JPH06239350A - カラーメタリック感を有するプラスチック容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャープな印象を与えるカラーメタリックな
外観を有する装飾容器を提供する。 【構成】 偏光タイプのパールエッセンスを混入した透
明な合成樹脂の外層、明度３以下に着色された不透明樹
脂または外層の反射色と同じ色相に着色された不透明樹
脂の内層を有する積層体から成ることを特徴とする容
器。前記積層体の外層の上にさらに透明な合成樹脂の最
外層を形成することにより、光沢感のある表面を有する
容器となる。また、前記外層は、０．３ｍｍ厚のヘイズ
が１ないし１０％、メルトインデックスが１ないし８ｇ
／１０min の範囲にあるポリプロピレンを基材樹脂とし
て使用することが好ましく、これを、パールエッセンス
含有率０．５ないし３重量％、層厚５ないし５００μ
ｍ、光沢（６０度グロス）６５ないし９５％の層として
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラーメタリック感を
有するプラスチック容器に関し、より詳しくは、マット
様のメタリック感または光沢あるメタリック感が付与さ
れた装飾効果に優れた容器に関する。

【０００２】

【従来の技術およびその問題点】着色容器にメタリック
感を付与しようとした場合、従来は、メタリック顔料を
樹脂に練り込む方法が一般的であった。ところが、この
方法によると、メタリック感は得られるものの、見た目
がくすんだ感じになり、商品価値の点で必ずしも満足し
得るものとは言えない。とくに、容器の内容物が化粧品
などの場合には、よりシャープな印象を与えるメタリッ
ク感を有する装飾効果に優れた容器が望まれる場合もあ
る。

【０００３】本発明者らは、さまざまなメタリック顔料
の種類の違いや、配合方法によってこのような目的を達
成するべく実験を行ったが、このような方法では、依然
としてくすんだ感じのメタリック感が得られるだけで、
シャープな印象を与えるメタリック感は得られなかっ
た。

【０００４】

【発明の目的】そこで、本発明の目的は、メタリック顔
料に頼らず、面倒な工程が不要で、シャープな印象を与
えるメタリック感を有するプラスチック容器を提供する
ことにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】本発明は、前記目的を
達成するために提案されたものであり、容器を構成する
本体が特定の積層構造を採ることによってメタリック感
を有する装飾効果が得られるものである。すなわち、本
発明によれば、偏光タイプのパールエッセンスを混入し
た透明な合成樹脂の外層、明度３以下に着色された不透
明樹脂または外層の反射色と同じ色相に着色された不透
明樹脂の内層を有する積層体から成ることを特徴とする
容器が提供される。本発明においては、前記積層体の外
層の外面にさらに透明な合成樹脂から成る最外層を設け
ることにより、鮮明な表面光沢を有するカラーメタリッ
ク感を有するプラスチックが提供される。

【０００６】

【発明の具体的な説明】本発明の第一の特徴は、透明な
合成樹脂から成る外層に偏光パールエッセンスを混入さ
せた点にある。本発明で用いる偏光パールエッセンスと
は、一般に、雲母を核とし、その雲母表面に二酸化チタ
ンを燒結により付着させて成るものであり、この偏光パ
ールエッセンスに照射された光は、酸化チタン層の膜厚
により色が変るという特性を有するものである。すなわ
ち酸化チタン層の膜厚により、入射光の一部（例えば緑
色成分）は反射し、一方その補色（この場合赤色）は透
過するため、それぞれ反射色との透過色の二色性効果を
呈することができることになる。

【０００７】また本発明においては、内層として明度が
３以下の不透明樹脂または外層の反射色と同じ色相に着
色された不透明樹脂層を形成した点に第二の特徴があ
る。このような特定の不透明樹脂を偏光パールエッセン
スを有する外層の背景とすることにより、明度３以下の
不透明樹脂はパールエッセンスを透過した補色成分を吸
収することができ、また外層と反射色の同じ色相に着色
された不透明樹脂では外層の反射色を打消すことができ
るため、容器外観には元来の反射色のみが呈されること
になり、シャープなメタリックな印象を与えることが可
能となる。

