JP4207293B2 - 架橋性粒子、それを含有する樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋性粒子、それを含有する樹脂組成物及びその硬化物に関する。さらに詳しくは、本発明は、析出や沈殿、保存中の粘度上昇及びゲルの発生がなく分散安定性及び保存安定性に優れた架橋性粒子、また、それを含有した、優れた硬化性及び保存安定性を有し、かつ各種基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロ−ス、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレ−ト等]の表面に、硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性、透明性及び塗膜面の外観のいずれにも優れた塗膜(被膜)を形成し得る樹脂組成物、並びにその硬化物に関する。本発明の架橋性粒子、それを含有する樹脂組成物及びその硬化物は、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コ−ティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等又はその原料として好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種基材表面の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コ−ティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材として、優れた硬化性及び保存安定性を有し、かつ各種基材の表面に、硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性のいずれにも優れた被膜を形成し得る樹脂組成物が求められている。これらの要求のうち耐擦傷性の改善を目指して、それに含有させる粒子として、コロイダルシリカを配合した材料が種々提案されている。例えば米国特許第3,451,838号明細書及び米国特許第2,404,357号明細書は、アルコキシシランの加水分解物とコロイダルシリカを主成分とする組成物を、熱硬化型のコ−ティング材料として用いることを開示している。また、例えば特公昭62−21815号公報は、コロイダルシリカの表面をメタクリロキシシランで修飾した粒子とアクリレ−トとの組成物を、光硬化型のコ−ティング材料として用いることを開示している。これらのコ−ティング材料の特徴は、シリカ粒子の表面を特定の有機シラン、又は特定の条件で処理することによりコ−ティング材料の性能を改善する点にある。しかしながら、このようなコ−ティング材料は、樹脂組成物としての優れた硬化性及び保存安定性、並びに硬化被膜とした場合の優れた硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性、透明性及び塗膜面の外観の全てを必ずしも十分に満足するものではなかった。
さらに、特開平9−100111号公報には、シリカ粒子と重合性不飽和基を含む有機化合物とを、シリルオキシ基を介して結合させた反応性シリカ粒子が開示されている。
しかしながら、この反応性シリカ粒子は、溶剤に分散したゾルの形態で用いる場合、析出や沈殿の発生等から、分散安定性において必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
【0003】
また、この架橋性粒子を配合した樹脂組成物は、硬化性に優れ、かつ硬化被膜とした場合の硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、及び密着性等に優れるものの、以下の点で必ずしも十分に満足し得るものではなかった。すなわち、保存安定性について、時間とともに凝集物の沈降、配合物の粘度上昇等が起こる場合があった。このことは、特に粒子濃度が高くなるほど著しい。また、塗膜面の外観について、コ−ティング材を塗布した面が平滑にならず、スジ、ハジキ、白化、柚肌等の外観不良が生じるばかりでなく、透明性が低下したり、ヘ−ズが発生したりする場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、析出や沈殿、保存中の粘度上昇及びゲルの発生がなく、分散安定性及び保存安定性に優れた架橋性粒子、また、それを含有した、優れた硬化性及び保存安定性を有し、かつ各種基材の表面に硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性、透明性及び塗膜面の外観のいずれにも優れた被膜を形成し得る樹脂組成物並びにその硬化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、(A)特定の元素の酸化物粒子、(B)特定の基を含む重合性化合物及び(C)特定の基を含む非重合性化合物を結合させた架橋性粒子によって、また、この架橋性粒子を含有する樹脂組成物及びその硬化物によって、上記諸特性を全て満足するものが得られることを知見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の架橋性粒子、それを含有する樹脂組成物及びその硬化物を提供するものである。
【0006】
[1](A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子と、
(B)重合性不飽和基、下記式(1)に示す基、及びシラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物、並びに
(C)重合性不飽和基を含まず、シラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物、
とを結合させてなることを特徴とする架橋性粒子。
【0007】
【化1】
Figure 0004207293
【0008】
式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。
【0009】
[2]前記化合物(B)が、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものである前記[1]に記載の架橋性粒子。
【0010】
[3]前記加水分解によってシラノ−ル基を生成する基が、アルコキシシリル基又はアリールオキシシリル基である前記[1]又は[2]に記載の架橋性粒子。
【0011】
[4]前記酸化物粒子(A)と、化合物(B)及び化合物(C)との結合が、酸化物粒子(A)を化合物(B)で処理した後、その処理物を化合物(C)で処理することよって得られるものであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の架橋性粒子。
【0012】
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の架橋性粒子及び(D)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【0013】
[6](E)重合開始剤をさらに含有することを特徴とする前記[5]に記載の樹脂組成物。
【0014】
[7]前記(E)重合開始剤が、(e)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリ−ルケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリ−ルケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤であることを特徴とする前記[6]に記載の樹脂組成物。
なお、本発明で「放射線」とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
【0015】
