JP2008137343A - 金属光沢フィルム、熱成形用シートおよび包装用容器 - Google Patents

金属光沢フィルム、熱成形用シートおよび包装用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】包装用容器の表面に、ムラや色目のばらつき、界面での剥離等を生じることなしに、従来にない奥行き間のある、独特のメタリック調の色彩を表現することができる金属光沢フィルムと、前記金属光沢フィルムを用いて形成される熱成形用シートと、前記熱成形用シートを用いて形成される包装用容器とを提供する。
【解決手段】金属光沢フィルムは、透明フィルムの片面に、光透過性を有する金属光沢層を挟んで着色層を積層した。熱成形用シートは、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、前記金属光沢フィルムを、金属光沢層と着色層とが形成された側の面を接触させた状態で積層した。包装用容器歯、前記熱成形用シートを熱成形して形成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば濃色の、重厚感のあるメタリック調の色彩を表現するために用いる金属光沢フィルムと、前記金属光沢フィルムを用いて形成される熱成形用シートと、前記熱成形用シートを用いて形成される包装用容器とに関するものである。
簡易食品容器等の包装用容器を形成するために用いる熱成形用シートに着色したり、模様を付したりするためには、通常、透明フィルムの片面に、裏写り印刷(バックプリント)を施した着色フィルムが用いられる。すなわち、熱成形用シートのもとになる熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、前記着色フィルムを、裏写り印刷が施された側の面を接触させた状態で、熱接着等して積層することで熱成形用シートが製造され、前記熱成形用シートを、所定の立体形状に熱成形することで包装用容器が製造される。
より高級感のある豪華な印刷を得るために、前記裏写り印刷を、メタリック調とすることが行われる。そのためには、通常の着色フィルムに代えて、透明フィルムの片面に、まず、透明または半透明の着色層を形成し、その上に、銀やアルミニウム等の金属粉を含むインキを印刷して金属光沢層を形成した金属光沢フィルムを用いるのが一般的である。しかし、前記従来の金属光沢フィルムでは、
(1) 濃色の、重厚感のあるメタリック調を表現するために、着色層の色目を濃色にするほど、前記着色層の透明性が低下するため、結果的に、透明フィルムを通して見た外観が、重厚感のあるメタリック調に仕上がらない場合を生じる、
(2) 金属光沢フィルムの、熱接着時に、熱可塑性樹脂シートと直接に接触する面が、多数の金属粉を含む金属光沢層であり、前記金属光沢層は、金属粉を含まない樹脂の層(着色層、透明フィルム等)に比べて熱接着性が悪いため、熱接着した金属光沢フィルムと熱可塑性樹脂シートとが、その後の熱成形時等に、前記金属光沢層と、熱可塑性樹脂シートとの界面で剥離しやすい、
といった問題がある。
金属光沢層に代えて、フィルムの片面に、アルミニウム等の金属を蒸着して金属蒸着層を形成した金属蒸着フィルムを積層する場合もあるが、その場合には、前記金属蒸着フィルムの生産性が低く、製造コストが高くつくため、印刷によって金属光沢層を形成する場合に比べて、金属光沢フィルムの生産性が低下し、製造コストが上昇するという問題がある。また、前記金属光沢フィルムは、金属蒸着層の熱接着性が、先に説明した金属光沢層よりもさらに悪いため、例えば、前記金属蒸着層が、熱接着時に、熱可塑性樹脂シートと直接に接触する面に露出している場合には、熱接着した金属光沢フィルムと熱可塑性樹脂シートとが、その後の熱成形時等に、金属蒸着層と、熱可塑性樹脂シートとの界面で剥離しやすいといった問題もある。
特許文献1には、あらかじめ、所定の色に着色した透明フィルムの片面に、アルミニウム等を蒸着して金属蒸着層を形成した金属光沢フィルムが記載されており、前記金属光沢フィルムは、全体としての層の数が、先のものよりも少ないため、生産性や製造コストの問題を、ある程度は改善できるものと考えられる。しかし、前記金属光沢フィルムは金属蒸着層を有しているため、依然として、先に説明した、金属蒸着層の熱接着性の悪さに基づく剥離の発生を防止できないという問題は、解決されないままである。
