JP2006175625A - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 シーラント層のみのラミネートでも使用できる、手切れ性、引裂性の良い、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料として好適なフィルムなポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 ブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル層(A)の両面にポリエステル層(A)の融点より10℃以上高いポリエステル層(B)を積層し、フィルムの長手方向および幅方向の端裂抵抗値が80N以下であり、破断伸び率が50%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 ブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル層(A)の両面にポリエステル層(A)の融点より10℃以上高いポリエステル層(B)を積層し、フィルムの長手方向および幅方向の端裂抵抗値が80N以下であり、破断伸び率が50%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として使用した際に、手切れ性に優れる包装材料に関する。
従来、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材について、手切れ性が良いことが求められることが多い。例えば、菓子、粉薬等の小袋包装材では、手切れ性が良いと内容物を取り出しやすいという大きなメリットがある。こうした手切れ性を出す材料としては、セロハンや、セロハンに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をコーティングした、所謂防湿セロハンや、セロハンに塩化ビニリデンをコーティングしたフィルム(Kコートセロハン)が用いられている。
セロハン、防湿セロハン、或いはKコートセロハンは、優れた手切れ性を有するものの、フィルムの特性が湿度によって変わったり、印刷特性が悪かったりする。基本品質である厚さ振れがポリエステルフィルムより非常に大きい。また、基材のセロハンは、高価であり、将来的に供給面での不安もある。さらに、Kコートセロハンについては 環境面の配慮(燃焼時ダイオキシンの発生の可能性)から、使い難い状況となっている。
一方、ポリエステルフィルムは機械的特性、寸法安定性、耐熱性、耐水性、透明性など優れた特性により包装材料として用いられるが、その優れた機械的特性が災いして、手切れ性が悪いという問題点を有している。
上記欠点を解決する方法としては、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム(特許文献1)やジエチレングリコール成分などを共重合させたもの(特許文献2)や低分子量のポリエステル樹脂を用いるもの(特許文献3)などが提案されてきた。
しかしながら、上記従来技術において一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、またジエチレングリコール成分などを多量に共重合させる方法は、共重合により本来の特性が失われるという欠点を有している。さらに、低分子量のポリエステル樹脂を用いる方法は、延伸工程でのフィルム破断のトラブルが発生しやすく実用的ではなかった。
特許文献4、5の共重合ポリエステルを使用し、配向を崩壊させた層を介在させる方法が提案されているが、これらのフィルムは基材/アルミ箔/シーラント層等、アルミ泊や紙といった手で簡単に引き裂ける材料を介した構成の包装袋の基材として使用する場合はどこからでも簡単に手で引き裂ける包装袋として有効であるが、アルミ箔や紙などを介さないで基材とポリエチレン等のシーラント層のみのラミネート構成で包装袋を作成した場合、手で引き裂こうとするとフィルムが伸びて簡単に引き裂くことができない問題点が残った。
本発明は、上記の従来の問題点を解決しようとするものであり、シーラント層のみのラミネートでも使用できる手切れ性(引裂性)の良いフィルムを提供することを解決課題とするものである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル層(A)の両面にポリエステル層(A)の融点より10℃以上高いポリエステル層(B)を積層し、フィルムの長手方向および幅方向の端裂抵抗値が80N以下であり、破断伸び率が50%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
本発明でいうポリブチレンテレフタレートは、酸成分としてテレフタル酸と、グリコール成分として1,4−ブタンジオールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。かかるポリマーはホモポリマーであってもよく第3成分を共重合させたものでもよい。
本発明でいう共重合ポリエステルとは、酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸、グリコール成分がエチレングリコールからなるポリエステルで代表される。また、さらに他の共重合成分を共重合させてもよい。
他の共重合成分として酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸等を例示することができる。またアルコール成分としてはジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等を例示することができる。これらは単独あるいは2種以上を使用することができる。
ポリエステル層(A)はブチレンテレフタレート単位を含むポリエステルであり、融点が240℃以下であることが好ましい。ポリエステル層(B)の融点は、ポリエステル層(A)より10℃以上高く、好ましくは20℃以上高い融点にするとよい。
また、ポリエステル層(B)の総厚みは、全体に厚みに対して25%以下、さらには15%以下にするのが好ましい。ポリエステル層(B)の厚み比率が厚いと、フィルムの破断伸び率が大きくなり、シーラント層とラミネートした後の手切れ性が低下する傾向がある。
本発明におけるポリエステルフィルムには、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の粒径や量は、目的に応じて適宜決めることができる。含有させる微粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。
