JP4696913B2 - バルジ缶の製造方法 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、あらかじめ焼鈍することなく、プレス荷重とエアーブローによる内圧のみによってバルジ部を成形するバルジ缶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、割型の工具やゴム袋等を用いて、素缶の胴部に所望の形状の張り出し部を成形(バルジ成形)した、種々のバルジ缶(変形缶)が製造されてきた。
バルジ缶は、バルジ部の張り出し率(素缶の元径に対する拡張量の割合)を大きくすると、バルジ部がより特徴付けられることから、張り出し率を大きくする技術が要望されてきた。
しかし、バルジ缶は、缶としての経済性や機械的強度,生産性等の条件を満足する必要があることから、張り出し率を大きくすることは容易でなかった。
【0003】
ところで、コーヒー飲料やビール等が充填密封される缶には、3ピース缶と2ピース缶がある。
一般的な3ピース缶は、溶接などによる溶接部(シーム部)を有する缶胴,底蓋及び上蓋の三つの部材からなり、この3ピース缶におけるバルジ部は、弾性体,弾性ポンチ,弾性薄膜と液体の圧力などを用いた加圧手段により力が加えられることによって、缶胴の一部が張り出して成形される。このバルジ缶(3ピース缶)の張り出し率は最大で約14%である。
なお、シームレスの胴部,底蓋及びキャップからなる3ピース缶(たとえば、ボトル状缶)に対するバルジ成形技術は、後述する2ピース缶とほぼ同様である。
【0004】
日本国特開平05−185150号公報には、3ピースエアゾール缶に、エアーブローによる内圧と軸方向荷重を作用させ、さらに、軸方向に押込量を設定し強制的に圧縮することにより、バルジ成形しようとする技術が開示されている。
この技術は、様々な形状及び大きさの容器に容易に再加工できる技術ではあるが、内圧と軸荷重の大きさや、タイミングについて具体的に記載されておらず、本発明の課題を解決することはできない。
なお、一般的な3ピース缶は、材料として鋼板(板厚=約0.20mm)が使用されるので、エアーブローによる内圧を利用して缶胴を変形させることは、理論的には可能であるものの、高圧エアーの取扱い等を考慮すると実質的には実現困難であった。
【0005】
一方、2ピース缶は、しごき成形された缶胴(底部付き缶胴)と上蓋の二つの部材からなり、2ピース缶におけるバルジ部は、缶内部に直接吹き出されるエアーブローの内圧を利用してバルジ成形が行なわれてきた。
たとえば、JIS規格の3000系アルミ材からなるアルミ2ピース缶(焼鈍工程なし)におけるバルジ缶は、張り出し率が最大で約2%であった。特に、エアーブローによる内圧を利用して、張り出し率の大きなバルジ成形を行なう場合、成形初期に缶胴側壁の板厚が局部的に減少すると、その箇所が破断したり、あるいは、品質管理上要求される機械的強度を有することができなくなる。
また、上記アルミ2ピース缶は、缶胴側壁が、缶胴成形時(しごき成形時)に硬化し材料の延性が失われるため、張り出し率の大きなバルジ成形を行なうことは非常に困難であった。
【0006】
EP853513B1号公報には、アルミ2ピース缶の素缶を焼鈍して材料の延性を回させた上で、エアーブローによる内圧と軸荷重を作用させ、軸方向に押込量を設定し強制的に圧縮し、さらに、張り出し率の大きなバルジ成形を行なう技術が開示されている。
この技術は、アルミ2ピース缶の缶胴側壁をアルミ材の焼鈍温度(約190.5℃〜288℃)に加熱して焼鈍することにより、缶胴側壁の延性を回復させている。
また、上記技術を用いてアルミ2ピース缶のバルジ成形を行なうと、アルミ材を焼鈍することによって、バルジ成形は可能となるものの、機械的強度が低下する。このため、機械的強度が低下しないように、缶胴側壁の板厚を厚くする必要がある。
なお、この技術によれば、板厚約0.130mm〜0.150mmの缶胴側壁に、張り出し率約4%〜6%のバルジ部を成形することができる。
【0007】
しかしながら、上記EP853513B1号公報に記載された技術は、カッパ工程,ボディメイク工程,洗浄・乾燥工程,印刷工程,焼付け工程,内面塗装工程,焼付け工程,ネッキング・フランジング工程,ブロー成形工程,検査工程,梱包工程からなり、焼鈍(アニーリング)を洗浄・乾燥工程において、通常約230℃〜290℃で行なっている。このため、上記技術で製造されたバルジ缶は、材料軟化が起こり、缶底耐圧強度が低下し、機械的強度に関する品質基準を満足することができないといった問題があった。
また、上記焼鈍により材料強度が低下し、後工程において、搬送時の衝撃等により変形したり凹んでしまい、工程トラブルを発生させ生産性を低下させるといった問題もあった。
さらに、印刷外観不良や内面耐食性が低下するといった不具合があった。
さらにまた、このバルジ缶は、低下した機械的強度を向上させるために、缶胴側壁の板厚を厚くしてあり、材料費のコストダウンを図ることができないといった問題があった。
【0008】
また、上記技術は、一般的な乾燥温度が約210℃〜220℃であるのに対し、焼鈍温度(約230℃〜290℃)まで高温加熱するので、エネルギーがその分多く必要となり、製造費のコストダウンを図ることができないといった問題があった。
すなわち、アルミ2ピース缶にエアーブローの内圧を利用して、張り出し率の大きなバルジ成形を行なうことができるものの、焼鈍により側壁の機械的強度を低下させ、かつ、機械的強度の低下を補うために側壁の板厚を厚くするといった、品質,生産性及び経済性の観点から好ましくない方向に対策が施されてきた。
なお、弾性体を用いた加圧手段でアルミ2ピース缶に力を加えると、内面塗膜を損傷するおそれがあり、また、缶に対する弾性体の進退動作が必要となり、生産性が低下するといった問題があった。
さらに、本発明にかかるバルジ缶を製造するためのシングルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)によれば、プレス荷重を加えるタイミングとエアーブローを開始するタイミングの成形可能範囲が狭いため、エアーブローとプレス荷重を加えるタイミングの制御が難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】
実用新案登録第3084323号公報
【特許文献2】
特開2004−91006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記諸問題を解決すべく、材料の機械的強度を低下させずに、すなわち、焼鈍しなくても、エアーブローによる内圧を用いて、張り出し率の大きなバルジ成形を可能とし、かつ、品質,生産性及び経済性を向上させることの可能なバルジ缶の製造方法の提供を目的とする。
【発明の開示】
【0011】
この目的を達成するために、本発明のバルジ缶の製造方法は、金属板を絞りしごき成形,薄肉化深絞り成形又は薄肉化深絞りしごき成形して、バルジ部の成形可能な缶胴板厚となるように素缶を成形する工程と、成形した前記素缶の外周に印刷を行なう印刷工程と、前記バルジ部用の凹部を有する金型で前記素缶の外側面を囲み、該素缶にプレス荷重を加え、かつ、素缶の内部にエアーブローを行なって内圧を加えるバルジ成形工程とを有するバルジ缶の製造方法であって、
前記バルジ部を成形するバルジ成形工程において、前記素缶の底部を押圧する底型に加えられるプレス荷重と、前記素缶に対するエアーブローの内圧により前記プレス荷重の作用方向と反対の方向に作用するブロー荷重を、下記バルジ成形条件式(式(2))を満足する状態で加え、
(バルジ成形条件式)
0<ΔF MAX =(PF−BF) MAX ≦素缶の縦圧縮強度 式(2)
ただし、
ΔF:軸方向荷重[N]
PF:プレス荷重[N]
BF:ブロー荷重[N]
前記プレス荷重が、前記ブロー荷重と等しい第一プレス荷重と、この第一プレス荷重より小さい第二プレス荷重とからなり、
