JP2006281280A - スラブ加熱炉の操業方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を用いて圧延操業を行う際にこれら一連の設備を効率的に稼動し、かつ所望の特性を有する熱延鋼帯を製造するためのスラブ加熱炉の操業方法を提案する。
【解決手段】 スラブ加熱炉の操業方法を、スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルに仕上圧延するに当たり、前記加熱炉への抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、該スラブ群累計圧延待ち時間が最小となる抽出順序の組合せにしたがって前記一群のスラブを加熱し、抽出する
【選択図】 図1
【解決手段】 スラブ加熱炉の操業方法を、スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルに仕上圧延するに当たり、前記加熱炉への抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、該スラブ群累計圧延待ち時間が最小となる抽出順序の組合せにしたがって前記一群のスラブを加熱し、抽出する
【選択図】 図1
Description
本発明は、スラブ加熱炉の操業方法、特にスラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルに付設されているスラブ加熱炉の操業方法に関する。
ホットストリップミルによって熱延鋼帯を圧延するに当たっては、スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備が用いられる。この一連の設備を効率的に稼動し、かつ所望の特性を有する熱延鋼帯を製造するためには、仕上圧延機の操業条件を熱延鋼帯の特性に合わせて適切に設定するとともに、被圧延材の特性に合わせて圧延順序や、圧延条件などの圧延スケジュールを組むことが重要である。
この圧延スケジュールの作成に当たっては、圧延材(製品)のサイズ(幅、厚さ等)と圧延温度(入側温度、仕上温度、巻取り温度等)を考慮することも重要である。このうち、圧延材のサイズについては、圧延能率と仕上圧延機ワークロールの管理の面から、一般に板幅が大のものから小のものへ、板厚が小のものから大のものへ移行するように圧延スケジュールが組まれる。圧延温度については、加熱炉の熱効率等を考慮して、一般に入側温度の高いものら低いものへと移行する圧延スケジュールが組まれる。
しかしながら、圧延温度は製品の材質特性に及ぼす影響が非常に大きい重要な操業因子であり、厳密に制御する必要がある。そのため、実際の圧延操業においては、粗圧延機の出側、又は仕上圧延機の入側で仕上圧延に供するシートバーの温度を測り、その温度によって仕上圧延機の操業条件を設定することが行われる。たとえば、仕上圧延の際の圧延開始タイミング、圧延中の各スタンド間での水冷量、水冷タイミング、仕上圧延後の冷却水の量等の最終決定には、上記シートバー温度が大きな影響を有する。
かかる制約の下では、仕上圧延機の操業条件の設定計算は、実質的にシートバー温度の測温完了を待たざるを得ない。一方、仕上圧延機の設定の変更は、上記設定計算の終了を待って行われるが、設定の変更は瞬時に完了するものではなく、設備のイナーシア等のために相当の時間を要する。特に、近年ではいわゆるチャンスフリーの圧延スケジュールが組まれるようになっており、たとえば、圧下位置の調整やサイドガイドの位置の変更を頻繁に行うことが必要となっている。
このような大型の機械設備の位置変更は、相当の時間、たとえば20〜30sを要するが、その位置変更遅れは、仕上圧延機、ひいてはホットストリップミルの操業率の低下をもたらす。このようなホットストリップミルの操業率の向上を目的として、特許文献1、特許文献2に記載のように圧延効率の点からミルペーシングを制御する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1記載の方法は、圧延ライン上の各圧延設備の通過及び圧延所用時間を計算することにより加熱炉からの抽出タイミングを決め、それによって圧延材の流れを円滑にするものであり、シートバー温度の測温を待って仕上圧延機の設定位置の変更が行われることによるホットストリップミルの操業率低下については考慮されていない。また、特許文献2記載の方法は、上記特許文献1記載の発明ではミルライン上の設備の中で下流側になるほど予測誤差が累積し、抽出タイミングが適切でなくなってしまう、という問題の解決を図るものであり、各圧延設備における圧延材の温度を考慮していることに特徴があるが、いわゆるチャンスフリーの圧延スケジュールの下での圧下位置の調整やサイドガイドの位置の変更等に伴うロス時間の発生には対処できない。
