JP4691101B2 - 1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体及びその製造方法 - Google Patents

1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゲムシタビンの製造のための中間体として有用かつ新規なハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体及びその製造方法に関する。
式(A)のゲムシタビンは、非小細胞肺癌(non−small cell lung cancer;NSCLC)を治療する薬物であって、立体化学的にはリボフラノースのC−1位置でシトシン(cytosine)核酸塩基がβ方向に配向された構造を有する合成ヌクレオシド類似体である。
Figure 0004691101
ゲムシタビンは、下記反応式1に示すように通常ラクトール化合物を反応性離脱基を有する活性リボフラノース中間体に変換する過程を介して製造し得る。
Figure 0004691101
前記式中、Pはヒドロキシ保護基であり、Lは離脱基である。
具体的に、ゲムシタビンは、1a)反応性離脱基(L)をラクトール化合物(B)のリボフラノース環のC−1位置に導入して活性リボフラノース中間体(C)を製造し、1b)式(C)の化合物をシトシンとグリコシル化反応させてN−グリコシド結合を形成する手順で製造し得る。
反応式1で、グリコシル化段階1b)は、二分子の求核置換反応(S2)メカニズムによって進行するので、ゲムシタビンの製造において離脱基(L)が下向きに配向した化合物(C)のα−アノマー(anomer)を高純度で得ることが重要である。従って、ラクトール化合物(B)のリボフラノース環のC−1位置に離脱基(L)を立体選択的に導入する方法が研究されてきた。
例えば、米国特許第4,526,988号及び第5,453,499号にはリボフラノース環のC−1位置にハロ離脱基が導入された1−α−ハロ−リボフラノースのような活性リボフラノース中間体が開示されている。具体的に、米国特許第4、526、988号には、下記反応式2に示すように、2a)式(D)のラクトール化合物の1−ヒドロキシ基を無水酢酸のようなアセチル化剤と反応させて式(E)の1−アセテート誘導体を製造し、2b)式(E)の1−アセテート誘導体をHBrまたはHClガスと反応させて1−ハロリボフラノースを製造して、式(F)の1−α−ハロリボフラノース誘導体を製造する方法が記載されている。
反応式2
Figure 0004691101
前記反応式で、R’はヒドロキシ保護基であり、Acはアセチルであり、XはBrまたはClである。
しかし、この方法は立体選択性が低いので、所望のα−ハロアノマーの収率が低いという問題がある。
米国特許第5,453,499号は、反応式3に示すように、式(G)のβ−スルホネート化合物を不活性溶媒中でハロゲン化剤と反応させてα:βの比率が9:1ないし10:1である式(H)のα−アノマーの含量が高い1−ハロリボフラノース化合物を製造する方法が記載されている。
反応式3
Figure 0004691101
前記反応式で、P”はベンゾイルなどのようなヒドロキシ保護基であり、R”はスルホンニルであり、Yはハロゲンである。
しかし、この方法において出発物質の式(G)の1−スルホネート化合物は、米国特許第5,401,861号に記載された方法によりラクトール化合物から製造され、約1:4のα:βの比率を有するので、1−ハロアノマーの全体的なα:βの選択比は3:1に過ぎない。
また、例えば、ベンゾイル基で保護された3−及び5−ヒドロキシ基を有する1−α−ハロ−フラノースは室温でオイル状態であるが、これは固体に比べて取り扱いや保管が困難であるだけでなく、α−及びβ−アノマーの混合物から分離精製するために非経済的なカラムクロマトグラフィー工程が要求される。従って、α−ハロ−フラノースを用いてゲムシタビンを製造するために改良した方法を開発する必要がある。
米国特許第4,526,988号 米国特許第5,453,499号 米国特許第5,401,861号
従って、本発明の目的は、再結晶などのような簡単な精製工程を用いて精製及び量産に適した固体の形の新規な1−α−ハロ−D−リボフラノース誘導体を提供することである。
本発明の他の目的は、高純度、高収率かつ高い立体選択率を有する前記化合物の製造方法を提供することである。
本発明のまた他の目的は、前記方法で中間体として用いられる新規な化合物を提供することである。
前記目的を達するために、本発明では固体の形の下記式(I)の 1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体を提供する:
Figure 0004691101
前記式中、
はベンゾイルまたは
Figure 0004691101
であり;
は水素、シアノ、ハロゲン、カルボアルコキシ、ニトロ、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルまたはジアルキルアミノであり;
XはCl、BrまたはIである。
前記他の目的を達するために、本発明では
(i)式(II)の1−オキソリボース化合物を還元して式(III)のラクトール化合物を得る段階;
(ii)前記式(III)の化合物を塩基存在下で式(IV)のハロリン酸化合物と反応させて下記式(V)の1−ホスフェートフラノース誘導体を得る段階;及び
(iii)前記式(V)の化合物をハロゲン化剤と反応させた後、得られた生成物を再結晶して前記式(I)の1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体を得る段階、
を含むことを特徴とする前記式(I)の1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体の製造方法を提供する:
