JP2006051662A - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 製膜安定性に優れ、手切れ性の良い、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として好適なフィルムを提供する。
【解決手段】 ブチレンテレフタレート単位を含む、融点240℃以下のポリエステル層(A層)を有するフィルムであって、フィルムの長手方向の端裂抵抗値が幅方向の端列抵抗値より小さく、フィルムの長手方向および幅方向の端列抵抗が40N以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 ブチレンテレフタレート単位を含む、融点240℃以下のポリエステル層(A層)を有するフィルムであって、フィルムの長手方向の端裂抵抗値が幅方向の端列抵抗値より小さく、フィルムの長手方向および幅方向の端列抵抗が40N以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、手切れ性に優れ、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料として好適なフィルムに関する。
従来、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材で手切れ性が良いことが求められており、例えば、菓子、粉薬等の小袋包装材では、手切れ性が良いと内容物を取り出しやすいという大きなメリットがある。こうした手切れ性を出す材料としては、セロハンや、セロハンに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をコーティングした、いわゆる防湿セロハンや、セロハンに塩化ビニリデンをコーティングしたフィルム(Kコートセロハン)が用いられている。
しかし、セロハン、防湿セロハン、Kコートセロハンは、優れた手切れ性を有するものの、フィルムの特性が湿度によって変わったり、印刷特性が悪かったりする。また、基材のセロハンは、高価であり、将来的に供給面での不安もある。さらに、Kコートセロハンについては、燃焼時ダイオキシンの発生の可能性等、環境面の配慮から、使い難い状況となっている。
一方、ポリエステルフィルムは、機械的特性、寸法安定性、耐熱性、耐水性、透明性など優れた特性により包装材料として用いられるが、その優れた機械的特性が災いして、手切れ性が悪いという問題点を有している。この欠点を解決する方法としては、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム(特許文献1)やジエチレングリコール成分などを共重合させたもの(特許文献2)や低分子量のポリエステル樹脂を用いるもの(特許文献3)などが提案されてきた。
しかしながら、上記従来技術において、一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、またジエチレングリコール成分などを多量に共重合させる方法は、共重合により本来の特性が失われるという欠点を有している。さらに、低分子量のポリエステル樹脂を用いる方法は、延伸工程でのフィルム破断のトラブルが発生しやすく実用的ではない。
また、融点の低い共重合ポリエステル層と融点の高いポリエステル層を積層し、低融点ポリエステル層の分子配向を殆ど完全に崩壊させる方法(特許文献4)や非晶性ポリエステルを混合する方法(特許文献5)、非晶性ポリエステル層を介在させる方法(特許文献6)が提案されているが、これらの方法では、端列抵抗値が30N未満の非常に手切れ性の良いフィルムを得ようとすると、引取工程、巻取工程、スリット工程でフィルム破断のトラブルが発生するという問題が残るため、これらの方法で得られたフィルムを使用した包装体を作成した場合、アルミニウム箔や紙等、手切れ性の良い材料を含む層とラミネートしたフィルムでは手切れ性が良いが、例えばポリエチレン等のシーラントのみとラミネートしたフィルムでは手切れ性が大きく悪化するという問題が残る。
本発明は、上記の従来の問題点を解決しようとするものであり、その解決課題は、製膜安定性に優れる、手切れ性の良いフィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記の解決課題について、鋭意検討した結果、特定の構成を採用することにより、優れた特性を有するフィルムを提供できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ブチレンテレフタレート単位を含む、融点240℃以下のポリエステル層(A層)を有するフィルムであって、フィルムの長手方向の端裂抵抗値が幅方向の端列抵抗値より小さく、フィルムの長手方向および幅方向の端列抵抗が40N以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうブチレンテレフタレート単位は、酸成分としてテレフタル酸と、グリコール成分として1,4−ブタンジオールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマー構成単位を指す。かかるポリマーはホモポリマーであってもよく第3成分を共重合させたものでもよい。
本発明でいうブチレンテレフタレート単位は、酸成分としてテレフタル酸と、グリコール成分として1,4−ブタンジオールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマー構成単位を指す。かかるポリマーはホモポリマーであってもよく第3成分を共重合させたものでもよい。
共重合ポリエステルとは、酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸、グリコール成分がエチレングリコールからなるポリエステルで代表される。また、さらに他の共重合成分を共重合させてもよい。
他の共重合成分として酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸等を例示することができる。またアルコール成分としてはジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等を例示することができる。これらは単独あるいは2種以上を使用することができる。
本発明のフィルムは、ブチレンテレフタレート単位を含む、融点240℃以下のポリエステル層(A)を有することを必須とする。当該ポリエステル層の融点は、好ましくは245℃以下、さらに好ましくは200〜235℃となるように設計する。
A層以外の層(例えばポリエステル層(B))を有していてもよい。ポリエステル層(B)としては、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーから構成されるものが好ましい。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。ポリエステル層(B)の融点は、ポリエステル層(A)より高いことが好ましく、具体的には10℃以上高い融点にするとよい。
また、本発明におけるポリエステルフィルムの機械的特性を向上させるために、ポリエステル層(A)の両面にポリエステル層(B)を通常8μm以下、好ましくは6μm以下またはフィルム総厚みの通常30%以下、好ましくは15%以下の厚みで積層してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムに微粒子を含有させることにより、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させることができる。この微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の粒径や量は、目的に応じて適宜決めることができる。含有させる微粒子は、単成分でもよく、2成分以上を同時に用いてもよい。
原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えばポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適である。また、粒子のほかに、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることもできる。
