JP4697605B2 - 管の定径圧延制御方法及び定径圧延制御装置 - Google Patents

管の定径圧延制御方法及び定径圧延制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、管の定径圧延制御方法及び定径圧延制御装置に関し、特に、定径圧延機によって圧延される管の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能な定径圧延制御方法及び定径圧延制御装置に関する。
一般に、管の外径を所定値に仕上げる工程において、各スタンドにそれぞれ2つ又は3つの孔型圧延ロール(以下、圧延ロールという)が配設された複数のスタンドから構成される定径圧延機(サイザー、ストレッチレデューサー等)が用いられる。定径圧延機は、隣接するスタンド間で圧延ロールの周速度に差を与えることによって、圧延中の管に管軸方向の引張力を付加し、管の肉厚を制御する。
管の管端部を圧延する場合に、管の中間部を圧延する場合に比べて、管軸方向の引張力が十分に付加されないため、管端部の肉厚が管中間部の肉厚よりも厚くなる現象が生じる。肉厚が厚くなった管端部は、寸法不良として切り捨てられるため、歩留まり低下の要因となる。
このような管端部の肉厚増加による歩留まり低下を防止するため、管の管端部を圧延する際に、圧延ロールの周速度(具体的には回転速度)を制御する(管の管端部を圧延する際に回転速度を低下させる)方法が考えられる。しかしながら、斯かる方法が有効に作用するためには、圧延ロールの回転速度の制御を開始するタイミングが正確であることが重要である。
図1に示すように、HMD等の管端部検出器8によって管1の管端部を検出した時点を基準にして、管端部が第1スタンドに到達するまでの時間T、管端部が第(i−1)スタンドから第iスタンド(i≧2)に到達するまでの時間Ti−1とすると、管1の管端部を管端部検出器8で検出してから時間T経過後に、第1スタンドに配設された圧延ロール2の回転速度制御を開始し、T+ΣT(j=1〜i−1、i≧2)経過後に、第iスタンドに配設された圧延ロール21の回転速度制御を開始しなければならない。
時間T、時間Ti−1を正確に把握するために、各スタンドに荷重計などの高精度センサを設置する方法があるが、莫大な設備投資が必要となる。本発明では、高精度センサを用いないで、時間T、時間Ti−1(i≧2)を正確に予測する方法を用いることを前提とする。
しかしながら、種々の要因により、時間T、時間Ti−1(i≧2)の予測時間と管1の管端部が実際に到達する時間との間には、誤差(以降、「予測誤差」という)が生じるため、予測時間のみに基づいて圧延ロール21の回転速度制御を開始したのでは、正確な制御をすることができず、管端部の肉厚増加を効果的に抑制できないという問題がある。
日本国特許第2541311号公報には、圧延ロールを駆動するモータの駆動電流及び回転速度から圧延トルクを算出し、当該算出した圧延トルクの変動状態によって管の管端部が各スタンドに実際に到達した時点(圧延ロールへの管の噛込み及び尻抜け時点)を検出し、各スタンドにおける予測誤差が所定範囲内になるように、次の管の圧延における圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正する方法が提案されている。
上記公報に記載された方法は、各スタンドに対して予め定められた圧延ロールの回転速度制御開始時点に予測誤差が生じる要因については何ら分析されない。各スタンドで算出した予測誤差に基づいて、次の管の圧延における圧延ロールの回転速度制御開始時点を一律に修正するものである。仮に、管の管端部が実際に到達した時点を精度良く検出できたとしても、予測誤差がランダムに変化するような状況では、この方法は次に圧延する管についての圧延ロールの回転速度制御開始時点を正確に修正することができない。
換言すれば、一の管の圧延についての予測誤差が、次に圧延される管についても同様に生じるとは限らない。したがい、この方法では、次に圧延する管についての圧延ロールの回転速度制御開始時点を正確に修正することができず、管の管端部肉厚不良を効果的に抑制することができない。
さらに、管の管端部の肉厚変動のパターンは、いつも同様ではないため、管の管端部が各スタンドに到達する時点を正確に把握して圧延ロールの回転速度を制御するのみでは、管の管端部の肉厚不良を根本的に抑制することができない。
本発明は、斯かる従来技術の課題を解決するべくなされたものであり、定径圧延機によって圧延される管の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能な定径圧延制御方法及び定径圧延制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、定径圧延機の所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を、前記定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて修正することを特徴とする管の定径圧延制御方法を提供するものである。
斯かる発明によれば、定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値に基づいて、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するため、実際の管端部肉厚変動に応じて圧延ロールの回転速度制御開始時点を適切に修正することが期待でき、定径圧延機によって圧延される管の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能である。
好ましくは、前記定径圧延制御方法は、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出する第1ステップと、前記算出した予測誤差と前記定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正する第2ステップとを含む。
斯かる好ましい構成によれば、実際に測定した管端部の肉厚のみならず、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差をも用いて圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するため、圧延ロールの回転速度制御開始時点を適切で正確に修正することが期待でき、定径圧延機によって圧延される管の管端部肉厚不良をより一層効果的に抑制することが可能である。
また、前記課題を解決するべく、本発明の発明者らは、各スタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記各スタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差が生じる要因について鋭意検討した。その結果、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの予測時間Tについての予測誤差と、管の管端部が第1スタンドから第iスタンドに到達するまでの予測時間ΣT(j=1〜i−1、i≧2)についての予測誤差とでは、その発生要因が異なることに想到した。
