JPH06142743A - 絞り圧延機による管端肉厚制御方法 - Google Patents

絞り圧延機による管端肉厚制御方法

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JPH06142743A
JPH06142743A JP4301219A JP30121992A JPH06142743A JP H06142743 A JPH06142743 A JP H06142743A JP 4301219 A JP4301219 A JP 4301219A JP 30121992 A JP30121992 A JP 30121992A JP H06142743 A JPH06142743 A JP H06142743A
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JP
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rolling
rolling stand
timing
biting
pipe
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JP4301219A
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Zenichi Tamaishi
善一 玉石
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絞り圧延機により素管に絞り圧延を行う際
に、管端に発生する厚肉部を低減する。 【構成】 絞り圧延機のNo.1〜No.4圧延スタンドに振動
計25をそれぞれ設置し、設置した振動計25の信号により
素管28の噛み込みおよび尻抜けタイミングを検出し、こ
の噛み込みおよび尻抜けタイミングからNo.5〜No.26 圧
延スタンドに組み込まれた孔型ロールの回転数変更タイ
ミングを演算してNo.5〜No.26 圧延スタンドの孔型ロー
ルの回転数を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絞り圧延機 (ストレッ
チレデューサ) により素管に絞り圧延を行う際に、素管
の先端部および後端部、すなわち管端に発生する厚肉部
を低減することができる絞り圧延機による管端肉厚制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、絞り圧延機は小径の継目
無鋼管を製造するために素管の外径を圧延する機能を有
する圧延機であり、2基または3基の孔型ロールが組み
込まれた圧延スタンドが連続的に多数 (最大28スタン
ド) 配列され、圧延材である素管を順次圧下することに
より外径を制御するとともに、隣接する圧延スタンドの
孔型ロールの回転数に差を与えて素管に軸方向への引張
力を与えることにより肉厚も制御するように構成されて
いる。
【0003】この絞り圧延機による素管の圧延の特徴の
一つとして、素管の先端部および後端部、すなわち管端
に厚肉部が発生することがある。これは、絞り圧延機で
管を圧延する際、孔型ロールの回転数を素管の全長につ
いて一定に制御しても、管端通過時である管の噛み込み
および尻抜け時にスタンド間張力が過渡現象的に変動し
て、管端に作用する張力が管中央に作用する張力に比較
して小さくなるためである。
【0004】このようにして発生した厚肉部はクロップ
と呼ばれ、屑材として切捨てられることになる。従来よ
り、クロップ量は製品長さの4〜7%程度にも達するこ
とがあり、歩留り低下およびコスト増加の原因の一つに
なっている。
【0005】管端における厚肉部の発生を低減して歩留
り向上およびコスト低減を図るため、管の噛み込みおよ
び尻抜けが行われる孔型ロールの回転数を制御する方法
が多数提案されている。例えば、 (i) 特公昭45−1341号公報、特開昭59−113907号公報 絞り圧延機の入側に設置された、素管の通過を検出する
管検出器の検出結果と、素管の噛み込みおよび尻抜けを
検出するロール駆動モータの衝撃電流検出器の検出結果
(電流変化率) とから、各圧延スタンドに組み込まれた
孔型ロールの制御開始タイミングを決定するとともに圧
延時には上流側の圧延スタンドの孔型ロールの回転数を