特許文献2には、紙等の基材層の表面に色印刷を施し、その上に、金属粉を含むインキを印刷して金属光沢層(高輝度印刷層)を形成した後、前記金属光沢層の表面に保護層を印刷したり、前記保護層としてフィルムを積層したりすることが記載されている。しかし、前記基材層として、特許文献2で主に想定している紙に代えて、簡易食品容器等に常用されている、厚み0.2mm以上といった厚手の熱可塑性樹脂シートを使用した場合には、その上に印刷される金属光沢層の厚みや金属粉の分布等にばらつきを生じやすく、それに伴って、金属光沢層によって表現されるメタリック調に微妙なムラが生じたり、前記金属光沢印刷層を透かして見る、下地の色印刷の色目にばらつきを生じたりするという問題がある。
この原因としては、通常の、厚手の熱可塑性樹脂シートにおいては、厚みのばらつきや表面の凹凸が、薄手のものに比べて相対的に大きいことが挙げられる。すなわち、印刷時に、前記厚みのばらつきや表面の凹凸が大きいと、熱可塑性樹脂シートの、印刷版ロールに対する押し付け圧のばらつきが大きくなるため、例えばグラビア印刷の場合には、グラビア版の、インキが収容されるセル(ポケット)内のインキの、熱可塑性樹脂シートへの転写率がばらついて、前記熱可塑性樹脂シートの表面に形成される印刷層に、厚みのばらつきが生じる。
前記現象は、通常の印刷層の場合も、金属光沢層の場合も、同様に発生し、金属光沢層の場合には、前記のように、メタリック調に微妙なムラが生じたり、下地の色印刷の色目にばらつきを生じたりする。また、特に、保護層としてのフィルムを、熱接着等によって積層した場合には、先に説明したように、金属光沢層の熱接着性が悪いため、熱接着したフィルムが、その後の熱成形時等に、金属光沢層との界面で剥離しやすいという問題もある。
特許文献3には、透明樹脂中に、金属粉を、分散状態で混在させた、つまりちりばめた透明層と、着色した樹脂シート層とを積層した多層シートが記載されている。しかし、前記多層シートは、例えば、金属粉として金色の粉末を用い、かつ樹脂シート層を黒色に着色することで、金蒔絵風の外観を再現するためのものであり、先に説明したメタリック調の色彩を表現するためのものではない。
特開昭54−87784号公報 特開2005−178221号公報 特開2002−178460号公報
本発明の目的は、簡易食品容器等の包装用容器の表面に、ムラや色目のばらつき、あるいは界面での剥離等を生じることなしに、従来にない奥行き間のある、独特のメタリック調、特に着色層の色目を濃色として、濃色の、重厚感のあるメタリック調の色彩を表現することができる金属光沢フィルムと、前記金属光沢フィルムを用いて形成される熱成形用シートと、前記熱成形用シートを用いて形成される包装用容器とを提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、例えば、金属粉を含むインキを印刷するか、あるいは、金属蒸着層を薄付けする等して形成される、光透過性を有する金属光沢層が、その背後を手前より暗くすると金属光沢に見えるが、逆に背後を手前より明るくすると透けて見える、いわゆるハーフミラーとして機能することに着目して、前記金属光沢層と、着色層とを積層する順序を、従来の金属光沢フィルムとは逆にすることを試みた。すなわち、透明フィルムの片面に、まず、光透過性を有する金属光沢層を形成し、次いで、その上に着色層を積層して、色目を、透明フィルムの側から観察したところ、従来にない奥行き間のある、独特のメタリック調、特に着色層の色目を濃色として、濃色の、重厚感のあるメタリック調の色彩を表現できることを見出した。
また、前記金属光沢フィルムによれば、
(a) 熱接着時に、熱可塑性樹脂シートと直接に接触する面が、金属粉を含まないインキを印刷して形成される着色層であり、前記着色層は、金属光沢層に比べて熱接着性に優れているため、熱接着した金属光沢フィルムと熱可塑性樹脂シートとが、その後の熱成形時等に、両者の界面で剥離しにくいこと、
(b) 金属光沢層が、金属粉を含むインキを印刷して形成される場合に、その下地が、熱可塑性樹脂シートよりも薄い、厚み0.2mm未満の透明フィルムであるため、層の厚みや金属粉の分布等にばらつきを生じにくいこと、
(c) 金属光沢層が、金属蒸着層を薄付けして形成される場合には、下地等に関係なく、ほぼ一定の厚みに形成できること、
をも見出した。したがって、本発明の金属光沢フィルムは、透明フィルムの片面に、光透過性を有する金属光沢層と、着色層とを、この順に積層したことを特徴とするものである。
また、本発明の熱成形用シートは、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、前記本発明の金属光沢フィルムを、金属光沢層と着色層とが形成された側の面を接触させた状態で積層したことを特徴とするものである。さらに、本発明の包装用容器は、前記本発明の熱成形用シートを、熱成形して形成されたことを特徴とするものである。なお、光透過性を有する金属光沢層は、先に説明したように、金属粉を含むインキを印刷する印刷法によって形成してもよいし、金属蒸着層を薄付けする蒸着法によって形成してもよいが、特に、金属光沢フィルムの生産性を向上して、製造コストを低減すること等を考慮すると、印刷法によって形成するのが好ましい。
