JP2000281863A - 樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
樹脂組成物及びその硬化物Info
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Abstract
度、耐擦傷性、低カール性、密着性、透明性及び塗膜面
の外観、特に、風紋、ストリーク、塗りムラ、はじき等
のない塗膜面外観に優れた被膜を形成し得る樹脂組成物
及びその樹脂組成物の硬化物を提供する。 【解決手段】(A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、ス
ズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少
なくとも一つの元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及
び下記式(1)に示す基を含む特定有機化合物とを結合
させてなる粒子、(B)分子内に2以上の重合性不飽和
基を有する化合物、及び(C)相対蒸発速度の異なる少
なくとも2種以上の有機溶剤を含み、各有機溶剤の相対
蒸発速度の最大値と最小値との差が1.5以上である混
合溶剤を含有することを特徴とする樹脂組成物。 【化1】 [式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イ
オウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
Description
の硬化物に関する。さらに詳しくは、優れた塗工性を有
し、かつ各種基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボ
ネ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセ
チルセルロ−ス、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン
系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレ−ト等]の
表面に、硬度、耐擦傷性、低カール性、密着性、透明性
及び塗膜面の外観、特に塗膜面の外観、に優れた塗膜
(被膜)を形成し得る樹脂組成物並びにその硬化物に関
する。本発明の樹脂組成物及びその硬化物は、例えば、
プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶
素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁
材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のた
めの保護コ−ティング材;各種基材の接着剤、シ−リン
グ材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いる
ことができる。
止や汚染防止のための保護コ−ティング材;各種基材の
接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材とし
て、優れた塗工性を有し、かつ各種基材の表面に、硬
度、耐擦傷性、低カール性、密着性、透明性及び塗膜面
の外観のいずれにも優れた被膜を形成し得る樹脂組成物
が求められている。これらの要求のうち耐擦傷性の改善
を目指して、それに含有させる粒子として、コロイダル
シリカを配合した材料が種々提案されている。例えば米
国特許第3,451,838号明細書及び米国特許第2,
404,357号明細書は、アルコキシシランの加水分
解物とコロイダルシリカを主成分とする組成物を、熱硬
化型のコ−ティング材料として用いることを開示してい
る。また、例えば、特公昭62−21815号公報は、
コロイダルシリカの表面をメタクリロキシシランで修飾
した粒子とアクリレ−トとの組成物を、光硬化型のコ−
ティング材料として用いることを開示している。これら
のコ−ティング材料の特徴は、シリカ粒子の表面を特定
の有機シラン、又は特定の条件で処理することによりコ
−ティング材料の性能を改善する点にある。しかしなが
ら、このようなコ−ティング材料は、樹脂組成物として
の優れた塗工性、並びに硬化被膜とした場合の優れた硬
度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性、透明性及び塗膜面
の外観の全てを必ずしも十分に満足するものではなかっ
た。特に、近年コーティングを施した製品の生産性向上
に伴い、生産ラインスピードの向上、塗膜乾燥時の送風
速度の増大、乾燥温度の上昇等の生産設備改善が実施さ
れ、これまでのコーティング材を用いた場合、風紋、ス
トリーク、塗りムラ、はじき等の塗膜面の外観不良が発
生する場合があった。
に鑑みてなされたものであり、優れた塗工性を有し、か
つ各種基材の表面に硬度、耐擦傷性、低カール性、密着
性、透明性及び塗膜面の外観、特に、風紋、ストリー
ク、塗りムラ、はじき等のない塗膜面外観に優れた被膜
を形成し得る樹脂組成物及びその樹脂組成物の硬化物を
提供することを目的とする。
を達成するため、鋭意研究した結果、(A)特定の元素
の酸化物粒子と、特定の基を含む特定有機化合物とを結
合させてなる粒子、(B)分子内に2以上の重合性不飽
和基を有する化合物、及び(C)相対蒸発速度の異なる
少なくとも2種以上の有機溶剤を含み、各有機溶剤の相
対蒸発速度の最大値と最小値との差が1.5以上である
混合溶剤を含有する樹脂組成物及びその硬化物によっ
て、上記諸特性を全て満足するものが得られることを見
出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下
の樹脂組成物及びその硬化物を提供するものである。
コニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウ
ム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ば
れる少なくとも一つの元素の酸化物粒子と、重合性不飽
和基及び下記式(1)に示す基を含む特定有機化合物と
を結合させてなる粒子、(B)分子内に2以上の重合性
不飽和基を有する化合物、及び(C)相対蒸発速度の異
なる少なくとも2種以上の有機溶剤を含み、各有機溶剤
の相対蒸発速度の最大値と最小値との差が1.5以上で
ある混合溶剤を含有することを特徴とする樹脂組成物。
オウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=
S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基
の少なくとも1つを含むものである前記[1]に記載の
樹脂組成物。
オウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
基を有する化合物又は加水分解によってシラノ−ル基を
生成する化合物である前記[1]又は[2]に記載の樹
脂組成物。
度が1.5以下の有機溶剤を含有する前記[1]〜
[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
うち相対蒸発速度の最大値及び最小値を有する有機溶剤
の含有量が、混合溶剤(C)を100重量%として、そ
れぞれ10重量%以上である[1]〜[4]のいずれか
に記載の樹脂組成物。
えて、さらに(D)重合開始剤を含有する前記[1]〜
[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリ−ルケトン
類及びN−モルフォリノ基を有するアリ−ルケトン類の
両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤である前
記[6]に記載の樹脂組成物。なお、本発明で「放射
線」とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X
線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
の硬化物の実施の形態を具体的に説明する。 I.樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、(A)特定の元素の酸化物粒子
と、特定の基を含む特定有機化合物とを結合させてなる
粒子(以下、「架橋性粒子(A)」ということがあ
る。)、(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有す
る化合物(以下、「化合物(B)」ということがあ
る。)、及び(C)相対蒸発速度の異なる少なくとも2
種以上の有機溶剤を含み、各有機溶剤の相対蒸発速度の
最大値と最小値との差が1.5以上である混合溶剤(以
下、「混合溶剤(C)」ということがある。)、並び
