JP4516798B2 - 有機変性層状ケイ酸塩含有樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
溶融混練法は、有機変性層状ケイ酸塩を、溶融した樹脂と混合し、分散させる方法である(特許文献1等)。
このようなハロゲンイオンを対イオンとするオニウム塩を有機変性剤として用いた場合には、オニウムイオンが層状ケイ酸塩の層間イオンとのイオン交換によって層間に挿入され、交換によりフリーとなった層間イオンやハロゲンを含む塩類が副生する。イオンやハロゲン化物は、これを配合する製品において絶縁性や耐候性を阻害する等、悪影響を及ぼすことがある。
前記有機変性層状ケイ酸塩は、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、105〜300℃の範囲の沸点を有する水溶性の化合物である非イオン性極性有機化合物と両性界面活性剤とを有するものであり、
該有機変性層状ケイ酸塩は樹脂組成物中で層剥離あるいは層拡大して微細に分散していることを特徴とする。
本発明において、膨潤性層状ケイ酸塩が合成粘土鉱物であることが好適である。
また、両性界面活性剤が膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量(CEC)に対し0.4倍当量以上であることが好適である。
また、両性界面活性剤がベタイン型両性界面活性剤であることが好適である。
また、本発明の樹脂組成物において、さらに金属石鹸を有機変性層状ケイ酸塩に対して3〜20質量%含むことが好適である。
本発明の方法において、膨潤性層状ケイ酸塩と、非イオン性極性有機化合物と、両性界面活性剤とを、分散媒の共存下あるいは非共存下で機械的剪断力により混合することにより、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に非イオン性極性有機化合物と両性界面活性剤とが挿入された有機変性層状ケイ酸塩を調製し、
該有機変性層状ケイ酸塩を樹脂組成物に添加混合して樹脂組成物中に分散させることが好適である。
また、膨潤性層状ケイ酸塩と、非イオン性極性有機化合物と、両性界面活性剤との混合を、分散媒の非共存下、粉体状態を維持しながら行うことが好適である。
また、本発明の方法において、金属石鹸を有機変性層状ケイ酸塩に対して3〜20質量%混合し、この混合物を樹脂組成物に添加混合して樹脂組成物中に分散させることが好適である。
このような有機変性層状ケイ酸塩は、多量の分散媒を用いずとも膨潤性層状ケイ酸塩と有機変性剤との単純な混合により得ることができ、固液分離や洗浄工程なしにそのまま樹脂と混合できる。両性界面活性剤は膨潤性層状ケイ酸塩の層間イオンとの交換により結合するが、交換により生じたフリーの層間カチオンは、両性界面活性剤が有するアニオン部によりトラップされるために、層間から溶出しない。また、ハロゲン化物や塩の副生もない。従って、不要なイオンや塩の除去のための洗浄を行わずにそのまま樹脂改質剤として樹脂と混合しても、樹脂組成物の物性を損なうことがない。
膨潤性層状ケイ酸塩としては、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族の粘土鉱物が好適である。これらは天然、合成であるを問わないが、その陽イオン交換能が80meq/100g以上の高純度のものであることが好ましい。合成粘土鉱物は高純度のものを得やすいという点で有利である。合成粘土鉱物としては、合成テトラシリシックマイカ、合成ナトリウムテニオライト等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
非イオン性極性有機化合物としては、105〜300℃の範囲の沸点を有する水溶性の化合物である。油溶性の有機化合物では、層間イオンへの配位あるいは層間への吸着が起こりにくい。また、有機層状ケイ酸塩の製造法上、油溶性の有機化合物では、膨潤性層状ケイ酸塩の有機変性の際に、両性界面活性剤との同時処理が困難であり、また同時処理しようとすれば溶媒が必要となり、処理のコストアップが余儀なくされる。
なお、本発明においては、これらの両性界面活性剤等のうち、任意の1種以上を用いることができる。
何れにしても、反応系が固相(粉末状)を呈するように混合条件(攪拌力、添加速度、処理温度等)を適宜調整することが好適である。攪拌力不足などにより反応系が継粉状態やペースト状態になると、未反応相を生じたり、有機変性剤が層間ではなく表面に吸着しやすい。
