JP2003335337A - フィルム貼着金属缶 - Google Patents

フィルム貼着金属缶

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JP2003335337A JP2002137690A JP2002137690A JP2003335337A JP 2003335337 A JP2003335337 A JP 2003335337A JP 2002137690 A JP2002137690 A JP 2002137690A JP 2002137690 A JP2002137690 A JP 2002137690A JP 2003335337 A JP2003335337 A JP 2003335337A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な視覚効果によって缶体外面に施された
装飾の意匠性を向上させる。 【解決手段】 金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介し
て熱可塑性樹脂フィルムが接着され、樹脂系接着剤層と
熱可塑性樹脂フィルムとの間に、パール顔料を含有した
樹脂組成物からなるパールインキと、着色顔料を含有し
た樹脂組成物からなる印刷インキとが印刷されて缶体に
表される装飾層が形成されたフィルム貼着金属缶におい
て、パール顔料を、フレークに二酸化珪素を被覆し、二
酸化珪素層に酸化鉄層を被覆した構成とするか、もしく
は、パール顔料を、フレークに酸化チタンを被覆した構
成またはフレークに酸化チタンを被覆し酸化チタン層に
酸化鉄層を被覆した構成として、缶胴にエキスパンド加
工、エンボス加工、ビード加工またはバルジ加工を施し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外面にパール顔料
を用いた印刷による装飾が施された熱可塑性フィルムを
接着剤で貼着させた金属缶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にアルミニウムやスチールを素材
とした金属缶(容器)は、その形状によって、スリーピ
ース缶、ツーピース缶およびボトル型缶との3種類に大
別される。スリーピース缶は、底蓋と、溶接や接着によ
り継ぎ合わせた缶胴と、天蓋との3つのパーツからな
る。また、ツーピース缶は、缶底が一体化された缶胴に
天蓋を取り付けた構造であって、缶胴と天蓋との2つを
構成部材とすることからツーピース缶と称され、また缶
胴に継ぎ目がないことからシームレス缶とも呼ばれてい
る。さらに、ボトル型缶は、缶底が一体化されている
か、もしくは底蓋が取り付けられた缶胴の一方の開口端
部にネジ部が形成されていて、そのネジ部に螺合される
キャップを備えており、全体としての形状が旧来のガラ
ス製ボトルに近似していることからボトル型缶と呼ばれ
ている。
【0003】これらの金属缶の外面には、その内部に収
容した内容物に応じて、単なる内容物の名称や種類など
の表示に留まらずに、多種多様な装飾が施され、収容し
た商品の識別性を向上させるとともに、商品の販売に貢
献できるようにしている。
【0004】特に、内容物がビール、コーヒーおよび清
涼飲料水などの嗜好飲料の場合には、嗜好飲料自体がイ
メージ商品としての性格が強いので、そのネーミングと
ともに、金属缶の外観も重要なアピール・ポイントとな
っている。
【0005】すなわち、商品が提示するイメージを損な
うことが無いことは勿論、商品のイメージに適合し、さ
らには商品イメージの増進を図れることが望まれてい
る。さらに、これに加えて、消費の動向やニーズの変化
による商品に対する要請の多様化によって、一層美麗な
外観の金属缶が要求されている。
【0006】そこで、近年、このような要請に応えると
ともに、デザイン面での優位を確保するため、この装飾
に特殊な視覚上の効果を付与することによって、新たな
付加価値を付けたり、この効果によって周囲の競合品か
ら際立たせる工夫がなされている。
【0007】このような要求に応えると共に、金属板や
金属缶の外面に直接印刷する際の不利益を無くすため
に、金属板や金属缶の外面に、予め印刷されたポリエス
テルなどの熱可塑性樹脂フィルムを貼着して作られた缶
が種々提案されている。
【0008】この印刷フィルムを作る方法としては、オ
フセット印刷に加えて、グラビア印刷やフレキソ印刷法
などを選択することが可能である。これらの印刷方法
は、従来のドライオフセット印刷法に比べて装飾的な効
果が高く、良好な印刷品質が得られる。しかも、金属板
や缶体の代わりに連続した熱可塑性樹脂フィルムに印刷
するので、高速印刷が期待できるなど、従来の金属板や
缶体に直接印刷するドライオフセット印刷では得られな
い利点を備えている。
【0009】また、印刷するインキ中にパール顔料を添
加することにより、装飾に特殊な色調を付与したものが
知られている。このパール顔料は、特殊な光学的効果に
よって、装飾に真珠光沢あるいは虹彩色を付与すること
ができるので、高級感や独特のボリューム感などが得ら
れる。
【0010】すなわち、天然の真珠は、中心核からタン
パク質と炭酸カルシウムの薄膜が交互に積層されて形成
され、これらの平行に配列した2層の境界で、入射光が
規則的に反射することによって、パール光沢が得られて
いる。そこで、同様に、屈折率の低いマイカ(雲母)と
屈折率の高い酸化チタンなどを層状に配列することで、
パール光沢を得るようにしている。つまり、パール顔料
は、粒子状のマイカの外面を酸化チタンで被覆した構成
とされ、図12に示すように、酸化チタン層22の表面
からの反射光と、酸化チタン層22とマイカ層21との
界面からの反射光との干渉によって、パール光沢が得ら
れるようにしている。
【0011】内部まで同一の物質で構成された同一な色
調とされるソリッド色では、ソリッド色で着色された箇
所を見る角度を変えても、その明度や色相が変化しない
ので、単調で安価な感じを受けてしまう。これに対し
て、上述したパール顔料によるパール色によれば、パー
ル着色された箇所を見る角度によって、その明度や色相
が変化するので、深みのある色調となり高級感を持たせ
ることができる。
【0012】この種の従来技術としては、例えば、特開
平8−198272号公報に記載のものが知られてい
る。この従来技術は、金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤
層を介してポリエステルフィルムを接着している。ポリ
エステルフィルムと樹脂系接着剤層との間には、虹彩色
タイプの雲母粉末を用いたパール顔料が含まれた樹脂組
成物をグラビア印刷して形成した印刷層を設けてある。
この従来技術によれば、印刷層が真珠光沢あるいは虹彩
色の特殊な色調に見えるので、その部分が強調され、優
れた視覚印象を与えることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
パール顔料を印刷に用いた金属缶においては、さらに、
異形缶、エンボス缶、複雑な文字およびデザイン等、多
様な商品の要請に応えるために、従来以上の新規な装飾
効果が得られる金属缶が要求されている。
【0014】すなわち、金属缶の外面に表示およびデザ
インされた絵柄やエンボス加工、異形缶などからなる装
飾に、デザイン面での優位性を確保し、または特定の文
字色、例えば、緑色文字、青色文字および赤色文字に透
明感を持たせることにより、デザインの選択幅を広げる
ことが要請されている。
【0015】この発明は、上記要請に着目してなされた
もので、その目的とするところは、新たな視覚効果によ
