JP4693087B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP4693087B2
JP4693087B2 JP2004034489A JP2004034489A JP4693087B2 JP 4693087 B2 JP4693087 B2 JP 4693087B2 JP 2004034489 A JP2004034489 A JP 2004034489A JP 2004034489 A JP2004034489 A JP 2004034489A JP 4693087 B2 JP4693087 B2 JP 4693087B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
film
layer
acid
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004034489A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005225936A (ja
Inventor
孝 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2004034489A priority Critical patent/JP4693087B2/ja
Priority to EP04818928A priority patent/EP1686148A4/en
Priority to PCT/JP2004/017087 priority patent/WO2005049701A1/ja
Publication of JP2005225936A publication Critical patent/JP2005225936A/ja
Priority to US11/436,146 priority patent/US7833614B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4693087B2 publication Critical patent/JP4693087B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

本発明は、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として、手切れ性に優れる包装材料に関する。
従来、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材で手切れ性が良いことを求められることが多い。例えば、菓子、粉薬等の小袋包装材では、手切れ性が良いと内容物を取り出しやすいという大きなメリットがある。こうした手切れ性を出す材料としては、セロハンや、セロハンに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をコーティングした、所謂防湿セロハンや、セロハンに塩化ビニリデンをコーティングしたフィルム(Kコートセロハン)が用いられている。
しかし、セロハン、防湿セロハン、あるいはKコートセロハンは、優れた手切れ性を有するものの、フィルムの特性が湿度によって変わったり、印刷特性が悪かったりする。基本品質である厚さ振れがポリエステルフィルムより非常に大きい。また、基材のセロハンは、高価であり、将来的に供給面での不安もある。さらに、Kコートセロハンについては 環境面の配慮(燃焼時ダイオキシンの発生の可能性)から、使い難い状況となっている。
一方、ポリエステルフィルムは、機械的特性、寸法安定性、耐熱性、耐水性、透明性など優れた特性により包装材料として用いられているが、その優れた機械的特性が災いして、手切れ性が悪いという問題点を有している。
上記欠点を解決する方法としては、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム(特許文献1)、ジエチレングリコール成分などを共重合させたもの(特許文献2)、低分子量のポリエステル樹脂を用いるもの(特許文献3)などが提案されてきた。
しかしながら、上記従来技術において、一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、またジエチレングリコール成分などを多量に共重合させる方法は、共重合により本来の特性が失われるという欠点を有している。さらに、低分子量のポリエステル樹脂を用いる方法は、延伸工程でのフィルム破断のトラブルが発生しやすく実用的ではなかった。
特許文献4および5には、配向を崩壊させた層を介在させる方法が提案されているが、配向を壊す速度を均一にコントロールすることが困難であるため、ポリエチレンテレフタレート(PET)単体の二軸延伸ポリエステルフィルム(PETフィルム)に比べて厚さ振れが大きくなる問題点がある。
また、特許文献6の非晶性ポリエステルを混合する方法や特許文献7の非晶性ポリエステル層を介在させる方法も提案されているが、そもそも非晶性ポリエステルは結晶化ポリエステルより厚さ振れが大きいので、PETフィルムと同等の厚さ振れのフィルムを得られない問題は残ったままである。
特許文献8では、結晶性が高いポリブチレンテレフタレート(PBT)を混合する方法が提案されているが、ポリブチレンテレフタレートと他のポリエステルを単純に混合するだけでは厚さ振れがPETフィルムと同等までには改善できないという問題が残っている。
特公昭55−8551号公報 特公昭56−50692号公報 特公昭55−20514号公報 特公開5−104618号公報 特願平2002−371183号公報 特公開2003−155403号公報 特公開2003−220678号公報 特願平2002−300428号公報
本発明は、上記の従来の問題点を解決しようとするものであり、その解決課題は、製膜安定性に優れ、加工性、機械的特性に優れ、厚さ振れが少なく、手切れ性のよい、フィルム厚さ振れの少ない、非セロファン系のフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるフィルムによれば、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリブチレンテレフタレートと、共重合ポリエステルまたは非晶性ポリエステルの少なくとも一種とを含むポリエステル層(A層)とポリエステル層(B層)とをフィルムの製造工程内で積層したフィルムであって、A層の断面を観察したときに、最大長さが1μm以上の未相溶のポリブチレンテレフタレート塊の数が100μmあたり1.0個以下であり、フィルムの長手方向および幅方向の端抵抗値が100N以下であり、A層の融解開始温度以上融点以下の温度で延伸後に熱処理されたフィルムであることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリブチレンテレフタレートとは、酸成分としてテレフタル酸と、グリコール成分として1,4−ブタンジオールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。かかるポリマーはホモポリマーであってもよく第3成分を共重合させたものでもよい。
共重合ポリエステルとは、酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸、グリコール成分がエチレングリコールからなるポリエステルで代表される。また、他の共重合成分をさらに共重合させたものでもよい。
他の共重合成分として酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸等を例示することができる。またアルコール成分としてはジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等を例示することができる。これらは単独あるいは2種以上を使用することができる。
本発明でいう非晶性ポリエステルとは、実質的に結晶性を示さないポリエステル樹脂のことを示す。具体的には、ガラス転移温度から融点までの温度領域においてその樹脂を放置した際に、結晶化度が5%以下のポリエステルのことをいう。このような非晶性ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレートを酸変性および/またはジオール変性した非晶性共重合ポリエステルが好ましい。共重合に用いられる酸変性成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオール変性成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等をそれぞれ例示することができる。このような非晶性ポリエステル樹脂の中でも、耐熱性、力学的特性、透明性などの観点から、テレフタル酸を主とする二塩基酸成分と1,4−シクロヘキサンジメタノールを10〜70モル%含むジオール成分からとなるポリエステル樹脂が好ましい。
