JPH1034221A - タンデム圧延機における伸ばし長さ制御方法 - Google Patents

タンデム圧延機における伸ばし長さ制御方法

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JPH1034221A
JPH1034221A JP8198136A JP19813696A JPH1034221A JP H1034221 A JPH1034221 A JP H1034221A JP 8198136 A JP8198136 A JP 8198136A JP 19813696 A JP19813696 A JP 19813696A JP H1034221 A JPH1034221 A JP H1034221A
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JP
Japan
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length
stretch
stand
target
pipe
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Application number
JP8198136A
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English (en)
Inventor
Fumio Okayama
史生 岡山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1034221A publication Critical patent/JPH1034221A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕上り管の目標伸ばし長さを高精度に実現し
得る伸ばし長さ制御方法を提供する。 【解決手段】 ストレッチレデューサ1の操業状態に関
連する状態量として、入側測長計3により素管長さを、
出側測長計4により実績伸ばし長さを、素管温度計5に
より素管の温度を夫々検出し、また、実績伸ばし長さと
目標伸ばし長さとの偏差を加算器14にて求め、これらを
ニューラルネットワーク10に与える。一方、操業条件に
関連する設定値として、素管の外径、肉厚及び材質、ス
トレッチレデューサ1の各スタンドにおける累積圧延本
数、並びに目標伸ばし長さニューラルネットワーク10に
与え、該ニューラルネットワーク10の演算により得られ
た補正量ΔZi をストレッチ係数設定実績記憶部13に与
え、該ストレッチ係数設定実績記憶部13に記憶させてあ
るストレッチ係数Zi を補正する。ロール回転数演算部
11は、補正済みのストレッチ係数Zi をストレッチ係数
設定実績記憶部13から読み出し、これを用いてストレッ
チレデューサ1の各スタンドのロール回転数を演算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無管の製造工
程の最終段階にて用いられるストレッチレデューサ等、
複数のスタンド間での張力付加により素管を延伸圧延す
る構成としたタンデム圧延機において、その出側に所望
の長さを有する仕上がり管を得るべく実施される伸ばし
長さ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造に広く採用されているマ
ンネスマン製管法は、所定温度に加熱された素材鋼片
(ビレット)を穿孔圧延機(ピアサ)に送給し、該ピア
サにより穿孔圧延して中空素管(ホローシェル)とな
し、得られた中空素管を後続する圧延機に送給して、主
として減肉のための圧延を行い、次いで、必要があれば
再度の加熱の後、仕上げ用の圧延機に送給して、外径及
び肉厚を含めて所望の寸法に仕上げる延伸圧延を行う手
順にて実施される。
【0003】以上の如く実施されるマンネスマン製管法
においては、複数のスタンド間での張力付加により素管
を延伸圧延する構成とした多くのタンデム圧延機が用い
られている。例えば、仕上げ用圧延機として用いられる
ストレッチレデューサは、圧延対象となる素管のパスラ
インに沿って並設された複数のスタンド(一般的には8
〜26スタンド)の夫々に、前記素管を外側から挾圧する