Figure 0004691101
前記式中、R、R及びXは前記で定義された通りであり、Rはメチル、エチルまたはフェニル、好ましくはフェニルである。
前記のまた他の目的を達するために、式(I)の1−α−ハロ−D−リボフラノース誘導体を製造する時、中間体として有用である、かつ新規な式(V)の1−ホスフェートフラノース誘導体を提供する:
Figure 0004691101
前記式中、R、R及びRは前記で定義された通りである。
本発明の1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体は固体の形で得られ、再結晶などのような簡単な方法によって容易に精製することができ、ゲムシタビン製造のための中間体として有用である。また、本発明による1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体は従来の前記前駆体に比べて高い立体選択的に高純度かつ高収率で式(I)の化合物を得ることができる。
本明細書で用いる「アノマー富化(anomer−enriched)」という用語は、特定のアノマー含量が50%を超えるアノマー混合物、好ましくは実質的に高い純度のα−アノマーを有するアノマー混合物を意味する。
本発明の式(I)の化合物において、Rは水素であることが好ましい。
本発明の式(I)のリボフラノース誘導体はビフェニルカルボニル基で保護された3−ヒドロキシ基を有することを特徴とする。また、本発明の誘導体は5−ヒドロキシの保護基としてビフェニルカルボニル基を有することができる。
従って、本発明の1−α−ハロリボフラノース誘導体は固体の形で得られるので、再結晶などのような簡単な精製工程により容易に99.5%以上の高純度に精製され得る。
また、本発明の式(I)の1−α−ハロ−リボフラノース誘導体を通常のグリコシル化反応によりシトシンと結合させてシトシン残基がリボフラノース環のC−1位置で上向きに配向した(β−配列)ゲムシタビンを製造できる。
1−ハロリボフラノース誘導体を用いるグリコシル化反応を経るゲムシタビンの製造において、α−ハロアノマーの純度は非常に重な要素である。例えば、β−ハロアノマーの含量が増加したら、グリコシル化反応の立体選択性は顕著に低下し、その結果、所望のβ−ヌクレオシドであるゲムシタビンの収率が低くなる。
従って、本発明のα−ハロ化合物を用いるグリコシル化を行うことによって、β−/α−アノマーが従来の方法(β−/α−アノマーが2〜3倍)に比べて著しく向上した4ないし14倍のゲムシタビン製造效果を可能にする
式(I)の1−α−ハロフラノース誘導体の製造方法は下記反応式4に示す。
反応式4
Figure 0004691101
前記式中、R、R、R及びXは前記で定義された通りである。
前記反応式4で、式(I)の1−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体は、(i)式(II)の1−オキソリボース化合物を通常の方法で還元させてα−アノマーとβ−アノマーとの混合物である式(III)のラクトール化合物を得る段階、(ii)式(III)の混合物を塩基存在下で式(IV)のハロリン酸化合物と反応させてβ/αの比率が10以上である式(V)の1−ホスフェートフラノースを得る段階、及び、iii)式(V)の化合物をハロゲン化剤と反応させて式(I)の化合物を得る段階、によってα−アノマーの含量が99.5%以上の混合物の状態で製造できる。
本発明は、高比率のα−アノマーを含む式(I)の1−ハロリボフラノースを製造するために、リン酸離脱基を有する新規な式(V)のフラノース中間体を用いることを技術構成上の特徴とする。
従って、式(III)のラクトール化合物から式(V)のホスフェートフラノースを製造する段階(ii)において、β/αの比率が10を超える形でβ−ホスフェートアノマーを得ることができる。また、前記中間体を分離せずに段階(iii)以下を順次に行ってα/βの比率が10倍以上の高比率の式(I)のα−ハロフラノースを得ることができる。
また、本発明によると、リボフラノース環の3−及び/または5−ヒドロキシ保護基としてビフェニルカルボニル基が導入された場合、α−ハロフラノースが固体の形で得られ、またこの固体の形は簡単な精製工程を用いて光学異性体の純度99.5%以上に容易に精製することができ、これによりβ/αの比率が4ないし14の高比率を有する所望のβ−ヌクレオシドを製造できる。このような高いβ/αの比率は従来の方法におけるβ/αの比率の2ないし3倍よりも著しく高い。
反応式4の段階(i)で、式(II)の化合物は米国特許第4,526,988号及び第5,464,826号に記載された方法に従って、還元剤と還元反応させることで式(III)のラクトール化合物を製造できる。段階(i)で出発物質として用いられる式(II)の1−オキソリボース化合物は、下記式(VI)の化合物の3−ヒドロキシ基をビフェニルカルボニル保護基で保護した後、得られた生成物を塩基存在下で加水分解して下記式(VII)の3R−カルボン酸光学異性体を得る段階を含む手順で製造できる:
Figure 0004691101
前記式中、Rは前記で定義された通りであり、Rはメチルまたはエチルであり、RはC1−3アルキルであり、MはNH、ナトリウムまたはカリウムである。
前記段階(i)における好適な溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジオキサンなどがあげられ;還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムまたは水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム、好ましくは水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウムを用い、前記反応は−50ないし−20℃で還元剤を添加した後、常温で1ないし2時間行う。