本発明によれば、簡易食品容器等の包装用容器の表面に、ムラや色目のばらつき、あるいは界面での剥離等を生じることなしに、従来にない奥行き間のある、独特のメタリック調、特に着色層の色目を濃色として、濃色の、重厚感のあるメタリック調の色彩を表現することができる金属光沢フィルムと、前記金属光沢フィルムを用いて形成される熱成形用シートと、前記熱成形用シートを用いて形成される包装用容器とを提供することができる。
本発明の金属光沢フィルムは、透明フィルムの片面に、光透過性を有する金属光沢層と、着色層とを、この順に積層したことを特徴とするものである。前記透明フィルムとしては、従来公知の、種々の透明フィルムが、いずれも使用可能である。前記透明フィルムとしては、例えば、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム等の、透明性の高いフィルムが挙げられる。
前記透明フィルムの透明性は、日本工業規格JIS K7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に則って求められるヘーズ値で表して10%以下、特に5%以下であるのが好ましい。ヘーズ値が前記範囲を超える場合には、透明性が低下して、メタリック調の色彩が、十分に表現されないおそれがある。また、透明フィルムの厚みは10〜70μm、特に15〜50μmであるのが好ましい。厚みが前記範囲未満では、透明フィルムの強度が不足して、印刷時や、印刷した透明フィルムを熱可塑性樹脂シートにラミネートする際等に、前記透明フィルムが切れやすくなるおそれがあり、逆に、前記範囲を超える場合には、金属光沢フィルムの製造コストが上昇するだけでなく、前記金属光沢フィルムを熱可塑性樹脂シートにラミネートして形成した熱成形用シートの熱成形性が悪くなるおそれがある。
光透過性を有する金属光沢層は、先に説明したように、金属粉を含むインキを印刷する印刷法によって形成してもよいし、金属蒸着層を薄付けする蒸着法によって形成してもよい。厚みの均一性を向上すること等を考慮すると、後者の、蒸着法によって形成した金属光沢層が好ましいが、金属光沢フィルムの生産性を向上して、製造コストを低減すること等を考慮すると、前者の、印刷法によって形成した金属光沢層が好ましい。金属光沢層は1層でもよいし、2層以上を積層してもよい。
金属光沢層は、着色層を積層して透明フィルムの側から見た際に、先に説明したハーフミラーとしての機能に基づいたメタリック調の色彩を表現できるのであれば、その光透過性の程度は特に限定されないものの、日本工業規格JIS K7361−1:1997「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法」に則って測定された全光線透過率が20〜60%、特に30〜50%であるのが好ましい。全光線透過率が前記範囲未満では、金属光沢層の隠ぺい力が強すぎて、透明フィルムの側から見た際に、その下の着色層の色目との混色による、独特のメタリック調の色彩を表現できないおそれがある。
また、前記範囲を超える場合には、金属光沢層による金属光沢が弱すぎて、やはり、透明フィルムの側から見た際に、その下の着色層の色目との混色による、独特のメタリック調の色彩を表現できないおそれがある。金属光沢層の全光線透過率を、前記範囲内に調整するためには、例えば、印刷法によって形成する金属光沢層の場合には、インキ中に含有させる金属粉を形成する金属の種類や、金属粉の粒径、金属粉の含有割合、金属光沢層の印刷厚み等を調整すればよい。また、蒸着法によって形成する金属光沢層の場合には、前記金属光沢層となる金属蒸着層を形成する金属の種類や、金属蒸着層の厚み等を調整すればよい。
印刷法によって形成する金属光沢層の場合に、その元になるインキに含有させる金属粉としては、例えばアルミニウムペーストやアルミニウム粉、銀粉、金粉、銅粉、青銅粉その他の金属や合金の粉末、金属蒸着細片等の、金属光沢成分として従来公知の、種々の形態を有する金属粉が、いずれも使用可能である。また、例えば黄色や赤色の着色剤をブレンドして色調を調整した金属粉を用いることもできる。前記金属粉を含むインキとしては、透明フィルムを形成する樹脂の表面に印刷することができる、油性もしくは水性の種々のインキが、いずれも使用可能である。