原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えばポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適である。また、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることもできる。
本発明におけるポリエステルフィルムは上記したポリエステル原料をエクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。この際、A層のポリエステル原料は事前に溶融混合させたチップを使用してもよい。次いでスリット状のダイより溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してフィルム化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。本発明においては、包装材料として十分な寸法安定性、腰を得るため延伸倍率を面積倍率として9倍以上、好ましくは12倍以上であることが好ましい、さらに破断伸び率を下げるためには縦延伸倍率、横延伸倍率共に3.5倍以上が好ましい。本発明において、延伸後の熱処理温度は、通常、ポリエステル層(A)の融解開始温度以上、好ましくは融点以上である。
本発明のポリエステルフィルムの端裂抵抗は80N以下、好ましくは5〜60N、さらに好ましくは5〜40Nである。端裂抵抗が80Nを超えると十分な手切れ性が得られなくなる。端裂抵抗が5N以下ではフィルムの手切れ性が良すぎて、フィルムを高い張力で加工すると破断する可能性がある。
本発明のポリエステルフィルムの破断伸び率は50%以下、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。破断伸び率が40%を超えるとシーラント層とラミネートした場合、ラミネートフィルムを手で引き裂こうとするとフィルムが伸びて容易く引き裂けない。
本発明のポリエステルフィルムの引っ張り破断強度は50MPa以上が好ましく、さらに好ましくは60MPa以上である。引っ張り破断強度が低すぎるとスリット時やラミネート加工時にフィルムが容易く破断してしまい包装材料として適さないことがある。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは通常9〜50μm、好ましくは12〜38μmである。
意匠性を上げるため、本発明のポリエステルフィルムに印刷し、その後、シーラント層とラミネートしたフィルムは、手切れ性の良い包装材として使用することができる。その代表的な例としては、薬の小袋包装を挙げることができる。また、本発明のポリエステルフィルムに金属または金属酸化物からなるバリアー層を蒸着により設けたり、既存のバリアー層をコートしたりして得たガスバリアーフィルムは、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。アルミニウム箔とラミネートしたものも、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。
本発明によれば、加工性、機械的特性に優れて、且つ、シーラント層のみをラミネートしても、手切れ性の良いポリエステルフィルムを供給することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)フィルム厚みの測定方法
フィルムを10枚重ねてマイクロメータ法にて厚さを測定し10で除して平均値を求めフィルム厚みとした。
フィルムを10枚重ねてマイクロメータ法にて厚さを測定し10で除して平均値を求めフィルム厚みとした。
(2)積層ポリエステル層の厚みの測定方法
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(3)融解開始温度、融点の測定方法
融解開始温度(Tim)融点(Tpm)の測定はパーキンエルマー性示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、JIS K7121のDSC曲線の読み方に従い融点を検知した。
融解開始温度(Tim)融点(Tpm)の測定はパーキンエルマー性示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、JIS K7121のDSC曲線の読み方に従い融点を検知した。
(4)引っ張り破断強度、破断伸び率の測定方法
インテスコ社製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料サンプルを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により引張破断強度を求めた。
引っ張り破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm2)
破断伸び率(%)=(切断時のチャック間距離(mm)−試験前のチャック間距離(mm))/(試験前のチャック間距離(mm))×100
インテスコ社製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料サンプルを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により引張破断強度を求めた。
引っ張り破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm2)
破断伸び率(%)=(切断時のチャック間距離(mm)−試験前のチャック間距離(mm))/(試験前のチャック間距離(mm))×100
(5)端裂抵抗の測定方法
JIS C2318−1975の測定方法で平均値を端裂抵抗値とした。
JIS C2318−1975の測定方法で平均値を端裂抵抗値とした。
(6)手切れ性の測定方法
フィルムに切れ込みを入れずに、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
フィルムに切れ込みを入れずに、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
(7)シーラント層とラミネート後の手切れ性の測定方法;
フィルムにアンカーコート剤(東洋モートン社製 EL510)を塗布し、シーラント層として低密度ポリエチレンを厚み30μmになるように押出して、押出ラミネートし、ラミネートフィルムを作成した。作成したラミネートフィルムを2つ折りにし、両手でひねってスムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で判定した。
評価A:爪を立てなくても容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:爪を立てると引き裂くことはできるが、フィルムが伸びてスムーズに引き裂けないもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
