JP4089658B2 - 鋼板の製造方法 - Google Patents
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すなわち、本発明者らが特許文献3により開示したように、被圧延材の先端部の板反り量を確実に抑制又は解消するためには、上下のワークロールの周速度を被圧延材の噛み込み後の周速度に基づいて設定することが必要がある。このため、上下のワークロールの周速度を被圧延材の噛み込み後の周速度に基づいて設定しない特許文献1、2により開示された発明により得られる板反りの抑制の程度は、近時に求められている程度には及ばないため、その改善が必要である。
(1)上述したように、被圧延材の先端部又は後端部それぞれにおける板反りの量は異なる。そこで、上下のワークロールそれぞれの周速度の設定量のフィードフォワード制御を、被圧延材の先端部又は後端部毎に別個に行うことにより、板反りの発生を操業上の大きな問題を生じない程度に十分に抑制もしくは解消することができること。
本実施の形態では、反り制御装置10により、例えばiパス目において板反りを抑制するための上下のワークロール2a、2bそれぞれの周速度の設定を行う場合、2パス前の(i−2)パス目で実測した板反り量と目標板反り量との偏差、及び、(i−2)パス目の圧延の噛み込み前に実測した異速率ΔVi−2に基づいて、iパスにおける板反り量を抑制するための異速率ΔViを設定する。
ΔV=(Vl−Vu)/Vl ・・・・・・(1)
また、iパス目の平均異速率ΔVIは、iパス目の噛み込み直後期間における異速率の平均値である。すなわち、本実施の形態では、iパス目において被圧延材5の噛込直後期間を、板反りの発生が予想される領域 (例えば本実施の形態では被圧延材5の先端の噛込みから圧延方向へ1000mmの長さの先端部)が圧延されるのに要する時間と定め(本実施の形態では0.3秒間とした)、この噛込直後期間における上下のワークロール2a、2bそれぞれの周速度と時間との関係を求め、求めたワークロール2a、2bそれぞれの周速度と時間の関係を(1)式から、噛み込み直後期間における異速率と時間との関係が求められ、この平均値を求めることによってiパス目における平均異速率ΔVIが求められる。
図3は(2)式を示した1例である。
なお、関数fについては、圧延機の特性によって変化するため、予め実機の圧延データを採取することにより、関数fを定めておくことが望ましい。
また、上下のワークロール2a、2bそれぞれの周速度を異ならせる異周速圧延では、周速度が高い側のワークロール2a又は2bのトルクは増加するのに対し、周速度が低い側のワークロール2a又は2bのトルクは減少する。このため、iパス目の無負荷時の異速率をΔVとして、上ワークロール2aの噛込直後期間における最大圧延トルクTqiu、下ワークロール2bの噛込直後期間における最大圧延トルクTqilは、(4)式〜(6)式によって計算される。なお、(6)式におけるC2及びC3はいずれも係数である。
Tqil=(1+Tqa×ΔV)×Tqi ・・・・・・・・(5)
Tqa=C2×(Tqi−C3)2 ・・・・・・・・(6)
さらに、iパスにおいて被圧延材5がワークロール2a、2bに噛み込んだ時の時刻を0とすると、噛み込んだ時からt秒間経過した時点における上ワークロール2aの圧延トルクTqu(t)、下ワークロール2bの圧延トルクTql(t)は、それぞれ(7)式及び(8)式により計算される。
Tql(t)=Tqil×g(t) ・・・・・・・・(8)
ここで、g(t)は、板噛み込みから時間経過によってトルクが変化する軌跡を表す関数である。この関数は圧延機固有で決まる関数であり、被圧延材5が噛み込み直後にインパクトドロップ、回復等により圧延トルクが変化することを考慮した関数である。これも、実機データ(噛み込み直後からある一定期間のデータ)を採取すれば、トルクが時系列的にどのように変化するのか、予測することが可能である。
αu=h(Tqu(t)) ・・・・・・・(10)
Spl(t)=(1−αl)×Vl ・・・・・・・(11)
αl=h(Tql(t)) ・・・・・・・(12)
