) : JIS K7171
曲げ弾性率(MPa): JIS K7171
シャルピー衝撃強さ(kJ/m): JIS K7111
【0059】
III.ポリオレフィン系組成物の製造及び試験結果
実施例A〜D及び比較例a〜c
マトリックス・ポリマーとしてポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィンを用い、各種層状ケイ酸塩を用いて溶融混練法によりポリオレフィン系組成物を得た。
具体的には、上記ポリプロピレン(PP)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPMA)及び層状ケイ酸塩をV−ブレンダーでドライブレンドし、同・異方向二軸押出機を用いて200〜210℃で溶融混練後、ペレット化した。このペレットを100℃で熱風乾燥し、射出成形して試験片を作製した。試験片は、油圧式射出成形機(型締圧80T)により成形温度200℃、金型温度40℃、射出時間10sec、冷却時間15secの条件下で多目的試験片金型(JIS K7139)を用い、射出成形にて作製し、試験に供した。 各ポリオレフィン系組成物の組成、ならびに物性評価結果を表5に示す。
【0060】
【表5】
Figure 0004698937
【0061】
表5から解るように、本発明に係る有機変性層状ケイ酸塩(処理マイカA〜D)を用いたポリオレフィン系組成物(実施例A〜D)は、従来の四級アンモニウム塩変性層状ケイ酸塩(処理マイカE)を用いたポリオレフィン系組成物(比較例a)に比べ、同じ灰分量であるにもかかわらず、引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率においては比較例aと同等あるいはそれ以上の性能を示し、耐衝撃性においては比較例aの5割増しと大きく向上した。
【0062】
また、層状ケイ酸塩としてタルクを用いた場合(比較例b)と比較すると、約1/3の灰分量で同程度の剛性ならびに高耐衝撃性を付与できることが理解される。
また、酸変性ポリオレフィン無添加の場合(比較例c)には、実施例A〜Dほどの機械的強度を得ることができなかった。
透明度において、実施例A〜Dは比較例a〜cに比べて良好であり、ポリオレフィン系組成物での層状ケイ酸塩の分散性が優れていることを示唆している。この優れた分散性が剛性や耐衝撃性改善に寄与しているものと推察される。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るポリオレフィン系組成物は、ポリオレフィンと、酸変性ポリオレフィンと、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に非イオン性極性有機化合物が吸着した有機変性層状ケイ酸塩とからなり、当該有機変性層状ケイ酸塩がポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィン内に微細に分散されているので、廉価で、高い剛性および高い耐衝撃性を与える
また、本発明に係るポリオレフィン系組成物の製造方法によれば、ポリオレフィンと、酸変性ポリオレフィンと、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に非イオン性極性有機化合物が吸着した有機変性層状ケイ酸塩とを、ポリオレフィンの溶融温度以上の温度で溶融混練するので、非イオン性極性有機化合物が滑剤として働き、溶融混練時のシェアにより層状ケイ酸塩が単位層レベルで剥離が進行するためと考えられるが、有機変性層状ケイ酸塩をポリオレフィンおよび酸変性ポリオレフィン内に微細に分散させ、有機変性層状ケイ酸塩が少量である場合にも、廉価で高い機械的強度のポリオレフィン系組成物を簡便に得ることができる

Claims (6)

  1. ポリオレフィンと、酸変性ポリオレフィンと、混合された非イオン性極性有機化合物の99%以上が膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着している有機変性層状ケイ酸塩とからなり、前記有機変性層状ケイ酸塩が微細に分散していることを特徴とするポリオレフィン系組成物。
  2. 請求項1に記載のポリオレフィン系組成物において、前記酸変性ポリオレフィンが前記ポリオレフィン系組成物中に0.01〜10質量%含まれていることを特徴とするポリオレフィン系組成物。
  3. 請求項1に記載のポリオレフィン系組成物において、前記有機変性層状ケイ酸塩が前記ポリオレフィンおよび前記酸変性ポリオレフィンに対して1〜20質量%含まれていることを特徴とするポリオレフィン系組成物。
  4. ポリオレフィンと、酸変性ポリオレフィンと、混合された非イオン性極性有機化合物の99%以上が膨潤性層状ケイ酸塩の層間に吸着している有機変性層状ケイ酸塩とを、前記ポリオレフィンの融点以上の温度で溶融混練することを特徴とするポリオレフィン系組成物の製造方法。
  5. 請求項4に記載のポリオレフィン系組成物の製造方法において、前記酸変性ポリオレフィンを前記ポリオレフィン系組成物中に0.01〜10質量%含ませることを特徴とするポリオレフィン系組成物の製造方法。
  6. 請求項4に記載のポリオレフィン系組成物の製造方法において、前記有機変性層状ケイ酸塩を前記ポリオレフィンおよび前記酸変性ポリオレフィンに対して0.1〜200質量%含ませることを特徴とするポリオレフィン系組成物の製造方法。
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