本発明においてA層以外の層(以下、B層と呼ぶ)を構成するポリエステルとしては、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーが好ましい。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して 重縮合させる方法が採用される。B層の融点は、通常A層より高く、10℃以上高い融点にすることが好ましい。
B層を構成するポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
A層はポリブチレンテレフタレートと、共重合ポリエステルまたは非晶性ポリエステルの少なくとも一種とを含む。フィルムの引裂性を向上させるために、一軸延伸後の熱処理工程において、A層の融解開始温度より15℃低い温度以上の熱処理を行うと十分な引裂性を得ることができ、好ましい。
また、B層の厚みは8μm以下であることが好ましく、A層の片面あるいは両面にB層の総厚みが8μm以下または50%以下になるように積層してもよい。
本発明のポリエステルフィルム中には、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の粒径や量は目的に応じ適宜決めることができる。含有させる微粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えばポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適である。また、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等をフィルム中に加えることもできる。
本発明のポリエステルフィルムは、上記したポリエステル原料から適宜選択したものをエクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。この際、A層のポリエステル原料として、事前に溶融混合させたチップを使用すると、フィルムの向のA層の断面を観察したとき、最大長さが1μm長以上の未相溶のPBT塊の数を100μmあたり1.0個以下にすることが容易にできる。次いでスリット状のダイより溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してフィルム化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。本発明においては、包装材料として十分な寸法安定性、腰を得るため延伸倍率を面積倍率として9倍以上、好ましくは12倍以上であることが好ましい。
本発明において、延伸後の熱処理温度はA層の融解開始温度より通常15℃低い温度以上であり、融解開始温度以上融点以下であることが好ましい。A層の融解開始温度より15℃低い温度未満の熱処理では十分な引裂性は得られないことがあり、またA層の融点を超える温度での熱処理では、フィルムが容易に引裂性けすぎるため、製膜時の巻取り工程やスリット工程あるいは加工時に容易に破断したりする可能性がある。
本発明のポリエステルフィルムは、A層の断面を観察したとき、最大長さが1μm長以上の未相溶のPBT塊の数が100μmあたり1.0個以下である必要がある。1μm長以上の未相溶のPBT塊が100μmあたり1.0個より多くあると、厚さ振れが大きくなったり、手切れ性の悪い箇所が存在したりする。
本発明のポリエステルフィルムの端抵抗は100N以下、好ましくは20〜80Nである。端抵抗が100Nを超えるとフィルムの引裂性が損なわれる。20N未満であると、フィルムが容易に引裂け過ぎて、加工時に破断したりする可能性がある。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、通常9〜50μm、好ましくは12〜38μmである。
本発明のポリエステルフィルムに意匠性を付与する印刷をし、その後、シーラント層とラミネートしたフィルムは、手切れ性の良い包装材として使用することができる。その代表的な例としては、薬の小袋包装を挙げることができる。また、本発明のポリエステルフィルムに金属または金属酸化物からなるバリアー層を蒸着により設けたり、既存のバリアー層をコートしたりして得たガスバリアーフィルムは、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。アルミニウム箔とラミネートしたものも、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。
本発明によれば、製膜安定性に優れ、加工性、機械的特性に優れた、厚さ振れの少ない、手切れ性の良いポリエステルフィルムを供給することができ、その工業的価値は高い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
(2)フィルム厚みの測定方法
フィルムを10枚重ねてマイクロメータ法にて厚さを測定し、得られた値を10で除して、その平均値をフィルム厚みとした。
(3)積層ポリエステル層の厚みの測定方法
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(4)融解開始温度、融点の測定方法
融解開始温度(Tim)融点(Tpm)の測定はパーキンエルマー性示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、JIS K7121のDSC曲線の読み方に従い融点を検知した。
(5)厚さ振れの測定方法
安立電気社製連続厚み測定機にて、長手方向に9m測定し、3m毎の最大厚みと最小厚みの差の平均値をRp3、幅方向1m分を最大厚みと最小厚みの差の10点平均値をRvとした。
(6)端抵抗の測定方法 JIS C2318−1975の測定方法で平均値を端抵抗値とした。
(7)引裂性の測定方法
フィルムに切れ込みを入れずに、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
(8)PBT塊の測定方法
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、低温プラズマ灰化装置で灰化後、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうち未相溶のPBT塊は明暗によって観察され、100μm分の観察したときの1μm長以上のPBT塊の個数を計測した。これをフィルム10箇所について行い、平均値をPBT塊の個数とした。
以下の実施例および比較例にて使ったポリエステル原料は次の方法にて製造した。
<ポリエステル1の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、多価アルコール成分として1.4ブタンジオールを使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。 このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.80dl/gで、原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は213℃、融点(Tpm)は222℃であった。
<ポリエステル2の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.69dl/gで、この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は175℃、融点(Tpm)は196℃であった。
<ポリエステル3の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は15モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.69dl/gで、この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は198℃、融点(Tpm)は220℃であった。
<ポリエステル4>
