JP2001348513A - 硬化性樹脂組成物、硬化膜及び複合体 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化膜及び複合体

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JP2001348513A
JP2001348513A JP2000171831A JP2000171831A JP2001348513A JP 2001348513 A JP2001348513 A JP 2001348513A JP 2000171831 A JP2000171831 A JP 2000171831A JP 2000171831 A JP2000171831 A JP 2000171831A JP 2001348513 A JP2001348513 A JP 2001348513A
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curable resin
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cured film
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JP2000171831A
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English (en)
Inventor
Isao Nishiwaki
功 西脇
Michiko Takahashi
美千子 高橋
Keiichi Yamaguchi
佳一 山口
Takashi Ukaji
孝志 宇加地
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JSR Corp
Japan Fine Coatings Co Ltd
Original Assignee
JSR Corp
Japan Fine Coatings Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種基材の表面に、硬度、耐擦傷性及び密着性
に優れるとともに耐光性にも優れた塗膜(硬化膜)を形
成し得る硬化性樹脂組成物、硬化膜及び複合体を提供す
る。 【解決手段】(A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、ス
ズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少
なくとも一つの元素の酸化物粒子(A1)と、重合性不
飽和基を含む有機化合物(A2)とを結合させてなる反
応性粒子、(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有
する化合物、(C)ヒンダードフェノール系酸化防止
剤、並びに(D)ヒンダードアミン系光安定剤を含有し
てなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂組成
物、硬化膜及び複合体に関する。さらに詳しくは、各種
基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリ
メチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、
ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリア
セチルセルロ−ス樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボ
ルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、セラミッ
クス、スレ−ト等]の表面に、硬度、耐擦傷性及び密着
性に優れるとともに耐光性にも優れた塗膜(硬化膜)を
形成し得る硬化性樹脂組成物、硬化膜及び複合体に関す
る。本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、プラスチッ
クレンズ等のプラスチック光学部品、タッチパネル、フ
ィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材とし
ての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や
汚染防止のためのハードコ−ティング材;各種基材の接
着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等とし
て好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、情報通信機器の性能確保や安全対
策の面から、機器の表面に、放射線硬化性組成物を用い
て、硬度、耐擦傷性、密着性を有する塗膜(ハードコー
ト)を形成することが行われている。近年、情報通信機
器の発達と汎用化は目覚しいものがあり、ハードコート
のさらなる品質、性能の向上及び生産性の向上が要請さ
れるに至っている。特に、プラスチックレンズ等の光学
物品に用いられるハードコートは、光による黄変を防止
すること(耐光性の改善)が要求されるようになってい
る。このような要求に対して、生産性が高く、常温で硬
化できることに注目し、放射線硬化性の材料が種々提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術は、硬度、耐擦傷性、密着性の面でそれぞれ一定の
効果を発揮するものの、近年におけるハードコートに要
求されている耐光性の面では必ずしも十分に満足し得る
ものではなかった。
【0004】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
で各種基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−
ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエ
ステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、トリアセチルセルロ−ス樹脂、ABS樹脂、AS樹
脂、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラ
ス、セラミックス、スレ−ト等]の表面に、硬度、耐擦
傷性及び密着性に優れるとともに耐光性にも優れた塗膜
(硬化膜)を形成し得る硬化性樹脂組成物、硬化膜及び
複合体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の課題
を解決するべく鋭意研究した結果、特定の反応性粒子及
び特定の重合性化合物に加えて、特定の酸化防止剤及び
特定の光安定剤を含有させた組成物とすることにより、
上記目的を達成することができることを知見し、本発明
を完成させた。すなわち、本発明は、以下の硬化性樹脂
組成物、硬化膜及び複合体を提供するものである。
【0006】[1](A)ケイ素、アルミニウム、ジル
コニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウ
ム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ば
れる少なくとも一つの元素の酸化物粒子(A1)と、重
合性不飽和基を含む有機化合物(A2)とを結合させて
なる反応性粒子、(B)分子内に2以上の重合性不飽和
基を有する化合物、(C)ヒンダードフェノール系酸化
防止剤、並びに(D)ヒンダードアミン系光安定剤を含
有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【0007】[2]前記有機化合物(A2)が、重合性
不飽和基に加えて、下記式(1)に示す基を有するもの
である前記[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
【化2】−X−C(=Y)−NH− (1) [式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イ
オウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
【0008】[3]前記有機化合物(A2)が、[−O
−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C
(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH
−]基のうちの少なくとも一つを含むものである前記
[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
【0009】[4]前記有機化合物(A2)が、シラノ
ール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール
基を生成する化合物である前記[1]〜[3]のいずれ
かに記載の硬化性樹脂組成物。
【0010】[5](E)重合開始剤をさらに含有して
なる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性樹脂
組成物。
【0011】[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記
載の硬化性樹脂組成物を硬化させて成膜してなる硬化
膜。
【0012】[7]前記[6]に記載の硬化膜を基材に
積層してなる複合体。
【0013】[8]前記基材がプラスチックレンズであ
る前記[7]に記載の複合体。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。 I.硬化性樹脂組成物 本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)ケイ素、アルミニ
ウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウ
ム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりな
る群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子
(A1)と、重合性不飽和基を含む有機化合物(A2)
とを結合させてなる反応性粒子、(以下、「反応性粒子
(A)」ということがある)、(B)分子内に2以上の
重合性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物
(B)」ということがある)、(C)ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤(以下、「酸化防止剤(C)」という
ことがある)、並びに(D)ヒンダードアミン系光安定
剤(以下、「光安定剤(D)」ということがある)、を
含有してなることを特徴とする。本発明の硬化性樹脂組
成物は、(E)重合開始剤(以下、「重合開始剤
(E)」ということがある)をさらに含有してなるもの
であってもよい。以下各成分ごとに具体的に説明する。
【0015】1.反応性粒子(A) 本発明に用いられる反応性粒子(A)は、前述のよう
に、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウ
ム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモ
ン及びセリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つ
の元素の酸化物粒子(A1)と、重合性不飽和基を含む
有機化合物(A2)とを結合させたものである。なお、
本発明において、酸化物粒子(A1)と有機化合物(A
2)とを反応させることによって反応性粒子(A)を製
造する過程で得られる反応液(分散液)中の反応生成物
(固形分)(以下、「反応生成物(X)」ということが
ある)中には、反応性粒子(A)の他、反応性粒子
(A)を得るための反応において未反応で残留した有機
化合物(A2)や有機化合物(A2)同士が反応した生
成物等を含む。なお、本発明において「固形分」とは、
各種組成物から溶剤等の揮発成分を除いた部分を意味
し、具体的には、各種組成物を120℃のホットプレー
ト上で1時間乾燥して得られる残渣物(不揮発成分)を
意味する。
【0016】(1)酸化物粒子(A1) 本発明に用いられる酸化物粒子(A1)は、得られる硬
化性組成物の硬化被膜の無色性の観点から、ケイ素、ア
ルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマ
ニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムか
らなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒
子である。
【0017】これらの酸化物粒子(A1)としては、例
えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化ス
ズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモ
ン、酸化セリウム等の粒子を挙げることができる。中で
も、高硬度の観点から、シリカ、アルミナ、ジルコニア
及び酸化アンチモンの粒子が好ましい。これらは1種単
独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。さ
らには、酸化物粒子(A1)は、粉体状又は溶剤分散ゾ
ルであることが好ましい。溶剤分散ゾルである場合、他
の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機
溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸
エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等
のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、トルエン、キシレンが好ましい。
【0018】酸化物粒子(A1)の数平均粒子径は、
0.001μm〜2μmが好ましく、0.001μm〜
0.2μmがさらに好ましく、0.001μm〜0.1
μmが特に好ましい。数平均粒子径が2μmを越える
と、硬化物としたときの透明性が低下したり、被膜とし
たときの表面状態が悪化する傾向がある。また、粒子の
分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類を
添加してもよい。
【0019】ケイ素酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)
として市販されている商品としては、例えば、コロイダ
ルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタ
ノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NB
A−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−U
P、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−
C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を
挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本ア
エロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロ
ジル300、アエロジル380、アエロジルTT60
0、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シ
ルデックスH31、H32、H51、H52、H12
1、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E2
20A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:S
YLYSIA470、日本板硝子(株)製商品名:SG
フレ−ク等を挙げることができる。
【0020】また、アルミナの水分散品としては、日産
化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、−
200、−520;アルミナのイソプロパノール分散品
としては、住友大阪セメント(株)製 商品名:AS−
150I;アルミナのトルエン分散品としては、住友大
阪セメント(株)製 商品名:AS−150T;ジルコ
ニアのトルエン分散品としては、住友大阪セメント
(株)製 商品名:HXU−110JC;アンチモン酸
亜鉛粉末の水分散品としては、日産化学工業(株)製
商品名:セルナックス;アルミナ、酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末及び溶剤分散品
としては、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテッ
ク;アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾルとしては、
石原産業(株)製 商品名:SN−100D;ITO粉
末としては、三菱マテリアル(株)製の製品;酸化セリ
ウム水分散液としては、多木化学(株)製 商品名:ニ
ードラール等を挙げることができる。
【0021】酸化物粒子(A1)の形状は球状、中空
状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状であ
り、好ましくは、球状である。酸化物粒子(A1)の比
表面積(窒素を用いたBET比表面積測定法による)
は、好ましくは、10〜1000m2/gであり、さら
に好ましくは、100〜500m2/gである。これら
酸化物粒子(A1)の使用形態は、乾燥状態の粉末、又
は水もしくは有機溶剤で分散した状態で用いることがで
きる。例えば、上記の酸化物の溶剤分散ゾルとして当業
界に知られている微粒子状の酸化物の分散液を直接用い
ることができる。特に、硬化物に優れた透明性を要求す
る用途においては酸化物の溶剤分散ゾルの利用が好まし
い。
【0022】(2)有機化合物(A2) 本発明に用いられる有機化合物(A2)は、分子内に、
重合性不飽和基を含む化合物であり、さらに、前記式
(1)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]を含む特
定有機化合物であることが好ましい。また、[−O−C
(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=
S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基
の少なくとも1を含むものであることが好ましい。ま
た、この有機化合物(A2)は、分子内にシラノ−ル基
を有する化合物又は加水分解によってシラノ−ル基を生
成する化合物であることが好ましい。
【0023】重合性不飽和基 有機化合物(A2)に含まれる重合性不飽和基としては
特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、
スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト
基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができ
る。この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加
重合をする構成単位である。
【0024】前記式(1)に示す基 特定有機化合物に含まれる前記式(1)に示す基[−X
−C(=Y)−NH−]は、具体的には、[−O−C
(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、
[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)
−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び
[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの
基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いること
ができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C
(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH
−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくと
も1つとを併用することが好ましい。前記式(1)に示
す基[−X−C(=Y)−NH−]は、分子間において
水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした
場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等
の特性を付与せしめるものと考えられる。
【0025】シラノ−ル基又は加水分解によってシラ
ノ−ル基を生成する基 有機化合物(A2)は、分子内にシラノール基を有する
化合物(以下、「シラノール基含有化合物」ということ
がある)又は加水分解によってシラノール基を生成する
化合物(以下、「シラノール基生成化合物」ということ
がある)であることが好ましい。このようなシラノール
基生成化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、ア
リールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原
子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素
原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化
合物、すなわち、アルコキシシリル基含有化合物又はア
リールオキシシリル基含有化合物が好ましい。シラノー
ル基又はシラノール基生成化合物のシラノール基生成部
位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応に
よって、酸化物粒子(A1)と結合する構成単位であ
る。
【0026】好ましい態様 有機化合物(A2)の好ましい具体例としては、例え
ば、下記式(4)に示す化合物を挙げることができる。
【0027】
【化3】
【0028】式(4)中、R1、R2は、同一でも異なっ
ていてもよいが、水素原子又はC1〜C8のアルキル基若
しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を
挙げることができる。ここで、pは、1〜3の整数であ
る。
【0029】[(R1O)p2 3-pSi−]で示される基
としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキ
シシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキ
シシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げること
ができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基
又はトリエトキシシリル基等が好ましい。R3は、C1
らC12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基で
あり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよ
い。また、R4は、2価の有機基であり、通常、分子量
14から1万、好ましくは、分子量76から500の2
価の有機基の中から選ばれる。R5は、(q+1)価の
有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽
和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。Z
は、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重
合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。ま
た、qは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに
好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5
の整数である。
【0030】本発明で用いられる有機化合物(A2)の
合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載
された方法を用いることができる。
【0031】[反応性粒子(A)における酸化物粒子
(A1)への有機化合物(A2)の結合量は、反応性粒
子(A)[互いに結合した酸化物粒子(A1)及び有機
化合物(A2)]の固形分の合計を100重量%とし
て、好ましくは、0.01重量%以上であり、さらに好
ましくは、0.1重量%以上、特に好ましくは、1重量
%以上である。酸化物粒子(A1)に結合した有機化合
物(A2)の結合量が0.01重量%未満であると、組
成物中における反応性粒子(A)の分散性が十分でな
く、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性が十分でなくな
る場合がある。また、反応性粒子(A)製造時の原料中
の酸化物粒子(A1)の配合割合は、好ましくは、5〜
99重量%であり、さらに好ましくは、10〜98重量
%である。
【0032】反応性粒子(A)の配合(含有)量は、反
応性粒子(A)を含む前記反応生成物(X)の配合量とし
て、反応生成物(X)及び化合物(B)の固形分の合計を
100重量%としたときに、5〜90重量%が好まし
く、10〜85重量%がさらに好ましい。5重量%未満
であると、硬化物としたときの耐擦傷性が不十分となる
ことがあり、90重量%を超えると、成膜性が不十分と
なることがある。なお、反応生成物(X)は固形分を意
味し、反応性粒子(A)が溶剤分散ゾルの形態で用いら
れるときは、反応生成物(X)の配合量には溶剤の量を
含まない。
【0033】2.化合物(B) 本発明に用いられる化合物(B)は、分子内に2以上の
重合性不飽和基を含む化合物である。この化合物(B)
は組成物の成膜性を高めるために好適に用いられる。化
合物(B)としては重合性不飽和基を2以上含むもので
あれば特に制限はないが、重合性不飽和基を3以上含む
ものが好ましく、例えば、(メタ)アクリルエステル
類、ビニル化合物類を挙げることができ、この中では、
(メタ)アクリルエステル類が好ましい。なお、化合物
(B)には、前記反応生成物(X)中に含まれる有機化
合物(A2)同士が反応した生成物を含まない。
【0034】以下、化合物(B)の具体例を列挙する。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレング
ルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリ
レート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
ジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール
類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物
のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メ
タ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)ア
クリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート
類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリ
ゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることがで
きる。この中では、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)ア
クリレート等が好ましい。
【0035】ビニル化合物類としては、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコ−ルジビニルエ−テル、ジエチレン
グリコ−ルジビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ル
ジビニルエ−テル等を挙げることができる。
【0036】このような化合物(B)の市販品として
は、例えば、東亞合成(株)製 商品名:アロニックス
