JP4692093B2 - 包装容器 - Google Patents

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Description

本発明はドリル、リーマ、エンドミル、タップ等の軸状工具を収容するための包装容器に関する。
この種の包装容器を図10、図11および図12に例示する。図10に示す包装容器は、軸状切削工具17の軸部19を嵌め入れるための穴16を有する有底筒状の本体12と、その本体12の前記穴16が開口する側から嵌合されることにより本体12に嵌め入れられた前記切削工具17の刃部28を覆う有底筒状の蓋部材14とを備えたものであり、前記本体12の前記穴16の開口側端縁から切り込まれ且つ軸方向と直交する方向に貫通する少なくとも1つのスリット20と、前記本体12外周面および前記蓋部材14の内周面の少なくとも一方に形成され、その本体12外周面とその蓋部材14の内周面との圧接により前記穴16を縮径させる少なくとも一つの突起22若しくはテーパと、を含む包装容器である(例えば、特許文献1参照)。
図11に示す包装容器は、軸状工具16のシャンク16aが挿入される挿入穴18を有する有底筒状の本体12と、その本体12の前記挿入穴18にシャンク16a側から挿入されることによりその挿入穴16aから突出した前記軸状工具の刃部16bを覆蓋するように、その本体12に一体的に固定される有底筒状の蓋部材14と、前記本体12の前記挿入穴18の開口部に設けられた縮径可能な位置決め係合部22と、その位置決め係合部22および前記蓋部材14の少なくとも一方に設けられ、その蓋部材14が前記本体12に軸方向から接近させられる際、テーパの作用で前記位置決め係合部22を縮径させて前記シャンク16aを位置決めするテーパ形状部30と、を有しており、前記蓋部材14が、ねじにより前記本体12に螺合されて一体的に結合されるようになっており、そのねじの回転に伴って前記テーパの作用で前記位置決め係合部22が前記シャンク16aに押圧されるものである(例えば、特許文献2参照)。
図12に示す包装容器は、本体10と蓋体20から構成されてなり、本体10の一方の端側には工具200を押し込むことによって挟む作用をなす挟持片15a、15bを有した仕切り部13aが設けられ、他方の端側には当該工具200の挿通を可能とした貫通穴16を有した仕切り部13bが設けられ、この2つの仕切り部13a、13bの間には当該工具200を押し上げる作用をなさしめる押し上げ部17が形成され、蓋体20には当該工具200の嵌合を許容し、かつ当該工具200を押圧する凹所22を設けた仕切り部23を前記本体10の2つの仕切り部13a、13bの間に相当位置に形成したものである(例えば、特許文献3参照)。
実公平3−54033号公報 特開2002−172541号公報 特開平4−44981号公報
しかしながら、図10に示す包装容器においては、単に蓋部材14を軸方向へ押圧するだけで軸状切削工具17の軸部19を嵌め入れるための穴16を縮径させるため、結合状態を保持する突起22若しくはテーパの僅かな寸法誤差や摩耗、へたりなどで結合時の軸方向位置がばらつくと、それに伴って軸状切削工具17の保持力(位置決め荷重)が大きく変化し、輸送中の振動などで軸状切削工具17が包装容器内で軸方向にがたついて損傷するおそれがあった。
図11に示す包装容器は、軸状工具16の収納および取り出しのたびに蓋部材14を本体12にねじ込みおよび緩め作業を行わなければならないため、この作業の手間や煩雑さの問題があった。また、蓋部材14を本体12に対して脱着する際、当該蓋部材14が軸状工具16の刃部に接触し損傷させたり、作業者の手が前記刃部に接触しけがをしたりするおそれがあった。