[8]前記[5]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の架橋性粒子、それを含有する樹脂組成物及びその硬化物の実施の形態を具体的に説明する。
【0017】
I.架橋性粒子
本発明の架橋性粒子は、前述のように、(A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子(以下、「酸化物粒子(A)」ということがある)、(B)重合性不飽和基、前記式(1)に示す基、及びシラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物(以下、「化合物(B)」ということがある)及び(C)重合性不飽和基を含まず、シラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物(以下、「化合物(C)」ということがある)を結合させた粒子である。
【0018】
1.酸化物粒子(A)
本発明に用いられる酸化物粒子(A)は、得られる樹脂組成物の硬化被膜の無着色性の観点から、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子である。
【0019】
これらの酸化物としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン及び酸化セリウムを挙げることができる。中でも、高硬度性の観点から、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア及び酸化アンチモンが好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。さらには、このような元素の酸化物粒子は、粉体状又は溶剤分散ゾルであることが好ましい。溶剤分散ゾルである場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
【0020】
酸化物粒子(A)の数平均粒子径は、0.001μm〜2μmが好ましく、0.001μm〜0.2μmがさらに好ましく、0.001μm〜0.1μmが特に好ましい。数平均粒子径が2μmを越えると、硬化物としたときの透明性が低下したり、被膜としたときの表面状態が悪化する傾向がある。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類を添加してもよい。
【0021】
ケイ素酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)として市販されている商品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製
商品名:SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、アルミナの水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、−200、−520、アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:セルナックス、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末及び溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック、アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾルとしては、石原産業(株) 製 商品名:SN−100D、ITO粉末としては、三菱マテリアル(株)製の製品、酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製 商品名:ニードラール等を挙げることができる。
酸化物粒子(A)の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状であり、好ましくは球状である。酸化物粒子(A)の比表面積(窒素を用いたBET比表面積測定法による)は、好ましくは10〜1000m/gであり、さらに好ましくは100〜500m/gである。これら酸化物粒子(A)の使用形態は、乾燥状態の粉末、又は水もしくは有機溶剤で分散した状態で用いることができる。例えば、上記の酸化物の溶剤分散ゾルとして当業界に知られている微粒子状の酸化物粒子の分散液を直接用いることができる。特に、硬化物に優れた透明性を要求する用途においては酸化物の溶剤分散ゾルの利用が好ましい。
【0022】
2.化合物(B)
化合物(B)は、重合性不飽和基、前記式(1)に示す基、及びシラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む重合性の化合物である。
【0023】
(1)重合性不飽和基
化合物(B)は、分子内に重合性不飽和基を含むものである。この重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
【0024】
(2)前記式(1)に示す基
化合物(B)は、分子内に前記式(1)に示す基を含むものである。前記式(1)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1とを併用することが好ましい。
前記式(1)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
【0025】
(3)シラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基
化合物(B)は、分子内にシラノール基を含む化合物(以下、「シラノール基含有化合物」ということがある)又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物(以下、「シラノール基生成化合物」ということがある)である。このようなシラノール基生成化合物としては、ケイ素原子上にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等を有する化合物を挙げることができるが、ケイ素原子上にアルコキシ基又はアリールオキシ基を含む化合物、すなわち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
シラノール基又はシラノール基生成化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子(A)と結合する構成単位である。
【0026】
(4)好ましい態様
化合物(B)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(2)に示す化合物を挙げることができる。
【0027】
【化2】
Figure 0004207293
【0028】
式(2)中、R、Rは同一でも異なっていてもよいが、水素原子又はCからCのアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここでmは1、2又は3である。
【0029】
[(RO)m -mSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
【0030】
はCからC12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。そのような有機基としては例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。これらのうち好ましい例は、メチレン、プロピレン、シクロヘキシレン、フェニレン等である。
【0031】
また、Rは2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記式(1)に示す基を含むこともできる。
【0032】
