JP4119681B2 - フィルム貼着金属缶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外面にパール顔料を用いた印刷による装飾が施された熱可塑性フィルムを接着剤で貼着させた金属缶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にアルミニウムやスチールを素材とした金属缶(容器)は、その形状によって、スリーピース缶、ツーピース缶およびボトル型缶との3種類に大別される。スリーピース缶は、底蓋と、溶接や接着により継ぎ合わせた缶胴と、天蓋との3つのパーツからなる。また、ツーピース缶は、缶底が一体化された缶胴に天蓋を取り付けた構造であって、缶胴と天蓋との2つを構成部材とすることからツーピース缶と称され、また缶胴に継ぎ目がないことからシームレス缶とも呼ばれている。さらに、ボトル型缶は、缶底が一体化されているか、もしくは底蓋が取り付けられた缶胴の一方の開口端部にネジ部が形成されていて、そのネジ部に螺合されるキャップを備えており、全体としての形状が旧来のガラス製ボトルに近似していることからボトル型缶と呼ばれている。
【0003】
これらの金属缶の外面には、その内部に収容した内容物に応じて、単なる内容物の名称や種類などの表示に留まらずに、多種多様な装飾が施され、収容した商品の識別性を向上させるとともに、商品の販売に貢献できるようにしている。
【0004】
特に、内容物がビール、コーヒーおよび清涼飲料水などの嗜好飲料の場合には、嗜好飲料自体がイメージ商品としての性格が強いので、そのネーミングとともに、金属缶の外観も重要なアピール・ポイントとなっている。
【0005】
すなわち、商品が提示するイメージを損なうことが無いことは勿論、商品のイメージに適合し、さらには商品イメージの増進を図れることが望まれている。さらに、これに加えて、消費の動向やニーズの変化による商品に対する要請の多様化によって、一層美麗な外観の金属缶が要求されている。
【0006】
そこで、近年、このような要請に応えるとともに、デザイン面での優位を確保するため、この装飾に特殊な視覚上の効果を付与することによって、新たな付加価値を付けたり、この効果によって周囲の競合品から際立たせる工夫がなされている。
【0007】
このような要求に応えると共に、金属板や金属缶の外面に直接印刷する際の不利益を無くすために、金属板や金属缶の外面に、予め印刷されたポリエステルなどの熱可塑性樹脂フィルムを貼着して作られた缶が種々提案されている。
【0008】
この印刷フィルムを作る方法としては、オフセット印刷に加えて、グラビア印刷やフレキソ印刷法などを選択することが可能である。これらの印刷方法は、従来のドライオフセット印刷法に比べて装飾的な効果が高く、良好な印刷品質が得られる。しかも、金属板や缶体の代わりに連続した熱可塑性樹脂フィルムに印刷するので、高速印刷が期待できるなど、従来の金属板や缶体に直接印刷するドライオフセット印刷では得られない利点を備えている。
【0009】
また、印刷するインキ中にパール顔料を添加することにより、装飾に特殊な色調を付与したものが知られている。このパール顔料は、特殊な光学的効果によって、装飾に真珠光沢あるいは虹彩色を付与することができるので、高級感や独特のボリューム感などが得られる。
【0010】
すなわち、天然の真珠は、中心核からタンパク質と炭酸カルシウムの薄膜が交互に積層されて形成され、これらの平行に配列した2層の境界で、入射光が規則的に反射することによって、パール光沢が得られている。そこで、同様に、屈折率の低いマイカ(雲母)と屈折率の高い酸化チタンなどを層状に配列することで、パール光沢を得るようにしている。つまり、パール顔料は、粒子状のマイカの外面を酸化チタンで被覆した構成とされ、図12に示すように、酸化チタン層22の表面からの反射光と、酸化チタン層22とマイカ層21との界面からの反射光との干渉によって、パール光沢が得られるようにしている。
【0011】
内部まで同一の物質で構成された同一な色調とされるソリッド色では、ソリッド色で着色された箇所を見る角度を変えても、その明度や色相が変化しないので、単調で安価な感じを受けてしまう。これに対して、上述したパール顔料によるパール色によれば、パール着色された箇所を見る角度によって、その明度や色相が変化するので、深みのある色調となり高級感を持たせることができる。
【0012】
この種の従来技術としては、例えば、特開平8−198272号公報に記載のものが知られている。この従来技術は、金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤層を介してポリエステルフィルムを接着している。ポリエステルフィルムと樹脂系接着剤層との間には、虹彩色タイプの雲母粉末を用いたパール顔料が含まれた樹脂組成物をグラビア印刷して形成した印刷層を設けてある。この従来技術によれば、印刷層が真珠光沢あるいは虹彩色の特殊な色調に見えるので、その部分が強調され、優れた視覚印象を与えることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のパール顔料を印刷に用いた金属缶においては、さらに、異形缶、エンボス缶、複雑な文字およびデザイン等、多様な商品の要請に応えるために、従来以上の新規な装飾効果が得られる金属缶が要求されている。
【0014】
すなわち、金属缶の外面に表示およびデザインされた絵柄やエンボス加工、異形缶などからなる装飾に、デザイン面での優位性を確保し、または特定の文字色、例えば、緑色文字、青色文字および赤色文字に透明感を持たせることにより、デザインの選択幅を広げることが要請されている。
【0015】
この発明は、上記要請に着目してなされたもので、その目的とするところは、新たな視覚効果によって缶体の外面に施された装飾の意匠性が向上するフィルム貼着金属缶を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介して印刷済みの熱可塑性樹脂フィルムが接着され、前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂フィルムとの間に、パール顔料を含有した樹脂組成物からなるパールインキと、着色顔料を含有した樹脂組成物からなる印刷インキとがグラビア印刷されて缶体に表される装飾層が形成されたフィルム貼着金属缶において、前記パール顔料を、フレークに二酸化珪素を被覆し前記二酸化珪素層に酸化鉄層を被覆した構成とし、前記パール顔料の平均粒径を10μm以上30μm以下、そのパール顔料のフレーク自体の層の厚さを7〜20μm、二酸化珪素層の厚さを7〜13μm、前記酸化鉄層の厚さを2〜8μmとし、前記金属缶の缶胴外面を、凹凸外面としたことを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のフィルム貼着金属缶において、前記凹凸外面を、前記金属缶の缶胴に形成した0.01〜5mmの深さまたは高さを有し、好ましくは0.1〜1mmの深さまたは高さを有する凹凸部により構成したことを特徴とする。