って缶体の外面に施された装飾の意匠性が向上するフィ
ルム貼着金属缶を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載のフィルム貼着金属缶では、金属缶
の缶胴外面に樹脂系接着剤を介して熱可塑性樹脂フィル
ムが接着され、前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂
フィルムとの間に、パール顔料を含有した樹脂組成物か
らなるパールインキと、着色顔料を含有した樹脂組成物
からなる印刷インキとが印刷されて缶体に表される装飾
層が形成されたフィルム貼着金属缶において、前記パー
ル顔料を、フレークに二酸化珪素を被覆し前記二酸化珪
素層に酸化鉄層を被覆した構成としたことを特徴とす
る。
【0017】次に、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載のフィルム貼着金属缶において、前記金属缶の
缶胴外面を、凹凸外面としたことを特徴とする。
【0018】さらに、請求項3に記載の発明では、金属
缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介して熱可塑性樹脂フィ
ルムが接着され、前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹
脂フィルムとの間に、パール顔料を含有した樹脂組成物
からなるパールインキと、着色顔料を含有した樹脂組成
物からなる印刷インキとが印刷されて缶体に表される装
飾層が形成されたフィルム貼着金属缶において、前記パ
ール顔料を、フレークに酸化チタンを被覆した構成と
し、前記金属缶の缶胴外面を、凹凸外面としたことを特
徴とする。
【0019】また、請求項4に記載の発明では、金属缶
の缶胴外面に樹脂系接着剤を介して熱可塑性樹脂フィル
ムが接着され、前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂
フィルムとの間に、パール顔料を含有した樹脂組成物か
らなるパールインキと、着色顔料を含有した樹脂組成物
からなる印刷インキとが印刷されて缶体に表される装飾
層が形成されたフィルム貼着金属缶において、前記パー
ル顔料を、フレークに酸化チタンを被覆し前記酸化チタ
ン層に酸化鉄層を被覆した構成とし、前記金属缶の缶胴
外面を、凹凸外面としたことを特徴とする。
【0020】また、凹凸外面は、金属缶の缶胴に形成し
た凹凸部により構成しても良い。凹凸部の深さまたは高
さとしては、0.01〜5mmの範囲内であれば良く、さ
らに言えば、0.1〜1mmの範囲内に設定するのが好ま
しい。
【0021】また、前記凹凸外面は、上記凹凸部および
または金属缶の缶胴に形成した膨出部または縮径部によ
り構成しても良い。この膨出部または縮径部の拡径率ま
たは縮径率は、缶径に対して0.1〜40%の範囲内で
あれば良く、さらに言えば、2〜15%の範囲内に設定
するのが好ましい。
【0022】
【発明の効果】本発明のフィルム貼着金属缶にあって
は、パールインキによる印刷層または印刷部分がパール
顔料の偏光によって異なる発色を行うので、金属缶の外
面に変化のある複雑な色調が現れる。また、金属缶を見
る角度によっては、パール色に別々の色が配合されたよ
うに見えるので、新たな視覚効果が得られる。加えて、
金属缶の缶胴外面を凹凸外面としたことにより、見る角
度によって現れる異色部が鮮明に分割され、あるいは境
界のぼけた不連続な模様が作り出されたり、凹凸外面の
傾斜部分が見る角度を変えた効果を発現させて、異色部
になったりする。よって、パール顔料の偏光による視覚
効果をより引き立たせることができ、意匠性の向上を図
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のフィルム貼着金
属缶を実現する実施の形態を、図面に基づいて説明す
る。まず、金属缶の缶形状について説明する。本発明の
フィルムを貼着する部分が円筒形の場合は、自明である
ので説明を省略し、図1に胴部に凹凸を備えた缶を例示
する。
【0024】図1(a)はエキスパンド缶である。この
エキスパンド缶は、例えば、板厚0.15〜0.30m
m、缶径約46〜87mmの缶を内面に所望缶形状を刻設
した雌型に挿入し、缶の開口側から外面に所望形状を設
けた雄型を挿入して缶内で押し広げることにより、缶胴
に複数の拡径部を形成したものである。
【0025】拡径部の缶径に対する拡径率は、0.1〜
40%の範囲内で成形可能であり、40%以上にする
と、成型時破胴のトラブルが発生する。また、パール顔
料の偏光による視覚効果を考慮すると、拡径率を2〜1
5%の範囲内に設定するのが好ましい。
【0026】図1(b)はエンボス缶である。このエン
ボス缶は、外面に所望形状を凹設させた円筒形のロール
に、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mmの
缶を挿入し、外面に所望形状を凸設させたロールで缶胴
を挟むことにより、両ロールの凹凸を噛み合わせて間に
挟まれた缶胴に凹凸による模様を刻設したものである。
【0027】模様としては、任意の凸形状、凹形状が可
能であるが、成型時におけるインナツールの抜けの問
題、および成形部外面傷付きの問題から、インナツール
が抜けやすい凹形状とするのが望ましい。凹凸の深さま
たは高さは、0.01〜2mmの範囲内で成形可能であ
り、2mmよりも大きく設定すると、成型時のフィルムダ
メージが顕著となり、内容物保護の観点から好ましくな
い。さらに言えば、パール顔料の偏光による視覚効果を
考慮すると、凹凸の深さまたは高さを0.1〜1mmの範
囲内に設定するのが好ましい。
【0028】図1(c)はビード缶である。このビード
缶は、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mm
の缶の缶胴を円盤状のロールで挟むことによって、缶胴
の周方向に環状のビードを刻設させたものである。
【0029】ビードの深さは、0.01〜5mmの範囲内
で成形可能であり、5mmよりも大きく設定すると、缶胴
の座屈強度(缶軸方向荷重)が充分確保できなくなる。
また、パール顔料の偏光による視覚効果を考慮すると、
ビードの深さを0.1〜1mmの範囲内に設定するのが好
ましい。
【0030】図1(d)はバルジ缶である。このバルジ
缶は、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mm
の缶を内面に所望缶形状を刻設した雌型に挿入し、缶の
開口側から強化ゴムの風船に液体を充填したもの、ある
いは液体を直接缶内に挿入し、この液体に圧力を加えて
缶を雌型に押し付けて膨出部を形成させたものである。
【0031】膨出部の缶径に対する拡径率は、0.1〜
40%の範囲内で成形可能であり、40%よりも大きく
すると、成型時破胴のトラブルが発生する。また、パー
ル顔料の偏光による視覚効果を考慮すると、拡径率を2
〜15%の範囲内に設定するのが好ましい。
【0032】これらの異形缶は、絞り缶、絞り再絞り
缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの缶底と缶胴とが
一体に成形された底付き缶体、すなわちツーピース缶か
ら成形することが可能である。また、一般的に言われる
スリーピース缶やボトル型缶から作ることができ、材質
は金属である。
【0033】さらに、装飾層を形成したフィルムを接着
させた金属板から円筒形の缶を作り、しかる後に異形缶
に成形しても良く、円筒形の缶を作ってから装飾層を形
