JP4542436B2 - Eリング装着確認装置及びeリング装着確認方法 - Google Patents
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Description
図1は、Eリング10と断面コ字形のチャンネル材20とリング部材30と連結ピン40を示している。図2は、リング部材30の一端に形成された筒部31を、チャンネル材20に穿設された一対の係合孔21に連結ピン40を利用して枢着した状態を示している。Eリング10は、連結ピン40の先端部に形成された環状溝41(小径部42)に装着(嵌合)されるものであり、その内周面1カ所に接触突部11を具備し、かつ、内周面2カ所に接触突部12を具備している。接触突部11及び接触突部12の内周面は小径部42の外周面に接触可能である。チャンネル材20とリング部材30と連結ピン40の組み付け後に、図1及び図2に示すように、Eリング10を連結ピン40の環状溝41(小径部42)に適式に装着すると、連結ピン40がチャンネル材20及びリング部材30から抜け止めされる。
歪変換表示装置(判定手段、表示手段)60からは複数のリード線70が延出しており、各リード線70の先端には長方形の歪ゲージ80と歪ゲージ81が接続されている。2枚の歪ゲージ80は、弾性把持片53が長手方向に弾性変形したときに、その電気抵抗が最も大きく変化する態様で、各弾性把持片53の外側面(上記内側面と反対側の面)の基端部(本体51との接続側端部)に貼着されている。残りの2枚の歪ゲージ81は、弾性把持片53が長手方向に弾性変形したときに、その電気抵抗が最も大きく変化する態様で、各弾性把持片53の基端部の内側面に貼着されている。歪みゲージ80、81自体は周知であり、例えばニクロム線を利用したものが知られている。歪変換表示装置60は、歪ゲージ80、81の電気抵抗変化を測定し、かつ、内蔵された演算手段(図示略)によって、この測定結果から、各弾性把持片53の内側面及び外側面の長手方向の歪み量(図8の矢印方向の歪み量)を演算する。歪変換表示装置60はそのディスプレイ61に、演算した歪み量の絶対値をデジタル化した数値として表示し、さらに歪みに基づく装着完了状態の合否結果を表示する。
このように歪ゲージ80と歪ゲージ81を、弾性把持片53の内側面及び外側面の基端部に貼着するのは、Eリング10の挟持時において、この部分の弾性変形量が把持部52の他の部分に比べて大きくなり、より正確な判定結果が得られるためである。
図9は、Eリング10が連結ピン40(小径部42)に適式に装着された場合の歪み量変化を経時的に示したグラフである(実際には弾性把持片53の内側と外側では歪み方向(伸張と短縮)が異なるので、縦軸の方向(歪み量の正負)が逆になり、さらに内側と外側では歪み量の絶対値が若干異なる。しかし、絶対値はほぼ同一となるので、正負を無視して内側と外側を同一のグラフとして表している。図10及び図11でも同様である)。Eリング装着用治具50でEリング10を把持すると上記4カ所の歪み量の絶対値が増大し、Eリング10を連結ピン40に装着し始めると各部の歪み量の絶対値がさらに増大する。そして、Eリング10の左右の接触突部12が、小径部42の外周面に接触しつつ小径部42の中心軸を挟んで対向すると、Eリング10の開度と弾性把持片53の各部の歪み量の絶対値が最大となる。Eリング10がさらに前進すると、歪み量の絶対値が図5の状態(Eリング10を連結ピン40の小径部42に嵌合する前の状態)と同じ値である第2判定値Bまで減少し、Eリング10の接触突部11と接触突部12の内周面が小径部42の外周面に弾性接触する装着完了状態まで第2判定値Bを維持する。Eリング装着用治具50をEリング10から分離すると、歪み量の絶対値は第2判定値Bより小さくなり、Eリング装着用治具50が初期状態に弾性復帰すると各部の歪み量が0(ゼロ)となる。
このような歪み量の変化過程において歪変換表示装置60は、まず上記最大値が所定の第1判定値A以上であるか否かを判定する。そして、第1判定値A以上である場合にはさらに、該最大値の記録時から歪み量の絶対値が第2判定値Bより小さくなり始めるまでの時間(t)が所定時間(T)以上であるか否かを判定する。上記最大値が上記第1判定値A以上であり、かつ、時間tがT秒以上である場合には、歪変換表示装置60は、Eリング10の装着は適式に行われたと判断する。そしてディスプレイ61には、上記最大値と上記時間tがT秒以上である旨とが表示され、さらに「合格」の文字が表示される。