【0019】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のフィルム貼着金属缶において、前記凹凸外面を、前記金属缶の缶胴に形成し、缶径に対して0.1〜40%の拡径率または縮径率を有し、好ましくは2〜15%の拡径率または縮径率を有する膨出部または縮径部により構成したことを特徴とする。
【0022】
【発明の効果】
本発明のフィルム貼着金属缶にあっては、パールインキによる印刷層または印刷部分がパール顔料の偏光によって異なる発色を行うので、金属缶の外面に変化のある複雑な色調が現れる。また、金属缶を見る角度によっては、パール色に別々の色が配合されたように見えるので、新たな視覚効果が得られる。加えて、金属缶の缶胴外面を凹凸外面としたことにより、見る角度によって現れる異色部が鮮明に分割され、あるいは境界のぼけた不連続な模様が作り出されたり、凹凸外面の傾斜部分が見る角度を変えた効果を発現させて、異色部になったりする。よって、パール顔料の偏光による視覚効果をより引き立たせることができ、意匠性の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のフィルム貼着金属缶を実現する実施の形態を、図面に基づいて説明する。
まず、金属缶の缶形状について説明する。
本発明のフィルムを貼着する部分が円筒形の場合は、自明であるので説明を省略し、図1に胴部に凹凸を備えた缶を例示する。
【0024】
図1(a)はエキスパンド缶である。このエキスパンド缶は、例えば、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mmの缶を内面に所望缶形状を刻設した雌型に挿入し、缶の開口側から外面に所望形状を設けた雄型を挿入して缶内で押し広げることにより、缶胴に複数の拡径部を形成したものである。
【0025】
拡径部の缶径に対する拡径率は、0.1〜40%の範囲内で成形可能であり、40%以上にすると、成型時破胴のトラブルが発生する。また、パール顔料の偏光による視覚効果を考慮すると、拡径率を2〜15%の範囲内に設定するのが好ましい。
【0026】
図1(b)はエンボス缶である。このエンボス缶は、外面に所望形状を凹設させた円筒形のロールに、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mmの缶を挿入し、外面に所望形状を凸設させたロールで缶胴を挟むことにより、両ロールの凹凸を噛み合わせて間に挟まれた缶胴に凹凸による模様を刻設したものである。
【0027】
模様としては、任意の凸形状、凹形状が可能であるが、成型時におけるインナツールの抜けの問題、および成形部外面傷付きの問題から、インナツールが抜けやすい凹形状とするのが望ましい。凹凸の深さまたは高さは、0.01〜2mmの範囲内で成形可能であり、2mmよりも大きく設定すると、成型時のフィルムダメージが顕著となり、内容物保護の観点から好ましくない。さらに言えば、パール顔料の偏光による視覚効果を考慮すると、凹凸の深さまたは高さを0.1〜1mmの範囲内に設定するのが好ましい。
【0028】
図1(c)はビード缶である。このビード缶は、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mmの缶の缶胴を円盤状のロールで挟むことによって、缶胴の周方向に環状のビードを刻設させたものである。
【0029】
ビードの深さは、0.01〜5mmの範囲内で成形可能であり、5mmよりも大きく設定すると、缶胴の座屈強度(缶軸方向荷重)が充分確保できなくなる。また、パール顔料の偏光による視覚効果を考慮すると、ビードの深さを0.1〜1mmの範囲内に設定するのが好ましい。
【0030】
図1(d)はバルジ缶である。このバルジ缶は、板厚0.15〜0.30mm、缶径約46〜87mmの缶を内面に所望缶形状を刻設した雌型に挿入し、缶の開口側から強化ゴムの風船に液体を充填したもの、あるいは液体を直接缶内に挿入し、この液体に圧力を加えて缶を雌型に押し付けて膨出部を形成させたものである。
【0031】
膨出部の缶径に対する拡径率は、0.1〜40%の範囲内で成形可能であり、40%よりも大きくすると、成型時破胴のトラブルが発生する。また、パール顔料の偏光による視覚効果を考慮すると、拡径率を2〜15%の範囲内に設定するのが好ましい。
【0032】
これらの異形缶は、絞り缶、絞り再絞り缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの缶底と缶胴とが一体に成形された底付き缶体、すなわちツーピース缶から成形することが可能である。また、一般的に言われるスリーピース缶やボトル型缶から作ることができ、材質は金属である。
【0033】
さらに、装飾層を形成したフィルムを接着させた金属板から円筒形の缶を作り、しかる後に異形缶に成形しても良く、円筒形の缶を作ってから装飾層を形成したフィルムを缶胴に接着させ、しかる後に異形缶を成形しても良く、合理的な製造方法を選択しても良いことは言うまでもない。
【0034】
また、本発明のフィルムを貼着する部分が円筒形の場合は、本発明のフィルムを貼着させた金属板を円筒形の缶に成形しても良く、円筒形に成形した缶の胴部に本発明のフィルムを貼着させても良い。
【0035】
次に、図2〜図10を用いて、円筒形の缶胴外周や図1に示した異形缶の缶胴外周に貼着する装飾層の構造を説明する。
図2において、1は缶体、2は優れた強度および透明性等を備えたポリエステルフィルム(以下、PETフィルムと略記する。)である。
【0036】
PETフィルム2は、エステル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレート単位からなるもので、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸およびアジピン酸等のエステル単位を挙げることができる。
【0037】
また、PETフィルム2は、アルコール成分と酸成分とを適宜選択することにより、260℃程度の高融点のものが得られるので、充分な耐熱性が確保できることからも好ましい。
【0038】
なお、金属板の一方の面(缶内面側となる面)に保護被覆としてラミネートされる熱可塑性樹脂フィルムを形成する樹脂については、ビスフェノールAを含有していない樹脂で、一定の耐加工性、耐熱性、耐水性および耐気体透過性を備えている樹脂であれば、特に限定されるものではない。