金属粉を含むインキを印刷するための印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の、種々の印刷方法が、いずれも採用できる。金属光沢層は、透明フィルムの片面の全面にベタ印刷して形成してもよいし、積層される着色層のパターンに合わせて、任意のメタリック効果が出るように、所定の平面形状にパターン印刷して形成してもよい。印刷法によれば、任意のパターン印刷が、極めて容易に行えるという利点もある。一方、蒸着法によって形成する金属光沢層をパターン化するためには、透明フィルムの片面に、形成するパターンに合わせたマスクを重ねた状態で、金属蒸着層を薄付けして金属光沢層を形成すればよい。
着色層は、任意の色目に調色されたインキを、前記金属光沢層上の全面にベタ印刷するか、もしくは所定の平面形状にパターン印刷して形成することができる。前記インキとしては、透明フィルムを形成する樹脂や、金属光沢層を形成する樹脂および/または金属の表面に印刷することができる、油性もしくは水性の種々のインキが、いずれも使用可能である。着色層は、積層する熱可塑性樹脂シートの色目を隠蔽するために、不透明であってもよいし、積層する熱可塑性樹脂シートの色目を合わせて、さらに複雑な色調を表現するために透明または半透明であってもよい。また、着色層は、1層のみ形成してもよいし、色目および平面形状の異なる2層以上を積層してもよい。積層する各着色層は、透明、半透明、不透明のいずれかを、任意に選択してもよい。着色層を形成するための印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の、種々の印刷方法が、いずれも採用できる。
透明フィルムの、金属光沢層を形成する片面、および金属光沢層の、着色層を形成する表面には、それぞれの層の密着性を向上するために、一般的に行われる下処理や下印刷を施してもよい。例えば、インキが水性である場合には、前記表面をコロナ放電処理するのが好ましい。
本発明の熱成形用シートは、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面、すなわち片面または両面に、前記本発明の金属光沢フィルムを、金属光沢層と着色層とが形成された側の面を接触させた状態で積層したことを特徴とするものである。熱可塑性樹脂シートとしては、簡易食品容器等の包装用容器を形成するために用いる、従来公知の、種々の熱可塑性樹脂シートが、いずれも使用可能である。前記熱可塑性樹脂シートとしては、例えばポリスチレン系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート等が挙げられる。前記樹脂に、タルク等の充てん剤を含有させた複合材料からなるシートも、熱可塑性樹脂シートとして使用可能である。
熱可塑性樹脂シートは、発泡シートであっても、非発泡シートであってもよいが、その表面が平滑で、凹凸が少ないため、より良好なメタリック調の色彩を表現できることから、非発泡シートであるのが好ましい。また、熱可塑性樹脂シートは単層でも、2層以上の積層構造を有していてもよく、積層構造を有する熱可塑性樹脂シートとしては、主体が発泡シートで、その少なくとも金属光沢フィルムを積層する側の面に非発泡層を積層した積層体等が挙げられる。熱可塑性樹脂シートの厚みは0.2〜3.0mm程度であるのが好ましい。積層構造を有する熱可塑性樹脂シートは、その合計の厚みが、前記範囲内であるのが好ましい。熱可塑性樹脂シートは、無着色でもよいが、先に説明したように、金属光沢フィルムの着色層と共に、さらに複雑な色調を表現するために、任意の色に着色しておいてもよい。
熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、金属光沢フィルムを積層するためには、従来公知の、種々のラミネート方法が、いずれも採用可能である。前記ラミネート方法としては、例えば押出成形直後の、未だ溶融状態の熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、あらかじめ作製しておいた金属光沢フィルムを重ねることで熱溶着させて積層する押出ラミネート法や、あらかじめ作製しておいた熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、金属光沢フィルムを重ねた状態で、一対の熱ロール間を通すことで熱溶着させて積層する熱ラミネート法、あるいは低温で、糊剤を用いて、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、金属光沢フィルムを積層するドライラミネート法等が挙げられる。