前記還元段階(i)で、式(III)のラクトール化合物は、α−及びβ−アノマーが1:1ないし2:1の混合物として得られ、段階(i)で得た各アノマーを分離するか、または分離工程なしに直ちに次の段階(ii)を行うことができる。
段階(ii)では、式(III)の化合物を塩基存在下で式(IV)をハロリン剤と反応させてβ/α比が10以上である式(V)の高いβ−異性体を含む混合物を得ることができる。この段階で、リン酸離脱基には、リン酸ジメチル、リン酸ジエチルまたはリン酸ジフェニル、好ましくはリン酸ジフェニルを用いる。
段階(iii)は、段階(ii)で得た所望のβ−アノマーを、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、酢酸エチル及びこれらの混合物、好ましくはイソプロパノールまたは水−イソプロパノール混合物などの溶媒を用いて再結晶することで分離してから行うことができる。また、この段階は、このような分離工程なしに段階(ii)の粗生成物をそのままの状態で行われることもできる。
式(IV)のハロリン酸化合物は、式(III)のラクトール化合物に対し1.1ないし1.5モル当量で用いることができる。式(IV)の化合物は市販されているか、または文献[Bioche融点reps.,1,50(1951)]または[J.Chem.Soc.,2921(1949)]に開示された従来の方法により容易に製造され得る。段階(ii)では、4−ジメチルアミノピリジンまたは4−ピロリジノピリジンなどのような触媒を用いて反応を促進させることができる。
また、段階(ii)で生成された酸を中和させるために用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メチルピペリジン、好ましくはトリエチルアミンで構成された群から選ばれ、この時、塩基は、式(III)のラクトール化合物に対し1.2ないし2.0モル当量で用いられ、段階(ii)で用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、好ましくはトルエンを用いられ、該反応は−25ないし50℃で2〜10時間行われることができる。
なお、段階(iii)では、式(V)の1−ホスフェートフラノースをハロゲン化剤と反応させた後、得られた生成物を再結晶して99.5%以上の高純度のα−アノマー(すなわち、β−アノマー含量が0.5%未満)を得ることができる。
段階(iii)で使用可能なハロゲン化剤としては、HCl/酢酸、HBr/酢酸、HBr/プロピオン酸、ハロゲン化トリアルキルシリル、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化セシウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム及びこれらの混合物が挙げられ、特に30%−HBr/酢酸、30%−HBr/プロピオン酸、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化トリメチルシリル、臭化トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル及び塩化トリメチルシリル−臭化リチウム混合物を用いることが好ましい。このようなハロゲン化剤は、式(V)の化合物に対し5ないし30モル当量、好ましくは10ないし20モル当量で用いられる。
ハロゲン化剤として1.0MHCl/酢酸、30%−HBr/酢酸または 30%−HBr/プロピオン酸を用いる場合には原液(neat)で用い、この他のハロゲン化剤は、ジクロロメタン、ジブロモエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、THF、1、4−ジオキサン、アセトニトリル、N、N−ジメチルホルムアミドまたはN、N−ジメチルアセトアミドなどのような溶媒で希釈された形態で用いることができる。
段階(iii)は、ジクロロメタン、ジブロモエタン、ジクロロエタンまたはクロロホルムなどのような溶媒中で0ないし50℃、好ましくは10ないし30℃の温度で30分〜24時間行うことができる。
生成した1−ハロリボフラノースは、α/βの比率が10以上であるα−及びβ−アノマーの混合物であり、好適なα−ハロアノマーは、前記混合物をメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水またはこれらの混合物、好ましくはイソプロパノールまたはイソプロパノール水混合物などのような溶媒を用いて再結晶することで分離して1−α−ハロリボフラノースを99.5%以上の高純度で含む生成物を得ることができる。
本発明の式(V)の1−ホスフェートフラノースを中間体として用いて式(I)の1−α−ハロフラノースを製造する方法の全体的な収率は65ないし75%であって、これは従来方法によって達成できる生成物の全収率(全収率約45%)よりも著しく高い。
以下、製造例及び実施例により本発明をさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するのではない。
下記製造例及び実施例において、「−OCOBiPh」または「BiPhOCO−」という用語は
Figure 0004691101
を意味する。
式(V)の化合物に対するHPLC分析は、溶離液として緩衝溶液とメタノールとの混合物(17:83、v/v)を用いてYMC pack pro C18 RS(4.6x150mm、5μm)を用いて;式(I)の化合物は、遊離液として緩衝溶液とメタノールとの混合物(1:4、v/v)のCapcellpak MG C18 RS(4.6x150mm、5μm)コラムを用いて行った。前記緩衝溶液は、13.8gのNaHPOと1Lの蒸留水とを混合し、これにpHが2.5になるまでHPOを添加して製造した。