すなわち、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの予測時間Tについての予測誤差は、管の断面形状や曲がりの他、搬送コンベアの摩耗等により、管の予測搬送速度と実際の搬送速度との間に差が生じて発生する。なお、この予測時間Tについての予測誤差は、各スタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と前記各スタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差の中に、共通して含まれる成分である。一方、管の管端部が第1スタンドから第iスタンドに到達するまでの予測時間ΣT(j=1〜i−1、i≧2)についての予測誤差は、各スタンドでの圧延状態の変動(たとえば、圧延ロールの実際の回転速度が設定値と異なっている、圧延ロールの摩耗や圧延ロールの表面粗さにバラツキがあるといった定径圧延機側の変動要因の他、管の材質、寸法、温度といった管側の変動要因によって、定径圧延における管の伸び率が予測値と異なる等)によって発生する。
次に、本発明の発明者らは、実験により、各スタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記各スタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出し、当該算出した予測誤差を、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの予測時間Tについての予測誤差(以下、適宜「スタンド外要因予測誤差成分」という)と、管の管端部が第1スタンドから第iスタンドに到達するまでの予測時間ΣT(j=1〜i−1、i≧2)についての予測誤差(以下、適宜「スタンド内要因予測誤差成分」という)とに分離して、両予測誤差成分のバラツキ状態を分析した。その結果、図2に示すような傾向が得られることが分かった。なお、図2の横軸は圧延した管の順番を示し、縦軸は各予測誤差成分の予測時間に対する割合を示す。
以下、図2について、より詳細に説明する。先ず、圧延した管毎に、図3に示すように、横軸Xにスタンド番号、縦軸Yに前述のようにして算出した各スタンドにおける予測誤差(各スタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記各スタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差)をプロットした。次に、前記プロットしたデータ(i,Yi)に基づきXを変数とするYの一次回帰式を算出し、当該一次回帰式のY切片(縦軸との交点の値)を管の管端部が第1スタンドに到達するまでの予測時間Tについての予測誤差成分T’とし、X=iにおける一次回帰式のY座標Yi’から予測誤差成分T’を減算した値を管の管端部が第1スタンドから第iスタンドに到達するまでの予測時間ΣT(j=1〜i−1、i≧2)についての予測誤差成分ΣT’とした。図2に示す「○」は、以上のようにして算出した予測誤差成分T’を予測時間Tで除した値を、「□」は、以上のようにして算出した予測誤差成分ΣT’を予測時間ΣTで除した値をそれぞれプロットしたものである。なお、図2に示すデータは、管を圧延した日が異なる(これに伴い圧延機の各種設定も異なる場合が多い)2つの製造チャンス(チャンス1及びチャンス2)内において、材質の異なる管(チャンス1のA1は炭素鋼、A2は2Cr鋼を圧延、チャンス2のB1は低合金鋼、B2は炭素鋼を圧延)を圧延した場合におけるデータを示す。
図2に示すように、予測時間Tについての予測誤差成分T’(スタンド外要因予測誤差成分)は、製造チャンスが異なっても、また管の材質が異なってもバラツキの傾向はあまり変わらないが、予測時間ΣTについての予測誤差成分ΣT’(スタンド内要因予測誤差成分)は、管の材質が異なればそのバラツキの傾向も変化することが分かる。これは、前述したように、スタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分とでは、その発生要因が異なることが原因である。
以上のように、スタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分とでは、その発生要因の違いに起因して、そのバラツキの傾向が異なるため、両予測誤差成分を分離して、それぞれ別個に(例えば、別個の重みを付して)圧延ロールの回転速度制御開始時点の修正に供すれば、各スタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記各スタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差が、発生要因の変動に伴いランダムに変化するような状況であっても、圧延ロールの回転速度制御開始時点を適正に修正できることが期待できる。
従って、好ましくは、前記第2ステップは、前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、前記定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含む。
斯かる好ましい構成によれば、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差が算出され、前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分(スタンド外要因予測誤差成分)と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分(スタンド内要因予測誤差成分)とが抽出される。次に、前記スタンド外要因予測誤差成分に、たとえば0〜1の値に設定された第1の重みを付し、当該第1の重みを付したスタンド外要因予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点が修正される一方、前記スタンド内要因予測誤差成分に、たとえば0〜1の値に設定された第2の重みを付し、当該第2の重みを付したスタンド内要因予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点が修正される。
換言すれば、発生要因の異なる(従って、バラツキの傾向が異なり得る)2つの予測誤差成分を分離して、両予測誤差成分にそれぞれ重みを付して(両予測誤差成分に付する重みを異ならせることが可能である)圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するため、各スタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記各スタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差が、当該予測誤差の発生要因の変動に伴ってランダムに変化するような状況であっても、圧延ロールの回転速度制御開始時点を適正に修正することができ、定径圧延機によって圧延される管の管端部肉厚不良をより一層効果的に抑制することが可能である。
また、本発明は、定径圧延機の所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出するステップと、前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含むことを特徴とする定径圧延制御方法としても提供される。
