JP2018134696A - E形止め輪挿入工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供すること。
【解決手段】本発明にかかるE形止め輪挿入工具100は、把持部材20の一端に固定された平板の先端が二股に分岐し、分岐した一対の先端にそれぞれ設けられた溝にE形止め輪を挟持する挟持片30と、挟持片30に係合し、一対の先端同士の間隔を相対的に近付ける第1のポジションと一対の先端同士の間隔を相対的に離間させる第2のポジションにスライドするスライド板40とを備え、作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入するE形止め輪挿入工具である。スライド板40は、軸に当接する当接部41を有し、当接部41が軸に押圧されることにより、第1のポジションから、第2のポジションにスライドする。
【選択図】図1

Description

本発明はE形止め輪挿入工具に関する。
E形止め輪を軸に挿入する手段として、様々な工具が開発されている。例えば、棒状の握持部材の一端に固定された平板の先端が二本に分岐し、先端に設けられた溝にE形止め輪を挟持する挟持片を備えた挿入工具が広く普及している。この挿入工具を使用する場合、使用者は、E形止め輪が複数積層されている取出し装置の所定箇所に、挿入工具の挟持片を挿し込み、E形止め輪を挟持片に挟持させ、挟持したE形止め輪と共に挿入工具を取出し装置から抜き取る。さらに、使用者は、E形止め輪を挟持したまま挿入工具を運搬し、所望の軸に対してラジアル方向からE形止め輪の開口部を押し当てるようにして挿入工具を挿し込む。そしてE形止め輪の挿入が完了すると、使用者は挿入工具を軸から引き抜く。
このような挿入工具は、E形止め輪が途中で脱落しないように十分に強い挟持力を有している。そのため、E形止め輪が正しい位置に挟持されておらず、所定の位置からずれている場合には、このE形止め輪は強い力で弾かれるようにして脱落してしまう。従って、このような事態が生じないように、使用者は挿入工具を着実に取出し装置に挿入し、且つ、E形止め輪の平面方向において捩れが生じないようにE形止め輪を挟持させる必要がある。
また、使用者は、強い挟持力を有する挟持片を、取出し装置に対して強い力で挿し込む必要がある。さらに、E形止め輪を所望の軸に挿入する場合には、E形止め輪の開口部を拡げながら挿入するため、さらに強い力が必要となる。そして、E形止め輪が所望の軸に挿入された後、挿入工具を引き抜く際にも、同様に強い力が必要となる。従って、このような一連の作業を繰り返し行う場合、使用者に高い負荷が掛かる。
このような使用者の負荷を軽減するため、特許文献1には、軸の溝にE形止め輪を挿入するときに、E形止め輪両側面を止め輪ホルダ本体とスライドプレートとで保持することにより、動揺、或いは、脱落、飛散を抑制する挿入工具が提案されている。
また、特許文献2には、二又状ホルダにテーパ状のスリ割りを設け、スライド駒がスリ割りを摺動することにより、ホルダを開いてE形止め輪を挟持する挿入工具が提案されている。
また、特許文献3には、一対のホルダ部間の相対的な上下方向の動きを規制するための円板部材を設けることにより、E形止め輪を安定的に挟持する挿入工具が提案されている。
実用新案登録第3147440号公報 実開平01‐143360号公報 特開昭60‐249539号公報
かかる特許文献においては、E形止め輪を安定的に挟持するための種々の提案がなされている。しかしながら、このような提案によって挿入工具を所望の軸に挿入し、引き抜くといった作業に伴う使用者にかかる負荷が軽減されるものではない。そのため、依然として、一連の作業に伴う使用者の負荷は解消されていない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供することを目的とするものである。
本発明にかかるE形止め輪挿入工具は、把持部材の一端に固定された平板の先端が二股に分岐し、前記分岐した一対の先端にそれぞれ設けられた溝にE形止め輪を挟持する挟持片と、前記挟持片に係合し、前記一対の先端同士の間隔を相対的に近付ける第1のポジションと前記一対の先端同士の間隔を相対的に離間させる第2のポジションにスライドするスライド板と、を備え、作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入するE形止め輪挿入工具であって、前記スライド板は、前記軸に当接する当接部を有し、前記当接部が前記軸に押圧されることにより、前記第1のポジションから、前記第2のポジションにスライドするものである。
このような構成により、前記当接部が押圧され、前記スライド板が第2のポジションにスライドすると、挟持片が離間し、かかるE形止め輪挿入工具を容易に引き抜くことができる。
またこの場合、前記スライド板は、E形止め輪を挟持していない場合は、前記第1のポジションに付勢されていることが好ましい。これにより、かかるE形止め輪挿入工具は、E形止め輪を挟持する際に所定の挟持力を維持することができる。
また、前記一対の先端にそれぞれ設けられた前記溝は、V字状又はU字状に形成されており、前記E形止め輪の表面に沿った外形の稜線と、裏面に沿った外形の稜線とを、それぞれ保持することが好ましい。これにより、E形止め輪の平面に対して垂直な方向について、均等に挟持力が作用して、安定的にE形止め輪を挟持することができる。
また、前記スライド板は、前記第1のポジションにおいて、前記挟持片よりも前記E形止め輪の内径側に延在することが好ましい。これにより、使用者が、E形止め輪を挟持したE形止め輪挿入工具を運搬している場合、又はE形止め輪を軸に押し当てた場合に、E形止め輪に対して平面方向とは異なる力が加わっても、E形止め輪の脱落を抑制することができる。