は(n+1)価の有機基であり、好ましくは鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
【0033】
Zは活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。例えば、アクリロイル(オキシ)基、メタアクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、アクリルアミド基、メタアクリルアミド基等を挙げることができる。これらの中でアクリロイル(オキシ)基及びメタアクリロイル(オキシ)基が好ましい。また、nは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
【0034】
本発明で用いられる化合物(B)の合成は、例えば特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。すなわち、(イ)メルカプトアルコキシシランと、ポリイソシアネート化合物と、活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加反応により行うことができる。また、(ロ)分子中にアルコキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物と、活性水素含有重合性不飽和化合物との直接的反応により行うことができる。さらに、(ハ)分子中に重合性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物と、メルカプトアルコキシシラン又はアミノシランとの付加反応により直接合成することもできる。
【0035】
前記式(2)に示す化合物を合成するためには、これらの方法のうち(イ)が好適に用いられる。より詳細には、例えば、
(a)法;まずメルカプトアルコキシシランとポリイソシアネート化合物とを反応させることで、分子中にアルコキシシリル基、[−S−C(=O)NH−]基及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、次に中間体中に残存するイソシアネートに対してヒドロキシ基含有重合性不飽和化合物を反応させて、この不飽和化合物を[−O−C(=O)−NH−]基を介して結合させる方法、
(b)法;まずポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有重合性不飽和化合物とを反応させることで分子中に重合性不飽和基、[−O−C(=O)−NH−]基、及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、これにメルカプトアルコキシシランを反応させてこのメルカプトアルコキシシランを[−S−C(=O)−NH−]基を介して結合させる方法、
等を挙げることができる。さらに両者の中では、マイケル付加反応による重合性不飽和基の減少がない点で(a)法が好ましい。
【0036】
前記式(2)に示す化合物の合成において、イソシアネ−ト基との反応により[−S−C(=O)−NH−]基を形成することができるアルコキシシランの例としては、アルコキシシリル基とメルカプト基を分子中にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。このようなメルカプトアルコキシシランとしては、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、メルカプトプロピルトリフェノキシシシラン、メルカプトプロピルトリブトキシシシラン等を挙げることができる。これらの中では、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。また、アミノ置換アルコキシシランとエポキシ基置換メルカプタンとの付加生成物、エポキシシランとα,ω−ジメルカプト化合物との付加生成物を利用することもできる。
【0037】
化合物(B)を合成する際に用いられるポリイソシアネ−ト化合物としては鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネ−ト化合物の中から選ぶことができる。
【0038】
このようなポリイソシアネ−ト化合物の例としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げることができる。これらの中で、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、等が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0039】
化合物(B)の合成において、前記ポリイソシアネ−ト化合物と付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を介し結合できる活性水素含有重合性不飽和化合物の例としては、分子内にイソシアネ−ト基との付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を形成できる活性水素原子を1個以上有し且つ重合性不飽和基を1個以上含む化合物を挙げることができる。
【0040】
これらの活性水素含有重合性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェ−ト、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルエタンジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト等を挙げることができる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を用いることができる。これらの化合物の中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト等が好ましい。
これらの化合物は1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0041】
3.化合物(C)
本発明に用いられる化合物(C)は、重合性不飽和基を含まず、シラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物である。この化合物(C)が、前記化合物(B)と相違する点は、分子内に重合性不飽和基を含まないことである。なお、化合物(C)におけるシラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基の意味は、化合物(B)における場合と同様である。
【0042】
化合物(C)としては、例えば、下記一般式(3)に示すシラノール基含有化合物又は加水分解性シランを挙げることができる。
【0043】
(R(R(RSi(R (3)
[式(3)中、a、b、c、dは0〜4の整数でa+b+c+d=4;R、R、Rは1価の有機基であり、Rは1価の有機基である。]
ここで、R、R、R、は同一でも異なっていてもよく、CからC20の1価の有機基から選ばれ、例えば、アルキル基、アリ−ル基、アラルキル基から選ばれる。これらの中でアルキル基が好ましく、CからCのアルキル基がさらに好ましい。
【0044】
、R、Rとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ヘキサデカニル、n−オクタデカニル基などのアルキル基や、フェニル、キシリル、ビフェニル、ナフチル基などのアリ−ル基や、ベンジル、トリル基などのアラルキル基を挙げることができる。
【0045】
はヒドロキシ基(OH基)、又は加水分解によりシラノ−ル基[−Si−OH]を生成する基(例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、イミノオキシ基)である。
【0046】