フィルムにアンカーコート剤(東洋モートン社製 EL510)を塗布し、シーラント層として低密度ポリエチレンを厚み30μmになるように押出して、押出ラミネートし、ラミネートフィルムを作成した。作成したラミネートフィルムを2つ折りにし、両手でひねってスムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で判定した。
評価A:爪を立てなくても容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:爪を立てると引き裂くことはできるが、フィルムが伸びてスムーズに引き裂けないもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
以下の実施例および比較例にて使うポリエステル原料は次の方法にて製造した。
<ポリエステル1の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、多価アルコール成分として1,4ブタンジオールを使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.80dl/gで、原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=213℃、 融点(Tpm)=222℃であった。
<ポリエステル1の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、多価アルコール成分として1,4ブタンジオールを使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.80dl/gで、原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=213℃、 融点(Tpm)=222℃であった。
<ポリエステル2の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=175℃、 融点(Tpm)=196℃であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=175℃、 融点(Tpm)=196℃であった。
<ポリエステル3の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は15モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=198℃、融点(Tpm)=220℃であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は15モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=198℃、融点(Tpm)=220℃であった。
<ポリエステル4の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法にて、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する、極限粘度([η])= 0.69dl/gのポリエステルチップを得た。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=242℃、融点(Tpm)=254℃であった。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法にて、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する、極限粘度([η])= 0.69dl/gのポリエステルチップを得た。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=242℃、融点(Tpm)=254℃であった。
<ポリエステル5の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル3を75部ブレンドした。ポリエステル5に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は11モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=195℃、融点(Tpm)=217℃であった。
ポリエステル1を25部とポリエステル3を75部ブレンドした。ポリエステル5に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は11モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=195℃、融点(Tpm)=217℃であった。
<ポリエステル6の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル2を75部ブレンドした。ポリエステル6に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は17モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=200℃、融点(Tpm)=211℃、220℃のダブルピークであった。
ポリエステル1を25部とポリエステル2を75部ブレンドした。ポリエステル6に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は17モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=200℃、融点(Tpm)=211℃、220℃のダブルピークであった。
<ポリエステル7の製造法>
ポリエステル1を10部とポリエステル3を90部ブレンドした。ポリエステル7に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は10%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は14モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=195℃、融点(Tpm)=217℃であった。
ポリエステル1を10部とポリエステル3を90部ブレンドした。ポリエステル7に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は10%、ジカルボン酸中のイソフタル酸量は14モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=195℃、融点(Tpm)=217℃であった。