本発明は、かかる従来技術の有する問題点の解決を図るもので、スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を用いて圧延操業を行う際にこれら一連の設備を効率的に稼動し、かつ所望の特性を有する熱延鋼帯を製造するためのスラブ加熱炉の操業方法を提案することを目的とする。
本発明は、スラブ加熱炉の操業方法を、スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルに仕上圧延するに当たり、前記加熱炉への抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、該スラブ群累計圧延待ち時間が最小となる抽出順序の組合せにしたがって前記一群のスラブを加熱し、抽出することとする。
上記発明において、スラブ群累計圧延待ち時間を計算するに当たっては、さらに粗圧延機の操業条件を加えること、及び/又は仕上圧延機の現実の操業状態を加えることが好ましい。
また、本発明のスラブ加熱炉の操業方法は、スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルに仕上圧延するに当たり、前記加熱炉に装入されており、その抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、該スラブ群累計圧延待ち時間が最小となる抽出順序の組合せにしたがって前記一群のスラブを加熱し、抽出することによっても行うことができる。
上記発明において、スラブ群累計圧延待ち時間を計算するに当たっては、さらに粗圧延機の操業条件を加えること及び/又は仕上圧延機の現実の操業状態を加えることが好まし
本発明は、スラブが加熱炉に装入される前、又は加熱炉に在炉中に抽出順序の変更可能な一群のスラブについてスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、それが最小となるように加熱炉からスラブを抽出していくので、一連の設備を効率的に稼動し、かつ所望の特性を有する熱延鋼帯を製造することができる。
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明が適用されるホットストリップミルのライン全体の構成を示す概念図である。図1に示すように、加熱炉10(10A,10B,10C,10D)で加熱されたスラブS(S1,S2,S3・・・Sn)は、必要に応じてスラブ幅圧下装置12で幅方向圧延された後、例えば5基の粗圧延機からなる粗圧延機群14でシートバーに粗圧延された後、7基の仕上圧延スタンドからなる仕上圧延機群16により所定の厚さまで圧延された後、コイラ18で巻き取られる。これら一連の圧延装置(加熱炉を含む)はプロセス計算機20により制御される。
本発明では、上記一連の圧延装置を用いて最終製品であるホットストリップを製造するに際し、スラブS(S1,S2,S3・・・Sn)の加熱・抽出順序を下流工程である仕上圧延機群16の待ち時間が最短となるように加熱炉からのスラブ抽出順序を定めることに特徴がある。
本発明の第1の実施形態では、この抽出順序の決定は、加熱炉10に装入待機中のスラブについて行われる。
この場合においては、まず加熱炉10(10A,10B,10C,10D)への装入待機中のスラブS1,S2,S3・・・Snのうち、加熱炉10からの抽出順序の変更可能なスラブ群が抽出変更可能対象スラブ群として選定される。このように選ばれた一群のスラブをS1,S2,S3・・・Skとする。そしてこの一群のスラブについて、すべての抽出順序の組合せについて、それぞれスラブ群累計圧延待ち時間を計算する。この組合せは、
k!(kの階乗)
個だけあるから、その各組合せについて圧延待ち時間の累計が算出される。
k!(kの階乗)
個だけあるから、その各組合せについて圧延待ち時間の累計が算出される。
たとえば、スラブS1,S2,S3,S4をこの順に抽出する場合、スラブS1の圧延後のスラブS2への圧延のために要する圧延待ち時間をt(S1→S2)、スラブS2の圧延後のスラブS3への圧延のために要する圧延待ち時間をt(S2→S3)、スラブS3の圧延後のスラブS4への圧延のために要する圧延待ち時間をt(S3→S4)とすれば、上記スラブ群累計圧延待ち時間は、この場合、
t(S1→S2)+t(S2→S3)+t(S3→S4)
となる。
t(S1→S2)+t(S2→S3)+t(S3→S4)
となる。
