JP4885419B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として、手切れ性に優れる包装材料に関する。
従来、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材で手切れ性が良いことを求められることが多い。例えば、菓子、粉薬等の小袋包装材では、手切れ性が良いと内容物を取り出しやすいという大きなメリットがある。こうした手切れ性を出す材料としては、セロハンや、セロハンに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をコーティングした、いわゆる防湿セロハンや、セロハンに塩化ビニリデンをコーティングしたフィルム(Kコートセロハン)が用いられている。
しかし、セロハン、防湿セロハン、あるいはKコートセロハンは、優れた手切れ性を有するものの、フィルムの特性が湿度によって変わったり、印刷特性が悪かったりする。また、基材のセロハンは高価であり、将来的に供給面での不安もある。さらに、Kコートセロハンについては、環境面の配慮(燃焼時ダイオキシンの発生の可能性)から、使い難い状況となっている。
一方、ポリエステルフィルムは、機械的特性、寸法安定性、耐熱性、耐水性、透明性などの優れた特性を有することから、包装材料として用いられているが、その優れた機械的特性が災いして、手切れ性が悪いという問題点を有している。
上記欠点を解決する方法としては、一軸方向に配向させたポリエステルフィルム(特許文献1)やジエチレングリコール成分などを共重合させたもの(特許文献2)や低分子量のポリエステル樹脂を用いるもの(特許文献3)などが提案されてきた。
しかしながら、一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、またジエチレングリコール成分などを多量に共重合させる方法は、共重合により本来の特性が失われるという欠点を有している。さらに、低分子量のポリエステル樹脂を用いる方法は、延伸工程でのフィルム破断のトラブルが発生しやすく実用的ではない。
また、特許文献4では融点の低い共重合ポリエステル層と融点の高いポリエステル層を積層し、低融点ポリエステル層の分子配向を殆ど完全に崩壊させる方法が提案されているが、低融点ポリエステル層の融点以上で熱処理するため、低融点ポリエステル層の分子配向を殆ど完全に崩壊させるため、厚み斑の小さいフィルムを得ることが困難であり、かつ、製膜安定性が悪いという問題があり、実用的ではなかった。
特公昭55−8551号公報 特公昭56−50692号公報 特公昭55−20514号公報 特公開5−104618号公報
本発明は、上記の従来の問題点を解決しようとするものであり、その解決課題は、製膜安定性に優れ、手切れ性の良いフィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記の課題について鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題が容易に解決できることを見いだし、ポリブチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含み、融点が245℃以下のポリエステル層(A層)の両面に、ポリエステル層(A)の融点より高い融点を有する、厚み8μm以下のポリエステル層(B)を有し、フィルムの長手方向の端抵抗値が30〜100Nであることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムのA層に含まれるポリブチレンテレフタレートは、酸成分としてテレフタル酸と、グリコール成分として1,4−ブタンジオールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。かかるポリマーはホモポリマーであってもよく第3成分を共重合させたものでもよい。
一方、共重合ポリエステルとは、酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸、グリコー
ル成分がエチレングリコールからなるポリエステルで代表される。また、さらに他の共重合成分を共重合させたものでもよい。
他の共重合成分として酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸等を例示することができる。また、アルコール成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等を例示することができる。これらは単独あるいは2種以上を使用することができる。
本発明でいうポリエステル層(B層)とは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。
B層の融点は、A層の融点よりも高いことが好ましく、さらには10℃以上高い融点にするとよい。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
ポリエステル層(A層)は、ポリブチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含み、融点が240℃以下、好ましくは200〜235℃の範囲となるように設計する。このことで、少なくとも一軸延伸後の熱処理工程においてポリエステル層(A層)の融点より低い温度の熱処理でも十分な引裂性を得ることが可能となる。
また、本発明におけるポリエステルフィルムの機械的特性を向上させるために、ポリエステル層(A層)の少なくとも片面にA層の融点より高い融点のポリエステル層(B層)を8μm以下の厚みで積層してもよい。ポリエステル層(A層)の片面あるいは両面にポリエステル層(B層)の総厚みが8μm以下、好ましくは2〜6μmとなるように積層してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムには、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の粒径や量は目的に応じ適宜決めることができる。含有させる微粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。
原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えばポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適である。また、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることもできる。