PETG(イーストマンケミカル社製 EASTAR 6763)を使用した。このポリエステル原料は極限粘度([η])は0.75dl/g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)の含有量は32モル%であった。
<ポリエステル5の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法にて、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する、極限粘度([η])は0.70dl/gのポリエステルチップを得た。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は242℃、融点(Tpm)は254℃であった。
<ポリエステル6の製造法>
ポリエステル1を50部とポリエステル2を50部ブレンド後、二軸押出機で溶融混錬しチップ化して得た。ポリエステル6に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は11モル%であった。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は202℃、融点(Tpm)は213.222℃のダブルピークであった。
<ポリエステル7の製造法>
ポリエステル3を50部とポリエステル6を50部ブレンドして得た。ポリエステル7に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は13モル%であった。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は195℃、融点(Tpm)は215℃であった。
<ポリエステル8の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル2を50部とポリエステル5を25部ブレンド後、二軸押出機で溶融混錬しチップ化して得た。 ポリエステル8に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は11モル%であった。この原料得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は195℃、融点(Tpm)は217℃であった。
<ポリエステル9の製造法>
ポリエステル1を50部とポリエステル4を50部ブレンド後、二軸押出機で溶融混錬しチップかして得た。ポリエステル9に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノール含量は16モル%であった。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は150℃、融点(Tpm)は200℃であった。
<ポリエステル10の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル3を50部とポリエステル4を25部ブレンド後、二軸押出機で溶融混錬しチップ化して得た。ポリエステル10に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸量は7.5モル%、ジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノール含量は16モル%であった。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は170℃、融点(Tpm)は200℃であった。
<ポリエステル11の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル3を75部ブレンドした。ポリエステル11に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は11モル%であった。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は195℃、融点(Tpm)は219℃であった。
<ポリエステル12の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル2を50部とポリエステル5を25部ブレンドした。ポリエステル11に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は11モル%であった。この原料から得られたポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は195℃、融点(Tpm)は212℃、233℃のダブルピークであった
(実施例1)
ポリエステル5とポリエステル7のペレットをそれぞれ別の単軸押出機に溶融させて、積層ダイを用い、ポリエステル5(B層)/ポリエステル7(A層)/ポリエステル5(B層)の構成の2種3層積層ポリエステル樹脂を表面温度30℃の冷却ドラムに押出して急冷し、厚さ約250μmの未延伸フィルムを得た。次いで、70℃にて縦方向に3.6倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.3倍の横延伸、200℃で5秒間の熱処理を行い、厚さ16μmの積層ポリエステルフィルムを得た。B層/A層/B層の厚み構成は、2μm/12μm/2μmだった。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、厚さ振れが少なく手切れ性の良いフィルムだった
(実施例2)
ポリエステルフィルムのB層/A層/B層の厚み構成を4μm/8μm/4μmとした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、厚さ振れが少なく比較的手切れ性の良いフィルムであった
(実施例4)
A層の原料にポリエステル8を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、厚さ振れが少なく、手切れ性の良いフィルムであった
(実施例5)
A層の原料にポリエステル9を使用し、横延伸後の熱処理温度を190℃とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、厚さ振れが少なく手切れ性の良いフィルムであった
(実施例6)
A層の原料にポリエステル10を使用し、横延伸後の熱処理温度を190℃とした以外は実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、厚さ振れが少なく、手切れ性の良いフィルムであった
(実施例7)
A層の原料にポリエステル11を使用し、ポリエステル11のペレットを二軸押出機で溶融させた以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、厚さ振れが少なく、手切れ性の良いフィルムであった。
(比較例1)
A層の原料にポリエステル11を使用し、ポリエステル11のペレットを単軸押出機で溶融させた以外は実施例7と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性は良かったが、厚さ振れが大きかった。
(比較例2)
A層の原料にポリエステル12を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。 得られたフィルムの特性を下記表3に示す。このフィルムは、手切れ性は良かったが、厚さ振れが大きかった。
(比較例3)
A層の原料にポリエステル3を使用し、横延伸後の熱処理温度を225℃とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。このフィルムは、手切れ性は良かったが、厚さ振れが悪かった。
(比較例4)
A層の原料にポリエステル5を使用し、横延伸後の熱処理温度を225℃とした以外は実施例3と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。このフィルムは、厚さ振れは少なかった、手切れ性が悪かった。
以上、得られた結果をまとめて下記表に示す。なお、各表中、PETはポリエチレンテレフタレート、PBTはポリブチレンテレフタレート、IPAはイソフタル酸、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール、PETGはCHDMを32モル%共重合した1,4-シクロヘキサンジメタノールをそれぞれ意味する。
Figure 0004693087
Figure 0004693087
Figure 0004693087