製造例1
D−エリトロ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペントフラノース−1−ウロース−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩(式(II)の化合物)の製造
Figure 0004691101
D−エリトロ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペントフラノース−1−イロース−3−(4−フェニル)安息香酸塩15gをジクロロメタン150mlに溶解させ、攪拌しながらピリジン6.9mlを滴加した。ジクロロメタン40mlに溶解させた塩化ベンゾイル7.4mlを前記反応混合物に5ないし10℃を維持しながら徐々に加えてから、常温で7時間攪拌した。生成混合物を1N−塩酸105mlで中和し、ここに水を加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム100ml及び生理食塩水100mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。その結果得られた残渣をジエチルエーテル/ヘキサン(5:1、v/v)から再結晶して白色固体の標題化合物16.8g(収率:86%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):4.90〜4.75(ddd,2H),5.10(dd,1H),5.87(ddd,1H),7.65〜7.50(m,5H),7.78〜7.67(m,3H),7.81(d,2H),8.13(d,2H),8.23(d,2H)
融点:130〜131℃
製造例2
D−エリトロ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペントフラノース−1−イロース−3、5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩(式(II)の化合物)の製造
Figure 0004691101
D−エリトロ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペントフラノース−1−イロース−3−(4−フェニル)安息香酸塩20gをクロロホルム300mlに溶解させ、これにピリジン9.5mlを攪拌しながら滴加した。この反応混合物にクロロホルム55mlに溶解させた塩化ベンゾイル10.1mlを徐々に加えてから、常温で6時間反応させた。生成混合物を1N−HCl140mlで中和し、水150ml、飽和重炭酸ナトリウム150ml、及び生理食塩水150mlで順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、これを減圧下で濃縮した。その結果得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(3:1、v/v)から再結晶して白色固体の21.8g(収率:72%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):4.72〜4.79(m,2H),5.03(q,1H),5.84〜5.76(m,1H),7.48〜7.44(m,6H),7.72〜7.60(m,8H),8.15〜8.07(m,4H)
融点:137〜139℃
実施例1
1−α−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3−ベンゾイル−5−(4−フェニル)安息香酸塩(式(I)の化合物;R =ベンゾイル、R =H)の製造
段階1)
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3−ベンゾイル−5−(4−フェニル)安息香酸塩(式(III)の化合物)の製造
Figure 0004691101
水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム13.5gをTHF160mlに溶解させ、常温で30分間攪拌した後、−40℃に冷却させた。製造例1で得た化合物をTHF80mlに溶解させた溶液を反応混合物に加え、徐々に常温へ昇温させ、その温度で2時間反応させた。反応が終わると、1N HCl 220mlを反応混合物に滴加し、過量の水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウムを分解した。有機層(THF)と水層とを分離し、水層をジエチルエーテル220mlで抽出した。エーテル抽出物をTHF層と混合した後、水220ml、飽和重炭酸ナトリウム220ml及び生理食塩水220mlで順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。その結果得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色シロップ状の標題化合物18.3g(収率:91%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):3.89〜3.91(d,1H),4.61〜4.81(m,2H),5.31〜5.92(m,2H),7.26〜7.70(m,10H),8.05〜8.16(m,4H)
段階2)
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3−ベンゾイル−5−(4−フェニル)ベンゾイル−1β−リン酸ジフェニル(式(V)の化合物)の製造
Figure 0004691101
