JP4527614B2 - 開口作製装置及び開口作製方法 - Google Patents
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また、非特許文献1による方法を用いる場合、個々のチップをカンチレバーに接着させSPMに装着し、遮光金属膜残滓を板状試料に固着させた後、さらにカンチレバーとチップを分離させる作業が必要となる。カンチレバーへのチップの接着および分離作業、SPMへのカンチレバーの実装作業は多くの時間を要し、また専用のチップ接着、分離装置が必要となりコストがかかり、さらに作業中の取り扱いによりチップが破損する可能性が増大する。
そこで本発明は、特許文献1に記載の方法で開口形成されたチップ表面に付着した遮光金属膜残滓を除去する方法において、作業工程に要する時間を少なくし、作業に必要となるコストを低減する簡便な手段を提供することを目的とする。
また、複数のチップ先端の遮光金属膜の除去を同時に行うことができるため、作業効率をあげることができる。
まず、近接場光プローブとなるチップ先端の遮光金属膜を塑性変形し開口形状を決定する。このチップ先端の遮光金属膜の塑性変形方法は特許文献1に記載の方法であり、本明細書の「従来の技術」において図13、図14、図15を用いて概略を説明している。遮光金属膜103にはAlを使用する。この方法によればストッパー102によって板1401の変位量を良好に制御することができ、かつ、板1401の変位量を非常に小さくできる。したがって、チップ101先端に形成する開口108の形状を決定することができる。図16は、チップ101先端の概略図である。チップ101先端に形成された開口108の表面には、遮光金属膜残滓201が付着したままである。このままでは、基板側から光を照射して開口108から近接場光を発生させたとき、同一の大きさの開口108であっても近接場光エネルギーや、近接場光の分布がばらついている。
この結果、同じ大きさの開口108を有したチップ101からは、均一なエネルギーと分布の近接場光を発現させることができる。
また、遮光金属膜103と板107に被覆する金属薄膜の組み合わせは、熱圧着による接着が起こればよく、Au、Alに限らない。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における遮光金属膜残滓201の除去を行うための装置を示す概略図である。まず、近接場光プローブとなるチップ101先端の遮光金属膜103を塑性変形し開口108形状を決定する。遮光金属膜103には、Alを使用する。このチップ101先端の遮光金属膜103の塑性変形方法は特許文献1に記載の方法であり、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における遮光金属膜残滓201の除去を行うための装置を示す概略図である。まず、近接場光プローブとなるチップ101先端の遮光金属膜103を塑性変形し開口108形状を決定する。遮光金属膜103には、Alを使用する。このチップ101先端の遮光金属膜103の塑性変形方法は特許文献1に記載の方法であり、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
図9は、複数のチップ101の遮光金属膜残滓201の除去を行うための装置を示す概略図である。試料台106上には複数のワーク100が固定されており、これら全体を覆うようにして、Auの薄膜109が形成された板107を載せている。このような機構にすることで、同様にして複数のチップ101先端に付着した遮光金属膜残滓201を同時に除去することができる。
さらに、チップ101先端の遮光金属膜103を塑性変形し開口108を作製する装置と、図7の本発明の実施の形態3における遮光膜残滓201除去の装置は、それぞれ別個である必要性は無い。図23は、遮光金属膜103を塑性変形し開口108を形成する装置と、遮光金属膜残滓201除去の装置を一体型にした装置の概略図である。遮光金属膜103を塑性変形する板1401と、遮光金属膜残滓201を熱圧着および超音波付加によりAuの薄膜109に固相拡散で固着させるのに使用する板107を同一の板2101にすることで、両工程を行う装置を一体型にすることができる。この結果、開口108の作製を効率化し時間短縮を行うことができる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における遮光金属膜残滓201の除去を行うための装置を示す概略図である。まず、近接場光プローブとなるチップ先端の遮光金属膜を塑性変形し開口形状を決定する。遮光金属膜103には、Alを使用する。このチップ先端の遮光金属膜の塑性変形方法は特許文献1に記載の方法であり、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
そこで、顕微鏡1001によってチップ101先端の状態をモニターしながら、完全に遮光金属膜残滓201が除去できるまで、Auの薄膜109とチップ101先端を接触させるプロセスを繰り返す。この結果、チップ101毎に遮光膜残滓201の付着の仕方に個体差があったとしても完全に除去することができる。
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5における遮光金属膜残滓201の除去を行うための装置を示す概略図である。まず、近接場光プローブとなるチップ101先端の遮光金属膜103を塑性変形し開口108の形状を決定する。遮光金属膜103には、Alを使用する。このチップ101先端の遮光金属膜103の塑性変形方法は特許文献1に記載の方法であり、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態5における遮光金属膜残滓201の除去を行うための装置を示す概略図である。まず、近接場光プローブとなるチップ101先端の遮光金属膜103を塑性変形し開口108の形状を決定する。遮光金属膜103には、Alを使用する。このチップ101先端の遮光金属膜103の塑性変形方法は特許文献1に記載の方法であり、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
