JP2020183281A - 押出しブロー容器 - Google Patents
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Abstract
Description
メタリック感を具備させる方法としては、例えば金属顔料の塗装を利用する方法、あるいは金属を主体とする蒸着膜の蒸着を利用する方法(例えば下記特許文献1参照)等が知られている。
特に、内層のヘイズ値が、外層および被覆層のヘイズ値よりも高いので、内層は、外層および被覆層よりも可視光を透過し難い。そのため、可視光を内層に留まらせることで、内層中に含まれる金属粉の存在を際立たせることができ、メタリック感に深みを持たせることができるとともに、シルクのような滑らかな光沢を帯びたシルク感を具備する質感も発揮させることができる。
以上のことから、十分なメタリック感を具備した押出しブロー容器とすることができる。
内層の肉厚が、容器本体の肉厚の50%以上90%以下となっているので、金属粉を有する内層の肉厚が厚く確保されることとなり、内層のヘイズ値が、外層および被覆層のヘイズ値よりも高いことと相俟って、より深みのあるメタリック感を具備させることができる。
内層の肉厚が、容器本体の肉厚の50%未満になると、より深みのあるメタリック感を具備させることが困難になり、90%を超えると、他の層が薄くなりすぎ、押出しブロー容器の製造が困難になるおそれがある。
被覆層のヘイズ値が1.0%未満になると、光沢を抑えることができず、被覆層のヘイズ値が10.0%を超えると、曇り度合いが大きすぎ、メタリック感が発現しにくくなる。
金属粉を含まない内側被覆層が、容器本体の内面を形成する層である場合には、金属粉が、容器本体内の内容物に接触するのを確実に防ぐことができる。
図1に示すように、本実施形態の押出しブロー容器1は、合成樹脂により形成され、内容物が充填される有底筒状の容器本体10を備えている。
容器本体10は、円筒状の口部11と、口部11に連設された円筒状の肩部12と、肩部12に連設された円筒状の胴部13と、胴部13に連設された有底円筒状の底部14と、を備えている。
ただし、キャップの装着方法は、螺着に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により口部11に装着されても構わない。この場合には、口部11の外周面に、キャップをアンダーカット嵌合させるための嵌合突部を雄ねじ部11aに代えて形成すれば良い。なお、アンダーカット嵌合により口部11にキャップを装着する場合には、例えばキャップをヒンジ付きキャップとすることもできる。口部11に、装着キャップを有する吐出器を装着してもよい。
例えば、容器本体を、胴部13が横断面視で角形状を呈する角型ボトルとしても構わない。上方から下方に向かうにしたがって拡径する胴部13を有する容器本体としても構わない。肩部12を具備せずに、胴部13の上端部側を縮径させ、縮径した胴部13の上端部を口部11の下端部に連設させた容器本体としても構わない。
具体的には、第1合成樹脂30は、ランダムポリプロピレンを主材料とする樹脂とされている。ただし、第1合成樹脂30は、ランダムポリプロピレンを最も多く含んでいれば良く、その他の合成樹脂あるいは添加物等を含んでいても構わない。第1合成樹脂30は、ランダムポリプロピレンのなかでも、曇り度合いが比較的小さい材質(例えば、商品名:E233GV、Haze:15%(肉厚1mm)、プライムポリマー製)となっている。ただし、第1合成樹脂30の材質は一例であって、適宜変更して構わない。
外層20の肉厚は、例えば100μm前後(容器本体10の肉厚の13%前後)とされている。ただし、外層20の肉厚は一例であって、適宜変更して構わない。
マスターバッチは、高濃度の顔料が練りこまれたペレット状の着色剤であって、例えばナチュラルペレットとともに第1合成樹脂30内に混ぜ合わされ、両者の比率に応じて色彩の濃淡を調整することが可能とされている。本実施形態では、パール顔料が、マスターバッチに対して約10重量%濃度添加されている。パール顔料の粒径は、5μm〜60μmとなっている。
着色剤は、第1合成樹脂30に対して15重量%濃度未満(例えば5重量%濃度)となるように、第1合成樹脂30に含まれている。ただし、着色剤の含有量は一例であって、適宜変更して構わない。