段階1で得た化合物18.3gをトルエン146mlに溶解させ、これにトリエチルアミン6.7mlを加えた。この混合物にジフェニルクロロホスフェート12.4mlをトルエン37mlに溶解させて滴加した後、室温で4時間攪拌した。反応が終わってから、1N HCl 48mlを加えて残っているトリエチルアミンを中和し、トルエンと水層とを分離し、水層をジエチルエーテル48mlで抽出した。エーテル抽出物をトルエン層と混合し、水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮することで固体のα−及びβ−リン酸塩の混合物を得た。この混合物をH−NMRで分析してα−リン酸塩:β−リン酸塩の比率が1:10.6の比率で生成されたことを確認した。イソプロパノール−水(3:1、v/v)からβ−リン酸塩を選択的に再結晶して白色固体の標題化合物26.5g(収率:87%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):4.56−4.25(m,3H),5.80(m,1H),5.95(t,1H),7.44−6.98(m,16H),7.51(d,2H),7.57(d,2H),7.89(d,2H),8.01(d,2H)
融点:101〜103℃
HPLCの純度(面積%):α−ホスフェートアノマー1.76%、β−ホスフェートアノマー98.24%
段階3)
1−α−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3−ベンゾイル−5−(4−フェニル)安息香酸塩(式(I)の化合物)の製造
Figure 0004691101
30%−HBr/酢酸80.5mlに、段階2で得た化合物22.8gを加えてから、常温で6時間攪拌した。反応が終わってから生成混合物をジクロロメタン400mlで希釈し、この希釈液を氷水500mlに注入した。有機層を分離し、氷水、重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮して固体のα−及びβ−ブロモアノマー混合物を得た。この混合物をH−NMRで分析してα−ブロモ:β−ブロモの比率が10.7:1であることを確認した。α−ブロモ混合物をイソプロパノールから選択的に再結晶して白色固体の標題化合物17.0g(収率:82%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC1):8.19(d,2H),8.06(d,2H),7.73(d,2H),7.63(d,2H),7.64−7.41(m,6H),6.56(d,1H),5.60(dd.1H)
融点:111〜112℃
HPLCの純度(面積%):α−ブロモアノマー99.74%、β−ブロモアノマー 0.26%
実施例2
1−α−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩(式(I)の化合物;R =4−ビフェニルカルボニル、R =H)の製造
段階1)
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3、5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩(式(III)の化合物)の製造
Figure 0004691101
水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム8.66gをTHF120mlに溶解させ、常温で30分間攪拌した後、−40℃に冷却した。製造例2で得た化合物をTHF100mlに溶解させた溶液を反応液に加え、常温で1時間攪拌した。反応が終わってから1N−HCl 142mlを反応混合物に徐々に滴加し、過量の水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウムを分解し、THF層と水層とを分離し、水層をジエチルエーテル150mlで抽出した。エーテル抽出物をTHF層と混合し、水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をトルエンから再結晶して白色固体の標題化合物13.4g(収率:89%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):3.45(s,1H),3.8(s),4.85〜4.50(m,3H),5.8〜5.4(m,2H),7.49〜7.43(m,6H),7.71〜7.61(m,8H),8.18〜8.12(m,4H)
融点:156−158℃
段階2)
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3、5−ジ−(4−フェニル)ベンゾイル−1β−リン酸ジフェニル(式(V)の化合物)の製造
Figure 0004691101
段階1で得た化合物13gをトルエン130ml及びジクロロメタン100mlの混合溶媒に溶解させ、これにトリエチルアミン5.1mlを加えた。前記生成混合物にジフェニルクロロホスフェート7.6mlを滴加し、室温で5時間攪拌した。反応が終わってから減圧下で溶媒を除去し、生成された固体をジメチルメタン130mlに溶解させ、これに1N HCl 65mlを加えた。有機層を分離し、水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮して固体のα−及びβ−リン酸混合物を得た。前記混合物をH−NMRで分析してα−リン酸塩:β−リン酸塩の比率が1:10.8であることを確認した。ジイソプロパノールによりβ−リン酸塩を選択的に再結晶して白色固体の標題化合物15.6g(収率:83%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):4.70−4.40(m,3H),5.90(m,1H),6.08(t,1H),7.70〜7.08(m,24H),8.15〜8.04(dd,4H)
融点:145−147℃
HPLCの純度(面積%):α−ホスフェートアノマー1.29%、β−ホスフェートアノマー98.71%
段階3)
