JP4690510B2 - 樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物及びその硬化物に関する。さらに詳しくは、本発明は、各種基材(例えばプラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレ−ト等)の表面に高硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れた被膜を形成し得る、硬化性に優れた樹脂組成物及びその硬化物に関する。本発明の樹脂組成物及びその硬化物は、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種基材表面の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材として、各種基材の表面に、高硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れた被膜を形成し得る、硬化性に優れた樹脂組成物が求められている。これらの要求のうち耐擦傷性の改善を目指して、コロイダルシリカを配合した材料が種々提案されている。例えば、米国特許第3,451,838号明細書及び米国特許第2,404,357号明細書は、アルコキシシランの加水分解物とコロイダルシリカを主成分とする組成物を、熱硬化型のコーティング材料として用いることを開示している。また、例えば特公昭62−21815号公報は、コロイダルシリカの表面をメタクリロキシシランで修飾した粒子とアクリレ−トとの組成物を、光硬化型のコーティング材料として用いることを開示している。これらコーティング材料の特徴は、シリカ粒子の表面を特定の有機シラン、又は特定の条件で処理することによりコーティング材料の性能を改善する点にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなコーティング材料は、樹脂としての硬化性、並びに硬化被膜とした場合の高硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性の全てを必ずしも十分に満足するものではなかった。
また、例えば、前記米国特許第3,451,838号明細書及び米国特許第2,404,357号明細書に開示された熱硬化型のコーティング材料は高温で長時間の加熱処理が必要であり、耐熱性の低いプラスチック基材に対しては適用することが困難であった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、各種基材の表面に高硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れた被膜を形成し得る、硬化性に優れた樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、特定の元素の酸化物粒子と有機化合物とが結合した粒子、及び分子内に特定の個数の重合性不飽和基を有する化合物の組合わせを用いた樹脂組成物によって、上記諸特性、その中でも特に低カール性を満足する組成物が得られることを知見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の樹脂組成物及びその硬化物を提供するものである。
【0005】
[1](A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及び下記式(1)に示す基を含む有機化合物とが結合した粒子、
【0006】
【化2】
Figure 0004690510
(式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示す。)
(B)分子内に4以上の重合性不飽和基を有する化合物、及び
(C)分子内に1以上3以下の重合性不飽和基を有する化合物
を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【0007】
[2]前記有機化合物が、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものである前記[1]に記載の樹脂組成物。
【0008】
[3]前記有機化合物が、シラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物である前記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
【0009】
[4]前記(B)成分が、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が150以下の、分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルエステル類である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0010】
[5]前記(C)成分が、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が200以下の2又は3官能性(メタ)アクリルエステル類である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0011】
[6]組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量%として、前記(A)成分の配合量が、5〜90重量%であり、前記(B)成分の配合量が、5〜75重量%であり、かつ前記(C)成分の配合量が、5〜75重量%である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
なお、(A)成分とは、溶剤等の揮発成分を除いた固形分を意味する。
【0012】
[7]前記(A)、(B)及び(C)に加えて、さらに、(D)重合開始剤を含有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0013】
[8]前記(D)重合開始剤が、(d)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類の両方又はそのいずれかの放射線重合開始剤である前記[7]に記載の樹脂組成物。
なお、本発明で「放射線」とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
【0014】
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の樹脂組成物及びその硬化物の実施の形態を具体的に説明する。
I.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、(A)粒子、(B)分子内に4以上の重合性不飽和基を有する化合物及び(C)分子内に1以上3以下の重合性不飽和基を有する化合物、並びに、必要に応じ、(D)重合開始剤を含有することを特徴とするものである。
【0016】
以下、各組成(配合)成分について具体的に説明する。
1.粒子(A)
本発明に用いられる粒子(A)は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子と、有機化合物とからなる架橋性粒子である(以下、粒子(A)を「架橋性粒子(A)」ということがある)。
【0017】
(1)酸化物粒子
本発明に用いられる酸化物粒子は、得られる樹脂組成物の硬化被膜の無着色性の観点から、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子である。