M−400、M−408、M−450、M−305、
M−309、M−310、M−315、M−320、M
−350、M−360、M−208、M−210、M−
215、M−220、M−225、M−233、M−2
40、M−245、M−260、M−270、TO−9
24、TO−1270、TO−1231、TO−59
5、TO−756、TO−1231、TO−902、T
O−904、TO−905、TO−1330、日本化薬
(株)製 商品名:カヤラッド DPHA、DPCA−
20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−1
20、T−1420、PET−30、GPO−303、
TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA
−330、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG
400DA、MANDA、HX−220、HX−62
0、R−551、R−712、R−167、R−52
6、R−551、R−604、SRシリーズのSR−2
95、SR−355、SR−399E、SR−494、
SR−9041、SR−368、SR−415、SR−
444、SR−454、SR−492、SR−499、
SR−502、SR−9020、SR−9035、SR
−111、SR−212、SR−213、SR−23
0、SR−259、SR−268、SR−272、SR
−344、SR−349、SR−601、SR−60
2、SR−610、SR−9003、KSシリーズのK
S−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、
共栄社化学(株)製 商品名:ライトアクリレート P
E−4A、DPE−6A、DTMP−4A等を挙げるこ
とができる。
【0037】なお、化合物(B)の外に、必要に応じ
て、分子内に重合性不飽和基を1つ有する化合物を含有
させてもよい。
【0038】3.酸化防止剤(C) 本発明に用いられる酸化防止剤(C)は、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤である。本発明においてヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤とは、酸化防止機能を有す
る、フェノール性水酸基のオルト位(2位及び/又は6
位)に立体障害作用を示す置換基を持った化合物を意味
する。このような立体障害作用を示す置換基としては、
例えば、t−ブチル基、1−メチルペンタデシル基、オ
クチルチオメチル基等を挙げることができる。なお、置
換基が2位及び6位の両方にある場合には、その置換基
は同一であっても異なっていてもよい。このような置換
基を有する化合物の好ましい例としては、(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)基を有する化
合物を挙げることができる。
【0039】具体的には、下記の化合物を挙げることが
できる。ペンタエリスリト−ル テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネ−ト] チオジエチレン ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト] オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネ−ト] N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オナミド] 3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロ
キシベンゼンプロパン酸イソオクチル 2,4−ジメチル−6−(1−メチルぺンタデシル)フ
ェノ−ル ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)
−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネ−ト 3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブ
チル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−
トリイル)トリ−p−クレゾ−ル カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−
ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]
ホスホネ−ト] 4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾ−ル エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネ−
ト] ヘキサメチレン ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,
4,6(1H,3H,5H)−トリオン N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチル
ペンテンとの反応生成物2,6−ジ−t−ブチル−4−
(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリア
ジン−2−イルアミノ)フェノ−ル ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−
4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネ−ト 1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン4−べンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン
【0040】中でも、ペンタエリスリトール テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−
4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸イソオクチル、及び
ヘキサメチレン ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好まし
い。
【0041】これらの化合物の市販品としては、例え
ば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品
名:イルガノックス 1010,1010FP、101
0FF、1035、1035FF、1076、1076
FF、1076FD、1098、1135、1141、
1222、1330、1425WL、1520L、15
20LR、245、245FF、259、3114,5
057、565、565FL等を挙げることができる。
【0042】4.光安定剤(D) 本発明に用いられる光安定剤(D)は、ヒンダードアミ
ン系光安定剤である。本発明においてヒンダードアミン
系光安定剤とは、光安定化機能を有する、窒素原子の隣
接する2つの炭素原子に複数の立体障害作用を示す置換
基を持ったピペリジン環を有する化合物を意味する。こ
のような立体障害作用を示す置換基としては、例えば、
メチル基等を挙げることができる。このような置換基を
有する化合物の好ましい例としては、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル基を有する化合物、及び
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基
を有する化合物等を挙げることができる。
【0043】具体的には、下記の化合物を挙げることが
できる。N,N’,N’’,N’’’−テトラキス
(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)
−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−
1,10−ジアミン ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミン
の重縮合物 ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}] コハク酸ジメチル・4−ヒドロキシ2,2,6,6−テ
トラメチル−1−ピペリジンエタノ−ルの重合物 デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−
(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、
1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド・オクタン
の反応生成物 ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−
4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネ−ト ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジルセバケートとの混合物ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケ−ト コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン重縮合物 N,N’’’−1,2−エタンジイルビス[N−[3−
[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)アミノ]−1,3,5−ト