図12に示す包装容器においては、本体10に工具200を収納および取り出すにあたり、前記本体10の一端に設けた仕切り部13bの貫通穴16に工具200を挿脱する際、他端側の仕切り部13aおよび本体10側壁に干渉するのを避けるため、場合によっては工具200のシャンクを掴み直す必要があった。特に小径工具においては、本体10が邪魔になって掴みづらくなることから作業性がさらに悪くなるおそれがあった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸状工具の収納および取り出し作業性を高め、当該工具の損傷を防止し、しかも、製作コストの低い包装容器を提供することにある。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、軸状工具を包装するための包装容器であって、上蓋と、下蓋と、前記上蓋と下蓋の間に介在されていて、これら上蓋と下蓋とを開閉可能にヒンジ部を介して一体に結合している背面板と、前記背面板の内面に形成されていて、前記軸状工具のシャンクを嵌め入れるための挿入穴を備えたシャンク保持部と、を備え、前記上蓋および前記下蓋の内面には、前記軸状工具を側面側から挟持するための、相対する少なくとも一対の挟持片が一体形成され、前記上蓋と前記下蓋とを閉じて前記軸状工具を収納したとき、前記軸状工具の前記挿入穴から突出した部分を一対の前記挟持片によって挟持するようにしたことを特徴とする包装容器である。
また、第2の発明は、軸状工具を包装するための包装容器であって、上蓋と、下蓋と、前記上蓋と下蓋の間に介在されていて、これら上蓋と下蓋とを開閉可能にヒンジ部を介して一体に結合している背面板と、前記背面板の内面に形成されていて、前記軸状工具のシャンクを把持する把持部材を介して前記軸状工具を嵌め入れるための挿入穴を備えたシャンク保持部と、を備え、前記上蓋および前記下蓋の内面には、前記軸状工具を側面側から挟持するための、相対する少なくとも一対の挟持片が一体形成され、前記上蓋と前記下蓋とを閉じて前記軸状工具を収納したとき、前記軸状工具の前記挿入穴から突出した部分を一対の前記挟持片によって挟持するようにしたことを特徴とする包装容器である。
以上の第1および第2の発明において、前記シャンク保持部は接続手段により前記背面板に取付けられてもよい。特に、前記シャンク保持部が着脱可能に取付けられるのが好ましい。
第1の発明の包装容器によれば、当該包装容器内に収納される軸状工具は、そのシャンクがシャンク保持部に設けた挿入穴に嵌め入れられ把持されるとともに、前記挿入穴から突出した部分が上蓋および下蓋にそれぞれ設けた、相対する少なくとも一対の挟持片によって挟持される。したがって、軸状工具の直径方向および長手方向のばたつきが防止され損傷することがない。さらに、上蓋および下蓋は開閉可能にヒンジ部を介して背面板およびシャンク保持部に結合されていて、これら上蓋と下蓋とを開くときには、前記シャンク保持部に把持された軸状工具に対して双方とも外側に向かって離間していくので、当該工具に接触して損傷させるということがない。さらに、上蓋および下蓋に設けた挟持片による挟持状態が解除されるとともに、当該工具の周囲に十分な作業スペースが確保でき、当該工具の取り出しおよび収納作業をきわめて容易に且つ能率的に行うことができる。しかも、包装容器を構成する上蓋、下蓋、ヒンジ部、背面板および挟持片が一体形成されていることから当該包装容器の製作コストが安価となる。
第2の発明の包装容器においては、包装容器とは別個をなす把持部材は、当該包装容器のシャンク保持部に嵌脱可能とされていて、当該把持部材の挿入穴に挿入された軸状工具のシャンクを把持するようにしたことから、シャンクの直径に対応した把持部材を用意することによって、シャンクの直径の異なる多種の軸状工具を1つの包装容器に収納することができる。
第1および第2の発明の包装容器において、少なくとも一対の挟持片がその弾性変形による弾性力でもって軸状工具を挟持するようにした場合には、一対の前記挟持片が互いに前記軸状工具の外周面に当接し且つ直径方向中心側に向かって押圧することから、当該工具は前記直径方向のばたつきが防止されるとともに、前記挟持片と当該工具の外周面との間に生じる摩擦力によって長手方向のばたつきが防止される。
さらに、上蓋および下蓋の少なくともいずれか一方に、軸状工具の長手方向先端側への移動を阻止するストッパー片を一体形成した場合には、前記軸状工具は前記ストッパー片によって所定の位置よりも長手方向先端側への移動が阻止されるため、前記軸状工具の先端部に形成した刃部の損傷が防止される。