【0039】
例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびこれらのうちの2種類以上が混合された樹脂による樹脂フィルムを使用することができるが、耐熱性や内容物の保護性の観点からは、ポリエステルフィルムが最適である。
【0040】
さらに、上記PETフィルム2以外に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなども使用することができる。さらに、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちから選択された透明な高分子樹脂体、あるいは、上記樹脂の複合体からなる熱可塑性を有した樹脂フィルムを使用しても良い。熱可塑性樹脂フィルムの厚さについては、選択した材質に応じて適宜決定されるものとする。
【0041】
また、PETフィルム2の接着剤層が形成される表面には、予めコロナ放電などによって、表面酸化処理が施されていることが好ましい。このような表面処理を施すことによって、接着剤による接着力の向上が図れ、フィルムと接着剤層との接合強度を高めることができる。
【0042】
そして、図2に示すように、PETフィルム2の一方の面には、パール顔料が含まれた樹脂組成物である第1印刷層3aと、樹脂成分に含まれた着色顔料により文字やデザインを示す印刷が施された第2印刷層3bとからなる装飾層30と、熱硬化型樹脂系または電子線硬化型樹脂系接着剤からなる接着剤層4が設けられ、反対側の面には熱硬化型樹脂系または電子線硬化型樹脂により形成された透明な硬化オーバーコート層5が設けられている。
【0043】
前記第1印刷層3aは、ウレタン系樹脂または塩化ビニル系樹脂からなる樹脂組成物中に、約20から25重量%の後述するパール顔料が分散されているパールインキによって形成される。
【0044】
また、第2印刷層3bは、ウレタン系樹脂または塩化ビニル系樹脂からなる樹脂中に顔料を含む印刷インキによって形成されている。この第2印刷層3bは、各色の顔料が含まれた印刷インキを1色ごとにグラビア印刷することにより、多色に印刷されて積層され、缶外面側に所定の表示およびデザイン画像からなる絵柄が形成されるようにしている。
【0045】
前記接着剤層4は、熱硬化型樹脂系または電子線硬化型樹脂系の接着剤を用いて形成されている。
【0046】
すなわち、熱硬化型樹脂系の接着剤としては、数平均分子量5000〜20000のエポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤とを70/30〜99/1の重量比で配合させた樹脂、または、ポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂とを70/30〜90/10の重量比で配合させた樹脂が用いられている。したがって、この場合には、高温で短時間の加熱によって、上記のPETフィルム2を熱硬化型樹脂系の接着剤層を介して、缶体1を形成する鋼板等の金属板に熱接着することにより、金属板との間で優れた接着強度を得ることができる。
【0047】
また、電子線硬化型樹脂系の接着剤は、ポリエステル樹脂100重量部に対して不飽和二重結合を有するポリエステル系オリゴマー2〜30重量部配合した樹脂組成物に、応力緩和剤が0.5〜250PHR(樹脂100重量部に対する重量部)添加された構成とされている。
【0048】
なお、接着剤層4の樹脂成分には、一般には、シリカ、酸化チタンなどが添加され、上記印刷層3a,3bによる所望の発色を確保するための下地色とされている。
【0049】
すなわち、パール顔料が含まれた印刷層3aによるパール光沢の見えやすさは、印刷層3bの印刷層となる部分の色合いと、印刷層3bの下地となる部分の色相による影響を受けている。これは、印刷層3aや印刷層3bからの反射光と、印刷層3aおよび印刷層3bを一旦透過して下地で反射した反射光とが混合されて見えるからである。
【0050】
そして、この下地の色が白色や淡色の場合には、この下地からの反射光の量が増加するので、この下地からの反射光による上記の印刷層3aに含まれたパール顔料への入射光量が増加されることになる。このため、この増量された下地層からの反射光によって、パール顔料の偏光によるパール光沢の効果が増強される。つまり、外部から直接入射される光に加えて、上記の下地からの反射光がより多量に印刷層3aに入射されるので、パール光沢色がより一層強く現れることになる。この結果、着色顔料によって形成された文字やデザインを表示する印刷層3bからの反射光は、上記の印刷層3aのパール顔料によるパール光沢を帯びた光と混合されるので、これらが融合した色相の視認性が増強されることになる。
【0051】
したがって、全体のデザインにもよるが、上記の印刷層3aの色相、つまりパール光沢色の視認性を増強するためには、下地が反射率の高い白色、淡色に着色されている必要がある。また、パール光沢色と他の有色インキによる発色とが融合された色相を得たい場合には、上記の印刷層3bを反射率の低い濃い有色の着色顔料で着色することになる。
【0052】
また、接着剤層4として、無色のものを用いても良く、この場合にも、少なくともパール顔料が含まれた印刷層3aによる特徴ある発色を得ることができる。
【0053】
上述したように、接着剤に着色顔料を配合することにより、着色コート層を兼用した接着剤層を形成することもできる。すなわち、インキによる印刷層の下には、印刷層の発色を確保するために白色の着色層(通常ホワイトコート)が必要となる場合があるが、着色層を兼用した接着剤層とすれば、着色層を形成する工程が不要となり、製造工程から一工程を削減することができる。
【0054】
また、上記印刷層3a,3bの缶体1側に、別途に前記印刷層3aのパールインキまたは前記印刷層3bの印刷インキよりも反射率の低い印刷インキを各種の印刷技法を用いて印刷して形成された下地印刷層を設ければ、前記印刷層3aまたは印刷層3bによる発色が融合された色相を得ることになるとともに、この下地印刷層により、さらに高級感のある装飾の効果を得ることが可能となる。また、上記印刷層3aおよび印刷層3bが組み合わされた装飾の効果に、この下地印刷を施した効果が加わることになるので、装飾に新たな相乗効果が得られるとともに、装飾の選択幅が広がることになり、より商品の要請に応じたデザイン性を確保することができる。
【0055】
すなわち、上記の下地層において、例えば、インキを各種の網点印刷により印刷して形成した印刷層を設けた場合には、この網点印刷を反映した模様状にパールインキ部と光沢有色インキ部とによる発色が現れることになる。