に、必要に応じ、(D)重合開始剤(例えば、(d)1
−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリ−ルケトン
類及びN−モルフォリノ基を有するアリ−ルケトン類の
両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤)を含有
することを特徴とするものである。
合)成分について具体的に説明する。 1.架橋性粒子(A) 本発明に用いられる架橋性粒子(A)は、ケイ素、アル
ミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニ
ウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムより
なる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子
と、重合性不飽和基及び前記式(1)に示す基を含む特
定有機化合物とを結合させてなる架橋性粒子である。
の硬化被膜の無色性の観点から、ケイ素、アルミニウ
ム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、
インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群
から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子であ
る。
カ、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜
鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、イ
ンジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン及び酸
化セリウムを挙げることができる。中でも、高硬度の観
点から、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア及び酸
化アンチモンが好ましい。これらは1種単独で又は2種
以上を組合わせて用いることができる。さらには、この
ような元素の酸化物粒子は、粉体状又は溶剤分散ゾルで
あることが好ましい。溶剤分散ゾルである場合、他の成
分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤
が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチ
ル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、
イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ト
ルエン、キシレンが好ましい。
μm〜2μmが好ましく、0.001μm〜0.2μm
がさらに好ましく、0.001μm〜0.1μmが特に好
ましい。数平均粒子径が2μmを越えると、硬化物とし
たときの透明性が低下したり、被膜としたときの表面状
態が悪化する傾向がある。また、粒子の分散性を改良す
るために各種の界面活性剤やアミン類を添加してもよ
い。
として市販されている商品としては、例えば、コロイダ
ルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタ
ノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NB
A−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−U
P、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−
C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を
挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本ア
エロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロ
ジル300、アエロジル380、アエロジルTT60
0、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シ
ルデックスH31、H32、H51、H52、H12
1、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E2
20A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:S
YLYSIA470、日本板硝子(株)製商品名:SG
フレ−ク等を挙げることができる。また、アルミナの水
分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:アルミ
ナゾル−100、−200、−520;アルミナのイソ
プロパノール分散品としては、住友大阪セメント(株)
製 商品名:AS−150I;アルミナのトルエン分散
品としては、住友大阪セメント(株)製 商品名:AS
−150T;アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品として
は、日産化学工業(株)製 商品名:セルナックス;アル
ミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜
鉛等の粉末及び溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)
製 商品名:ナノテック;アンチモンドープ酸化スズの
水分散ゾルとしては、石原産業(株)製商品名:SN−1
00D;ITO粉末としては、三菱マテリアル(株)製の
製品;酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製
商品名:ニードラール等を挙げることができる。酸化
物粒子の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、
繊維状、又は不定形状であり、好ましくは球状である。
酸化物粒子の比表面積(窒素を用いたBET比表面積測
定法による)は、好ましくは10〜1000m2/gで
あり、さらに好ましくは100〜500m2/gであ
る。これら酸化物粒子の使用形態は、乾燥状態の粉末、
又は水もしくは有機溶剤で分散した状態で用いることが
できる。例えば、上記の酸化物の溶剤分散ゾルとして当
業界に知られている微粒子状の酸化物粒子の分散液を直
接用いることができる。特に、硬化物に優れた透明性を
要求する用途においては酸化物の溶剤分散ゾルの利用が
好ましい。
性不飽和基及び前記式(1)に示す基を含む化合物であ
る。また、この化合物は、分子内にシラノ−ル基を有す
る化合物又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する
化合物であることが好ましい。
制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイ
ル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチ
リル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、
アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合
をする構成単位である。
−C(=Y)−NH−]は、具体的には、[−O−C
(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、
[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)
−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び
[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの
基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いること
ができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C
(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH
−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくと
も1つとを併用することが好ましい。前記式(1)に示
す基[−X−C(=Y)−NH−]は、分子間において
水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした
場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等
の特性を付与せしめるものと考えられる。
ノ−ル基を生成する基 特定有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合
物(以下、「シラノール基含有化合物」ということがあ
る)又は加水分解によってシラノール基を生成する化合
物(以下、「シラノール基生成化合物」ということがあ
る)であることが好ましい。このようなシラノール基生
成化合物としては、ケイ素原子上にアルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子
等を有する化合物を挙げることができるが、ケイ素原子
上にアルコキシ基又はアリールオキシ基を含む化合物、
すなわち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリール
オキシシリル基含有化合物が好ましい。シラノール基又
はシラノール基生成化合物のシラノール基生成部位は、
縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によっ
て、酸化物粒子と結合する構成単位である。
記式(2)に示す化合物を挙げることができる。
ていてもよいが、水素原子又はC1からC8のアルキル
基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル
基等を挙げることができる。ここでmは1、2又は3で
ある。
る基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエ
トキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメ
トキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げる
ことができる。このような基のうち、トリメトキシシリ
ル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環
状の構造を含んでいてもよい。そのような有機基として
は例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、
キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
これらのうち好ましい例は、メチレン、プロピレン、シ
クロヘキシレン、フェニレン等である。
分子量14から1万、好ましくは、分子量76から50
0の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメ
チレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリ
アルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の
脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチ
レン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族
基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体
を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭
素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいても
よく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミ
ド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記式(1)
に示す基を含むこともできる。
しくは鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和
炭化水素基の中から選ばれる。
反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機
基を示す。例えば、アクリロイル(オキシ)基、メタア
クリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペ
ニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリ
ル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル
(オキシ)基、マレエート基、アクリルアミド基、メタ
アクリルアミド基等を挙げることができる。これらの中
でアクリロイル(オキシ)基及びメタアクリロイル(オ
キシ)基が好ましい。また、nは好ましくは1〜20の
正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ま
しくは1〜5である。
は、例えば、特開平9−100111号公報に記載され
た方法を用いることができる。すなわち、(イ)メルカ
プトアルコキシシランと、ポリイソシアネート化合物
と、活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加反応に
より行うことができる。また、(ロ)分子中にアルコキ
シシリル基及びイソシアネート基を有する化合物と、活
性水素含有重合性不飽和化合物との直接的反応により行
うことができる。さらに、(ハ)分子中に重合性不飽和
基及びイソシアネート基を有する化合物と、メルカプト
アルコキシシラン又はアミノシランとの付加反応により
直接合成することもできる。
には、これらの方法のうち(イ)が好適に用いられる。
より詳細には、例えば、 (a)法;まずメルカプトアルコキシシランとポリイソ
シアネート化合物とを反応させることで、分子中にアル
コキシシリル基、[−S−C(=O)−NH−]基及び
イソシアネート基を含む中間体を形成し、次に中間体中
に残存するイソシアネートに対してヒドロキシ基含有重
合性不飽和化合物を反応させて、この不飽和化合物を
[−O−C(=O)−NH−]基を介して結合させる方
法、 (b)法;まずポリイソシアネート化合物とヒドロキシ
基含有重合性不飽和化合物とを反応させることで分子中
に重合性不飽和基、[−O−C(=O)−NH−]基、
及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、これにメ
ルカプトアルコキシシランを反応させてこのメルカプト
アルコキシシランを[−S−C(=O)−NH−]基を
介して結合させる方法、等を挙げることができる。さら
に両者の中では、マイケル付加反応による重合性不飽和
基の減少がない点で(a)法が好ましい。
て、イソシアネ−ト基との反応により[−S−C(=
O)−NH−]基を形成することができるアルコキシシ
ランの例としては、アルコキシシリル基とメルカプト基
を分子中にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げること
ができる。このようなメルカプトアルコキシシランとし
ては、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプ
トプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピ
ルジメトキシメチルシラン、メルカプトプロピルメトキ
シジメチルシラン、メルカプトプロピルトリフェノキシ
シシラン、メルカプトプロピルトリブトキシシシラン等
を挙げることができる。これらの中では、メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエ
トキシシランが好ましい。また、アミノ置換アルコキシ
シランとエポキシ基置換メルカプタンとの付加生成物、
エポキシシランとα,ω−ジメルカプト化合物との付加
生成物を利用することもできる。
ポリイソシアネ−ト化合物としては鎖状飽和炭化水素、
環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイ
ソシアネ−ト化合物の中から選ぶことができる。
としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネ−
ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリ
レンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシア
ネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシ
アネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、