さらに、前記第一プレス荷重及び前記ブロー荷重を加えると同時に、又は、前記第一プレス荷重及び前記ブロー荷重を加えてから40msec以内に第二プレス荷重を加え、又は、前記第二プレス荷重を加えてから20msec以内に前記第一プレス荷重と前記ブロー荷重を同時に加える方法としてある。
【0012】
また、本発明のバルジ缶の製造方法は、金属板を絞りしごき成形,薄肉化深絞り成形又は薄肉化深絞りしごき成形して、バルジ部の成形可能な缶胴板厚となるように素缶を成形する工程と、成形した前記素缶の外周に印刷を行なう印刷工程と、前記バルジ部用の凹部を有する金型で前記素缶の外側面を囲み、該素缶にプレス荷重を加え、かつ、素缶の内部にエアーブローを行なって内圧を加えるバルジ成形工程とを有するバルジ缶の製造方法であって、
前記バルジ部を成形するバルジ成形工程において、前記素缶の底部を押圧する底型に加えられるプレス荷重と、前記素缶に対するエアーブローの内圧により前記プレス荷重の作用方向と反対の方向に作用するブロー荷重を、下記バルジ成形条件式(式(2))を満足する状態で加え、
(バルジ成形条件式)
0<ΔF MAX =(PF−BF) MAX ≦素缶の縦圧縮強度 式(2)
ただし、
ΔF:軸方向荷重[N]
PF:プレス荷重[N]
BF:ブロー荷重[N]
前記プレス荷重が、前記ブロー荷重と等しい第一プレス荷重と、この第一プレス荷重より小さい第二プレス荷重とからなり、
前記第二プレス荷重を加える前、又は加えた後20msec以内に、前記第一プレス荷重と前記ブロー荷重とを加える方法としてある。
【0013】
また、本発明のバルジ缶の製造方法は、前記印刷工程とバルジ成形加工の間に、ネックフランジ加工工程を有する方法としてある。
さらに、本発明のバルジ缶の製造方法は、前記印刷工程における乾燥温度を210℃〜220℃とした方法としてある。
【発明の効果】
【0014】
本発明におけるバルジ缶の製造方法によれば、素缶の焼鈍を行なわなくてもすむので、焼鈍工程を削減でき、生産性及び経済性を向上させることができ、また、焼鈍せずに材料を使用することにより、板厚を厚くしなくてもすむので、材料費のコストダウンを図ることができる。
また、材料の機械的強度を低下させないので、缶底耐圧強度が低下してしまい、機械的強度に関する品質規格を満足できないといった不具合や、内容物充填工程などの後工程において、バルジ缶が変形するといった不具合を防止することができる。
さらに、バルジ部が形成されていない素缶に対して、ネックフランジ加工を行なうことができ、外形形状が単純なので容易に加工でき、生産性を向上させることができる。
【0015】
また、素缶の縦圧縮強度を超える軸方向荷重ΔFが作用しないので、素缶がモールド(金型)に対応する形状と異なる形状に変形したり、バルジ部やその近傍の板厚が局所的に薄くなり機械的強度が低下するといった不具合を防止することができる。
また、プレス荷重とブロー荷重を常時制御する代わりに、プレス荷重とブロー荷重を加えるタイミングを制御するだけですむので、制御系を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 図1は、本発明にかかるバルジ缶の製造方法によって製造したバルジ缶のバルジ成形後の概略正面図を示している。
【図2】 図2は、バルジ成形前の素缶の概略正面図を示している。
【図3】 図3は、本発明にかかるバルジ缶の製造方法の一実施形態を説明する概略フローチャート図を図示している。
【図4】 図4は、本発明にかかるバルジ缶の製造方法を実現するシングルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)の概略断面図を示している。
【図5】 図5は、シングルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)におけるエアー配管の概略図を示している。
【図6】 図6は、本発明のバルジ缶の製造方法を実施するシングルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)の動作を説明する要部の概略断面図であり、(a)は素缶装着時の断面図を、(b)はプレス荷重作用時の断面図を、(c)はエアーブローの内圧作用時の断面図を、(d)はプレス荷重及びエアーブローの内圧の解除後の断面図を示している。
【図7】 図7は、本発明にかかるバルジ成形条件式を説明するための概略図であり、(a)はプレス荷重及びブロー荷重を説明する断面図を、(b)は座屈不良となる条件を説明するグラフを、(c)は成形可となる条件を説明するグラフを、(d)はフランジ伸び不良または缶胴破裂となる条件を説明するグラフを示している。
【図8】 図8は、本発明のバルジ缶の製造方法を実施するダブルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)の概略断面図を示している。
【図9】 図9は、ダブルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)におけるエアー配管の概略図を示したものであり、(a)は、第一軸力シリンダ35の有効断面積と素缶2の底面内部の断面積が同一の場合の概略図であり、(b)は、両断面積が相違する場合の概略図である。
【図10】 図10は、本発明のバルジ缶の製造方法を実施するダブルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)の動作を説明する要部の概略断面図であり、(a)は素缶装着時の断面図を、(b)はブロー荷重と第一プレス荷重作用時の断面図を、(c)はブロー荷重、第一プレス荷重及び第二プレス荷重作用時の断面図を、(d)はすべての荷重の解除後の断面図を示している。
【発明を実施する最良の形態】
【0017】
[バルジ缶]
図1は、本発明にかかるバルジ缶の製造方法によって製造したバルジ缶のバルジ成形後の概略正面図を示している。
また、図2は、バルジ成形前の素缶の概略正面図を示している。
図1において、バルジ缶1は、シームレス缶であり、底部15,胴部12及びネックフランジ部11とからなっている。また、材料には、アルミ合金(JIS規格の3000系(焼鈍無し))が使用されている。
なお、缶材料としては、アルミニウム合金板のほか、ぶりき、ティンフリースチール(TFS),Niめっき鋼板等のスチール材料、あるいは、あらかじめポリエステル等の熱可塑性樹脂で金属表面を被覆した樹脂被覆金属板等のプレコート材料を使用することができる。
バルジ缶1は、円筒状の胴部12の上部に、張り出し率8%(=φ71.4mm/φ66.10mm=1.08)のバルジ部13が形成してある。また、胴部12の下部は、バルジ成形されない非バルジ部14としてある。
なお、バルジ成形前の素缶2は、図2に示すように、底部15,胴部22及びネックフランジ部11とからなっている。
【0018】
バルジ缶1は、エアーブローの内圧を利用してバルジ成形してあり、バルジ部13の張り出し率を15%以下(0%を含まず。)とし、かつ、バルジ部13の板厚の減少率(式(1))を6%以下としてある。
(板厚減少率)
α=(Tb−Ta)×100/Tb 式(1)
ただし、
α:板厚減少率[%]
Tb:バルジ成形前の板厚[mm〕
Ta:バルジ成形後の板厚[mm]
【0019】
なお、張り出し率は、15%以下(0%を含まず。)としてあるので、たとえば、張り出し率0.1%といった微小距離だけ張り出したバルジ部に対しても、本発明を適用することができる。
【0020】
このようにすると、エアーブローの内圧を利用してバルジ成形を行なっても、板厚の減少率を6%以下としてあるので、機械的強度が低下するといった不具合を防止でき、かつ、大きな張り出し率(最大15%)のバルジ部13を設けることができる。
また、好ましくは、バルジ缶1の張り出し率を10%以下とするとよく、このようにすると、板厚の減少が抑制されるので、機械的強度の低下を防ぐことができる。
また、好ましくは、張り出し率を3%以上とすれば、缶の全体的形状が通常の円筒形とは異なる意匠性に優れた缶とすることができる。