成したフィルムを缶胴に接着させ、しかる後に異形缶を
成形しても良く、合理的な製造方法を選択しても良いこ
とは言うまでもない。
【0034】また、本発明のフィルムを貼着する部分が
円筒形の場合は、本発明のフィルムを貼着させた金属板
を円筒形の缶に成形しても良く、円筒形に成形した缶の
胴部に本発明のフィルムを貼着させても良い。
【0035】次に、図2〜図10を用いて、円筒形の缶
胴外周や図1に示した異形缶の缶胴外周に貼着する装飾
層の構造を説明する。図2において、1は缶体、2は優
れた強度および透明性等を備えたポリエステルフィルム
(以下、PETフィルムと略記する。)である。
【0036】PETフィルム2は、エステル反復単位の
75〜100%がエチレンテレフタレート単位からなる
もので、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単
位としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸および
アジピン酸等のエステル単位を挙げることができる。
【0037】また、PETフィルム2は、アルコール成
分と酸成分とを適宜選択することにより、260℃程度
の高融点のものが得られるので、充分な耐熱性が確保で
きることからも好ましい。
【0038】なお、金属板の一方の面(缶内面側となる
面)に保護被覆としてラミネートされる熱可塑性樹脂フ
ィルムを形成する樹脂については、ビスフェノールAを
含有していない樹脂で、一定の耐加工性、耐熱性、耐水
性および耐気体透過性を備えている樹脂であれば、特に
限定されるものではない。
【0039】例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびこれらのうちの
2種類以上が混合された樹脂による樹脂フィルムを使用
することができるが、耐熱性や内容物の保護性の観点か
らは、ポリエステルフィルムが最適である。
【0040】さらに、上記PETフィルム2以外に、ポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなども使
用することができる。さらに、ポリプロピレン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちから選択さ
れた透明な高分子樹脂体、あるいは、上記樹脂の複合体
からなる熱可塑性を有した樹脂フィルムを使用しても良
い。熱可塑性樹脂フィルムの厚さについては、選択した
材質に応じて適宜決定されるものとする。
【0041】また、PETフィルム2の接着剤層が形成
される表面には、予めコロナ放電などによって、表面酸
化処理が施されていることが好ましい。このような表面
処理を施すことによって、接着剤による接着力の向上が
図れ、フィルムと接着剤層との接合強度を高めることが
できる。
【0042】そして、図2に示すように、PETフィル
ム2の一方の面には、パール顔料が含まれた樹脂組成物
である第1印刷層3aと、樹脂成分に含まれた着色顔料
により文字やデザインを示す印刷が施された第2印刷層
3bとからなる装飾層30と、熱硬化型樹脂系または電
子線硬化型樹脂系接着剤からなる接着剤層4が設けら
れ、反対側の面には熱硬化型樹脂系または電子線硬化型
樹脂により形成された透明な硬化オーバーコート層5が
設けられている。
【0043】前記第1印刷層3aは、ウレタン系樹脂ま
たは塩化ビニル系樹脂からなる樹脂組成物中に、約20
から25重量%の後述するパール顔料が分散されている
パールインキによって形成される。
【0044】また、第2印刷層3bは、ウレタン系樹脂
または塩化ビニル系樹脂からなる樹脂中に顔料を含む印
刷インキによって形成されている。この第2印刷層3b
は、各色の顔料が含まれた印刷インキを1色ごとにグラ
ビア印刷することにより、多色に印刷されて積層され、
缶外面側に所定の表示およびデザイン画像からなる絵柄
が形成されるようにしている。
【0045】前記接着剤層4は、熱硬化型樹脂系または
電子線硬化型樹脂系の接着剤を用いて形成されている。
【0046】すなわち、熱硬化型樹脂系の接着剤として
は、数平均分子量5000〜20000のエポキシ樹脂
と酸無水物系硬化剤とを70/30〜99/1の重量比
で配合させた樹脂、または、ポリエステル樹脂とアミノ
プラスト樹脂とを70/30〜90/10の重量比で配
合させた樹脂が用いられている。したがって、この場合
には、高温で短時間の加熱によって、上記のPETフィ
ルム2を熱硬化型樹脂系の接着剤層を介して、缶体1を
形成する鋼板等の金属板に熱接着することにより、金属
板との間で優れた接着強度を得ることができる。
【0047】また、電子線硬化型樹脂系の接着剤は、ポ
リエステル樹脂100重量部に対して不飽和二重結合を
有するポリエステル系オリゴマー2〜30重量部配合し
た樹脂組成物に、応力緩和剤が0.5〜250PHR
(樹脂100重量部に対する重量部)添加された構成と
されている。
【0048】なお、接着剤層4の樹脂成分には、一般に
は、シリカ、酸化チタンなどが添加され、上記印刷層3
a,3bによる所望の発色を確保するための下地色とさ
れている。
【0049】すなわち、パール顔料が含まれた印刷層3
aによるパール光沢の見えやすさは、印刷層3bの印刷
層となる部分の色合いと、印刷層3bの下地となる部分
の色相による影響を受けている。これは、印刷層3aや
印刷層3bからの反射光と、印刷層3aおよび印刷層3
bを一旦透過して下地で反射した反射光とが混合されて
見えるからである。
【0050】そして、この下地の色が白色や淡色の場合
には、この下地からの反射光の量が増加するので、この
下地からの反射光による上記の印刷層3aに含まれたパ
ール顔料への入射光量が増加されることになる。このた
め、この増量された下地層からの反射光によって、パー
ル顔料の偏光によるパール光沢の効果が増強される。つ
まり、外部から直接入射される光に加えて、上記の下地
からの反射光がより多量に印刷層3aに入射されるの
で、パール光沢色がより一層強く現れることになる。こ
の結果、着色顔料によって形成された文字やデザインを
表示する印刷層3bからの反射光は、上記の印刷層3a
のパール顔料によるパール光沢を帯びた光と混合される
ので、これらが融合した色相の視認性が増強されること
になる。
【0051】したがって、全体のデザインにもよるが、
上記の印刷層3aの色相、つまりパール光沢色の視認性
を増強するためには、下地が反射率の高い白色、淡色に
着色されている必要がある。また、パール光沢色と他の
有色インキによる発色とが融合された色相を得たい場合
には、上記の印刷層3bを反射率の低い濃い有色の着色
顔料で着色することになる。
【0052】また、接着剤層4として、無色のものを用
いても良く、この場合にも、少なくともパール顔料が含
まれた印刷層3aによる特徴ある発色を得ることができ
る。
【0053】上述したように、接着剤に着色顔料を配合
することにより、着色コート層を兼用した接着剤層を形
成することもできる。すなわち、インキによる印刷層の
下には、印刷層の発色を確保するために白色の着色層
(通常ホワイトコート)が必要となる場合があるが、着
色層を兼用した接着剤層とすれば、着色層を形成する工
程が不要となり、製造工程から一工程を削減することが
できる。
【0054】また、上記印刷層3a,3bの缶体1側
に、別途に前記印刷層3aのパールインキまたは前記印
刷層3bの印刷インキよりも反射率の低い印刷インキを
各種の印刷技法を用いて印刷して形成された下地印刷層
を設ければ、前記印刷層3aまたは印刷層3bによる発