態様に転接する各一対の孔型ロールを備えてなり、各ス
タンドの圧下位置を変えて製品外径を定径化すると共
に、各スタンドのロール回転数を変えて、夫々の間にて
素管に付加される張力を調整することにより、肉厚加工
を行う構成となっている。
【0004】図5は、ストレッチレデューサにおける各
スタンドのロール回転数と仕上がり管の肉厚との関係を
示す説明図である。この関係は、例えば、特開平4-2386
08号公報等に従来の技術として紹介されているように公
知の関係であり、横軸はスタンド番号(1〜N)、縦軸
は各スタンドのロール回転数を夫々示している。図示の
如く、仕上がり管の肉厚は、圧延開始スタンドである第
1スタンドから最終スタンドである第Nスタンドに向か
って各スタンド間に設定されたロール回転数の勾配に依
存し、図中にAとして示す如く、前記勾配を大きくした
場合には、各スタンド間での付加張力が増加し、仕上が
り管の肉厚は薄くなり、逆に、図中にCとして示す如
く、前記勾配を小さくした場合には、各スタンド間での
付加張力が減少し、仕上がり管の肉厚は厚くなる。
【0005】このように仕上がり管の肉厚を調整し、所
望の伸ばし長さを有する仕上がり管を得るために、次式
により求められるストレッチ係数Zi が一般的に用いら
れている。
【0006】Zi =σli/kfi
【0007】式中、σliは、第iスタンドにおける管長
手方向の応力、kfi は、第iスタンドにおける変形抵
抗であり、この式により求められるストレッチ係数Zi
を所定値に保つべく対応するスタンドのロール回転数の
目標値を定め、この目標値を保つべく各スタンドのロー
ル回転数を増減し、圧延中の素管に付加されるスタンド
間張力を調節する伸ばし長さ制御が実施されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如き伸ば
し長さ制御の実施に当たっては、制御目標として用いら
れる前記ストレッチ係数Zi の目標値を、操業毎の圧延
条件の相違に応じて逐次補正することにより、制御精度
の経時的な悪化を防ぐようにしている。
【0009】この種の補正方法として、特開昭49−3
7859号公報には、ロール回転数のスタンド間勾配
と、ストレッチレデューサによる圧延前後の管長さの
比、即ち伸ばし比との関係を実験に基づいて予め求めて
おき、この結果に基づいて圧延前の素管の長さからロー
ル回転数のスタンド間勾配を設定する方法が、また特開
平4−238608号公報には、各回の操業中、得られ
た仕上がり管の肉厚を検出し、この検出結果と目標肉厚
との偏差に基づいて、次操業以降のスタンド間張力を再
設定する方法が開示されている。
【0010】これらの方法は、前記ストレッチ係数Zi
を間接的に補正する方法であるが、累積圧延本数の増加
に伴う各スタンドのロール形状の変化、素管の表面温度
等、操業毎に発生する圧延条件の変化を反映した補正が
行えず、制御精度の経時的な悪化を防ぐという目的を十
分に達し得ないという問題があった。この問題は、前述
したストレッチレデューサに限らず、複数のスタンド間
での張力付加により素管を延伸圧延するタンデム圧延機
の操業に際して同様に発生する問題である。
【0011】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、異なる圧延条件下においてストレッチ係数の設
定値の補正にニューラルネットワークの適用が可能であ
ることに着目し、この適用により、仕上り管の肉厚及び
長さを高精度に実現し得る伸ばし長さ制御方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタンデム圧
延機における伸ばし長さ制御方法は、複数のスタンド間
での張力付加により素管を延伸圧延するタンデム圧延機
の操業中に、該タンデム圧延機の出側に予め定めた目標
伸ばし長さを有する仕上がり管を得るべく、各スタンド
におけるストレッチ係数を設定し、この設定結果に基づ
いてロール回転数を変更制御する伸ばし長さ制御方法に
おいて、操業の進行に伴う前記ストレッチ係数の補正量
を、操業状態に関連する複数の状態量の検出結果と、操
業条件に関連する複数の設定値とに基づいてニューラル
ネットワークにより算出することを特徴とする。
【0013】更に加えて、前記複数の設定値は、前記素