また、バルジ缶1は、バルジ部13におけるバルジ成形後の板厚を、0.08mm〜0.15mmとした構成としてある。
【0021】
このように、バルジ部13の板厚を、薄くすることにより、大きな張り出し率のバルジ部13を容易に設けることができ、さらに、材料費のコストダウンを図ることができる。
また、バルジ部13の板厚を薄くすることにより、焼鈍を行なわなくてもバルジ成形が可能となり、短時間でバルジ缶の製造が可能となる。
このように、本実施形態のバルジ缶1によれば、機械的強度が低下せずかつ板厚の薄い、張り出し率の大きなバルジ部13を設けることができる。
なお、バルジ缶1がスチール缶である場合には、バルジ部におけるバルジ成形後の板厚を、0.06mm〜0.12mmとするとよい。
【実施例1】
【0022】
次に、上記バルジ缶1の実施例1について説明する。
バルジ缶1は、図1に示すように、全長約120.95mm(押込量=約1.25mm)、素缶缶胴外形約66.10mm、張り出し頂点部外径約71.40mmであり、張り出し率約8%とした。また、缶材料には、アルミニウム合金3004を使用した。
また、素缶2は、絞り,しごき加工を施した後洗浄し、約210℃で乾燥させ、さらに、外面印刷塗装後約200℃で焼付けを行なった。続いて、内面にエポキシアクリル系水性塗料を膜厚約4μmとなるように塗装し、約200℃で焼付けを行い、ネッキングフランジ加工を施すことにより製造した。
なお、缶材料及び製造方法は、実施例15を除いて、後述する各実施例及び比較例において、本実施例とほぼ同様とした。
【0023】
バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.111であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.111)×100/0.116=4.31%となり、6%より小さい板厚減少率であった(表1参照)。
また、バルジ部13において板厚が最も薄くなっている位置(底部15から高さ約74mmの位置(A点))において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.114であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.110であった。したがって、板厚減少率α=(0.114−0.110)×100/0.114=3.51%となり、6%より小さい板厚減少率であった。
【0024】
次に、上記条件でバルジ缶1を100個製造し、100個のバルジ缶1に対して、成形性及び缶内面耐食性の試験を行なった。本実施例及び後述する実施例等の試験結果を表1に記載する。
【表1】
Figure 0004696913
なお、上記試験結果において、バルジ成形性を下記の基準で評価した。
○:100缶全て正常に成形できた。
△:100缶全て成形可能ではあるが、一部の缶でバルジ部に局所的な薄肉部が発生した。
×:1缶以上で缶胴バルジ部に亀裂が発生した。
また、缶内面耐食性については、バルジ成形が成功した各100缶について、エナメルレーターにより内面金属露出度を測定し、下記の基準で評価した。
○:100缶の平均エナメルレーター値が0.5mA以下。
△:100缶の平均エナメルレーター値が0.5〜5.0mA。
×:100缶の平均エナメルレーター値が5.0mA以上。
なお、エナメルレーター試験により、バルジ成形後の缶内面に塗膜の損傷程度を評価することができる。
上述したように、実施例1のバルジ缶1は、張り出し率が約8%、板厚減少率が4.31%であり、かつ、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例2】
【0025】
実施例2にかかるバルジ缶は、図示してないが、全長約120.29mm(押込量=約1.91mm)、素缶缶胴外形約66.10mm、張り出し頂点部外径約72.71mmであり、張り出し率を約10%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.110であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.110)×100/0.116=5.17%であった。さらに、バルジ部13において板厚が最も薄くなっている位置(A点)において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.114であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.108であった。したがって、板厚減少率α=(0.114−0.108)×100/0.114=5.26%であった。
実施例2のバルジ缶は、張り出し率が約10%、板厚減少率が5.17%であり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例3】
【0026】
実施例3にかかるバルジ缶は、図示してないが、全長約121.85mm(押込量=約0.35mm)、素缶缶胴外形約66.10mm、張り出し頂点部外径約69.41mmであり、張り出し率を約5%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.111であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.111)×100/0.116=4.31%であった。さらに、バルジ部13において板厚が最も薄くなっている位置(A点)において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.114であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.111であった。したがって、板厚減少率α=(0.114−0.111)×100/0.114=2.63%であった。
実施例3のバルジ缶は、張り出し率が約5%、板厚減少率が4.31%であり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例4】
【0027】
実施例4にかかるバルジ缶は、図示してないが、全長約122.06mm(押込量=約0.14mm)、素缶缶胴外形約66.10mm、張り出し頂点部外径約68.08mmであり、張り出し率を約3%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.112であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.112)×100/0.116=3.44%であった。さらに、バルジ部13において板厚が最も薄くなっている位置(A点)において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.114であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.112であった。したがって、板厚減少率α=(0.114−0.112)×100/0.114=1.75%であった。
実施例4のバルジ缶は、張り出し率が約3%、板厚減少率が3.44%であり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例5】
【0028】
実施例5にかかるバルジ缶は、図示してないが、全長約122mm、素缶缶胴外形約66mm、張り出し頂点部外径約66.40mmであり、張り出し率を約0.6%とした。
なお、後述する実施例及び比較例のバルジ缶は、全長約122mm、素缶缶胴外形約66mmとしてあり、本実施例とほぼ同様とした。
バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.112であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.114)×100/0.116=1.72%であった。