また、前記押出ラミネート法や熱ラミネート法を採用して、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、金属光沢フィルムを積層する際に、熱可塑性樹脂シートと、金属光沢フィルムのうち、前記熱可塑性樹脂シートと直接に接触する面を構成する着色層とが、それぞれ、互いに異種の、相溶性を有しない、もしくは相溶性があまり良好でない樹脂からなる場合には、両者の熱接着性を高めるために、前記熱可塑性樹脂シート、および着色層のうち、少なくとも一方の表面に、両樹脂との相溶性または接着性に優れたシール剤からなるシール層を形成しておいてもよい。これにより、例えば、本発明の熱成形用シートを熱成形して形成される本発明の包装用容器を簡易食品容器として使用して、その内部に収容した食品と共に、電子レンジで加熱した際等に、フィルム浮き等の事故が発生するのを防止することができる。
ただし、前記フィルム浮き等が発生するのを防止しながら、全体としての層の数や、製造に要する工程数等をできるだけ少なくすることによって、金属光沢フィルムや熱成形用シートの生産性を向上して、製造コストを低減すること等を考慮すると、前記熱可塑性樹脂シート、着色層、金属光沢層、および透明フィルムは、それぞれ、互いに相溶性、または接着性に優れた樹脂によって形成するのが好ましい。
本発明の包装用容器は、前記本発明の熱成形用シートを、熱成形して形成されたことを特徴とするものである。熱成形方法としては、従来公知の種々の熱成形方法が、いずれも採用可能である。前記熱成形方法としては、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、熱盤圧空成形法等が挙げられる。前記本発明の包装用容器の具体例としては、例えば碗状、皿状、カップ状等の、収容する食品に対応した種々の立体形状を有するトレー等の、簡易食品容器が挙げられ、本発明によれば、前記簡易食品容器等の外面および/または内面を、金属光沢フィルムの機能によって、ムラや色目のばらつき、あるいは界面での剥離等を生じることなしに、これまでにない奥行き間のある、独特のメタリック調、特に着色層の色目を濃色として、濃色の、重厚感のあるメタリック調の色彩に仕上げることが可能となる。
《金属光沢フィルムの製造》
〈実施例1〉
透明フィルムとして、厚み25μm、ヘーズ値1.8%のポリスチレンフィルム〔旭化成(株)製のOPSフィルム〕を使用し、前記透明フィルムの片面の全面に、網グラビアベタ版(彫刻製版200線、深度25μm)を用いたグラビア印刷法によって、金属光沢層用の高輝度銀インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)製のファインラップ(登録商標)スーパーメタリックシルバー〕をベタ印刷して金属光沢層を形成した。前記金属光沢層の全光線透過率を、先に説明したJIS K7361−1:1997に則って測定したところ35%であった。
次に、前記金属光沢層の上の全面に、同仕様の網グラビアベタ版を用いたグラビア印刷法によって、黄色インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)製のSTC−TL 407B中黄〕をベタ印刷して着色層を形成して、本発明にかかる実施例1の金属光沢フィルムを製造した。製造した金属光沢フィルムを、透明フィルムの側から観察したところ、従来の金属光沢フィルムでは得られなかった透明感のあるゴールド調の色彩が見られ、また、見る角度によっては銀が強く、角度を変えると金が強く見える効果があることが確認された。
〈比較例1〉
実施例1で使用したのと同じ透明フィルムの片面に、実施例1で使用したのと同仕様の網グラビアベタ版を用いたグラビア印刷法によって、黄色インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)製のSTC−TL 407B中黄〕をベタ印刷して着色層を形成した後、同仕様の網グラビアベタ版を用いたグラビア印刷法によって、金属光沢層用の高輝度銀インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)製のファインラップ(登録商標)スーパーメタリックシルバー〕をベタ印刷して金属光沢層を形成して、従来の層構成である比較例1の金属光沢フィルムを製造した。製造した金属光沢フィルムを、透明フィルムの側から観察したところ、黄色が主体でメタリック調が不十分な、単調な仕上がりになっているのが確認された。