リアジン−2−イル]アミノ]プロピル]−N’,
N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,3,5
−トリアジン−2,4,6−トリアミン] 1−(メチル)−8−(1,2,2,6,6−ぺンタメ
チル−4−ピペリジニル)−セバケート 1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン4−べンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン 8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラ
メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン
−2,4−ジオン
【0044】中でも、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
トが好ましい。
【0045】これらの化合物及びこれらの化合物を含有
した組成物の市販品としては、例えば、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:チマソーブ11
9FL、2020FDL、944FD、944LD、チ
ヌビン 622LD、123S、144、765、77
0、770DF、770FL、111FD、123、2
92、三共(株)製 商品名:サノールLS−770、
LS−765、LS−292、LS−2626、LS−
744、LS−440等を挙げることができる。
【0046】前述の酸化防止剤(C)の配合量は、反応
生成物(X)及び化合物(B)の固形分の合計100重
量部に対して、好ましくは、0.001〜9重量部、さ
らに好ましくは、0.002〜4.5重量部、特に好ま
しくは、0.005〜1.8重量部である。0.001
重量部未満であると、硬化膜としたときに、耐黄変性等
の耐光性が不十分になることがあり、9重量部を超える
と、組成物の硬化阻害が生じたり、硬化膜としたとき
に、硬度や耐擦傷性が低下することがある。
【0047】また、光安定剤(D)の配合量は、反応生
成物(X)及び化合物(B)の固形分の合計100重量
部に対して、好ましくは、0.001〜9重量部、さら
に好ましくは、0.002〜4.5重量部、特に好まし
くは、0.005〜1.8重量部である。0.001重
量部未満であると、硬化膜としたときに、耐黄変性等の
耐光性が不十分になることがあり、9重量部を超える
と、組成物の硬化阻害が生じたり、硬化膜としたとき
に、硬度や耐擦傷性が低下することがある。
【0048】さらに、酸化防止剤(C)及び光安定剤
(D)の配合量の合計は、反応生成物(X)及び化合物
(B)の固形分の合計100重量部に対して、好ましく
は、0.01〜10重量部、さらに好ましくは、0.0
2〜5重量部、特に好ましくは、0.05〜2重量部で
ある。酸化防止剤(C)及び光安定剤(D)の配合量
が、反応生成物(X)及び化合物(B)の固形分の合計
100重量部に対して、それぞれ9重量部以下であって
も、酸化防止剤(C)及び光安定剤(D)の配合量の合
計が、10重量部を超えると、組成物の硬化阻害が生じ
たり、硬化膜としたときに、硬度や耐擦傷性が低下する
ことがある。また、酸化防止剤(C)及び光安定剤
(D)の配合量が、反応生成物(X)及び化合物(B)
の固形分の合計100重量部に対して、それぞれ0.0
01重量部以上であっても、酸化防止剤(C)及び光安
定剤(D)の配合量の合計が、0.01重量部未満であ
ると、硬化膜としたときに、耐黄変性等の耐光性が不十
分になることがある。
【0049】5.重合開始剤(E) 本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱又は放射線を照射す
ることだけで硬化するが、硬化速度をさらに高めるた
め、重合開始剤(E)として熱重合開始剤及び/又は放
射線 (光)重合開始剤を配合してもよい。
【0050】なお、本発明において、放射線とは、可視
光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、
γ線等を意味する。
【0051】重合開始剤(E)の配合量は、反応生成物
(X)及び化合物(B)の固形分の合計100重量部に
対して、好ましくは、0.01〜20重量部、さらに好
ましくは、0.1〜10重量部である。重合開始剤
(E)は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いるこ
とができる。
【0052】放射線 (光)重合開始剤としては、例えば
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサント
ン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、ア
ントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3
−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロ
ピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジ
メチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−
イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙
げることができる。
【0053】中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドが
好ましい。
【0054】これらの放射線 (光)重合開始剤の市販品
としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商
品名:イルガキュア184、369、651、500、
907、CGI1700、CGI1750、CGI18
50、CG24−61、ダロキュア1116、117
3、BASF社製ルシリンTPO、UCB社製 商品
名:ユベクリルP36等を挙げることができる。中で
も、イルガキュア184、651、907、ダロキュア
1173、ルシリンTPOが好ましい。
【0055】熱重合開始剤としては、例えば、過酸化
物、アゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベ
ンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げるこ
とができる。本発明においては、必要に応じて光重合開
始剤と熱重合開始剤とを併用することもできる。
【0056】6.帯電防止剤 本発明においては、組成物に帯電防止性を付与するため
必要に応じて帯電防止剤を含有させてもよい。帯電防止
剤としては、アニオン系、カチオン系、両性イオン系及
び非イオン系等の通常用いられる界面活性剤のいずれで
あってもよい。
【0057】アニオン系帯電防止剤としては、例えば、
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エ
ステル塩、アルキルリン酸エステル塩等を挙げることが
できる。
【0058】カチオン系帯電防止剤としては、例えば、
アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ア
ルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アシル塩化コ
リン等を挙げることができる。
【0059】両性イオン系帯電防止剤としては、例え
ば、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型、ア
ルキルアラニン型のもの等を挙げることができる。
【0060】非イオン系帯電防止剤としては、例えば、
脂肪酸アルキロールアミド、ジ−(2−ヒドロキシエチ
ル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレング
リコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル等を挙げることができる。
【0061】帯電防止剤の配合量は、反応生成物(X)
及び化合物(B)の固形分の合計100重量部に対し
て、好ましくは、0.01〜20重量部、さらに好まし
くは、0.1〜10重量部である。0.01重量部未満
であると、帯電防止効果が不十分となることがあり、2
0重量部を超えると、硬化物としたときに耐擦傷性が不
十分となることがある。帯電防止剤は、1種単独で又は
2種以上を組合わせて用いることができる。本発明の組
成物にこれらの帯電防止剤を含有させることにより、硬
化物としたときに、その表面固有抵抗値を1012Ω/□
以下にすることができる。
【0062】7.各種添加剤 本発明においては、上記成分の他に、各種添加剤を添加
することができる。このような添加剤としては、例え
ば、紫外線吸収剤(以下、「紫外線吸収剤(F)」とい
うことがある)、シランカップリング剤、老化防止剤、
熱重合禁止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保
存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填材、有機系充填
材、フィラー、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を挙げるこ
とができる。
【0063】紫外線吸収剤(F)の市販品としては、チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:チ