実施例5のバルジ缶は、張り出し率が約0.6%、板厚減少率が1.72%であり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例6】
【0029】
実施例6にかかるバルジ缶は、張り出し頂点部外径約73.92mmであり、張り出し率を約12%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.120であった。したがって、板厚減少率α=(0.120−0.114)×100/0.120=5.00%であった。
実施例6のバルジ缶は、張り出し率が約12%、板厚減少率が5.00%であり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例7】
【0030】
実施例7にかかるバルジ缶は、張り出し頂点部外径約75.90mmであり、張り出し率を約15%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.113であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.120であった。したがって、板厚減少率α=(0.120−0.113)×100/0.120=5.83%であった。
実施例7のバルジ缶は、張り出し率が約15%、板厚減少率が5.83%であり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【比較例1】
【0031】
比較例1にかかるバルジ缶は、張り出し頂点部外径約76.56mmであり、張り出し率を約16%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.113であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.108であった。したがって、板厚減少率α=(0.108−0.103)×100/0.113=4.63%であった。
比較例1のバルジ缶は、張り出し率が約16%、板厚減少率が4.63%であり、成形性試験の結果が△(印刷外観に軽度のゆがみが発生した。)であり、缶内面耐食性試験の結果が×であった。
【比較例2】
【0032】
比較例2にかかるバルジ缶は、張り出し頂点部外径約76.56mmであり、張り出し率を約16%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.108であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.108)×100/0.116=6.89%であった。
比較例2のバルジ缶は、張り出し率が約16%、板厚減少率が6.89%であり、成形性試験の結果が△であり、缶内面耐食性試験の結果が×であった。
【比較例3】
【0033】
比較例3にかかるバルジ缶は、張り出し頂点部外径約77.88mmであり、張り出し率を約18%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.116であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.107であった。したがって、板厚減少率α=(0.116−0.107)×100/0.116=7.76%であった。
比較例3のバルジ缶は、張り出し率が約18%、板厚減少率が7.75%であり、成形性試験の結果が×であった。なお、成形性が×であったため、缶内面耐食性試験は中止した。
以上の各実施例及び比較例の結果から、張り出し率15%以下のバルジ缶は良好であり、15%を超えると成形性が低下し、局所的な薄肉部が発生し正常にバルジ成形できないことが確認できた。
【実施例8】
【0034】
実施例8にかかるバルジ缶は、張り出し頂点部外径約71.28mmであり、張り出し率を約8%とした。なお、後述する各実施例及び比較例においては、張り出し率を約8%とした。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.084であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.080であった。したがって、板厚減少率α=(0.084−0.080)×100/0.084=4.76%であった。
実施例8のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が4.76%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.088mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例9】
【0035】
実施例9にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.105であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.100であった。したがって、板厚減少率α=(0.105−0.100)×100/0.105=4.76%であった。
実施例8のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が4.76%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.100mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例10】
【0036】
実施例10にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.135であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.129であった。したがって、板厚減少率α=(0.135−0.129)×100/0.135=4.44%であった。
実施例8のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が4.44%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.129mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例11】
【0037】
実施例11にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.150であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.144であった。したがって、板厚減少率α=(0.150−0.144)×100/0.150=4.00%であった。
実施例8のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が4.00%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.144mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【実施例12】
【0038】
実施例12にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.156であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.150であった。したがって、板厚減少率α=(0.156−0.150)×100/0.156=3.85%であった。
実施例12のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が3.85%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.150mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【比較例4】
