JP4694736B2 - プローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 - Google Patents

プローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡、特にプローブ先端の開口の大きさを制御する手法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な顕微鏡は、試料に対して非接触、非破壊で微細極小部位の観察が行え、さらに分光分析器等を接続することにより観察対象の形状、構造のみでなく、その成分等まで分析することも可能であり、各種の分野で応用が行なわれている。
しかしながら、一般的な光学顕微鏡は、光の波長より小さなものは観察することができず、その分解能には限界がある。光には回折限界があり、使用する波長程度までしか絞れないからである。
【0003】
この回折限界を越えた極微小領域での観察を可能にしたのが、例えば数十〜百nm程度の微小開口をもつプローブを用いた近接場光学顕微鏡である。
図1には近接場光学顕微鏡の概略が示されている。この近接場光学顕微鏡10による試料測定は次のようにして為される。すなわち、微小な被測定試料12は平坦な基板14の上に配置されている。そして、光源16からの光18を先鋭化されたプローブ22に入射すると、光波長以下の口径のプローブ22先端開口から、エバネッセント光20と呼ばれる表面波が、開口近傍にしみだした状態で発生する。この表面波はプローブ先端付近表面から光波長以内の距離の領域に局在している。
【0004】
この時、プローブ22先端と試料表面を近づけることで、試料表面とプローブ22表面に生じたエバネッセント光20の場が接触すると、エバネッセント光20は試料表面外へ散乱する。その散乱光21の一部はプローブ22内に進入し、ビームスプリッタ19を介して分光器38を通し検出器24に導光され、コンピュータ26でデータ処理される。
したがって、前記コンピュータ26、ステージコントローラ28により、ステージ30を移動し、検出器24で検出される散乱光21の強度が一定となるようにプローブ22先端部と試料12間の上下方向の距離を制御しつつ、試料12の被測定面を走査すれば、該試料12に非接触でかつ試料12の凹凸を的確に把握することが可能となる。また、エバネッセント光20により励起された試料の蛍光や、ラマン光等を検出することで、成分解析も可能となる。
このように、プローブ先端付近表面から光波長以内の距離の領域に局在しているエバネッセント光を測定光として用いることで、回折限界を超えた微小領域の測定が可能となるのである。
【0005】
また、試料測定面と逆側(基板14側)から光照射することにより、試料測定面側の表面近傍にエバネッセント光の場を発生し、その場にプローブ先端部を差し込むことでエバネッセント光の場を散乱し、その散乱光を該開口より集光して近接場光測定を行うこともできる。
【0006】
そして、図2に示すようにプローブ22は、光透過性を有する誘電体等の材質で構成されたコア32と、該コア32表面に蒸着等で形成した金属薄膜のマスク34を備える。
このマスク先端部には、開口36が形成され、該開口36よりコア先端部32aが表出している。
【0007】
このようなプローブ先端の開口は、次のようにして作製される。すなわち、まず光ファイバのコアの先端を選択化学エッチング法や、熱して引き延ばす方法等により先鋭化する。
そして、この先鋭化ファイバに真空中で金属を加熱・蒸発させ、プローブの表面に薄膜として蒸着させ、金属薄膜等のマスクを形成する。
次に、この先端部のマスクを、例えば収束イオンビーム(FIB)によるイオン切削等で除去すると、開口36が作製される。
或いは、プローブを回転させながら斜め後方から金属膜を蒸着すると、プローブ先端のみ被覆されず、その近傍の金属膜の薄い部分と共に開口とすることができるので、この方法によっても開口36を作製できる。
このようにして作製されたプローブ22は、近接場光学顕微鏡10の近接場ヘッド31に取り付けられ、前述のような近接場光測定が行なわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近接場光学顕微鏡の分解能を向上させるためには、プローブの先端に、再現性よく目的の大きさの開口を作製する必要がある。
しかしながら、前記したイオン切削による開口作製方法では、開口径の大きさは制御できるものの加工が非常に難かしい。
また、斜め蒸着による開口作製方法では蒸着装置のローカリティの問題で再現性よく作製できない。
このため、作製されたプローブを、実際に近接場光学顕微鏡に取り付けて測定を行うと、測定がうまく行えない場合があった。
【0009】
このため従来より、プローブの先端に再現性よく目的の大きさの開口を作製することのできる技術の開発が強く望まれていたが、これを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、再現性よく所望の大きさの開口を容易に作製することのできるプローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にかかるプローブ開口作製装置は、光透過性を有する材質で構成されたコアと、該コア上に形成され、延性及び遮光性を有する材質で構成されたマスクと、を備えたプローブの先端部のマスクを所望の大きさで開口する装置であって、
光源と、反射手段と、光検出手段と、押付手段と、記憶手段と、算出手段と、押付制御手段と、
を備えたことを特徴とする
ここで、前記反射手段は、前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光を該当接面で反射する。
【0011】
また、前記光検出手段は、前記先端部と反射手段の当接部位からの反射光の光量を検出する。
前記押付手段は、前記先端部と反射手段との光軸方向の押付けを行なう。