管の外径、肉厚及び材質、各スタンドにおける累積圧延
本数、並びに目標伸ばし長さの設定値を含み、前記複数
の状態量は、前記素管の温度及び長さ、実績伸ばし長
さ、並びに該実績伸ばし長さと前記目標伸ばし長さとの
間の偏差を含むことを特徴とする。
【0014】本発明においては、過去の操業における素
管の外径,肉厚,材質、目標伸ばし長さ、ストレッチ係
数、各スタンドの累積圧延本数等の操業条件の設定値
と、素管の温度、長さ、実績伸ばし長さ、実績伸ばし長
さと目標伸ばし長さとの間の偏差等の操業状態の検出結
果とに基づいてニューラルネットワークによる演算を実
施し、操業毎に発生する圧延条件の変化を反映したスト
レッチ係数の補正値を算出し、この算出結果に従って補
正したストレッチ係数を用いて伸ばし長さ制御を実施す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るタン
デム圧延機における伸ばし長さ制御方法(以下本発明方
法という)のストレッチレデューサにおける実施状態を
示すブロック図であり、図中1はストレッチレデュー
サ、2は素管(図示せず)のパスラインを示している。
【0016】ストレッチレデューサ1の入側には、パス
ライン2に沿って導入される素管の長さを測定する入側
測長計3が、また出側には、仕上がり管の長さを測定す
る出側測長計4が夫々設置されている。また、ストレッ
チレデューサ1の入側には、前記素管の長手方向各部の
温度を測定する素管温度計5が設置されている。
【0017】伸ばし長さ制御のための演算制御部は、ニ
ューラルネットワーク10とロール回転数演算部11とを含
み、入側測長計3、出側測長計4及び素管温度計5の測
定データは、ロール回転数演算部11に直接的に与えら
れ、学習データ分別部12、入力数値変換部7を介してニ
ューラルネットワーク10に与えられている。
【0018】ロール回転数演算部11には、操業条件に関
連する設定値として、素管の外径、肉厚及び材質と、ス
トレッチレデューサ1の各スタンドにおける累積圧延本
数とが与えられており、これらの設定値は、学習データ
分別部12、入力数値変換部7を介してニューラルネット
ワーク10にも与えられている。
【0019】また、入側測長計3の測定データは、目標
伸ばし長さ算出部6にも与えられ、目標伸ばし長さの算
定に用いられており、このようにして得られた目標伸ば
し長さは、前記各測定データと同様、ロール回転数演算
部11に直接的に与えられ、学習データ分別部12、入力数
値変換部7を介してニューラルネットワーク10に与えら
れると共に、加算器14に一入力として与えられている。
【0020】出側測長計4の測定データである実績伸ば
し長さは、前記加算器14に他入力として与えられてお
り、該加算器14においては、目標伸ばし長さと実績伸ば
し長さとの偏差(伸ばし長さ偏差ε)が算出される。こ
の算出結果は、学習データ分別部12、入力数値変換部7
を介してニューラルネットワーク10に与えられている。
【0021】ロール回転数演算部11においては、前述し
た各入力を用い、後述する手順によりストレッチレデュ
ーサ1の各スタンドのロール回転数の目標値を演算す
る。この演算に際し、ニューラルネットワーク10での後
述する演算結果に応じて補正されたストレッチ係数Zi
が、ストレッチ係数設定実績記憶部13から読み出されて
使用される。
【0022】ロール回転数演算部11の演算結果は、スト
レッチレデューサ1に、より具体的には、夫々に付設さ
れたロール回転数設定器(図示せず)を介してストレッ
チレデューサ1の各スタンドに与えられる。ロール回転
数設定器は、ロール回転数演算部11から各別に与えられ
るロール回転数の目標値を実現すべく、各スタンドのロ
ール駆動モータを駆動制御する制御器であり、ストレッ
チレデューサ1のスタンド間において所定の勾配を持つ
ロール回転数パターンが得られるよう、各スタンドのロ
ールが駆動制御され、この状態で前記素管に対する圧延
がなされる。
【0023】前記加算器14の出力である伸ばし長さ偏差
εは、結合係数修正部8へも与えられる。結合係数修正
部8は結合係数の修正値ΔWを算出し、これをニューラ
ルネットワーク10へ与える。ニューラルネットワーク10
は、与えられた修正値ΔWを用い、ストレッチレデュー