これらの酸化物としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン及び酸化セリウムを挙げることができる。中でも、高硬度性の観点から、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア及び酸化アンチモンが好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。さらには、このような元素の酸化物粒子は、粉体状又は溶剤分散ゾルであることが好ましい。溶剤分散ゾルである場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
【0018】
酸化物粒子の数平均粒子径は、0.001μm〜2μmが好ましく、0.001μm〜0.2μmがさらに好ましく、0.001μm〜0.1μmが最も好ましい。数平均粒子径が2μmを越えると、硬化物としたときの透明性が低下したり、被膜としたときの厚膜化が困難になる傾向がある。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類を添加してもよい。
【0019】
ケイ素酸化物粒子、例えばシリカ粒子として市販されている商品としては、例えばコロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製 商品名:SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、アルミナの水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、−200、−520、アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:セルナックス、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末及び溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック、アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾルとしては、石原産業(株) 製 商品名:SN−100D、ITO粉末としては、三菱マテリアル(株)製の製品、酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製 商品名:ニードラール等を挙げることができる。酸化物粒子の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状であり、好ましくは球状である。酸化物粒子の比表面積(窒素を用いたBET比表面積測定法による)は、好ましくは10〜1000m/gであり、さらに好ましくは100〜500m/gである。これら酸化物粒子の使用形態は乾燥状態の粉末、又は水もしくは有機溶剤で分散した状態で用いることができる。例えば、上記の酸化物の溶剤分散ゾルとして当業界に知られている微粒子状の酸化物粒子の分散液を直接用いることができる。特に、硬化物に優れた透明性を要求する用途においては酸化物の溶剤分散ゾルの利用が好ましい。
【0020】
(2)有機化合物
本発明に用いられる有機化合物は、重合性不飽和基及び前記式(1)に示す基(以下、[−X−C(=Y)−NH−]の形で示すことがある)を含むものである。
【0021】
前記重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
【0022】
前記式(1)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1とを併用することが好ましい。
また、本発明に用いられる有機化合物は、シラノール基を含む化合物(以下、「シラノール基含有化合物」ということがある)又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物(以下、「シラノール基生成化合物」ということがある)であることが好ましい。このようなシラノール基生成化合物としては、ケイ素原子上にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン基等を有する化合物を挙げることができるが、アルコキシ基又はアリールオキシ基を含むものが好ましい。
シラノール基又はシラノール基生成化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子と結合する構成単位であり、また、重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合を経て分子間で化学架橋する構成単位である。また、前記式(1)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
【0023】
好ましい有機化合物としては、例えば、下記式(2)に示す化合物を挙げることができる。
【0024】
【化3】
Figure 0004690510
【0025】
式(2)中、R、Rは同一でも異なっていてもよいが、水素原子又はCからCのアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここでmは1、2又は3である。
【0026】
(RO)m -mSi−で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
【0027】
はCからC12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。そのような有機基としては例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。これらのうち好ましい例は、メチレン、プロピレン、シクロヘキシレン、フェニレン等である。
【0028】
また、Rは2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記式(1)に示す基を含むこともできる。
【0029】
は(n+1)価の有機基であり、好ましくは鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
【0030】
Zは活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。例えば、アクリロイル(オキシ)基、メタアクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、アクリルアミド基、メタアクリルアミド基等を挙げることができる。これらの中でアクリロイル(オキシ)基及びメタアクリロイル(オキシ)基が好ましい。また、nは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、最も好ましくは1〜5である。
【0031】
本発明で用いられる有機化合物の合成は、例えば特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。すなわち、(イ)メルカプトアルコキシシランと、ポリイソシアネート化合物と、活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加反応により行うことができる。また、(ロ)分子中にアルコキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物と、活性水素含有重合性不飽和化合物との直接的反応により行うことができる。さらに、(ハ)分子中に重合性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物と、メルカプトアルコキシシラン又はアミノシランとの付加反応により直接合成することもできる。
【0032】
前記式(2)に示す化合物を合成するためには、これらの方法のうち(イ)が好適に用いられる。より詳細には、例えば、