これらの中で好ましい基はアルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、イミノオキシ基であり、さらに好ましくはアルコキシ基及びアリールオキシ基である。このような加水分解性基の具体例としては、ハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素等;アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等;アリ−ルオキシ基として、フェノキシ基、ビフェニロキシ基等;アラルキルオキシ基として、ベンジロキシ基、フェニルエトキシ基等;アシルオキシ基として、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等;アミノ基として、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等;メルカプト基;アルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基等;イミノオキシ基として、メチルイミノオキシ基、エチルイミノオキシ基、フェニルイミノオキシ基等を挙げることができる。
【0047】
一般式(3)に示す化合物のうちの加水分解性シランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルアセトキシシラン、トリメチル−N,N−ジメチルアミノシラン、トリメチル−N−メチルイミノオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアセトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリ−n−ブチルクロルシラン、トリ−n−ブチルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシシラン、トリ−n−ブチルアミノシラン、トリ−n−ブチルアセトキシシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジメチルアセトキシシラン、ジ−n−ブチルジクロルシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジアセトキシシラン、イソプロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリクロルシラン、n−ブチルトリメトキシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン,n−オクチルトリクロルシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリクロルシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0048】
4.酸化物粒子(A)、化合物(B)及び化合物(C)のそれぞれの配合量
本発明の架橋性粒子における酸化物粒子(A)、化合物(B)及び化合物(C)のそれぞれの配合量[架橋性粒子((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量%とする]について説明する。なお、架橋性粒子の量は、固形分を意味し、架橋性粒子が溶剤分散ゾル(分散液)の形態で用いられるときは、その配合量には溶剤の量を含まない。
酸化物粒子(A)は、5〜98.9重量%配合することが好ましく、10〜97.5重量%がさらに好ましい。5重量%未満であると、架橋性粒子を含有する組成物を硬化物としたときの硬化物の硬度及び耐擦傷性が十分でない場合がある。98.9重量%を超えると、架橋性粒子を含有する組成物の分散性、塗布性、その硬化物の耐擦傷性が十分でない場合がある。
化合物(B)は、1〜90重量%配合することが好ましく、2〜80重量%がさらに好ましい。1重量%未満であると、架橋性粒子を含有する組成物を硬化物としたときの耐擦傷性が不十分となることがあり、90重量%を超えると、架橋性粒子を含有する組成物を硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。化合物(C)は、0.1〜50重量%配合することが好ましく、0.5〜40重量%がさらに好ましい。0.1重量%未満であると、分散安定性や保存安定性が不十分となることがあり、50重量%を超えると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。
【0049】
5.架橋性粒子の製造方法
本発明の架橋性粒子の製造方法としては特に制限はないが、例えば、前記酸化物粒子(A)、化合物(B)及び化合物(C)を反応させることを挙げることができる。酸化物粒子(A)は、通常の保管状態で粒子表面に吸着水として水分を含むことが知られており、また、水酸化物、水和物等のシラノール基生成化合物と反応する成分が少なくとも表面にあると推定される。従って、架橋性粒子製造時においては、シラノール基生成化合物と酸化物粒子(A)とを混合し、加熱、攪拌処理することにより製造することも可能である。なお、化合物(B)及び化合物(C)が有するシラノール基生成部位と、酸化物粒子(A)とを効率よく結合させるため、反応は水の存在下で行われることが好ましい。ただし、化合物(B)及び化合物(C)がシラノール基を有している場合は水はなくてもよい。従って、この架橋性粒子は、酸化物粒子(A)、化合物(B)及び化合物(C)を少なくとも混合する操作を含む方法により製造することができる。
【0050】
以下、本発明の架橋性粒子の好ましい製造方法の具体例を説明する。
この例は、2つの工程、すなわち、第1の工程(化合物(B)の加水分解及び酸化物粒子(A)への結合を行う工程)及び第2の工程(化合物(C)の加水分解及び第1の工程で得られた粒子への結合を行う工程)を経由して、架橋性粒子を製造する方法である。なお、化合物(B)及び化合物(C)がシラノール基生成化合物ではなく、シラノール基含有化合物である場合には加水分解は行わなくてもよい。
【0051】
以下、2つの工程について、さらに詳細に説明する。
(1)第1の工程
第1の工程は、酸化物粒子(A)に溶剤を添加したものか又は酸化物粒子(A)の溶剤分散ゾルを用い、化合物(B)と反応させ、酸化物粒子(A)と化合物(B)とが結合した粒子(以下、「中間体粒子」ということがある)を製造するものである。すなわち、酸化物粒子(A)、化合物(B)、及び水を下記の条件で混合し、中間体粒子を製造するものである。
ここで、熱重合禁止剤として、例えば、p−メトキシフェノール等を添加してもよい。
また、溶剤としては、前記酸化物粒子(A)の溶剤分散ゾルの分散媒として用いたものと同じものを用いることができる。
温度は、通常、溶質が析出しない温度から溶剤の沸点の範囲であればよく、0〜150℃が好ましい。
攪拌は、均一に混合できる範囲であれば特に制限はない。
雰囲気は、通常、窒素、空気などの乾燥ガス中であればよく、乾燥空気中が好ましい。時間は、通常、反応が十分に完結する範囲内であればよく、5分から24時間が好ましく、1時間から8時間がさらに好ましい。
【0052】
(2)第2の工程
第2の工程は、第1の工程で得られた中間体粒子と化合物(C)とを反応させ、中間体粒子と化合物(C)とを結合させた架橋性粒子を製造するものである。すなわち、中間体粒子、化合物(C)、及び水を下記の条件で混合し、架橋性粒子を製造するものである。
温度は、通常、溶質が析出しない温度から溶剤の沸点の範囲であればよく、0〜150℃が好ましい。
攪拌は、均一に混合できる範囲であれば特に制限はない。
雰囲気は、通常、窒素、空気などの乾燥ガス中であればよく、乾燥空気中が好ましい。時間は、通常、反応が十分に完結する範囲内であればよく、5分から24時間が好ましく、1時間から8時間がさらに好ましい。
このように、第1の工程及び第2の工程を経由することによって、酸化物粒子(A)と、化合物(B)及び化合物(C)とを結合させた架橋性粒子を得る事ができる。