また、Eリング10の連結ピン40への装着中にEリング10が連結ピン40から脱落すると、グラフは図11に示すようになる。この場合は歪み量の絶対値の最大値は第1所定値A以上であるが、該最大値の記録時から歪み量の絶対値が第2判定値Bより小さくなり始めるまでの時間(t)が所定時間(T)より短いので、歪変換表示装置60は、Eリング10の装着は適式に行われなかったと判断する。そして、ディスプレイ61に上記最大値、時間(t)が所定時間(T秒)より短い旨、及び「不合格」の文字を表示する。
さらに、理論的には一方の弾性把持片53の内側面または外側面にのみ一つの歪ゲージ80(81)を貼着すれば判定結果が得られるが、本実施形態のように双方の弾性把持片53の内側面及び外側面に4枚の歪ゲージ80、81を貼着すれば、より精度の高い判定結果が得られる。即ち、貼着する歪ゲージ80、81の枚数を増やせば判定精度が高くなる。
なお、左右の弾性把持片53に歪ゲージ80(81)を1枚づつ貼着する場合は、歪ゲージ80(81)を左右の内側面に貼着するか左右の外側面に貼着する(一方は内側面に貼着し他方は外側面に貼着することは避ける)。これは、仮に左右の弾性把持片53が左右対称に弾性変形しない場合であっても、全歪ゲージ80(81)の変化量の合計値は左右対称に弾性変形した場合と同じとなり、精度の高い判定結果が得られるためである。
例えば、歪変換表示装置60が判定結果に応じて異なる音を発するようにしてもよい。このようにしても、作業者は判定結果を正しく認識できる。
また、Eリング装着用治具50を図示を省略した自動操作装置に接続して、Eリング10のEリング装着用治具50への装着、及び、Eリング装着用治具50を用いたEリング10の連結ピン40への装着を、自動的に行うようにしてもよい。さらに、このように自動操作装置を用いる場合は、歪変換表示装置60が不合格と判定したときに、自動操作装置を停止させ、かつ、警報を発して周囲の作業者に知らせるようにしてもよい。
11 接触突部
12 接触突部
20 チャンネル材
21 係合孔
30 リング部材
31 筒部
40 連結ピン(被装着部材)
41 環状溝
42 小径部
50 Eリング装着用治具
51 本体
52 把持部
53 弾性把持片
54 スリ割り
55 ストッパ面
56 把持用凹部
60 歪変換表示装置(判定手段、表示手段)
61 ディスプレイ(表示手段)
70 リード線
80 81 歪ゲージ
Claims (5)
- 本体に突設された一対の弾性把持片を有し、該一対の弾性把持片を互いに離間する方向に弾性変形させながら、一対の弾性把持片の対向する内側面間で、被装着部材に形成された環状溝に装着可能なEリングを弾性的に把持するEリング装着用治具と、
上記弾性把持片の少なくとも一方に貼着される歪ゲージと、
該歪ゲージの電気抵抗変化から算出した上記弾性把持片の歪み量の絶対値の最大値が第1判定値に達し、かつ、該最大値の記録時から、上記歪み量の絶対値が上記Eリングの被装着部材への未装着時と同値である第2判定値より小さくなり始めるまでの時間が所定時間以上となった場合にのみ、Eリングが上記環状溝に適式に装着されたと判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするEリング装着確認装置。 - 請求項1記載のEリング装着確認装置において、
弾性把持片の上記本体との接続側端部に、上記歪ゲージを貼着したEリング装着確認装置。 - 請求項1または2記載のEリング装着確認装置において、
一対の弾性把持片の一対の内側面または該内側面と反対側の一対の外側面に上記歪ゲージを貼着したEリング装着確認装置。 - 請求項1から3のいずれか1項記載のEリング装着確認装置において、
弾性把持片の上記内側面と該内側面と反対側の外側面とに、上記歪ゲージを貼着したEリング装着確認装置。 - 本体に突設された一対の弾性把持片の少なくとも一方に歪ゲージが貼着されたEリング装着用治具の上記一対の弾性把持片を互いに離間する方向に弾性変形させ、該一対の弾性把持片の対向する内側面間で上記Eリングを弾性的に把持するEリング把持ステップ、
Eリング装着用治具に把持されたEリングを、被装着部材に形成された環状溝に装着させるEリング装着ステップ、
上記歪ゲージの電気抵抗変化から算出した上記弾性把持片の歪み量の絶対値の最大値が第1判定値に達し、かつ、該最大値の記録時から、上記歪み量の絶対値が上記Eリングの被装着部材への未装着時と同値である第2判定値より小さくなり始めるまでの時間が所定時間以上となった場合にのみ、Eリングが上記環状溝に適式に装着されたと判定する判定ステップ、及び
判定結果を表示する表示ステップ、
を有することを特徴とするEリング装着確認方法。
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