1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイ
ソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソ
シアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)
フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイ
ソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−
ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメ
チル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げるこ
とができる。これらの中で、2,4−トリレンジイソシ
アネ−ト、イソフォロンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシル
イソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメ
チル)シクロヘキサン、等が好ましい。これらは1種単
独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
イソシアネ−ト化合物と付加反応により[−O−C(=
O)−NH−]基を介し結合できる活性水素含有重合性
不飽和化合物の例としては、分子内にイソシアネ−ト基
との付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を
形成できる活性水素原子を1個以上有し且つ重合性不飽
和基を1個以上含む化合物を挙げることができる。
としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−
ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アク
リレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリ
レ−ト、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイル
フォスフェ−ト、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メ
タ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルモノ(メ
タ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルモノ(メ
タ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)
アクリレ−ト、トリメチロ−ルエタンジ(メタ)アクリ
レ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−
ト等を挙げることができる。また、アルキルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレ−ト等のグリシジル基含有化合物と、(メ
タ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を用
いることができる。これらの化合物の中では、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルト
リ(メタ)アクリレ−ト等が好ましい。これらの化合物
は1種単独で又は2種以上の混合物として用いることが
できる。
はないが、例えば、前記酸化物粒子及び特定有機化合物
を反応させることを挙げることができる。酸化物粒子
は、通常の保管状態で粒子表面に吸着水として水分を含
むことが知られており、また、水酸化物、水和物等のシ
ラノール基生成化合物と反応する成分が少なくとも表面
にあると推定される。従って、架橋性粒子(A)製造時
においては、シラノール基生成化合物と酸化物粒子とを
混合し、加熱、攪拌処理することにより製造することも
可能である。なお、特定有機化合物が有するシラノール
基生成部位と、酸化物粒子とを効率よく結合させるた
め、反応は水の存在下で行われることが好ましい。ただ
し、特定有機化合物がシラノール基を有している場合は
水はなくてもよい。従って、この架橋性粒子(A)は、
酸化物粒子及び特定有機化合物を少なくとも混合する操
作を含む方法により製造することができる。
て詳細に説明する。酸化物粒子への特定有機化合物の結
合量は、架橋性粒子(A)(酸化物粒子及び特定有機化
合物の合計)を100重量%として、好ましくは0.0
1重量%以上であり、さらに好ましくは0.1重量%以
上、特に好ましくは1重量%以上である。酸化物粒子に
結合した特定有機化合物の結合量が0.01重量%未満
であると、組成物中における架橋性粒子(A)の分散性
が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性が十
分でなくなる場合がある。また、架橋性粒子(A)製造
時の原料中の酸化物粒子の配合割合は、前述のように、
好ましくは5〜99重量%であり、さらに好ましくは1
0〜98重量%である。
記式(2)に示すアルコキシシリル基含有化合物(アル
コキシシラン化合物)を例にとり、架橋性粒子(A)の
製造方法をさらに詳細に説明する。架橋性粒子(A)製
造時においてアルコキシシラン化合物の加水分解で消費
される水の量は、1分子中のケイ素上のアルコキシ基の
少なくとも1個が加水分解される量であればよい。好ま
しくは加水分解の際に添加、又は存在する水の量は、ケ
イ素上の全アルコキシ基のモル数に対し3分の1以上で
あり、さらに好ましくは全アルコキシ基のモル数の2分
の1以上3倍未満である。完全に水分の存在しない条件
下でアルコキシシラン化合物と酸化物粒子とを混合して
得られる生成物は、酸化物粒子表面にアルコキシシラン
化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成分か
ら構成される架橋性粒子(A)を含有する組成物の硬化
物においては、高硬度及び耐擦傷性の発現の効果は低
い。
アルコキシシラン化合物を別途加水分解操作に付した
後、これと粉体酸化物粒子又は酸化物粒子の溶剤分散ゾ
ルを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法;又は、前記ア
ルコキシシラン化合物の加水分解を酸化物粒子の存在下
で行う方法;また、他の成分、例えば、(D)重合開始
剤等の存在下、酸化物粒子の表面処理を行う方法等を選
ぶことができる。この中では、前記アルコキシシラン化
合物の加水分解を酸化物粒子の存在下で行う方法が好ま
しい。架橋性粒子(A)製造時、その温度は、好ましく
は0℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは20
℃以上100℃以下である。また、処理時間は通常5分
から24時間の範囲である。
の酸化物粉体を用いる場合、前記アルコキシシラン化合
物との反応を円滑に且つ均一に行わせることを目的とし
て、有機溶剤を添加してもよい。そのような有機溶剤と
しては、前記酸化物粒子の溶剤分散ゾルの分散媒として
用いたものと同じものを用いることができる。これらの
溶剤の添加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合う
限り特に制限はない。
を用いる場合、溶剤分散ゾルと、特定有機化合物とを少
なくとも混合することにより製造することができる。こ
こで、反応初期の均一性を確保し、反応を円滑に進行さ
せる目的で、水と均一に相溶する有機溶剤を添加しても
よい。
反応を促進するため、触媒として酸、塩又は塩基を添加
してもよい。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、
リン酸等の無機酸;メタンスルフォン酸、トルエンスル
フォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の
有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不
飽和有機酸を、塩としては、例えば、テトラメチルアン
モニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等の
アンモニウム塩を、また、塩基としては、例えば、アン
モニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチ
ルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3
級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を挙げることが
