JP5755534B2 - 圧延方法及び圧延板材 - Google Patents

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Description

本発明は、単スタンド可逆式の冷間圧延機を用いた圧延方法、及びこの圧延方法により得られる圧延板材に関する。
圧延機を用いた圧延においては、得られる圧延板材の圧延方向の板厚精度を、全長に渡って所定の範囲内(板厚公差内)に収めることが極めて重要である。そのため、可逆式圧延機では、板材(コイル)の先端部から所望の板厚が得られるように、ワークロールのロールギャップなどを適切な値に設定し、制御するセットアップが行われる。さらに、圧延開始後、圧延速度などが所定の条件に達した段階から、自動板厚制御(AGC)が適用されることが一般的である。上記セットアップのための計算には、通常、圧延理論に基づくモデル式が用いられる。しかし、このモデル式のパラメータである塑性係数に影響する摩擦係数及び変形抵抗については、特に先端部において一般的に事前予測が困難である。これは、先端部では圧延速度の変化が大きく、また、前工程の影響で材質が定常部とは異なりやすいことなどが原因とされている。
上記セットアップの精度を向上させる手段として、(1)実圧延データを用いて、荷重計算モデル等のセットアップモデルを学習させる方法が提案されている(特開平9−155420号公報参照)。また、コイル先端部及び尾端部を圧延する際のAGC精度を改善する手段として、(2)AGCのパラメータの中で事前予測が難しい塑性係数について、圧延中の測定データを元に補正する自動板厚制御装置も提案されている(特開昭61−42412号公報参照)。
しかし、上記(1)のセットアップモデルを学習させる方法においては、収束計算モデルでの計算結果が収束しないケースが続いた場合、セットアップモデルの学習ができず、セットアップ精度は向上しない。さらに、学習を重ねた同じ材種やサイズのコイルであっても、特にコイル先尾端はコイル単位で材料強度のバラツキが生じやすく、学習方式ではこのようなバラツキに対応しにくいためにセットアップ精度が改善されない。また、上記(2)の自動板厚制御装置は、あくまでAGCの精度改善のみであるため、セットアップ精度に依存する圧延開始からAGC開始までの間の板厚精度は改善されない。さらに、セットアップ精度が悪い場合、AGC開始時点での板厚偏差が大きくなることから、AGC開始から板厚が公差内に収まるまでの時間も増加し、ひいてはコイル先端部の板厚公差外れ(オフゲージ部)が増加してしまう。
このように、従来の圧延方法において、セットアップの精度には改善の余地があり、特に、圧延開始からAGC開始までの板材の先端部における板厚精度の向上を図る手段の開発が望まれている。
特開平9−155420号公報 特開昭61−42412号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、可逆式圧延機のセットアップをより高精度に実施することができる圧延方法、及びこの圧延方法により得られる圧延材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
単スタンド可逆式の冷間圧延機を用い、板材に対して複数パスの圧延を行う圧延方法であって、
Nパス目の上記板材の先端部における塑性係数QANを、N−1パス目の上記板材の尾端部における塑性係数QBN−1を用いて下記式(1)により算出し、
上記塑性係数QANに基づいてNパス目のセットアップ計算を行い、この計算結果に基づく設定でNパス目の圧延を開始することを特徴とする。
AN=α×QBN−1 ・・・(1)
(αは、塑性係数QANにおける補正係数(α≧1)である。Nは、2以上の整数である。)
当該圧延方法においては、可逆式圧延機を用いているため、あるパスにおける板材の尾端部が次のパスの先端部となることが最終パスまで繰り返される。当該圧延方法では、この点に着目し、Nパス目の圧延開始部分となる先端部における塑性係数QANの算出に、この部分の状態に最も近いN−1パス目の圧延終了部分である尾端部における塑性係数QBN−1を用いている。このため、当該圧延方法によれば、セットアップの精度を高めることができる。さらに、当該圧延方法によれば、Nパス目の先端部における塑性係数QANと、N−1パス目の尾端部における塑性係数QBN−1とが同一となるとは限らないことを考慮し、補正係数αを用いて補正することで、セットアップの精度を更に高めることができる。