【0056】
また、これに加えて、単独のインキではなく、明度や彩度が互いに異なる複数のインキを組み合わせて、下地印刷層を形成しても良く、さらに複雑な色の組み合わせによる装飾効果を得ることが可能となる。
【0057】
また、第1印刷層3aおよび第2印刷層3bが、ウレタン系樹脂または塩化ビニル系樹脂を主要なビヒクル成分とした構成とされていることにより、缶体1の内容物が飲用物などの食品の場合にも、以下に説明する不都合が解消され、良好な装飾効果を確保することができるので、好適に使用することができる。
【0058】
すなわち、缶体1の内容物が飲用物などの食品の場合には、缶体1に内容物が充填された後に、加熱殺菌処理(これは例えば、レトルト殺菌処理)が行われたり、缶体1に電子線硬化型接着剤が使用されているときは、接着剤を硬化して固着させるために電子線が照射されたり、製品として完成後の搬送時に太陽光に曝されたりすることにより、印刷層が変色したり、退色化したりするので、印刷層によって形成されたデザインなどの装飾が不明瞭になる不都合が生じた。なお、耐熱性が弱いインキとしては、そのビヒクルの主体となるベース樹脂として硝化綿(ニトロセルロース)やポリアミド系樹脂を用いたインキが挙げられる。
【0059】
これに対して、本実施の形態はウレタン系樹脂または塩化ビニル系樹脂を第1印刷層3aおよび第2印刷層3bのビヒクル成分としていることにより、加熱によるレトルト処理や電子線の照射および太陽光の照射を受けても、これらの第1印刷層3aおよび第2印刷層3bの変退色化が防止でき、印刷層による鮮明な画像が維持され、良好な装飾性を確保することができる。
【0060】
なお、上記第1印刷層3aおよび第2印刷層3bは、逆の配置としても良く、またPETフィルム2と第1印刷層3aとの間に、着色顔料を含有させた樹脂組成物の層が配置されても良い。さらに、缶体1に施される全体のデザインによるが、パール顔料が含まれた樹脂組成物の層や着色顔料が含まれた樹脂組成物の層を部分的に形成しても良い。また、これらを組み合わせた構成としても良く、適宜、缶体1に収納される商品が要求するデザインに合わせて選択することができる。
【0061】
例えば、この第1印刷層3aと第2印刷層3bとを逆の配置とした例としては、図3に示すものが挙げられる。これは、缶体1の外表面から外方に向けて、つまり同図中の下方から上方に向けて、接着剤層4、パール顔料が含まれた第1印刷層3a、濃度の薄いインキを用いて形成された第2印刷層30a、PETフィルム2、硬化オーバーコート層5を配置した例である。第1印刷層3aに干渉色が金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色であるパール顔料を分散させ、第2印刷層30aに濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色のインキを使用して、缶外面を正対して見ると、第1印刷層3aの干渉色が第2印刷層30aに影響して金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色が透明感ときらきらしたパール調のある色調に見える。
【0062】
また、PETフィルム2と第1印刷層3aとの間に着色顔料を含有させた樹脂組成物による層を追加して形成した例としては、図4に示した例が挙げられる。これは、缶体1の外表面から外方に向けて、順次、接着剤層4、反射率が低く濃度の濃い印刷インキを用いて形成された印刷層30b、パール顔料が含まれた第1印刷層3a、濃度の薄いインキを用いて形成された第2印刷層30a、PETフィルム2、硬化オーバーコート層5を配置した例である。印刷層30bを反射率が低く濃度の濃い紺色または黒色のインキを用いて形成させ、第1印刷層3aには干渉色が金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色であるパール顔料を分散させ、第2印刷層30aを濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色のインキを用いて形成させれば、缶外面を正対して見たときには、第1印刷層3aのパール調色は下層の印刷層30bの反射面が少ないため、輝度を抑えた重厚感を出し、さらに、第2印刷層30aを通して見ることで金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色は深みのある色調に見える。
【0063】
さらに、パール顔料を含ませた樹脂組成物の層や着色顔料を含ませた樹脂組成物の層を部分的に形成した例、または、これらの例を組み合わせた構成を図5に示す。これは、パールインキにより形成された印刷部分3Aと、反射率が低く濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷部分30Bとを、同一の層に設けるとともに、これらの両者3A,30Bを印刷表面に沿った方向で互いに間隔を設けて部分的に配置した例である。
【0064】
また、部分的にパールインキにより形成された印刷層において、パールインキ周辺に反射率が低く濃度の濃い黒色または紺色を使用することにより、パールインキにより形成された印刷層が輝度を抑えた重厚感を出し、さらに、浮き出たような装飾効果を与えることができる。
【0065】
また、図6に示すように、パールインキによる印刷層3aを所定の範囲に形成するとともに、この印刷層の下層に反射率が低く濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷部分31Bを設けた構成としても良い。この例では、干渉色が金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色であるパール顔料が含まれている印刷層3aの下層に反射率が低く濃度の濃い紺色または黒色のインキの印刷部分31Bを部分的に設けると、印刷層3aによる発色は輝度を抑えた重厚感があり、高級感のある装飾とすることができる。
【0066】
また、図7に示すように、パールインキによる印刷層3aを所定の範囲に形成するとともに、この印刷層3aに濃度の薄い印刷インキにより形成された印刷部分31Aを埋め込んで設けても良い。この例では、印刷部分31Aに濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色を使用し、印刷の2層ある部分と、接着剤層4の1層だけある部分を設けてあるので、缶外面に正対して見たときには、下層が2層である部分は透明感とパール調の色相を得て、下層が1層である部分は本来の色相に近いので、パール顔料を含む印刷層が文字商標、ロゴマークなどに利用されるとその部分が強調されるし、特徴のある図柄や商標の外郭に使用されると外郭内の図柄や商標は浮き出たように見える。