減速制御する方法、 (ii)特開昭56−77010 号公報 絞り圧延機の入側に設置された管検出器が管端を検出し
た後、各圧延スタンドに到達する時間を演算により求め
て各圧延スタンドに組み込まれた孔型ロールの制御開始
タイミングを決定し、この制御開始タイミングにより各
孔型ロールの回転数の比率を一定のパターンにしたがっ
て変化させる方法、 (iii) 特開昭60−221108号公報 素管の先端または後端の所定の圧延スタンドに対する噛
み込みおよび尻抜けタイミングを、各圧延スタンドに対
応して設置された管検出器によって検出し、この検出結
果から、上流側の圧延スタンドに組み込まれた孔型ロー
ルの回転数の制御開始タイミングを決定する方法、 (iv)特開昭61−108414号公報 各圧延スタンド間に張力検出器を設置し、この張力検出
器の検出結果から、圧延スタンドに組み込まれた孔型ロ
ールの回転数の制御開始タイミングを決定する方法、さ
らには (v) 特開平3−42108 号公報、同4−138812号公報 各圧延スタンドに組み込まれた孔型ロールの駆動モータ
の電流値および回転数に基づいて圧延トルクを演算し、
圧延トルクの変動状態に基づいて、噛み込みおよび尻抜
けを検出し、噛み込みおよび尻抜けの検出値と先端およ
び後端制御開始時点の設定値との差を所定範囲にするよ
うに、先端および後端制御開始時点の設定値を修正し
て、孔型ロールの回転数の制御開始タイミングを修正す
る方法および装置等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の技術に
おいて、管端に発生する厚肉部を低減するために最も重
要なことは、ある圧延スタンドに対する管端の噛み込み
および尻抜けタイミングを高精度で検出し、この検出タ
イミングに合わせて孔型ロールの回転数を最適なタイミ
ングで変化させることである。しかしながら、これらの
従来の方法では噛み込みおよび尻抜けタイミングを高精
度に検出することができず、管端に発生する厚肉部を効
果的に低減することはできなかった。
【0007】すなわち、特公昭45−1341号公報または特
開昭59−113907号公報により提案された方法は、衝撃電
流検出器により検出される電流変化率に基づいて素管の
噛み込みおよび尻抜けを検出するが、現実には素管の噛
み込みおよび尻抜け (特に尻抜け) による電流の変化率
は小さく、高精度での検出が困難である。
【0008】特開昭56−77010 号公報により提案された
方法は、入側の管検出器の動作を起点とした時間のみに
基づく孔型ロールの回転数のパターン制御であるため、
管検出器の管材から炎等が発生して誤動作することがあ
り、制御の信頼性に欠けるという問題がある。
【0009】特開昭60−221108号公報により提案された
方法は、各圧延スタンド間で孔型ロールの冷却水が飛散
するとともに孔型ロール間といえども材料からの炎が発
生し、誤動作し易いという問題がある。特開昭61−1084
14号公報により提案された方法は、各圧延スタンド間に
張力検出器を設ける必要があるため、非常に高価となり
現実的でない。
【0010】特開平3−42108 号公報または同4−1388
12号公報により提案された方法または装置では、上述の
従来の技術の有する問題を解決することはできるもの
の、低張力の圧延を行うと特に後段の圧延スタンドでの
噛み込みおよび尻抜けタイミングの検出が不確実になる
という問題がある。ここに、本発明の目的は、上記の従
来の技術の有する問題を解消し、検出精度(検出応答性)
および信頼性に優れ、誤作動なく安価に実施できる絞
り圧延機による管端肉厚制御方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため種々検討を重ねた結果、素管の噛み込みお
よび尻抜けを高精度で検出するには、孔型ロールを組み
込まれた圧延スタンドに振動計を設置して、素管の噛み
込みおよび尻抜けにより生じる振動を検出することが最
も適当であることを知見して、本発明を完成した。
【0012】ここに、本発明の要旨とするところは、連
続する複数の圧延スタンドに組み込まれた孔型ロール列
により素管に圧下を行う絞り圧延機による管端肉厚制御
方法において、(i) 予め選定した複数の圧延スタンドに