また、前記挟持片は、挿入するE形止め輪のサイズに応じた形状のものに交換可能であることが好ましい。これにより、一の把持部材に対して複数の異なるサイズのE形止め輪に対応した挟持片をそれぞれ固定することができる。
尚、本明細書において「E形止め輪」とは、中空円板状であり開口部を有する金属板であって、円周溝を有する軸に対して、かかる軸のラジアル方向から、金属板の開口部を弾性域内において押し拡げるようにして挿入する止め輪をいう。また、「ラジアル方向」とは、E形止め輪が挿入される軸の長さ方向に対して垂直な方向をいう。
本発明により、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供することができる。
実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100の分解斜視図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100におけるスライド板40の位置の変化を説明するための図である。 実施の形態1にかかる挟持片30及びスライド板40の詳細図である。 実施の形態1にかかる挟持片30及びスライド板40の断面図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100によりE形止め輪が挿入された状態を説明するための図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100におけるスライド板40のポジションを説明するための図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100におけるスライド板40の第2のポジションを説明するための図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の外観図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200における保持体250の外観図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200における受け片290の外観図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具の分解斜視図である。E形止め輪挿入工具100は、握持部20、挟持片30、スライド板40、第1の段付軸50、第2の段付軸60、及びネジ70を備えている。
握持部20は、E形止め輪挿入工具100を使用する際に、使用者が握るための把持部材である。握持部20は、棒状の形態を呈しているが、使用者が把持する目的により種々の形態を採用することができる。握持部20は、例えば、樹脂、ゴム、又はエラストマ等により成形されたものである。また、握持部20は、ネジ穴21を有しており、ネジ70が螺合される。ネジ穴21には、圧入、インサート成形、又は接着等の手段により金属部材が埋め込まれていても良い。握持部20は、挟持片30が接合した状態においてネジ70が螺合される。これにより、握持部20の一端から挟持片30の上方部分が延設された状態となる。尚、本実施の形態1において、握持部20は、使用者がE形止め輪挿入工具100を使用するためのものであればよく、形状、材質等は上述したものに限らない。また、図1において、握持部20はネジ穴21を2か所有しているが、挟持片30を固定できれば1か所でも3か所以上でもよい。
挟持片30は、平板の先端が二股に分岐し、分岐した一対の先端にそれぞれ設けられた溝にE形止め輪を挟持する部材である。挟持片30は、弾性を有する金属板により形成されている。金属板の材料は、例えば、ステンレスである。挟持片30は、孔37を有しており、ネジ70が挿通し握持部20に螺合することにより、握持部20に固定されている。また、握持部20に固定されている側とは反対側の先端は、二股に分岐している。二股に分岐した一対の先端は、第1の挟持部33と、第2の挟持部34とを呈している。挟持片30は、第1の挟持部33と、第2の挟持部34とに、それぞれ溝32を有している。溝32は、V字状又はU字状に形成されている。挟持片30は、第1の挟持部33において、第1の孔35を、第2の挟持部34において、第2の孔36を有している。第1の孔35には、第1の段付軸50が固定されている。同様に、第2の孔36には、第2の段付軸60が固定されている。また、挟持片30は、スライド板40と、各々の主面が当接して積み重なるような状態に配置され、互いに摺動可能な状態において、第1の段付軸50及び第2の段付軸60により係合している。
スライド板40は、平板上の挟持片30と積み重なるような状態に配置され、挟持片30に対して摺動可能に係合する板状の部材である。スライド板40は、第1の段付軸50及び第2の段付軸60によって、挟持片30に対して摺動可能に固定されている。スライド板40は、挟持片30に対して、第1のポジションと第2のポジションの間を移動可能である。スライド板40が第1のポジションにある場合は、スライド板40は、挟持片30の一対の先端同士の間隔を相対的に近付ける。また、スライド板40が第2のポジションにある場合は、スライド板40は、挟持片30の一対の先端同士の間隔を相対的に離間させる。また、スライド板40は、当接部41、第1のストッパ部43、第2のストッパ部44、第1の孔45、及び第2の孔46を有している。
当接部41は、E形止め輪挿入工具100がE形止め輪を挿入した後に、当該E形止め輪を取り付ける先である作業対象の軸と当接する部分である。当接部41が軸に当接し、軸からの反力を受けて押圧されることにより、スライド板40が第1のポジションから第2のポジションへとスライドする。