(a)法;まずメルカプトアルコキシシランとポリイソシアネート化合物とを反応させることで、分子中にアルコキシシリル基、[−S−C(=O)NH−]基及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、次に中間体中に残存するイソシアネートに対してヒドロキシ基含有重合性不飽和化合物を反応させて、この不飽和化合物を[−O−C(=O)NH−]基を介して結合させる方法
(b)法;まずポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有重合性不飽和化合物とを反応させることで分子中に重合性不飽和基、[−O−C(=O)NH−]基、及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、これにメルカプトアルコキシシランを反応させてこのメルカプトアルコキシシランを[−S−C(=O)−NH−]基を介して結合させる方法
等を挙げることができる。さらに両者の中では、マイケル付加反応による重合性不飽和基の減少がない点で(a)法が好ましい。
【0033】
前記式(1)に示す化合物の合成において、イソシアネ−ト基との反応により[−S−C(=O)−NH−]基を形成することができるアルコキシシランの例としては、アルコキシシリル基とメルカプト基を分子中にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。このようなメルカプトアルコキシシランとしては、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、メルカプトプロピルトリフェノキシシシラン、メルカプトプロピルトリブトキシシシラン等を挙げることができる。これらの中では、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。また、市販されているメルカプトアルコキシシランとしては、例えば、東レ・ダウ・コーニング(株)製 商品名:SH6062を挙げることができる。また、アミノ置換アルコキシシランとエポキシ基置換メルカプタンとの付加生成物、エポキシシランとα,ω−ジメルカプト化合物との付加生成物を利用することもできる。
【0034】
有機化合物を合成する際に用いられるポリイソシアネ−ト化合物としては鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネ−ト化合物の中から選ぶことができる。
このようなポリイソシアネ−ト化合物の例としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げることができる。これらの中で、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、等が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0035】
有機化合物の合成において、前記ポリイソシアネ−ト化合物と付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を介し結合できる活性水素含有重合性不飽和化合物の例としては、分子内にイソシアネ−ト基との付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を形成できる活性水素原子を1個以上有し且つ重合性不飽和基を1個以上含む化合物を挙げることができる。
これらの活性水素含有重合性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェ−ト、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルエタンジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト等を挙げることができる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を用いることができる。これらの化合物の中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト等が好ましい。
これらの化合物は1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0036】
(3)架橋性粒子(A)の製造
本発明に用いられる架橋性粒子(A)は、例えば、前記有機化合物と酸化物粒子とを反応させることにより得ることができる。酸化物粒子は、通常の保管状態で粒子表面に吸着水として水分を含むことが知られており、また、水酸化物、水和物等のシラノール基生成化合物と反応する成分が少なくとも表面にあると推定される。従って、架橋性粒子(A)製造時においては、シラノール基生成化合物と酸化物粒子とを混合し、加熱、攪拌処理することにより製造することも可能である。なお、有機化合物が有するシラノール基生成部位と、酸化物粒子とを効率よく結合させるため、反応は水の存在下で行われることが好ましい。ただし、有機化合物がシラノール基を有している場合は水はなくてもよい。従って、この架橋性粒子(A)は、有機化合物と酸化物粒子とを少なくとも混合する操作を含む方法により製造される。酸化物粒子に結合した有機化合物残渣の含有量は、架橋性粒子(A)中、好ましくは0.01重量%以上であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、最も好ましくは1重量%以上である。酸化物粒子に結合した有機化合物残渣の含有量が0.01重量%未満であると、組成物中における架橋性粒子(A)の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性は十分でない場合がある。また、架橋性粒子(A)製造時の原料中の酸化物粒子の割合は好ましくは5〜99重量%であり、さらに好ましくは10〜98重量%以下である。架橋性粒子(A)製造時の原料中の酸化物粒子の割合が99重量%を超えると、得られる組成物の分散性、塗布性、その硬化物の耐擦傷性が十分でない場合がある。5重量%未満であると、その硬化物の硬度及び耐擦傷性が十分でない場合がある。
【0037】
以下、シラノール基生成化合物として、アルコキシシラン化合物を例にとり、架橋性粒子(A)の製造方法をさらに詳細に説明する。
架橋性粒子(A)製造時においてアルコキシシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水分解される量あればよい。好ましくは加水分解の際に添加、又は存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキシ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好ましくは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上3倍未満である。完全に水分の存在しない条件下で前記式(2)に示すアルコキシシラン化合物と酸化物粒子とを混合して得られる生成物は、酸化物粒子表面にアルコキシシラン化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成分から構成される組成物においては本発明の組成物の一つの目的である高硬度の発現の効果は低い。
【0038】
架橋性粒子(A)製造時においては、前記式(2)に示すアルコキシシラン化合物を別途加水分解操作に付した後、これと粉体酸化物粒子又は酸化物粒子の溶剤分散ゾルを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法;又は、前記式(2)に示すアルコキシシラン化合物の加水分解を酸化物粒子の存在下で行う方法;また、他の成分、例えば、前記分子内に4以上の重合性不飽和基を有する化合物(B)や分子内に1以上3以下の重合性不飽和基を有する化合物(C)、重合開始剤(D)等の存在下、酸化物粒子の表面処理を行う方法等を選ぶことができる。この中では、前記式(2)に示すアルコキシシラン化合物の加水分解を酸化物粒子の存在下で行う方法が好ましい。架橋性粒子(A)製造時、その温度は、好ましくは0℃以上150℃以下であり、さらに好ましく20℃以上100℃以下である。また、処理時間は通常5分から24時間の範囲である。