色とが融合された色相を得ることになるとともに、この
下地印刷層により、さらに高級感のある装飾の効果を得
ることが可能となる。また、上記印刷層3aおよび印刷
層3bが組み合わされた装飾の効果に、この下地印刷を
施した効果が加わることになるので、装飾に新たな相乗
効果が得られるとともに、装飾の選択幅が広がることに
なり、より商品の要請に応じたデザイン性を確保するこ
とができる。
【0055】すなわち、上記の下地層において、例え
ば、インキを各種の網点印刷により印刷して形成した印
刷層を設けた場合には、この網点印刷を反映した模様状
にパールインキ部と光沢有色インキ部とによる発色が現
れることになる。
【0056】また、これに加えて、単独のインキではな
く、明度や彩度が互いに異なる複数のインキを組み合わ
せて、下地印刷層を形成しても良く、さらに複雑な色の
組み合わせによる装飾効果を得ることが可能となる。
【0057】また、第1印刷層3aおよび第2印刷層3
bが、ウレタン系樹脂または塩化ビニル系樹脂を主要な
ビヒクル成分とした構成とされていることにより、缶体
1の内容物が飲用物などの食品の場合にも、以下に説明
する不都合が解消され、良好な装飾効果を確保すること
ができるので、好適に使用することができる。
【0058】すなわち、缶体1の内容物が飲用物などの
食品の場合には、缶体1に内容物が充填された後に、加
熱殺菌処理(これは例えば、レトルト殺菌処理)が行わ
れたり、缶体1に電子線硬化型接着剤が使用されている
ときは、接着剤を硬化して固着させるために電子線が照
射されたり、製品として完成後の搬送時に太陽光に曝さ
れたりすることにより、印刷層が変色したり、退色化し
たりするので、印刷層によって形成されたデザインなど
の装飾が不明瞭になる不都合が生じた。なお、耐熱性が
弱いインキとしては、そのビヒクルの主体となるベース
樹脂として硝化綿(ニトロセルロース)やポリアミド系
樹脂を用いたインキが挙げられる。
【0059】これに対して、本実施の形態はウレタン系
樹脂または塩化ビニル系樹脂を第1印刷層3aおよび第
2印刷層3bのビヒクル成分としていることにより、加
熱によるレトルト処理や電子線の照射および太陽光の照
射を受けても、これらの第1印刷層3aおよび第2印刷
層3bの変退色化が防止でき、印刷層による鮮明な画像
が維持され、良好な装飾性を確保することができる。
【0060】なお、上記第1印刷層3aおよび第2印刷
層3bは、逆の配置としても良く、またPETフィルム
2と第1印刷層3aとの間に、着色顔料を含有させた樹
脂組成物の層が配置されても良い。さらに、缶体1に施
される全体のデザインによるが、パール顔料が含まれた
樹脂組成物の層や着色顔料が含まれた樹脂組成物の層を
部分的に形成しても良い。また、これらを組み合わせた
構成としても良く、適宜、缶体1に収納される商品が要
求するデザインに合わせて選択することができる。
【0061】例えば、この第1印刷層3aと第2印刷層
3bとを逆の配置とした例としては、図3に示すものが
挙げられる。これは、缶体1の外表面から外方に向け
て、つまり同図中の下方から上方に向けて、接着剤層
4、パール顔料が含まれた第1印刷層3a、濃度の薄い
インキを用いて形成された第2印刷層30a、PETフ
ィルム2、硬化オーバーコート層5を配置した例であ
る。第1印刷層3aに干渉色が金色、紫色、黄色、緑
色、青色または赤色であるパール顔料を分散させ、第2
印刷層30aに濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、青
色または赤色のインキを使用して、缶外面を正対して見
ると、第1印刷層3aの干渉色が第2印刷層30aに影
響して金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色が透明
感ときらきらしたパール調のある色調に見える。
【0062】また、PETフィルム2と第1印刷層3a
との間に着色顔料を含有させた樹脂組成物による層を追
加して形成した例としては、図4に示した例が挙げられ
る。これは、缶体1の外表面から外方に向けて、順次、
接着剤層4、反射率が低く濃度の濃い印刷インキを用い
て形成された印刷層30b、パール顔料が含まれた第1
印刷層3a、濃度の薄いインキを用いて形成された第2
印刷層30a、PETフィルム2、硬化オーバーコート
層5を配置した例である。印刷層30bを反射率が低く
濃度の濃い紺色または黒色のインキを用いて形成させ、
第1印刷層3aには干渉色が金色、紫色、黄色、緑色、
青色または赤色であるパール顔料を分散させ、第2印刷
層30aを濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、青色ま
たは赤色のインキを用いて形成させれば、缶外面を正対
して見たときには、第1印刷層3aのパール調色は下層
の印刷層30bの反射面が少ないため、輝度を抑えた重
厚感を出し、さらに、第2印刷層30aを通して見るこ
とで金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色は深みの
ある色調に見える。
【0063】さらに、パール顔料を含ませた樹脂組成物
の層や着色顔料を含ませた樹脂組成物の層を部分的に形
成した例、または、これらの例を組み合わせた構成を図
5に示す。これは、パールインキにより形成された印刷
部分3Aと、反射率が低く濃度の濃い印刷インキにより
形成された印刷部分30Bとを、同一の層に設けるとと
もに、これらの両者3A,30Bを印刷表面に沿った方
向で互いに間隔を設けて部分的に配置した例である。
【0064】また、部分的にパールインキにより形成さ
れた印刷層において、パールインキ周辺に反射率が低く
濃度の濃い黒色または紺色を使用することにより、パー
ルインキにより形成された印刷層が輝度を抑えた重厚感
を出し、さらに、浮き出たような装飾効果を与えること
ができる。
【0065】また、図6に示すように、パールインキに
よる印刷層3aを所定の範囲に形成するとともに、この
印刷層の下層に反射率が低く濃度の濃い印刷インキによ
り形成された印刷部分31Bを設けた構成としても良
い。この例では、干渉色が金色、紫色、黄色、緑色、青
色または赤色であるパール顔料が含まれている印刷層3
aの下層に反射率が低く濃度の濃い紺色または黒色のイ
ンキの印刷部分31Bを部分的に設けると、印刷層3a
による発色は輝度を抑えた重厚感があり、高級感のある
装飾とすることができる。
【0066】また、図7に示すように、パールインキに
よる印刷層3aを所定の範囲に形成するとともに、この
印刷層3aに濃度の薄い印刷インキにより形成された印
刷部分31Aを埋め込んで設けても良い。この例では、
印刷部分31Aに濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、
青色または赤色を使用し、印刷の2層ある部分と、接着
剤層4の1層だけある部分を設けてあるので、缶外面に
正対して見たときには、下層が2層である部分は透明感
とパール調の色相を得て、下層が1層である部分は本来
の色相に近いので、パール顔料を含む印刷層が文字商
標、ロゴマークなどに利用されるとその部分が強調され
るし、特徴のある図柄や商標の外郭に使用されると外郭
内の図柄や商標は浮き出たように見える。
【0067】また、図8に示すように、パールインキに
よる印刷層3aを所定の範囲に形成し、この印刷層3a
に濃度の薄い印刷インキにより形成された印刷部分31
Aを埋め込んで設けるとともに、この印刷部分31Aが
印刷表面に沿った方向に互いに間隔を設けて部分的に配
置され、パールインキ印刷層3aの下層に反射率が低く
濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷部分31B
を印刷表面に沿った方向で互いに間隔を設けて部分的に
配置した構成としても良い。
【0068】また、図9に示すように、パールインキに
よる印刷層3aを形成し、この印刷層3aに濃度の薄い
印刷インキにより形成された印刷31Aを埋め込んで設
けるとともに、この印刷部分31Aが印刷表面に沿った
方向で互いに間隔を設けて部分的に配置され、パールイ
ンキの印刷層3aの下層に反射率が低く濃度の濃い印刷
インキにより形成された印刷層30bを設けた構成とし
ても良い。
【0069】また、図10に示すように、パールインキ
による印刷層3aを所定の範囲に形成し、この印刷層3
aに濃度の薄い印刷インキにより形成された印刷部分3
1Aを埋め込んで設けるとともに、この印刷部分31A
が印刷表面に沿った方向に互いに間隔を設けて部分的に
配置し、パールインキの印刷層3aの下層に反射率が低
く濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷部分31
Bを印刷表面に沿った方向で互いに間隔を設けて部分的
に配置した構成とすることもできる。
【0070】したがって、これらの構成によれば、パー
ルインキによって形成された印刷部分は、印刷インキの
印刷によって形成される画像の一部を構成することにな
り、図8〜10のように、例えば、印刷層30b,31
Bは反射率が低く濃度の濃い紺色または黒色のインキを
用いて形成されていて、印刷層3aは干渉色が金色、紫
色、黄色、緑色、青色または赤色であるパール顔料が含
まれていて、印刷部分31Aが濃度の薄い金色、紫色、
黄色、緑色、青色または赤色のインキを用いて形成され
ている時には、缶外面を正対して見ると、印刷層30
b,31Bの色が融合して金色、紫色、黄色、緑色、青
色または赤色に深みのある色調に見える。
【0071】さらに、図9においては、部分的に印刷層
30bを使用することで、より細かい模様に対応するこ
とができる。
【0072】また、図10においては、部分的に印刷層
31A、接着剤層4の2層と、印刷層31A、パール顔
料を含んだ印刷層3a、印刷層31B、接着剤層4の4
層にしたため、パール顔料を含む印刷層が文字商標、ロ
ゴなどに使用されるとその部分が強調されるし、特徴あ
る図柄や商標の外郭に使用されると外郭内の図柄や商標
は浮き出たように見える。
【0073】前記硬化オーバーコート層5は、熱硬化型
または電子硬化型の樹脂を用いて形成されている。すな
わち、硬化オーバーコート層5を形成する熱硬化型樹脂
としては、エポキシ樹脂とアミノプラスト樹脂とからな
り、リン酸触媒を添加したものが挙げられる。また、電
子硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、ポ
リエステルアクリレート樹脂、ポリウレタンアクリレー
ト樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂およびポリブタ
ジエン系アクリレート樹脂などが挙げられる。その分子
量が比較的高い樹脂状のものから低いモノマー状のもの
までを含み、放射線で重合反応を示すものであれば良
い。なお、電子線硬化型樹脂は、単独であるいは二種類
以上の混合物として使用できる。
【0074】したがって、缶体1の最外面に硬化オーバ
ーコート層5を設けたことにより、PETフィルム2が
外面に露出されないことになり、PETフィルム2によ
る缶体1の外面の滑り性の低下が防止できるので、その
後の製缶工程や缶詰製造工程での缶体1の搬送性が確保
され、製缶や缶詰製造の能率を維持することができる。
【0075】なお、硬化オーバーコート層5は、PET
フィルム2により保護被覆層が形成された缶体1におい
て、PETフィルム2の耐傷付き性の向上および缶体1
表面の滑り性の向上を図るため、シリコンまたはワック
スが添加されていることが好ましい。
【0076】また、PETフィルム2を貼着した缶体1
の缶胴面に、電子線硬化型のオーバーコートが施されて
硬化オーバーコート層5が形成され、かつ接着剤層4に
電子線硬化型の接着剤が使用される場合には、電子線の
照射でオーバーコート塗料を硬化させると同時に接着剤
の硬化を促進させることができるので、接着剤の固化工
程を省略して、電子線の照射工程で一緒に接着剤の固化
を行うことができ、製造に必要な工程数を削減すること
ができる。
【0077】さらに、オーバーコート層5が電子線硬化
型の樹脂の場合には、オーバーコート層5を硬化させる
ために加熱する必要がなくなるので、熱可塑性樹脂フィ
ルムの熱収縮による変形が防止され、良好な缶体1の外
観性を確保することができる。
【0078】そして、本実施の形態のパール顔料が含ま
れた第1印刷層3aの下層に、所定の表示およびデザイ
ンの絵柄が形成された第2印刷層3bが配置されている
ことによって、缶体1の外面に施された装飾として特殊
な視覚効果が付与できるようにしている。
【0079】すなわち、パール顔料は、従来は真珠箔や
貝殻の内側部分の粉粒子を使用していたが、本発明で
は、図12に示した微細なマイカ等のフレーク(薄片)
21の外側を酸化チタンの様な金属酸化物または金属酸
化物の混合物22により被覆したパール顔料9を用いる
ことができ、さらに図11に示すように、パール顔料1
0は、アルミニウムもしくは酸化鉄のフレーク11の外
側に酸化チタンもしくは二酸化珪素層12と酸化鉄層1
3とからなる2層の被覆層を形成したものを用いてい
る。
【0080】なお、このような微細なフレーク11の他
の例としては、ガラスフレークおよび合成セラミックな
どが挙げられる。
【0081】また、パール顔料9,10の塗料となる樹
脂に対する配合量は、ビヒクル成分(固形分)100重
量部に対して0.1〜30重量部の範囲に調整すること
が好ましく、本実施の形態においては、インキ樹脂中
に、約20〜25重量%のパール顔料9,10を配合さ
せ、充分なパール光沢感を確保するとともに、その色調
に濁った感じが出てしまうことを防止するようにしてい
る。
【0082】すなわち、パール顔料9,10の配合量が
0.1重量%未満の場合には、顔料の分散量が少ないの
で、入射光に対する反射の強度が低下して、パール光沢
感が充分に発現されなくなる不都合が生じる。他方、パ
ール顔料10の配合量が30重量%以上の場合には、顔
料同士が凝集して均一な外観性を確保できなくなるとと
もに、反射光が相互に影響を及ぼして濁った色調を呈す
るなどの不都合が生じる。このため、約20〜25重量
%の顔料をインキ中に配合することにより、これらの不
都合を未然に解消するようにしている。
【0083】また、この2層コーティングされ、粒子径
と幅から成る面と厚みを備えた板状のフレーク11から
なるパール顔料10の個々の粒子径は、5μm〜48μ
mの範囲を占めると共に、その厚みは、5μm〜20μ
mの範囲を占めており、さらに、その平均粒子幅は25
μmとなるように形成されている。
【0084】なお、パール顔料9に含まれる単層の酸化
チタン層22(図12)が形成されたフレーク21(図
12)の個々の粒子径は、例えば、5μm〜25μmの
範囲を占めると共に、その厚みは、5μm〜15μmの
範囲を占め、その平均粒子径は15μmとなるように形
成されている。
【0085】さらに、本実施の形態の2層に被覆された
フレーク11の平均粒子径は17μmとされ、充分な光
輝感と良好な印刷による外観とを確保できるようにして
いる。
【0086】すなわち、パール顔料9,10の平均粒子
径が10μm未満の場合には、粒子がインキ中で一定方