当接部41は、挟持片30における一対の先端である第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間に延在している。また、当接部41は、E形止め輪挿入工具100がE形止め輪を挟持した状態におけるE形止め輪の内側円周の中心を通り、E形止め輪を挿入する方向に平行な直線上において、当該E形止め輪を取り付ける先の軸と当接するように延在している。このような当接関係が成立するように、当接部41はE形止め輪の挿入方向とは反対側に円弧状に突出している。
第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44は、スライド板40が第1のポジションに位置する場合に、挟持しているE形止め輪の脱落を抑制するものである。第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44の各々は、スライド板40本体から図2における上方にそれぞれ突出している。また、第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44は、挟持片30の第1の挟持部33と第2の挟持部34によって形成されるE形止め輪の受入れ領域よりも若干内側に、それらの端部が位置している。これにより、第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44は、第1のポジションにおいてE形止め輪の主面の一部に当接し得る。
第1の孔45は、第1の段付軸50の係合部51が挿通され、スライド板40が摺動する際の支点となる。第2の孔46は、第2の段付軸60の係合部61が挿通される。第2の孔46は、長方形状を呈しており、係合部61の相対的な位置関係が所定の範囲において変化できるように構成されている。すなわち、係合部61が第2の孔46の長方形状の孔の位置を移動することにより、スライド板40は、第1のポジションと第2のポジションとを移動する。
第1の段付軸50は、係合部51と鍔部52を有している。係合部51は、スライド板40の第1の孔45及び挟持片30の第1の孔35に挿通し、挟持片30に対して固定されている。第1の段付軸50は、例えば、係合部51と、挟持片30の第1の孔35とがカシメ加工、接着、又は溶接されることにより固定される。
第2の段付軸60は、係合部61と鍔部62を有している。係合部61は、スライド板40の第2の孔46及び挟持片30の第2の孔36に挿通し、挟持片30に対して固定されている。第2の段付軸60は、例えば、係合部61と、挟持片30の第2の孔36とがカシメ加工、接着、又は溶接されることにより固定される。
尚、第1の段付軸50及び第2の段付軸60が挟持片30に固定されたときに、第1の段付軸50の鍔部52と、挟持片30との間隔、及び第2の段付軸60の鍔部62と、挟持片30との間隔は、スライド板40がガタツキなく且つ摺動自在に係合する程度の大きさを有する。また、鍔部52及び鍔部62は、それぞれ第1の孔45と第2の孔46を覆い隠す大きさを有している。そのため、使用者に対して、第1の孔45と第2の孔46の大きさの違いを認識させず、整然とした外観であるという印象を与えることができる。
ネジ70は、挟持片30の孔37を挿通したうえで握持部20のネジ穴21に螺合する。ネジ70は、一般的なネジであればよいが、挟持片30の孔37に皿モミ加工を施し、これに嵌合する皿ネジを採用することができる。こうすることにより、ネジ頭が挟持片30の主面から突出しなくなる。従って、E形止め輪挿入工具100を使う際の自由度が増すため、作業性を高めることができる。
尚、挟持片30、スライド板40、第1の段付軸50、及び第2の段付軸60は、所定の直径を有するE形止め輪に対応した一組のアセンブリとして扱うことができる構成となっている。また、挟持片30と握持部20とは、ネジ70を外すことにより分解することが可能である。すなわち、E形止め輪挿入工具100は、上述したアセンブリが挿入するE形止め輪のサイズに対応しており、挿入するE形止め輪のサイズに応じた形状のものに交換可能となっている。これにより、一の握持部材に対して複数の異なるサイズのE形止め輪に対応した挟持片をそれぞれ固定することができる。
また、挟持片30は、板バネ状の弾性を有するものを採用することができる。これにより、挟持片30が撓んだ状態を維持したまま、E形止め輪挿入工具100を使用することができる。従って、E形止め輪を挿入する作業の自由度が高まる。
次に、図2を参照しながら、スライド板40の第1のポジションと第2のポジションについて詳細を説明する。図2は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具におけるスライド板の位置の変化を説明するための図である。図2(a)は、スライド板40が第1のポジションに位置している状態を示している。図2(b)は、スライド板40が第2のポジションに位置している状態を示している。尚、図2以降の図を説明するにあたり、xyz座標を設定している。図2において、紙面の左右方向がx軸、紙面の上下方向がy軸、そして、紙面に対して垂直な方向がz軸である。z軸は紙面の奥から手前に向かう方向がプラス方向となっている。xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。図2のz軸方向と、図3〜図10のz軸方向は一致している。