さらに、上蓋および下蓋とを閉じた状態に保持するための係止手段を備えた場合には、軸状工具は挟持片によって挟持された状態に確実に保持されるため直径方向および長手方向のばたつきによる損傷が防止される。
次に、本発明を適用した実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態である包装容器の上蓋と下蓋とを一直線状に開いた状態の正面図である。図2、図3、図4はそれぞれ図1に示す包装容器の平面図、左側面図、右側面図である。図5は図1に示す包装容器の上蓋と下蓋とを閉じた状態の正面図である。図6は図5におけるS1−S1線切断部拡大端面図である。図7は図5におけるS2−S2線切断部拡大端面図である。図8は他の実施形態である包装容器の図1に対応する図である。図9は図8に示す包装容器の図2に対応する図である。
図1〜図4において、上蓋2および下蓋3の矩形板状をなす側壁2a、3aの短手側の一端部は、これら上蓋2と下蓋3とを開閉可能とするヒンジ部4を介して略正方形板状をなす背面板5にそれぞれ結合されている。前記背面板5の内面には軸状工具のシャンク21を嵌め入れるための挿入穴7を備えたシャンク保持部6が一体形成されている。前記挿入穴7を取り囲む周壁は肉薄に形成されるとともに前記挿入穴7の穴径は嵌め入れられるシャンク21の直径3.0mmよりも若干小径の2.9mmとされている。この挿入穴7に嵌め入れられたシャンク21は当該挿入穴7の周壁の弾性変形で生じる弾性力によって把持される。また、前記挿入穴7はシャンク21の挿入深さを限定するため止まり穴としてある。包装容器を構成する上蓋2、下蓋3、ヒンジ部4、背面板5、シャンク保持部6ならびに後述する挟持片8およびストッパー片9は射出成形等の金型を用いた鋳造によって一体成形されていて、その材質にはポリエチレンやポリスチレン等のプラスチックが用いられる。以下の説明では、上蓋2および下蓋3の背面板5に結合する一端部に対向する他端部側を長手方向先端側とする。
上蓋および下蓋の側壁2a、3aの内面には、背面板5に接続する端部を除く辺稜部に沿って、前記内面に対して略直角に立設した外周壁2b、3bが設けられる。図5に示すように上蓋2と下蓋3とを閉じて、前記上蓋の外周壁2bが前記下蓋の外周壁3bに外嵌することによって、互いの側壁2a、3aおよび外周壁2b、3bならびに背面板5によって軸状工具20を収納するための閉じた収納空間Sが形成される。
上蓋および下蓋の側壁2a、3aの内面には、軸状工具20を挟持するための、相対する少なくとも一対の挟持片8が一体形成されている。すなわち、図1および図2に示すように上蓋の側壁2aの内面には、当該内面に対して略直角に突出するとともに短手方向に所定の間隔をあけて並列に配置された2つの板状突起8aが一体形成される一方、下蓋の側壁3aの内面には、当該内面に対して略直角に突出するとともに短手方向に所定の間隔をあけて並列に配置され且つ前記2つの板状突起8aに相対する2つの板状突起8aが一体形成されていて、これら相対する4つの板状突起8aが一対の挟持片8を構成している。個々の板状突起8aは長手方向に幅広とされるとともに短手方向に撓み可能な程度に肉薄な形状とされている。本実施形態では4対の挟持片8がそれぞれの側壁2a、3aの内面に、長手方向に間隔をあけて設けられている。図6の(a)に図示するように上蓋2と下蓋3とを閉じた状態において、一対の挟持片8を構成する各々の2つの板状突起8aは、それぞれの先端部が軸状工具のシャンク21の外周面に当接するとともに、互いの間隙を広げるように弾性変形し、この弾性変形によって生じる弾性力でもって前記シャンク21を直径方向中心側に向かって押圧していて、各々の2つの板状突起8aによる前記押圧力が均衡した状態で当該軸状工具のシャンク21を直径方向および長手方向にばたつかないように挟持している。あるいは、図6の(b)に示すように上蓋の側壁2aに形成した挟持片8の一方が前記側壁2aの内面から突出した突起部に、軸状工具のシャンク21の外周面に近似した半円形状の凹部8bを切り欠いたものであってもよい。この場合にも、軸状工具20は下蓋3に設けた2つの板状突起8aによる押圧力によって前記凹部8bに押し付けられることによって挟持され直径方向および長手方向にばたつかないように保持される。