また、前記課題を解決するべく、本発明は、定径圧延機の出側に設置された肉厚計と、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を、前記肉厚計によって測定された管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて修正するタイミング演算器と、前記タイミング演算器によって修正された回転速度制御開始時点に基づいて、各スタンドに配設された圧延ロールの回転速度を制御する圧延制御器とを備えることを特徴とする管の定径圧延制御装置としても提供される。
好ましくは、前記定径圧延制御装置は、所定のスタンドに管の管端部が到達したことを検出する検出装置をさらに備え、前記タイミング演算器は、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記検出装置によって検出された前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出する第1ステップと、前記算出した予測誤差と前記肉厚計によって測定された管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正する第2ステップとを含む演算を実行する。
また、好ましくは、前記第2ステップは、前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、前記肉厚計によって測定された管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含む。
さらに、前記課題を解決するべく、本発明は、定径圧延機の所定のスタンドに管の管端部が到達したことを検出する検出装置と、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するタイミング演算器と、前記タイミング演算器によって修正された回転速度制御開始時点に基づいて、各スタンドに配設された圧延ロールの回転速度を制御する圧延制御器とを備え、前記タイミング演算器は、所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記検出装置によって検出された前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出するステップと、前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含む演算を実行することを特徴とする管の定径圧延制御装置としても提供される。
図1は、各スタンドに配設された圧延ロールの回転速度の制御開始タイミングを予め設定する方法を説明するための説明図である。 図2は、スタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分のバラツキ状態を分析した結果の一例を示す。 図3は、図2に示すスタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分の意味を説明するための説明図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る定径圧延制御方法の実施に用いる定径圧延機の概略構成を示すブロック図である。 図5は、図4に示す肉厚計から出力される管の肉厚測定値の一例を示す図である。 図6は、図4に示すタイミング演算器における処理フローを示すフローチャートである。 図7は、本発明の一実施形態に係る定径圧延制御方法を適用した場合における、所定のスタンドに対して修正された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を評価した結果の一例を示す。 図8は、本発明の一実施形態に係る定径圧延制御方法を適用した場合における、管端部増肉率の一例を示す。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図4は、本発明の一実施形態に係る定径圧延制御方法の実施に用いる定径圧延機の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、被圧延対象である管1は、搬送ロール(図示せず)によって軸方向(図4の白抜矢符の方向)に搬送され、各スタンド2において定径圧延を施される。管1の搬送経路における定径圧延機の入側近傍には、光電センサから構成され、該光電センサの動作によって管1の管端部(先端部及び後端部)を検出する管端部検出器8が配設されている。また、管1の搬送経路における定径圧延機の出側近傍には、γ線肉厚計9及び光電センサ等から構成される測長計10が配設されている。管端部検出器8から出力される管1の管端部検出信号は、圧延制御器7及びタイミング演算器6に入力される。また、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値及び測長計10から出力される管1の長さ測定値は、タイミング演算器6に入力される。
各スタンド2に配設された圧延ロール21は、ロール駆動モータ3によって減速機31を介して駆動される。複数のスタンド2の内、第1スタンド(最も上流側に配設されたスタンド)から数えて例えば奇数番目のスタンド2のロール駆動モータ3には、ロール駆動モータ3の駆動電流を検出する電流検出器32と回転速度を検出する回転速度検出器33とが設けられている(本発明はこれに限るものではなく、他の所定のスタンドや、或いは全スタンドのロール駆動モータ3に、電流検出器32及び回転速度検出器33を設ける構成を採用することも可能である)。電流検出器32及び回転速度検出器33の検出信号は、それぞれロール駆動モータ3の駆動制御を行うモータ駆動制御器4に入力される。モータ駆動制御器4には、圧延制御器7から圧延ロール21の回転速度制御開始信号が入力されており、モータ駆動制御器4は、前記回転速度制御開始信号に基づいてロール駆動モータ3の回転速度制御を行う。また、電流検出器32及び回転速度検出器33の検出信号は、モータ駆動制御器4を経て、圧延トルク演算器5にも入力される。
圧延トルク演算器5は、本発明における所定のスタンドに管の管端部が到達したことを検出する検出装置としての機能を奏する。圧延トルク演算器5では、モータ駆動制御器4から入力される駆動電流及び回転速度の検出信号に基づいて圧延トルクを算出し、当該算出した圧延トルクの信号をタイミング演算器6に出力する。タイミング演算器6には、前記算出した圧延トルク信号、管端部検出器8からの管端部検出信号、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値、測長計10から出力される管1の長さ測定値及び圧延制御器7からの圧延ロール21の回転速度制御開始信号が入力され、これらの入力信号に基づいて前記回転速度制御開始信号の修正量を演算し、当該演算結果を修正信号として圧延制御器7に出力する。
圧延制御器7には、管端部検出器8からの管端部検出信号及びタイミング演算器6からの修正信号が入力される。そして管端部検出器8からの管端部検出信号が入力された時点を始点として計時を開始し、この計時結果が記憶された各スタンド2の圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値に到達した場合、回転速度制御開始信号を各モータ駆動制御器4及び各タイミング演算器6に出力する。各モータ駆動制御器4は、入力された回転速度制御開始信号に基づきロール駆動モータ3の回転速度を低下させる。なお、回転速度制御開始時点の設定値は、タイミング演算器6から入力された修正信号に基づき修正され、次の管1を圧延する際に用いる設定値として記憶される。