本発明のフィルムは、上記したポリエステル原料の少なくとも2種を、例えば別々のエクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いでスリット状のダイより溶融ポリマーを押出しながら積層し、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してフィルム化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。本発明においては、包装材料として十分な寸法安定性、腰を得るため延伸倍率を面積倍率として9倍以上、さらには12倍以上であることが好ましい。
本発明の延伸後の熱処理温度は、ポリエステル層(A)の融解開始温度以上、好ましくは融点以上であることが好ましい。ポリエステル層(A)の融解開始温度より低い温度未満の熱処理では十分な引裂性は得られないことがある。
本発明のポリエステルフィルムは長手方向の端列抵抗値が幅方向の端列抵抗値より小さくなるようにする。幅方向の端列抵抗値が長手方向の端列抵抗値以下であると、フィルムが破断しやすくなる。本発明のポリエステルフィルムの長手方向および幅方向の端列抵抗値は40N以下であり、好ましくは30N以下である。端列抵抗値が40Nより大きいとシーラント層とラミネートしたとき、手切れ性が大幅に低下する。
本発明のフィルムの厚みは通常9〜50μm、好ましくは12〜38μmである。
本発明のポリエステルフィルムに意匠性を付与する印刷をし、その後、シーラント層とラミネートしたフィルムは、手切れ性の良い包装材として使用することができる。その代表的な例としては、薬の小袋包装を挙げる事ができる。また、本発明のポリエステルフィルムに金属または金属酸化物からなるバリアー層を蒸着により設けたり、既存のバリアー層をコートしたりして得たガスバリアーフィルムは、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。アルミニウム箔とラミネートしたものも、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。
本発明によれば、製膜安定性に、加工性、機械的特性に優れ、シーラント層とラミネートしても手切れ性が低下しないポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
(2)フィルム厚みの測定方法
フィルムを10枚重ねてマイクロメータ法にて厚さを測定し10で除して平均値を求めフィルム厚みとした。
フィルムを10枚重ねてマイクロメータ法にて厚さを測定し10で除して平均値を求めフィルム厚みとした。
(3)積層ポリエステル層の厚みの測定方法
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(4)融解開始温度、融点の測定方法
融解開始温度(Tim)融点(Tpm)の測定はパーキンエルマー性示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、常温より10℃/分の速度で昇温し、JIS K7121のDSC曲線の読み方に従い融点を検知した。
融解開始温度(Tim)融点(Tpm)の測定はパーキンエルマー性示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、常温より10℃/分の速度で昇温し、JIS K7121のDSC曲線の読み方に従い融点を検知した。
(5)引張破断強度の測定方法
(株)インテスコ製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により引張破断強度を求めた。
引張破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm2)
(株)インテスコ製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により引張破断強度を求めた。
引張破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm2)
(6)端列抵抗の測定方法
JISC2318−1975の測定方法で平均値を端列抵抗値とした。
JISC2318−1975の測定方法で平均値を端列抵抗値とした。
(7)手切れ性の測定方法
フィルムに切れ込みを入れず、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
フィルムに切れ込みを入れず、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
(8)ラミネートフィルムの手切れ性測定方法
フィルムにローデンシティポリエチレン(LDPE)30μmを押出ラミネートしてラミネートフィルムを作成し、ラミネートフィルムに切れ込みを入れず、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
フィルムにローデンシティポリエチレン(LDPE)30μmを押出ラミネートしてラミネートフィルムを作成し、ラミネートフィルムに切れ込みを入れず、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
以下の実施例および比較例にて使うポリエステル原料は次の方法にて製造した。
<ポリエステル1の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)を使用し、多価アルコール成分として1.4ブタンジオールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.80dl/gで、原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は213℃、融点(Tpm)は222℃であった。
<ポリエステル1の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)を使用し、多価アルコール成分として1.4ブタンジオールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.80dl/gで、原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は213℃、融点(Tpm)は222℃であった。
<ポリエステル2の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は15モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は198℃、融点(Tpm)は220℃であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は15モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は198℃、融点(Tpm)は220℃であった。
<ポリエステル3の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は175℃、融点(Tpm)は196℃であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])は0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は175℃、融点(Tpm)は196℃であった。