前記記憶手段は、あらかじめ前記反射光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している。
前記算出手段は、所望の大きさの開口を得るための前記反射光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める。
前記押付制御手段は、前記光検出手段により検出される前記反射光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段により前記プローブ先端部と反射手段との光軸方向の押付けを制御する。
【0012】
なお、ここでいう光透過性を有する材質で構成されたコアとは、例えば石英、半導体、CaF、カルコゲナイト等の光ファイバ材料等の材質で構成されたものをいう。
また、延性及び遮光性を有する材質で構成されたマスクとは、コア上に蒸着等で形成された金、アルミニウム、銀、クロム、チタン等のミラーに使用される金属薄膜等をいう。
【0013】
また、プローブ先端部のマスクを開口するとは、プローブ先端部のマスクは延性を有するので、プローブ先端部と反射手段とを光軸方向に押付けると、序々に薄く引き延ばされて開口が形成され、該マスク開口よりコア先端部が表出することをいう。
また、ここにいう反射光の光量とは、マスクに開口が形成されていない時点では、反射手段とプローブコア部がマスクで遮蔽されているため光量値はゼロであり、マスクに開口が形成されると、反射手段とプローブ先端部が当接する面から反射手段が反射する反射光が開口からコアへ入り、その開口の大きさと共に光量値が増大するものをいう。
【0014】
なお、本発明にかかるプローブ開口作製装置において、前記押付手段としては、前記プローブ先端部のマスクがちぎれることなく序々に薄く延ばされて開口するように、前記プローブ先端部と反射手段とを光軸方向に押付ける送り手段を用いることが好適である。
【0015】
また、このようなプローブ開口作製装置を備えた本発明にかかる近接場光学顕微鏡は、該開口作製装置により開口が形成されたプローブ先端部で試料の被測定面のエバネッセント光の場を散乱し、その散乱光を該開口より集光し、あるいは該開口よりしみ出したエバネッセント光を被測定面に照射し、その散乱光ないし反射光を該開口より集光し、又は外部光学系により集光し、試料の被測定面の情報を得ることを特徴とする。
【0016】
また、このような近接場光学顕微鏡において、
開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを検査する開口径検査機構を備え、該開口径検査機構は、
光源と、反射手段と、光検出手段と、押付手段と、記憶手段と、比較手段と、
を備えることが好適である。
ここで、前記光源は、前記プローブに光を入射する。
【0017】
前記反射手段は、前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光を該当接面で反射する。
前記光検出手段は、前記先端部と反射手段の当接部位からの反射光の光量を検出する。
前記押付手段は、前記先端部と反射手段との光軸方向の押付けを行なう。
前記記憶手段は、あらかじめ前記反射光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している。
比較手段は、前記光検出手段により検出された反射光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報に当てはめ、前記プローブ先端部の開口の大きさを求める。
【0018】
さらに、このような近接場光学顕微鏡において、
開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを変更する開口径調整機構を備え、該開口径調整機構は、
光源と、反射手段と、光検出手段と、押付手段と、記憶手段と、設定手段と、算出手段と、押付制御手段と、
を備えることが好適である。
ここで、前記光源は、前記プローブに光を入射する。
【0019】
前記反射手段は、前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光を該当接面で反射する。
前記光検出手段は、前記先端部と反射手段の当接部位からの反射光の光量を検出する。
前記押付手段は、前記先端部と反射手段との光軸方向の押付けを行なう。
前記記憶手段は、あらかじめ前記反射光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している。
設定手段は、前記プローブ先端部の開口について所望の大きさを設定する。
算出手段は、前記設定手段により設定された大きさの開口を得るための前記反射光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める。
押付制御手段は、前記光検出手段により検出される反射光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段によるプローブ先端部と反射手段との光軸方向の押付けを制御する。
【0020】
また、前記したプローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡において、前記反射手段に代えて、前記プローブ先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光による光励起で、該当接面から発光する発光手段を用いることも可能である。
【0021】
また、前記発光手段の励起源として、光源の代わりに発光手段に直流電圧を印加する電圧印加手段を用い、発光手段を該電圧印加手段による電圧印加で発光させてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態について説明する。