以下、タイミング演算器6において、圧延トルク演算器5からの圧延トルク信号、管端部検出器8からの管端部検出信号、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値、測長計10から出力される管1の長さ測定値及び圧延制御器7からの圧延ロール21の回転速度制御開始信号に基づいて前記回転速度制御開始信号の修正量(回転速度制御開始時点の修正量)を演算する方法について、図5、図6及び前述した図3を適宜参照しつつ具体的に説明する。なお、本実施形態に係る定径圧延制御方法は、管1の管端部の肉厚測定値に基づく修正量(以下、適宜「肉厚実績に基づく修正量」という)と、圧延ロール21の回転速度制御開始時点と管1の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差に基づく修正量(以下、適宜「予測誤差に基づく修正量」という)との双方を考慮して、回転速度制御開始信号の修正量を演算する構成である。以下、各修正量について順次説明する。
(1)肉厚実績に基づく修正量
先ず最初に、肉厚実績に基づく修正量について説明する。図5は、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値(管周方向の平均肉厚)の一例を示す図である。タイミング演算器6は、先ず最初に、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値と、測長計10から出力される管1の長さ測定値とに基づき、下記の式(1)で表される管1の中間部の長さLmでの平均肉厚tmを算出する。
Lm=L−(Lct+Lt+Lcb+Lb) ・・・ (1)
ここで、上記式(1)において、Lは管1の定径圧延機出側での長さを、Lctは管1の品種や寸法に応じて予め決められた管1の先端部におけるクロップ長さを、Ltは予め決められた管1の製品部先端長さを、Lcbは予め決められた管1の後端部におけるクロップ長さを、Lbは予め決められた管1の製品部後端長さを意味する。なお、製品部先端長さLt及び製品部後端長さLbは、例えば、管1の定径圧延機出側での長さ(又は目標長さ)に対して所定の割合を有する長さ、或いは、管1の長さに関係なく一定の長さとされる。
(1−1)肉厚測定値に上限値を超えるものが存在し、且つ、下限値未満となるものが存在しない場合
次に、タイミング演算器6は、上記製品部先端長さLtに相当する管1の部位内において、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値の内、上限値(=tm+tup)を超えるものが存在し、且つ、下限値(=tm−tlo)未満となるものが存在しない場合、先端部増肉長さLztを算出する。ここで、tup及びtloは予め決められた値である。また、先端部増肉長さLztは、図5(a)に示すように、管1の製品部先端長さLtに相当する部位の最も内側からみて平均肉厚tmからtupだけ肉厚が初めて増加した部位から、管1の先端からクロップ長さLct分だけ内側に入った部位までの長さを意味する。同様にして、タイミング演算器6は、上記製品部後端長さLbに相当する管1の部位内において、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値の内、上限値(=tm+tup)を超えるものが存在し、且つ、下限値(=tm−tlo)未満となるものが存在しない場合、後端部増肉長さLzbを算出する。後端部増肉長さLzbは、管1の製品部後端長さLbに相当する部位の最も内側からみて平均肉厚tmからtupだけ肉厚が初めて増加した部位から、管1の後端からクロップ長さLcb分だけ内側に入った部位までの長さを意味する。なお、上記tup、tloの値は、管1の先端部と後端部とで同じ値を採用しても良いし、異なる値を採用することも可能である。
そして、タイミング演算器6は、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、下記の式(2)で表されるΔTt1を肉厚実績に基づく修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する。
ΔTt1=Kt・Lzt・L0/L/V0 ・・・ (2)
ここで、上記式(2)において、Ktは0〜1の値に設定された定数(重み)を、L0は管1の定径圧延機入側での長さ(定径圧延機入側に測長計を配設することにより、或いは、定径圧延機の前段に位置する工程で測長することにより測定可能である)を、V0は定径圧延機入側での管1の速度(定径圧延機入側に速度計を配設することにより測定可能である他、前述した管端検出器8を2台配設し、各管端検出器8の離間距離を検出時間の差で除算することによっても測定可能である)を意味する。
なお、L/L0は定径圧延機による管1の延伸率(管の長さが延びた割合)を意味するため、先端部増肉長さLztをL/L0で除算した値(=Lzt・L0/L)は、先端部増肉長さの定径圧延機入側における長さに相当することになる。そして、斯かる先端部増肉長さの定径圧延機入側における長さを定径圧延機入側での管1の速度V0で除算した値(=Lzt・L0/L/V0)は、先端部増肉長さに相当する部位が生じた時間を意味することになる。従って、上記式(2)で表されるΔTt1を修正量とし、後述するように、各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点に前記修正量ΔTt1を一律に加算(ΔTt1だけ回転速度制御開始時点を遅らせることになる)して次の管1を圧延すれば、先端部増肉長さに相当する部位が生じるのを抑制することが可能である。
一方、タイミング演算器6は、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、下記の式(3)で表されるΔTb1を肉厚実績に基づく修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する。
ΔTb1=−Kb・Lzb・L0/L/V0 ・・・ (3)
ここで、上記式(3)において、Kbは0〜1の値に設定された定数(重み)を意味する。
なお、前述した管1の先端部の場合と同様に、Lzb・L0/L/V0は、後端部増肉長さLzbに相当する部位が生じた時間を意味することになる。従って、上記式(3)で表されるΔTb1を修正量とし、後述するように、各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点に前記修正量ΔTb1を一律に加算(ΔTb1の絶対値に相当する時間だけ回転速度制御開始時点を早めることになる)して次の管1を圧延すれば、後端部増肉長さに相当する部位が生じるのを抑制することが可能である。
(1−2)肉厚測定値に下限値未満となるものが存在する場合
一方、タイミング演算器6は、上記製品部先端長さLtに相当する管1の部位内において、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値の内、下限値(=tm−tlo)未満となるものが存在する場合、先端部減肉長さLgtを算出する。ここで、図5(b)に示すように、先端部減肉長さLgtは、管1の製品部先端長さLtに相当する部位の最も内側からみて平均肉厚tmからtloだけ肉厚が初めて減少した部位から、管1の先端からクロップ長さLct分だけ内側に入った部位までの長さを意味する。同様にして、タイミング演算器6は、上記製品部後端長さLbに相当する管1の部位内において、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値の内、下限値(=tm−tlo)未満となるものが存在する場合、後端部減肉長さLgbを算出する。後端部減肉長さLgbは、管1の製品部後端長さLbに相当する部位の最も内側からみて平均肉厚tmからtloだけ肉厚が初めて減少した部位から、管1の後端からクロップ長さLcb分だけ内側に入った部位までの長さを意味する。