上記冷間圧延機が、圧延荷重計測手段、入側板厚計測手段、及び出側板厚計測手段を備え、
上記QBN−1を下記式(2)により算出することが好ましい。
BN−1=PN−1/(HN−1−hN−1) ・・・(2)
(PN−1、HN−1及びhN−1は、それぞれ、N−1パス目の上記板材の尾端部における圧延荷重、入側板厚及び出側板厚の計測値である。)
上記QBN−1を上記式(2)に基づいて算出することで、セットアップの精度を高めることができる。
N−1パス目の上記板材の尾端部の圧延において、出側板厚計測手段における板厚計測不能領域の圧延を自動板厚制御により行うことが好ましい。このようにすることで、出側板厚の変動が小さくなり、得られる圧延板材の板厚精度を高めることができ、塑性係数QANの計算の際の誤差も低減することができる。
αは1であることが好ましい。補正係数αが1であると、塑性係数QANの算出がより容易になり、セットアップの計算における効率化等を図ることができる。
本発明の圧延板材は、当該圧延方法により得られる圧延板材である。当該圧延板材は、上記圧延方法により得られているため、オフゲージ部が少なく、高い板厚精度を有する。
以上説明したように、本発明の圧延方法によれば、可逆式圧延機のセットアップをより高精度に実施することができる。従って、当該圧延方法によれば、圧延開始からAGC開始までの間に生じるオフゲージを低減でき、さらには、AGC開始から板厚が公差内に収まるまでのオフゲージも低減することができる。
本発明の一実施形態に係る圧延方法における(a)N−1パス目の尾端部(圧延終了時)の状態を示す模式図、及び(b)Nパス目の先端部(圧延開始時)を示す模式図 本発明の一実施形態に係る圧延方法の手順を示すフロー図
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の圧延方法及び圧延板材の実施の形態を詳説する。
<圧延方法>
本発明の圧延方法は、単スタンド可逆式の冷間圧延機を用い、板材に対して複数パスの圧延を行う。
本発明に用いられる単スタンド可逆式の冷間圧延機は、特に限定されず、一般的なものが使用される。具体的には、図1に示す単スタンド可逆式の冷間圧延機1は、一対のワークロール2、入側板厚計測手段3、及び出側板厚計測手段4、並びに図示しない油圧圧下手段、圧延荷重計測手段、演算処理手段、圧下位置(圧延ロールギャップ)検出手段、駆動手段を備えている。一対のワークロール2の外側には、複数のバックアップロールを備えていてもよい。
冷間圧延機1では、板材Xが所定の板厚となるように、油圧圧下手段を駆動し、一対のワークロール2間のロールギャップを調整している。ワークロール2は、駆動手段により回転し、板材Xを圧延方向(図1中の矢印方向)に押し出す。ワークロール2の前後に設けられた入側板厚計測手段3と出側板厚計測手段4とにより、入側及び出側それぞれの板厚が測定される。なお、入側板厚計側手段3と出側板厚計測手段4とは、圧延方向により相対的に決まるものであり、圧延方向が逆になると入側と出側は逆となる。入側板厚計側手段3及び出側板厚計測手段4は、入側及び出側の板厚が計測できるものであれば特に限定されず、例えば接触式や非接触式(X線計測や赤外線計測等)の各板厚計測装置を用いることができる。
ここで、板材に対して複数パスの圧延をする場合、通常、予め圧延パススケジュールを定めておき、この圧延パススケジュールに従って作業を進める。上記圧延パススケジュールは、圧延作業中における圧延パス数、入側板厚、出側板厚、圧下率、圧延荷重、ロールギャップ、張力、圧延速度等の各種パラメータを定めたものである。
(1パス目)
1パス目は、従来方法によりセットアップし、圧延を開始する。この従来方法によるセットアップにおいて、セットアップに必要な各データは、オペレータの経験やモデル学習などに基づいて設定される。また、各パスにおいて、定常部については、AGCを用いることができる。
