JP4697548B2

JP4697548B2 - おむつ

Info

Publication number: JP4697548B2
Application number: JP2006320976A
Authority: JP
Inventors: 清吉村
Original assignee: 清吉村
Priority date: 2006-11-29
Filing date: 2006-11-29
Publication date: 2011-06-08
Anticipated expiration: 2026-11-29
Also published as: JP2008132193A

Description

本発明は特願２００５−１４７５２２の「おむつ」の別の構成法に関する。

使い捨ておむつは急速に赤ちゃんや高齢者向けに普及し、着用者の排便後の滞留便による不快さにもかかわらず製造容易性やコスト採算性から吸液性シート、液吸収剤パルプ、液不透過性シート等の単層の裁断材を単純に重ね合わせて形成するものが普及している。これに対し排便時に衛生的なパッドとおむつとして、パッド状に袋を蛇腹状に折りたたんで穴明きおむつの内側に取りつけ裏返して取り出す発明が開示されている。

これに関し、下記先行例がある。
特願２００５−１４７５２２「おむつ」

特願２００５−１４７５２２の「おむつ」は、パッド形状の中空の袋の筒部分を蛇腹状の重ね折りにして構成しており、排出時に汚れていないパッド面で膚を清拭し裏返しで排出するため安全衛生的であるが、袋の重ね折りの工程があるため生産性が劣り、さまざまな形状を構成しにくく、且つ収容した汚物が戻り易い欠点を有し、コスト軽減しにくい課題がある。

本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、量産に適し安全性能を向上する衛生的おむつパッドを提供することにある。

本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。
液吸収性パルプ・ポリマー類を全面或いは部分的に含む柔軟性ある液透過吸収性外層シートと液不透過性内層シートでなる穴のないパッド片を底部とし、液吸収性パルプ・ポリマー類を全面或いは部分的に含む柔軟性ある液透過吸収性外層シートと液不透過性内層シートでなり、中央部に穴を設けたパッド片複数枚を、外周部と内周部とで順次蛇腹状に繋ぎ合わせたものを筒部とし、前記底部と筒部とを繋ぎ合わせて中空の袋とし、前記中空の袋の筒部を蛇腹状に畳み、中空の袋の底部が膚面に当たるように、中空の袋の開口部に設けた粘着性着脱部によって装着状態で肛門部位にくる穴を備えたおむつ内側に中空の袋が取り付けられた構成のおむつであって、中空の袋を底部を先頭に、蛇腹状に畳まれた筒部を伸展しつつ前記穴に収束するように前記おむつ外側に裏返しに取り出すと、前記中空の袋の中央部に穴を設けたパッド片が膚面に圧接し清拭しながら、裏返しにした中空の袋の内部に排便を収容し、前記粘着性着脱部で密閉封止を可能とする特徴のおむつである。

本発明に依れば排便時に裏返して該中空の袋を取り出すと、袋にくびれがある為排便等がこのくびれによって部分的に区分され易く開口部への漏れを防止してより安全で衛生的である。又パッド片の各対同志を外周、内周で順次接合するので折る作業が伴わず従来の溶融接合方法等を取り易く製造作業性が良い。

又本構成法に依れば、パッド片や穴の形状等は単純な形状に限らず自由度を高く形成できる。各パッド片に排尿用穴と排便用穴とを設けおむつパッド状中空の袋を取り出し易くすることも可能になり、また肛門周辺等接触パッドならびに同パッド補充部の各パッド片の大きさや形状を肛門の膚接触面側からおむつ接着面側に近付くにつれて順次大きく又は小さく、或いは部分的に変形して臀部等の凹凸傾斜に適合させ、或いは穴の大きさを順次大きく又は小さく、或いは部分的に変形して取り出し穴に傾斜を持たせる等さまざまに使い勝手を良くすることが可能で好ましい。

更に肛門周辺等接触パッドの中心でおむつ穴に嵌合する部分に窪みを設け、この部分にパルプ・ポリマー等の液吸収材をより多く充実して液吸収能力を拡大し、且つこの窪み部でパッドを取り出し易くする形成も容易である。

本発明によれば、従来のおむつやパッドの製造方法の基本的延長線上で容易に各種形状の経済的、安全衛生的なおむつパッド形状の中空の袋を製造しやすく、これを取り付けたおむつを容易に製造できる。