さらに、上蓋および下蓋の各側壁2a、3aの内面には、長手方向の最も先端側に配置された挟持片8よりもさらに先端側の位置に、それぞれの側壁2a、3aの内面から直角に突出する1つの板状突起9aからなるストッパー片9が相対して一対に形成されている。前記板状突起9aは短手方向に幅広とされるとともに長手方向に撓み可能な程度に薄肉な板状とされている。図7に図示するように上蓋2と下蓋3とを閉じた状態において、相対する一対の板状突起9aはその突出方向に軸状工具のシャンク21の直径よりも小さな間隙Cをあけて離隔しているため、前記板状突起9aから構成されるストッパー片9は当該シャンク21の挿通を許容せず、当該工具20の長手方向先端側への移動を阻止する。なお、軸状工具20の先端部に設けられた刃部22の直径がシャンク21の直径よりも小さい軸状工具20を収納する場合には、相対する板状突起9aは前記刃部22の直径よりも大きな間隙Cをあけて離隔していて、当該刃部22はストッパー片9に接触することなく挿通可能とされる。この場合、前記ストッパー片9よりも長手方向先端側には、当該ストッパー片9から突出した前記刃部22が上蓋および下蓋の外周壁2b、3bの内面に接触しない程度の空間が確保されている。
上蓋2および下蓋3はヒンジ部4を中心として回動することにより開閉され、双方の蓋2、3のなす開き角度θが鈍角あるいは図1に示すように一直線状をなすように開くことが可能である。また、閉じたときには、上蓋2が下蓋3に外嵌することによって閉じた状態が保持される。さらに、上蓋2と下蓋3とを閉じた状態を保持するための係止手段10が設けられるのが好ましい。本実施形態では、図1および図2に示すように係止手段10は、上蓋の長手側外周壁2bを厚み方向に貫通する貫通穴10aと、下蓋の長手側外周壁3bの外面の表面から外側に向かって突出する半球状突起10bとからなる。上蓋2と下蓋3とを閉じたとき、これら貫通穴10aと半球状突起10bとは互いに嵌り合うことによってこれら上蓋2と下蓋3とを閉じた状態に保持する。前記貫通穴10aと半球状突起10bとの嵌め合い状態の解除は、前記半球状突起10bの近傍で、下蓋の長手側外周壁3bを内側に向かって押し込むことにより、前記半球状突起10bが対応する前記貫通穴10aから離脱することによって行われる。嵌め合い状態の解除が行いやすいように、前記半球状突起10bに近い短手側外周壁3bには、図4に示すように下蓋の長手側外周壁3bを撓みやすくするためのスリット3cが形成されている。
以上に説明した実施形態の包装容器1には次に述べるような効果がある。本実施形態の包装容器1によれば、当該包装容器1内に収納される軸状工具20は、そのシャンク21がシャンク保持部6に設けた挿入穴7に嵌め入れられ把持されるとともに、前記挿入穴7から突出した部分が上蓋2および下蓋3にそれぞれ設けた、相対する少なくとも一対の挟持片8によって挟持される。したがって、軸状工具20の直径方向および長手方向のばたつきが防止され損傷することがない。さらに、上蓋2および下蓋3はヒンジ部4を中心として回動可能とされ、これら上蓋2と下蓋3とを開くとき、双方は前記シャンク保持部6に保持された軸状工具20に対して外側に向かって離間していくので、当該軸状工具20に接触して損傷させるということがない。さらに、上蓋2と下蓋3とは互いのなす開き角度θが鈍角あるいは180°程度に開くことができるとともに、挟持片8による軸状工具21の挟持状態が解除されることから、当該軸状工具20の周囲に十分な作業スペースが確保でき、当該軸状工具20の取り出しおよび収納作業をきわめて容易に且つ能率的に行うことができる。しかも、包装容器1を構成する上蓋2、下蓋3、ヒンジ部4、背面板5、シャンク保持部6、挟持片8およびストッパー片9が一体形成されていることから、当該包装容器1の製作コストが安価となる。