(N−1パス目の圧延)
N−1パス目(Nは2以上の整数であり、N−1パス目に1パス目も含まれる。)の圧延の際、板材Xの尾端部Xbのデータ収集を行う。尾端部Xbとは、定常通板速度から尾端停止に向けて減速開始した位置から、尾端停止した位置までの部分をいう。収集するデータとしては、上記板材Xの尾端部Xbにおける塑性係数QBN−1を後述する式(2)を用いて算出する場合、圧延荷重PN−1、入側板厚HN−1及び出側板厚hN−1が必要となる。これら上記圧延荷重PN−1、入側板厚HN−1及び出側板厚hN−1は、冷間圧延機1に設けられた圧延荷重計測手段、入側板厚計測手段3、及び出側板厚計測手段4により計測することができる。
なお、N−1パス目の上記板材Xの尾端部Xbの圧延において、出側板厚計測手段4における板厚計測位置4p以降の最尾端部分P(尾端停止時の出側板厚計測手段4における板厚計測位置4pと、尾端停止位置2pとの間の部分)は、出側板厚が計測不可能な領域、すなわち板厚計測不能領域となる。この最尾端部分P(板厚計測不能領域)の圧延については、自動板厚制御(AGC)により行うことが好ましい。上記最尾端部分Pにおいては、出側板厚変動を極力抑えることが重要であるが、このように自動板厚制御を行うことで、変動が小さくなり、得られる圧延板材の板厚精度を高めることができる。また、このように最尾端部分Pの板厚を制御することで、塑性係数QANの計算の際の誤差も低減することができる。
(N−1パス目の塑性係数QBN−1の算出)
次いで、N−1パス目の上記板材Xの尾端部Xbにおける塑性係数QBN−1を算出する。この塑性係数QBN−1を求める式としては、例えば、下記式(2)を挙げることができる。
BN−1=PN−1/(HN−1−hN−1) ・・・(2)
(PN−1、HN−1及びhN−1は、それぞれ、N−1パス目の上記板材の尾端部における圧延荷重、入側板厚及び出側板厚の計測値である。)
上記QBN−1を上記式(2)に基づいて算出することで、セットアップの精度を高めることができる。
塑性係数QBN−1を算出するための各データは、収集した全範囲のデータを用いる必要はない。例えば、データを収集した範囲の一部の平均値、又はある一点の値を用いることができる。
採用する上記データは、次のNパス目の圧延開始後、停止状態から通板速度の上昇に伴いワークロール2及び板材X間の潤滑状態が安定し、所望の板厚が得られる加速後の位置(図1(b)におけるM以降)のものが好ましい。なお、図1(b)中、Mは、Nパス目の圧延開始位置であり、MとMとの間が通板速度が上昇している区間である。このような位置の塑性係数QBN−1を算出することで、圧延の精度をより高めることができる。具体的には、N−1パス目の尾端停止位置2pからL(L>M−M)〜Lの間のPN−1、HN−1及びhN−1の各平均値を用いてQBN−1を算出したり、N−1パス目の尾端停止位置からLの位置のPN−1、HN−1及びhN−1の値を用いてQBN−1を算出したりすることができる。なお、異常値を避けるために、L〜Lの間の平均値を用いて算出する方法がより好ましい。
上記Lとしては、例えば、0.5m以上5m以下とすることができ、2m以上4m以下が好ましい。上記Lとしては、L>Lの範囲で、例えば、1m以上10m以下とすることができ、4m以上8m以下が好ましい。また、L−Lは、1m以上5m以下が好ましい。
(Nパス目のセットアップ計算)
次に、Nパス目の上記板材Xの先端部Xaにおける塑性係数QANを、得られた上記塑性係数QBN−1を用いて下記式(1)により算出し、この塑性係数QANに基づいてNパス目のセットアップ計算を行う。このセットアップ計算は、冷間圧延機1が備える演算処理手段で行うことができる。
AN=α×QBN−1 ・・・(1)
(αは、塑性係数QANにおける補正係数(α≧1)である。)