気持ち良く自助処理が容易で衛生的なおむつパッド形状の中空の袋とその穴あきおむつ、或いは扱い易い簡易携帯型トイレを提供する目的を簡単な構造で実現する。

図１はパッド状中空の袋と穴明きおむつの斜視図。図２はパッド状中空の袋斜視、断面説明図。図３はパッド状中空の袋の一部をおむつより排出中の斜視、断面説明図。図４は各パッド片の平面説明図。図５はパッド状中空の袋の全体構成の斜視、断面説明図。図６は伸展時のパッド状中空の袋の断面説明図。図７はパッド状中空の袋の剥離可能な粘着部と清拭層の斜視、断面説明図。図８は取出し中のパッド状中空の袋の斜視、断面説明図。図９は排出後パッド状中空の袋の開口部封止の断面説明図。図１０は排尿、排便用パッド状中空の袋を備えたおむつ平面、断面説明図。図１１は異形状パッド片、排尿排便穴、窪みを備えたおむつパッド状中空の袋の平面、断面説明図。図12は穴明きおむつとパッド状中空の袋受けシール、図13は簡易携帯型トイレである。

本発明の一実施例を、以下図を用いて説明する。おむつパッド状中空の袋（１０１）は図１に示すように穴明きおむつ（１０３）の内側に重ね合わせ畳んだ状態で穴（１０４）を合わせて粘着部（１０５）でとりつけられる。排便で汚れた部分は順次穴（１０４）を通しておむつ外に裏返しで取り出される（１０６）。

図２は取り出し前のパッド状中空の袋（１０１）を取り付けた穴明きおむつ（１０３）の断面でパッド状中空の袋は液透過吸収性外層シート（２０３）で覆われ、漏れのない液不透過性内層シート（２０４）の、くびれ（２０８）のある袋である。この袋の底部分（２０１）をおむつパッドとして肛門周辺等の膚面に当て排便等を受ける。袋の筒部分（２０２）は蛇腹状に畳まれており取り出しとともに伸展し穴（１０４）に収束して穴から取り出されるパッド状中空の袋の補充部である。袋の中空穴（１０２）の開口部はおむつ穴（１０４）に貫通しおむつ内側に密着している。

図３のように排便前に肛門部周辺のパッド状中空の袋を予め穴を通して一部裏返しに取り出しておく（１０６）と排便が周りに広がりにくい。排便とともに排泄物と汚れたパッド外面（２０３）を裏返し状態で次々に穴に収束し取り出せば汚れてない該パッド状中空の袋補充部（２０２）が臀部・肛門部等を清拭しつつ袋の内側に閉じ込められるので衛生的である。

図４はパッド状中空の袋（１０１）を構成する各パッド片で、それぞれ柔軟性ある液透過吸収性外層シート（２０３）と液不透過性内層シート（２０４）の二層一体化或いは貼り合わせ材（２０５）からなり、この中にパルプ、ポリマー等を含んでも良い。パッド片は穴のない肛門周辺等接触パッド（２０１）と、中央部に排便やパッド自身を取り出す穴（１０２）を設けた同様の補充部のパッド（２０２）である。

図５の穴のないパッド片（２０１）は液透過吸収性外層シート側が肛門等の膚に触れる向きとし、これに穴のあるパッド片（２０２）を複数枚重ねて各パッド片の内層シート同志、外層シート同志が相対向するように配列し（５０１）、液不透過性内層シートが対向するパッド片同志を外周部（２０６）で、液透過吸収性外層シートが対向するパッド片同士をパッド内周部（２０７）で少なくとも液不透過性内層シートに依って漏れなく接合して蛇腹状くびれのある漏れのない袋（１０１）を作る。各パッドの繋ぎ合わせは（２０６），（２０７）の矢印で示す部分の加熱溶融圧接や接着材等により可能である。また液吸収材は穴を通過する時にシートが容易に折れ曲がるように必ずしも全面的に分布させる必要はなく、穴（１０２）への放射線に沿って互い違いにＹ字型模様で複数配置する等、シートの柔軟性を保ち且つ穴への収束性を高めるのが好ましい。特にパッド状中空の袋を穴から取り出す時におむつ穴（１０４）と膚面が離れたときにもシートの適度の柔軟性が筒状を維持して排便等の滴下を防止する。又おむつ穴もあまり小さいと排便をパッドとともに排出しづらくなり注意が必要である。