【0053】
上述のように、架橋性粒子を製造する際、化合物(B)による処理を行った後、さらに化合物(C)による処理を加えることが好ましい。
酸化物粒子(A)としてシリカ粒子を用いた場合を例にとると、保存安定性の悪化もコ−ト材における塗膜面の不良も、ともに配合物中での架橋性粒子の分散安定性と関連している。化合物(B)は比較的かさ高く、これのみの処理では粒子表面のシラノ−ル基が処理後に縮合するのを完全に抑えることはできない。しかし、それに続いて比較的分子サイズの小さい化合物(C)による処理を行うと、粒子表面との結合が円滑に進み、残存するシラノ−ル基を効率的に低減することができるため、粒子の分散安定性が向上するものと推定される。
この化合物(B)と化合物(C)による処理を同時に、又は化合物(B)による処理に先んじて化合物(C)による処理を行うと、粒子の分散安定性の悪化、延いてはコ−ティング材配合物の保存安定性の悪化及び塗膜外観の不良をもたらすことがある。
【0054】
以下、架橋性粒子の製造方法について、さらに詳細に説明する。
酸化物粒子(A)への化合物(B)及び化合物(C)の結合量は、架橋性粒子中それぞれが、好ましくは0.01重量%以上であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上である。酸化物粒子(A)に結合した化合物(B)及び化合物(C)の結合量がそれぞれ0.01重量%未満であると、組成物中における架橋性粒子の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性が十分でなくなる場合がある。また、架橋性粒子製造時の原料中の酸化物粒子(A)の配合割合は、前述のように、好ましくは5〜99重量%であり、さらに好ましくは10〜98重量%以下である。
【0055】
以下、シラノール基生成化合物として、前記式(2)に示すアルコキシシラン化合物を例にとり、架橋性粒子の製造方法をさらに詳細に説明する。
架橋性粒子製造時においてアルコキシシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水分解される量であればよい。好ましくは加水分解の際に添加、又は存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキシ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好ましくは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上3倍未満である。完全に水分の存在しない条件下でアルコキシシラン化合物と酸化物粒子(A)とを混合して得られる生成物は、酸化物粒子(A)表面にアルコキシシラン化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成分から構成される架橋性粒子を含有する組成物の硬化物においては、高硬度及び耐擦傷性の発現の効果は低い。
【0056】
架橋性粒子製造時においては、前記アルコキシシラン化合物を別途加水分解操作に付した後、これと粉体酸化物粒子又は酸化物粒子の溶剤分散ゾルを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法;又は、前記アルコキシシラン化合物の加水分解を酸化物粒子の存在下で行う方法;また、他の成分、例えば、(D)前記分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物や(E)重合開始剤等の存在下、酸化物粒子(A)の表面処理を行う方法等を選ぶことができる。この中では、前記アルコキシシラン化合物の加水分解を酸化物粒子(A)の存在下で行う方法が好ましい。架橋性粒子製造時、その温度は、好ましくは0℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは20℃以上100℃以下である。また、処理時間は通常5分から24時間の範囲である。
【0057】
架橋性粒子製造時において、粉体状の酸化物粉体を用いる場合、前記アルコキシシラン化合物との反応を円滑に且つ均一に行わせることを目的として、有機溶剤を添加してもよい。そのような有機溶剤としては、前記酸化物粒子(A)の溶剤分散ゾルの分散媒として用いたものと同じものを用いることができる。これらの溶剤の添加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合う限り特に制限はない。
【0058】
架橋性粒子原料として溶剤分散ゾルを用いる場合、溶剤分散ゾルと、化合物(B)及び化合物(C)とを少なくとも混合することにより製造することができる。ここで、反応初期の均一性を確保し、反応を円滑に進行させる目的で、水と均一に相溶する有機溶剤を添加してもよい。
【0059】
また、架橋性粒子製造時において、反応を促進するため、触媒として酸、塩又は塩基を添加してもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルフォン酸、トルエンスルフォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸を、塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩を、また、塩基としては、例えば、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を挙げることができる。
これらの中で好ましい例は、酸としては、有機酸、不飽和有機酸、塩基としては3級アミン又は4級アンモニウムヒドロキシドである。これらの酸、塩又は塩基の添加量は、アルコキシシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.001重量部から1.0重量部、さらに好ましくは0.01重量部から0.1重量部である。
また、反応を促進するため、脱水剤を添加することも好ましい。
脱水剤としては、ゼオライト、無水シリカ、無水アルミナ等の無機化合物や、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、テトラエトキシメタン、テトラブトキシメタン等の有機化合物を用いることができる。中でも、有機化合物が好ましく、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル等のオルトエステル類がさらに好ましい。
なお、架橋性粒子に結合したアルコキシシラン化合物の量は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少%の恒量値として、空気中で110℃から800℃までの熱重量分析により求めることが出来る。
【0060】
II.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、前述の架橋性粒子、(D)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物(D)」ということがある。)、及び必要に応じ、(E)重合開始剤(例えば、(e)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリ−ルケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリ−ルケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤)を含有することを特徴とするものである。
【0061】
以下、各配合(組成)成分について具体的に説明する。
1.架橋性粒子
本発明の樹脂組成物においては、架橋性粒子として前述のものを用いることができる。