【0039】
比較例4にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.080であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.077であった。したがって、板厚減少率α=(0.080−0.077)×100/0.080=3.75%であった。
実施例12のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が3.75%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.077mmであり、成形性試験の結果が△であり、缶内面耐食性試験の結果が○であった。
以上の結果から、バルジ成形後の板厚が0.08mm〜0.15mmのバルジ缶は良好であり、0.08mmより薄くなると成形性が低下し、局所的な薄肉部が発生し正常にバルジ成形できないことが確認できた。
【実施例13】
【0040】
実施例13にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.100であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.094であった。したがって、板厚減少率α=(0.100−0.094)×100/0.100=6.00%であった。
実施例13のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が6.00%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.094mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
【比較例5】
【0041】
比較例5にかかるバルジ缶のバルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.100であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.093であった。したがって、板厚減少率α=(0.100−0.093)×100/0.100=7.00%であった。
比較例5のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が7.00%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.094mmであり、成形性試験の結果が×であった。
以上の結果から、板厚減少率が6%を超えると成形性が低下し、正常にバルジ成形できないことが分かった。
【実施例14】
【0042】
実施例14にかかるバルジ缶は、図示してないが、全長約122mm、素缶缶胴外形約66mm、張り出し頂点部外径約71.28mmであり、張り出し率約8%としてある。また、缶材料には、すずめっき鋼板(#25/25)を使用した。
また、バルジ缶は、絞り,しごき加工をした後洗浄し、約210℃で乾燥させ、外面ホワイト塗料を塗装し、さらに、印刷塗装を行なった。続いて、内面に二回に分けエポキシアクリル系水性塗料を膜厚約8μmとなるように塗装し、約200℃で焼付けを行い、ネッキングフランジ加工を施すことにより製造した。
また、バルジ部13は、張り出し頂点位置において、Tb(バルジ成形前の板厚[mm])が約0.080であり、Ta(バルジ成形後の板厚[mm])が約0.077であった。したがって、板厚減少率α=(0.080−0.077)×100/0.080=3.75%であった。
実施例14のバルジ缶は、張り出し率が約8%、板厚減少率が3.75%、バルジ成形後のバルジ部板厚が約0.077mmであり、成形性試験及び缶内面耐食性試験の結果は、両方とも○であった。
なお、スチール缶に対しても、上記アルミ缶と同様の試験を行い、バルジ部の張り出し率を15%以下とし、かつ、バルジ部の板厚減少率を6%以下とすることにより、正常にバルジ成形できることが分かった。また、バルジ成形後のバルジ部板厚を0.06mm〜0.12mmとすることにより、良好にバルジ成形できることを確認した。
このように、上記各実施例では、いずれも、板厚減少率αが6%以下となり、バルジ成形しても、機械的強度が品質規格を満足することができた。
また、バルジ部13の成形後の最小板厚を明確にすることにより、板厚をより薄くすることができ、材料費を大幅にコストダウンすることができた。
なお、上記各実施例のバルジ缶は、後述するバルジ缶の製造方法により製造した。
【0043】
[バルジ缶の製造方法]
図3は、本発明にかかるバルジ缶の製造方法の一実施形態を説明する概略フローチャート図を図示している。
同図において、本発明にかかるバルジ缶1の製造方法は、まず、プレス荷重とエアーブローの内圧によって、バルジ部13を成形可能な板厚に、素缶2を絞りしごき成形する(絞りしごき成形工程(ステップS1))。なお、本実施形態では、絞りしごき成形工程としたが、この工程に限定されるものではなく、たとえば、薄肉化深絞り成形工程又は薄肉化深絞りしごき成形工程としてもよい。
【0044】
次に、絞りしごき成形した素缶2を洗浄・乾燥する工程(ステップS2)と、素缶2の外周に印刷を行なう印刷工程(ステップS3)と、素缶2に内面塗装を行なう内面塗装工程(ステップS4)を有している。
なお、一般的に、内面塗装工程が実施されるが、たとえば、樹脂被覆金属板等のプレコート材料を使用する場合には、内面塗装を行なう必要がないので、内面塗装工程は行なわれない。
【0045】
次に、バルジ部用の凹部(バルジ成形形状321)を有するモールド32で素缶2の外側面を囲み、素缶2にプレス荷重を加え、かつ、素缶2の内部にエアーブローを行なって内圧を加える(バルジ成形工程(ステップS5))。
このようにすると、素缶2の焼鈍を行なわなくてもすむので、焼鈍工程を削減でき、生産性及び経済性を向上させることができる。
また、材料の機械的強度を低下させずに、すなわち、焼鈍せずに材料を使用することにより、板厚を厚くしなくてもすむので、材料費のコストダウンを図ることができる。さらに、材料の機械的強度を低下させないので、缶底耐圧強度が低下してしまい、機械的強度に関する品質規格を満足できないといった不具合や、内容物充填工程などの後工程において、バルジ缶が変形するといった不具合を防止することができる。
【0046】
また、バルジ部13におけるバルジ成形前の板厚を、アルミ缶においては0.09mm〜0.16mm、スチール缶においては0.07mm〜0.13mmとするとよく、このようにすると、バルジ部13の板厚を薄くすることにより、大きな張り出し率のバルジ成形を容易に行なうことができる。
さらに、図示してないが、印刷工程(S3)とバルジ成形工程(S5)の間に、ネックフランジ加工工程を有する方法としてもよい。このようにすると、バルジ部13が形成されていない素缶2に対して、ネックフランジ加工を行なうことができるので、外形形状が単純となりその分容易に加工でき、生産性を向上させることができる。
【0047】
また、印刷工程(S2)における乾燥温度を210℃〜220℃とするとよく、このようにすると、素缶2が焼鈍されないので、機械的強度の低下を防止することができる。また、本実施形態では、塗装工程(S3)を有しているので、塗装工程(S3)おける乾燥温度を同様に210℃〜220℃とするとよい。
【0048】
次に、上記バルジ缶の製造方法のバルジ成形工程(S5)の詳細な説明について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明にかかるバルジ缶の製造方法を実現するシングルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ缶形成装置)の概略断面図を示している。
同図において、シングルピストン型バルジ缶製造装置3は、マンドレル31,モールド32,底型33,軸力シリンダ34とからなっている。