そして、タイミング演算器6は、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、下記の式(4)で表されるΔTt1を肉厚実績に基づく修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する。
ΔTt1=−Kt・Lgt・L0/L/V0 ・・・ (4)
一方、タイミング演算器6は、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、下記の式(5)で表されるΔTb1を肉厚実績に基づく修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する。
ΔTb1=Kb・Lgb・L0/L/V0 ・・・ (5)
(1−3)肉厚測定値に上限値を超えるものが存在せず、且つ、下限値未満となるものも存在しない場合
タイミング演算器6は、上記製品部先端長さLtに相当する管1の部位内において、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値の内、上限値(=tm+tup)を超えるものが存在せず、且つ、下限値(=tm−tlo)未満となるものが存在しない場合、肉厚実績に基づく修正量に関しては回転速度制御開始信号の修正の必要がない(すなわち、肉厚実績に基づく修正量ΔTt1=0の修正信号が圧延制御器7に出力される)として演算を終了する。同様にして、タイミング演算器6は、上記製品部後端長さLbに相当する管1の部位内において、肉厚計9から出力される管1の肉厚測定値の内、上限値(=tm+tup)を超えるものが存在せず、且つ、下限値(=tm−tlo)未満となるものが存在しない場合、肉厚実績に基づく修正量に関しては回転速度制御開始信号の修正の必要がない(すなわち、肉厚実績に基づく修正量ΔTb1=0の修正信号が圧延制御器7に出力される)として演算を終了する。
(2)予測誤差に基づく修正量
次に、予測誤差に基づく修正量について説明する。タイミング演算器6は、タイミング演算器6に対して管端部検出器8から管端部(先端部又は後端部)検出信号が入力された時点を始点として計時を開始し、圧延トルク演算器5から入力される圧延トルク信号の変動状態に基づき、所定のスタンド2(本実施形態では奇数番目のスタンド)に管1の管端部(先端部又は後端部)が実際に到達した時点(管端部検出信号が入力された時点を始点とする経過時間であり、以下、適宜「実測時間」という)を検出する。なお、入力された圧延トルク信号の変動状態に基づいて、管1の管端部が所定のスタンド2に実際に到達した時点を検出する具体的な方法については、前述した特許文献1に記載されている内容と同様であるので、本明細書ではその詳細な説明を省略する。一方、タイミング演算器6は、タイミング演算器6に対して管端部検出器8から管端部検出信号が入力された時点を始点として、圧延制御器7からの圧延ロール21の回転速度制御開始信号が入力されるまでの経過時間(以下、適宜「予測時間」という)を検出し、当該予測時間と前記実測時間との間の予測誤差Yを算出する。
タイミング演算器6では、先ず、横軸Xをスタンド番号、縦軸Yを予測時間と実測時間との間の予測誤差としてプロットした複数のデータ(i、Y)に基づいて(図3参照)、XとYとの相関係数Rを算出し(図6のS1)、算出した相関係数Rが、予め定めた所定値以下であるか否かを判断する(図6のS2)。
ここで、相関係数Rが所定値以下であれば、予測誤差Yには、前述したスタンド外要因予測誤差成分のみが含まれていると判断し、(i、Y)に基づいてXを変数とするYの一次回帰式を算出する(図6のS3)。次に、算出した一次回帰式のY切片を第1スタンドにおける予測時間と実測時間との間の予測誤差T’とする(図6のS4、図3参照)。次に、実測時間を検出したスタンドについて、予測誤差Yと予測誤差T’との差の自乗和Σ(Y−T’)と、予測誤差Yの自乗和Σ(Yとを比較し(図6のS5)、Σ(Y−T’)≧Σ(Yであれば、予測誤差に基づく修正量に関しては回転速度制御開始信号の修正の必要がないとして演算を終了する。より具体的に説明すれば、管1の先端部についての予測誤差Yが上記の条件を満足するならば、タイミング演算器6は、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、予測誤差に基づく修正量ΔTt2=0とする修正信号を圧延制御器7に出力することになる。同様にして、管1の後端部についての予測誤差Yが上記の条件を満足するならば、タイミング演算器6は、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、予測誤差に基づく修正量ΔTb2=0とする修正信号を圧延制御器7に出力することになる。
一方、Σ(Y−T’)<Σ(Yであれば、タイミング演算器6は、予測誤差T’に第1の重み(0〜1の値であり、例えば、0.5)を乗算し、当該第1の重みを乗算した予測誤差T’を修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する(図6のS6)。より具体的に説明すれば、管1の先端部についての予測誤差Yが上記の条件を満足するならば、タイミング演算器6は、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、予測誤差に基づく修正量ΔTt2=−(第1の重み)・T’とする修正信号を圧延制御器7に出力することになる。圧延制御器7においては、各スタンド2の圧延ロール21の回転速度制御開始時点に前記予測誤差に基づく修正量ΔTt2が一律に加算(第1の重みを乗算した予測誤差T’を減算)され、次の管1を圧延する際に用いられる(図6のS6)。同様にして、管1の後端部についての予測誤差Yが上記の条件を満足するならば、タイミング演算器6は、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、予測誤差に基づく修正量ΔTb2=−(第1の重み)・T’とする修正信号を圧延制御器7に出力することになる。
一方、相関係数Rが所定値より大きい場合には、予測誤差Yには、前述したスタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分の両方が含まれていると判断し、タイミング演算器6は、先と同様に、(i、Y)に基づき一次回帰式を算出し(図6のS7)、算出した一次回帰式のY切片を第1スタンドにおける予測時間と実測時間との間の予測誤差T’とする(図6のS8、図3参照)。次に、予測誤差T’に第1の重み(0〜1の値であり、例えば0.5)を乗算し、当該第1の重みを乗算した予測誤差T’を修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する(図6のS9)。圧延制御器7においては、各スタンド2の圧延ロール21の回転速度制御開始時点から前記修正量が一律に減算される(図6のS9)。換言すれば、図6のS9に示す処理によって、予測誤差Yに含まれるスタンド外要因予測誤差成分が修正されることになる。さらに、タイミング演算器6では、前記算出した一次回帰式に基づいて第2スタンド以降の各スタンド(第iスタンド)での予測時間と実測時間との間の予測誤差Y’を算出し(図6のS10、図3参照)、Y’からT’を減算した値(この値は、管の管端部が第1スタンドから第iスタンドに到達するまでの予測時間ΣT(j=1〜i−1、i≧2)についての予測誤差成分ΣT’に相当する)に第2の重み(0〜1の値であり、例えば0.5)を乗算し、当該第2の重みを乗算した値を修正量とする修正信号を圧延制御器7に出力する(図6のS11)。圧延制御器7においては、次の管についての各スタンド(第iスタンド)での圧延ロール21の回転速度制御開始時点から前記修正量が更に減算される(図6のS11)。換言すれば、図6のS11に示す処理によって、予測誤差Yに含まれるスタンド内要因予測誤差成分が修正されることになる。