向に配向しにくいので、入射光に対する反射の強度が小
さくなり、充分な光輝感が発現されない不都合が生じ
る。他方、パール顔料9,10の平均粒子径が30μm
を超えた場合には、フィルムにグラビア印刷する時にイ
ンキが転移されたグラビアロールのグラビアメッシュ
(凹部)に異物として残るので、版詰まりに起因するピ
ンホール(未印刷部)などの欠陥が発生し、グラビア印
刷による外観性を良好に確保できないという不都合が生
じる。このため、パール顔料10のフレーク11の平均
粒子径を17μmとし、パール顔料9のフレーク21の
平均粒子径を15μmとすることにより、これらの不都
合を未然に回避している。
【0087】また、パール顔料10は、中心核となるフ
レーク11の表面を酸化チタンもしくは二酸化珪素層1
2により被覆し、さらに、この酸化チタンもしくは二酸
化珪素層12の表面を酸化鉄層13により被覆した構成
とされている。
【0088】すなわち、フレーク11自体の層の厚さ
は、約7〜20μmとされ、酸化チタンもしくは二酸化
珪素層12の層の厚さは、約7〜13μmとされ、酸化
鉄層13の層の厚さは、約2〜8μmとされている。
【0089】上記の構成のパール顔料9,10を、ウレ
タン樹脂または塩化ビニルのバインダーによって、イン
キ化している。
【0090】また、パール顔料9,10をインキ化する
ためのバインダー(インキ中の樹脂部分)として、ウレ
タン樹脂系または塩化ビニル系を用いているが、このま
までは、インキとしての凝集力が不足するので、架橋剤
としてブロックイソシアネート(block isocyanate)を添
加している。すなわち、ブロックイソシアネートを添加
することによって、インキの架橋性を補充して、インキ
としての凝集力を確保するようにしている。
【0091】また、このイソシアネートは、その化学的
な反応性が高いことにより、予めインキ中に添加してお
くと、印刷が実施される前にゲル化してしまい、印刷品
質が低下するおそれがある。このため、イソシアネート
を予めインキ中に添加しておく場合には、添加されたイ
ソシアネートの反応部をブロック化するようにしてい
る。すなわち、イソシアネートプレポリマーの反応基を
ブロック化し、高温加熱時にのみ反応するようにしてい
る。
【0092】例えば、上記缶体1の製造工程に、グラビ
アオーブンによる120℃の加熱処理と、缶胴溶接接合
後の加熱乾燥工程による220℃の加熱処理とが含まれ
ている場合には、まず、前者の120℃の加熱では、イ
ソシアネートの反応の完結に数十分の時間を要するの
で、インキ全体の一部が反応するのに留まるのに対し
て、後者の220℃の加熱では、イソシアネート反応が
数秒で完結されることになる。
【0093】したがって、このような加熱温度も考慮し
て、ブロック剤としては、MEKオキシム(メチルエチ
ルケトキシム)が選択され、インキ中に添加されてい
る。
【0094】また、イソシアネート(NCO)として
は、一般的なヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamet
hylene diisocyanate)が使用されている。
【0095】このように被覆されたフレーク11,21
からなるパール顔料9,10を含んだインキ印刷によれ
ば、その印刷された表面に正対して見る場合と、表面に
対して斜めに見る場合とでは、反射光の光路の長さが異
なるので、異なる色に見えることになるカラートラベリ
ング現象を現出させることができる。
【0096】すなわち、このパール顔料10による印刷
面に入射した光は、パール顔料10の最上層である酸化
鉄層13では反射されないことになり、さらにパール顔
料10の下層の方に入射し続けることになる。
【0097】このため、図11に示すように、パール顔
料10の内部の酸化チタンもしくは二酸化珪素層12に
よって反射された反射光と、フレーク11の表面によっ
て反射された反射光との干渉により発色が得られる。
【0098】したがって、正対して見た場合には、図1
1中の左側に矢印で示された上記2つの反射光同士の光
路長に差が無いので、干渉色が強く見えることになる。
他方、斜めから見た場合には、図11中の右側に矢印で
示された上記2つの反射光の光路長が異なるので、吸収
色が強く見えることになる。パール顔料9の場合も、斜
めから見ると、反射光の光路が長くなるので、吸収色が
強く見える。
【0099】この結果、このようなパール顔料9,10
を含んだインキ印刷による装飾が施された表面に対し
て、正対して見た場合には、干渉色が強く見える一方、
斜めから見た場合には、吸収色が強く見える。
【0100】特に、上記の印刷面に正対した角度を0度
とすると、45度付近を境界として、偏光する傾向があ
るので、見る角度によって、全く異なる印象を受ける視
覚効果が得られる。
【0101】なお、印刷面に正対して見るとは、対象に
真っ直ぐ向いて見ること、つまり平坦な印刷面に対して
直交する方向から見ることを意味するが、本実施の形態
においては、この印刷面が曲面とされている、つまり円
筒状に形成された缶体1の側面に印刷面が位置している
ので、厳密には印刷面を正対して見ることはできないこ
とになる。しかし、缶体1の大きさにもよるが、缶体1
の側面の微小な区域に限ってみれば、この微小な区域が
充分に平面であると見なせるので、この区域に正対して
見ることはできる。したがって、パール顔料9,10を
平面的な印刷面に対して用いた場合には、この印刷面を
見る角度によって、一斉に印刷面の色合いが変わって見
えるのに対して、本実施の形態のように缶体1側面の曲
面とされた印刷面に対して用いた場合には、見る角度に
よって、その印刷面の部分的な区域の色合いが変わって
見えることになるので、このパール顔料9,10による
独特な装飾効果をより一層現すことができる。
【0102】また、フレーク11に形成する酸化チタン
もしくは二酸化珪素層12および酸化鉄層13の層の厚
みを変えて組み合わせることにより、種々の干渉色およ
び吸収色のバリエーションが得られることになる。同様
に、パール顔料9のフレーク21に形成させた酸化チタ
ン層22の厚みを変えると、種々の干渉色および吸収色
が得られる。
【0103】例えば、アルミニウムのフレーク11自体
の層の厚さが約14μm、二酸化珪素層12の厚さが約
10μm、酸化鉄層13の厚さが約3μmとされたパー
ル顔料10を用いた場合には、干渉色として、金色が得
られ、吸収色として、薄金色が得られる。したがって、
この場合には、缶もしくは異形缶に施された装飾を正対
して見た場合には、装飾がパール調の金色に見える一
方、斜めから見た場合には、薄金色に見えることにな
る。
【0104】また、アルミニウムのフレーク11自体の
層の厚さが約16μm、二酸化珪素層12の厚さが約9
μm、酸化鉄層13の厚さが約4μmとされたパール顔
料10を用いた場合には、干渉色として、赤色が得ら
れ、吸収色として、金色が得られる。したがって、この
場合には、缶もしくは異形缶に施された装飾を正対して
見た場合には、装飾がパール調の赤色に見える一方、斜
めから見た場合には、パール調の金色に見えることにな
る。
【0105】さらに、板状酸化鉄のフレーク11自体の
層の厚さが約18μm、二酸化珪素層12の厚さが約1
0μm、酸化鉄層13の厚さが約2μmとされたパール
顔料10を用いた場合には、干渉色として、紫色が得ら
れ、吸収色として、金色が得られる。したがって、この
場合には、缶もしくは異形缶に施された装飾を正対して
見た場合には、装飾がパール調の紫色に見える一方、斜
めから見た場合には、金色に見えることになる。
【0106】次に、マイカのフレーク11自体の層の厚