【0039】
架橋性粒子(A)製造時において、粉体状の酸化物粉体を用いる場合、アルコキシシラン化合物との反応を円滑に且つ均一に行わせることを目的として、有機溶剤を添加してもよい。そのような有機溶剤の好ましい種類は、アルコ−ル類、ケトン類、エステル類、エ−テル類、芳香族炭化水素類、アミド類である。例えば、アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール;ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン;エステル類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン;エーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル;芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン;アミド類としては、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等をそれぞれ挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。これらの溶剤の添加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合う限り特に制限はない。
【0040】
架橋性粒子(A)原料として溶剤分散ゾルを用いる場合、溶剤分散ゾルと、有機化合物とを少なくとも混合することにより製造することができる。ここで、反応初期の均一性を確保し、反応を円滑に進行させる目的で、水と均一に相溶する有機溶剤を添加してもよい。
【0041】
また、架橋性粒子(A)製造時において、反応を促進するため、触媒として酸、塩又は塩基を添加してもよい。また、反応を促進するため、脱水剤を添加してもよい。脱水剤としては、ゼオライト、無水シリカ、無水アルミナ等の無機化合物や、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、テトラエトキシメタン、テトラブトキシメタン等の有機化合物を用いることができる。中でも、有機化合物が好ましく、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル等のオルトエステル類がさらに好ましい。
なお、架橋性粒子(A)に結合したアルコキシシラン化合物の量は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少%の恒量値として、空気中で110℃から800℃までの熱重量分析により求めることが出来る。
【0042】
(4)架橋性粒子(A)の組成物中の配合量
架橋性粒子(A)の配合量は、組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量%として、5〜90重量%配合することが好ましく、10〜70重量%がさらに好ましい。5重量%未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、90重量%を超えると、硬化しない(膜にならない)ことがある。なお、架橋性粒子(A)の量は、固形分を意味し、架橋性粒子(A)が溶剤分散ゾルの形態で用いられるときは、その配合量には溶剤の量を含まない。
【0043】
2.分子内に4以上の重合性不飽和基を有する化合物(B)
本発明の組成物において、分子内に4以上の重合性不飽和基を有する化合物(B)(以下、「化合物(B)」ということがある。)は、硬化物の架橋密度を上げ、硬度を高めるために用いられる。
化合物(B)としては特に制限はないが、分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルエステル類が好ましく、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が150以下の分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルエステル類がさらに好ましい。150を超えると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。このような化合物(B)としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート類等、並びに分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
これらのうち、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が好ましい。
このような化合物(B)の市販品としては、例えば、東亜合成(株)製 商品名:アロニックスM−400、M−408、M−450、日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、SR−295、 SR−355、 SR−399E、 SR−494、 SR−9041、共栄社化学(株)製 商品名:ライトアクリレート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A等を挙げることができる。
本発明に用いられる化合物(B)の配合量は、組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量%として、5〜75重量%配合することが好ましく、10〜60重量%が、さらに好ましい。5重量%未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、75重量%を超えると、硬化物としたときにカールが大となることがある。
【0044】
3.分子内に1以上3以下の重合性不飽和基を有する化合物(C)
本発明の組成物において、分子内に1以上3以下の重合性不飽和基を有する化合物(C)(以下、「化合物(C)」ということがある。)は、硬化物の硬度を低下させることなしに、カール性を改善するために用いられる。化合物(C)としては特に制限はないが、例えば、重合性不飽和基が、(メタ)アクリロイル基又はビニル基である化合物を挙げることができる。具体的には、(メタ)アクリルエステル類、N−ビニル化合物類、ビニル置換芳香族類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリルエステル類、N−ビニル化合物類が好ましく、(メタ)アクリルエステル類がさらに好ましい。(メタ)アクリルエステル類の中では、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が200以下の2又は3官能性(メタ)アクリルエステル類が最も好ましい。200を超えると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。
以下、具体例を列挙する。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に1以上3以下の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びこれらへのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物等、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