なお、被覆層21の肉厚は一例であって、適宜変更して構わない。例えば、被覆層21の肉厚を、外層20、および遮光層23の各肉厚以上としてもよい。
なお、第2合成樹脂34の材質は一例であって、適宜変更して構わない。例えば、第2合成樹脂34および第1合成樹脂30それぞれの樹脂の主成分を互いに異ならせ、被覆層21と外層20との間に接着層を配設してもよい。
本実施形態では、被覆層21の外面全体にわたって粗面部33が形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば被覆層21のうち胴部13に位置する部分の外面にだけ粗面部33を形成しても構わないし、被覆層21の外面に粗面部33を形成しなくてもよい。
粗面部33が形成されていることで、被覆層21の外面は、微小な凹凸を具備する絹目状の微粒面(いわゆるシボ面)とされている。粗面部33は、押出しブロー成形時に成形金型のキャビティ内面により形成される。
なお、第3合成樹脂31の材質は一例であって、適宜変更して構わない。例えば、第3合成樹脂31および第1合成樹脂30それぞれの樹脂の主成分を互いに異ならせ、内層22と外層20との間に接着層を配設してもよい。
金属粉32としては、例えばアルミニウムが極薄のフレーク状あるいは粉状に形成されたアルミ粉が挙げられる。ただし、この場合に限定されるものではなく、アルミニウム以外の金属を採用しても構わない。金属粉32の粒子径は、3μm以上100μm以下(例えば20μm)となっている。金属粉32は、第3合成樹脂31に対して例えば30重量%濃度となるように、第3合成樹脂31に含まれている。なお、金属粉32の粒子径、および含有量は一例であって、適宜変更して構わない。
内層22は、金属粉32が添加された第3合成樹脂31を押出しブロー成形することで形成されている。これにより、内層22の全体には、金属粉32がむらなく均等に存在している。
遮光層23の肉厚は、例えば50μm前後(容器本体10の肉厚の6%前後)とされ、外層20および内層22よりも薄肉で、被覆層21よりも厚肉とされている。なお、遮光層23の肉厚は一例であって、適宜変更して構わない。
遮光材としては、乳白色のマスターバッチ(例えば、商品名:PPM−2KF868S−CRM−B−FD、トーヨーカラー製)が挙げられる。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば、灰色、若しくは黒色等のマスターバッチを採用しても構わない。遮光材は、第4合成樹脂35に対して例えば8重量%濃度となるように、第4合成樹脂35に含まれている。なお、遮光材の含有量は一例であって、適宜変更して構わない。
光透過率は、JIS K7375に準拠し、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製 UV−3150)を使用することで測定できる。
すなわち、外層20および被覆層21には、金属粉32が含有されてもよい。
次いで、積層パリソンを、成形金型で挟み込んでキャビティ内に配置する(型締め工程)。このとき、成形金型におけるキャビティ内面には、粗面部33を形成するための凹凸部が形成されている。凹凸部は、キャビティ内面に、例えばサンドブラスト加工等の粗面加工が施されて形成されている。
次いで、積層パリソン内に加圧エアを供給する(吹き込む)ことで、積層パリソンを膨らます(ブロー工程)。これにより、積層パリソンの外面が成形金型のキャビティ内面に押し当てられ、キャビティ内面に対応した形状で積層パリソンが成形され、図1および図2に示す押出しブロー容器1が得られる。
被覆層21の第2合成樹脂34として、第1合成樹脂30よりヘイズ値が高いブロックポリプロピレン(商品名:BC8D、Haze:90%(肉厚1mm)、日本ポリプロ製)を採用した。被覆層21の肉厚を20μmとした。
内層22の第3合成樹脂31として、第2合成樹脂34よりヘイズ値が高いブロックポリプロピレン(商品名:B511QA、Haze:30%(肉厚1mm)、プライムポリマー製)を採用した。第3合成樹脂31に、金属粉32を、第3合成樹脂31に対して30重量%濃度含有させた。金属粉32として、大きさが20μm×5μm×5μmのアルミ粉を採用した。内層22の肉厚を600μmとした。