1−α−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3、5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩(式(I)の化合物)の製造
Figure 0004691101
段階2で得た化合物13gを30%−HBr/酢酸83.2mlに溶解させ、常温で7時間攪拌した。反応液に氷水50mlを添加し、生成された固体を濾過した。この固体は、α−及びβ−ブロモアノマーの混合物であり、H−NMR分析は、α−ブロモアノマー:β−ブロモアノマーの比率が10.9:1を示した。α−ブロモ化合物をエタノールから選択的に再結晶して白色固体の標題化合物8.45g(収率:83%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):4.89〜4.2,2(m,3H),5.62(dd,1H),6.55(d,1H),7.73〜7.42(m,14H),8.63〜8.11(dd,4H)
融点:151−153℃
HPLCの純度(面積%):α−ブロモアノマー99.67%、β−ブロモアノマー 0.33%
実施例3
1−α−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3−ベンゾイル−5−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
Figure 0004691101
水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム6.5gをTHF100mlに溶解させ、常温で30分間攪拌し、−40℃に冷凍した。製造例1で得た化合物10gをTHF50mlに溶解させた溶液を反応混合物に滴加し、常温で2時間攪拌した。反応が終わってから1N−HCl 120mlを反応混合物に加えて過量の水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウムを分解し、THF層と水層とを分離し、水層をジエチルエーテル150mlで抽出した。エーテル抽出物をTHF層と混合し、水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して10.5gのシロップ状の残渣を得た。
得られた残渣をトルエン100mlに溶解させ、これにトリエチルアミン4.0mlを加えた。生成混合物に、ジフェニルクロロホスフェート6.4mlをトルエン30mlに溶解させて滴加した後、常温で4時間攪拌した。反応が終わってから1N HCl 30mlを前記生成混合物に加えて残っているトリエチルアミンを中和し、トルエン層と水層とを分離し、水層をジエチルエーテル30mlで抽出した。エーテル抽出物をトルエン層と混合し、水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して14.9gのα−及びβ−リン酸塩の混合物をシロップ状で得た。この混合物をH−NMRで分析してα−リン酸塩:β−リン酸塩の比率が1:10.3であることを確認した。
その後に、リン酸塩混合物に30%−HBr/酢酸57.2mlを加え、常温で7時間攪拌した。反応が終わってから混合物をジクロロメタン280mlで希釈し、氷水に注ぎ入れ、ジクロロメタン層を分離した。ジクロロメタン層を氷水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水で順次洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して固体のα−及びβ−異性体の混合物を得た。前記混合物をH−NMRで分析してα−ブロモ:β−ブロモ比率が10.5:1であることを確認した。α−ブロモ化合物をイソプロパノールから選択的に再結晶して白色固体の標題化合物8.0g(収率:70%)を得た。
H−NMR及び融点.データは前記実施例1の段階4による化合物のデータと同一であった。
HPLCの純度(面積%):α−ブロモアノマー99.51%、β−ブロモアノマー0.48%
実施例4
1−α−ヨード−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3−ベンゾイル−5−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
Figure 0004691101
ジクロロメタン40mlにヨードトリメチルシラン5.6mlを加え、実施例1の段階2で得た化合物1.8gを加え、前記混合物を室温で0.5時間攪拌した。混合物を氷浴で冷却させながら飽和重炭酸ナトリウム100mlに滴加して0.5時間攪拌した。ジクロロメタン層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮させて固体のα−及びβ−異性体の混合物を得た。この混合物をH−NMRで分析し、α−異性体:β−異性体の比率が14.2:1であることを確認した。α−異性体化合物をイソプロパノールから選択的に再結晶して白色固体の標題化合物1.36g(収率:92%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):8.24(d,2H),8.06(d 2H),7.74(d,2H),7.66(d,2H),7.64−7.43(m,6H),6.93(d,1H),5.60(dd,1H),4.86〜4.68(m, 3H)
HPLCの純度(面積%):α−異性体アノマー99.81%、β−異性体アノマー 0.18%
比較例1
1−α−ヨード−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3、5−ジベンゾエートの製造
米国特許第5、453、499号に記載した方法によって下記のように標題化合物を製造した。
Figure 0004691101