サ1の各スタンドに実現すべきストレッチ係数Zi の補
正量ΔZi を求め、この結果を、先の記憶値の補正に用
いるべく前記ストレッチ係数設定実績記憶部13に与え
る。
【0024】ニューラルネットワーク10により算出され
た補正量ΔZi は、加算器15の一入力としてあり、該加
算器15は、ストレッチ係数設定実績記憶部13から読み出
した現状操業におけるストレッチ係数Zi を前記補正量
ΔZi により補正し、この結果を、前記結合係数の修正
値ΔWの算出に反映させるべく、結合係数修正部8に与
える。
【0025】一般的に知られているストレッチレデュー
サ1における素管の変形計算の方法を以下に示す。スト
レッチレデューサ1のi番目のスタンドでの圧延中の素
管に生じる軸方向、円周方向及び半径方向の平均対数歪
みを夫々、Φ1,i 、Φ2,i 及びΦ3,i とすると、これら
は、体積一定の条件より次式により求められる。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、ti は、第iスタンド出側におけ
る管の肉厚であり、またdi は、第iスタンド出側にお
ける管の平均外径であって、第iスタンドにおけるロー
ル孔型の長半径と短半径との和として求められる。
【0028】また、i番目のスタンドでの圧延中の素管
に発生する軸方向、円周方向及び半径方向の応力を夫
々、σ1,i 、σ2,i 及びσ3,i とすると、応力と歪みの
関係から(4)式が、更に、Von Mises の降伏条件から
(5)式が夫々成立する。
【0029】
【数2】
【0030】更に、i番目のスタンドにおける形状変化
係数νi が(6)式により、同じく外径肉厚比ξi
(7)式により夫々表される。
【0031】
【数3】
【0032】このとき、前記(1)式〜(7)式から導
かれる次の連立方程式を解くことにより、i番目のスタ
ンドの出側肉厚ti を求めることができる。
【0033】
【数4】
【0034】(8),(9)式から、各スタンドの出側
における肉厚ti は、夫々のスタンドにおけるストレッ
チ係数Zi の与え方によって変化し、最終スタンドの出
側、即ち、ストレッチレデューサ1の出側における仕上
がり管の肉厚に、各スタンドのストレッチ係数Zi の設
定が大きく影響を与えることがわかる。
【0035】次に、以上の如く求められる最終スタンド
の出側肉厚を得るための各ロールのロール回転数の計算
方法を以下に示す。この計算に際しては、第iスタンド
において圧延中の管における軸方向の力の釣合いを考え
る。図2は、第iスタンドにおける管の圧延状態を示す
模式図である。
【0036】図中に矢符にて示す向きに回転するロール
R,Rによる管9の圧延状態は、該管9の軸方向の移動
速度とロールR,Rの周速度とが一致する中立線Cの前
後において相違し、中立線Cよりも前(出側)の前方滑
り領域Sf では、ロールR,Rの周速が管9の移動速度
よりも小さく、逆に、中立線Cよりも後(入側)の後方
滑り領域Sb では、ロールR,Rの周速が管9の移動速
度よりも大きくなり、第iスタンドにおける管9の軸方
向の力の釣合い方程式は、次式の如くなる。
【0037】
【数5】
【0038】ここで、Fbiは後方張力、Ffiは前方張力
である。またSbi,Sfiは、後方滑り領域Sb 及び前方
滑り領域Sf 夫々の面積であり、ロールR,Rと管9と
の接触総面積Stiは、 Sti=Sfi+Sbi …(11) となる。
【0039】更にGi は、第iスタンドにおける圧延圧
力の長手方向成分であり、これと、管9の円周方向応力
σ2iとは、次式により算出される。
【0040】
【数6】
【0041】次に、第iスタンドの出口における管9の
出口速度とロール周速とが一致する点でのロール半径
(有効半径)RWiは、次式により求められる。
【0042】 RWi=R0i+di (1−cosφ)/2 …(14) φ=xi /di …(15)
【0043】ここで、R0iは、第iスタンドのロール溝
底半径であり、xi は、第iスタンドの出口断面におけ
る管9とロールR,Rとの接触長である。この有効半径
Wiを用い、各スタンドのロール回転数ni が算出され
る。
【0044】 ni =60Vi /(2π/RWi) …(16)
【0045】ここで、Vi は、第iスタンドの出口にお