架橋性粒子の樹脂組成物中における配合量は、組成物(架橋性粒子及び化合物(D)の合計)を100重量%として、5〜90重量%配合することが好ましく、10〜70重量%がさらに好ましい。5重量%未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、90重量%を超えると、硬化しない(膜にならない)ことがある。なお、架橋性粒子の量は、固形分を意味し、架橋性粒子が溶剤分散ゾルの形態で用いられるときは、その配合量には溶剤の量を含まない。
【0062】
2.化合物(D)
本発明に用いられる化合物(D)としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリルエステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。この中では、(メタ)アクリルエステル類が好ましい。
以下、本発明に用いられる化合物(D)の具体例を列挙する。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
この中では、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコ−ルジビニルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ルジビニルエ−テル等を挙げることができる。
【0063】
このような化合物(D)の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製 商品名:アロニックス M−400、M−408、M−450、M−305、 M−309、 M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、M−208、 M−210、 M−215、 M−220、 M−225、 M−233、 M−240、 M−245、 M−260、 M−270、M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−221、M−203、TO−924、TO−1270、TO−1231、TO−595、TO−756、TO−1231、TO−1343、TO−902、TO−904、TO−905、TO−1330、日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、PET−30、T−1420、GPO−303、TC−120S、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、R−526、R−551、R−712、R−604、R−684、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学(株)製 商品名:ライトアクリレート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A等を挙げることができる。
なお、本発明の組成物中には、化合物(D)の外に、必要に応じて、分子内に1の重合性不飽和基を有する化合物を含有させてもよい。
【0064】
3.重合開始剤(E)
本発明の組成物においては、必要に応じて、前記架橋性粒子((A)、(B)、及び(C))並びに化合物(D)以外の配合成分として、(E)重合開始剤を配合することができる。まず、その(E)重合開始剤を用いることを含め、本発明の組成物の硬化方法について説明する。
【0065】
本発明の組成物は熱及び/又は放射線によって硬化される。
熱による場合、その熱源としては、例えば電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いることができる。
放射線による場合、その放射線の線源としては、組成物をコーティング後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、赤外線の線源としては、例えば、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源としては、例えば、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。アルファ線、ベ−タ線及びガンマ線の線源としては、例えば、Co60等の核分裂物質が挙げられ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種以上の放射線を一定期間をおいて照射してもよい。本発明の組成物には、硬化時間を短縮させるために重合開始剤(E)を添加してもよく、そのような重合開始剤(E)としては、例えば熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物等及び放射線照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等の、汎用されているものを挙げることができる。
【0066】
本発明においては、上記(E)重合開始剤として放射線重合開始剤を用いることが好ましく、その中でも、(e)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤(以下、「放射線重合開始剤(e)」ということがある)を用いることがさらに好ましい。1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。一方、N−モルフォリノ基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、表面硬度の高い硬化物を短時間で形成することができる。両者を併用した場合、表面硬度が高く着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。
【0067】
1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルイソプロピルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルドデシルフェニルケトン等を挙げることができる。また、本発明に用いられるN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(メトキシ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジフェニルアミノ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、3,6-ビス(2-メチル-2-モルフォリノプロピオニル)-9-N-オクチルカルバゾール等を挙げることができる。これらの放射線重合開始剤(e)は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いても良いが、硬化物としたときに、その表面部分及び内部の両方の硬化速度及び硬度を向上させるためには、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類とを組合わせて用いることが好ましい。
このような放射線重合開始剤(e)の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 184、907等を挙げることができる。
【0068】
本発明において必要に応じて用いられる放射線重合開始剤(e)の配合量は、組成物(架橋性粒子及び化合物(D)の合計)を100重量部として、0.01〜20重量部配合することが好ましく、0.1〜10重量部が、さらに好ましい。0.01重量部未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、20重量部を超えると、硬化物としたときに内部(下層)まで硬化しないことがある。
【0069】
また、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類を併用する場合の両者の配合比は、重量比で、10:90〜90:10が好ましく、40:60〜80:20がさらに好ましい.