また、有機変性剤の蒸気と層状ケイ酸塩とを接触させる気相法も知られているが、気相法は、閉鎖系容器中で蒸気と接触させるために反応が遅く、また、有機変性剤の吸着が層状ケイ酸塩の表層で起こって内部にまで進行しにくいため、液相法と同様に、層状ケイ酸塩の未反応相が残ったり、有機変性剤が層状ケイ酸塩表面にも付着してしまうことがあった。
本発明においては、上記のように単純な混合操作のみで有機変性剤(非イオン性極性有機化合物、両性界面活性剤)を、層状ケイ酸塩の層間にムラなく、速やかに挿入することができ、未反応相(非イオン性極性有機化合物および両性界面活性剤が挿入されていない層状ケイ酸塩相)を含まないようにすることができる。なお、本発明の有機変性層状ケイ酸塩中に未反応相を含まないことは、後述するように、粉末X線回折において、原料層状ケイ酸塩と同じ層間距離(拡大されていない)を示すピークが検出されないことをもって、確認することができる。
従って、本発明の有機変性層状ケイ酸塩では余計なイオンや塩類の副生がないので、樹脂組成物にそのまま配合しても樹脂組成物の物性を損なうことがない。
これに対し、図2のように有機変性剤としてアンモニウム塩などのオニウム塩を用いた場合には、アンモニウムイオン10が層間カチオン4と交換して層間に結合すると、交換によりフリーとなった層間カチオン4が溶出し、またアンモニウム塩に含まれていたハロゲンイオン12などのアニオンの存在もある。これらは、樹脂組成物の物性や安定性などに影響を及ぼすので、これらを除去するために繰り返し洗浄を行う必要がある。
剪断力の程度としては、継粉ができない程度であればよく、通常回転数200〜2000rpmで処理すればよい。
攪拌時間は、反応が十分に行われるよう適宜設定すればよいが、通常1分〜2時間である。
なお、高速攪拌により膨潤性層状ケイ酸塩は自己発熱するが、反応系の温度は100℃以下とすることが好ましい。温度が高くなり過ぎると、原料の変質や、蒸発の恐れがあるためである。
本発明において、膨潤性層状ケイ酸塩に対する非イオン性極性有機化合物の添加量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。また、両性界面活性剤の添加量は、膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量(CEC)に対し0.4倍当量以上、より好ましくは、0.9〜1.2倍当量である。
このようにして得られた有機変性層状ケイ酸塩は、有機変性剤が挿入されたことにより原料の膨潤性層状ケイ酸塩よりも層間距離が拡大している。その層間距離は、好ましくは13オングストローム以上である。
上記熱可塑性樹脂に対する有機変性層状ケイ酸塩の比率は0.1〜200重量%、好ましくは1〜20重量%である。少なすぎると有機変性層状ケイ酸塩の添加効果が十分発揮されず、過剰に配合すると層状ケイ酸塩が十分分散されなかったり、作業性が低下したり、添加に見合った効果が発揮されなかったりすることがある。
酸変性樹脂とは、ベース樹脂を酸で変性してなる樹脂であり、このようなベース樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン酢酸−アクリル酸エチル共重合樹脂、ポリプロピレンなどである。
酸変性樹脂における酸付加量としては、酸変性樹脂中通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜15重量%である。酸変性樹脂の添加により、樹脂組成物と有機変性層状ケイ酸塩の相溶性を高めることができ、分散性をより改善することが可能となる。
具体的には、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、および同様のラウリン酸金属塩、ベヘン酸金属塩、モンタン酸金属塩、ヒドロキシステアリン酸金属塩等が挙げられる。上記の中で、性能と入手の簡便さより、とりわけステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム等の金属石鹸が好ましい。
金属石鹸は溶融混練時に添加してもよいが、有機変性層状ケイ酸塩と金属石鹸とを予め混合してから、溶融混練に供する方が好ましい。金属石鹸と有機変性層状ケイ酸塩との混合は、両者を均質に出来る物であれば特に限定されず、容器回転型、容器固定型等の公知の混合機により行うことができる。更に好ましくは、有機変性層状ケイ酸塩の微粉砕時に金属石鹸を同時混合することである。この場合には、金属石鹸と有機変性層状ケイ酸塩の粉砕、混合を同時に行うことができ、経済性に有利である。その際には、例えばボールミル、ハンマーミル、ジェットミル等の公知の粉砕機により行うことができる。