図2(a)に示すように、スライド板40の第1の孔45と、第1の段付軸50の係合部51とはがたつきのない程度に回転自在に係合している。スライド板40の第2の孔46は、幅H1及び幅H2を有する長方形状の孔である。第2の孔46内には、第2の段付軸60の係合部61が係合している。第2の孔46の幅H1は係合部61の直径と略同じ寸法であり、がたつかない程度に隙間を有している。第2の孔46の幅H2は、係合部61が第1のポジションと第2のポジションを往復できる幅を有している。図2(a)に示すように、スライド板40は、第1のポジションにおいて、第2の孔46におけるy軸マイナス側の端部に、第2の段付軸60の係合部61が位置している。第1のポジションにおいて、第1の段付軸50の係合部51と、第2の段付軸60の係合部61との間隔は間隔L1である。また、第1のポジションにおいて、挟持片30の、第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔は、間隔W1である。一方、図2(b)に示すように、スライド板40は、第2のポジションにおいて、第2の孔46におけるy軸プラス側の端部に、第2の段付軸60の係合部61が位置している。第2のポジションにおいて、第1の段付軸50の係合部51と、第2の段付軸60の係合部61との間隔は間隔L2である。また、第2のポジションにおいて、挟持片30の、第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔は、間隔W2である。
ここで、第2の孔46は、図2に示されるように、y軸プラス方向にいくにつれて、x軸プラス方向に延在している。したがって、第1の孔45(第1の段付軸50の係合部51)と、第2の孔46中の第2の段付軸60の係合部61との間隔は、第1のポジションにおける間隔L1よりも、第2のポジションにおける間隔L2の方が大きい。それ故、第1のポジションにおける第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔W1と、第2のポジションにおける第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔W2とを比較すると、間隔W2の方が大きい。第1のポジションにおいては、所定のE形止め輪を挟持するために、所定の挟持力を発生させることができる。一方、第2のポジションにおいては、第1の挟持部33と第2の挟持部34との間の距離が拡がるため、所定のE形止め輪からE形止め輪挿入工具100を容易に離脱させることができる。
尚、スライド板40の第1のポジションと第2のポジションについて詳細を説明したが、スライド板40及び挟持片30の構成はこれに限ったものではない。すなわち、第1の挟持部33と第2の挟持部34との間隔が変化する構成であれば、例えば、第1の孔45及び第2の孔46が、それぞれカム溝を形成されていても良い。あるいは、スライド板40に軸が設けられていて、挟持片30に孔が設けられていても良い。
尚、本実施の形態1におけるE形止め輪挿入工具100においては、外力が働いていない場合は、第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔は、間隔W1である。すなわち、E形止め輪挿入工具100において、スライド板40は、E形止め輪を挟持していない場合は、第1の挟持部33と第2の挟持部34との間隔を維持する両部材から、第1のポジションに付勢されている。これにより、E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪を挟持する際に、第1の挟持部33と第2の挟持部34との間において、挟持片30自身の復元力により規定される所定の挟持力を維持することができる。
次に、図3を参照しながら、E形止め輪挿入工具100がE形止め輪を挟持している状態について説明する。図3は、実施の形態1にかかる挟持片30及びスライド板40の詳細図である。2点鎖線はE形止め輪101を示している。図3に示すように、E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪101の外径部について、円周の半分以上に亘って挟持している。この状態において、第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔は、E形止め輪101を挟持しているため互いに離間する方向に若干拡げられている。つまり、E形止め輪挿入工具100がE形止め輪101を挟持している状態において、第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔は、間隔W0よりも若干大きく間隔W2よりも小さい間隔W1である。このとき、第1の挟持部33と、第2の挟持部34とは、弾性力(復元力)によりE形止め輪101を挟持する方向すなわち、第1の挟持部33と、第2の挟持部34とが互いに近づきあう方向に付勢される。E形止め輪挿入工具100は、この力により、E形止め輪101を挟持する。
次に、図4を参照しながら、挟持片30の厚み方向においてE形止め輪を保持する原理について詳細を説明する。図4は、実施の形態1にかかる挟持片及びスライド板の断面図である。図4は、図3における線分IVにおける切断面を示している。
挟持片30の先端には、溝32が形成されている。図4にはその一例としてV字状の溝32を示している。溝32は、y軸方向に対してそれぞれ90度未満の任意の角度Aの溝が形成されている。これにより、挟持片30は、E形止め輪101の外形の稜線(点38aに沿った角部)及び稜線(点38bに沿った角部)にそれぞれ当接する。従って、挟持片30は、厚み方向においてE形止め輪101を安定的に挟持することができる。尚、溝32の形状はV字状に限らず、U字状であっても構わない。
続いて、挟持片30の厚さについて説明する。図4に示すように、挟持片30は、厚さB2の板状部材である。厚さB2は、具体的には、例えば、E形止め輪101の厚みB1プラス0.3〜0.5ミリメートル程度である。すなわち、挟持片30がE形止め輪101を挟持した状態において、E形止め輪101の主面と、挟持片30の主面とのz軸方向の段差はおよそ0.15〜0.25ミリメートル程度となる。