さが約11μm、酸化チタン層12の厚さが約11μ
m、酸化鉄層13の厚さが約3μmとされたパール顔料
10を用いた場合には、干渉色として、緑色が得られ、
吸収色として、ブラウン色(これは、茶褐色に相当す
る)が得られる。したがって、この場合には、異形缶に
施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調
の緑色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調
のブラウン色に見えることになる。
【0107】また、マイカのフレーク11自体の層の厚
さが約11μm、酸化チタン層12の厚さが約9μm、
酸化鉄層13の厚さが約5μmとされたパール顔料10
を用いた場合には、干渉色として、青色が得られ、吸収
色として、プラム色(これは、桃色に相当する)が得ら
れる。したがって、この場合には、異形缶に施された装
飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の青色に見
える一方、斜めから見た場合には、パール調のプラム色
に見えることになる。
【0108】さらに、マイカのフレーク11自体の層の
厚さが約13μm、酸化チタン層12の厚さが約10μ
m、酸化鉄層13の厚さが約2μmとされたパール顔料
10を用いた場合には、干渉色として、赤色が得られ、
吸収色として、オレンジ色(これは、蜜柑色に相当す
る)が得られる。したがって、この場合には、異形缶に
施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調
の赤色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調
のオレンジ色に見えることになる。
【0109】さらに、マイカのフレーク21に、酸化チ
タン層22の厚さが約9μmとされたパール顔料9を用
いた場合には、干渉色として、黄色が得られ、吸収色と
して、紫色が得られる。したがって、この場合には、異
形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパ
ール調の黄色に見える一方、斜めから見た場合には、パ
ール調の紫色に見えることになる。
【0110】また、マイカのフレーク21に、酸化チタ
ン層22の厚さが約12μmとされたパール顔料9を用
いた場合には、干渉色として、赤色が得られ、吸収色と
して、緑色が得られる。したがって、この場合には、異
形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパ
ール調の赤色に見える一方、斜めから見た場合には、パ
ール調の緑色に見えることになる。
【0111】また、マイカのフレーク21に、酸化チタ
ン層22の厚さが約13μmとされたパール顔料9を用
いた場合には、干渉色として、紫色が得られ、吸収色と
して、黄色が得られる。したがって、この場合には、異
形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパ
ール調の紫色に見える一方、斜めから見た場合には、パ
ール調の黄色に見えることになる。
【0112】また、マイカのフレーク21に、酸化チタ
ン層22の厚さが約14μmとされたパール顔料9を用
いた場合には、干渉色として、青色が得られ、吸収色と
して、橙色が得られる。したがって、この場合には、異
形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパ
ール調の青色に見える一方、斜めから見た場合には、パ
ール調の橙色に見えることになる。
【0113】また、マイカのフレーク21に、酸化チタ
ン層22の厚さが約17μmとされたパール顔料9を用
いた場合には、干渉色として、緑色が得られ、吸収色と
して、赤色が得られる。したがって、この場合には、異
形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパ
ール調の緑色に見える一方、斜めから見た場合には、パ
ール調の赤色に見えることになる。
【0114】この結果、缶体1を見る角度によって、部
分的に全く異なった着色が施されているように見えるこ
とになり、しかも、この見かけ上の着色がある角度を境
界にして急激に変化するので、意外性のある印象を与え
ることができる。すなわち、本発明のパール顔料を印刷
に用いた金属缶においては、前記パール顔料の偏光によ
って、外面に表示された色の絵柄に特に透明感を持たせ
たり、外面に表示された色とは異なる色の絵柄またはエ
ンボス加工または異形缶の微妙な凹凸部が浮き出たよう
に見えて立体感を持たせたりすることができる。
【0115】特に、異形缶の場合、缶体1の胴部となる
側面は凹凸外面に形成されているので、視点を変えるこ
となく、凹凸外面が斜めから見た状況を引き起こし、そ
の凹凸部や膨出部で上記の視覚効果が得られることにな
り、従前のパール顔料9,10を用いた金属缶に対して
も、美粧性やデザイン面での優位性を確保することがで
きる。
【0116】以上説明してきたように、本実施の形態の
フィルム貼着金属缶にあっては、パール顔料を構成する
フレークをコーティングする被覆層を形成したことによ
り、金属缶の外面に変化のある複雑な色調が現れるとと
もに、缶体を見る角度によっては、異なる着色が施され
たように見えることになるので、新たな視覚効果が得ら
れるとともに、意外性が確保できることになり、内部に
収容した商品イメージを反映できる高い意匠性の優れた
金属缶を提供することができる。
【0117】すなわち、パール顔料による印刷面に正対
して見た場合には、各被覆層から反射される反射光の光
路の長さに差がないので、両反射光による干渉光が強く
見えることになる一方、印刷面に対して斜めに見た場合
には、上記反射光の光路の長さに差が生じるので、両反
射光による干渉光が弱まって吸収光が強く見えることに
なる。
【0118】また、印刷層を形成する樹脂組成物に対し
て20〜25重量%の割合でパール顔料を配合したこと
により、充分なパール光沢感を確保できるとともに、そ
の色調に濁った感じが出てしまうことを防止することが
できる。
【0119】すなわち、上記の範囲未満のパール顔料が
配合された場合には、顔料の分散量が少ないので、入射
光に対する反射の強度が低下して、パール光沢感が充分
に発現されなくなる一方、上記の範囲を超えてパール顔
料が配合された場合には、顔料同士が凝集して均一な外
観性を確保できなくなるとともに、反射光が相互に影響
を及ぼして濁った色調を呈することになるが、上記の範
囲の割合でパール顔料を樹脂組成物に配合しているの
で、そのような事態を未然に回避することができ、パー
ル顔料による視覚効果を充分に発揮することが可能にな
る。
【0120】さらに、缶体1にエキスパンド加工、エン
ボス加工、ビード加工またはバルジ加工を施し、缶体1
の缶胴外面を凹凸外面としたことにより、見る角度によ
って現れる異色部が鮮明に分割され、あるいは境界のぼ
けた不連続な模様が作り出されたり、見る角度を変える
ことなく凹凸外面に異色部が表われたりする。よって、
上述したパール顔料の偏光による視覚効果をより引き立
たせることができ、意匠性の向上を図ることができる。
【0121】以上、本発明のフィルム貼着金属缶を実施
の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成について
は、これら実施の形態に限られるものではなく、特許請
求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限