図3には本発明の一実施形態にかかる近接場光学顕微鏡の概略構成が示されている。なお、前記図1と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
同図に示す近接場光学顕微鏡110に設置された基板114上には、試料112が配置されており、プローブ122の先端部では、光源116から導光された入射光118により開口からエバネッセント光120がしみだしている。
【0023】
このエバネッセント光120がしみだしたプローブ122の先端部を試料測定面に近づけると、試料測定面によりエバネッセント光120の場が散乱され、その散乱光121の一部は開口よりプローブ122内に進入し、ビームスプリッタ119を介して分光器138によりレイリー光、ラマン光及び蛍光等必要に応じて各光成分に分離された後、検出器124により検出され、コンピュータ126でデータ処理されることにより得られたレイリー光強度からプローブの先端と被測定面間の距離を把握することができる。
【0024】
すなわち、ステージコントローラ128でXYZステージ130を制御して、前記プローブ122先端部と試料112被測定面との間の上下方向の距離を、検出器124で検出されたレイリー光強度が一定となるように調節しつつ試料112の被測定面を走査すれば、試料112に非接触でかつ試料112の凹凸を的確に把握することが可能となる。さらに、前記分光スペクトルより試料112の被測定面の各測定点における成分情報を同時に得ることが可能となる。
ところで、プローブ122は、通常は近接場ヘッド131に取り付けられているが、消耗品なので、該ヘッド131より取外し、交換する必要がある。
【0025】
この時、プローブ122先端の開口の出来具合が近接場光学顕微鏡の分解能等に大きく影響する。従来の方法で開口を作成した場合、開口の出来具合にバラツキを生じてしまい、例えば既に作製されている市販品等のプローブを他の同じ型のものに交換し、近接場ヘッドに取り付けて測定したとしても、該測定が満足のゆく明るさ、交換前と同じ精度で行なえない場合があった。
この原因の詳細については未だ不明な点もあるが、本発明者らによれば、いくらプローブ開口の機械的寸法を精度よく作製しても、実際の測定に用いられると、開口の光透過効率が異なる場合があり、プローブを交換すると、該開口の光透過効率が変わってしまうことが一因として考えられる。
【0026】
また、個々の顕微鏡によって、ステージには多少の傾きがある場合が多く、既製品のプローブをそのままヘッドにとりつけて用いると、ステージ面とプローブ開口面が平行とならず、ずれがある場合がある。これによりプローブ開口よりエバネッセント光を試料の被測定面に均一に照射できなかったり、試料の被測定面から均一にエバネッセント光の場を散乱した光を集光できないことも測定精度に影響を与える一因と考えられる。
そこで、本発明において第一に特徴的なことは、近接場光学顕微鏡に付属して、開口が形成されていないプローブ先端部に開口を所望の大きさで作製可能なプローブ開口作製装置を備えたことである。
【0027】
本実施形態においては、図5に示した開口作製装置139を設けている。
ここで、実際に近接場光学測定に用いられるXYZステージ130の基板114は、通常の近接場光学測定を行なうエリアA1と、開口作製等のためのエリアA2に分けられている。
このエリアA1、A2の基盤114上部からの配置の一例を図4に示す。基盤上のエリアA2には、プローブ開口作製装置の反射手段140を、その反射面146が基板114の面と同一面となるように設けられている。
ここで、反射手段140は、その表面の反射面146で、コア132を通してプローブ開口に導光された、光源116からの入射光118を反射する。
【0028】
そして、図5に示すプローブ開口作製装置139は、前記光源116と、前記XYZステージ130(押付手段)と、前記コンピュータ126のHDD142(記憶手段)と、前記コンピュータ126のCPU144(算出手段,押付制御手段)を備える。また、プローブ122はプローブ開口端と逆方向に続くファイバの適当な部位で近接場光学顕微鏡の近接場ヘッドに固定されている。
ここで、近接場光学顕微鏡で用いられる光源116を、プローブ開口作製装置139の光源としても用いている。
この光源116によりプローブ122に入射光118を入射する。
【0029】
そして、開口作製時にはXYZステージ130により、反射手段140の反射面146をプローブ先端部に徐々に押付けることで、先端部のマスク134が徐々に薄く引き延ばされる。押付けを続けると、コア132がマスクから表出し、開口が作製される。
【0030】
ここで、近接場光学顕微鏡で用いられるXYZステージ130のZ軸方向の駆動機構であるステージコントローラ128を、開口作製装置139の押付手段としても用いている。
また、前記近接場光学顕微鏡で用いられるコンピュータ126のHDD142を、開口作製装置の記憶手段としても用いている。押付けにより開口が大きくなる程検出される反射光の光量も大きくなり、開口の大きさと反射光の光量には一対一の関係があるので、これをあらかじめ検量情報として記憶しておくことで、反射光の光量をモニターすることにより所望の大きさの開口が得られる。
【0031】
このHDD142はあらかじめ、前記プローブ122先端部からの反射光の光量と開口の大きさとの検量情報を記憶している。
また、前記近接場光学顕微鏡で用いられるコンピュータ126のCPU144を、開口作製装置の算出手段としても用いている。
このCPU144は、所望の大きさの開口を得るための光量値を、HDD142に記憶されている検量情報より求める。
また、前記近接場光学顕微鏡で用いられるコンピュータ126のCPU144を、開口作製装置の押付制御手段としても用いている。
【0032】
このCPU144は、検出器124(光検出手段)により検出された光量値が、該CPU144により算出された光量値となるように、XYZステージ130による反射手段とプローブ先端部との光軸方向の押付けを制御する。