N−ビニル化合物としては、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルコハク酸イミド等を挙げることができる。
ビニル置換芳香族類としては、スチレン、ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ブロモメチルスチレン、トリブロモメチルスチレン等を挙げることができる。
ビニルエーテル類としては、ジエチレングリコ−ルモノメチルビニルエ−テル、エチレングリコ−ルジビニルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ルジビニルエ−テル等を挙げることができる。
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等を挙げることができる。
このような化合物(C)の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製 商品名:アロニックス M−101、 M−102、 M−110、 M−111、 M−113、 M−117、 M−120、 M−150、 M−156、 M−208、 M−210、 M−215、 M−220、 M−225、 M−233、 M−240、 M−245、 M−260、 M−270、 M−305、 M−309、 M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD TC−110S、TC−120S、R−128、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、TMPTA、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、SR−256、SR−257、SR−285、SR−335、SR−339A、SR−395、SR−440、SR−489、SR−495、SR−504、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035等を挙げることができる。
本発明に用いられる化合物(C)の配合量は、組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量%として、5〜75重量%配合することが好ましく、10〜60重量%が、さらに好ましい。5重量%未満であると、硬化物としたときにカールが大となることがあり、75重量%を超えると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。
【0045】
また、本発明の組成物における(C)成分の(B)成分に対する配合量は、(B)成分100重量部に対して、0.1〜9900重量部が好ましく、0.5〜900重量部がさらに好ましい。0.1重量部未満であると、硬化物の反りが増大し、カールが大となることがあり、9900重量部を超えると、耐擦傷性が不十分となることがある。
【0046】
4.重合開始剤(D)
本発明においては、必要に応じて、(A)、(B)及び(C)以外の配合成分として、(D)重合開始剤を配合することができる。まず、その(D)重合開始剤を用いることに関連する本発明の組成物の硬化方法について説明する。
本発明の組成物は熱及び/又は放射線によって硬化される。
熱による場合、その熱源としては、例えば電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いることができる。
放射線による場合、その放射線の線源としては、組成物をコーティング後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、赤外線の線源としては、例えば、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源としては、例えば、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。アルファ線、ベ−タ線及びガンマ線の線源としては、例えば、Co60等の核分裂物質が挙げられ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種以上の放射線を一定期間をおいて照射してもよい。本発明の組成物には、硬化時間を短縮させるために重合開始剤(D)を添加してもよく、そのような重合開始剤(D)としては、例えば熱的に活性ラジカル種を発生させるもの及び放射線照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等の、汎用されているものを挙げることができる。
【0047】
本発明においては、上記(D)重合開始剤として放射線重合開始剤を用いることが好ましく、その中でも、(d)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤(以下、「放射線重合開始剤(d)」ということがある)を用いることがさらに好ましい。1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。一方、N−モルフォリノ基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、表面硬度の高い硬化物を短時間で形成することができる。両者を併用した場合、表面硬度が高く着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。
1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルイソプロピルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルドデシルフェニルケトン等を挙げることができる。また、本発明に用いられるN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(メトキシ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジフェニルアミノ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、3,6-ビス(2-メチル-2-モルフォリノプロピオニル)-9-N-オクチルカルバゾール等を挙げることができる。これらの放射線重合開始剤(d)は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いても良いが、硬化物としたときに、その表面部分及び内部の両方の硬化速度及び硬度を向上させるためには、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類とを組合わせて用いることが好ましい。
このような放射線重合開始剤(d)の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 184、907等を挙げることができる。
本発明において必要に応じて用いられる放射線重合開始剤(d)の配合量は、組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量部として、0.01〜20重量部配合することが好ましく、0.1〜10重量部が、さらに好ましい。0.01重量部未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、20重量部を超えると、硬化物としたときに内部(下層)まで硬化しないことがある。
【0048】
また、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類を併用する場合の両者の配合比は、重量比で、10:90〜90:10が好ましく、40:60〜80:20がさらに好ましい.