図６に示す様にパッド状中空の袋は該肛門周辺等接触パッド補充部の開放端外縁部で内外層シート外側になる面（６０１，６０２）の取り出し穴（１０２）の近周辺に剥離可能な粘着部（１０５）を設け、肛門付近に穴を設けたおむつの内側に密着し固定する（図７）。排便時には該パッド状中空の袋は汚れた部分から穴に順次取り出し同パッド補充部が肛門等の遠外周辺から穴に向かって膚面を清拭する。トイレットペーパーを使う要領で拭けば、手を汚さずにきれいに肛門周辺等を清拭でき、この汚れ部は袋の内側（図８の２０３）となり、今まで袋の内側できれいな液不透過性シート（２０４）が外側となってこれを覆いおむつの外に取り出される。

この状態を図８に示す。該パッド状中空の袋は剥離可能な開口部粘着部（１０５）でおむつ内側に取り付けられるが、この粘着部はおむつ穴（１０２）の外周辺から内周辺に向かって剥離されるように設けられているのでスムーズに剥がれる。このとき粘着部は膚面から少し離して取り出す注意が必要である。おむつパッド状中空の袋開口部の外側面（図７の１０５）だった粘着部は裏返しによって開口部内側面（図８,９の１０５）になりこの粘着部で開口部を封止密閉できるので外部に悪臭を出さない。

尚、図１０のように排尿用と排便用に穴を独立におむつ（１００１、図１の１０３）に設けることは可能で、取り出し穴（１０２，１０４）の大きさや形状も多様に形成でき、またパッドの重ね合わせ枚数も増加できることは言うまでもない。更に図１１のように、排尿、排便用に２つ設けた穴の近接部分に細い切断を設けてこれを連結し一つの取り出し穴（１１０７）とすれば排便と同時に起こる排尿にも対応してパッドをその都度部分的に引き出せば膚面を排泄物に接触しないように清潔に保ち汚れたパッドを取り出し易くできる。

また本方式に依れば図１１に示すように該肛門周辺等接触パッド部に取り出し穴に嵌合する窪み（１１０３、１１０４）を設け易く、この窪みの液透過吸収性シートに、或いは液不透過性シートとの間にパルプ・ポリマー等の液吸収材を充実して（１１０５）液吸収性を高め、且つ該パッド補充部の各パッド片が横方向にずれるのを防止し、また該パッド状中空の袋を取り出す時のつまみにもなる。更に本方式に依れば、該パッド状中空の袋を構成する各パッド片の大きさ・形状や穴の形状を肛門等の膚に触れる側からおむつ接着面側に行くにしたがって、順次大きく（１１０１，１１０２）、または小さく或いは部分的に形状を変えて臀部・陰部周辺の凹凸傾斜に適合させ易く（１１０６）、漏れ防止やパッド自身の取り出しを容易にして衛生的で扱い易いおむつを実現できる。

尚、穴明きおむつは使い捨て用に限らず、おむつカバーとしてブリーフタイプのパンツ、或いは繰り返し使える布タイプ等に穴を設けたもののいずれでも良く、穴周辺にパッド粘着部用受けシール部を設ければ（図１２の符合１２０１）、横方向のずれには強い摩擦を有するが、おむつパッドを穴の外周辺から穴の中心に向かって剥離するのは容易な性質のもので実現できる。このときパッド状中空の袋は穴を通る中心線で左右に折り曲げ、更に臀部形状に合わせて前後に湾曲させて（図１３の１３０３）密着性を良くすると漏れ防止に良い。

又図１３のようにおむつの替わりに穴を設けた台紙（１３０２）に本パッド状中空の袋（１０１）を同様の要領で取りつければ簡易携帯型トイレ（１３０１）を構成できトイレのない野外や災害等の緊急事態、或いは渋滞中の車中で止む無く用を足したいとき等に便利で衛生的な手段を提供できる。

現在普及しているおむつパッド等の素材が同様に使用でき、製造技術上もシート状の素材の切断加工等が可能なため折り加工と比較して製造コスト上も有利である。老人、病人、身体障害者のいる家庭、病院、医療福祉機関等で利用分野は多数あり、着用者自身の排便時の気持ち悪さを極力少なくして自助努力を促進しやすい。又トイレ設備のない野外空間や渋滞時の自動車内密閉空間内、或いは災害緊急時等の使用等にも適用し易く、その普及分野は広くて産業上の利用可能性は高い。