すなわち、図6(A)に示すように開口が形成されていないプローブ122先端部に、反射手段140の反射面146を当接させる。
【0033】
そして、同図(B)に示すように入射光118によるプローブ先端部からの反射光の光量を検出器(CCDカメラ等)124により検出し、その光量値をコンピュータ126でモニタしながら、XYZステージ130により基板114を上動させることにより、プローブ122先端部に反射手段140の反射面146を図中上方に徐々に押付ける。
徐々に押付けると、プローブ先端部のマスク134は延性を有するので、徐々に薄く引き延ばされ、次第に開口が形成され、同図(C)に示すように該開口よりコア132の先端部132aが表出する。
【0034】
コア132の先端部132aが表出すると、それまでゼロであった検出器124により検出される光量値が開口径が広がるに従い増大するので、コンピュータ126は、XYZステージ130のZ軸方向の移動機構により、所望の開口径が得られる光量値となるまで、プローブ122先端部に反射手段140を徐々に押付ける。
すると、同図(C)に示すようにプローブ122先端部のマスク134には開口136が所望の開口径dで作製されている。
【0035】
このため、発光の光量をモニタしながら、同時に開口を作製することができるので、プローブを交換した場合であっても、再現性よく目的の大きさの開口を作製することができる。例えば真円状の開口を作製したり、コア部の突出を小さくすることが容易にできる。また、開口部分で反射する光量に基づいた制御であるため、従来の形状に基づいた制御に比して作製した各プローブ間での光透過効率のバラツキが大幅に改善される。
【0036】
また、実際に使うサンプルステージ面と反射手段140の反射面を同一面となるように設け、開口を作製するので、たとえステージ面が傾いている場合であっても、そのステージ面と平行な開口面を形成することができる。しかも、このようにして開口が作製されたプローブを近接場ヘッドに取り付けたまま、測定を行なうので、測定を正確に行なえる。
さらに、開口作製装置の各構成部材の機能を近接場光学顕微鏡の各構成部材を用いて実現しているため、これらを別個に設けた場合に比較し、構成の簡略化、装置の小型化等が図られる。
【0037】
このようにして近接場光学顕微鏡の近接場ヘッドに取り付けられた状態で作製されたプローブをステージ130の通常の近接場光学測定エリアA1で交換まで使用し続けることができる。
また、前述のようにして作製された開口も使用しているうちに開口径が変わってしまう場合がある。
しかしながら、従来はこれを簡易に検査する手段が存在しなかった。さらに、プローブを顕微鏡から取外した後検査を行なう必要があり、検査後プローブを再び取り付けた後、プローブの振動振幅等を制御する光学系との光軸調整等が再度必要となり、非常に手間のかかる作業を要した。
【0038】
そこで、本発明において第二に特徴的なことは、近接場光学顕微鏡に前記プローブ開口作製装置により開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを検査可能な開口径検査機構を備え、該検査をプローブを近接場ヘッドに取り付けたまま行なったことである。
このために本実施形態においては、図7に示されるような開口径検査機構147を設けている。
【0039】
同図において、開口径検査機構147は、前記光源116と、前記HDD(記憶手段)142と、前記反射手段(反射手段)140と、CPU(比較手段)144を備える。
ここで、前記XYZステージ130は、プローブ先端部に反射手段140の反射面146を当接させる。
前記CPU(比較手段)144は、検出器124(光検出手段)により検出した、光源116からの入射光118による反射面146からの反射光の光量値を、HDD142(記憶手段)に記憶されている検量情報に当てはめ、プローブ先端部の開口の大きさを求める。
【0040】
この結果、通常の近接場光学測定時、プローブ122は、XYZステージ140のエリアA1上に位置するが、開口径の検査を行う際は、図8(A)に示すように開口作製装置により開口が形成されているプローブ122をXYZステージのエリアA2に移動する。
そして、同図(B)に示すようにプローブ122を取り付けたまま、XYZステージ130により、プローブ先端部に反射手段140の反射面146を当接させるだけで、所定の径の開口が開いているか否かの検査を容易に行なえる。
【0041】
すなわち、入射光照射時の、開口と反射面146の当接部位からの反射光の光量値と、開口の大きさとは一対一の関係があるので、プローブ先端部に反射手段140の反射面146を当接させた状態で、該先端部からの反射光の光量を検出器124により検出し、CPU144で該検出された光量値を、HDD142に記憶されている検量情報に当てはめることでプローブ先端部の開口の大きさを求めることができる。
さらに、開口径検査機構の各構成部材の機能を近接場光学顕微鏡(開口作製装置)の各構成部材を用いて実現しているため、これらを別個に設けた場合に比較し、構成の簡略化、装置の小型化等が図られる。
【0042】
そして、検査後、開口径が測定上問題ない場合は、プローブをXYZステージのエリアA1上に復帰させ、通常の近接場光学測定を行わせる。
しかし、前述のようにして作製された開口も使用しているうちに開口径が変わってしまう場合があったり、変わらなくても、作製後、これを変更したい場合がある。
しかしながら、従来は変更時にプローブを交換する必要があり、プローブを取り付けた後、プローブの振動振幅等を制御する光学系との光軸調整等が必要となり、非常に手間のかかる作業を要した。
【0043】
そこで、本発明において、第三に特徴的なことは、近接場光学顕微鏡に、プローブ開口作製装置により開口が形成されているプローブの開口の大きさを変更可能な開口径調整機構を備え、該開口の大きさの変更を、プローブを近接場ヘッドに取り付けたまま行なったことである。