できる。これらの中で好ましい例は、酸としては、有機
酸、不飽和有機酸、塩基としては3級アミン又は4級ア
ンモニウムヒドロキシドである。これらの酸、塩又は塩
基の添加量は、アルコキシシラン化合物100重量部に
対して、好ましくは0.001重量部から1.0重量部、
さらに好ましくは0.01重量部から0.1重量部であ
る。また、反応を促進するため、脱水剤を添加すること
も好ましい。脱水剤としては、ゼオライト、無水シリ
カ、無水アルミナ等の無機化合物や、オルト蟻酸メチ
ル、オルト蟻酸エチル、テトラエトキシメタン、テトラ
ブトキシメタン等の有機化合物を用いることができる。
中でも、有機化合物が好ましく、オルト蟻酸メチル、オ
ルト蟻酸エチル等のオルトエステル類がさらに好まし
い。なお、架橋性粒子(A)に結合したアルコキシシラ
ン化合物の量は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼
させた場合の重量減少%の恒量値として、空気中で11
0℃から800℃までの熱重量分析により求めることが
出来る。
配合量は、組成物[架橋性粒子(A)及び化合物(B)
の合計]を100重量%として、5〜90重量%配合す
ることが好ましく、10〜70重量%がさらに好まし
い。5重量%未満であると、硬化物としたときの硬度が
不十分となることがあり、90重量%を超えると、硬化
しない(膜にならない)ことがある。なお、架橋性粒子
(A)の量は、固形分を意味し、架橋性粒子(A)が溶
剤分散ゾルの形態で用いられるときは、その配合量には
溶剤の量を含まない。
重合性不飽和基を含む化合物である。この化合物(B)
は組成物の成膜性を高めるために好適に用いられる。化
合物(B)としては重合性不飽和基を2以上含むもので
あれば特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリルエ
ステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。この
中では、(メタ)アクリルエステル類が好ましい。
具体例を列挙する。(メタ)アクリルエステル類として
は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)ア
クリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングル
コールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコー
ルジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこ
れらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロ
ピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、
分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリ
ゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル
(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アク
リレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート
類等を挙げることができる。この中では、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
ン、エチレングリコ−ルジビニルエ−テル、ジエチレン
グリコ−ルジビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ル
ジビニルエ−テル等を挙げることができる。
は、例えば、東亞合成(株)製 商品名:アロニックス
M−400、M−408、M−450、M−305、
M−309、M−310、M−315、M−320、
M−350、M−360、M−208、M−210、M
−215、M−220、M−225、M−233、M−
240、M−245、M−260、M−270、M−1
100、M−1200、M−1210、M−1310、
M−1600、M−221、M−203、TO−92
4、TO−1270、TO−1231、TO−595、
TO−756、TO−1231、TO−1343、TO
−902、TO−904、TO−905、TO−133
0、日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD D−
310、D−330、DPHA、DPCA−20、DP
CA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN
−0075、DN−2475、SR−295、SR−3
55、SR−399E、SR−494、SR−904
1、SR−368、SR−415、SR−444、SR
−454、SR−492、SR−499、SR−50
2、SR−9020、SR−9035、SR−111、
SR−212、SR−213、SR−230、SR−2
59、SR−268、SR−272、SR−344、S
R−349、SR−601、SR−602、SR−61
0、SR−9003、PET−30、T−1420、G
PO−303、TC−120S、HDDA、NPGD
A、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX
−220、HX−620、R−551、R−712、R
−167、R−526、R−551、R−712、R−
604、R−684、TMPTA、THE−330、T
PA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS
−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学(株)製
商品名:ライトアクリレート PE−4A、DPE−
6A、DTMP−4A等を挙げることができる。
量は、組成物[架橋性粒子(A)及び化合物(B)の合
計]を100重量%として、10〜95重量%配合する
ことが好ましく、30〜90重量%がさらに好ましい。
10重量%未満であると、硬化物としたときに硬度が不
十分となることがあり、95重量%を超えると、硬化物
としたときに低カール性が不十分となることがある。な
お、本発明の組成物中には、化合物(B)の外に、必要
に応じて、分子内に重合性不飽和基を1つ有する化合物
を含有させてもよい。
異なる少なくとも2種以上の有機溶剤を含み、各有機溶
剤の相対蒸発速度の最大値と最小値の差が1.5以上、
好ましくは1.7以上、さらに好ましくは2.0以上で
ある混合溶剤である。本発明に用いられる混合溶剤
(C)に代えて、1種のみの有機溶剤を用いた場合、そ
の相対蒸発速度が大きいと、塗工後の有機溶剤の蒸発が
速く、風紋、ストリーク、はじき等の塗膜面の外観不良
を起こしやすく、また、その相対蒸発速度が小さいと、
塗膜中に有機溶剤が残存し、硬化物としたときの硬度が
不十分となりやすい。さらに、2種以上の有機溶剤を含
む混合溶剤であっても各有機溶剤の相対蒸発速度の最大
値と最小値の差が1.5未満のものであると、上述の1
種のみの有機溶剤を用いた場合と同様な問題が生じやす
い。また、本発明に用いられる混合溶剤(C)は、相対
蒸発速度が1.5以下である有機溶剤を含むものである
ことが好ましく、1.0以下である有機溶剤を含むもの
であることがさらに好ましい。相対蒸発速度が1.5以
下である有機溶剤を含むものであることにより、外観不
良のない、塗膜形成のための適度な溶媒蒸発速度を得る
ことができる。
示すように、ASTM D3539−87記載の測定法
により得られる、25℃、乾燥空気下における酢酸n−
ブチルの蒸発時間と各有機溶剤の蒸発時間との比の値と
して定義される。なお、各有機溶剤の相対蒸発速度は、
「最新コーティング技術」(1983年(株)総合技術
センター発行)17〜19ページ記載の表5に記載され
ている。
は、組成物[架橋性粒子(A)、及び化合物(B)の合
計]100重量部に対して、5〜9900重量部、好ま
しくは20〜2000重量部、さらに好ましくは、25
〜2000重量部である。5重量部未満であると、塗膜
面の外観不良を生ずることがあり、9900重量部を超
えると、十分な膜厚を得られないことがある。
相対蒸発速度の最大値及び最小値を有する有機溶剤の含
有量は、混合溶剤(C)を100重量%として、それぞ
れ10重量%以上であることが好ましい。相対蒸発速度
の最大値を有する有機溶剤が10重量%未満であると乾
燥時間が長くなることがあり、また相対蒸発速度の最小
値を有する有機溶剤が10重量%未満であると塗りム
ラ、はじき、風紋、ストリーク等の塗膜面の外観不良を
起こすことがある。
ルエチルケトン(相対蒸発速度3.7)/イソプロパノ