遮光層23の第4合成樹脂35として、第3合成樹脂31と同様のブロックポリプロピレン(商品名:B511QA、Haze:30%(肉厚1mm)、プライムポリマー製)を採用した。第4合成樹脂35に、遮光材(商品名:PPM−2KF868S−CRM−B−FD、トーヨーカラー製)を、第4合成樹脂35に対して8重量%濃度含有させ、遮光層23における可視光の光線透過率を0%とした。遮光層23の肉厚を50μmとした。
従って、落ち着いた高級感を醸し出すマット調の質感を強めたい容器としたい場合には、被覆層21の外面に粗面部33を形成することが有効であることが確認できた。
以上のことから、十分なメタリック感を具備した押出しブロー容器1とすることができる。
内層22の肉厚が、容器本体10の肉厚の50%以上90%以下となっているので、金属粉32を有する内層22の肉厚が厚く確保されることとなり、内層22のヘイズ値が、外層20および被覆層21のヘイズ値よりも高いことと相俟って、より深みのあるメタリック感を具備させることができる。
内層22の肉厚が、容器本体10の肉厚の50%未満になると、より深みのあるメタリック感を具備させることが困難になり、90%を超えると、他の層が薄くなりすぎ、押出しブロー容器1の製造が困難になるおそれがある。
被覆層21のヘイズ値が1.0%未満になると、光沢を抑えることができず、被覆層21のヘイズ値が10.0%を超えると、曇り度合いが大きすぎ、メタリック感が発現しにくくなる。
着色剤を含んだ外層20の肉厚が、被覆層21の肉厚より厚くなっているので、色彩の濃い外観にすることができる。
容器本体10が、遮光性を有するとともに、内層22よりも容器本体10の内面側に配設された遮光層23を備えるので、内層22側からの光が遮られ、発現するメタリック感に深みを持たせることができる。
容器本体10が、遮光層23を備えることから、内容物が光に起因して劣化するのを抑えることができる。
金属粉32を含まない遮光層23が、容器本体10の内面を形成する層となっているので、金属粉32が、容器本体10内の内容物に接触するのを確実に防ぐことができる。
容器本体10は、遮光層23を有しなくてもよい。
第1合成樹脂30、第2合成樹脂34、第3合成樹脂31、および第4合成樹脂35として、ポリプロピレンに限らず、例えば高密度ポリエチレン等の他の合成樹脂を採用してもよい。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
具体的には、第1合成樹脂50は、ブロックポリプロピレンを主材料とする樹脂とされている。ただし、第1合成樹脂50は、ブロックポリプロピレンを最も多く含んでいれば良く、その他の合成樹脂あるいは添加物等を含んでいても構わない。第1合成樹脂50は、ブロックポリプロピレンのなかでも、曇り度合いが比較的小さい材質(例えば、商品名:CS356M、Haze:11%(肉厚1mm)、サンアロマー製)となっている。ただし、第1合成樹脂50の材質は一例であって、適宜変更して構わない。
外層40の肉厚は、例えば88μm前後(容器本体10の肉厚の8%前後)とされている。ただし、外層40の肉厚は一例であって、適宜変更して構わない。
着色剤は、第1合成樹脂50に対して15重量%濃度未満(例えば5重量%濃度)となるように、第1合成樹脂50に含まれている。ただし、着色剤の含有量は一例であって、適宜変更して構わない。
なお、被覆層41の肉厚は一例であって、適宜変更して構わない。例えば、被覆層41の肉厚を、外層40、および内側被覆層43の各肉厚以上としてもよい。
なお、第2合成樹脂54の材質は一例であって、適宜変更して構わない。
なお、第3合成樹脂51の材質は一例であって、適宜変更して構わない。
第3合成樹脂51に含まれる着色剤は、外層40を形成する第1合成樹脂50に含まれる着色剤と同じ種類のものとなっている。着色剤は、第3合成樹脂51に対して例えば3重量%濃度となるように、第3合成樹脂51に含まれている。第3合成樹脂51に対する着色剤の含有濃度は、第1合成樹脂50に対する着色剤の含有濃度より小さくなっている。
金属粉32は、第3合成樹脂51に対して例えば7重量%濃度となるように、第3合成樹脂51に含まれている。