対する、素管の先端部の噛み込みタイミングと素管の後
端部の尻抜けタイミングとを、圧延スタンドの振動によ
り検出し、(ii)検出した噛み込みタイミングおよび尻抜
けタイミングから前記の圧延スタンドの下流工程に位置
する一基または二基以上の圧延スタンドそれぞれの噛み
込みタイミングおよび尻抜けタイミングを算出し、(ii
i) 算出した噛み込みタイミングおよび尻抜けタイミン
グに基づいて、一基または二基以上の前記の圧延スタン
ドそれぞれに組み込まれた孔型ロールの回転数を変更す
ることにより管端肉厚を制御することを特徴とする絞り
圧延機による管端肉厚制御方法である。
【0013】本発明において、「予め選定した複数の圧
延スタンド」とは、絞り圧延機を構成する圧延スタンド
の中の幾つかの圧延スタンドを意味し、例えば、No.1圧
延スタンドないしNo.26 圧延スタンドにより構成される
絞り圧延機の場合にはNo.1圧延スタンドないしNo.4圧延
スタンドであることを例示できる。これらの圧延スタン
ドの選定は、適宜行えばよい。
【0014】圧延スタンドの振動を検出するには、例え
ば市販されている振動計 (加速度センサー) を用いれば
よい。振動計を用いた場合、その設置場所は特に限定を
要するものではなく、圧延スタンドの振動を検出できる
位置であればよい。例えば、各圧延スタンドのハウジン
グを例示できる。さらに具体的には、本発明は、連続す
る複数の圧延スタンドに組み込まれた孔型ロール列によ
り素管に圧下を行う絞り圧延機による管端肉厚制御方法
において、全ての圧延スタンドあるいは上流工程側の複
数の圧延スタンド、例えばそのハウジングに、素管の噛
み込みおよび尻抜けタイミングを検出する振動計をそれ
ぞれ設置し、圧延スタンドの振動を検出することにより
直接的に噛み込みおよび尻抜けタイミングを求め、この
手段により、上流工程側の前記圧延スタンドでの素管の
噛み込みおよび尻抜けタイミングと上流工程側での圧延
スタンド間通過時間とを求め、上流工程のある圧延スタ
ンドを基準とし、下流工程側の圧延スタンドでの噛み込
みおよび尻抜けタイミングを演算して予測し、この予測
した噛み込みおよび尻抜けタイミングに対して所定の時
間差を有するように、下流工程側の圧延スタンドにおけ
る素管先端の制御開始点と素管後端の制御開始点とをそ
れぞれ演算により決定し、圧延時には、上流工程の基準
とする圧延スタンドに組み込まれた孔型ロールの噛み込
みおよび尻抜けタイミングを基点として、演算により決
定した下流工程側の圧延スタンドにおける素管先端の制
御開始タイミングと素管後端の制御開始タイミングとに
より、下流工程側の圧延スタンドの孔型ロールの回転数
を調整することを特徴とする絞り圧延機による管端肉厚
制御方法である。
【0015】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明では、素管の噛み込みおよび尻抜けタイミングを、
上流工程側の幾つかの圧延スタンド (例えばそのハウジ
ング) に設置した振動計により検出し、検出した噛み込
みおよび尻抜けタイミングに基づいて、前記圧延スタン
ドよりも下流工程側の一基または二基以上の圧延スタン
ドにおける噛み込みおよび尻抜けタイミングを算出して
予想し、この予想値により前記圧延スタンドに組み込ま
れた孔型ロール列の回転数を変更する。
【0016】振動計は市販されているものを使用すれば
よく、特定の型式のものには限定されない。また、圧延
スタンドへの振動計の設置位置も限定する必要はなく、
素管の噛み込みおよび尻抜けにより振動が生じる部位で
あればよい。例えば、圧延スタンドのハウジングを例示
できる。設置手段も何ら限定を要するものではなく、例
えば磁石等を用いて圧延スタンドに設置すればよい。
【0017】検出した噛み込みおよび尻抜けタイミング
に基づいて、下流工程の圧延スタンドに組み込まれた孔
型ロール列の回転数変更タイミングを制御するのは、前
述した、特公昭45−1341号公報または特開昭59−113907
号公報等の従来技術と同様であればよく、特定の手段に
は限定されない。
【0018】このように、本発明では、素管の噛み込み
および尻抜けタイミングを圧延スタンドの振動により検
出するため、(i) 特開昭56−77010 号公報または特開昭
60−221108号公報により提案された方法において生じる