【0049】
5.上記以外の配合成分
本発明においては、必要に応じて、増感剤等の上記以外の種々の配合成分を配合することができる。以下、その例を列挙する。
(1)増感剤
増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げることができる。この増感剤の市販品としては、日本化薬(株)製 商品名:KAYAKURE DMBI、EPA等を挙げることができる。
【0050】
(2)溶剤
前記分散溶剤のほかに、塗工性の改良、粘度調整、固形分濃度の調整等のため、組成物を調製した後に、溶剤を添加することができる。その溶剤としては、前記分散溶剤として用いたものと同じものを用いることができる。
【0051】
(3)架橋性粒子(A)以外の酸化物粒子
架橋性粒子(A)以外の酸化物粒子としては、例えば、有機化合物と結合していない酸化物粒子等を挙げることができる。
【0052】
(4)各種添加剤
添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填材、有機系充填材、フィラー、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を挙げることができる。。
【0053】
酸化防止剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等を挙げることができ、紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビン P、234、320、326、327、328、213、400、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ110、130、140、220、250、300、320、340、350、400等を挙げることができ、光安定剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共化成工業(株)製 商品名:サノールLS−770、765、292、2626、1114、744等を挙げることができ、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができ、これらの市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH6062、SZ6030、信越シリコーン(株)製 商品名:KBE903、KBM803等を挙げることができ、老化防止剤の市販品としては、住友化学工業(株)製 商品名:アンチゲン W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW等を挙げることができる。
【0054】
(5)上記以外の添加剤
上記以外の添加剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、プロペニルエーテル、マレイン酸誘導体等の重合性化合物、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブテン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマー又はオリゴマー等を挙げることができる。
【0055】
本発明の組成物は被覆材として好適であり、被覆の対象となる基材としては、例えばプラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレ−ト等挙げることができる。これら基材の形状は板状、フィルム状又は3次元成形体でもよく、コーティング方法は、通常のコーティング方法、例えばディッピングコ−ト、スプレ−コ−ト、フロ−コ−ト、シャワ−コ−ト、ロ−ルコ−ト、刷毛塗り等を挙げることができる。これらコーティングにおける塗膜の厚さは、乾燥、硬化後、通常0.1〜400μmであり、好ましくは1〜200μmである。 本発明の組成物は、作業性の面から、溶剤で希釈して用いることができる。例えば、被覆材として用いる場合の粘度は、通常0.1〜50,000mPa・s/25℃であり、好ましくは0.5〜10,000mPa・s/25℃である。
【0056】
II.硬化物
本発明の硬化物は、前記樹脂組成物を種々の基材、例えばプラスチック基材にコーティングして硬化させることにより得ることができる。具体的には、組成物をコーティングし、好ましくは0〜200℃で揮発成分を乾燥させた後、熱又は/及び放射線で硬化処理を行うことにより被覆成形体として得ることができる。熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。放射線による場合、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cmであり、より好ましくは0.1〜2J/cmである。また、好ましい電子線の照射条件は、加圧電圧は10〜300KV、電子密度は0.02〜0.30mA/cmであり、電子線照射量は1〜10Mradである。
【0057】
本発明の硬化物は、高硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れた特徴を有しているので、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材(特に、透明性を要求されるプラスチックシート、プラスチックフィルム等のハードコート材として好適に用いられる。);各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いられる。さらには、陰極線管、フラットディスプレイ(レーザーディスプレイ、フォトクロミックディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、エレクトロルミネセントパネル等の各種ディスプレイの前面板又はこれらの入力用装置部品、その他、カバーケース等の前面カバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドシールド、ライトカバー、ヘルメットシールド等の用途に広く利用することができる。
【0058】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、部、%は特に記載しない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。
また、本発明において「固形分」とは、組成物から溶剤等の揮発成分を除いた部分を意味し、具体的には、組成物を120℃のホットプレート上で1時間乾燥して得られる残渣物(不揮発成分)を意味する。
【0059】
有機化合物の合成
合成例1
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(S1)を得た。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550カイザ−の吸収ピ−ク及びイソシアネ−ト基に特徴的な2260カイザ−の吸収ピ−クが消失し、新たに、[−O−C(=O)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基に特徴的な1660カイザ−のピ−ク及びアクリロイル基に特徴的な1720カイザ−のピ−クが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロイル基と[−S−C(=O)−NH−]基、[−O−C(=O)−NH−]基を共に有する有機化合物が生成していることを示した。