<ポリエステル4の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法にて、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する極限粘度([η])は0.70dl/gのポリエステルチップを得た。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は242℃、融点(Tpm)は254℃であった。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法にて、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する極限粘度([η])は0.70dl/gのポリエステルチップを得た。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は242℃、融点(Tpm)は254℃であった。
<ポリエステル5の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル2を75部ブレンドして得た。ポリエステル5に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は11モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は195℃、融点(Tpm)は217℃であった。
ポリエステル1を25部とポリエステル2を75部ブレンドして得た。ポリエステル5に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は11モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は195℃、融点(Tpm)は217℃であった。
<ポリエステル6の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル3を75部ブレンドして得た。ポリエステル7に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は17モル%であった。この原料得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は200℃、融点(Tpm)は211℃,220℃のダブルピークであった。
ポリエステル1を25部とポリエステル3を75部ブレンドして得た。ポリエステル7に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は17モル%であった。この原料得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)は200℃、融点(Tpm)は211℃,220℃のダブルピークであった。
ポリエステル4とポリエステル5のペレットをそれぞれ別の押出機に溶融させて、積層ダイを用い、ポリエステル4(B層)/ポリエステル5(A層)/ポリエステル4(B層)の構成の2種3層積層ポリエステル樹脂を表面温度30℃の冷却ドラムに押出して、急冷し、厚さ約250μmの未延伸フィルムを得た。次いで、75℃にて縦方向に3.5倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.4倍、横延伸、235℃で5秒間の熱処理を行い、厚さ16μmの積層ポリエステルフィルムを得た。B層/A層/B層の厚み構成は、1μm/14μm/1μmであった。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性が良く、かつ、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしてもラミネートフィルムの手切れ性は良好であった。
ポリエステルフィルムのB層/A層/B層の厚み構成を4μm/24μm/4μmとした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性が良く、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしてもラミネートフィルムの手切れ性は良好であった。
縦方向に75℃にて3.2倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.7倍の横延伸を行った以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性が良く、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしてもラミネートフィルムの手切れ性は良好であった。
A層の原料にポリエステル6を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性が良く、ローデンシティポリエチレン30μmと押出ラミネートしてもラミネートフィルムの手切れ性は良好であった。
(比較例1)
横延伸後の熱処理温度を205℃とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、単枚での手切れ性は良かったが、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしたラミネートフィルムの手切れ性は悪かった。
横延伸後の熱処理温度を205℃とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、単枚での手切れ性は良かったが、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしたラミネートフィルムの手切れ性は悪かった。
(比較例2)
縦方向に75℃にて3.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.1倍の横延伸を行った以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであったが、巻取工程で容易に破断し、ロール状に巻き取ることが非常に困難であった。
縦方向に75℃にて3.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.1倍の横延伸を行った以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであったが、巻取工程で容易に破断し、ロール状に巻き取ることが非常に困難であった。
(比較例3)
ポリエステルフィルムのB層/A層/B層の厚み構成を4μm/8μm/4μmとした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、このフィルムは、単枚での手切れ性は比較的良かったが、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしたラミネートフィルムの手切れ性は悪かった。
ポリエステルフィルムのB層/A層/B層の厚み構成を4μm/8μm/4μmとした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、このフィルムは、単枚での手切れ性は比較的良かったが、ローデンシティポリエチレン30μmを押出ラミネートしたラミネートフィルムの手切れ性は悪かった。
(比較例4)
A層の原料にポリエステル6を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであったが、巻取工程で容易く破断し、ロール状に巻き取ることが非常に困難であった。
A層の原料にポリエステル6を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであったが、巻取工程で容易く破断し、ロール状に巻き取ることが非常に困難であった。
本発明のフィルムは、例えば工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として好適に利用することができる。
Claims (1)
- ブチレンテレフタレート単位を含む、融点240℃以下のポリエステル層(A層)を有するフィルムであって、フィルムの長手方向の端裂抵抗値が幅方向の端列抵抗値より小さく、フィルムの長手方向および幅方向の端列抵抗が40N以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
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