おむつパッド状中空の袋と穴明きおむつの斜視説明図。おむつパッド状中空の袋斜視、断面説明図。おむつパッド状中空の袋の一部を裏返しに排出中の斜視、断面説明図。おむつパッド状中空の袋を構成する各パッド片の平面説明図。おむつパッド状中空の袋の全体構成の斜視、断面説明図。伸展時のおむつパッド状中空の袋の断面説明図。おむつパッド状中空の袋の剥離可能な粘着部と清拭層の斜視、断面説明図。裏返し取出し中のおむつパッド状中空の袋の斜視、断面説明図。排出後のおむつパッド状中空の袋の開口部封止の断面説明図。排尿、排便用パッド状中空の袋を備えたおむつの平面、断面説明図。異形状パッド片、排尿排便穴、窪みを備えたおむつパッド状中空の袋の平面、断面説明図。穴とパッド状中空の袋受けシールのあるおむつの斜視説明図。簡易携帯型トイレ斜視説明図。

１０１おむつパッド状中空の袋
１０２パッド状中空の袋の穴
１０３穴明きおむつ
１０４おむつの穴
１０５おむつパッド状中空の袋の剥離可能な、裏返し封止兼用粘着部
１０６パッド状中空の袋を裏返しに一部取り出した部分
２０１パッド状中空の袋の底部分（穴のない肛門周辺等接触パッド）
２０２パッド状中空の袋の筒部分（穴のある肛門周辺等接触パッド補充部）
２０３液透過吸収性外層シート
２０４液不透過性内層シート
２０５液透過吸収性外層シートと液不透過性内層シートの二層一体化シート
２０６パッド状中空の袋外周部の蛇腹状繋ぎ合わせ部（パッド外周接合部）
２０７パッド状中空の袋内周部の蛇腹状繋ぎ合わせ部（パッド内周接着部）
２０８パッド状中空の袋のくびれ部
５０１おむつパッド片の配列
６０１肛門周辺等接触パッド補充部の開放端外縁部外層シート外側（２０３）
６０２肛門周辺等接触パッド補充部の開放端外縁部内層シート外側（２０４）
７０１乾式清拭シート層（２０３）
７０２湿式清拭シート層（乾式清拭シート層の一部）（２０３）
９０１裏返しのおむつパッド状中空の袋の開口部付近
１００１排尿用、排便用パッド状中空の袋を別々に設けたおむつ
１１０１各パッド形状、穴形状を異にするおむつパッド
１１０２排尿用接触パッドを兼備する肛門周辺等接触パッド補充部のパッド
１１０３排尿用窪み
１１０４排便用窪み
１１０５パルプ・ポリマー等液吸収材を充実した液透過吸収性シート部
１１０６肛門周辺等の凹凸に適合化したおむつパッド傾斜部
１１０７排便・排尿兼用の連結取り出し穴（１０２）
１２０１おむつのパッド粘着部受けシール
１３０１穴明き台紙とおむつパッド状中空の袋による簡易携帯型トイレ
１３０２穴明き台紙
１３０3 前後左右の湾曲

Claims

液吸収性パルプ・ポリマー類を全面或いは部分的に含む柔軟性ある液透過吸収性外層シートと液不透過性内層シートでなる穴のないパッド片を底部とし、液吸収性パルプ・ポリマー類を全面或いは部分的に含む柔軟性ある液透過吸収性外層シートと液不透過性内層シートでなり、中央部に穴を設けたパッド片複数枚を、外周部と内周部とで順次蛇腹状に繋ぎ合わせたものを筒部とし、前記底部と筒部とを繋ぎ合わせて中空の袋とし、前記中空の袋の筒部を蛇腹状に畳み、中空の袋の底部が膚面に当たるように、中空の袋の開口部に設けた粘着性着脱部によって装着状態で肛門部位にくる穴を備えたおむつ内側に中空の袋が取り付けられた構成のおむつであって、中空の袋を底部を先頭に、蛇腹状に畳まれた筒部を伸展しつつ前記穴に収束するように前記おむつ外側に裏返しに取り出すと、前記中空の袋の中央部に穴を設けたパッド片が膚面に圧接し清拭しながら、裏返しにした中空の袋の内部に排便を収容し、前記粘着性着脱部で密閉封止を可能とする特徴のおむつ。