続いて、図3及び図4を参照しながらスライド板40が有している第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44の働きについて説明する。図3に示すように、E形止め輪挿入工具100がE形止め輪101を挟持している状態において、スライド板40は、第1のポジションに位置している。このとき、スライド板40が有している第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44は、挟持片30の有する第1の挟持部33及び第2の挟持部34よりもE形止め輪101の内径側に延在している。図3に示すように、本実施の形態1においては、第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44は、E形止め輪の外側円周の半分に重なるように延在している。
図4に示すように、E形止め輪101の先端部(y軸プラス方向の上端部)に対して矢印R1の方向に外力が加わった場合、E形止め輪101と、第1の挟持部33及び第2の挟持部34とが当接している点39aに強い反力が加わる。一方、E形止め輪101の下端部(y軸マイナス方向)の溝32においては、かかる外力に対応する反力が働かない。そのため、E形止め輪101に対して、点39a付近のx軸方向を回転中心とした回転モーメントが働く。そのため、E形止め輪の下端部には矢印R12の方向に力が加わる。従って、E形止め輪101の点38bは、第1のストッパ部43に近づく方向に力が加わる。そのため、E形止め輪101の下端が挟持片30の溝32から外れたとしても、第1のストッパ部43に当接する。一方、E形止め輪101の先端部に対して矢印R2の方向に外力が加わった場合は、E形止め輪101の点39bにおいて矢印R22の方向に力が加わる。そのため、E形止め輪101が挟持片30の溝32から外れたとしても、点39bにおいて第1のストッパ部43に当接する。このように、E形止め輪101に外力が加わり、E形止め輪101に対してz軸方向の力が加わった場合に、第1のストッパ部43は、E形止め輪101の脱落を抑止する。第1のストッパ部43と対称形状を呈している第2のストッパ部44についても、上述した内容と同様の作用及び効果を奏する。
尚、第1のストッパ部43及び第2のストッパ部44は、E形止め輪の少なくとも一部に当接するように延在していれば良い。しかしながら、上述したように、E形止め輪の外側円周の半分に重なるように延在していることが好ましい。これにより、E形止め輪挿入工具100は、より安定して、E形止め輪の脱落を抑制することができる。
また、図3及び図4において示したように、平板状のスライド板40が、第1の挟持部33及び第2の挟持部34に係合している。そのため、第1の挟持部33及び第2の挟持部34がz軸方向において位置ずれを起こすことが抑制されている。従って、本実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100は、挟持片30の有する第1の挟持部33及び第2の挟持部34が捩れ方向に外力を受けることにより、E形止め輪101が脱落することを抑制することができる。
次に、図5〜図9を参照しながら、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100を使って軸に対してE形止め輪を挿入し、E形止め輪挿入工具100を引き抜くまでの状態について説明する。
図5は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。使用者は、E形止め輪挿入工具100にE形止め輪101を挟持した状態において、E形止め輪101の開口部を軸102の溝部に押し当て、y軸方向プラス方向、すなわち、軸のラジアル方向にE形止め輪挿入工具100を押し込む。この状態において、E形止め輪101の開口部は幅E1であり、軸102の溝部は外径E2である。そして、幅E1は、外径E2よりも小さい。従ってE形止め輪101は、弾性変形の範囲内において矢印D1及び矢印D2の方向に拡がりながら軸102に挿入されていく。尚、図3を参照しながら説明したように、この状態において、スライド板40は、第1のポジションに位置している。
続いて、図6を参照しながら、E形止め輪101がさらに進んでいく状態を説明する。図6は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。使用者が、E形止め輪挿入工具100をy軸プラス方向に押しこんでいくと、所定の位置において、E形止め輪101の内径部が軸102の溝部の外径を乗り越える。E形止め輪101が軸102の溝部の外径を乗り越えると、E形止め輪101は、自らの弾性力(復元力)により開口部を閉じる方向へ変形しようとする。そのため、E形止め輪101は、矢印D3及び矢印D4の方向へ移動する。すなわち、E形止め輪101自らy軸プラス方向へ移動する。
次に、図7を参照しながら、E形止め輪101が挿入された状態について説明する。図7は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具によりE形止め輪が挿入された状態を説明するための図である。上述のように、E形止め輪101は、所定の位置から先へ挿入される際に、自らの弾性力(復元力)によりy軸プラス方向へ進む。図7においては、E形止め輪101は軸102に対して挿入完了された位置に落ち着いている。この状態において、E形止め輪101の稜線におけるy軸マイナス側の端部である点38a及び点38bと、挟持片30の溝32とは、間隔G1を有している。すなわち、図7においては、E形止め輪挿入工具100は、y軸方向に間隔G1の分だけさらに押し込むことが可能な状態である。