ール(同1.5)混合溶剤、メチルエチルケトン/トル
エン(同2.0)混合溶剤、メチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン(同0.32)混合溶剤、メタノール(同
1.9)/シクロヘキサノン混合溶剤、メチルイソブチ
ルケトン(同1.6)/メタノール混合溶剤、メチルエ
チルケトン/メタノール混合溶剤、メチルエチルケトン
/メチルイソブチルケトン/イソプロパノール混合溶
剤、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン/シ
クロヘキサノン混合溶剤、メチルエチルケトン/メチル
イソブチルケトン/メタノール/イソプロパノール混合
溶剤等が挙げられる。
粒子(A)、化合物(B)及び混合溶剤(C)以外の配
合成分として、(D)重合開始剤を配合することができ
る。まず、その(D)重合開始剤を用いることを含め、
本発明の組成物の硬化方法について説明する。
って硬化される。熱による場合、その熱源としては、例
えば電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いること
ができる。放射線による場合、その放射線の線源として
は、組成物をコーティング後短時間で硬化させることが
できるものである限り特に制限はないが、赤外線の線源
としては、例えば、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等
を、また可視光線の線源としては、例えば、日光、ラン
プ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源として
は、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等
を、また電子線の線源としては、例えば、市販されてい
るタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用
する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰
極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突
により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げ
ることができる。アルファ線、ベ−タ線及びガンマ線の
線源としては、例えば、Co60等の核分裂物質が挙げ
られ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる
真空管等を利用することができる。これら放射線は1種
単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種
以上の放射線を一定期間をおいて照射してもよい。本発
明の組成物には、硬化時間を短縮させるために重合開始
剤(D)を添加してもよく、そのような重合開始剤
(D)としては、例えば熱的に活性ラジカル種を発生さ
せる化合物等及び放射線照射により活性ラジカル種を発
生させる化合物等の、汎用されているものを挙げること
ができる。
として放射線重合開始剤を用いることが好ましく、その
中でも、(c)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有す
るアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するア
リールケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重
合開始剤(以下、「放射線重合開始剤(d)」というこ
とがある)を用いることがさらに好ましい。1−ヒドロ
キシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類のみを
添加した場合、着色の少ない硬化物を短時間で形成する
ことができる。一方、N−モルフォリノ基を有するアリ
ールケトン類のみを添加した場合、表面硬度の高い硬化
物を短時間で形成することができる。両者を併用した場
合、表面硬度が高く着色の少ない硬化物を短時間で形成
することができる。
アリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒド
ロキシシクロヘキシルイソプロピルフェニルケトン、1
-ヒドロキシシクロヘキシルドデシルフェニルケトン等
を挙げることができる。また、本発明に用いられるN−
モルフォリノ基を有するアリールケトン類としては特に
制限はないが、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチ
オ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチ
ル-1-[4-(メトキシ)フェニル]-2-モルフォリノプロ
パノン-1、2-メチル-1-[4-(2-ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチ
ル-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2-モルフォリ
ノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジフェニルアミ
ノ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-ベン
ジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニ
ル)-ブタノン-1、3,6-ビス(2-メチル-2-モルフォ
リノプロピオニル)-9-N-オクチルカルバゾール等を挙
げることができる。これらの放射線重合開始剤(d)は
1種単独で又は2種以上を組合わせて用いても良いが、
硬化物としたときに、その表面部分及び内部の両方の硬
化速度及び硬度を向上させるためには、1−ヒドロキシ
シクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モル
フォリノ基を有するアリールケトン類とを組合わせて用
いることが好ましい。このような放射線重合開始剤
(d)の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 18
4、907等を挙げることができる。
射線重合開始剤(d)の配合量は、組成物[架橋性粒子
(A)及び化合物(B)の合計]100重量部に対し
て、0.01〜20重量部配合することが好ましく、
0.1〜10重量部が、さらに好ましい。0.01重量
部未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分とな
ることがあり、20重量部を超えると、硬化物としたと
きに内部(下層)まで硬化しないことがある。
有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有する
アリールケトン類を併用する場合の両者の配合比は、重
量比で、10:90〜90:10が好ましく、40:6
0〜80:20がさらに好ましい。
(A)以外の酸化物粒子、各種添加剤等の上記以外の種
々の配合成分を配合することができる。以下、その例を
列挙する。 (1)増感剤 増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールア
ミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げる
ことができる。この増感剤の市販品としては、日本化薬
(株)製 商品名:KAYACURE DMBI、EP
A等を挙げることができる。
特定有機化合物と結合していない酸化物粒子等を挙げる
ことができる。
安定剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁
止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定
剤、可塑剤、滑剤、無機系充填材、有機系充填材、フィ
ラー、濡れ性改良剤、塗膜面改良剤等を挙げることがで
きる。
シャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:イルガノック
ス1010、1035、1076、1222等を挙げる
ことができ、紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビン P、23
4、320、326、327、328、213、40
0、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ11
0、130、140、220、250、300、32
0、340、350、400等を挙げることができ、光