本発明のポリエステルフィルムは、上記した共重合ポリエチレンテレフタレートを含有するポリエステル原料と、ポリエステル原料とを別々のエクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いでスリット状のダイより溶融ポリマーを押出しながら積層し、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してフィルム化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。本発明においては、包装材料として十分な寸法安定性、腰を得るため延伸倍率を面積倍率として9倍以上、好ましくは12倍以上であることが好ましい。
本発明の延伸後の熱処理温度はポリエステル層(A)の融解開始温度より15℃低い温度以上、融点以下であることが好ましい。ポリエステル層(A)の融解開始温度より15℃低い温度未満の熱処理では十分な引裂性は得られず、またポリエステル層(A)の融点以上の熱処理では、フィルムが容易に引裂けすぎるため、製膜時の巻取り工程やスリット工程あるいは加工時に容易に破断したりして包装材料として適さない。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム長手方向(MD方向)の端抵抗が30〜100N、好ましくは40〜90Nである。端裂抵抗が100Nを超えるとフィルムの引裂性が損なわれ、30Nであると、フィルムが容易に引裂け過ぎて、加工時に破断したりして包装材料として適さない。一方、フィルム幅方向(TD方向)の端抵抗は100N以下であることが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは通常9〜50μm、好ましくは12〜38μmである。
本発明のポリエステルフィルムに意匠性を付与する印刷をし、その後、シーラント層とラミネートしたフィルムは、手切れ性の良い包装材として使用することができる。その代表的な例としては、薬の小袋包装を挙げることができる。また、本発明のポリエステルフィルムに金属または金属酸化物からなるバリアー層を蒸着により設けたり、既存のバリアー層をコートしたりして得たガスバリアーフィルムは、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。アルミニウム箔とラミネートしたものも、手切れ性の良いガスバリーア包材として使用することができる。
本発明によれば、製膜安定性に優れ、加工性、機械的特性に優れた手切れ性の良いポリエステルフィルムを供給することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
(2)フィルム厚みの測定方法
フィルムを10枚重ねてマイクロメータ法にて厚さを測定し10で除して平均値を求めフィルム厚みとした。
(3)積層ポリエステル層の厚みの測定方法
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(4)融解開始温度、融点の測定方法
融解開始温度(Tim)融点(Tpm)の測定はパーキンエルマー性示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、JIS K7121のDSC曲線の読み方に従い融点を検知した。
(5)引張破断強度の測定方法
(株)インテスコ製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により引張破断強度を求めた。
引張破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm)
(6)端抵抗の測定方法
JISC2318−1975の測定方法で、フィルム長手方向(MD方向)とフィルム幅方向(TD方向)についてそれぞれ測定し、それぞれの方向についての平均値を求めた。
(7)引裂性の測定方法
フィルムに切れ込みを入れずに、スムーズに手で引き裂けるかどうか下記基準で評価した。評価は長手方向(MD)および幅方向(TD)に対して、それぞれ行った。
評価A:容易に手で引き裂くことができるもの
評価B:比較的容易には手で引き裂くことができるもの
評価C:容易には手で引き裂くことができないもの
以下の実施例および比較例にて使用したポリエステル原料は次の方法にて製造したものである。
<ポリエステル1の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、多価アルコール成分として1,4ブタンジオールを使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.80dl/gで、原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=213℃、融点(Tpm)=222℃であった。
<ポリエステル2の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は8モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=213℃、融点(Tpm)=222℃であった。
<ポリエステル3の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は15モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=198℃、融点(Tpm)=220℃であった。
<ポリエステル4の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。このポリエステル原料の極限粘度([η])=0.69dl/gで、この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=175℃、融点(Tpm)=196℃であった。
<ポリエステル5の製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法にて、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する、極限粘度([η])=0.70dl/gのポリエステルチップを得た。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=242℃、融点(Tpm)=254℃であった。
<ポリエステル6の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル3を75部ブレンドして得た。ポリエステル6に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は11モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=195℃、融点(Tpm)=217℃であった。
<ポリエステル7の製造法>