ような、炎や冷却水等の外乱に起因した誤作動を防止で
きること、(ii)市販されている通常の振動計を用いるこ
とができ、特開昭61−108414号公報により提案された方
法のように張力検出器を用いないため、全ての圧延スタ
ンドに設置したとしても安価であり、ロール替時におけ
る取付け・取外しも極めて容易に行うことができるこ
と、(iii) 振動計により検出される信号が非常に単純な
パターンであり信号処理を簡単なロジックで構成できる
ため、圧延トルク演算器を用いる必要がある特開平3−
42108 号公報および同4−138812号公報により提案され
た技術に比較して、安価に実施することができること、
(iv)素管の噛み込みおよび尻抜けにより、圧延スタンド
(例えばハウジング) には大きな振動が生じるため、振
動計により確実に検出できる。したがって、例えば、ロ
ール駆動モータの衝撃電流検出器やトルク検出器を用い
る特公昭45−1341号公報または特開昭59−113907号公報
により提案された方法では高精度に検出できないような
場合にも、高精度に素管の噛み込みおよび尻抜けタイミ
ングを検出可能であること、さらには(v) 素管の外径お
よび肉厚により、圧延スタンド間の通過速度が例えば2
倍程度に大きく変化したり、同じ圧延段取であってもロ
ールチャンスが異なると圧延スタンド間の通過速度が異
なる。したがって、圧延前に予め設定した値で孔型ロー
ルの回転数の変更タイミングを制御しても制御タイミン
グが外れてしまうという問題があった。しかし、本発明
では素管1本毎に制御タイミングを演算して決定するこ
ともできるため、制御タイミングが外れることを防止で
き、孔型ロールの回転数の変更タイミングを安定的に制
御できることという効果が得られる。さらに、本発明を
実施例を参照しながら詳述するが、これは本発明の例示
であり、これにより本発明が限定されるものではない。
【0019】
【実施例】図1は、絞り圧延機の各圧延スタンドのハウ
ジング12に市販の振動計11を取り付けた状態の一例を示
す説明図であり、図1(a) は側面図、図1(b) は平面図
である。振動計11は各圧延スタンドにそれぞれ一基ずつ
設置されており、素管13の噛み込みおよび尻抜けにより
発生する振動を検出し、検出した信号を演算器 (図示し
ない) へ出力する。
【0020】図2は、本発明にかかる絞り圧延機 (26ス
タンド) による管端肉厚制御方法を実施するための制御
装置の基本構成の一例を示すブロック図である。以下、
図2に示す制御装置の動作の概要を、噛み込み時および
尻抜け時にそれぞれ分けて説明する。
【0021】〔噛み込み時〕公知の絞り圧延機と同様
に、各圧延スタンド21には減速機22、ロール駆動モータ
23およびモータ制御装置24がそれぞれ設けられており、
モータ制御装置24からの回転数指令により各圧延スタン
ド21に組み込まれた孔型ロールの回転数を適宜調整でき
るように構成されている。
【0022】絞り圧延機の入側から素管28が送管される
と、入側に設置された入側管検出器29が動作し、この信
号は噛み込みおよび尻抜け検出部26、制御タイミング演
算部26' 、回転数指令出力部27にそれぞれ送られ、回転
数指令出力部27から各圧延スタンドに対し回転数指令が
出力されて孔型ロールの回転数が制御される。
【0023】回転数指令出力部27は入側管検出器29が動
作し始めた時から予め設定した一定時間経過時にNo.1圧
延スタンドの回転数指令の変更信号を出力する。No.1圧
延スタンドに素管28が噛み込むと、ハウジングに設置さ
れた振動計25に、素管28の噛み込みにより発生した振動
が検出される。図3には検出された振動波形の一例をグ
ラフで示す。
【0024】振動計25により検出された、例えば図3に
示す波形の振動の生信号が噛み込みおよび尻抜け検出部
26に入力され、振幅が予め設定したレベル (図3におい
ては破線で示す) を超えた場合、図3におけるA点を素
管28の噛み込みタイミングと認識する。なお、本実施例
では、全圧延スタンドに振動計25が設置されているた
め、同様にして、No.2圧延スタンド、No.3圧延スタン
ド、No.4圧延スタンド、・・・・、No.26 圧延スタンド
での噛み込みが検出されるように構成してある。