り、設計の変更や追加等は許容される。
【0122】例えば、本実施の形態では、円筒缶にエキ
スパンド加工、エンボス加工、ビード加工およびバルジ
加工を施したエキスパンド缶、エンボス缶、ビード缶お
よびバルジ缶を例示したが、複数の加工を組み合わせた
構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】胴部に凹凸を備えた缶を例示した正面図であ
る。
【図2】胴部に貼着された樹脂フィルムの断面図であ
る。
【図3】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図4】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図5】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図6】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図7】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図8】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図9】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示し
た断面図である。
【図10】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示
した断面図である。
【図11】見る角度によって異なる色が見える原理を示
した断面図である。
【図12】パール顔料の発色を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 缶体 2 PETフィルム 3a パール顔料を含んだ印刷層 3A パール顔料を含んだ印刷部分 3b 表示およびデザイン画像用の印刷層 30a 濃度が薄いインキを用いて形成された第2印刷
層 30b 反射率が低く濃度が濃い印刷インキを用いて形
成された印刷層 31A 濃度が薄い印刷インキにより形成された印刷部
分 31B 反射率が低く濃度が濃い印刷インキを用いて形
成された印刷層 4 接着剤層(着色層を兼用する場合を含む) 5 硬化オーバーコート層 9,10 パール顔料 11 フレーク 12 酸化チタン層または二酸化珪素層 13 酸化鉄層 30 装飾層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 25/36 B65D 25/36 4J039 C09C 1/00 C09C 1/00 4J040 3/06 3/06 C09D 11/02 C09D 11/02 C09J 7/02 C09J 7/02 Z 201/00 201/00 (72)発明者 遠藤 浩志 神奈川県相模原市西橋本5−5−1 大和 製罐株式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 3E061 AA16 AB04 AB13 BA01 BA02 DA01 DA02 3E062 AA04 AC03 DA01 DA02 DA07 JA01 JA08 JB04 JC06 4F100 AB01A AK01B BA02 BA10A BA10B CA13B CB00 CC00B DA01 DD01 DE02B DE02H DE02K HB31B JB16B JN22B YY00 4J004 AA15 AB01 AB05 AB06 CA01 CA06 FA06 4J037 AA26 CA09 CA24 4J039 AD05 AE04 BA13 BA21 BE01 CA06 CA07 FA01 FA02 GA03 4J040 EB091 EC001 ED001 ED111 HA116 HA306 KA03 KA16 LA01 MA02 MA10 PA30 PA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介し
    て熱可塑性樹脂フィルムが接着され、 前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂フィルムとの間
    に、パール顔料を含有した樹脂組成物からなるパールイ
    ンキと、着色顔料を含有した樹脂組成物からなる印刷イ
    ンキとが印刷されて缶体に表される装飾層が形成された
    フィルム貼着金属缶において、 前記パール顔料を、フレークに二酸化珪素を被覆し前記
    二酸化珪素層に酸化鉄層を被覆した構成としたことを特
    徴とするフィルム貼着金属缶。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフィルム貼着金属缶に
    おいて、 前記金属缶の缶胴外面を、凹凸外面としたことを特徴と
    するフィルム貼着金属缶。
  3. 【請求項3】 金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介し
    て熱可塑性樹脂フィルムが接着され、 前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂フィルムとの間
    に、パール顔料を含有した樹脂組成物からなるパールイ
    ンキと、着色顔料を含有した樹脂組成物からなる印刷イ
    ンキとが印刷されて缶体に表される装飾層が形成された
    フィルム貼着金属缶において、 前記パール顔料を、フレークに酸化チタンを被覆した構
    成とし、 前記金属缶の缶胴外面を、凹凸外面としたことを特徴と
    するフィルム貼着金属缶。
  4. 【請求項4】 金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介し
    て熱可塑性樹脂フィルムが接着され、 前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂フィルムとの間
    に、パール顔料を含有した樹脂組成物からなるパールイ
    ンキと、着色顔料を含有した樹脂組成物からなる印刷イ
    ンキとが印刷されて缶体に表される装飾層が形成された
    フィルム貼着金属缶において、 前記パール顔料を、フレークに酸化チタンを被覆し前記
    酸化チタン層に酸化鉄層を被覆した構成とし、 前記金属缶の缶胴外面を、凹凸外面としたことを特徴と
    するフィルム貼着金属缶。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4のいずれか1項
    に記載のフィルム貼着金属缶において、 前記凹凸外面は、金属缶の缶胴に形成した凹凸部により
    構成され、 この凹凸部は、0.01〜5mmの深さまたは高さを有
    し、好ましくは、0.1〜1mmの深さまたは高さを有す
    ることを特徴とするフィルム貼着金属缶。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項4のいずれか1項
    に記載のフィルム貼着金属缶において、 前記凹凸外面は、金属缶の缶胴に形成した膨出部または
    縮径部により構成され、 この膨出部または縮径部は、缶径に対して0.1〜40
    %の拡径率または縮径率を有し、好ましくは、2〜15
    %の拡径率または縮径率を有することを特徴とするフィ
    ルム貼着金属缶。
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