安定剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株)製商品名:チヌビン292、144、62
2LD、三共化成工業(株)製 商品名:サノールLS
−770、765、292、2626、1114、74
4等を挙げることができ、シランカップリング剤として
は、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを挙げることができ、
これらの市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製 商品名:SH6062、SZ603
0、信越シリコーン(株)製 商品名:KBE903、
KBM803等を挙げることができ、老化防止剤の市販
品としては、住友化学工業(株)製 商品名:アンチゲ
ン W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW等
を挙げることができる。
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポ
リブタジエン、クロロプレン、ポリエーテル、ポリエス
テル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブタジエン/ス
チレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブテン
/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/
スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、
ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴ
マー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマー又はオ
リゴマー等を挙げることができる。
り、被覆の対象となる基材としては、例えば、プラスチ
ック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリス
チレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メ
ラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノル
ボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレ−
ト等を挙げることができる。これら基材の形状は板状、
フィルム状又は3次元成形体でもよく、コーティング方
法は、通常のコーティング方法、例えばディッピングコ
−ト、スプレ−コ−ト、フロ−コ−ト、シャワ−コ−
ト、ロ−ルコ−ト、スピンコート、刷毛塗り等を挙げる
ことができる。これらコーティングにおける塗膜の厚さ
は、乾燥、硬化後、通常0.1〜400μmであり、好
ましくは1〜200μmである。
ために、溶剤で希釈して用いることができる。例えば、
被覆材として用いる場合の粘度は、通常0.1〜50,
000mPa・s/25℃であり、好ましくは0.5〜
10,000mPa・s/25℃である。
ば、プラスチック基材にコーティングして硬化させるこ
とにより得ることができる。具体的には、組成物をコー
ティングし、好ましくは0〜200℃で揮発成分を乾燥
させた後、熱又は/及び放射線で硬化処理を行うことに
より被覆成形体として得ることができる。熱による場合
の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜
24時間の範囲内で行われる。放射線による場合、紫外
線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場
合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/c
m2であり、より好ましくは0.1〜2J/cm2であ
る。また、好ましい電子線の照射条件は、加圧電圧は1
0〜300KV、電子密度は0.02〜0.30mA/c
m2であり、電子線照射量は1〜10Mradである。
−ル性、密着性、透明性及び塗膜面の外観、特に塗膜面
の外観に優れた特徴を有しているので、プラスチック光
学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチ
ック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石
等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーテ
ィング材(特に、透明性を要求されるプラスチックシー
ト、プラスチックフィルム等のハードコート材として好
適に用いられる。);各種基材の接着剤、シ−リング
材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いられ
る。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下において、部、%は特に記載しない限
り、それぞれ重量部、重量%を示す。また、本発明にお
いて「固形分」とは、組成物から溶剤等の揮発成分を除
いた部分を意味し、具体的には、組成物を120℃のホ
ットプレート上で1時間乾燥して得られる残渣物(不揮
発成分)を意味する。
7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶
液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を
攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3
時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリ
レート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60
℃で3時間加熱攪拌することで特定有機化合物(S1)
を得た。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカ
プト基に特徴的な2550カイザ−の吸収ピ−ク及びイ
ソシアネ−ト基に特徴的な2260カイザ−の吸収ピ−
クが消失し、新たに、[−O−C(=O)−NH−]基
及び[−S−C(=O)−NH−]基中のカルボニルに
特徴的な1660カイザ−のピ−ク及びアクリロイル基
に特徴的な1720カイザ−のピ−クが観察され、重合
性不飽和基としてのアクリロイル基と[−S−C(=
O)−NH−]基、[−O−C(=O)−NH−]基を
共に有する特定有機化合物が生成していることを示し
た。
8.4部、ジブチルスズジラウレ−ト0.2部からなる
溶液に対し、1,3−ビス(イソシアナ−トメチル)シ
クロヘキサン38.7部を攪拌しながら50℃で1時間
かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに2
−ヒドロキシエチルアクリレ−ト22.7部を30℃で
1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌するこ
とで特定有機化合物(S2)を得た。生成物中の残存イ
ソシアネ−ト量を分析したところ0.1%以下であり、
反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
4に示し、その結果を表1にまとめて示す。 製造例1 窒素気流下、合成例1で合成した特定有機化合物(S
1)8.7部、メチルエチルケトンシリカゾル(日産化
学工業(株)製、商品名:MEK−ST、数平均粒子径
0.022μm、シリカ濃度30%)91.3部、イソ
プロパノール0.2部及びイオン交換水0.1部の混合
液を、80℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステ
ル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌
することで無色透明の架橋性粒子(A)分散液(分散液
a)を得た。分散液aをアルミ皿に2g秤量後、120
℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含
量を求めたところ、35%であった。
2)8.3部、前記メチルエチルケトンシリカゾル(M
EK−ST)91.7部及びイオン交換水0.8部の混
合液を、80℃、3時間で攪拌後、オルト蟻酸メチルエ
ステル4.9部を添加し、さらに1時間同一温度(80
℃)で加熱攪拌することで半透明の架橋性粒子(A)分
散液(分散液b)を得た。この分散液bの固形分含量を
製造例1と同様に求めたところ34%であった。
イソプロパノールアルミナゾル(住友大阪セメント
(株)製、商品名:AS−150I、数平均粒子径0.