次に、図8〜図9を参照しながら、E形止め輪101の挿入後におけるスライド板40の動きについて説明する。ここで説明する挟持片30及びスライド板40を主な構成要素とする機構を、プッシュオープン機構と称する。図8は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100におけるスライド板40のポジションを説明するための図である。使用者は、図7において説明した状態からさらにE形止め輪挿入工具100をy軸プラス方向へ押し込む。すると、スライド板40の有する当接部41が軸102に当接する。ここで、当接部41は、軸102から矢印41bの方向に押圧される。当接部41が矢印41bの方法に押圧された場合、スライド板40には、第1の段付軸50の係合部51を回転中心とした回転モーメントが発生する。そして、それに伴い、第2の孔46と、第2の孔46に係合する第2の段付軸60の係合部61とが接触している点においては、係合部61を矢印30bの方向に押す力が働く。すなわち、挟持片30の有する第2の挟持部34は、第1の挟持部33と、互いに離間する方向へ変形する力を受ける。また、この状態において、E形止め輪101の稜線におけるy軸マイナス側の端部である点38a及び点38bと、挟持片30の溝32とは、間隔G2を有している。すなわち、図8おいては、E形止め輪挿入工具100は、y軸方向に間隔G2分だけさらに押し込むことが可能な状態である。
続いて、図9は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具におけるスライド板の第2のポジションを説明するための図である。使用者がE形止め輪挿入工具100をy軸プラス方向へさらに押し込むことにより、当接部41はさらに矢印41bの方向に押し込まれる。そして、スライド板40は、係合部51を回転中心として回転する。その結果、図9に示すように、スライド板は第2のポジションに移動する。第2のポジションにおいては、図2(b)を参照しながら説明したように、挟持片30の有する第1の挟持部33と、第2の挟持部34との間隔は、間隔W2となっている。間隔W2は、例えば、E形止め輪101の外径と同程度である。あるいは、間隔W2は、E形止め輪101の外径よりも0.2ミリメートル程度小さいものであってもよいし、E形止め輪101の外径よりも0.2ミリメートル程度大きいものであってもよい。
このような構成により、使用者は、E形止め輪101を挿入した後に、E形止め輪挿入工具100を、y軸マイナス方向に容易に引き抜くことが可能である。また、使用者は、E形止め輪挿入工具100を、z軸プラス方向に引き抜くことも可能である。従って、本実施の形態により、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供することができる。
実施の形態2
続いて、図10〜図15を参照しながら本発明の実施の形態2について説明する。E形止め輪挿入工具200は、プライヤ式のE形止め輪挿入工具である。以降、実施の形態1と共通する点においては適宜省略しながら説明する。図10は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の外観図である。図10(a)は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の正面図である。図10(b)は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の側面図である。E形止め輪挿入工具200は、第1の把持部材210、第2の把持部材220、バネ240、保持体250、及び受け片290を備えている。
尚、図10(a)においてxyz座標を示している。x軸プラス方向は紙面の右方向である。y軸プラス方向は、紙面の上方向である。z軸プラス方向は、紙面に対して鉛直の手前方向である。当然のことながら、図10〜図15に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。図10のz軸方向と図11(b)〜図15のz軸方向は一致している。
第1の把持部材210は、その一端に把手211を有し、他端に係止部213を有している。また、第1の把持部材210の係止部には、ネジ214が螺合されている。ネジ214は、保持体250の孔252を挿通したうえで、第1の把持部材210に螺合することにより、保持体250を係止している。
第1の把持部材210は、把手211から係止部213側に向かうにつれて、中間部において、略直角に屈曲し、そしてさらに、把手211の長手方向と係止部213の長手方向とが略平行になるように再度屈曲している。
第2の把持部材220は、その一端に把手221を有し、他端に係止部223を有している。また、第2の把持部材220の係止部には、ネジ224が螺合されている。ネジ224は、受け片290の孔291を挿通したうえで、第2の把持部材220に螺合することにより、受け片290を係止している。
第2の把持部材220は、把手221から係止部223側に向かうにつれて、中間部において、略直角に屈曲し、そしてさらに、把手221の長手方向と係止部223の長手方向とが略平行になるように再度屈曲している。
第1の把持部材210及び第2の把持部材220は上述のように略相似形状をしている。そして、第1の把持部材210と、第2の把持部材220とは、それぞれの中間部における支点230において対向する方向に、且つ、回動自在に軸支されている。