【0025】本実施例では、本発明における「予め選定
した複数の圧延スタンド」としてNo.1圧延スタンドない
しNo.4圧延スタンドを選定し、これらのスタンド間通過
時間を基に、No.5圧延スタンドないしNo.26 圧延スタン
ドの制御タイミング (孔型ロール列の回転数変更タイミ
ング) を決定する。まず、No.1圧延スタンドないしNo.4
圧延スタンドそれぞれに組み込まれた孔型ロールの回転
数変更タイミングは、入側管検出器29の動作タイミング
を基点として、予め設定した時間で制御する。
【0026】図4には、入側管検出器29の動作開始時か
らの孔型ロールの回転数の変化の一例を、No.1圧延スタ
ンドないしNo.4圧延スタンドについて示すグラフであ
り、No.1圧延スタンドでは入側管検出器29の動作開始時
からT1時間経過時に、No.2圧延スタンドでは入側管検出
器29の動作開始時から (T1+T2) 時間経過時に、No.3圧
延スタンドでは入側管検出器29の動作開始時から (T1
T2+T3) 時間経過時に、さらにNo.4圧延スタンドでは入
側管検出器29の動作開始時から (T1+T2+T3+T4) 時間
経過時に、それぞれ孔型ロールの回転数の変更を開始
し、No.1圧延スタンドでは入側管検出器29の動作開始時
から (T1+T2) 時間経過時に、No.2圧延スタンドでは入
側管検出器29の動作開始時から (T1+T2+T3) 時間経過
時に、No.3圧延スタンドでは入側管検出器29の動作開始
時から (T1+T2+T3+T4) 時間経過時に、それぞれ孔型
ロールの回転数の変更を終了する。このように、ある圧
延スタンド (例えばNo.3圧延スタンド) に素管28が噛み
込む時に、その一つ上流側の圧延スタンド (No.2圧延ス
タンド) に組み込まれた孔型ロールの回転数を低下して
おくことにより、素管28に適当な張力を付与し続けるこ
とができる。
【0027】このように、振動計25により検出されたN
o.1圧延スタンドないしNo.4圧延スタンドの噛み込みタ
イミングの差から、No.1圧延スタンド〜No.2圧延スタン
ド、No.2圧延スタンド〜No.3圧延スタンド、No.3圧延ス
タンド〜No.4圧延スタンドの各スタンド間通過時間を求
め、図2の制御タイミング演算部26' において、下流工
程側のNo.5圧延スタンド〜No.26 圧延スタンドでの噛み
込みタイミングを予測する。
【0028】噛み込みタイミングの予測は、例えば以下
のようにして行う。各圧延スタンド間距離が一定である
とすれば、 Ri :No.i圧延スタンドでの減肉率 (圧延スケジュール
から決定される) 、 T(i-1),i :No.(i −1)圧延スタンド〜No.i圧延スタン
ド間での通過時間、 αi :No.i圧延スタンドでの減肉率補正係数 (0.8 〜1.
2) とすると、補正係数αは、
【0029】
【数1】
【0030】として求めることができる。なお、α2
よびα3 の平均値を求めるのは、補正係数のばらつきを
低減するためである。次に、このようにして求めた補正
係数αを用いて、No.5圧延スタンドないしNo.26 圧延ス
タンドの各スタンド間通過時間を下記式により算出す
る。
【0031】
【数2】
【0032】補正係数αは素管毎に順次算出して用いて
もよく、または素管の変更に関係なくある程度一定にし
て用いてもよい。ただし、素管毎に順次算出して用いる
ほうが各圧延スタンドにおける噛み込みタイミングの予
想精度を向上することができ、望ましい。このようにし
て算出した素管の噛み込みタイミング予測時間T4,5
5,6 ・・・・・、T25,26 を基に、No.5圧延スタンド
以降の各圧延スタンドにおける先端圧延時の制御開始タ
イミングを下記式により算出する。
【0033】
【数3】
【0034】ここで、Tik:No.i圧延スタンドの噛み込
み時間 (i=1〜4) (入側管検出器基準) βToP :管端制御を有効に動作させるための噛み込みと
制御タイミングとの時間差 ここで、No.5圧延スタンドにおける素管の先端圧下時の
制御開始の様子を図5にグラフで示す。同図に示すよう
に、入側管検出器が動作してからT5 =T4k+T4,5 ±
βToP により、No.5圧延スタンドの孔型ロールの回転数
の変更開始タイミングが決定される。他の圧延スタンド