【０００８】上記した外層及び内層を組合せた積層体か
ら成る容器は、偏光パールエッセンスが表面層に混入さ
れているため、ややマット様の印象を有するメタリック
感を与えるものであるが、これに鮮明な表面光沢を付与
するには、外層の外側にさらに透明な樹脂から成る最外
層を設けることが好ましい。これによって、最外層の透
明樹脂が有する表面光沢により、外層及び内層の組合せ
から得られるメタリックな印象を更に鮮明にして、シャ
ープな印象をも与えることが可能になる。

【０００９】本発明のプラスチック容器は、前述したよ
うにややマット様な印象のメタリック感を与える場合に
は、外層及び内層から成る積層体から成り、鮮明な表面
光沢を有するメタリック感を与える場合には、前記構成
の外層の上にさらに透明な最外層を形成した積層体から
成るものである。以下、外層、内層、最外層について説
明する。

【００１０】＜外層＞本発明のプラスチック容器の外層
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体等のオレフィン樹脂；ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル樹脂のような従来公知の透明樹脂を用いることができ
るが、中でも透明性、衛生性等の見地から、０．３ｍｍ
厚みにおけるヘイズが１ないし１０％、好ましくは１な
いし４％、メルトインデックスが１ないし８ｇ／１０mi
n 、特に３ないし８ｇ／１０min のポリプロピレンを好
適に用いることができる。

【００１１】偏光タイプのパールエッセンスは、一般に
大きさが５ないし１４０μｍの範囲にあり、雲母表面に
形成された二酸化チタンの膜を変化させることにより、
発色の度合いをコントロールすることができる。すなわ
ち、この二酸化チタンの膜厚によって偏光パールエッセ
ンスに照射された光が、例えば、膜厚が９０ｍμであれ
ば、反射色は金色で透過色は紫色、膜厚が１１５ｍμで
あれば、反射色は赤色で透過色は緑色、膜厚が１４３ｍ
μであれば、反射色は青色で透過色は橙色となるもので
ある。本発明において、とくに外層の光沢、厚み、パー
ルエッセンスの含有率は、目的とするメタリック感を付
与する上で重要であり、光沢（６０度グロス）は６５な
いし９５％、とくに７０ないし８５％であり、外層の厚
みは５ないし５００μｍ、とくに１５ないし１００μｍ
の範囲にあり、さらに、パールエッセンスの含有率は、
透明樹脂中に０．５ないし３重量％、とくに１．５ない
し２重量％の割合で配合させることが好ましい。 これ
によって、内層との組合せで好適なメタリック感を付与
した容器が提供される。

【００１２】＜内層＞本発明のプラスチック容器の内層
は、明度が３以下となるように着色顔料が配合された不
透明樹脂から成るか、または外層の反射色と同じ色相と
なるように着色顔料が配合された不透明樹脂から成るも
のである。明度が３以下の暗色不透明樹脂は、まず１０
ないし３０％（重量）の着色顔料を含有するマスターバ
ッチを２０倍程度に希釈して得られる。また内層を外層
の反射色と同じ色相とするには、用いるべき偏光パール
エッセンスの二酸化チタンの膜厚に合わせた所望の着色
顔料を、０．５ないし３重量％程度の割合で樹脂中に配
合させればよい。着色顔料を配合し得る樹脂としては、
外層に用いた樹脂と同様のものが使用できる。

【００１３】また内層樹脂に配合し得る着色剤として
は、これに限定されないが以下の顔料を例示できる。 黒色顔料 カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック 橙色顔料 パーマネントオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジン
オレンジ、インダスレンブリリアントオレンジ 赤色顔料 リソールレッド、ブリリアントカーミン、パーマネント
レッド 紫色顔料 マンガン紫、ファーストバイオレット、メチルバイオレ
ットレーキ、キナクリドンバイオレット 青色顔料 群青、紺青、フタロシアニンブルー、ファーストスカイ
ブルー 緑色顔料 マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、
ナフトールグリーン これらの顔料は単独でも、２種以上の組合せでも使用す
ることができ、更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、シリカ、
タルク、アルミナホワイト等の体質顔料との組合せでも
用いることができる。