シャンク保持部6が接着剤(ボンド)等を用いた接続手段により背面板5に取付けられるようにした場合には、軸状工具のシャンク21の直径に対応したシャンク保持部6のみを製作し前記背面板5に後付けできることから経済性が高くなる。シャンク保持部6および背面板5がそれぞれの接続部に嵌脱可能に設けられた凸部および凹部によって着脱可能とされた場合には、シャンク21の直径に対応したシャンク保持部6に適宜交換することによって、多種の軸状工具20が1つの包装容器に収納可能となり、経済性がいっそう高くなる。
上蓋2および下蓋3の内面にそれぞれ相対して形成された少なくとも一対の挟持片8は、弾性変形による弾性力でもって軸状工具のシャンク21を側面側から相互に押圧し且つ挟持することから、当該軸状工具20の直径方向のばたつきを防止するとともに、当該挟持片8と当該シャンク21の外周面との間に生じる摩擦力によって長手方向のばたつきを防止する。
シャンク保持部6ならびに挟持片8との摩擦力によって長手方向にばたつかないように保持されている軸状工具20は、包装容器の運搬時の落下等により前記摩擦力を超える力が加わったとき長手方向に移動するおそれがあるが、ストッパー片9が当該軸状工具20の長手方向先端側への移動を阻止するため、当該軸状工具20の先端側に設けられた刃部22の損傷が防止される。シャンク21の直径にくらべ刃部22の直径が小さい軸状工具20においては、刃部22はストッパー片9に接触することなく挿通するため折損等の損傷を生じることがない。この効果は刃部22の強度が特に低下する極小径ドリルおよび極小径エンドミル等の軸状工具20においてきわめて有効である。
さらに、上蓋2および下蓋3にそれぞれに設けられた係止手段10は、これら上蓋2と下蓋3とを閉じた状態に保持することから、軸状工具20は少なくとも一対の挟持片8によって挟持された状態に確実に保持さるため直径方向および長手方向のばたつきによる損傷が確実に防止される。
次に、本発明の他の実施形態について以下に説明する。先に説明した実施形態と同一の構成については説明を省略し、図面についても同一符号で示す。図8および図9において、軸状工具20のシャンク21は、包装容器1のシャンク保持部の挿入穴7に直接嵌め入れられず、把持部材30を介して把持される。すなわち、包装容器1の本体とは別個に形成された、略円筒状をなす把持部材30は、包装容器1と同様にポリエチレンやポリスチレン等のプラスチックからなり、その軸心に沿って両端面を貫通する挿入穴31が形成されるとともに、この挿入穴31まわりの周壁を貫通し且つ当該把持部材30の一端面から切り込まれたスリットが設けられていて、前記周壁の直径方向の弾性変形がたやすく生じるようにしてある。一方、シャンク保持部の挿入穴7は開口部から穴底に向かうにしたがって漸次縮径するテーパ状とされていて、この挿入穴7に、スリットが切り込まれた一端面側から挿入された把持部材30は、その周壁が前記テーパ状内壁に圧接することにより、当該把持部材の挿入穴31は直径方向に弾性変形し縮径することによって、前記挿入穴31に嵌め入れられた軸状工具のシャンク21を把持する。
把持部材30は、前記のようにシャンク保持部の挿入穴7と協働して軸状工具のシャンク21を把持するものに限らず単独で把持する作用を有するものでもよく、例えば、先の実施形態におけるシャンク保持部6の如く、当該把持部の挿入穴31を取り囲む周壁を肉薄に形成するとともに前記挿入穴31の穴径をシャンク21の直径よりも若干小径にして前記周壁の弾性変形による弾性力でもって軸状工具のシャンク21を把持するものでもよい。
この実施形態の包装容器1においては、先に説明した実施形態と同一の効果を有するうえに、把持部材30がシャンク保持部6に嵌脱可能とされていることから、シャンク21の直径が相違する多種の軸状工具20を収納する場合、前記シャンク21の直径に対応した把持部材30を用いることによって、1つの包装容器1に前記多種の軸状工具20を収納することができる。しかも、当該把持部材の挿入穴31に嵌め入れられた軸状工具のシャンク21が前記挿入穴31の周壁の弾性変形による弾性力によって把持されるようにしたことから、当該軸状工具20は直径方向および長手方向にばたつかないように保持される。