013μm、アルミナ濃度15%)95.2部、p−メ
トキシフェノール0.01部、及びイオン交換水0.1
部の混合液を60℃で3時間攪拌後、オルト蟻酸メチル
エステル1.0部を添加し、さらに1時間同温度で加熱
攪拌することで架橋性粒子(A)分散液(分散液c)を
得た。この分散液cの固形分含量を製造例1と同様に求
めたところ19%であった。
トルエンジルコニアゾル(数平均粒子径0.01μm、
ジルコニア濃度30%)91.8部、イオン交換水0.1
部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチ
ルエステル1.3部とメチルエチルケトン41.2部を添
加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋
性粒子(A)分散液(分散液d)を得た。この分散液d
の固形分含量を製造例1と同様に求めたところ25%で
あった。
%) P2:イソプロパノールアルミナゾル(酸化物濃度15
%) P3:トルエンジルコニアゾル(酸化物濃度30%)
製比較例を比較例1〜2に示す。また、各成分の配合重
量比を表2に示す。
a151部(架橋性粒子53部、分散媒メチルエチルケ
トン(MEK))、ジペンタエリスリト−ルヘキサアク
リレ−ト23.5部、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート23.5部を添加、混合した後、ロータリーエ
バポレーターを用いて液量が131部になるまで減圧濃
縮した後、メチルイソブチルケトン(MIBK)122
部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
9部、及び2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェ
ニル)−2−モルフォリノプロパノン−1 0.9部を
50℃で2時間攪拌することで均一な溶液の組成物を得
た。この調製作業は紫外線を遮蔽した部屋内で行った。
この組成物の固形分含量を製造例1と同様に求めたとこ
ろ、40%であった。
作により、実施例2の組成物を得た。
造例2で製造した分散液b151部(架橋性粒子53
部、分散媒メチルエチルケトン(MEK))、ジペンタ
エリスリト−ルヘキサアクリレ−ト23.5部、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート23.5部、シクロ
ヘキサノン55部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン0.9部、及び2−メチル−1−(4−(メ
チルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−
1 0.9部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶
液の組成物を得た。この組成物の固形分含量を製造例1
と同様に求めたところ、40%であった。
作により、実施例4〜5及び比較例1〜2の各組成物を
得た。
を用いて塗布、乾燥、光照射して得られた硬化物の評価
を行った。以下にその評価方法を示す。また、評価結果
を表2に示す。
上にバーコーターを用いて、乾燥膜厚10μmになるよ
うに塗布した後、80℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥
後、コンベア式水銀ランプを用いて1J/cm2の光量
で照射後、25℃で、24時間保管後評価した。尚、風
紋テスト及びストリークテストの塗布条件は別途記述す
る。
ウール擦傷性、密着性評価、カール、風紋テスト、スト
リークテストの評価においては厚さが188μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
上で硬化させた被膜を評価した。 ・密着性(%):JIS K5400における碁盤目セ
ロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個
の碁盤目における残膜率で評価した。 ・耐スチールウール(SW)擦傷性:テスター産業
(株)製 学振型耐磨耗試験機を、500g荷重をかけ
た#0000スチールウールにて30往復し、試験した
塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷なしの場合
を○、1〜10本の傷がある場合を△、10本を超える
傷がある場合を×とした。 ・風紋テスト:PET上にバーコーターを用いて、乾燥
膜厚10μmになるように塗布した後、塗膜面に冷却用
ファン(風速5m/秒)で2分間風を当てる。その後8
0℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥後、コンベア式水銀
ランプを用いて1J/cm2の光量で照射後、塗膜の乱
れ具合を目視で観察した。塗膜に異常がない場合を○、
1以上の異物の存在又は塗りムラ、はじき、失透等の異
常の発生がある場合を×とした。 ・ストリークテスト:本発明の組成物1mlをPET上
に10cm幅に滴下する。室温下、2分間放置後、バー
コーターを用いて乾燥膜厚10μmになるように塗布
し、80℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥後、コンベア
式水銀ランプを用いて1J/cm2の光量で照射し硬化
物を得る。塗膜の乱れ具合を目視で観察し、塗膜にバー
コーターの痕跡がない場合を○、バーコーターの痕跡が
1cm以上3cm未満の場合を△、バーコーターの痕跡
が3cm以上の場合を×とした。
ル]−2−モルフォリノプロパノン−1
優れた塗工性を有し、かつ各種基材の表面に、硬度、耐
擦傷性、低カール性、密着性、透明性及び塗膜面の外
観、特に、風紋、ストリーク、塗りムラ、はじき等のな
い塗膜面外観に優れた被膜を形成し得る樹脂組成物及び
その樹脂組成物の硬化物を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】(A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、ス
ズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少
なくとも一つの元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及
び下記式(1)に示す基を含む特定有機化合物とを結合
させてなる粒子、(B)分子内に2以上の重合性不飽和
基を有する化合物、及び(C)相対蒸発速度の異なる少
なくとも2種以上の有機溶剤を含み、各有機溶剤の相対
蒸発速度の最大値と最小値との差が1.5以上である混
合溶剤を含有することを特徴とする樹脂組成物。 【化1】 [式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イ
オウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。] - 【請求項2】前記特定有機化合物が、[−O−C(=
O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)
−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少
なくとも1つを含むものである請求項1に記載の樹脂組
成物。 - 【請求項3】前記特定有機化合物が、シラノ−ル基を有
する化合物又は加水分解によってシラノ−ル基を生成す
る化合物である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】前記混合溶剤(C)が、相対蒸発速度が
1.5以下の有機溶剤を含有する請求項1〜3のいずれ
かに記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】前記混合溶剤(C)中の有機溶剤のうち相
対蒸発速度の最大値及び最小値を有する有機溶剤の含有
量が、混合溶剤(C)を100重量%として、それぞれ
10重量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の
樹脂組成物。 - 【請求項6】前記(A)、(B)及び(C)に加えて、
さらに(D)重合開始剤を含有する請求項1〜5のいず
れかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項7】前記(D)重合開始剤が、(d)1−ヒド
ロキシシクロヘキシル基を有するアリ−ルケトン類及び
N−モルフォリノ基を有するアリ−ルケトン類の両方又
はそのいずれかを含む放射線重合開始剤である請求項6
に記載の樹脂組成物。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成
物を硬化させてなる硬化物。
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