【0070】
4.上記以外の配合成分
本発明においては、必要に応じて、増感剤等の上記以外の種々の配合成分を配合することができる。以下、その例を列挙する。
(1)増感剤
増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げることができる。この増感剤の市販品としては、日本化薬(株)製 商品名:KAYACURE DMBI、EPA等を挙げることができる。
【0071】
(2)溶剤
前記分散溶剤のほかに、塗工性の改良、粘度調整、固形分濃度の調整等のため、組成物を調製した後に、溶剤を添加することができる。その溶剤としては、前記分散溶剤として用いたものと同じものを用いることができる。
【0072】
(3)架橋性粒子(A)以外の酸化物粒子
架橋性粒子(A)以外の酸化物粒子としては、例えば、有機化合物と結合していない酸化物粒子等を挙げることができる。
【0073】
(4)各種添加剤
添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填材、有機系充填材、フィラー、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を挙げることができる。
【0074】
酸化防止剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等を挙げることができ、紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビン P、234、320、326、327、328、213、400、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ110、130、140、220、250、300、320、340、350、400等を挙げることができ、光安定剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共化成工業(株)製 商品名:サノールLS−770、765、292、2626、1114、744等を挙げることができ、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができ、これらの市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH6062、SZ6030、信越シリコーン(株)製 商品名:KBE903、KBM803等を挙げることができ、老化防止剤の市販品としては、住友化学工業(株)製 商品名:アンチゲン W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW等を挙げることができる。
【0075】
(5)上記以外の添加剤
上記以外の添加剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、プロペニルエーテル、マレイン酸誘導体等の重合性化合物、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブテン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマー又はオリゴマー等を挙げることができる。
【0076】
本発明の組成物は被覆材として好適であり、被覆の対象となる基材としては、例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレ−ト等を挙げることができる。これら基材の形状は板状、フィルム状又は3次元成形体でもよく、コーティング方法は、通常のコーティング方法、例えばディッピングコ−ト、スプレ−コ−ト、フロ−コ−ト、シャワ−コ−ト、ロ−ルコ−ト、スピンコート、刷毛塗り等を挙げることができる。これらコーティングにおける塗膜の厚さは、乾燥、硬化後、通常0.1〜400μmであり、好ましくは1〜200μmである。
【0077】
本発明の組成物は、作業性の面から、溶剤で希釈して用いることができる。例えば、被覆材として用いる場合の粘度は、通常0.1〜50,000mPa・s/25℃であり、好ましくは0.5〜10,000mPa・s/25℃である。
【0078】
III.硬化物
本発明の硬化物は、前記樹脂組成物を種々の基材、例えば、プラスチック基材にコーティングして硬化させることにより得ることができる。具体的には、組成物をコーティングし、好ましくは0〜200℃で揮発成分を乾燥させた後、熱又は/及び放射線で硬化処理を行うことにより被覆成形体として得ることができる。熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。放射線による場合、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cmであり、より好ましくは0.1〜2J/cmである。また、好ましい電子線の照射条件は、加圧電圧は10〜300KV、電子密度は0.02〜0.30mA/cmであり、電子線照射量は1〜10Mradである。
【0079】
本発明の硬化物は、硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れた特徴を有しているので、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材(特に、透明性を要求されるプラスチックシート、プラスチックフィルム等のハードコート材として好適に用いられる。);各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いられる。さらには、陰極線管、レーザーディスプレイ、フォトクロミックディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、エレクトロルミネセントパネル等の各種ディスプレイの前面板又はこれらの入力用装置部品、その他、カバーケース等の前面カバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドシールド、ライトカバー、ヘルメットシールド等の用途に広く利用することができる。
【0080】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、部、%は特に記載しない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。
【0081】
化合物(B)の合成
合成例1