【0067】
また、図8に示すように、パールインキによる印刷層3aを所定の範囲に形成し、この印刷層3aに濃度の薄い印刷インキにより形成された印刷部分31Aを埋め込んで設けるとともに、この印刷部分31Aが印刷表面に沿った方向に互いに間隔を設けて部分的に配置され、パールインキ印刷層3aの下層に反射率が低く濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷部分31Bを印刷表面に沿った方向で互いに間隔を設けて部分的に配置した構成としても良い。
【0068】
また、図9に示すように、パールインキによる印刷層3aを形成し、この印刷層3aに濃度の薄い印刷インキにより形成された印刷31Aを埋め込んで設けるとともに、この印刷部分31Aが印刷表面に沿った方向で互いに間隔を設けて部分的に配置され、パールインキの印刷層3aの下層に反射率が低く濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷層30bを設けた構成としても良い。
【0069】
また、図10に示すように、パールインキによる印刷層3aを所定の範囲に形成し、この印刷層3aに濃度の薄い印刷インキにより形成された印刷部分31Aを埋め込んで設けるとともに、この印刷部分31Aが印刷表面に沿った方向に互いに間隔を設けて部分的に配置し、パールインキの印刷層3aの下層に反射率が低く濃度の濃い印刷インキにより形成された印刷部分31Bを印刷表面に沿った方向で互いに間隔を設けて部分的に配置した構成とすることもできる。
【0070】
したがって、これらの構成によれば、パールインキによって形成された印刷部分は、印刷インキの印刷によって形成される画像の一部を構成することになり、図8〜10のように、例えば、印刷層30b,31Bは反射率が低く濃度の濃い紺色または黒色のインキを用いて形成されていて、印刷層3aは干渉色が金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色であるパール顔料が含まれていて、印刷部分31Aが濃度の薄い金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色のインキを用いて形成されている時には、缶外面を正対して見ると、印刷層30b,31Bの色が融合して金色、紫色、黄色、緑色、青色または赤色に深みのある色調に見える。
【0071】
さらに、図9においては、部分的に印刷層30bを使用することで、より細かい模様に対応することができる。
【0072】
また、図10においては、部分的に印刷層31A、接着剤層4の2層と、印刷層31A、パール顔料を含んだ印刷層3a、印刷層31B、接着剤層4の4層にしたため、パール顔料を含む印刷層が文字商標、ロゴなどに使用されるとその部分が強調されるし、特徴ある図柄や商標の外郭に使用されると外郭内の図柄や商標は浮き出たように見える。
【0073】
前記硬化オーバーコート層5は、熱硬化型または電子硬化型の樹脂を用いて形成されている。すなわち、硬化オーバーコート層5を形成する熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂とアミノプラスト樹脂とからなり、リン酸触媒を添加したものが挙げられる。また、電子硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂およびポリブタジエン系アクリレート樹脂などが挙げられる。その分子量が比較的高い樹脂状のものから低いモノマー状のものまでを含み、放射線で重合反応を示すものであれば良い。なお、電子線硬化型樹脂は、単独であるいは二種類以上の混合物として使用できる。
【0074】
したがって、缶体1の最外面に硬化オーバーコート層5を設けたことにより、PETフィルム2が外面に露出されないことになり、PETフィルム2による缶体1の外面の滑り性の低下が防止できるので、その後の製缶工程や缶詰製造工程での缶体1の搬送性が確保され、製缶や缶詰製造の能率を維持することができる。
【0075】
なお、硬化オーバーコート層5は、PETフィルム2により保護被覆層が形成された缶体1において、PETフィルム2の耐傷付き性の向上および缶体1表面の滑り性の向上を図るため、シリコンまたはワックスが添加されていることが好ましい。
【0076】
また、PETフィルム2を貼着した缶体1の缶胴面に、電子線硬化型のオーバーコートが施されて硬化オーバーコート層5が形成され、かつ接着剤層4に電子線硬化型の接着剤が使用される場合には、電子線の照射でオーバーコート塗料を硬化させると同時に接着剤の硬化を促進させることができるので、接着剤の固化工程を省略して、電子線の照射工程で一緒に接着剤の固化を行うことができ、製造に必要な工程数を削減することができる。
【0077】
さらに、オーバーコート層5が電子線硬化型の樹脂の場合には、オーバーコート層5を硬化させるために加熱する必要がなくなるので、熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮による変形が防止され、良好な缶体1の外観性を確保することができる。
【0078】
そして、本実施の形態のパール顔料が含まれた第1印刷層3aの下層に、所定の表示およびデザインの絵柄が形成された第2印刷層3bが配置されていることによって、缶体1の外面に施された装飾として特殊な視覚効果が付与できるようにしている。
【0079】
すなわち、パール顔料は、従来は真珠箔や貝殻の内側部分の粉粒子を使用していたが、本発明では、図12に示した微細なマイカ等のフレーク(薄片)21の外側を酸化チタンの様な金属酸化物または金属酸化物の混合物22により被覆したパール顔料9を用いることができ、さらに図11に示すように、パール顔料10は、アルミニウムもしくは酸化鉄のフレーク11の外側に酸化チタンもしくは二酸化珪素層12と酸化鉄層13とからなる2層の被覆層を形成したものを用いている。
【0080】
なお、このような微細なフレーク11の他の例としては、ガラスフレークおよび合成セラミックなどが挙げられる。
【0081】
また、パール顔料9,10の塗料となる樹脂に対する配合量は、ビヒクル成分(固形分)100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲に調整することが好ましく、本実施の形態においては、インキ樹脂中に、約20〜25重量%のパール顔料9,10を配合させ、充分なパール光沢感を確保するとともに、その色調に濁った感じが出てしまうことを防止するようにしている。
【0082】