すなわち、管1の先端部についての相関係数Rが所定値より大きい場合、タイミング演算器6は、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、予測誤差に基づく修正量ΔTt2=−(第1の重み)・T’−(第2の重み)・(Y’−T’)とする修正信号を圧延制御器7に出力することになる。同様にして、管1の後端部についての相関係数Rが所定値より大きい場合、タイミング演算器6は、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点について、予測誤差に基づく修正量ΔTb2=−(第1の重み)・T’−(第2の重み)・(Y’−T’)とする修正信号を圧延制御器7に出力することになる。
なお、本実施形態では、横軸Xをスタンド番号i、縦軸Yを予測時間と実測時間との間の予測誤差Yとしてプロットしたデータ(i、Y)に基づいて、Xを変数とするYの一次回帰式を算出し、当該一次回帰式によってスタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分とを分離する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、データ(i、Y)に基づいて、Xを変数とするYのN(N>1の整数)次回帰式を算出し、当該N次回帰式によってスタンド外要因予測誤差成分とスタンド内要因予測誤差成分とを分離する構成を採用することも可能である。また、上記の第1の重み及び第2の重みは、管1の先端部と後端部とで同じ値を採用しても良いし、異なる値を採用することも可能である。
(3)総合的な修正量
本実施形態に係る管端部肉厚制御方法では、以上に説明した(1)肉厚実績に基づく修正量と(2)予測誤差に基づく修正量との双方を考慮して、各スタンド2に対して今回の圧延時に設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の修正量を演算するように構成されている。すなわち、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点については、下記の式(6)で表されるΔTtが総合的な修正量とされて、圧延制御器7に記憶される。
ΔTt=αt・ΔTt1+βt・ΔTt2 ・・・ (6)
ここで、αtは0〜1の定数、βt=1−αtの定数である。
そして、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値は、前記記憶された修正量ΔTtに基づいて修正され(修正量ΔTtが加算され)、次の管1を圧延する際の設定値として用いられる。
同様にして、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点については、下記の式(7)で表されるΔTbが総合的な修正量とされて、圧延制御器7に記憶される。
ΔTb=αb・ΔTb1+βb・ΔTb2 ・・・ (7)
ここで、αbは0〜1の定数、βb=1−αbの定数である。
そして、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値は、前記記憶された修正量ΔTbに基づいて修正され(修正量ΔTbが加算され)、次の管1を圧延する際の設定値として用いられる。
なお、本実施形態では、(1)肉厚実績に基づく修正量、(2)予測誤差に基づく修正量の順に説明したが、必ずこの順番に演算する必要があるという意味ではなく、何れの修正量を先に演算する構成であっても良い。
以上に説明したように、本実施形態に係る定径圧延制御方法によれば、定径圧延機の出側で測定した管1の管端部の肉厚測定値に基づいて、各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点を修正するため、実際の管端部肉厚変動に対して適切な圧延ロール21の回転速度制御開始時点に修正できることが期待できる。また、発生要因の異なる2つの予測誤差成分(スタンド外要因予測誤差成分及びスタンド内要因予測誤差成分)に予測誤差を分離して、両予測誤差成分にそれぞれ重みを付して(両予測誤差成分にそれぞれ付する第1及び第2の重みを互いに異ならせることも可能である)圧延ロール21の回転速度制御開始時点の修正に供するため、各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点と、前記各スタンド2に管1の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差が、当該予測誤差の発生要因の変動に伴ってランダムに変化するような状況であっても、圧延ロール21の回転速度制御開始時点を適正に修正することができる。従って、定径圧延機によって圧延される管1の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能である。
<第2の実施形態>
本実施形態に係る定径圧延制御方法は、前述した第1の実施形態における肉厚実績に基づく修正量のみを用いる構成である。すなわち、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点については、ΔTt=ΔTt1(すなわち、前述した式(6)においてαt=1、βt=0)が総合的な修正量とされて、圧延制御器7に記憶される。そして、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値は、前記記憶された修正量ΔTtに基づいて修正され(修正量ΔTtが加算され)、次の管1を圧延する際の設定値として用いられる。同様にして、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点については、ΔTb=ΔTb1(すなわち、前述した式(7)においてαb=1、βb=0)が総合的な修正量とされて、圧延制御器7に記憶される。そして、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値は、前記記憶された修正量ΔTbに基づいて修正され(修正量ΔTbが加算され)、次の管1を圧延する際の設定値として用いられる。
本実施形態に係る定径圧延制御方法によれば、定径圧延機の出側で測定した管1の管端部の肉厚測定値に基づいて、各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点を修正するため、実際の管端部肉厚変動に対して適切な圧延ロール21の回転速度制御開始時点に修正できることが期待でき、定径圧延機によって圧延される管1の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能である。
<第3の実施形態>