ヌビンP、シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ1
03等を挙げることができる。シランカップリング剤と
しては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアク
リロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることがで
き、これらの市販品としては、東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製 商品名:SH6062、SZ6
030、信越シリコーン(株)製 商品名:KBE90
3、KBM803等を挙げることができる。老化防止剤
の市販品としては、住友化学工業(株)製 商品名:ア
ンチゲンW、S、P、3C、6C、RD−G、FR、A
W等を挙げることができる。なお、本発明の組成物は、
前述の酸化防止剤(C)及び光安定剤(D)を含有させ
ることによって、酸化防止剤(C)及び光安定剤(D)
を上記紫外線吸収剤(F)に代えたものに比べて、耐光
性等の面で優れている。
【0064】II.硬化膜 1.組成物の基材への積層方法 本発明の組成物を基材に積層する方法としては特に制限
はないが、例えば、組成物を基材に塗布する方法を挙げ
ることができる。ここで、用いられる基材としては、例
えば、前述のプラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメ
タクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレ
フィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロー
ス、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木
材、紙、ガラス、スレ−ト等を挙げることができる。こ
れら基材の形状は板状、フィルム状又は3次元成形体で
もよく、塗布方法は、通常のコーティング方法、例えば
ディッピングコ−ト、スプレ−コ−ト、フロ−コ−ト、
シャワ−コ−ト、ロ−ルコ−ト、スピンコート、スクリ
ーン印刷、インクジェット印刷、刷毛塗り等を挙げるこ
とができる。これらコーティングにおける塗膜の厚さ
は、乾燥、硬化後、好ましくは、0.05〜400μm
であり、さらに好ましくは、1〜200μmである。
【0065】本発明の組成物は、塗膜の厚さを調節する
ために、溶剤で希釈して用いることができる。例えば、
プラスチックレンズのハードコートとして用いる場合の
粘度は、通常0.1〜10,000mPa・s/25℃
であり、好ましくは、0.5〜2,000mPa・s/
25℃である。
【0066】2.組成物の硬化方法 前述のように、本発明の組成物は、放射線(光)等によ
って硬化させることができる。その線源としては、組成
物をコーティング後短時間で硬化させることができるも
のである限り特に制限はないが、例えば、赤外線の線源
として、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視
光線の線源として、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等
を、また紫外線の線源として、水銀ランプ、ハライドラ
ンプ、レーザー等を、また電子線の線源として、市販さ
れているタングステンフィラメントから発生する熱電子
を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させ
る冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極と
の衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式
を挙げることができる。また、アルファ線、ベ−タ線及
びガンマ線の線源として、例えば、Co60等の核分裂物
質を挙げることができ、ガンマ線については加速電子を
陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。こ
れら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に又は一定
期間をおいて照射することができる。
【0067】硬化膜を作製する具体的な方法としては、
例えば、組成物をコーティングし、好ましくは、0〜2
00℃で揮発成分を乾燥させた後、上述の、熱及び/又
は放射線で硬化処理を行うことを挙げることができる。
熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であ
り、10秒〜24時間の範囲内で行われる。放射線によ
る場合、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そ
のような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜
10J/cm2であり、より好ましくは、0.1〜2J
/cm2である。また、好ましい電子線の照射条件は、
加圧電圧は10〜300KV、電子密度は0.02〜
0.30mA/cm2であり、電子線照射量は1〜10
Mradである。
【0068】III.複合体 本発明の複合体は、前述の硬化膜を前述のように基材に
積層してなるものである。種々の基材に硬化膜を積層し
た複合体の中でも、プラスチックレンズ(例えば、直接
太陽光の照射を受ける眼鏡レンズ)に硬化膜を積層した
複合体は、硬化膜が耐黄変性等の耐光性にも優れている
ため特に好適である。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限
を受けるものではない。なお、以下において、部、%は
特に記載しない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。
【0070】有機化合物(A2)の合成 合成例1 乾燥空気中、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からな
る溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6部
を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で
3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアク
リレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、6
0℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(A2−
1)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量を分析し
たところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了
したことを示した。
【0071】反応性粒子(A)の製造 以下、反応性粒子(A)の製造例を、製造例1〜製造例
2に示し、その結果を表1にまとめて示す。 製造例1 窒素気流下、合成例1で合成した有機化合物(A2−
1)8.7部、メチルエチルケトンシリカゾル(A1−
1)(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST、
数平均粒子径0.022μm、シリカ濃度30%)9
1.3部、p−メトキシフェノール0.01部及びイオ
ン交換水0.1部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、
オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1
時間同一温度で加熱攪拌することで無色透明の反応性粒
子(A)を含む反応生成物(X)の分散液(分散液a)
を得た。分散液aをアルミ皿に2g秤量後、120℃の
ホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を
求めたところ、36%であった。
【0072】製造例2 窒素気流下、合成例1で合成した有機化合物(A2−
1)4.8部、イソプロパノールアルミナゾル(A1−
2)(住友大阪セメント(株)製、商品名:AS−15
0I、数平均粒子径0.013μm、アルミナ濃度15
%)95.2部、p−メトキシフェノール0.01部、
及びイオン交換水0.1部の混合液を、60℃で4時間
攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.0部を添加し、
さらに1時間同温度で加熱攪拌することで半透明の反応
性粒子(A)を含む反応生成物(X)の分散液(分散液
b)を得た。この分散液bの固形分含量を製造例1と同
様に求めたところ19%であった。
【0073】
【表1】
【0074】A1−1:メチルエチルケトンシリカゾル
(シリカ濃度30%) A1−2:イソプロパノールアルミナゾル(アルミナ濃
度15%) 上記表1において、有機化合物及び酸化物粒子ゾル等の
配合量は、反応前の原料としての配合量である。
【0075】組成物の調製例 以下、本発明の組成物の調製例を実施例1〜4に、調製
比較例を比較例1〜6にそれぞれ示す。 実施例1 乾燥空気気流下、紫外線を遮蔽した容器中において、製
造例1で製造した分散液a 144.7部(反応生成物
51.7部、分散媒メチルエチルケトン(MEK))、
ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト48.3
部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3.