ここで、h(Tqu(t))、h(Tql(t))とは、トルクの時間変化と速度の時間変化とを結びつける関数である。
ΔVI(t)=(Spl(t)−Spu(t))/Spl(t) ・・・(13)
平均異速率は、上記(13)式を、例えば0〜0.3秒までΔt秒毎にn回計算したとした時、その合計を求め、nで割り戻したものである。
本実施の形態では、反り制御装置10により、(i−2)パス目の板反り量の測定値と板反り量の目標値とから板反り量の制御誤差を求め、かかる制御誤差を、iパスでの異速率の設定、すなわち、上下のワークロール2a、2bの速度の設定にFF制御するという制御、いわば板反り量 (反り曲率) の誤差の学習制御を行う。このため板反り量が各パス毎に変動したとしても、変動した板反り量に十分に追従して、上下のワークロール2a、2bそれぞれの周速度Vu、Vlを設定することができる。
S5において、板反り量κi−2と板反り量の目標κoから板反り量の制御誤差Δκi−2を、Δκi−2=κi−2−κとして求め、この制御誤差Δκi−2からS2で説明した手法と同様にして異速率の修正量ΔVSiを求める。そして、S6へ移行する。
このため、これらの少なくとも2パスを終了した時点に向かって、これらのパスで板反り制御を行うことができ、徐々に板反り量を低減して目標値に近づけることができる。このため、本実施の形態によれば、これらのパスの各パスにおいて板反り量が不規則に変動したとしても、これらの少なくとも2パスを終了した時点においては、板反りの発生を抑制又は解消することができ、目標とする板反り量に高精度で制御することが可能となる。
実施の形態で用いた、被圧延材5の先端部の板反り量 (反り曲率κ) を測定する反りセンサ6a、6bを前後に備えた図1に示す圧延装置1により、仕上総パス数が9パスからなるリバース圧延を行って、本発明に係る鋼板の製造方法を実施して、熱間圧延により厚鋼板を製造した。
図5に示すように、奇数パスと偶数パスを別々に制御した本発明例では、反り制御を実施し始めた7パス以降徐々に反り曲率を低減することができ、最終パスではほぼ目標通りの上反りを得ることができた。
実施の形態の説明では、「鋼板」が熱間圧延により製造される厚板である場合を例にとった。しかし、本発明は厚板に限定されるものでなく、例えばホットストリップの粗圧延材のように、複数パスのリバース圧延を行われて製造される鋼板であれば、等しく適用される。
2a、2b 上下一対のワークロール
3a、3b バックアップロール
4 リバース圧延機
5 被圧延材
6a、6b 反りセンサ
7 画像処理装置
8 データ収集装置
9 圧延機制御プロセスコンピュータ
10 反り制御装置
11 モニタ
Claims (3)
- 被圧延材に一対の上ワークロール及び下ワークロールによる複数パスのリバース圧延を行って鋼板を製造する方法であって、前記複数パスのうちのiパス目の圧延において前記被圧延材が前記上ワークロール及び下ワークロールに噛み込む際における該上ワークロール及び下ワークロールそれぞれの周速度を、(i−2)パス目の圧延を終了した時点における実測板反り量と目標板反り量との偏差に基づいて、該iパス目の圧延を終了した時点における前記被圧延材の板反りの発生が抑制又は解消されるように設定する工程を、含むとともに、少なくとも前記iパス目の圧延における上ワークロールを駆動する上ワークロール駆動モータ、及び下ワークロールを駆動する下ワークロール駆動モータそれぞれの負荷の差を、前記被圧延材の先端部に存在する反り発生領域が該上ワークロール及び下ワークロールを通過した後に、該被圧延材の先端が該上ワークロール及び下ワークロールに噛み込んだ時よりも小さくすることを特徴とする鋼板の製造方法。
- 前記工程を、最終パスを含む2以上のパスで行うことを特徴とする請求項1に記載された鋼板の製造方法。
- 前記上ワークロール及び下ワークロールそれぞれの周速度を、前記被圧延材に板反りの発生が予想される噛み込み後における該上ワークロール及び下ワークロールの平均異速率に基づいて、設定する請求項1又は請求項2に記載された鋼板の製造方法。
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