ポリエステル4とポリエステル5のペレットをそれぞれ別の単軸押出機に溶融させて、積層ダイを用い ポリエステル4(B層)/ポリエステル5(A層)/ポリエステル4(B層)の構成の2種3層積層ポリエステル樹脂を表面温度30℃の冷却ドラムに押出して急冷し、厚さ約290μmの未延伸フィルムを得た。次いで、70℃にて縦方向に4.0倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.5倍の横延伸、235℃で5秒間の熱処理を行い、厚さ16μmの積層ポリエステルフィルムを得た。B層/A層/B層の厚み構成は、1.0μmm/14.0μm/1.0μmだった。得られたフィルムの性を下記表1に示す。このフィルムは手切れ性が良く、ラミネートフィルムの手切れ性も良好であった。
B層/A層/B層の厚み構成を2.0μm/28.0μm/2.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは手切れ性が良く、ラミネートフィルムの手切れ性も良好であった。
縦延伸倍率を3.5倍、横延伸倍率を4.4倍にした以外実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは手切れ性が良く、ラミネートフィルムの手切れ性も良好であった。
A層の原料にポリエステル6を使用した以外は実施例3と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは手切れ性が良く、ラミネートフィルムの手切れ性も良好であった。
A層の原料にポリエステル7を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは手切れ性が良く、ラミネートフィルムの手切れ性も良好であった。
(比較例1)
B層/A層/B層の厚み構成を2.5μm/11.0μm/2.5μmにした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性は良かったが、ラミネートフィルムの手切れ性は良好といえるものではなかった。
B層/A層/B層の厚み構成を2.5μm/11.0μm/2.5μmにした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性は良かったが、ラミネートフィルムの手切れ性は良好といえるものではなかった。
(比較例2)
横延伸後の熱処理温度を205℃とした以外は実施例3と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性は良かったが、ラミネートフィルムの手切れ性は良好といえるものではなかった。
横延伸後の熱処理温度を205℃とした以外は実施例3と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性は良かったが、ラミネートフィルムの手切れ性は良好といえるものではなかった。
(比較例3)
縦延伸倍率を3.5倍、横延伸倍率を4.4倍とし、B層/A層/B層の厚み構成を2.0μm/12.0μm/2.0μmにした以外は実施例3と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性およびラミネートフィルムの長手方向の手切れ性は良好であったが、ラミネートフィルムの幅方向の手切れ性は十分とはいえるものではなかった。
縦延伸倍率を3.5倍、横延伸倍率を4.4倍とし、B層/A層/B層の厚み構成を2.0μm/12.0μm/2.0μmにした以外は実施例3と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性およびラミネートフィルムの長手方向の手切れ性は良好であったが、ラミネートフィルムの幅方向の手切れ性は十分とはいえるものではなかった。
(比較例4)
縦延伸倍率を3.3倍、横延伸倍率を4.6倍とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性およびラミネートフィルムの長手方向の手切れ性は良好であったが、ラミネートフィルムの幅方向の手切れ性は十分とはいえるものではなかった。
縦延伸倍率を3.3倍、横延伸倍率を4.6倍とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは単枚での手切れ性およびラミネートフィルムの長手方向の手切れ性は良好であったが、ラミネートフィルムの幅方向の手切れ性は十分とはいえるものではなかった。
(比較例5)
A層の原料にポリエステル3を使用した以外は実施例2と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは巻取り工程およびスリット工程でフィルムが容易に破断し、製膜が非常に困難であった。
A層の原料にポリエステル3を使用した以外は実施例2と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは巻取り工程およびスリット工程でフィルムが容易に破断し、製膜が非常に困難であった。
上記表1中、PETはポリエチレンテレフタレート、PBTはポリブチレンテレフタレート、IPAはイソフタル酸をそれぞれ意味する。
きる。
きる。
上記表1中、PETはポリエチレンテレフタレート、PBTはポリブチレンテレフタレート、IPAはイソフタル酸をそれぞれ意味する。
本発明のフィルムは、例えば、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料として好適に利用することができる。
Claims (1)
- ブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル層(A)の両面にポリエステル層(A)の融点より10℃以上高いポリエステル層(B)を積層し、フィルムの長手方向および幅方向の端裂抵抗値が80N以下であり、破断伸び率が50%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
Priority Applications (4)
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JP2004368828A JP2006175625A (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
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2004
- 2004-12-21 JP JP2004368828A patent/JP2006175625A/ja active Pending
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