本発明の有機変性層状ケイ酸塩含有樹脂組成物は、ペレット、フィルム、シート、エンジニアリングプラスティックなど、用途に応じて種々の形態に成形できる。上記樹脂組成物は、その成型品までも包含する概念である。
I.材料
(層状ケイ酸塩)
合成ナトリウム四ケイ素雲母(CEC:101meq/100g)
合成ナトリウムヘクトライト(CEC: 85meq/100g)
天然モンモリロナイト (CEC:115meq/100g)
EG:エチレングリコール(試薬1級:和光純薬製、沸点:197.6℃)
DEG:ジエチレングリコール(試薬1級:和光純薬製、沸点:245℃)
DEGDEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル(試薬1級:和光純薬製、沸点:189℃)
PEG1000:ポリエチレングリコール(分子量1000、試薬1級:和光純薬製)
LD−36:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(三洋化成工業製 レボンLD−36(40.5%水溶液))
2000HG:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(三洋化成工業製 レボン2000HG(30.4%水溶液))
LSB−R:ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシルスルホベタイン(川研ファインケミカル製 ソフタゾリンLSB−R(27.7%水溶液))
PP:メルトインデックス17g/10分、結晶性エチレン・プロピレン共重合体(サンアロマー製 PM870A)
PPMA:メルトインデックス20g/10分、PPベースの無水マレイン酸グラフト重合体(日本ポリオレフィン製 ER320P)
(金属石鹸)
ステアリン酸カルシウム(和光純薬製)
(粉末X線回折)
反応生成物について、粉末X線回折装置(島津製作所製 XRD−6100)により測定を行った。
層状ケイ酸塩の層間に両性界面活性剤或いは極性有機化合物が挿入されると、原料の層状ケイ酸塩に比べてその層間距離が拡大する。従って、反応生成物と原料の回折スペクトルデータを比較し、層間距離の拡大に相当するピークの存在により、挿入を確認することができる。
また、反応生成物の回折スペクトルデータにおいて、原料の層状ケイ酸塩と同じ層間距離を示すピークが存在する場合には、それは両性界面活性剤あるいは非イオン性極性有機化合物が吸着してない層状ケイ酸塩(未反応相)が存在することを示す。
なお、反応生成物の回折スペクトルデータにおいて、吸着した層状ケイ酸塩(反応相)を示すピークと、未吸着の層状ケイ酸塩(未反応相)を示すピークの強度を相対的に比較することにより、両者の存在割合を知ることができる。
重量を測定した試料をるつぼに入れ、ガスバーナー上で加熱する。揮発性分解物を排除した後、550℃±25℃に加熱しておいたマッフル炉にるつぼを入れ、炭素質物質がすべて燃焼し恒量になるまで加熱し、冷却した後の残量を測定する。当初の質量に対する残量の比率を算出し、灰分(%)とした。
(透明度)
厚さ1mmに調整した試験片を印刷物の上に置き、印字の見え具合で透明度を調べ、層状ケイ酸塩の分散性を評価した。評価基準は、
◎:はっきりと読める
○:読める
△:不明瞭
×:不透明
で表し、○以上を微分散と評価した。
次の項目について、試験を行った。
引張強さ(MPa):JIS K7161,7162
曲げ強さ(MPa):JIS K7171
曲げ弾性率(MPa):JIS K7171
表1の各種層状ケイ酸塩、両性界面活性剤、及び非イオン性極性有機化合物を用い、ジューサーミキサーにより高速攪拌し、反応させた。但し、反応は粉体状を維持出来るよう両性界面活性剤および非イオン性極性有機化合物をそれぞれ何回かに分け添加、乾燥を繰り返し実施した。反応時間はいずれも5分間であった。なお、高速攪拌により層状ケイ酸塩粉体は自己発熱したが、反応系の温度は80℃以下であった。
反応後の有機変性層状ケイ酸塩の外観は何れも粉末状であった。また、表1からわかるように、何れの有機変性層状ケイ酸塩でも未処理の層状ケイ酸塩(原料の層状ケイ酸塩)に比べて層間距離が拡大し、未反応相も検出されなかったことから、有機変性剤(非イオン性極性有機化合物、両性界面活性剤)が層状ケイ酸塩の層間に挿入されたことが理解される。