上記のt(S1→S2)+t(S2→S3)+t(S3→S4)を算出するためには、個々の要素である例えば、t(S1→S2)すなわち、スラブS1の圧延からスラブS2の圧延に移行するときの待ち時間が算出されなければならない。この算出は、スラブS1とスラブS2について、それらスラブを圧延するときの圧延機の各種設定値を算出し(設定計算)、スラブS1が仕上圧延機をミルオフするときの状態を基準として、スラブS2を圧延するために上記各種設定値の変動量を求め、さらに上記各種設定値の変動量を設備作動速度によって除して、設定変更に要する時間を求めることによって行う。
圧延機の各種設定値としては、圧延機の圧下位置、ロール周速、サイドガイド開度などが挙げられ、またロールの軸方向シフト機構を有する圧延機においてはさらにロールシフト位置が、ペアクロス方式の圧延機であればさらにクロス角度などが挙げられる。本発明の場合には、設定変更に要する所要時間を算出することが重要であり、前記t(S1→S2)の算出のためには、S1の設定値としては、その仕上圧延機のミルオフ時の設定値を知ることが重要になる。この場合においては、スラブS1の圧下位置やロール周速については圧延中に変化するので、基本的にはこれを考慮する必要はないが、仕上圧延機のミルオフの設定状態の計算のために利用すればよい。スラブS1についての仕上圧延機のミルオフ時の設定値の算出は、前記各種設定値について行われる。そして、そして、スラブS1の圧延終了時(ミルオフ時)の設定値とスラブS2の圧延開始時の設定値の差を上記各種設定値についての設備作動速度によって除して、上記各種設定値ごとの設定変更に要する所要時間が求められる。
スラブS1についての仕上圧延機のミルオフ時の設定値の算出は、前記各種設定値について行われる。これに対して、スラブS2についての設定値の算出は、ミルオフ時のものではなく、スラブS2を実際に圧延するときの設定値、特に圧延開始時の設定値として算出される。これについても前記各種設定値について行われる。
そして、前記各種設定値について、それぞれスラブS1の圧延終了時(ミルオフ時)の設定値とスラブS2の圧延開始時の設定値の差が計算される。設定変更に要する所要時間を求めるためには、上記各種設定値についての設備作動速度が必要であるが、これは、経験則によって求められる。例えば、サイドガイド開度の作動速度は、サイドガイドを駆動するシリンダーの移動速度によって定まる。
このようにして、スラブS1を圧延した後スラブS2を圧延するときの、例えば、圧下位置変更時間tp(Sl→S2)を
tp=|{(スラブS2の圧下位置設定値)−(スラブS1のミルオフ時圧下位置設定値)}/(圧下位置の単位時間あたりの動作可能量)|
として求める。
tp=|{(スラブS2の圧下位置設定値)−(スラブS1のミルオフ時圧下位置設定値)}/(圧下位置の単位時間あたりの動作可能量)|
として求める。
このような設定値の変動とそれに伴う設定値変更時間の算出は、仕上圧延機群の各スタンドごとに行われ、また、設定値が変化する主要な要因、例えばロール周速、サイドガイド開度、ロールシフト位置、クロス角度について行われる。そして、各々の設定変更所要時間の中で最も長いものが、仕上圧延機の設定変更に要する時間t(S1→S2)となる。なお、上記伴う設定値変更時間の算出に当たり、設定値が変化する主要な要因間の干渉を考慮することが望ましい。
また、一般的に、仕上ミルに進入する際の被圧延材温度は規定されているため、粗圧延機出側温度が高い場合には、仕上圧延機入側で温度が所定の温度まで下がるのに待機する必要がある。この温度待ちに要する時間も、簡単な空冷冷却モデルで予測することができるので、この値も上記設定値変更時間の算出の際に考慮する。
上記のようにして、スラブS1を圧延した後スラブS2を圧延するときの設定値変更時間t(S1→S2)を算出することができる。本発明では、このような設定値変更時間の算出を、スラブS1,S2,S3,S4についての抽出順序のすべての組合せについて行い、例えば、t(S1→S2)+t(S2→S3)+t(S3→S4)を累積圧延待ち時間として算出する。同様にして他の圧延順序のついても、同様にして累積圧延待ち時間を算出し、そのうち最も累積圧延待ち時間が小さくなる場合を選択して、その順に従ってスラブS1,S2,S3,S4の装入・抽出が実行される。
このようにして、一群のスラブ、S1,S2,S3・・・Skについて最も待ち時間が小さくなる順序でスラブ加熱・抽出が行われ、それにより圧延機群の操業効率の向上が図られることになる。しかしながら、スラブの圧延は、保守点検、修理等の休工直後、あるいは休工直前を除いては、連続的に行われる。したがって、上記累積圧延待ち時間の計算に当たっては、上記一群のスラブに先行して圧延されているスラブとの関係を考慮することが望ましい。