本実施形態に係る定径圧延制御方法は、前述した第1の実施形態における予測誤差に基づく修正量ΔTt2及びΔTb2として、各スタンド2における予測時間と実測時間との間の予測誤差Yiをそのまま用いる構成である(ただし、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、奇数番目のスタンドのみならず全スタンドについて実測時間を検出する必要がある)。すなわち、ΔTt2=−Yi(先端部についての予測誤差)、ΔTt2=−Yi(後端部についての予測誤差)とし、前述した式(6)及び(7)に基づいて修正量が演算されることになる。
本実施形態に係る定径圧延制御方法によれば、定径圧延機の出側で測定した管1の管端部の肉厚測定値のみならず、各スタンド2に対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と各スタンド2に管1の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差をも用いて圧延ロール21の回転速度制御開始時点を修正するため、第2の実施形態に比べてより一層適切な圧延ロール21の回転速度制御開始時点に修正できることが期待でき、定径圧延機によって圧延される管1の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能である。
<第4の実施形態>
本実施形態に係る定径圧延制御方法は、前述した第1の実施形態における予測誤差に基づく修正量のみを用いる構成である。すなわち、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点については、ΔTt=ΔTt2(すなわち、前述した式(6)においてαt=0、βt=1)が総合的な修正量とされて、圧延制御器7に記憶される。そして、管1の先端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値は、前記記憶された修正量ΔTtに基づいて修正され(修正量ΔTtが加算され)、次の管1を圧延する際の設定値として用いられる。同様にして、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点については、ΔTb=ΔTb2(すなわち、前述した式(7)においてαb=0、βb=1)が総合的な修正量とされて、圧延制御器7に記憶される。そして、管1の後端部に関する各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点の設定値は、前記記憶された修正量ΔTbに基づいて修正され(修正量ΔTbが加算され)、次の管1を圧延する際の設定値として用いられる。
本実施形態に係る定径圧延制御方法によれば、発生要因の異なる2つの予測誤差成分(スタンド外要因予測誤差成分及びスタンド内要因予測誤差成分)に予測誤差を分離して、両予測誤差成分にそれぞれ重みを付して(両予測誤差成分にそれぞれ付する第1及び第2の重みを互いに異ならせることも可能である)圧延ロール21の回転速度制御開始時点の修正に供するため、各スタンド2に対して設定された圧延ロール21の回転速度制御開始時点と、前記各スタンド2に管1の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差が、当該予測誤差の発生要因の変動に伴ってランダムに変化するような状況であっても、圧延ロール21の回転速度制御開始時点を適正に修正することができる。従って、定径圧延機によって圧延される管1の管端部肉厚不良を効果的に抑制することが可能である。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る定径圧延制御方法(圧延ロール21の回転速度制御開始時点修正方法)を適用した場合における、所定のスタンド2に対して修正された圧延ロール21の回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンド2に管1の管端部が実際に到達した時点との予測誤差を評価した結果の一例を示す。図7の(a)は本発明の第4の実施形態に係る方法を適用した場合の予測誤差を、(b)は従来の方法を適用した場合の予測誤差(所定のスタンド2に対して予め設定したままの圧延ロール21の回転制御開始時点(オペレータによる手動介入によって修正した場合を含む)と、前記所定のスタンド2に管1の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差)を示す。図7(a)に示すように、本実施形態に係る方法によれば、従来の方法を適用した場合(図7(b))に比べ、予測誤差の平均値の絶対値は小さく且つバラツキも小さくなり、圧延ロール21の回転速度制御開始時点を適正に修正可能であることが分かった。
これにより、図8に示すように、定径圧延機によって圧延される管1の管先端部(図8に示すクロップ部を除く)の肉厚不良(管端部増肉率)を従来に比べて効果的に抑制することが可能となった。なお、図8に示す管端部増肉率とは、(管端部の各部位における肉厚−平均肉厚tm)/平均肉厚tm×100(%)で表される値である。
また、本発明の第1〜第4の実施形態に係る定径圧延制御方法及び比較例に係る方法を適用した場合における、圧延後の管1の肉厚についての公差外れ率を評価した。より具体的に説明すれば、以下の(1)〜(6)の条件下で、各製造チャンス毎に50〜100本の管を計3つの製造チャンス分だけ定径圧延し、各製造チャンス毎に圧延後の管先端部(前述したクロップ長さLct及び製品部先端長さLtに相当する部位)の肉厚について公差外れ率を評価した。なお、公差外れ率は、圧延した管の総本数に対して先端部の平均肉厚が(tm−tlo)〜(tm−tup)の範囲を外れた管の本数の割合を意味する。
(1)定径圧延機入側における管寸法:外径100mm、肉厚6.0〜7.0mm
(2)定径圧延機出側における管寸法:外径30.0mm、肉厚5.0〜6.0mm
(3)定径圧延機入側における管温度:900〜950℃
(4)定径圧延機出側における管温度:810〜860℃
(5)定径圧延機スタンド数:25スタンド
(6)管材質:炭素鋼
評価結果を表1に示す。なお、表1における実施例1−1及び1−2は、前述した第1の実施形態に対応する定径圧延制御方法である。実施例1−1は、前述した式(6)の係数αt及びβtを3つの製造チャンスの全てにおいて固定(αt=βt=0.5)した例を示す。実施例1−2は、同一の製造チャンス内においてはαt及びβtを固定(表1に示すロット内係数αt=0.3、βt=0.7)する一方、製造チャンスが変わるタイミングにおいては別の係数(表1に示すロット間係数αt=0.7、βt=0.3)を用いた例を示す。また、実施例2は前述した第2の実施形態に、実施例3は前述した第3の実施形態に、実施例4は前述した第4の実施形態にそれぞれ対応する定径圧延制御方法である。比較例1は、肉厚測定を行わずに各スタンドにおける予測時間と実測時間との間の予測誤差をそのまま修正量として用いる方法である。比較例2は、肉厚測定を行わずに、オペレータの手動介入によって修正する方法である。
Figure 0004697605