0部、及び2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェ
ニル−2−モルホリノプロパノン−1 1.8部を2時
間攪拌することで均一な溶液の組成物を得た。これにペ
ンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商
品名:イルガノックス1010)0.3部及びビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート(三共(株)製 商品名:サノールLS
−765)0.3部を添加後、2時間攪拌することで均
一な溶液の組成物を得た。この組成物の固形分含量を製
造例1と同様に求めたところ、53%であった。
【0076】実施例2 乾燥空気気流下、紫外線を遮蔽した容器中において、製
造例2で製造した分散液b 273.4部(反応生成物
51.7部、分散媒イソプロパノール(IPA))、ト
リメチロールプロパントリアクリレ−ト48.3部、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3.0部、
及び2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル−
2−モルホリノプロパノン−1 1.8部を2時間攪拌
することで均一な溶液の組成物を得た。これにペンタエ
リスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イ
ルガノックス1010)0.3部及びビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト(三共(株)製 商品名:サノールLS−765)
0.3部を添加後、2時間攪拌することで均一な溶液の
組成物を得た。この組成物の固形分含量を製造例1と同
様に求めたところ、32%であった。
【0077】実施例3、4及び比較例1〜6 実施例1又は2と同様にして、配合成分について表2に
示す組成に変え、実施例3、4及び比較例1〜6の組成
物を得た。
【0078】硬化膜の評価 本発明の組成物の効果を明らかにするため、上記組成物
を基材上に塗布、乾燥、光照射して得られた硬化膜の評
価を行った。以下にその評価方法を示す。また、評価結
果を表2に示す。
【0079】1.塗布、乾燥、硬化条件 基材上にバーコーターを用いて、乾燥膜厚12μmにな
るように塗布した後、80℃の熱風式乾燥機中で3分間
乾燥後、コンベア式水銀ランプを用いて1J/cm2
光量で照射後、25℃で、24時間保管後評価した。
【0080】2.基材 鉛筆硬度試験においてはガラス板を、耐スチールウール
擦傷性、イエローインデックス及び密着性の評価におい
ては厚さが188μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムを用いた。
【0081】3.評価法 ・鉛筆硬度:JIS K5400に準拠し、ガラス基板
上で硬化させた硬化膜を評価した。 ・耐スチールウール(SW)擦傷性:テスター産業
(株)製 学振型耐磨耗試験機を用い、500g荷重を
かけた#0000スチールウールにて30往復し、試験
した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷なしの
場合を〇、1〜10本の傷がある場合を△、10本を超
える傷がある場合を×とした。 ・イエローインデックス(ΔYI):微小面分光色差計
SZ−Σ80(日本電色工業(株)製)を用い測定し
た。C/2光源で反射測定を行い、基材であるPETフ
ィルムを標準値とした時のイエローインデックスの差
(ΔYI)を求めた。 ・密着性:JIS K5400における碁盤目セロハン
テ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤
目における残膜率(%)で評価した。 ・QUV耐光性試験:QUV Accelerated
Weathering Tester(THE Q−
PANEL COMPANY製)を用い、ランプはUV
A351を用いた。40℃で試験片に光を照射し、20
0時間後評価を行った。
【0082】
【表2】
【0083】・B−1:ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート ・B−2:トリメチロールプロパントリアクリレート ・C−1:ペンタエリスリトール テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)製 商品名:イルガノックス1010) ・C−2:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガ
ノックス1076 ・D−1:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート(三共(株)製 商品名:
サノールLS−765) ・E−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン ・E−2:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルホリノプロパノン−1 ・F−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フ
ェニル)ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株)製 商品名:チヌビンP) ・F−2:4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ・ベンゾ
フェノン(シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ1
03)
【0084】硬化膜を積層した複合体(眼鏡レンズ)の
評価 1.硬化膜を積層した眼鏡レンズの作製 直径72mmのアクリル樹脂製眼鏡レンズ上に硬化膜を
積層した例を実施例5及び比較例7にそれぞれ示す。
【0085】実施例5 実施例1で得られた組成物189.8部をn−ブタノー
ル100部で希釈した溶液に、直径72mmのアクリル
樹脂製眼鏡レンズを浸し、これを200mm/分の速度
で引き上げ、ディップコートを行った。次いで、80℃
の熱風式乾燥機中で3分間乾燥後、コンベア式水銀ラン
プを用いてレンズのそれぞれの面について0.7J/c
2の光量で照射を行い、硬化膜を積層した眼鏡レンズ
を作製した。硬化膜の乾燥膜厚は、片面5μmであっ
た。
【0086】比較例7 比較例1で得られた組成物189.2部をn−ブタノー
ル100部で希釈した溶液を用いたこと以外は実施例5
と同様に作製した。硬化膜の乾燥膜厚は、片面5μmで
あった。
【0087】2.評価方法 以下に実施例5及び比較例6で得られた複合体(眼鏡レ
ンズ)の評価方法を示す。また、評価結果を表3に示
す。 ・耐スチールウール(SW)擦傷性:25℃で、24時