本発明のフィルムは、例えば、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリブチレンテレフタレートと、共重合ポリエステルまたは非晶性ポリエステルの少なくとも一種とを含むポリエステル層(A層)とポリエステル層(B層)とをフィルムの製造工程内で積層したフィルムであって、A層の断面を観察したときに、最大長さが1μm以上の未相溶のポリブチレンテレフタレート塊の数が100μmあたり1.0個以下であり、フィルムの長手方向および幅方向の端抵抗値が100N以下であり、A層の融解開始温度以上融点以下の温度で延伸後に熱処理されたフィルムであることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
JP2004034489A 2003-11-18 2004-02-12 二軸延伸ポリエステルフィルム Expired - Lifetime JP4693087B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004034489A JP4693087B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 二軸延伸ポリエステルフィルム
EP04818928A EP1686148A4 (en) 2003-11-18 2004-11-17 BI-ORIENT POLYESTER FILM
PCT/JP2004/017087 WO2005049701A1 (ja) 2003-11-18 2004-11-17 二軸延伸ポリエステルフィルム
US11/436,146 US7833614B2 (en) 2003-11-18 2006-05-16 Biaxially stretched polyester film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004034489A JP4693087B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 二軸延伸ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005225936A JP2005225936A (ja) 2005-08-25
JP4693087B2 true JP4693087B2 (ja) 2011-06-01