すなわち、パール顔料9,10の配合量が0.1重量%未満の場合には、顔料の分散量が少ないので、入射光に対する反射の強度が低下して、パール光沢感が充分に発現されなくなる不都合が生じる。他方、パール顔料10の配合量が30重量%以上の場合には、顔料同士が凝集して均一な外観性を確保できなくなるとともに、反射光が相互に影響を及ぼして濁った色調を呈するなどの不都合が生じる。このため、約20〜25重量%の顔料をインキ中に配合することにより、これらの不都合を未然に解消するようにしている。
【0083】
また、この2層コーティングされ、粒子径と幅から成る面と厚みを備えた板状のフレーク11からなるパール顔料10の個々の粒子径は、5μm〜48μmの範囲を占めると共に、その厚みは、5μm〜20μmの範囲を占めており、さらに、その平均粒子幅は25μmとなるように形成されている。
【0084】
なお、パール顔料9に含まれる単層の酸化チタン層22(図12)が形成されたフレーク21(図12)の個々の粒子径は、例えば、5μm〜25μmの範囲を占めると共に、その厚みは、5μm〜15μmの範囲を占め、その平均粒子径は15μmとなるように形成されている。
【0085】
さらに、本実施の形態の2層に被覆されたフレーク11の平均粒子径は17μmとされ、充分な光輝感と良好な印刷による外観とを確保できるようにしている。
【0086】
すなわち、パール顔料9,10の平均粒子径が10μm未満の場合には、粒子がインキ中で一定方向に配向しにくいので、入射光に対する反射の強度が小さくなり、充分な光輝感が発現されない不都合が生じる。他方、パール顔料9,10の平均粒子径が30μmを超えた場合には、フィルムにグラビア印刷する時にインキが転移されたグラビアロールのグラビアメッシュ(凹部)に異物として残るので、版詰まりに起因するピンホール(未印刷部)などの欠陥が発生し、グラビア印刷による外観性を良好に確保できないという不都合が生じる。このため、パール顔料10のフレーク11の平均粒子径を17μmとし、パール顔料9のフレーク21の平均粒子径を15μmとすることにより、これらの不都合を未然に回避している。
【0087】
また、パール顔料10は、中心核となるフレーク11の表面を酸化チタンもしくは二酸化珪素層12により被覆し、さらに、この酸化チタンもしくは二酸化珪素層12の表面を酸化鉄層13により被覆した構成とされている。
【0088】
すなわち、フレーク11自体の層の厚さは、約7〜20μmとされ、酸化チタンもしくは二酸化珪素層12の層の厚さは、約7〜13μmとされ、酸化鉄層13の層の厚さは、約2〜8μmとされている。
【0089】
上記の構成のパール顔料9,10を、ウレタン樹脂または塩化ビニルのバインダーによって、インキ化している。
【0090】
また、パール顔料9,10をインキ化するためのバインダー(インキ中の樹脂部分)として、ウレタン樹脂系または塩化ビニル系を用いているが、このままでは、インキとしての凝集力が不足するので、架橋剤としてブロックイソシアネート(block isocyanate)を添加している。すなわち、ブロックイソシアネートを添加することによって、インキの架橋性を補充して、インキとしての凝集力を確保するようにしている。
【0091】
また、このイソシアネートは、その化学的な反応性が高いことにより、予めインキ中に添加しておくと、印刷が実施される前にゲル化してしまい、印刷品質が低下するおそれがある。このため、イソシアネートを予めインキ中に添加しておく場合には、添加されたイソシアネートの反応部をブロック化するようにしている。すなわち、イソシアネートプレポリマーの反応基をブロック化し、高温加熱時にのみ反応するようにしている。
【0092】
例えば、上記缶体1の製造工程に、グラビアオーブンによる120℃の加熱処理と、缶胴溶接接合後の加熱乾燥工程による220℃の加熱処理とが含まれている場合には、まず、前者の120℃の加熱では、イソシアネートの反応の完結に数十分の時間を要するので、インキ全体の一部が反応するのに留まるのに対して、後者の220℃の加熱では、イソシアネート反応が数秒で完結されることになる。
【0093】
したがって、このような加熱温度も考慮して、ブロック剤としては、MEKオキシム(メチルエチルケトキシム)が選択され、インキ中に添加されている。
【0094】
また、イソシアネート(NCO)としては、一般的なヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene diisocyanate)が使用されている。
【0095】
このように被覆されたフレーク11,21からなるパール顔料9,10を含んだインキ印刷によれば、その印刷された表面に正対して見る場合と、表面に対して斜めに見る場合とでは、反射光の光路の長さが異なるので、異なる色に見えることになるカラートラベリング現象を現出させることができる。
【0096】
すなわち、このパール顔料10による印刷面に入射した光は、パール顔料10の最上層である酸化鉄層13では反射されないことになり、さらにパール顔料10の下層の方に入射し続けることになる。
【0097】
このため、図11に示すように、パール顔料10の内部の酸化チタンもしくは二酸化珪素層12によって反射された反射光と、フレーク11の表面によって反射された反射光との干渉により発色が得られる。
【0098】
したがって、正対して見た場合には、図11中の左側に矢印で示された上記2つの反射光同士の光路長に差が無いので、干渉色が強く見えることになる。他方、斜めから見た場合には、図11中の右側に矢印で示された上記2つの反射光の光路長が異なるので、吸収色が強く見えることになる。
パール顔料9の場合も、斜めから見ると、反射光の光路が長くなるので、吸収色が強く見える。
【0099】
この結果、このようなパール顔料9,10を含んだインキ印刷による装飾が施された表面に対して、正対して見た場合には、干渉色が強く見える一方、斜めから見た場合には、吸収色が強く見える。
【0100】
特に、上記の印刷面に正対した角度を0度とすると、45度付近を境界として、偏光する傾向があるので、見る角度によって、全く異なる印象を受ける視覚効果が得られる。
【0101】
なお、印刷面に正対して見るとは、対象に真っ直ぐ向いて見ること、つまり平坦な印刷面に対して直交する方向から見ることを意味するが、本実施の形態においては、この印刷面が曲面とされている、つまり円筒状に形成された缶体1の側面に印刷面が位置しているので、厳密には印刷面を正対して見ることはできないことになる。しかし、缶体1の大きさにもよるが、缶体1の側面の微小な区域に限ってみれば、この微小な区域が充分に平面であると見なせるので、この区域に正対して見ることはできる。したがって、パール顔料9,10を平面的な印刷面に対して用いた場合には、この印刷面を見る角度によって、一斉に印刷面の色合いが変わって見えるのに対して、本実施の形態のように缶体1側面の曲面とされた印刷面に対して用いた場合には、見る角度によって、その印刷面の部分的な区域の色合いが変わって見えることになるので、このパール顔料9,10による独特な装飾効果をより一層現すことができる。