ける管9の移動速度であり、素管の入口速度V0 を含む
次式によって算出される。
【0046】以上の如く演算は、ロール回転数演算部11
において行われ、この際、ストレッチ係数設定実績記憶
部13に記憶させてあるストレッチ係数Zi が用いられ、
このストレッチ係数Zi は、前述した如く、ニューラル
ネットワーク10によって演算される補正量ΔZi によ
り、過去の操業実績に基づいて逐次補正される。
【0047】以下にニューラルネットワーク10における
演算動作の内容を、目標伸ばし長さ算出部6、学習デー
タ分別部12、入力数値変換部7及び結合係数修正部8の
動作内容と共に説明する。
【0048】目標伸ばし長さ算出部6は、予め入力され
ている仕上り管としての管の目標長さと入側測長計3か
ら入力された圧延前の素管の長さ実績とに基づいて素管
に対する目標伸ばし長さを算出する。この算出結果は、
ロール回転数演算部11に与えられ、ストレッチレデュー
サ1の各スタンドに実現すべきロール回転数ni の前述
した演算に用いられる。
【0049】目標伸ばし長さ算出部6が出力する目標伸
ばし長さは、更に、学習データ分別部12に与えられると
共に前記加算器14に与えられ、当該操業の結果として出
側測長計4により測定される実績伸ばし長さとの偏差ε
の算出に用いられる。
【0050】学習データ分別部12は、操業毎の圧延条件
が予め定めた範囲に属するか否か判別し、属する場合に
のみ当該操業における前述した測定データを取り込み、
これを入力数値変換部7を介してニューラルネットワー
ク10へ与え、また属しない場合には、当該操業時に得ら
れた測定データのニューラルネットワーク10への入力を
禁じ、学習計算から除外する分別処理を行う。
【0051】学習データ分別部12への入力は、操業毎の
操業状態に関連する状態量として、入側測長計3により
測定される素管の長さ、素管温度計5により測定される
素管の温度、出側測長計4により測定される実績伸ばし
長さ、及び加算器14の出力として与えられる実績伸ばし
長さと目標伸ばし長さとの偏差を含み、また当該操業に
おける操業条件に関連する設定値として、素管の外径、
肉厚及び材質と、ストレッチレデューサ1の各スタンド
における累積圧延本数と、目標伸ばし長さ算出部6から
与えられる目標伸ばし長さの設定値とを含んでおり、前
述した分別は、これらの夫々に対して行われる。
【0052】入力数値変換部7は、各項目毎の入力値x
n j を、その平均が0、標準偏差が1の正規分布となる
ように変換処理を行い、Xn j に変換して出力し、これ
をニューラルネットワーク10へ与える。なお、xn j
n j の添字n(n=1,…N)は、入力値及び出力値
の項目を示し、また添字j(j=1,…P)は、過去に
おける操業の数、より具体的には、初回から何回目分の
操業データであるかを示す。
【0053】入力数値変換部7における具体的な変換処
理は、1番目の項目、例えば、素管長さの検出値x1 j
(j=1,…P)に対し、次の変換式に従って行われ
る。 X1 j =(x1 j −X)/σ …(17) 式中のXは、x1 1 からx1 P までの平均値、またσ
は、標準偏差である。
【0054】入力数値変換部7は、N項目の入力値x1
〜xN の夫々に対し、(17)式を用いて出力値X1 (X
1 1 ,X1 2 …X1 P )〜XN (XN 1 ,XN 2 …XN
P )を算出し、これをニューラルネットワーク10へ与え
て学習計算させる。ニューラルネットワーク10は、入力
数値変換部7から与えられたX1 1 〜XN P 、即ち、過
去P回分の操業データと、結合係数修正部8から与えら
れた結合係数の修正値ΔWとを用い、当該操業において
ストレッチレデューサ1の各スタンドに実現すべきスト
レッチ係数Zi の補正量ΔZi を求める。
【0055】図3は、ニューラルネットワーク10の構造
を示す説明図である。代表的なニューラルネットワーク
10は、1回微分可能な出力関数を持つ情報処理素子(ユ
ニット)から構成される複数層(図においてはk層)の
階層型ネットワーク(多層パーセプトロン)であり、入
力層たる第1層と、中間層である第2層〜第k−1層
と、出力層である第k層とからなる。
【0056】入力層、中間層及び出力層は、夫々複数個