また、黄色インキに代えて、茶色インキをベタ印刷して着色層を形成して、同様に透明フィルムの側から観察したところ、金属光沢層による輝度感が隠蔽されてしまって、やはり十分なメタリック調が得られないことが確認された。なお、茶色インキとしては、黒色インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)社製のSTC−TL 805墨〕10重量%と、赤色インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)社製のSTC−TL 105紅〕30重量%と、黄色インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)製のSTC−TL 407B中黄〕60重量%とを混合した混合物100重量部に、溶剤〔大日本インキ化学工業(株)製のSTCレジューサー〕40重量部を加えたものを用いた。
《熱成形用シートの製造》
〈実施例2、比較例2〉
実施例1で製造した金属光沢フィルムと、厚み0.6mmのポリスチレン系樹脂シートとを、押出ラミネート法によって積層して、実施例2の熱成形用シートを製造した。すなわち、前記ポリスチレン系樹脂シートを、Tダイ法によって、樹脂温度220℃で押出成形しながら、押出成形直後の、未だ溶融状態のポリスチレン系樹脂シートの片面に、金属光沢フィルムの、金属光沢層と着色層とが形成された側の面を重ね合わせることで熱溶着させて、実施例2の熱成形用シートを製造した。また、比較例1で製造した金属光沢フィルムを使用したこと以外は実施例2と同様にして、比較例2の熱成形用シートを製造した。
そして、製造した実施例2、比較例2の熱成形用シートの、フィルムを積層した側と反対側の面に、カッターナイフを用いて、浅くノッチを入れてノッチ部を山折りしたところ、実施例2の熱成形用シートでは、ポリスチレン系樹脂シートと、金属光沢フィルムとが、強固に接着していたため、金属光沢フィルムが剥離することなく、熱成形用シートが破断した。一方、比較例2の熱成形用シートでは、ノッチ部を山折りして、軽い力で引き離そうとしたところ、金属光沢フィルムの金属光沢層と、ポリスチレン系樹脂シートとの界面で剥離してしまった。
以上の結果から、比較例1の金属光沢フィルムを用いて製造した比較例2の熱成形用シートは、前記比較例1の金属光沢フィルムの、ポリスチレン系樹脂シートと直接に接触する面が、多数の金属粉を含む金属光沢層であって、熱接着性が悪いため、剥離強度が低くなっていることが判った。
これに対し、実施例1の金属光沢フィルムを用いて形成した実施例2の熱性形容シートは、前記実施例1の金属光沢フィルムの、ポリスチレン系樹脂シートと直接に接触する面が、金属粉を含まないインキを印刷して形成される着色層であって、金属光沢層よりも熱接着性に優れているため、比較例2に比べて、剥離強度を向上できることが確認された。
《包装用容器の製造》
〈実施例3〉
実施例2で製造した熱成形用シートを真空圧空成形して、包装用容器としての簡易食品容器を製造した。そして、外観を観察したところ、従来の金属光沢フィルムでは得られなかった透明感のあるゴールド調の色彩が見られ、また、見る角度によっては銀が強く、角度を変えると金が強く見える、高級感のある金食器の風合いを出すことができた。また、金属光沢フィルムの着色層を、黄色インキに代えてワインレッド色のインキを用いて形成した場合には、メタリックレッド調の色彩が見られ、この場合にも、見る角度によっては銀が強く見える効果が得られることが確認された。
〈比較例3〉
比較例2で製造した熱成形用シートを真空圧空成形して、包装用容器としての簡易食品容器を製造した。そして、外観を観察したところ、全体としてはゴールド調に見える効果があるものの、透明感がなく、のっぺりとした質感になることが判った。また、透明フィルム側から見た場合、金属光沢層との間に着色層が介在しているため、前記金属光沢層の持つ、本来的な輝度感が、十分に出ていないことも判った。

Claims (4)

  1. 透明フィルムの片面に、光透過性を有する金属光沢層と、着色層とを、この順に積層したことを特徴とする金属光沢フィルム。
  2. 透明フィルムの片面に、金属粉を含むインキを印刷して金属光沢層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の金属光沢フィルム。
  3. 熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、請求項1または2に記載の金属光沢フィルムを、金属光沢層と着色層とが形成された側の面を接触させた状態で積層したことを特徴とする熱成形用シート。
  4. 請求項3に記載の熱成形用シートを、熱成形して形成されたことを特徴とする包装用容器。

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