Family

ID=35000905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004034489A Expired - Lifetime JP4693087B2 (ja) 2003-11-18 2004-02-12 二軸延伸ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4693087B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1806380A4 (en) * 2004-08-11 2010-06-16 Mitsubishi Polyester Film Corp BIAXIALLY ORIENTED POLYESTER FOIL
JP2009214356A (ja) * 2008-03-09 2009-09-24 Mitsubishi Plastics Inc 二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP6865560B2 (ja) * 2016-11-18 2021-04-28 スタープラスチック工業株式会社 多層フィルム及び包装体

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0281630A (ja) * 1988-09-20 1990-03-22 Toray Ind Inc ポリエステル複合フィルム
JPH02137923A (ja) * 1988-11-18 1990-05-28 Toray Ind Inc 金属蒸着フイルム
JPH08132523A (ja) * 1994-11-09 1996-05-28 Toray Ind Inc 低熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH11302405A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Unitika Ltd 易引裂性ポリエステルフィルム
JP2002003623A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Mitsubishi Polyester Film Copp 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2002020595A (ja) * 2000-07-05 2002-01-23 Mitsubishi Chemicals Corp 共重合ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる延伸フィルム
JP2003004913A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Toyobo Co Ltd 光学用フィルム及び積層体
JP2003041106A (ja) * 2001-05-18 2003-02-13 Mitsubishi Chemicals Corp 共重合ポリエステル樹脂組成物および延伸フィルム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0281630A (ja) * 1988-09-20 1990-03-22 Toray Ind Inc ポリエステル複合フィルム
JPH02137923A (ja) * 1988-11-18 1990-05-28 Toray Ind Inc 金属蒸着フイルム
JPH08132523A (ja) * 1994-11-09 1996-05-28 Toray Ind Inc 低熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH11302405A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Unitika Ltd 易引裂性ポリエステルフィルム
JP2002003623A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Mitsubishi Polyester Film Copp 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2002020595A (ja) * 2000-07-05 2002-01-23 Mitsubishi Chemicals Corp 共重合ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる延伸フィルム
JP2003041106A (ja) * 2001-05-18 2003-02-13 Mitsubishi Chemicals Corp 共重合ポリエステル樹脂組成物および延伸フィルム
JP2003004913A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Toyobo Co Ltd 光学用フィルム及び積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005225936A (ja) 2005-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4405120B2 (ja) ヒートシール性を有するポリ乳酸系二軸延伸積層フィルム
US7833614B2 (en) Biaxially stretched polyester film
KR20040091576A (ko) 공압출, 열시일성 및 필러블 폴리에스테르 필름, 그 제조공정 및 그 용도
JP2002146071A (ja) 白色ポリ乳酸フィルム
JP2010280921A (ja) 白色ポリ乳酸フィルム
JP2003268131A (ja) ポリエステルフィルム
JP5594135B2 (ja) ポリ乳酸系積層シート
JPWO2005105440A1 (ja) 易引裂き性2軸延伸ポリエステル系フィルム
JP4693087B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2007176521A (ja) カップ型食品包装蓋材
JP4386386B2 (ja) 易引裂性積層ポリエステルフィルム
JP5423464B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JP4439387B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP4885419B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP4610179B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
WO2006016569A1 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2007160577A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP4156337B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2006051662A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2006052300A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP4967504B2 (ja) 二軸延伸ポリエステル系フィルム積層体
JP2006175625A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2008194945A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2004330476A (ja) 二軸延伸積層ポリエステルフィルム
JP2004136448A (ja) 積層ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061113

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100804

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101206

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4693087

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term