このために本実施形態においては、図9に拡大して示されるような開口径調整機構149を設けている。
この開口径調整機構149は、前記光源116と、前記反射手段140と、前記XYZステージ130(押付手段)と、前記HDD(記憶手段)142と、前記CPU(算出手段,押付制御手段)144と、入力デバイス(設定手段)151を備える。
【0044】
前記入力デバイス151は、プローブ先端部の開口について所望の大きさをコンピュータ126に設定可能とする。
前記CPU(算出手段)144は、入力デバイス151より設定された開口径を、HDD142に記憶されている検量情報に当てはめ、該所望の開口径を得るための、プローブ先端と反射面146との当接部位からの反射光の光量値を求める。
前記CPU(押付制御手段)144は、検出器124(光検出手段)により検出した、光源116からの入射光による反射面146からの反射光の光量値が、前記CPU144により算出された光量値となるように、XYZステージ130のZ軸方向の移動(上動)により、反射手段140の反射面146のプローブ先端部への押付けを制御する。
また、近接場光学顕微鏡で用いられるXYZステージ130のZ軸方向の駆動機構であるステージコントローラ128を、開口径調整機構149の押付手段としても用いている。
【0045】
この結果、通常の近接場光学測定時、プローブはXYZステージのエリアA1上に位置するが、開口径の検査、変更を行う際は、図10(A)に示すように開口作製装置により開口が形成されているプローブ122をXYZステージ130の基板114のエリアA2に移動する。
そして、同図(B)に示すようにプローブ先端部に反射手段140の反射面を当接させ、入力デバイス151より開口の所望の大きさを入力する。
そして、CPU144は、入力デバイス151より入力された開口の大きさを得るための光量値を、HDD142に記憶されている検量情報に当てはめて求める。
【0046】
そして、プローブ先端部に反射手段140の反射面146を当接させた状態で、CPU144は、該先端部からの反射光の光量を検出器124により検出しながら、検出された光量値が、あらかじめCPU144により算出された光量値となるように、XYZステージ130のZ軸方向の移動により、反射手段の反射面のプローブ先端部への押付けを制御することにより、同図(C)のように、プローブ開口136の開口径d´への変更を容易に行なえる。
そして、開口径の変更後、プローブをXYZステージのエリアA1上に復帰させ、通常の近接場光学測定を行わせる。
【0047】
このように本実施形態は、プローブ122を取り付けたまま、プローブ先端部に反射手段の反射面を押付けるだけで、開口の大きさの変更を容易に、かつ所望の大きさで行なえる。
さらに、開口径調整機構の各構成部材の機能を近接場光学顕微鏡(開口作製装置、開口径検査機構)の各構成部材を用いて実現しているため、これらを別個に設けた場合に比較し、構成の簡略化、装置の小型化等が図られる。
以上のように本実施形態にかかる近接場光学顕微鏡110によれば、実際に開口の光透過光量をモニタしながら開口を作製する開口作製装置139を備えることとしたので、再現性よく目的の大きさの開口を作製することができる。
【0048】
しかも、実際に使うサンプルステージ面と反射手段140の反射面を同一面となるように設け、開口を作製するので、ステージ面と平行な開口面を形成することができる。
このようにして作製されたプローブをそのまま交換するまで近接場光学測定で使用し続けるので、エリアA1での近接場光学測定を正確に行なえる。
また、本実施形態では、開口径検査機構147を備えることにより、プローブを顕微鏡より取外すことなく、該プローブをステージのエリアA1と同一面のエリアA2に移動するだけで、開口が形成されているプローブの開口の検査を容易に行なえる。
【0049】
さらに、本実施形態では、開口径調整機構149を備えることにより、プローブを顕微鏡より取外すことなく、プローブをエリアA1と同一面のエリアA2に移動するだけで、開口の大きさの変更を容易に、かつ所望の大きさで行なえる。
なお、本発明の近接場光学顕微鏡は、前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば前記構成では、本発明のプローブ開口作製装置を近接場光学顕微鏡に組み込んだ例について説明したが、本発明のプローブ開口作製装置を単独で用いることも可能である。
【0050】
また、前記構成では、プローブのZ軸方向の位置を固定し、反射手段をZ軸方向に移動(上動)し、反射手段をプローブ先端部に押付けた例について説明したが、反射手段のZ軸方向の位置を固定し、Z軸方向の微動送り機構等により、プローブをZ軸方向に移動(下動)し、該プローブ先端部を光検出手段に押付けてもよい。
【0051】
また、以上説明したプローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡において、前記反射手段に代えて、前記プローブ先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光による光励起で、該当接面から発光する発光手段を用いることも可能である。すなわち、図3〜図10により説明した実施形態において、反射手段140の代わりに発光手段を用いた、開口作製装置、或いは該装置と開口径検査機構、開口径調整機構を用いた近接場光学顕微鏡も可能である。
【0052】
ここで、発光手段は、そのプローブ先端部と当接する側の表面近傍に、蛍光等を発する発光物質を含有する。そして、コアを通してプローブ先端部の開口へ導光される前記光源116からの前記入射光118による光励起で、該当接面から発光する。
そして、該発光手段からの発光の光量を検出することにより、上述同様の方法で開口作製、検査等を行う。
【0053】