【0102】
また、フレーク11に形成する酸化チタンもしくは二酸化珪素層12および酸化鉄層13の層の厚みを変えて組み合わせることにより、種々の干渉色および吸収色のバリエーションが得られることになる。
同様に、パール顔料9のフレーク21に形成させた酸化チタン層22の厚みを変えると、種々の干渉色および吸収色が得られる。
【0103】
例えば、アルミニウムのフレーク11自体の層の厚さが約14μm、二酸化珪素層12の厚さが約10μm、酸化鉄層13の厚さが約3μmとされたパール顔料10を用いた場合には、干渉色として、金色が得られ、吸収色として、薄金色が得られる。したがって、この場合には、缶もしくは異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の金色に見える一方、斜めから見た場合には、薄金色に見えることになる。
【0104】
また、アルミニウムのフレーク11自体の層の厚さが約16μm、二酸化珪素層12の厚さが約9μm、酸化鉄層13の厚さが約4μmとされたパール顔料10を用いた場合には、干渉色として、赤色が得られ、吸収色として、金色が得られる。したがって、この場合には、缶もしくは異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の赤色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調の金色に見えることになる。
【0105】
さらに、板状酸化鉄のフレーク11自体の層の厚さが約18μm、二酸化珪素層12の厚さが約10μm、酸化鉄層13の厚さが約2μmとされたパール顔料10を用いた場合には、干渉色として、紫色が得られ、吸収色として、金色が得られる。したがって、この場合には、缶もしくは異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の紫色に見える一方、斜めから見た場合には、金色に見えることになる。
【0106】
次に、マイカのフレーク11自体の層の厚さが約11μm、酸化チタン層12の厚さが約11μm、酸化鉄層13の厚さが約3μmとされたパール顔料10を用いた場合には、干渉色として、緑色が得られ、吸収色として、ブラウン色(これは、茶褐色に相当する)が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の緑色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調のブラウン色に見えることになる。
【0107】
また、マイカのフレーク11自体の層の厚さが約11μm、酸化チタン層12の厚さが約9μm、酸化鉄層13の厚さが約5μmとされたパール顔料10を用いた場合には、干渉色として、青色が得られ、吸収色として、プラム色(これは、桃色に相当する)が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の青色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調のプラム色に見えることになる。
【0108】
さらに、マイカのフレーク11自体の層の厚さが約13μm、酸化チタン層12の厚さが約10μm、酸化鉄層13の厚さが約2μmとされたパール顔料10を用いた場合には、干渉色として、赤色が得られ、吸収色として、オレンジ色(これは、蜜柑色に相当する)が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の赤色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調のオレンジ色に見えることになる。
【0109】
さらに、マイカのフレーク21に、酸化チタン層22の厚さが約9μmとされたパール顔料9を用いた場合には、干渉色として、黄色が得られ、吸収色として、紫色が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の黄色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調の紫色に見えることになる。
【0110】
また、マイカのフレーク21に、酸化チタン層22の厚さが約12μmとされたパール顔料9を用いた場合には、干渉色として、赤色が得られ、吸収色として、緑色が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の赤色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調の緑色に見えることになる。
【0111】
また、マイカのフレーク21に、酸化チタン層22の厚さが約13μmとされたパール顔料9を用いた場合には、干渉色として、紫色が得られ、吸収色として、黄色が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の紫色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調の黄色に見えることになる。
【0112】
また、マイカのフレーク21に、酸化チタン層22の厚さが約14μmとされたパール顔料9を用いた場合には、干渉色として、青色が得られ、吸収色として、橙色が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の青色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調の橙色に見えることになる。
【0113】
また、マイカのフレーク21に、酸化チタン層22の厚さが約17μmとされたパール顔料9を用いた場合には、干渉色として、緑色が得られ、吸収色として、赤色が得られる。したがって、この場合には、異形缶に施された装飾を正対して見た場合には、装飾がパール調の緑色に見える一方、斜めから見た場合には、パール調の赤色に見えることになる。
【0114】
この結果、缶体1を見る角度によって、部分的に全く異なった着色が施されているように見えることになり、しかも、この見かけ上の着色がある角度を境界にして急激に変化するので、意外性のある印象を与えることができる。すなわち、本発明のパール顔料を印刷に用いた金属缶においては、前記パール顔料の偏光によって、外面に表示された色の絵柄に特に透明感を持たせたり、外面に表示された色とは異なる色の絵柄またはエンボス加工または異形缶の微妙な凹凸部が浮き出たように見えて立体感を持たせたりすることができる。