もこのNo.5圧延スタンドと同様に制御すればよく、この
ようにして全スタンドの孔型ロールの回転数変更開始タ
イミングが決定される。
【0035】〔尻抜け時〕尻抜け時の孔型ロールの回転
数の変更開始タイミングも噛み込み時と同様に、入側管
検出器の動作オフを基点としてNo.1圧延スタンドないし
No.4圧延スタンドの制御を行えばよい。すなわち、No.1
圧延スタンドないしNo.4圧延スタンドでの尻抜けタイミ
ングは、噛み込みの際の同様に、振動計の信号が予め設
定した値を越える大きな振幅の信号を検出したタイミン
グとする。このタイミングを入側管検出器の動作オフを
基点とした時間で認識する。
【0036】図6には、No.1圧延スタンドないしNo.4圧
延スタンドにそれぞれ設置された振動計により検出され
た振動波形と、No.1圧延スタンドないしNo.4圧延スタン
ドそれぞれの制御指令値とを、それぞれグラフで示す。
同図において、検出されたNo.1圧延スタンドないしNo.4
圧延スタンドそれぞれの尻抜けタイミング (入側管検出
器の動作オフから、それぞれT1S、T2S、T3SまたはT
4S経過時) により、No.1圧延スタンド〜No.2圧延スタン
ド、No.2圧延スタンド〜No.3圧延スタンド、No.3圧延ス
タンド〜No.4圧延スタンドの各スタンド間通過時間を算
出し、前述した噛み込みの場合と全く同様にして、No.5
圧延スタンドないしNo.26 圧延スタンドでの尻抜けタイ
ミングを予測する。
【0037】No.5圧延スタンドないしNo.26 圧延スタン
ドの尻抜け時の孔型ロールの回転数の変更開始タイミン
グは、尻抜け予測タイミングとの時間差が予め設定した
所定の値 (T1B、T2B、T3BまたはT4B) になるように
決定し、No.1圧延スタンドないしNo.4圧延スタンドの尻
抜けタイミングを基点に、No.5圧延スタンドないしNo.2
6 圧延スタンドの孔型ロールの変更開始タイミングを順
次決定する。
【0038】なお、図7には、No.5圧延スタンドに設置
した振動計が出力する振動波形をグラフで示す。同図に
示すように、No.5圧延スタンドの振動計には隣接するN
o.4圧延スタンドおよびNo.6圧延スタンドの噛み込みお
よび尻抜けに起因した振動も入力されるが、これらの振
幅は設定値 (スレッシュホールドレベル) 未満であるた
めにキャンセルされる。
【0039】図1ないし図7を用いて説明してきた本発
明にかかる絞り圧延機(26スタンド)による管端肉厚制
御方法を用いて、外径が100 〜150mm の素管から外径が
25.4〜139.8mm の継目無鋼管を 25000トン/月生産し
て、その不合格率(管端のクロップ発生長さ率)および
不良率(管端の肉厚外れ不良率)を測定した。なお、振
動計としては市販の圧電型加速度センサ (日本電気三栄
製) を全圧延スタンドのハウジングに図1に示すように
して磁石を用いて設置した。なお、従来例として、特開
平3−42108 号公報または同4−138812号公報により提
案された方法により、同一の寸法の継目無鋼管を 25000
トン/月生産し、同様に不合格率および不良率を測定し
た。結果を表1にまとめて示す。
【0040】
【表1】
【0041】本実施例においては、本発明により、不合
格率は 0.2%、不良率は0.15%それぞれ向上したことが
わかる。これは継目無鋼管の製造においては極めて大き
な効果であり、本発明により大幅に製造コストを低減で
きたことは明らかである。
【0042】図8には、本発明にかかる絞り圧延機によ
る管端肉厚制御方法において使用する振動計の検出応答
性を他の従来技術と比較するため、前述の市販の振動計
を圧延スタンドのハウジングに設置した場合の振動波形
例と、特公昭45−1341号公報または特開昭59−113907号
公報により提案された方法で使用するロール駆動モータ
の衝撃電流検出器の検出結果 (電流変化率) と、特開平
3−42108 号公報または同4−138812号公報により提案
された技術において演算する圧延トルクの結果とを、併
せてグラフで示す。同図に示すグラフは、外径42.4mm、
厚さ6.3mm の仕上寸法の継目無鋼管を製造した場合にお
けるNo.5圧延スタンドにおける噛み込み時の結果を示
す。同図から、本発明において使用する振動計の検出精