さらに、プローブ開口作製装置、開口検査機構及び開口調整機構における前記発光手段の励起源として、光源の代わりに発光手段に直流電圧を印加する電圧印加手段を用い、発光手段を該電圧印加手段による電圧印加で発光させてもよい。
【0054】
すなわち、図11にはプローブ開口作製装置において、該電圧印加手段を用いた態様が示されている。すなわち、本態様では、基板114に存在する発光手段は電圧印加手段137により該発光手段に印加された直流電圧で蛍光等の発光を発する。このような発光手段に用いる発光材料として具体的には有機EL素子、無機発光ダイオード等を用いることができる。
【0055】
図12には本態様における、基板114の上部からの配置の一例が示されている。XYZステージ130の基板114は、通常の近接場光学測定を行なうエリアA1と、開口作製のためのエリアA2に分けられている。
基板上のエリアA2には、プローブ開口作製装置の発光手段140aを、その発光面146aが基板114の面と同一面となるように設けられている。
ここで、発光手段140aからの発光は、発光面146aと当接した開口を通してプローブのコアへ導光され、検出器で発光の光量を検出する。
【0056】
そして、他には光源が特に必要ないこと以外は前述した場合と変わらない構成で用いられる。さらに、これを備えた近接場光学顕微鏡、或いはこのような電圧印加型の前記開口径検査機構、開口径調整機構をさらに備えた近接場光学顕微鏡の構成も可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるプローブ開口作製装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡によれば、前記反射光の光量と、開口の大きさとの関係を検量情報としてあらかじめ記憶し、該反射光の光量で開口の大きさを制御することとしたので、プローブ先端部に開口を所望の大きさで容易に作製することができる。
また、本発明にかかる近接場光学顕微鏡によれば、開口が形成されているプローブの開口の大きさを検査する開口径検査機構を備えることにより、プローブの開口の大きさの検査を容易に行なえる。
さらに、本発明にかかる近接場光学顕微鏡によれば、開口が形成されているプローブの開口の大きさを変更する開口径調整機構を備えることにより、プローブの開口の大きさの変更を容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な近接場光学顕微鏡の概略構成の説明図である。
【図2】プローブの説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる近接場光学顕微鏡の概略構成の説明図である。
【図4】図3に示した近接場光学顕微鏡のプローブ開口作製装置の設置箇所の説明図である。
【図5】図3に示した近接場光学顕微鏡のプローブ開口作製装置の概略構成の説明図である。
【図6】図5に示したプローブ開口作製装置の作用の説明図である。
【図7】図3に示した近接場光学顕微鏡の開口径検査機構の概略構成の説明図である。
【図8】図7に示した開口径検査機構の作用の説明図である。
【図9】図3に示した近接場光学顕微鏡の開口径調整機構の概略構成の説明図である。
【図10】図9に示した開口径調整機構の作用の説明図である。
【図11】図3に示した近接場光学顕微鏡のプローブ開口作製装置の一態様を示した説明図である。
【図12】図11に示した近接場光学顕微鏡のプローブ開口作製装置の設置箇所の説明図である。
【符号の説明】
10、110 近接場光学顕微鏡
12、112 試料
14、114 基板
16、116 光源
18、118 入射光
19、119 ビームスプリッタ
20、120 エバネッセント光
21、121 散乱光
22、122 プローブ
24、124 検出器
26、126 コンピュータ
28、128 ステージコントローラ
30、130 XYZステージ
32、132 コア
132a コア先端部
34、134 マスク
36、136 開口
137 電圧印加手段
38、138 分光器
139 開口作製装置
140 反射手段
140a 発光手段
142 HDD
144 CPU
146 反射面
146a 発光面
147 開口径検査機構
149 開口径調整機構
151 入力デバイス

Claims (12)

  1. 光透過性を有する材質で構成されたコアと、該コア上に形成され、延性及び遮光性を有する材質で構成されたマスクと、を備えたプローブの先端部のマスクを所望の大きさで開口する装置であって、
    光源と、
    前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光を該当接面で反射する反射手段と、
    前記先端部と反射手段の当接部位からプローブへ帰還する反射光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と反射手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記反射光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    所望の大きさの開口を得るための前記反射光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める算出手段と、
    前記光検出手段により検出される前記反射光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段により前記プローブ先端部と反射手段との光軸方向の押付けを制御する押付制御手段と、
    を備えたことを特徴とするプローブ開口作成装置。