実施例1で得られた各有機変性層状ケイ酸塩(処理マイカ1〜11、比較処理マイカ1〜2)を用いて、表2の組成で樹脂組成物を製造した。有機変性層状ケイ酸塩および熱可塑性樹脂として上記ポリプロピレン(PP)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPMA)をV−ブレンダーでドライブレンドし、同方向二軸押出機を用いて180〜210℃で溶融混合後、ペレット化した。このペレットを100℃で熱風乾燥し、射出成形して試験片を作製した。試験片は、油圧式射出成形機(型締圧80T)により成形温度200℃、金型温度40℃、射出時間10sec、冷却時間25secの条件下で多目的試験片金型(JIS K7139)を用い、射出成形にて作製し、試験に用いた。
また、比較のために、有機変性層状ケイ酸塩の代わりにタルクを用いた樹脂組成物も同様に調製した。
表3からわかるように、有機変性剤が非イオン性極性有機化合物のみの有機変性層状ケイ酸塩の場合に比べ、有機変性剤として両性界面活性剤を併用した有機変性層状ケイ酸塩の場合の方が、得られた樹脂組成物の剛性(引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率)が高くなる傾向が認められた。また、有機変性剤が両性界面活性剤のみの場合に比べても透明度や剛性が高かった。このような効果を得るためには、両性界面活性剤が膨潤性層状ケイ酸塩のCECに対して0.4倍当量以上、さらには0.9倍当量以上であることが好適であった。なお、両性界面活性剤を過剰に用いても増量に見合った効果は得られず、かえって耐衝撃性等他の機械的特性に影響を及ぼすことがあるので、両性界面活性剤は1.5倍当量以下、さらには1.2倍当量以下であることが好適である。
表4から、何れの組み合わせにおいても、優れた透明性と剛性が得られ、有機変性層状ケイ酸塩の代わりにタルクを用いた場合と比較して、約1/3の灰分量で同程度の剛性を付与することができる。
実施例1で得られた処理マイカ3(Na四ケイ素雲母100g/EG20g/2000HG1.1eqで調製した有機変性層状ケイ酸塩)に、金属石鹸(ステアリン酸カルシウム)を有機変性層状ケイ酸塩に対して2、5又は10質量%添加し、均一に混合した。この混合物を実施例2の有機変性層状ケイ酸塩の代わりに使用した以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物を製造した。
結果を表5に示す。表5からわかるように、有機変性層状ケイ酸塩とともに金属石鹸を併用することにより、樹脂組成物の透明度や剛性をさらに高めることができる。このような効果を得るためには、金属石鹸は有機変性層状ケイ酸塩に対して、3〜20質量%であることが好適であった。
カチオン界面活性剤が層間カチオンとカチオン交換により結合すると、交換した層間カチオンがフリーとなって層間から溶出し、樹脂組成物の絶縁性などの特性に対して悪影響を及ぼすことが懸念される。このようなフリーの層間カチオンは、洗浄を繰り返すことにより、ある程度除去可能であるが、工程が煩雑になり、コストもかかる。
両性界面活性剤が層間カチオンとカチオン交換により結合した場合には、フリーとなった層間カチオンが両性界面活性剤のアニオン部にトラップされて、溶出しないことが期待できる。
そこで、次のような試験により、検証を行った。
(1)両性界面活性剤(レボン2000HG)1.00倍当量(固形分30%溶液として、51.4g)及びエチレングリコール20g、あるいは
(2)ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド1.00倍当量(31.7g)
を変性剤として添加し、それぞれ80℃で1時間攪拌して反応を行った。その後、室温(26℃)になるまで静置した。その後、得られた反応懸濁液の電気伝導率を東亜DKK(株)社製 WM−22EPにより測定した。
また、比較のために、Na−四珪素雲母を使用しない場合(変性剤のみ)、ならびに変性剤を使用しない場合(雲母のみ)についてもそれぞれ同様に処理し、伝導率を測定した。
結果を表6に示す。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
変 性 剤
(1) (2)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
雲母+変性剤 2.0mS/cm 3.2mS/cm
変性剤のみ(雲母なし) 1.1mS/cm 0.14mS/cm