マンドレル31は、エアーブローを吹き出す複数の吐出口311が形成された円柱状の突起部312と、突起部312に被せられるバルジ缶と突起部312との隙間をシールする、突起部312の付け根部に設けられたシール部材313とを備えた構成としてある。なお、ブローエアーの圧力を制御することにより、素缶2を上方に持ち上げようとする荷重(ブロー荷重:BF[N]、図7(a)参照)を制御することができる。
また、モールド32は、軸方向に二つ割りされた円筒状の金型であり、内面にバルジ成形形状321が加工されており、素缶(図示せず)にエアーブローの内圧をかけて成形する際、このバルジ成形形状321に対応した形状に成形する。
【0049】
底型33は、バルジ缶1の底部形状に対応した形状が形成された型であり、軸力シリンダ34の軸力ピストン341から突設されたロッド342と連結され軸方向に移動する。
軸力シリンダ34は、プレスエアーにより移動する、ロッド342,343が両面から突設された軸力ピストン341と、このロッド343に取り付けられ底型33の押下位置を制御するストッパ344とからなっている。
なお、プレスエアーの圧力を制御することにより、底型33が素缶の底部を押下する荷重(プレス荷重:PF[N]、図7(a)参照)を制御することができる。また、ストッパ344の取り付け位置を調整することにより、素缶を軸方向に圧縮する量(押込量)を制御することができる。
【0050】
図5は、シングルピストン型バルジ缶製造装置におけるエアー配管の概略図を示している。
同図において、コンプレッサ41から供給されるエアーは、レギュレータ42で圧力調整され、ブローエアーとしてブローバルブ44からマンドレル31に供給される。また、マンドレル31に供給されたブローエアーは、排気バルブ45から排気される。
また、コンプレッサ41から供給されるエアーは、レギュレータ46で圧力調整され、プレスエアーとしてプレスバルブ48から軸力シリンダ34に供給され、排気バルブ49から排気される。
なお、ブローエアーの圧力は、圧力計43で測定され、また、プレスエアーの圧力は圧力計47で測定される。
【0051】
次に、シングルピストン型バルジ缶製造装置3の動作について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明のバルジ缶の製造方法を実施するシングルピストン型バルジ缶製造装置の動作を説明する要部の概略断面図であり、(a)は素缶装着時の断面図を、(b)はプレス荷重作用時の断面図を、(c)はエアーブローの内圧作用時の断面図を、(d)はプレス荷重及びエアーブローの内圧の解除後の断面図を示している。
同図(a)において、バルジ成形前の素缶2には、突起部312が開口部23から挿入され、開口部23の内面がシール部材313と接触し、素缶2内部の圧力が外部に漏れないようにシールされる。
また、素缶2の胴部22を二つ割れ構造を有するモールド32が挟むように保持し、底部15の上方には、底型33が位置する。
【0052】
次に、同図(b)において、プレスバルブ48が開かれると、レギュレータ46により圧力調整されたプレスエアーが軸力シリンダ34に供給され、軸力シリンダ34が底型33を下方に押下し、底型33が素缶2の底部15と当接する。
なお、素缶2の内部には、まだ、エアーブローによる内圧は作用していない。また、底型33は素缶2の底部15と当接しているが、素缶2を軸方向(下向き)に押込んではいない。
【0053】
次に、同図(c)において、素缶2は、底型33により所定の押込量(Δh)だけ押し込まれ、ストッパ344によって位置決めされた状態で停止する。このストッパ344は、たとえば、ロッド343に螺着してあり、容易に位置調整することができる。なお、押込量(Δh)は、張り出し率,材質等に応じて決定される。
このように押込量(Δh)を調整することにより、バルジ部13のバルジ成形後の板厚を調整でき、たとえば、押込量(Δh)を大きくすると、バルジ成形後の板厚減少を抑制することができる。
【0054】
また、底型33が素缶2への押込みを開始するとほぼ同時に、ブローバルブ44が開き、レギュレータ42により圧力調整されたブローエアーがマンドレル31に供給され、吐出口311から吹き出るので、素缶2にエアーブローの内圧が作用する。そして、素缶2がエアーブローの内圧を受けて外周方向に変形するとき、モールド32のバルジ成形形状321に対応した形状に成形される。
ここで、素缶2の内部圧力は、ブローバルブ44の流量に応じて上昇し、レギュレータ42の設定圧力まで上昇する。また、底型33は、押圧バルブ48の流量に応じて降下し、所定の押込量(Δh)だけ素缶2を押下し、その位置に停止し、レギュレータ48の設定圧力まで上昇する。
なお、プレスバルブ48とブローバルブ44を開くタイミングは、制御部(図示せず)からの指令で制御され、たとえば、開くタイミングをずらした状態に調整することができる。
なお、素缶2には、エアーブローの内圧によって、軸方向(上向き)にブロー荷重BFが作用し、かつ、軸力シリンダ34によって、軸方向(下向き)にプレス荷重PFが作用する。
【0055】
上記ブロー荷重BFとプレス荷重PFを、下記バルジ成形条件式(式(2))を満足するように作用させる。
(バルジ成形条件式)
0<ΔFMAX=(PF−BF)MAX≦素缶の縦圧縮強度 式(2)
ただし、
ΔF:軸方向荷重[N]
PF:プレス荷重[N]
BF:ブロー荷重[N]
【0056】
次に、上記バルジ成形条件式について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明にかかるバルジ成形条件式を説明するための概略図であり、(a)はプレス荷重及びブロー荷重を説明する断面図を、(b)は座屈不良となる条件を説明するグラフを、(c)は成形可となる条件を説明するグラフを、(d)はフランジ伸び不良または缶胴破裂となる条件を説明するグラフを示している。
【0057】
同図(a)において、軸方向荷重ΔFは、ΔF=PF−BFで表される。ここで、ブロー荷重BFがプレス荷重PFより大きいと、底型33を持ち上げてしまうので、一般的に、ブロー荷重BFはプレス荷重PFより小さくなるように調整してある。
また、同図(b),(c),(d)は、バルジ成形の初期におけるブロー荷重BFとプレス荷重PFの増加曲線を示したグラフである。
【0058】
同図(b)に示すように、プレス荷重PFがブロー荷重BFより先に加えられ、プレス荷重PFがブロー荷重BFより常に大きい状態で、ブロー荷重BFとプレス荷重PFが増加し、この増加過程で(たとえば、時間Tにおいて)軸方向荷重ΔFが素缶2の縦圧縮強度より大きくなると、素缶2が座屈する。そして、座屈した箇所は、板厚が薄くなり機械的強度が低下するので、通常、エアーブローの内圧に耐えられずに破裂してしまい、バルジ成形を行なうことはできない。
【0059】
これに対し、同図(c)に示すように、プレス荷重PFとブロー荷重BFがほぼ同時に加えられると、プレス荷重PFがブロー荷重BFより大きい状態で、ブロー荷重BFとプレス荷重PFが増加し、この増加過程で軸方向荷重ΔFが素缶2の縦圧縮強度以下となる。すなわち、上記バルジ成形条件式(0<ΔFMAX=(PF−BF)MAX≦素缶の縦圧縮強度)を満足している。
この場合、素缶2は、エアーブローの内圧及び軸荷重を受けて、モールド32のバルジ成形形状321に対応した形状に良好に成形される。
【0060】
また、同図(d)に示すように、ブロー荷重BFがプレス荷重PFより先に加えられると、一時的に(たとえば、時間Tにおいて)ブロー荷重BFがプレス荷重PFより大きくなり、その後、プレス荷重PFがブロー荷重BFより大きくなる。このようにブロー荷重BFがプレス荷重PFより大きくなると、素缶2が軸方向に引っ張られ、素缶2のネックフランジ部11付近が伸びたり、バルジ部13付近が伸びる。そして、伸びた箇所は、板厚が薄くなり機械的強度が低下するので、通常、エアーブローの内圧に耐えられずに破裂してしまい、バルジ成形を行なうことはできない。