内層42における可視光の光線透過率は、10%以下、好ましくは3%以下となっている。本実施形態では、第3合成樹脂51に、着色剤および金属粉32の双方が含まれ、かつ内層42の肉厚が、容器本体10を構成する各層のなかで最も厚くなっていることから、内層42における可視光の光線透過率を0%とすることができる。
内側被覆層43の肉厚は、例えば44μm前後(容器本体10の肉厚の4%前後)とされ、外層40および内層42よりも薄肉で、被覆層41よりも厚肉とされている。なお、内側被覆層43の肉厚は一例であって、適宜変更して構わない。
すなわち、外層40および被覆層41には、金属粉32が含有されてもよい。
被覆層41の第2合成樹脂54として、第1合成樹脂50よりヘイズ値が高いブロックポリプロピレン(商品名:BC6D、Haze:90%(肉厚1mm)、日本ポリプロ製)を採用した。被覆層41の肉厚を22μmとした。
内層42の第3合成樹脂51として、第2合成樹脂54よりヘイズ値が高いブロックポリプロピレン(商品名:B511QA、Haze:30%(肉厚1mm)、プライムポリマー製)を採用した。第3合成樹脂51に、着色剤を、第3合成樹脂51に対して5.3重量%濃度含有させた。第3合成樹脂51に、金属粉32を、第3合成樹脂51に対して7重量%濃度含有させた。金属粉32として、粒径が20μmのアルミ粉を採用した。内層42の肉厚を942μmとした。
内側被覆層43の第4合成樹脂55として、第3合成樹脂51と同様のブロックポリプロピレン(商品名:B511QA、Haze:30%(肉厚1mm)、プライムポリマー製)を採用した。内側被覆層43の肉厚を44μmとした。
金属粉32を含まない内側被覆層43が、容器本体10の内面を形成する層となっているので、金属粉32が、容器本体10内の内容物に接触するのを確実に防ぐことができる。
内側被覆層43と内層42との間に、第1実施形態で示した遮光層23を設けてもよい。この構成において、遮光層23に金属粉32を含有させてもよい。
容器本体10は、内側被覆層43を有しなくてもよい。
第1合成樹脂50、第2合成樹脂54、第3合成樹脂51、および第4合成樹脂55として、ポリプロピレンに限らず、例えば高密度ポリエチレン等の他の合成樹脂を採用してもよい。
10…容器本体
11…口部
13…胴部
14…底部
20、40…外層
21、41…被覆層
22、42…内層
23…遮光層
30、50…第1合成樹脂
31、51…第3合成樹脂
32…金属粉
34、54…第2合成樹脂
43…内側被覆層
Claims (7)
- 口部、胴部および底部が上方から下方に向けてこの順に連設された合成樹脂製の容器本体を有する押出しブロー容器であって、
前記容器本体は、
着色剤を含んだ第1合成樹脂によって形成されるとともに、光透過性を有する外層と、
前記外層よりも着色剤の含有濃度が少ない第2合成樹脂によって形成されるとともに、前記外層を前記容器本体の外面側から覆い、光透過性を有する被覆層と、
前記外層および前記被覆層よりもヘイズ値が高く、かつ金属粉を含んだ第3合成樹脂によって形成されるとともに、前記外層よりも前記容器本体の内面側に配設された内層と、を備え、
前記内層の肉厚が、前記容器本体の肉厚の50%以上90%以下となっている、押出しブロー容器。 - 前記被覆層のヘイズ値は、1.0%以上10.0%以下となっている、請求項1に記載の押出しブロー容器。
- 前記外層のヘイズ値は、前記被覆層のヘイズ値よりも低い、請求項1または2に記載の押出しブロー容器。
- 前記外層の肉厚は、前記被覆層の肉厚より厚くなっている、請求項1から3のいずれか1項に記載の押出しブロー容器。
- 前記容器本体は、遮光性を有するとともに、前記内層よりも前記容器本体の内面側に配設された遮光層を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の押出しブロー容器。
- 前記容器本体は、前記内層よりも前記容器本体の内面側に配設された内側被覆層を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の押出しブロー容器。
- 前記第3合成樹脂は着色剤を含んでいる、請求項1から6のいずれか1項に記載の押出しブロー容器。
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