ここで、α=1とすると、N−1パス目の尾端部における塑性係数QBN−1を、そのままNパス目の先端部における塑性係数QANとして扱うこととなる。すなわち、同じ圧延部位であり、かつ最も圧延タイミングの近い圧延実績から求めた塑性係数QBN−1をそのまま次のパスに用いる。この結果、塑性係数に影響する様々な外乱要因、具体的にはコイル(板材)長手方向の材料強度分布や、圧延の進行(圧延パス数の増加)に伴う圧延ロール自体の磨耗や熱膨張、表面粗度などの変化影響を全て含んだ形となるため、セットアップ計算に用いる塑性係数の精度が改善される。したがって、コイル先端部の板厚精度、ひいてはオフゲージ量低減(圧延歩留り向上)効果が期待できる。また、補正係数αが1であると、塑性係数QANの算出がより容易になり、セットアップの計算における効率化を図ることができる。
ただし、圧延パスの増加に従って被圧延材(板材X)は少なからず加工硬化していくため、Nパス目の先端部における塑性係数QANは、N−1パス目の尾端部における塑性係数QBN−1と全く同一ではない。この点については、上記式(1)における補正係数αを適当な値に設定することで対応可能である。
αの値については、被圧延材の材料特性、パススケジュール、要求される板厚公差等により適宜設定される。例えば、高炭素鋼やチタンのように圧延パス回数が一般的に多く、かつ1パスあたりの圧下率が小さい場合は、Nパス目とN−1パス目との塑性係数差も小さい傾向にあるため、N−1パス目尾端部の塑性係数を補正せず(α=1)、そのままNパス目の先端部における塑性係数として扱うことができる(QAN=QBN−1)。反対に、例えば、低炭素鋼のようにパス回数が少なく、かつ1パスあたりの圧下率が大きい場合では、Nパス目とN−1パス目との塑性係数差が大きくなる傾向にあるため、上記式(2)においてα>1とすることが好ましい。
また、塑性係数を補正する場合の対象パスについては、基本的に全てのパスとすることができる。ただし、上述のように各パスの尾端停止までAGCを適用する場合等は、最終パスを除く各パス開始時のセットアップ精度及び先端部の板厚精度が多少悪い場合であっても、次パスにおける尾端圧延時にAGCの効果で板厚精度が改善される。従って、最終パスでのみ補正する、すなわち最終1パス前の尾端部における塑性係数のみを補正し、最終パス先端部の塑性係数として扱う方法でもよい。なお、このように、補正係数αは、各パスにおいて異なる値を取ることができる。
補正係数αの求め方としては、特に限定されないが、過去実績を用いる方法が好ましい。具体的には、圧延するコイル(板材X)と同一の材種及びサイズの母材コイルを同一のパススケジュールで過去に圧延した際の、N−1パス目とNパス目とのそれぞれの定常部における塑性係数の平均値を用い、下記式(3)により各パスの補正係数を求めることができる。
Figure 0005755534
また、圧延する板材と同一の過去実績が全く無い場合等には、下記式(4)のように、前パスと前々パスから補正係数を求めてもよい。
Figure 0005755534
上述のようにNパス目の上記板材Xの先端部Xaにおける塑性係数QANを算出し、この塑性係数QANに基づいてNパス目のセットアップ計算を行う。このセットアップ計算としては、特に限定されない。例えば、ミルの弾性曲線と圧延材の塑性曲線とから得られる一般的な下記モデル式(5)に基づいたロールギャップ設定の算出式(6)を用いることができる。
δH=M/(QAN+M)×δS ・・・(5)
=SN−1−(H−h)×(QAN+M)/M ・・・(6)
ここで、δHは圧延ロールバイト入出側での板厚変化量、Mはミルの弾性係数、δSは圧延ロールバイトの圧下量、SN−1はN−1パス目の尾端停止時のロールギャップ、SはNパス目の圧延開始時のロールギャップである。
(Nパス目の圧延)
次いで、上記セットアップ計算の結果に基づいてNパス目のロールギャップ等を設定し、Nパス目の圧延を開始する。
圧延開始後のロールギャップは、圧延開始時のまま一定でもよいし、AGC(モニタAGCやBISRA等)の使用や、特段の理由に伴うオペレータの手介入などにより適宜調整されてもよい。ただし、AGCの起動可能条件が整い次第、AGCを使用するのが好ましい。例えば、出側板厚計測値の偏差に基づきロールギャップや張力を調整するモニタAGCの場合、圧延ロールバイト位置と出側板厚計測手段の測定位置との間の距離に起因する制御遅れを考慮し、制御遅れがほぼ無視できる速度域まで通板速度を上げてからAGCを使用開始することができる。