【0060】
合成例2
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン38.4部、ジブチルスズジラウレ−ト0.2部からなる溶液に対し、1,3−ビス(イソシアナ−トメチル)シクロヘキサン38.7部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト22.7部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌することで有機化合物(S2)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量を分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
【0061】
架橋性粒子(A)の製造
以下、架橋性粒子(A)の製造例を、製造例1〜製造例6に示し、その結果を表1にまとめて示す。
【0062】
製造例1
窒素気流下、合成例1で合成した有機化合物(S1)8.7部、メチルエチルケトンシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST、数平均粒子径0.022μm、シリカ濃度30%)91.3部、イソプロパノール0.2部及びイオン交換水0.1部の混合液を、80℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで無色透明の架橋性粒子(A)分散液(分散液a)を得た。分散液aをアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、35%であった。
【0063】
製造例2
窒素気流下、合成例1で合成した有機化合物(S1)80部、粉体シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルTT600、数平均粒子径 0.04μm)20部、イソプロパノ−ル5部、酢酸エチル180部及びイオン交換水7部の混合液を、80℃、3時間で激しく攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル41部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで半透明の架橋性粒子(A)分散液(分散液b)を得た。この分散液bの固形分含量を製造例1と同様に求めたところ30%であった。
【0064】
製造例3
窒素気流下、合成例2で合成した有機化合物(S2)8.3部、前記メチルエチルケトンシリカゾル(MEK−ST)91.7部及びイオン交換水0.8部の混合液を、80℃、3時間で攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル4.9部を添加し、さらに1時間同一温度(80℃)で加熱攪拌することで半透明の架橋性粒子(A)分散液(分散液c)を得た。この分散液cの固形分含量を製造例1と同様に求めたところ34%であった。
【0065】
製造例4
水性アルミナゾル(シーアイ化成(株)製)を溶剤置換することにより製造したメタノールアルミナゾル(数平均粒子径0.0075μm、アルミナ濃度30%、水分5.6%)92.5部、合成例1で合成した有機化合物(S1)7.5部、p−メトキシフェノール0.01部、の混合液を60℃で3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3部とメタノール41.2部を添加し、さらに1時間同温度で加熱攪拌することで架橋性粒子(A)分散液(分散液d)を得た。この分散液dの固形分含量を製造例1と同様に求めたところ25%であった。
【0066】
製造例5
合成例1で合成した有機化合物(S1)8.2部、トルエンジルコニアゾル(数平均粒子径0.05μm、ジルコニア濃度30%)91.8部、イオン交換水0.1部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3部とメチルエチルケトン41.2部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子(A)分散液(分散液e)を得た。この分散液eの固形分含量を製造例1と同様に求めたところ25%であった。
【0067】
製造例6
合成例2で合成した有機化合物(S2)8.2部、メチルエチルケトン酸化アンチモンゾル(日産化学工業(株)製 商品名:AME−130 数平均粒子径0.05μm、五酸化アンチモン濃度30%)91.8部、イオン交換水0.1部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3部とメチルエチルケトン41.2部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子(A)分散液(分散液f)を得た。この分散液fの固形分含量を製造例1と同様に求めたところ25%であった。
【0068】
【表1】
Figure 0004690510
P2(粉体シリカ)以外は酸化物濃度30%
P1:メチルエチルケトンシリカゾル
P2:粉体シリカ
P3:メタノールアルミナゾル
P4:トルエンジルコニアゾル
P5:メチルエチルケトン酸化アンチモンゾル
【0069】
架橋性粒子(A)の分析例
架橋性粒子(A)上に結合された有機化合物の量は以下に示す方法により評価した。
【0070】
分析例1
製造例3で製造した架橋性粒子(A)分散液(分散液c)100部を3万回転で5時間かけて超遠心分離器で処理することでシリカ成分を沈降させた。沈降物から有機層を傾斜法により除去し、メチルエチルケトン100部で再分散させ、さらに同様の遠心分離操作を繰り返すことで、架橋性粒子(A)を分離した。得られた架橋性粒子(A)分散液を室温下で1時間乾燥した後、0.1mmHgの減圧下、40℃で12時間加熱処理することで乾燥した。乾燥粉体の一部をKBr粉末中に混合し、赤外吸収スペクトルを測定した。その赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0071】
図1において、シリカに由来する805cm-1、1000〜1300cm-1、1637cm-1、3000〜3700cm-1のピークに加え、アクリロイル基のνC=O吸収が1724cm-1、[−O−C(=O)−NH−]基、[−S−C(=O)−NH−]基のνC=O吸収が1654cm-1にみられ、合成例1で合成された有機化合物(S2)がシリカ粒子に結合していることがわかる。
【0072】
さらに、この架橋性粒子(A)の粉体を熱重量分析(TGA)を用いて、空気中で110℃での恒量重量から800℃までに減少する重量、すなわち燃焼性の有機物の減少量を求めたところ20%であった。また、未処理のメチルエチルケトンシリカゾルから単離した粉体の同一条件での減少量は3%であった。したがって両者の差からこのシリカ粒子中には少なくとも17%以上の有機化合物(S2)が結合していると結論づけられた。
【0073】
以上の結果より、本発明で用いられた有機化合物は原料となる酸化物粒子上に結合していることを示している。
【0074】
組成物の調製例
以下、本発明の組成物の調製例を実施例1〜9、及び比較例1〜3に示す。また、各成分の配合重量比を表2に示す。