そのような考慮は、加熱条件、圧延条件を考慮して制約する必要がある。すなわち、加熱や圧延が不可能となってしまうような装入順は回避する必要がある。スラブ群S1,S2,S3,S4,・・・Skについて考慮する場合には、そのスラブ群を装入する前に装入したスラブ群(ないしは、その一部)、およびスラブ群Sl,S2,S3,S4,・・・Skのそれぞれについて、選択されたスラブ装入順として選択されたスラブ間において下記条件が満たされることを確認することが重要である。
(1)スラブ再加熱指定温度に大幅な差がないこと
(2)加熱炉装入時のスラブ温度に大幅な差がないこと
(3)圧延寸法に大幅な差がないこと
これらの条件を満たさない装入順序となる場合、あらかじめ、上記累計圧延待ち時間の算出するための組合せから排除しておくことが、プロセス計算機の資源節減上から望ましい。なお、複数の加熱炉を有し、異なる加熱炉に装入する場合する場合は、上記の(1)、(2)の条件は、制約条件から除外する必要がない。
(1)スラブ再加熱指定温度に大幅な差がないこと
(2)加熱炉装入時のスラブ温度に大幅な差がないこと
(3)圧延寸法に大幅な差がないこと
これらの条件を満たさない装入順序となる場合、あらかじめ、上記累計圧延待ち時間の算出するための組合せから排除しておくことが、プロセス計算機の資源節減上から望ましい。なお、複数の加熱炉を有し、異なる加熱炉に装入する場合する場合は、上記の(1)、(2)の条件は、制約条件から除外する必要がない。
また、上記例についていえば、たとえば、スラブS1,S2,S3,S4について、その最適装入・抽出順序が、S1→S2→S3→S4と決定され、これに従いスラブS1が装入されたとき、続くスラブS5が、スラブS2,S3,S4とともに抽出順序の変更可能なスラブ群を形成することになる場合がある。かかる場合には、これらスラブ群S2,S3,S4,S5について先述のように累積圧延待ち時間の計算を行い、その順に従ってスラブの装入・抽出を行うこととするのが望ましい。
また、スラブ群累計圧延待ち時間は、単に仕上圧延機群の待ち時間のみに基づいて行うのではなく、たとえば粗圧延機群14の操業条件、さらに必要ならばスラブ幅圧下装置12の操業条件などを加味して行うのが望ましい。さらに、加熱炉での加熱所要時間、粗圧延機群での搬送・圧延所要時間(設定変更時間含む)を考慮するのが望ましい。さらに、粗圧延機群にリバースミルを有する場合にはそのリバース圧延での搬送・圧延所要時間も考慮するのが望ましい。幅圧下装置を有する場合は、そのために要する設定変更時間を考慮するのが望ましい。これらの因子は、極力合理的に選択し、最終的な生産性指標である仕上ミルでの待ち時間を計算するのに使用すべきである。
具体例として、図2にスラブSi→スラブSjの順でスラブを加熱炉に装入する場合の仕上圧延機での待ち時間の発生状況の算出結果を示す。この場合、粗圧延機群の各圧延機での搬送時間は、当然、先行材との搬送インターロックを考慮した上で、その入側での待ち時間も考慮した上で算出されている。このようにして、加熱必要時間、粗圧延機群での搬送・待機・圧延時間、仕上圧延機群での設定変更時間を積算することによって、スラブSi→スラブSjの順でスラブを加熱炉に装入したとき、仕上ミルでの待ち時間を計算することができる。
このような仕上ミルでの待ち時間の計算は、すでに述べたように、圧延準備段階に入っているすべてのスラブ間について行うことができ、それによって、現実の操業状況を考慮しながら累計圧延待ち時間を最小にすることが可能になる。
本発明の第2の実施形態では、この抽出順序の決定は、加熱炉10に装入されているスラブについて行われる。この場合におけるスラブ抽出順序の決定手段は、加熱炉に装入されており、その抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間が計算される点を除いては、前記加熱炉に装入される前のスラブについて行われる手段と変わるところがない。また、一群のスラブに先行するスラブとの待ち時間を考慮すること、後行するスラブを組み込んで累積待ち時間を計算して、改めてスラブ抽出順序を決定すること、さらには粗圧延機群14の操業条件、さらに必要ならばスラブ幅圧下装置12の操業条件などを加味して行うことも当然に行われるべきである。
この場合において、複数の加熱炉を有する場合には、加熱炉抽出後に、再度、累計圧延待ち時間を計算することによって、さらに抽出順を変更することができ、それにより、さらに累積圧延待ち時間を短縮することが可能となる。