なお、本発明の圧延方法において、2パス目から最終パスまでの少なくとも一つのパスで上記方法に基づくセットアップを行えばよく、例えば従来の方法によるセットアップを行うパスがあってもよい。但し、板厚精度を高めるためには、2パス目から最終パスの全てのパスにおいて、上記方法に基づくセットアップを行うことが好ましい。
<圧延板材>
本発明の圧延板材は、当該圧延方法により得られる圧延板材である。当該圧延板材は、上記圧延方法により得られているため、オフゲージ部が少なく、高い板厚精度を有する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
単スタンド可逆式の冷間圧延機を用い、板材(材種:チタン、板幅:1363mm)の圧延を行った。パススケジュールとしては、圧下率82%、パス数13回とした。
2〜13パス目のセットアップ計算において、塑性係数QANは、上記式(1)及び(2)に基づいて算出した。なお、式(1)におけるαは1とした。
入側及び出側の板厚計測手段としては、東芝社製TOSGAGE−5515(東芝5000シリーズ 鉄鋼ライン冷間圧延用)を用いた。また、塑性係数を算出するためのデータ(PN−1、HN−1及びhN−1)は、尾端停止位置から3〜5mの間の各平均値を用いた。
定常部及び最尾端部分(板厚計測不能領域)においては、圧延を自動板厚制御により行った。
[実施例2]
被圧延材を板材(材種:低炭素鋼、板幅:1155mm)に変え、αを過去実績に基づいた上記式(3)により算出した値としたこと以外は、実施例1と同様にして圧延を行った。
[比較例1]
塑性係数として過去実績値を用いたこと以外は、実施例1と同様にして圧延を行った。
[比較例2]
塑性係数として過去実績値を用いたこと以外は、実施例2と同様にして圧延を行った。
[評価結果]
実施例及び比較例の圧延により得られた各圧延板材の板厚偏差及びオフゲージ長を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005755534
表1に示されるように、実施例の各圧延方法によれば、得られた圧延板材の板厚偏差及びオフゲージが低減されていることがわかる。
以上説明したように、本発明は、単スタンド可逆式の冷間圧延機を用い、板材に対して複数パスの圧延をする圧延方法として好適に用いることができる。
1 冷間圧延機
2 ワークロール
2p 尾端停止位置
3 入側板厚計測手段
4 出側板厚計測手段
4p 板厚計測位置
X 板材
Xa 先端部
Xb 尾端部
P 最尾端部(板厚計測不能領域)
Nパス目の圧延開始位置
加速後の位置

Claims (3)

  1. 単スタンド可逆式の冷間圧延機を用い、板材に対して複数パスの圧延を行う圧延方法であって、
    N−1パス目の上記板材における定常通板速度から尾端停止に向けて減速開始した位置から尾端停止した位置までの尾端部の塑性係数QBN−1を用い、Nパス目の上記板材の圧延開始部分である先端部における塑性係数QANを下記式(1)により算出し、
    上記塑性係数QANに基づいてNパス目のセットアップ計算を行い、この計算結果に基づく設定でNパス目の圧延を開始することを特徴とする圧延方法。
    AN=α×QBN−1 ・・・(1)
    (αは、塑性係数QANにおける補正係数(α>1)であり、下記式(3)又は(4)により求められる。Nは、2以上の整数である。)
    Figure 0005755534
    Figure 0005755534
  2. 上記冷間圧延機が、圧延荷重計測手段、入側板厚計測手段、及び出側板厚計測手段を備え、
    上記QBN−1を下記式(2)により算出する請求項1に記載の圧延方法。
    BN−1=PN−1/(HN−1−hN−1) ・・・(2)
    (PN−1、HN−1及びhN−1は、それぞれ、N−1パス目の上記板材の尾端部における圧延荷重、入側板厚及び出側板厚の計測値である。)
  3. N−1パス目の上記板材の尾端部の圧延において、出側板厚計測手段における板厚計測不能領域の圧延を自動板厚制御により行う請求項2に記載の圧延方法。
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