度は、衝撃電流検出器の約10倍であり、圧延トルク演算
値の約6倍程度であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、 検出応答性が向上し、素管の噛み込みおよび尻抜けの
確実な検出が可能であること、 振動計により直接的に振動を検出するため、外乱によ
る誤動作が殆どなく、制御の信頼性が向上すること、 振動計は市販の安価なものでよいため、容易に実施で
きること、および 低張力の圧延を行う場合にも噛み込みおよび尻抜けタ
イミングの検出を確実に行うことができること が可能となり、噛み込みおよび尻抜けタイミングを高精
度に検出して、最適なタイミングで孔型ロールの回転速
度を変更できるため、管端に発生する厚肉部を効果的に
低減して歩留り向上を図れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】絞り圧延機の各圧延スタンドのハウジング12に
市販の振動計11を取り付けた状態の一例を示す説明図で
あり、図1(a) は側面図、図1(b) は平面図である。
【図2】本発明にかかる絞り圧延機 (26スタンド) によ
る管端肉厚制御方法を実施するための制御装置の基本構
成の一例を示すブロック図である。
【図3】素管の噛み込みにより発生した振動が振動計に
検出されたときの振動波形の一例を示すグラフである。
【図4】入側管検出器の動作開始時からの孔型ロールの
回転数の変化の一例を、No.1圧延スタンドないしNo.4圧
延スタンドについて示すグラフである。
【図5】No.5圧延スタンドにおける素管の先端圧下時の
制御開始の様子を示すグラフである。
【図6】No.1圧延スタンドないしNo.4圧延スタンドにそ
れぞれ設置された振動計により検出された振動波形と、
No.1圧延スタンドないしNo.4圧延スタンドそれぞれの制
御指令値とをそれぞれ示すグラフである。
【図7】No.5圧延スタンドに設置した振動計が出力する
振動波形を示すグラフである。
【図8】本発明にかかる絞り圧延機による管端肉厚制御
方法において使用する市販の振動計をNo.5圧延スタンド
のハウジングに設置した場合の振動波形例と、特公昭45
−1341号公報または特開昭59−113907号公報により提案
された方法で使用するロール駆動モータの衝撃電流検出
器の検出結果 (電流変化率) と、特開平3−42108 号公
報または同4−138812号公報により提案された技術にお
いて演算する圧延トルクの結果とを併せて示すグラフで
ある。
【符号の説明】
11:振動計 12:ハウジング 13:素管 21:圧延スタンド 22:減速機 23:ロール駆動モータ 24:モータ制御装置 25:振動計 26:噛み込みおよび
尻抜け検出部 26':制御タイミング演算部 27:回転数指令出
力部 28:素管 29:入側管検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続する複数の圧延スタンドに組み込ま
    れた孔型ロール列により素管に圧下を行う絞り圧延機に
    よる管端肉厚制御方法において、(i) 予め選定した複数
    の圧延スタンドに対する、前記素管の先端部の噛み込み
    タイミングと前記素管の後端部の尻抜けタイミングと
    を、前記圧延スタンドの振動により検出し、(ii)検出し
    た噛み込みタイミングおよび尻抜けタイミングから前記
    圧延スタンドの下流工程に位置する一基または二基以上
    の圧延スタンドそれぞれの噛み込みタイミングおよび尻
    抜けタイミングを算出し、(iii) 算出した前記噛み込み
    タイミングおよび尻抜けタイミングに基づいて、一基ま
    たは二基以上の前記圧延スタンドそれぞれに組み込まれ
    た孔型ロールの回転数を変更することにより管端肉厚を
    制御することを特徴とする絞り圧延機による管端肉厚制
    御方法。
JP4301219A 1992-11-11 1992-11-11 絞り圧延機による管端肉厚制御方法 Withdrawn JPH06142743A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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