  2. 請求項1記載のプローブ開口作製装置を備え、該開口作製装置により開口が形成されたプローブ先端部で試料の被測定面に生じたエバネッセント光の場を散乱し、その散乱光を該開口より集光し、あるいは該開口よりしみ出したエバネッセント光を試料の被測定面に照射し、その散乱光ないし反射光を該開口より集光し、又は外部光学系により集光し、試料の被測定面の情報を得ることを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  3. 請求項2記載の近接場光学顕微鏡において、
    開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを検査する開口径検査機構を備え、該開口径検査機構は、
    光源と、
    前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光を該当接面で反射する反射手段と、
    前記先端部と反射手段の当接部位からプローブへ帰還する反射光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と反射手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記反射光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    前記光検出手段により検出された反射光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報に当てはめ、前記プローブ先端部の開口の大きさを求める比較手段と、
    を備えたことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  4. 請求項3記載の近接場光学顕微鏡において、
    開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを変更する開口径調整機構を備え、該開口径調整機構は、
    光源と、
    前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光を該当接面で反射する反射手段と、
    前記先端部と反射手段の当接部位からプローブへ帰還する反射光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と反射手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記反射光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    前記プローブ先端部の開口について所望の大きさを設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された大きさの開口を得るための前記反射光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める算出手段と、
    前記光検出手段により検出される反射光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段によるプローブ先端部と反射手段との光軸方向の押付けを制御する押付制御手段と、
    を備えたことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  5. 光透過性を有する材質で構成されたコアと、該コア上に形成され、延性及び遮光性を有する材質で構成されたマスクと、を備えたプローブの先端部のマスクを所望の大きさで開口する装置であって、
    光源と、
    前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光による光励起で、該当接面から発光する発光手段と、
    前記先端部と発光手段の当接部位からプローブへ帰還する発光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と発光手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記発光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    所望の大きさの開口を得るための前記発光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める算出手段と、
    前記光検出手段により検出される前記発光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段により前記プローブ先端部と発光手段との光軸方向の押付けを制御する押付制御手段と、
    を備えたことを特徴とするプローブ開口作製装置。
  6. 請求項5記載の装置において、
    前記光源の代わりに前記発光手段に直流電圧を印加する電圧印加手段を備え、
    前記発光手段は、該電圧印加手段による電圧印加で励起され発光することを特徴とするプローブ開口作製装置。
  7. 請求項5記載のプローブ開口作製装置を備え、該開口作製装置により開口が形成されたプローブ先端部で試料の被測定面に生じたエバネッセント光の場を散乱し、その散乱光を該開口より集光し、あるいは該開口よりしみ出したエバネッセント光を試料の被測定面に照射し、その散乱光ないし反射光を該開口より集光し、又は外部光学系により集光し、試料の被測定面の情報を得ることを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  8. 請求項7記載の近接場光学顕微鏡において、
    開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを検査する開口径検査機構を備え、該開口径検査機構は、
    光源と、
    前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光による光励起で、該当接面から発光する発光手段と、