ポリエステル1を50部とポリエステル4を50部ブレンドして得た。ポリエステル7に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は50%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は11モル%であった。この原料から得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=195℃、融点(Tpm)=218℃であった。
<ポリエステル8の製造法>
ポリエステル1を25部とポリエステル2を75部ブレンドして得た。ポリエステル8に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は25%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は6モル%であった。この原料得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=210℃、融点(Tpm)=232℃であった。
<ポリエステル9の製造法>
ポリエステル1を50部とポリエステル3を50部ブレンドして得た。ポリエステル9に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は50%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は0モル%であった。この原料から得られるをポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=224℃、融点(Tpm)=238℃であった。
<ポリエステル10の製造法>
ポリエステル1を10部とポリエステル5を10部とポリエステル5を80部ブレンドして得た。ポリエステル10に含まれるポリブチレンテレフタレートの量は10%、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は1.5モル%であった。この原料得られるポリエステルフィルムの融解開始温度(Tim)=234℃、融点(Tpm)=248℃であった。
(実施例1)
ポリエステル5とポリエステル6のペレットをそれぞれ別の押出機に溶融させて、積層ダイを用い ポリエステル5(B層)/ポリエステル6(A層)/ポリエステル5(B層)の構成の2種3層積層ポリエステル樹脂を表面温度30℃の冷却ドラムに押出して、急冷し、厚さ約250μmの未延伸フィルムを得た。次いで、75℃にて縦方向に3.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.1倍、横延伸、205℃で5秒間の熱処理を行い、厚さ16μmの積層ポリエステルフィルムを得た。B層/A層/B層の厚み構成は2μm/12μm/2μmだった。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムだった。
(実施例2
ポリエステルフィルムのB層/A層/B層の厚み構成を4μm/8μm/4μmとした以外は実施例1と同じ方法でに積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、比較的手切れ性の良いフィルムであった。
(実施例3)
A層の原料にポリエステル7を使用した以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであった。
(比較例1)
ポリエステル7のペレット押出機に溶融させて、単層ダイを用いポリエステル樹脂を表面温度25℃の冷却ドラムに押出して急冷し厚さ約250μmの未延伸フィルムを得た。次いで、65℃にて縦方向に3.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て80℃で4.1倍、横延伸、190℃で5秒間の熱処理を行い、厚さ16μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。
(実施例4)
A層の原料にポリエステル8を使用し、横延伸後の熱処理温度を225℃にした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであった。
(実施例5)
横延伸後の熱処理温度を190℃とした以外は実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。このフィルムは、手切れ性の良いフィルムであった。
(比較例
A層の原料にポリエステル3を使用した以外は実施例6と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性が悪かった。
(比較例
A層の原料にポリエステル9を使用し、横延伸後の熱処理温度を220℃とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性が悪かった。
(比較例
A層の原料にポリエステル10を使用し、横延伸後の熱処理温度を230℃とした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性が悪かった。
(比較例
横延伸後の熱処理温度を230℃とした以外は実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性の非常に良いフィルムであったが、フィルムが容易に引き裂け過ぎるため、巻き取り工程はSLT工程で容易く破断し、ロール状に巻き取ることが非常に困難であった。
(比較例
ポリエステルフィルムのB層/A層/B層の厚み構成を5μm/6μm/5μmとした以外は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。このフィルムは、手切れ性が悪かった。
Figure 0004885419
上記表1中、PETはポリエチレンテレフタレートを、PBTはポリブチレンテレフタレートを、IPAはイソフタル酸をそれぞれ意味する
Figure 0004885419
本発明は、工業資材、医薬品、衛生資材、食品等の包装材料の構成材料として、手切れ性に優れる包装材料として、好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. ポリブチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含み、融点が245℃以下のポリエステル層(A層)の両面に、ポリエステル層(A)の融点より高い融点を有する、厚み8μm以下のポリエステル層(B)を有し、フィルムの長手方向の端抵抗値が30〜100Nであることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
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