すなわち、上記バルジ成形条件(式(2))を満足するように、ブロー荷重BF及びプレス荷重PFを制御することにより、素缶2の焼鈍を行なわなくて、バルジ部13をモールド32のバルジ成形形状321に対応した形状に成形することができる。
【0061】
ところで、バルジ成形条件(式(2))を満足するように、プレス荷重PFとブロー荷重BFを常時制御することは、制御系が複雑となり好ましくない。
この不具合を解決するために、プレス荷重を加えると同時に、若しくは、プレス荷重を加えてから20msec以内に、エアーブローを開始し、又は、エアーブローを開始してから5msec以内に、プレス荷重を加えるとよい。なお、プレス荷重PFの増加曲線とブロー荷重BFの増加曲線は、同図(c)に示すように、PF>BFかつPF−BF≦素缶の縦圧縮強度を満足するようにあらかじめ設定されている。
このようにすると、プレス荷重PFとブロー荷重BFを常時制御する代わりに、プレス荷重PFとブロー荷重BFを加えるタイミングを制御するだけですむので、制御系を単純化することができる。なお、プレス荷重を加えてから20msec経過した後に、エアーブローを開始したのでは、同図(b)に示すように、座屈不良が発生し、また、エアーブローを開始してから5msec経過した後に、プレス荷重を加えたのでは、同図(d)に示すように、フランジ伸び不良が発生したり、缶胴がエアーブローの内圧に耐えられずに破壊(破胴)してしまいバルジ成形を行なうことはできない。
【0062】
次に、図6(d)において、ブローバルブ44及びプレスバルブ48を閉じ、排気バルブ45,49を開いて、エアーブローの内圧を解放するとともに、プレス荷重を解除し、底型33を上昇させる。
ここで、ほぼ同時にエアーブローの内圧とプレス荷重を解除し、成形終了時においても、上記バルジ成形条件(式(2))を満足するように、ブロー荷重BF及びプレス荷重PFを制御する。このようにすると、軸方向荷重ΔFによって、バルジ缶1が損傷するといった不具合を防止することができる。
【0063】
このように、本発明にかかるバルジ缶の製造方法によれば、素缶2の焼鈍を行なわなくてもすむので、焼鈍工程を削減でき、生産性及び経済性を向上させることができる。
また、焼鈍せずに材料を使用することにより、板厚を厚くしなくてもすむので、材料費のコストダウンを図ることができる。さらに、材料の機械的強度を低下させないので、缶底耐圧強度が低下してしまい、機械的強度に関する品質規格を満足できないといった不具合や、内容物充填工程などの後工程において、バルジ缶が変形するといった不具合を防止することができる。
なお、バルジ部13におけるバルジ成形前の板厚を薄くするとよく(たとえば、板厚=0.09mm〜0.16mm(アルミ缶)、0.07mm〜0.13mm(スチール缶))、このようにすると、エアーブローの内圧を低くすることができ、高圧エアーの取扱いが容易となる。
【0064】
[ダブルピストン型バルジ缶製造装置]
図8は、本発明のバルジ缶製造方法を実施するためのダブルピストン型バルジ缶製造装置(バルジ成形装置)の概略断面図を示している。
シングルピストン型バルジ缶製造装置3の軸力シリンダ34以外は、シングルピストン型バルジ缶製造装置と同様の構造である。したがって、ダブルピストン型バルジ缶製造装置3aの構成については、軸力シリンダの構成のみ説明をし、その他の構成部分は、図中でシングルピストン型バルジ缶製造装置3と同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0065】
ダブルピストン型バルジ缶製造装置3aの軸力シリンダは、バランスエアーにより移動する第一軸力シリンダ35と、プレスエアーにより移動する第二軸力シリンダ36から構成されている。
第一軸力シリンダ35は、ロッド352,353が両面から突設された第一軸力ピストン351を有している。このうち、ロッド352の端部は、底型33と連結し、ロッド353は、第二軸力シリンダ36の第二軸力ピストン361と連結されている。すなわち、第一軸力シリンダのロッド352は、第一軸力ピストン351を介して、第一軸力シリンダと第二軸力シリンダが共有するロッド353と一体的に成形されている。これにより、バランスエアー又はプレスエアーのいずれかのエアーが供給されることにより、底型33が移動し、素缶2に荷重が加わる。
【0066】
また、第二軸力シリンダ36の第二軸力ピストン361は、外部に突出するロッド362を有しており、このロッド362は、底型33の押下位置を制御するストッパ344が取り付けてある。
なお、第二軸力シリンダ36の有効断面積は、第一軸力シリンダ35の有効断面積より小さい。第二軸力シリンダ36の有効断面積が小さければ、少ないエアーを供給することによってピストンを大きく押込むことが可能であり、第二軸力ピストンの制御が容易だからである。しかし、第一軸力シリンダ35と第二軸力シリンダ36の両有効断面積が同一であってもよい。
【0067】
図9は、ダブルピストン型バルジ缶製造装置におけるエアー配管の概略図を示している。このうち(a)は、第一軸力シリンダ35の有効断面積と素缶2の底面内部の断面積が同一の場合の概略図であり、(b)は、両断面積が相違する場合の概略図である。
ブローエアーにより素缶2の内部に加えるブロー荷重と第一軸力ピストンにより加えるバランス荷重は、素缶2の底面部でバランスを取るため、同一でなければならない。
第一軸力シリンダ35の有効断面積とモールドに設置される素缶2の底面内部の断面積が同一の場合には、同一圧力のブローエアーとバランスエアーを加えればよいので、ブローエアー供給用のレギュレータ42、圧力計43、ブローバルブ44を共用して、バランスエアーを供給することができる。
【0068】
同図(a)において、コンプレッサ41から供給されるエアーは、レギュレータ42で圧力調整され、ブローバランスバルブ44からブローエアー及びバランスエアーとしてダブルピストン型バルジ缶製造装置に供給される。
ブローエアーは、マンドレル31に供給され、バランスエアーは、第一軸力ピストン351の上部から供給される。また、コンプレッサ41から供給されるエアーは、レギュレータ46で圧力調整され、プレスエアーとしてプレスバルブ48から第二軸力シリンダ36に供給される。
第一軸力シリンダ35の有効断面積と素缶2の底面内部の断面積が相違する場合には、ブロー荷重とバランス荷重を同一に調整する必要があるため、コンプレッサ41から供給されるエアーは、同図(b)に示すように、レギュレータ50で圧力調整される。そして、バランスエアーとしてバランスバルブ52から第一軸力シリンダ35に供給される。
これにより、第一軸力シリンダ35の有効断面積とモールドに設置される素缶2の底面内部の断面積が相違する場合であっても、同一のブロー荷重とバランス荷重を素缶2の底面部に加えることができる。
【0069】
次に、ダブルピストン型バルジ缶製造装置3aの動作について、図面を参照して説明する。
図10は、ダブルピストン型バルジ缶製造装置の動作を説明する要部の概略断面図であり、(a)は素缶装着時の断面図を、(b)はブロー荷重と第一プレス荷重作用時の断面図を、(c)はブロー荷重、第一プレス荷重及び第二プレス荷重作用時の断面図を、(d)はすべての荷重の解除後の断面図を示している。
なお、実際にダブルピストン型バルジ缶製造装置3aによりバルジ缶を製造する場合には、(b)に示す動作と(c)に示す動作は、同時に行われる。
【0070】
同図(a)において、ダブルピストン型バルジ缶製造装置3aに素缶2が設置された状態は、シングルピストン型バルジ缶製造装置3に素缶2が設置された状態と同様である。
次に、ブローバルブ44が開かれると、レギュレータ42により圧力調整されたブローエアーが素缶2の内部に供給され、素缶2に内圧が作用する。素缶2内にブローエアーが供給されると同時に、バランスエアーが第一軸力シリンダ35に供給され、第一軸力シリンダ35が底型33を下方に押下し、底型33が素缶2の底部15と当接する(同図(b))。