この場合においても、加熱炉での再加熱温度に実績値を用いることにより、仕上圧延機入側での温度待ちに要する時間をより精度よく計算することができる。また、仕上圧延磯のロールシフト位置やペアクロスミルのクロス角は、その直前の圧延ピッチなどにより変化するので、極力圧延直前(加熱炉抽出直前)に仕上圧延機設定計算を行うことによって、ロールシフト位置やペアクロスミルのクロス角を正確に把握して圧延待ち時間の算出を行うことができる。さらに、加熱炉での再加熱温度に実績値を用いることにより、粗圧延機群での搬送時間や設定替時間も含めたミルペーシング計算を厳密に行うことができるようになる。そのために要する手法は、基本的にはすでに述べたとおりである。
本発明は、上記のように加熱炉に装入される以前のスラブ群、あるいは加熱炉に装入されているスラブ群について仕上圧延機群を含む圧延設備全体の操業待ち時間を最短にするようにスラブの装入・抽出順序を変更するので、生産性を増大させることができる。なお、本発明においても、仕上圧延機群の圧延条件の最終設定は、粗圧延機におけるシートバーの温度又は仕上圧延機群の入側におけるシートバーの温度によって行われるべきである。しかしながら、本発明では、すでに述べたように一群のスラブについて加熱炉装入段階において待ち時間が最小になるように設定されている。したがって、仕上圧延機群における最終変更はきわめて少なくてすむことになる。
10:加熱炉
12:幅圧下装置
14:粗圧延機群
16:仕上圧延機群
18:コイラ
20:プロセス計算機
12:幅圧下装置
14:粗圧延機群
16:仕上圧延機群
18:コイラ
20:プロセス計算機
Claims (6)
- スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルで仕上圧延するに当たり、
前記加熱炉への抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、該スラブ群累計圧延待ち時間が最小となる抽出順序の組合せにしたがって前記一群のスラブを加熱し、抽出することを特徴とするスラブ加熱炉の操業方法。 - スラブ群累計圧延待ち時間を計算するに当たっては、粗圧延機の操業条件を加えることを特徴とする請求項1記載のスラブ加熱炉の操業方法。
- スラブ群累計圧延待ち時間を計算するに当たっては、仕上圧延機の現実の操業状態を加えることを特徴とする請求項1又は2記載のスラブ加熱炉の操業方法。
- スラブ加熱炉、粗圧延機及び仕上圧延機を有する一連の圧延設備を稼動してスラブをホットストリップミルで仕上圧延するに当たり、
前記加熱炉に装入されており、その抽出順序が変更可能な一群のスラブについて抽出順序の組合せごとに仕上圧延機におけるスラブ群累計圧延待ち時間を計算し、該スラブ群累計圧延待ち時間が最小となる抽出順序の組合せにしたがって前記一群のスラブを加熱し、抽出することを特徴とするスラブ加熱炉の操業方法。 - スラブ群累計圧延待ち時間を計算するに当たっては、さらに粗圧延機の操業条件を加えることを特徴とする請求項4記載のスラブ加熱炉の操業方法。
- スラブ群累計圧延待ち時間を計算するに当たっては、仕上圧延機の現実の操業状態を加えることを特徴とする請求項4又は5記載のスラブ加熱炉の操業方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005105331A JP2006281280A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | スラブ加熱炉の操業方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=37403715
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Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012206154A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 間ピッチ制御方法、熱間圧延装置、および熱間圧延方法 |
CN104162548A (zh) * | 2014-08-14 | 2014-11-26 | 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 | 一种热轧卷取机切换方法 |
-
2005
- 2005-03-31 JP JP2005105331A patent/JP2006281280A/ja active Pending
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JP2012206154A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 間ピッチ制御方法、熱間圧延装置、および熱間圧延方法 |
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