第2の把持部材は、支点230の近傍にストッパ222を有している。ストッパ222は、第2の把持部材220の主面から突出した凸形状を有している。ストッパ222は、第1の把持部材210及び第2の把持部材220の開き角を規制する。また、第1の把持部材210及び第2の把持部材220は、コイルばね240により互いに離間する方向に付勢されている。つまり、第1の把持部材210及び第2の把持部材220の相対的な位置は、第1の把持部材210の側面がストッパ222に当接する位置で保持される。すなわち、ストッパ222により、使用者にとって操作しやすい開き角を維持することができる。また、このような構成により、E形止め輪挿入工具200の開きすぎを抑制し、E形止め輪の挿入作業時間を短縮することができる。
第1の把持部材210及び第2の把持部材220は、ステンレス板をプレス加工又は切削加工することにより形成される。また、ステンレス板は、プレス加工又は切削加工された後に、窒化処理や浸炭処理などをすることにより表面硬度を上げると共に、剛性を高めても良い。把手211及び把手221は、使用者がE形止め輪挿入工具100を把持する際の持ち手であり、第1の把持部材210及び第2の把持部材220の表面に、エラストマや合成ゴム等の弾性体を成形することにより形成される。
尚、保持体250は、係止部213において螺合されているネジ214を緩めることにより取り外すことができ、所望のE形止め輪に対応した保持体に交換可能である。同様に、受け片290は、係止部223において螺合されているネジ224を緩めることにより取り外すことができ、所望のE形止め輪に対応した受け片に交換可能である。これにより、一の把持部材に対して複数の異なるサイズのE形止め輪に対応した挟持片ないし受け片をそれぞれ固定することができる。
次に、図11を参照しながら保持体250の詳細を説明する。図11は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200における保持体250の外観図である。図11(a)は、保持体250の正面図である。また、図11(b)は、保持体250の側面図である。
保持体250は、挟持片251、スライド板260、第1の段付軸270、第2の段付軸280を有している。
挟持片251は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100における挟持片30と同様に、平板の先端が二股に分岐している。より具体的には、挟持片251は、先端部に、第1の挟持部253と、中間部254を介して、第2の挟持部255とを有しており、これらが一対となりE形止め輪を挟持する。また、第1の挟持部253及び第2の挟持部255は、溝256をそれぞれ有している。そして、溝256は、E形止め輪の表面に沿った外形の稜線と、裏面に沿った外形の稜線とを、それぞれ保持する。また、挟持片251の厚みは、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100における挟持片30と同様に、厚さB2である。
また、挟持片251は、孔252を有している。孔252は、保持体250を第1の把持部材210の係止部213に係止させるための孔である。孔252は大径部と小径部とから構成されており、大径部は、係止部213において螺合されるネジ214のネジ頭より大きく、小径部は、これより小さい。保持体250を第1の把持部材210に係止する際は、まず、孔252の大径部と、所定の位置にまで緩めておいたネジ214とを遊嵌させる。続いて、保持体250をスライドして小径部とネジ214のネジ部とを係合させる。小径部と締結部15とを係合させると、保持体250は、係止部213に嵌合する。このようにした後、ネジ214を締め付けることにより、保持体250は係止部213に係止される。尚、係止部213は、保持体250の外形に所定のクリアランスを有して一致する凹部を有している。そのため、保持体250が係止部213に係止された後は、ずれが生じにくい。
また、挟持片251は、第1の段付軸270及び第2の段付軸280が固定されている。また、挟持片251は、スライド板260と、積み重なるような状態に配置され、摺動可能に係合している。挟持片251、スライド板260、第1の段付軸270、及び第2の段付軸280の各構成については、実施の形態1において説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。尚、本実施の形態2にかかる保持体250においては、スライド板の支点は、第2の段付軸280の係合部281であり、スライド板260の有する孔264と、第1の段付軸270の係合部271との位置関係が相対的に変化する。これにより、スライド板260は、第1のポジション及び第2のポジションへ移動する。また、スライド板260は、実施の形態1において説明したスライド板40と同様に、止め輪を挟持していない場合は、第1のポジションに付勢されている。これにより、E形止め輪挿入工具200は、E形止め輪を挟持する際に所定の挟持力を維持することができる。
次に、図12を参照しながら、受け片290について説明する。受け片290は、E形止め輪挿入工具200を使ってE形止め輪を軸に挿入する際に、軸の外形に当接する受け部材である。図12は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200における受け片290の外観図である。
受け片290は、平板状の部材であり、孔291、及び受け部292を有している。孔291は、受け片290を第2の把持部材220の係止部223に係止させるための孔である。孔291の形状及びその機能については、挟持片251の孔252と同様である。そのためここでは説明を省略する。受け部292は、E形止め輪挿入工具200がE形止め輪を軸に挿入する際に軸に当接する部分である。
受け片290の厚みは、上述した挟持片251と同じ厚みB2であることが好ましい。また、受け片290と、挟持片251とが、それぞれE形止め輪挿入工具200に取り付けられた際には、z軸方向において同じ位置にあることが好ましい。このようにすることで、E形止め輪挿入工具200を使用する際の自由度が向上し、狭い間隔において作業ができる可能性が高まる。