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、これらはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の実施形態である包装容器の上蓋と下蓋とを一直線状に開いた状態の正面図である。 図1に示す包装容器の平面図である。 図1に示す包装容器の左側面図である。 図1に示す包装容器の右側面図である。 図1に示す包装容器の上蓋と下蓋とを閉じた状態の正面図である。 図5におけるS1−S1線切断部端面図である。 図5におけるS2−S2線切断部端面図である。 本発明の他の実施形態である包装容器の図1に対応する図である。 図8に示す包装容器の図2に対応する図である。 従来の包装容器の一部を切り欠いて内部構造を示した正面図である。 他の従来の包装容器を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。 さらに他の従来の包装容器の作用を説明するための正面図である。
符号の説明
1 包装容器
2 上蓋
3 下蓋
4 ヒンジ部
5 背面板
6 シャンク保持部
7 シャンク保持部の挿入穴
8 挟持片
9 ストッパー片
10 係止手段
20 軸状工具
21 軸状工具のシャンク
30 把持部材
31 把持部材の挿入穴
S 収納空間
θ 上蓋と下蓋とのなす開き角度
C 相対するストッパー片の間隙

Claims (4)

  1. 軸状工具を包装するための包装容器であって、
    上蓋と、
    下蓋と、
    前記上蓋と下蓋の間に介在されていて、これら上蓋と下蓋とを開閉可能にヒンジ部を介して一体に結合している背面板と、
    前記背面板の内面に形成されていて、前記軸状工具のシャンクを嵌め入れるための挿入穴を備えたシャンク保持部と、を備え、
    前記上蓋および前記下蓋の内面には、前記軸状工具の外周面を直径方向中心側に向かって押圧することによって前記軸状工具を挟持するための、相対する少なくとも一対の挟持片が一体形成され、前記上蓋と前記下蓋とを閉じて前記軸状工具を収納したとき、前記軸状工具の前記挿入穴から突出した部分を一対の前記挟持片によって挟持するようにし、及び、
    前記上蓋および前記下蓋の少なくともいずれか一方には、前記軸状工具の長手方向先端側への移動を阻止するストッパー片が一体形成されていることを特徴とする包装容器。
  2. 軸状工具を包装するための包装容器であって、
    上蓋と、
    下蓋と、
    前記上蓋と下蓋の間に介在されていて、これら上蓋と下蓋とを開閉可能にヒンジ部を介して一体に結合している背面板と、
    前記背面板の内面に形成されていて、前記軸状工具のシャンクを把持する把持部材を介して前記軸状工具を嵌め入れるための挿入穴を備えたシャンク保持部と、を備え、
    前記上蓋および前記下蓋の内面には、前記軸状工具の外周面を直径方向中心側に向かって押圧することによって前記軸状工具を挟持するための、相対する少なくとも一対の挟持片が一体形成され、前記上蓋と前記下蓋とを閉じて前記軸状工具を収納したとき、前記軸状工具の前記挿入穴から突出した部分を一対の前記挟持片によって挟持するようにし、及び、
    前記上蓋および前記下蓋の少なくともいずれか一方には、前記軸状工具の長手方向先端側への移動を阻止するストッパー片が一体形成されていることを特徴とする包装容器。
  3. 一対の前記挟持片は、その弾性変形による弾性力でもって前記軸状工具を挟持するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の包装容器。
  4. 前記上蓋および前記下蓋とを閉じた状態に保持するための係止手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の包装容器。
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