のユニットからなり、入力層(第1層)のユニットと中
間層である第2層のユニットとの間、また中間層の各層
間のユニット、更に第k−1層のユニットと出力層(第
k層)のユニットとの間は夫々異なる結合係数で係合さ
れている。入力層の各ユニットには、前記入力数値変換
部7の出力値X1 〜XN が操業毎に与えられ、これらを
用いた演算により得られたストレッチ係数Zi の補正量
ΔZi が、出力層である第k層から出力されることとな
る。
【0057】第k層でのユニット数をMk とすると、第
k層の第iユニットの出力は、下記(18),(19),
(20)式で与えられる。
【0058】
【数7】
【0059】なお第1層の第iユニットの出力yi 1
(21)式で与えられ、入力xi 1 がそのまま出力yi 1
となる。
【0060】 yi 1 =xi 1 …(21) ただし、i=1,2…M1 である。
【0061】ニューラルネットワーク10での学習計算
は、一般にバックプロパゲーション法が広く用いられて
いる。バックプロパゲーション法とは、下記(22)式の
入力データに対応する出力データである(23)式(これ
らの入出力データを教師信号と呼ぶ)と、ニューラルネ
ットワーク10の出力である(24)式との誤差の二乗和に
基づき(25)式で表わされる誤差関数を減少させるよう
に、各階層k間の結合係数Wを適宜修正していく学習方
法である。
【0062】
【数8】
【0063】以上の如き学習計算が十分に実行された
後、即ち、Zj ≒zj (j=1,2…P)となった後、
前記N項目の入力値x1 〜xN の夫々に対し、入力数値
変換部7によって変換された出力値X1 〜XN を用い、
ニューラルネットワーク10においてストレッチ係数Zi
の補正量ΔZi の演算が行われ、この結果に基づき補正
されたストレッチ係数Zi を用いてロール回転数演算部
11においてロール回転数の演算がなされ、ストレッチレ
デューサ1の各スタンドのロール回転数の設定値が定め
られ、このロール回転数の設定により得られた仕上がり
管の実績伸ばし長さと目標伸ばし長さとの偏差を用い、
結合係数修正部8においてニューラルネットワーク10の
結合係数の修正値ΔWの算出がなされる。
【0064】以上の如き処理は素管がストレッチレデュ
ーサ1にて絞り圧延を施される都度反復され、その都
度、結合係数Wが修正されたニューラルネットワーク10
によりストレッチレデューサ1の各スタンドにおけるス
トレッチ係数Zi が補正されるから、目標伸ばし長さ、
及び肉厚を有する仕上り管が安定して製造されることと
なる。
【0065】最後に、以上の如く実行される本発明方法
と従来方法との比較試験の結果を示す。この試験は、圧
延前の寸法が外径 151mm、肉厚4.25mm、長さ 29520mmな
る素管をストレッチレデューサ1に送給し、外径60.3m
m、肉厚3.87mm、目標伸ばし長さ 82174mmなる仕上り管
を得るという設定条件下にて操業を実施し、操業毎の伸
ばし長さ偏差の推移を比較する手順にて行った。
【0066】図4は、この比較試験の結果を示すグラフ
である。図の横軸は圧延本数を、また縦軸は、伸ばし長
さ偏差を夫々示しており、この伸ばし長さ偏差は、次式
により示す如く、目標伸ばし長さに対する比率(%)で
表したものである。
【0067】 伸ばし長さ偏差(%) =(実績伸ばし長さ−目標伸ばし長さ)/目標伸ばし長さ×100
【0068】図4中の実線は本発明方法に依った場合の
結果を、また破線は従来方法に依った場合の結果を夫々
示している。なお、比較例として示した従来方法は、現
場作業者の判断により各スタンドのロール回転数の修正
を行う方法である。
【0069】図4に示すように、従来方法によった場
合、圧延開始4本目までの伸ばし長さ偏差が1%前後も
存在するのに対し、本発明方法によった場合、圧延開始
の1本目から伸ばし長さ偏差を 0.3%程度にまで抑える
ことが可能であり、その後においても低レベルに安定し
て抑え得ることが明らかである。
【0070】表1には、前述した比較試験における前記
伸ばし長さ偏差の平均値及び標準偏差が示されている。
この表に示す如く本発明方法によった場合、伸ばし長さ
の平均値が0.05%、同じく標準偏差が0.12%であり、こ
れらのいずれもが従来方法におけるそれら(0.58%,0.