次に、図13〜図15を参照しながら、E形止め輪挿入工具200の動作について説明する。ここで説明する挟持片251、スライド板260、及び受け片290を主な構成要素とする機構を、グリップオープン機構と称する。図13〜図15は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200によりE形止め輪を挿入する状態を説明するための図である。尚、挟持片251及びスライド板260の動作原理については、図5〜図9を参照しながら説明した実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100の内容と同様である。ただし、受け片290に関連する事項については実施の形態1とは異なる。
E形止め輪挿入工具200を用いてE形止め輪101を挿入する際、使用者は、まず、E形止め輪101を保持体250に装着する。そして、図13に示すように、使用者は、保持体250にE形止め輪101を保持したまま、保持体250に保持したE形止め輪101と、受け片290とで軸102を挟み込む。さらに、使用者は、保持体250と、受け片290とを互いに近付けるように、把手211及び把手221を握る。こうすることにより、E形止め輪101は、ラジアル方向から軸102に挿入される。
続いて、E形止め輪101が挿入された直後の状態について説明する。図14は、E形止め輪101が軸102に挿入された状態である。図14においては、当接部263が軸102に当接していない。すなわち、スライド板260は第1のポジションであり、第1の挟持部253と、第2の挟持部255との間隔は、間隔W1である。使用者は、E形止め輪101が軸102に挿入された後、保持体250と受け片290とをさらに近付けるように第1の把持部材210及び第2の把持部材220を操作する。そして、使用者は、当接部263を軸102に押し当てる。
次に、図15を参照しながら、E形止め輪挿入工具200を離脱させる際の状態について説明する。図15において、当接部263は、相対的にy軸マイナス方向へ押圧される。すなわち、第1の段付軸270の係合部271とスライド板260の孔264との位置が相対的に変化する。その結果、スライド板260は、第2の段付軸280の係合部281を支点として矢印D22の方向に回動し、第2のポジションに位置している。これに伴い、第2の挟持部255は、第1の挟持部253から離間する方向である方向D21に弾性変形している。そのため、第1の挟持部253と、第2の挟持部255との間隔は、間隔W2になっている。
図15の状態において、使用者は、E形止め輪挿入工具200を、z軸プラス方向に容易に離脱させることが可能となる。従って、本実施の形態により、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供することができる。尚、プッシュオープン機構は、使用者はE形止め輪挿入工具100を使用してE形止め輪を挿入する際に、E形止め輪を挿入する力によって軸が動かないよう、当該軸を支持する支持手段が別途必要であった。一方、グリップオープン機構は、構成要素としている受け片290が軸を支持する。そのため、使用者は、E形止め輪挿入工具200を支持手段なしで使用することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
20 握持部
30、251 挟持片
32 溝
40、260 スライド板
50、270 第1の段付軸
60、280 第2の段付軸
41、263 当接部
43、44 ストッパ部
100、200 E形止め輪挿入工具
101 E形止め輪
102 軸
210 第1の把持部材
220 第2の把持部材
250 保持体
290 受け片

Claims (5)

  1. 把持部材の一端に固定された平板の先端が二股に分岐し、前記分岐した一対の先端にそれぞれ設けられた溝にE形止め輪を挟持する挟持片と、
    前記挟持片に係合し、前記一対の先端同士の間隔を相対的に近付ける第1のポジションと前記一対の先端同士の間隔を相対的に離間させる第2のポジションにスライドするスライド板と、を備え、
    作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入するE形止め輪挿入工具であって、
    前記スライド板は、
    前記軸に当接する当接部を有し、
    前記当接部が前記軸に押圧されることにより、前記第1のポジションから、前記第2のポジションにスライドする、
    E形止め輪挿入工具。
  2. 前記スライド板は、
    E形止め輪を挟持していない場合は、前記第1のポジションに付勢されている、
    請求項1に記載のE形止め輪挿入工具。
  3. 前記一対の先端にそれぞれ設けられた前記溝は、
    V字状又はU字状に形成されており、
    前記E形止め輪の表面に沿った外形の稜線と、裏面に沿った外形の稜線とを、それぞれ保持する、
    請求項1又は2に記載のE形止め輪挿入工具。
  4. 前記スライド板は、
    前記第1のポジションにおいて、前記挟持片よりも前記E形止め輪の内径側に延在する、
    請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の、E形止め輪挿入工具。
  5. 前記挟持片は、挿入するE形止め輪のサイズに応じた形状のものに交換可能である、
    請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のE形止め輪挿入工具。
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