【0115】
特に、異形缶の場合、缶体1の胴部となる側面は凹凸外面に形成されているので、視点を変えることなく、凹凸外面が斜めから見た状況を引き起こし、その凹凸部や膨出部で上記の視覚効果が得られることになり、従前のパール顔料9,10を用いた金属缶に対しても、美粧性やデザイン面での優位性を確保することができる。
【0116】
以上説明してきたように、本実施の形態のフィルム貼着金属缶にあっては、パール顔料を構成するフレークをコーティングする被覆層を形成したことにより、金属缶の外面に変化のある複雑な色調が現れるとともに、缶体を見る角度によっては、異なる着色が施されたように見えることになるので、新たな視覚効果が得られるとともに、意外性が確保できることになり、内部に収容した商品イメージを反映できる高い意匠性の優れた金属缶を提供することができる。
【0117】
すなわち、パール顔料による印刷面に正対して見た場合には、各被覆層から反射される反射光の光路の長さに差がないので、両反射光による干渉光が強く見えることになる一方、印刷面に対して斜めに見た場合には、上記反射光の光路の長さに差が生じるので、両反射光による干渉光が弱まって吸収光が強く見えることになる。
【0118】
また、印刷層を形成する樹脂組成物に対して20〜25重量%の割合でパール顔料を配合したことにより、充分なパール光沢感を確保できるとともに、その色調に濁った感じが出てしまうことを防止することができる。
【0119】
すなわち、上記の範囲未満のパール顔料が配合された場合には、顔料の分散量が少ないので、入射光に対する反射の強度が低下して、パール光沢感が充分に発現されなくなる一方、上記の範囲を超えてパール顔料が配合された場合には、顔料同士が凝集して均一な外観性を確保できなくなるとともに、反射光が相互に影響を及ぼして濁った色調を呈することになるが、上記の範囲の割合でパール顔料を樹脂組成物に配合しているので、そのような事態を未然に回避することができ、パール顔料による視覚効果を充分に発揮することが可能になる。
【0120】
さらに、缶体1にエキスパンド加工、エンボス加工、ビード加工またはバルジ加工を施し、缶体1の缶胴外面を凹凸外面としたことにより、見る角度によって現れる異色部が鮮明に分割され、あるいは境界のぼけた不連続な模様が作り出されたり、見る角度を変えることなく凹凸外面に異色部が表われたりする。よって、上述したパール顔料の偏光による視覚効果をより引き立たせることができ、意匠性の向上を図ることができる。
【0121】
以上、本発明のフィルム貼着金属缶を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これら実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0122】
例えば、本実施の形態では、円筒缶にエキスパンド加工、エンボス加工、ビード加工およびバルジ加工を施したエキスパンド缶、エンボス缶、ビード缶およびバルジ缶を例示したが、複数の加工を組み合わせた構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】胴部に凹凸を備えた缶を例示した正面図である。
【図2】胴部に貼着された樹脂フィルムの断面図である。
【図3】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図4】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図5】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図6】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図7】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図8】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図9】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図10】胴部に貼着された樹脂フィルムの他の例を示した断面図である。
【図11】見る角度によって異なる色が見える原理を示した断面図である。
【図12】パール顔料の発色を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 缶体
2 PETフィルム
3a パール顔料を含んだ印刷層
3A パール顔料を含んだ印刷部分
3b 表示およびデザイン画像用の印刷層
30a 濃度が薄いインキを用いて形成された第2印刷層
30b 反射率が低く濃度が濃い印刷インキを用いて形成された印刷層
31A 濃度が薄い印刷インキにより形成された印刷部分
31B 反射率が低く濃度が濃い印刷インキを用いて形成された印刷層
4 接着剤層(着色層を兼用する場合を含む)
5 硬化オーバーコート層
9,10 パール顔料
11 フレーク
12 酸化チタン層または二酸化珪素層
13 酸化鉄層
30 装飾層
Claims (3)
- 金属缶の缶胴外面に樹脂系接着剤を介して印刷済みの熱可塑性樹脂フィルムが接着され、
前記樹脂系接着剤層と前記熱可塑性樹脂フィルムとの間に、パール顔料を含有した樹脂組成物からなるパールインキと、着色顔料を含有した樹脂組成物からなる印刷インキとがグラビア印刷されて缶体に表される装飾層が形成されたフィルム貼着金属缶において、
前記パール顔料を、フレークに二酸化珪素を被覆し前記二酸化珪素層に酸化鉄層を被覆した構成とし、
前記パール顔料の平均粒径を10μm以上30μm以下、そのパール顔料のフレーク自体の層の厚さを7〜20μm、二酸化珪素層の厚さを7〜13μm、前記酸化鉄層の厚さを2〜8μmとし、
前記金属缶の缶胴外面を、凹凸外面としたことを特徴とするフィルム貼着金属缶。 - 請求項1に記載のフィルム貼着金属缶において、
前記凹凸外面を、前記金属缶の缶胴に形成した0.01〜5 mm の深さまたは高さを有し、好ましくは0.1〜1 mm の深さまたは高さを有する凹凸部により構成したことを特徴とするフィルム貼着金属缶。 - 請求項1または請求項2に記載のフィルム貼着金属缶において、
前記凹凸外面を、前記金属缶の缶胴に形成し、缶径に対して0.1〜40%の拡径率または縮径率を有し、好ましくは2〜15%の拡径率または縮径率を有する膨出部または縮径部により構成したことを特徴とするフィルム貼着金属缶。
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