51%)よりも大幅に小さくなっており、本発明方法の実
施により高い伸ばし長さ精度を安定して実現し得ること
がわかる。
【0071】
【表1】
【0072】なお以上の実施の形態においては、ストレ
ッチレデューサへの本発明方法の適用例について述べた
が、本発明方法は、複数のスタンド間での張力付加によ
り素管を延伸圧延する構成としたタンデム圧延機の全般
に亘っての適用が可能であることは言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法において
は、タイミング圧延機の操業中に各スタンドにおけるス
トレッチ係数の設定値を、過去の操業における操業状態
に関連する複数の状態量の検出結果と、操業条件に関連
する複数の設定値とに基づいてニューラルネットワーク
により算出した補正量によって補正し、補正されたスト
レッチ係数を用いて伸ばし長さ制御を実施するから、目
標伸ばし長さが高精度に実現された仕上り管が安定して
得られるようになり、仕上がり不良の発生を抑え、歩留
りの向上に寄与できる等、本発明は優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストレッチレデューサにおける本発明方法の実
施状態を示すブロック図である。
【図2】ストレッチレデューサのスタンドにおける管の
圧延状態を示す模式図である。
【図3】ニューラルネットワークの構造を示す説明図で
ある。
【図4】本発明方法の効果を実証するための比較試験の
結果を示すグラフである。
【図5】ストレッチレデューサにおける各スタンドのロ
ール回転数と仕上がり管の肉厚との関係を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ストレッチレデューサ 2 パスライン 3 入側測長計 4 出側測長計 5 素管温度計 6 目標伸ばし長さ算出部 7 入力数値変換部 8 結合係数修正部 10 ニューラルネットワーク 11 ロール回転数演算部 12 学習データ分別部 13 ストレッチ係数設定実績記憶部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスタンド間での張力付加により素
    管を延伸圧延するタンデム圧延機の操業中に、該タンデ
    ム圧延機の出側に予め定めた目標伸ばし長さを有する仕
    上がり管を得るべく、各スタンドにおけるストレッチ係
    数を設定し、この設定結果に基づいてロール回転数を変
    更制御する伸ばし長さ制御方法において、操業の進行に
    伴う前記ストレッチ係数の補正量を、操業状態に関連す
    る複数の状態量と、操業条件に関連する複数の設定値と
    に基づいてニューラルネットワークにより算出すること
    を特徴とするタンデム圧延機における伸ばし長さ制御方
    法。
  2. 【請求項2】 前記複数の設定値は、前記素管の外径、
    肉厚及び材質、各スタンドにおける累積圧延本数、並び
    に目標伸ばし長さの設定値を含み、前記複数の状態量
    は、前記素管の温度及び長さ、実績伸ばし長さ、並びに
    該実績伸ばし長さと前記目標伸ばし長さとの間の偏差を
    含む請求項1記載のタンデム圧延機における伸ばし長さ
    制御方法。
JP8198136A 1996-07-26 1996-07-26 タンデム圧延機における伸ばし長さ制御方法 Pending JPH1034221A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102284512A (zh) * 2011-07-28 2011-12-21 郑州大学 一种大变形管线钢管制造工艺控制方法
CN110202026A (zh) * 2019-05-23 2019-09-06 杭州佐帕斯工业有限公司 加热管管长精度提升设备

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CN110202026A (zh) * 2019-05-23 2019-09-06 杭州佐帕斯工业有限公司 加热管管长精度提升设备
CN110202026B (zh) * 2019-05-23 2024-02-20 杭州佐帕斯工业有限公司 加热管管长精度提升设备

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