【0075】
実施例1
乾燥空気気流下、紫外線を遮蔽した容器中において、製造例1で製造した分散液a70部、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト20部、トリメチロールプロパントリアクリレート10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.5部、及び2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1 1.5部を室温下、30分攪拌することで均一な溶液の組成物を得た。
【0076】
同様の操作法により、表2に示す実施例2〜9、比較例1〜3の各組成物を得た。
【0077】
【表2】
Figure 0004690510
P1:メチルエチルケトンシリカゾル
M1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
M2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
M3:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
N1:トリメチロールプロパントリアクリレート
N2:ペンタエリスリトールトリアクリレート
N3:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート
N4:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
R1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
R2:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1
【0078】
硬化物の評価
本発明の組成物の効果を明らかにするため、上記組成物を用いて塗布、乾燥、光照射して得られた硬化物の評価を行った。以下にその評価方法を示す。また、評価結果を表3に示す。
【0079】
1.塗布、乾燥、硬化条件
表3の実施例1〜9及び比較例1〜3においては、基材上にバ−コ−タ−を用いて、乾燥膜厚10μmになるように塗布した後、80℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥後、コンベア式水銀ランプを用いて1J/cmの光量で照射後、25℃で、24時間保管後評価した。
【0080】
2.基材
鉛筆硬度試験及び透明性評価(光透過率の測定)においてはガラス板を、また、耐スチールウール擦傷性、密着性評価及びカールの評価においては厚さが188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
【0081】
3.評価法
・塗膜外観:
異物の存在や、塗りムラ、はじき、異物、白化等の異常の発生を目視により判定した。異物の存在及び異常の発生がない場合を○、1以上の、異物の存在又は異常の発生がある場合を×とした。
・光透過率(%):
透明性評価のため、分光光度計を用い、波長500nmでの光透過率を求めた。なお、測定値は基材の透過率を補正した後の値である。
・鉛筆硬度:
JIS K5400に準拠し、ガラス基板上で硬化させた被膜を評価した。
・密着性(%):
JIS K5400における碁盤目セロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率で評価した。
・耐スチールウール(SW)擦傷性:
テスター産業(株)製 学振型耐磨耗試験機を、500g荷重をかけた#0000スチールウールにて30往復し、試験した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷なしの場合を○、1〜10本の傷がある場合を△、10本を超える傷がある場合を×とした。
・カール(mm):
本発明の組成物を188μm厚さのPET上に、前述の塗布、硬化条件で製膜直後、カッターナイフにて、10cm×10cm片に切り出し、25℃、相対湿度50%にて24時間放置後、4つの角の基準面からのそり量の平均値(mm)を求めた。
【0082】
【表3】
Figure 0004690510
【0083】
【発明の効果】
本発明によって、各種基材の表面に高硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れた、特に低カ−ル性に優れた被膜を形成し得る、硬化性に優れた樹脂組成物及びその硬化物を提供することことができる。本発明の樹脂組成物及びその硬化物は、このような特性を有することから、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いることができる。
【0084】
【図面の簡単な説明】
【図1】 赤外吸収スペクトルを測定したチャート図である。

Claims (8)

  1. (A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及び下記式(1)に示す基を含む有機化合物とが結合した粒子、
    Figure 0004690510
    (式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示す。)
    (B)分子内に4以上の重合性不飽和基を有する化合物、及び
    (C)1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が200以下の2又は3官能性(メタ)アクリルエステル類を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記有機化合物が、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記有機化合物が、シラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)成分が、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が150以下の、分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルエステル類である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量%として、前記(A)成分の配合量が、5〜90重量%であり、前記(B)成分の配合量が、5〜75重量%であり、かつ前記(C)成分の配合量が、5〜75重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物
  6. 前記(A)、(B)及び(C)に加えて、さらに、(D)重合開始剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物
  7. 前記(D)重合開始剤が、(d)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類の両方又はそのいずれかの放射線重合開始剤である請求項6に記載の樹脂組成物
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物
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