間保管した硬化膜を積層した眼鏡レンズを、500g荷
重をかけた#0000スチールウールにて10往復し、
塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷なしの場合
を〇、1〜10本の傷がある場合を△、10本を超える
傷がある場合を×、塗膜面に剥離が生じたものを××と
した。 ・イエローインデックス(ΔYI):微小面分光色差計
SZ−Σ80(日本電色工業(株)製)を用い測定し
た。C/2光源で反射測定を行い、基材のアクリル樹脂
製眼鏡レンズを標準値としたときのイエローインデック
スの差(ΔYI)を求めた。 ・QUV耐光性試験:QUV Accelerated
Weathering Tester(THE Q−
PANEL COMPANY製)を用い、ランプはUV
A351を用いた。40℃で試験片に光を照射し、20
0時間後評価を行った。
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
各種基材の表面に、硬度、耐擦傷性及び密着性に優れる
とともに耐光性にも優れた塗膜(硬化膜)を形成し得る
硬化性樹脂組成物、硬化膜及び複合体を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEZ C08J 7/04 CEZ 4J026 C08K 5/00 C08K 5/00 4J038 C08L 51/10 C08L 51/10 G02B 1/10 G02B 1/10 Z (72)発明者 高橋 美千子 東京都中央区築地二丁目11番24号ジェイエ スアール株式会社内 (72)発明者 山口 佳一 東京都中央区築地二丁目11番24号ジェイエ スアール株式会社内 (72)発明者 宇加地 孝志 東京都中央区築地二丁目11番24号ジェイエ スアール株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA15 BB13 BB14 BB23 BB24 BB28 CC03 CC09 CC24 CC42 DD02 EE03 4F006 AA02 AA12 AA15 AA22 AA33 AA34 AA35 AA36 AA58 AB52 BA01 BA02 BA03 CA05 CA07 CA08 EA03 4F100 AA19A AA20A AA21A AA25A AA26A AA27A AA28A AG00 AH02A AH02H AH03A AH03H AK01A AK01B AK25 AK42 AK46A AK54A AK56A AK57A AL05A AL06 AT00B BA02 CA05A CA06A CA23A CA30A GB90 JK06 JK12 JK16 JN28 4J002 BN191 EE038 EE048 EJ026 EJ066 EP016 EU076 EU077 EU087 EU187 EU238 EV208 EV308 EW046 FD050 FD076 FD077 FD100 FD158 FD208 GG01 GJ01 GL00 GP01 4J011 PA07 PA78 PB15 PB24 PC08 QA12 QA13 QA15 QA17 QA23 QA24 QB29 QC07 SA01 SA21 SA31 SA41 SA63 SA64 TA02 TA10 VA01 WA02 WA05 WA06 XA02 4J026 AC00 BA07 BA17 BA28 BA29 BA30 BA32 DB05 DB30 DB36 FA05 GA01 4J038 FA011 FA021 FA041 FA061 FA091 FA101 FA111 FA121 FA161 FA211 FA251 FA261 FA271 FA281 JA32 JA34 JA64 JA66 JB23 JB30 JB36 JC18 JC22 KA02 KA03 PB08 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
    ム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、ス
    ズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少
    なくとも一つの元素の酸化物粒子(A1)と、重合性不
    飽和基を含む有機化合物(A2)とを結合させてなる反
    応性粒子、(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有
    する化合物、(C)ヒンダードフェノール系酸化防止
    剤、並びに(D)ヒンダードアミン系光安定剤を含有し
    てなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記有機化合物(A2)が、重合性不飽和
    基に加えて、下記式(1)に示す基を有するものである
    請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。 【化1】−X−C(=Y)−NH− (1) [式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イ
    オウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
  3. 【請求項3】前記有機化合物(A2)が、[−O−C
    (=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=
    S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基
    のうちの少なくとも一つを含むものである請求項1又は
    2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記有機化合物(A2)が、シラノール基
    を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生
    成する化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の硬
    化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(E)重合開始剤をさらに含有してなる請
    求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹
    脂組成物を硬化させて成膜してなる硬化膜。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の硬化膜を基材に積層して
    なる複合体。
  8. 【請求項8】前記基材がプラスチックレンズである請求
    項7に記載の複合体。
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