    前記先端部と発光手段の当接部位からプローブへ帰還する発光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と発光手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記発光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    前記光検出手段により検出された発光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報に当てはめ、前記プローブ先端部の開口の大きさを求める比較手段と、
    を備えたことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  9. 請求項8記載の近接場光学顕微鏡において、
    開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを変更する開口径調整機構を備え、該開口径調整機構は、
    光源と、
    前記先端部と当接する面を有し、前記コアを通して前記開口へ導光される前記光源からの入射光による光励起で、該当接面から発光する発光手段と、
    前記先端部と発光手段の当接部位からプローブへ帰還する発光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と発光手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記発光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    前記プローブ先端部の開口について所望の大きさを設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された大きさの開口を得るための前記発光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める算出手段と、
    前記光検出手段により検出される発光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段によるプローブ先端部と発光手段との光軸方向の押付けを制御する押付制御手段と、
    を備えたことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  10. 請求項6記載のプローブ開口作製装置を備え、該開口作製装置により開口が形成されたプローブ先端部で試料の被測定面に生じたエバネッセント光の場を散乱し、その散乱光を該開口より集光し、あるいは該開口よりしみ出したエバネッセント光を試料の被測定面に照射し、その散乱光ないし反射光を該開口より集光し、又は外部光学系により集光し、試料の被測定面の情報を得ることを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  11. 請求項10記載の近接場光学顕微鏡において、
    開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを検査する開口径検査機構を備え、該開口径検査機構は、
    前記発光手段に直流電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記プローブ先端部と当接する面を有し、前記電圧印加手段による電圧印加で励起され該当接面から発光する発光手段と、
    前記先端部と発光手段の当接部位からプローブへ帰還する発光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と発光手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記発光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    前記光検出手段により検出された発光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報に当てはめ、前記プローブ先端部の開口の大きさを求める比較手段と、
    を備えたことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
  12. 請求項11記載の近接場光学顕微鏡において、
    開口が形成されているプローブ先端部の開口の大きさを変更する開口径調整機構を備え、該開口径調整機構は、
    前記発光手段に直流電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記プローブ先端部と当接する面を有し、前記電圧印加手段による電圧印加で励起され該当接面から発光する発光手段と、
    前記先端部と発光手段の当接部位からプローブへ帰還する発光の光量を検出する光検出手段と、
    前記先端部と発光手段との光軸方向の押付けを行なう押付手段と、
    あらかじめ前記発光の光量と開口の大きさについての検量情報を記憶している記憶手段と、
    前記プローブ先端部の開口について所望の大きさを設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された大きさの開口を得るための前記発光の光量を、前記記憶手段に記憶されている検量情報より求める算出手段と、
    前記光検出手段により検出される発光の光量が、前記算出手段により算出された光量となるように、前記押付手段によるプローブ先端部と発光手段との光軸方向の押付けを制御する押付制御手段と、
    を備えたことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
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