【００１４】＜最外層＞本発明においては、前述したよ
うに、外層の上にさらに透明な最外層を設けることによ
り、鮮明な表面光沢を有するメタリック感を付与するこ
とが可能となる。この最外層は、透明性に優れた樹脂か
ら成り、最外層単独の透明性が０．３ｍｍ厚のヘイズで
１０％以下であることが好ましく、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、ＰＥＴ（ポリエチレン
テレフタレート）等の樹脂を好適に用いることができ
る。外層及び内層、ならびに最外層に用いる樹脂は同種
のものを用いることが層間接着性に優れた構造にする点
で好ましい。最外層はその厚みが５０ないし２００μｍ
の範囲にあることが好ましい。これより薄いとメタリッ
ク感にシャープな印象を十分に付与することができにく
くなり、またこれより厚いとメタリック感が損なわれる
虞がある。

【００１５】＜層構成＞本発明の容器は、前記外層及び
内層からなることが必須の要件であり、これに所望によ
り最外層を加えて成ることができる。外層及び内層から
のみ成る場合の厚み比は、外層：内層＝１：５ないし
１：２０の割合で積層されていることが好ましい。また
外層の外に最外層を設けた、最外層、外層及び内層から
成る場合の厚み比は、最外層：外層：内層＝１：１：５
ないし１：１：２０の割合で積層されていることが好ま
しい。さらに本発明の容器の壁厚は、特に限定されるも
のではないが、５００ないし１５００μｍ、とくに８０
０ないし１２００μｍの範囲にあることが好ましい。

【００１６】＜容器の成形＞本発明のプラスチック容器
は、その一例を図２に示すように、容器本体１は、胴部
２、底部３、肩部４、首部５の容器本体のすべての部位
において、外層６、内層７及び必要により設けられた最
外層８の積層構造から成っている。本発明の容器は、自
体公知の射出成形、押出成形、ブロー成形等により一体
に成形することができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、着色容器において、外
層が偏光タイプのパールエッセンスを混入した透明な合
成樹脂、内層が明度３以下に着色された不透明樹脂また
は外層の反射色と同じ色相に着色された不透明樹脂から
成る積層構造を有することにより、ややくすんだ感じの
メタリック感を与えることができ、またその外層の外面
にさらに最外層として透明な合成樹脂の層を設けること
により、鮮明な表面光沢を有するメタリック感を与える
ことができる。本発明においては、金属の有するハード
な印象をプラスチック容器に付与することができ、例え
ば、男性用化粧品等の用途に好適に用いることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の着色多層ブロー成形容器の層構成の一
例を示す図である。

【符合の説明】

１ 容器本体 ６ 外層 ７ 内層 ８ 最外層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ６５Ｄ 35/08 8208−3Ｅ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 偏光タイプのパールエッセンスを混入し
   た透明な合成樹脂の外層、明度３以下に着色された不透
   明樹脂または外層の反射色と同じ色相に着色された不透
   明樹脂の内層を有する積層体から成ることを特徴とする
   容器。
2. 【請求項２】 前記積層体が、外層の上にさらに透明な
   合成樹脂の最外層を形成したものである請求項１記載の
   容器。
3. 【請求項３】 前記外層が、０．３ｍｍ厚のヘイズが１
   ないし１０％、メルトインデックスが１ないし８ｇ／１
   ０min の範囲にあるポリプロピレンを基材樹脂としたも
   のである請求項１または２に記載の容器。
4. 【請求項４】 前記外層が、パールエッセンス含有率
   ０．５ないし３重量％、層厚５ないし５００μｍ、光沢
   （６０度グロス）６５ないし９５％である請求項１また
   は２に記載の容器。
5. 【請求項５】 前記内層が、内層樹脂全体に対し０．５
   ないし３重量％の着色顔料が配合されている請求項１な
   いし３のいずれか１項に記載のブロー成形容器。