雲母のみ(変性剤なし) 1.1mS/cm 1.1mS/cm
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表6からわかるように、カチオン界面活性剤と雲母との反応液では、カチオン界面活性剤単独、雲母単独の場合に比べて著しく伝導率が高くなり、カチオン交換反応によるNaClの副生が示唆された。
これに対して、両性界面活性剤+EGと雲母との反応液では、その伝導率は(両性界面活性剤+EG)単独の場合と雲母単独の場合との和に近似し、(2)の場合のような伝導率の著しい高値化は認められず、Naイオンがトラップされていることが示唆された。
4 層間カチオン
6 両性界面活性剤
8 非イオン性極性有機化合物
10 有機アンモニウムカチオン
12 ハロゲンイオン
Claims (12)
- 有機変性層状ケイ酸塩を含む樹脂組成物であって、
前記有機変性層状ケイ酸塩は、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、105〜300℃の範囲の沸点を有する水溶性の化合物である非イオン性極性有機化合物と両性界面活性剤とを有するものであり、
該有機変性層状ケイ酸塩は樹脂組成物中で層剥離あるいは層拡大して微細に分散していることを特徴とする樹脂組成物。 - 請求項1記載の樹脂組成物において、膨潤性層状ケイ酸塩が合成粘土鉱物であることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の樹脂組成物において、両性界面活性剤が膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量(CEC)に対し0.4倍当量以上であることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物において、両性界面活性剤がベタイン型両性界面活性剤であることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物において、樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項5記載の樹脂組成物において、樹脂がポリオレフィン樹脂であり、酸変性樹脂を樹脂組成物中0.01〜20重量%含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物において、さらに金属石鹸を有機変性層状ケイ酸塩に対して3〜20質量%含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、105〜300℃の範囲の沸点を有する水溶性の化合物である非イオン性極性有機化合物と両性界面活性剤とを有する有機変性層状ケイ酸塩を、樹脂組成物に添加混合して樹脂組成物中に分散させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項8記載の方法において、膨潤性層状ケイ酸塩と、非イオン性極性有機化合物と、両性界面活性剤とを、分散媒の共存下あるいは非共存下で機械的剪断力により混合することにより、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に非イオン性極性有機化合物と両性界面活性剤とが挿入された有機変性層状ケイ酸塩を調製し、
該有機変性層状ケイ酸塩を樹脂組成物に添加混合して樹脂組成物中に分散させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。 - 請求項8又は9記載の方法において、樹脂が熱可塑性樹脂であり、有機変性層状ケイ酸塩と熱可塑性樹脂とを、当該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項9記載の方法において、膨潤性層状ケイ酸塩と、非イオン性極性有機化合物と、両性界面活性剤との混合を、分散媒の非共存下、粉体状態を維持しながら行うことを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項8〜11の何れかに記載の方法において、金属石鹸を有機変性層状ケイ酸塩に対して3〜20質量%混合し、この混合物を樹脂組成物に添加混合して樹脂組成物中に分散させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
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