そこで、光源1201から入射光1202をチップ101に導入し、開口108を透過する光1203の光量を、顕微鏡1001によって測定しながら、完全に遮光金属膜残滓201が除去され開口108の透過光量が変化しなくなるまでAuの薄膜109とチップ101先端を接触させるプロセスを繰り返す。
101 チップ
102 ストッパー
104 基盤
105 透明層
107 板
108 開口
109 Auの薄膜
110 熱源
F 力
201 遮光金属膜残滓
401 超音波付加装置
1001 顕微鏡
1201 光源
1202 入射光
1203 開口108を透過する光
1401 板
1402 押し込み用具
1701 チップ
1702 カンチレバー
1703 遮光金属膜
1706 試料台
1707 板状試料
1708 平面
2101 板
Claims (8)
- 錐状に形成されたチップと前記チップ上に形成された遮光金属膜とを有する近視野光デバイスと、前記チップと同一の略平坦な面に形成されるとともに前記チップの近傍に配置され、尾根状に形成されたストッパーとを備える被開口形成体の前記チップ先端に光学的な開口を形成する開口作製装置であって、
前記チップを覆うとともに前記ストッパーの少なくとも一部を覆うように前記被開口形成体の上に載置され、且つ前記チップと対向する第1の面上に金属膜を有する板材と、
前記板材の前記第1の面とは反対側の第2の面上に設けられ、前記板材に対して前記第2の面側から前記第1の面側に所定の加重を加え、前記板材のしなりを用いて前記チップ先端の前記遮光金属膜を塑性変形させる押し込み用具と、
前記板材に設けられた前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを接触させ、前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓を前記金属膜に付着させて剥離除去することにより、前記チップ先端に前記開口を形成する残滓除去手段と
を有することを特徴とする開口作製装置。 - 前記残滓除去手段は、前記板材に設けられた前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを接触させた後に、前記板材を介して前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを加熱し、過熱した後に常温に戻すことにより前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを熱圧着させる熱源を有することを特徴とする請求項1に記載の開口作製装置。
- 前記残滓除去手段は、前記板材に設けられた前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを接触させた後に、前記被開口形成体に対して超音波振動を与え、共振により拡散が起こった前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓との付着により前記遮光金属膜の残滓の除去を行う超音波付加装置を有することを特徴とする請求項1に記載の開口作製装置。
- 前記金属膜はAuであり、前記遮光金属膜はAlであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の開口作製装置。
- 錐状に形成されたチップの先端に光学的な開口を形成する開口作製方法であって、
前記チップと前記チップ上に形成された遮光金属膜とを有する近視野光デバイスと、前記チップと同一の略平坦な面に形成されるとともに前記チップの近傍に配置され、尾根状に形成されたストッパーとを備える被開口形成体に、前記チップを覆うとともに前記ストッパーの少なくとも一部を覆うように板材を載置し、押し込み用具により前記板材に所定の加重を加えて、前記板材のしなりを用いることにより、前記チップ先端の前記遮光金属膜を塑性変形させる第1の工程と、
前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓を前記板材の表面に形成した金属膜に付着させて剥離除去することにより、前記チップ先端に前記開口を形成する剥離除去する第2の工程と
を有することを特徴とする開口作製方法。 - 前記第2の工程は、前記板材の表面に形成された前記金属膜と、前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを接触させる接触工程と、前記板材を介して前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを加熱し、過熱した後に常温に戻す第2の加熱工程と、前記板材を前記チップ先端から引き離して前記金属膜に付着した前記チップ先端の前記遮光金属膜の残滓を剥離させて除去する剥離工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の開口作製方法。
- 前記第2の工程は、前記板材の表面に形成された前記金属膜と、前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを接触させる接触工程と、前記被開口形成体に対して超音波振動を与え、共振により拡散が起こった前記金属膜と前記チップ先端において塑性変形した前記遮光金属膜の残滓とを付着させる加振工程と、前記板材を前記チップ先端から引き離して前記金属膜に付着した前記チップ先端の前記遮光金属膜の残滓を剥離させて除去する剥離工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の開口作製方法。
- 前記チップに光を入射し前記開口を透過する光量を測定しながら、測定された前記光量に基づいて、前記第2の工程を繰り返すことを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の開口作製方法。
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