ここで、第一軸力シリンダ35の有効断面積と素缶2の底部内側の断面積が同一であり、ブローエアーとプレスエアーに同一圧力を作用させたときには、素缶2の底部内側の断面に加わる荷重と底型33に加わる荷重は同一となり、軸方向で両荷重はバランスする。
【0071】
このように、軸方向で荷重がバランスすると、底型33は素缶2の底部15と当接しているが、素缶2を軸方向(下向き)に押し込むことはない。したがって、素缶2は外周方向に変形しない。
また、第一軸力シリンダ35の有効断面積と素缶2の底部内側の断面積が異なる場合であっても、レギュレータ42、50を調整することにより、ブローエアーとプレスエアーの圧力を調整して、素缶2の底面内側の断面に加わる荷重と底型33に加わる荷重を同一にすることができる。
なお、マンドレル31へブローバルブ44を介してエアーを供給し、第一軸力シリンダ35へバランスバルブ52を介してエアーを供給する場合には、エアーを供給するタイミングが所定時間内であれば、タイミングのずれは問題とならない。
具体的には、第二プレス荷重を加える前、又は加えた後、20msec以内に、ブローバルブ44とバランスバルブ52が作動すれば問題ない。
【0072】
次に、プレスバルブ48が開かれると、レギュレータ46により圧力調整されたプレスエアーが第二軸力シリンダ36に供給され、第二プレス荷重が作用する。これにより、素缶2は、底型33により所定の押込量(Δh)だけ押し込まれる(同図(c))。
この場合、素缶2には、すでにエアーブローの内圧が作用しているので、素缶2がエアーブローの内圧を受けて外周方向に変形し、モールド32のバルジ成形形状321に対応した形状に成形される。
なお、プレスエアーによる第二プレス荷重は、第一プレス荷重より小さい荷重とすることが好ましい。
【0073】
プレスバルブ48を開いてプレスエアーを第二軸力シリンダに供給するタイミングは、ブローエアーの供給とバランスエアーの供給と同時であることが好ましいが、所定の時間内であれば、タイミングがずれても問題はない。
具体的には、第一プレス荷重及びブロー荷重を同時に加えてから40msec以内に、第二プレス荷重を加える場合には、良好なバルジ成形を行うことができる。また、第二プレス荷重を加えてから、20msec以内に第一プレス荷重及びブロー荷重を同時に加える場合には、良好なバルジ成形を行うことができる。
一方、シングルピストン型バルジ缶製造装置によれば、プレス荷重を加えると同時に、若しくは、プレス荷重を加えてから、20msec以内に、エアーブローを開始し、又はエアーブローを開始してから5msec以内に、プレス荷重を加えることにより、正常なバルジ成形を行うことができる。
これにより、ダブルピストン型バルジ缶製造装置によれば、エアーブロー及び第一プレス荷重と第二プレス荷重を加えるタイミングがシングルピストン型より長くなることから、バルジ成形が行いやすくなる。
また、ブローエアーを加えると同時に、第一プレス荷重が素缶に加えられることから、ブローエアーの先入れにより、素缶のフランジが伸張してしまうという問題は、生じない。
【0074】
バルジ缶を成形した後、第一軸力ピストン351の下部及び第二軸力ピストン361の下部から空気を供給し、第一軸力ピストン351の上部及び第二軸力ピストンの上部から空気を排出することにより、第一軸力ピストン351、第二軸力ピストン361及び底型33は、押し上げられ、初期状態に戻る(同図(d))。
最後に、モールド32から、成形されたバルジ缶を取り出だし、一連の工程(同図(a)〜(d)の工程)を終了する。
【0075】
以上、本発明のバルジ缶の製造方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
本発明にかかるバルジ缶は、バルジ加工の施された缶であればよく、上記2ピース缶に限定されるものではない。したがって、たとえば、3ピース缶,ボトル状缶,溶接缶等であってもよい。また、バルジ部の形状は、上記の単純な形状に限定されるものではなく、たとえば、複雑な幾何学形状や文字,図形等の印刷内容に合わせた凹凸形状としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、素缶の胴部に所望の形状の張り出し部を成形したバルジ缶の製造方法を提供することにより、技術の向上を図ることができるため、各種バルジ缶の製造分野において有効利用することができ、特に、コーヒー飲料やビールなどを充填するバルジ缶の製造分野において有効に利用することができる。

Claims (5)

  1. 金属板を絞りしごき成形,薄肉化深絞り成形又は薄肉化深絞りしごき成形して、バルジ部の成形可能な缶胴板厚となるように素缶を成形する工程と、成形した前記素缶の外周に印刷を行なう印刷工程と、前記バルジ部用の凹部を有する金型で前記素缶の外側面を囲み、該素缶にプレス荷重を加え、かつ、素缶の内部にエアーブローを行なって内圧を加えるバルジ成形工程とを有するバルジ缶の製造方法であって、
    前記バルジ部を成形するバルジ成形工程において、前記素缶の底部を押圧する底型に加えられるプレス荷重と、前記素缶に対するエアーブローの内圧により前記プレス荷重の作用方向と反対の方向に作用するブロー荷重を、下記バルジ成形条件式(式(2))を満足する状態で加え、
    (バルジ成形条件式)
    0<ΔF MAX =(PF−BF) MAX ≦素缶の縦圧縮強度 式(2)
    ただし、
    ΔF:軸方向荷重[N]
    PF:プレス荷重[N]
    BF:ブロー荷重[N]
    前記プレス荷重が、前記ブロー荷重と等しい第一プレス荷重と、この第一プレス荷重より小さい第二プレス荷重とからなり、
    さらに、前記第一プレス荷重及び前記ブロー荷重を加えると同時に、又は、前記第一プレス荷重及び前記ブロー荷重を加えてから40msec以内に第二プレス荷重を加え、又は、前記第二プレス荷重を加えてから20msec以内に前記第一プレス荷重と前記ブロー荷重を同時に加えることを特徴としたバルジ缶の製造方法。
  2. 金属板を絞りしごき成形,薄肉化深絞り成形又は薄肉化深絞りしごき成形して、バルジ部の成形可能な缶胴板厚となるように素缶を成形する工程と、成形した前記素缶の外周に印刷を行なう印刷工程と、前記バルジ部用の凹部を有する金型で前記素缶の外側面を囲み、該素缶にプレス荷重を加え、かつ、素缶の内部にエアーブローを行なって内圧を加えるバルジ成形工程とを有するバルジ缶の製造方法であって、
    前記バルジ部を成形するバルジ成形工程において、前記素缶の底部を押圧する底型に加えられるプレス荷重と、前記素缶に対するエアーブローの内圧により前記プレス荷重の作用方向と反対の方向に作用するブロー荷重を、下記バルジ成形条件式(式(2))を満足する状態で加え、
    (バルジ成形条件式)
    0<ΔF MAX =(PF−BF) MAX ≦素缶の縦圧縮強度 式(2)
    ただし、
    ΔF:軸方向荷重[N]
    PF:プレス荷重[N]
    BF:ブロー荷重[N]
    前記プレス荷重が、前記ブロー荷重と等しい第一プレス荷重と、この第一プレス荷重より小さい第二プレス荷重とからなり、
    前記第二プレス荷重を加える前、又は加えた後20msec以内に、前記第一プレス荷重と前記ブロー荷重とを加えることを特徴としたバルジ缶の製造方法。
  3. 前記素缶の前記バルジ部におけるバルジ成形前の板厚を、アルミ缶においては0.09mm〜0.16mm、スチール缶においては0.07mm〜0.13mmとしたことを特徴とする請求項1又は2記載のバルジ缶の製造方法。
  4. 前記印刷工程とバルジ成形加工の間に、ネックフランジ加工工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバルジ缶の製造方法。
  5. 前記印刷工程における乾燥温度を210℃〜220℃としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバルジ缶の製造方法。
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