表1に示すように、比較例1及び2の方法に比べて、実施例4の方法では公差外れ率が低減した。特に、比較例1の方法では、各スタンドにおける予測時間と実測時間との間の予測誤差をそのまま修正量として用いるため、実測時間の測定誤差の影響を直接受けてしまい予測誤差が収束し難いのに対し、実施例4の方法では、修正量を一次回帰式で近似しているため、実測時間の測定誤差の影響を受け難く、結果的に公差外れ率が低減したものと考えられる。また、実施例3の方法では、比較例1の方法に対して肉厚実績に基づく修正を付加しているため、比較例1及び2の方法に比べれば公差外れ率を低減することが可能であった。ただし、比較例1の方法と同様に、各スタンドにおける予測誤差をそのまま予測誤差に基づく修正量として用いるため、予測誤差が収束し難く、結果的に公差外れ率もやや収束し難いものとなっている。実施例2の方法についても、肉厚実績に基づく修正を施しているため、比較例1及び2の方法に比べれば公差外れ率を低減することが可能であった。ただし、予測誤差に基づく修正を施していないため、実施例1−1、1−2及び3の方法に比べて公差外れ率が収束し難いものとなっている。実施例1−1の方法では、肉厚実績に基づく修正及び一次回帰式を用いた予測誤差に基づく修正を施しているため、比較例1及び2の方法のみならず、実施例2〜4の方法と比べても公差外れ率が低減し、迅速に収束可能であった。さらに、実施例1−2の方法では、同一の製造チャンス内と製造チャンスが変わるタイミングとで異なる係数を用いるようにした(製造チャンスが変わるタイミングでは、αtの値を大きくして肉厚実績に基づく修正量の寄与が大きくなるようにした)ことにより、実施例1−1の方法よりも更に公差外れ率を迅速に収束させることができた。この理由は、肉厚実績に基づく修正量が製造チャンスよりも管の寸法に依存するところが大きいためであると考えられる。すなわち、本実施例のように各製造チャンスにおける管の寸法が同一である場合には、製造チャンスが変わるタイミングで肉厚実績に基づく修正量の寄与が大きくなるように係数を設定した方が、前の製造チャンスでの修正結果を有効活用することができるためであると考えられる。

Claims (8)

  1. 定径圧延機の所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を、前記定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて修正することを特徴とする管の定径圧延制御方法。
  2. 所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出する第1ステップと、
    前記算出した予測誤差と前記定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正する第2ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の管の定径圧延制御方法。
  3. 前記第2ステップは、
    前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、
    前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、
    前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、
    前記定径圧延機の出側で測定した管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の管の定径圧延制御方法。
  4. 定径圧延機の所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出するステップと、
    前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、
    前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、
    前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含むことを特徴とする管の定径圧延制御方法。
  5. 定径圧延機の出側に設置された肉厚計と、
    所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を、前記肉厚計によって測定された管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて修正するタイミング演算器と、
    前記タイミング演算器によって修正された回転速度制御開始時点に基づいて、各スタンドに配設された圧延ロールの回転速度を制御する圧延制御器とを備えることを特徴とする管の定径圧延制御装置。
  6. 所定のスタンドに管の管端部が到達したことを検出する検出装置をさらに備え、
    前記タイミング演算器は、
    所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記検出装置によって検出された前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出する第1ステップと、
    前記算出した予測誤差と前記肉厚計によって測定された管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正する第2ステップとを含む演算を実行することを特徴とする請求項5に記載の管の定径圧延制御装置。
  7. 前記第2ステップは、
    前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、
    前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、
    前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、
    前記肉厚計によって測定された管肉厚測定値と、前記定径圧延機の入側及び出側での管の長さと、前記定径圧延機の入側での管の速度とに基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含むことを特徴とする請求項6に記載の管の定径圧延制御装置。
  8. 定径圧延機の所定のスタンドに管の管端部が到達したことを検出する検出装置と、
    所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するタイミング演算器と、
    前記タイミング演算器によって修正された回転速度制御開始時点に基づいて、各スタンドに配設された圧延ロールの回転速度を制御する圧延制御器とを備え、
    前記タイミング演算器は、
    所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点と、前記検出装置によって検出された前記所定のスタンドに管の管端部が実際に到達した時点との間の予測誤差を算出するステップと、
    前記算出した予測誤差から、管の管端部が第1スタンドに到達するまでの第1の予測誤差成分と、前記管の管端部が第1スタンドに到達した後の第2の予測誤差成分とを抽出するステップと、
    前記抽出された第1の予測誤差成分に第1の重みを付し、当該第1の重みを付した第1の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップと、
    前記抽出された第2の予測誤差成分に第2の重みを付し、当該第2の重みを付した第2の予測誤差成分に基づいて、前記所定のスタンドに対して設定された圧延ロールの回転速度制御開始時点を修正するステップとを含む演算を実行することを特徴とする管の定径圧延制御装置。
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