80mlのテトラヒドロフラン及び80mlのヨウ化テトラブチルアンモニウムを2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3、5−ジベンゾイル−1−β−(p−ブロモベンゼン)スルホン酸塩1gに加え、混合物を3.5時間還流させた。生成混合物はα−ヨードとβ−ヨードとの混合物を含み、H−NMR分析はα−ヨード:β−ヨードの比率が10:1であることを示した。
α−ヨード化合物を分離するために、混合物を冷却させ、ジクロロメタン及び水で希釈した。有機層を分離し、1N HCl、炭酸ナトリウム、飽和生理食塩水及び水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮してシロップ状の残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ヘキサン(2:1、v/v))によって精製して標題化合物302mg(収率:45%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):8.12(m,4H),7.72〜7.4(m,6H),6.92(d,1H),5.60(dd,1H),4.91〜4.62(m,3H)

Claims (12)

  1. 下記式(I)の1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体:
    Figure 0004691101
    前記式中、
    はベンゾイルまたは
    Figure 0004691101
    であり;
    は水素、シアノ、ハロゲン、カルボアルコキシ、ニトロ、C1−2アルコキシ、 C1−2アルキルまたはジアルキルアミノであり;
    XはCl、BrまたはIである。
  2. が水素であることを特徴とする請求項1に記載の誘導体。
  3. 前記式(I)のβ−アノマー含量が0.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の誘導体。
  4. (i)式(II)の1−オキソリボース化合物を還元して式(III)のラクトール化合物を得る段階;
    (ii)前記式(III)のラクトール化合物を塩基存在下で式(IV)のハロリン酸化合物と反応させて式(V)の1−ホスフェートフラノース誘導体を得る段階;及び
    (iii)前記式(V)の化合物をハロゲン化剤と反応させた後、得られた生成物を再結晶して前記式(I)の1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体を得る段階、
    を含むことを特徴とする前記式(I)の1−α−ハロ−2,2−ジフルオロ−2−デオキシ−D−リボフラノース誘導体の製造方法:
    Figure 0004691101
    前記式中、
    、R及びXは第1項で定義された通りであり、Rはメチル、エチルまたはフェニルである。
  5. 前記段階(ii)で用いられる塩基がピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びメチルピペリジンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記段階(ii)で用いられる塩基がトリエチルアミンであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記段階(iii)で用いられるハロゲン化剤がHCl/酢酸、HBr/酢酸、HBr/プロピオン酸、ハロゲン化トリアルキルシリル、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化セシウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  8. 前記段階(iii)で用いられるハロゲン化剤が30%−HBr/酢酸、30%−HBr/プロピオン酸、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化トリメチルシリル、臭化トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル及び塩化トリメチルシリル−臭化リチウム混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記段階(iii)における再結晶がメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、水及びこれらの混合溶媒からなる群から選ばれる溶媒を用いて行われることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  10. 前記段階(iii)における再結晶がイソプロパノールまたはイソプロパノール−水混合溶媒を用いて行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記式(I)1の誘導体が99.5%以上の純度で得られることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  12. 下記式(V)の1−ホスフェートフラノース誘導体:
    Figure 0004691101
    前記式中、
    はベンゾイルまたは
    Figure 0004691101
    であり;
    は水素、シアノ、ハロゲン、カルボアルコキシ、ニトロ、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルまたはジアルキルアミノであり;
    はメチル、エチルまたはフェニルである。
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