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで化合物(B1)を得た。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550カイザ−の吸収ピ−ク及びイソシアネ−ト基に特徴的な2260カイザ−の吸収ピ−クが消失し、新たに、[−O−C(=O)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基に特徴的な1660カイザ−のピ−ク及びアクリロイル基に特徴的な1720カイザ−のピ−クが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロイル基と[−S−C(=O)−NH−]基、[−O−C(=O)−NH−]基を共に有する有機化合物が生成していることを示した。
【0082】
合成例2
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン38.4部、ジブチルスズジラウレ−ト0.2部からなる溶液に対し、1,3−ビス(イソシアナ−トメチル)シクロヘキサン38.7部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト22.7部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌することで化合物(B2)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量を分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
【0083】
架橋性粒子の製造
以下、本発明の架橋性粒子を、表1に示す配合、条件で製造した(実施例1〜4及び比較例1)。なお、表1には、後述する架橋性粒子の評価結果をも示す。
【0084】
実施例1
窒素気流下、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:メタノール溶剤コロイダルシリカ分散液(数平均粒子径0.012μm、シリカ濃度30%))88.5部(固形分26.6部)、合成例1で合成した化合物(B1)8.5部、p−メトキシフェノ−ル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌した。続いてこの反応混合液に化合物(C)としてメチルトリメトキシシラン3部を添加し、60℃、1時間攪拌した後、オルト蟻酸メチルエステル9部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子分散液(分散液P1)を得た。分散液をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレ−ト上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、35%であった。
【0085】
実施例2
水性アルミナゾル(シーアイ化成(株)製)を溶剤置換することにより製造したメタノールアルミナゾル(数平均粒子径0.0075μm、アルミナ濃度30%、水分5.6%)89.7部(固形分26.9部)、合成例2で合成した化合物(B2)7.3部、p−メトキシフェノール0.01部、の混合液を60℃で3時間攪拌した。続いてこの反応混合液に化合物(C)としてメチルトリエトキシシラン3部を添加し、60℃、1時間攪拌した後、オルト蟻酸メチルエステル9部とメタノ−ル37部を添加し、さらに1時間同温度で加熱攪拌することで架橋性粒子分散液(分散液P2)を得た。この分散液の固形分含量を実施例1と同様に求めたところ25%であった。
【0086】
実施例3
窒素気流下、メタノ−ルシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:メタノール溶剤コロイダルシリカ分散液(数平均粒子径0.012μm、シリカ濃度30%))90.4部(固形分27.1部)、合成例1で合成した化合物(B1)8.6部、化合物(C)としてメチルトリメトキシシラン1部、p−メトキシフェノ−ル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌した。続いてこの反応混合液にオルト蟻酸メチルエステル9部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子分散液(分散液P3)を得た。分散液の固形分含量は34%であった。
【0087】
実施例4
窒素気流下、メタノ−ルシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:メタノール溶剤コロイダルシリカ分散液(数平均粒子径0.012μm、シリカ濃度30%))90.4部(固形分27.1部)、化合物(C)としてメチルトリメトキシシラン1部の混合液を60℃、1時間攪拌した。続いてこの反応混合液に合成例1で合成した化合物(B1)8.6部、p−メトキシフェノ−ル0.01部を添加し、60℃、4時間攪拌した後、オルト蟻酸メチルエステル9部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子分散液(分散液P4)を得た。分散液の固形分含量は34%であった。
【0088】
比較例1
化合物(C)の添加及び攪拌を省略したこと以外は実施例1と同様にして架橋性粒子分散液(分散液P5)を得た。分散液の固形分含量は33%であった。
【0089】
【表1】
Figure 0004207293
* ( )は固形分の量を示す。
組成物の調製
前記実施例で調製した架橋性粒子分散液を用いて以下の組成物を調製した(実施例5〜6及び比較例2)。組成物中の各成分の重量比を表2に示す。なお、表2には後述する組成物の評価結果をも示す。
【0090】
実施例5
乾燥空気気流下、紫外線を遮蔽した容器中において、実施例1で製造した架橋性粒子分散液(分散液P1)を70部(固形分21部)、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト30部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.5部、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1 1.5部を室温下、30分攪拌することで組成物(組成物Q1)を得た。
【0091】
実施例6
架橋性粒子分散液として実施例2で製造した分散液P2を用いたこと以外は実施例6と同様にして、組成物(組成物Q2)を得た。
【0092】
比較例2
架橋性粒子分散液として比較例1で製造した分散液P5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物(組成物Q3)を得た。
【0093】
【表2】
Figure 0004207293
*( )は固形分の量を示す。
【0094】
架橋性粒子の評価
架橋性粒子の実施例で製造した分散液P1、P2、P3、P4及び比較例で製造した分散液P5について、分散安定性及び保存安定性を評価した。評価方法は以下のとおりである。また、評価結果を表1に示す。
・分散安定性:
分散液の外観を観察し、粒子の析出及び/又は沈殿の有無を判定した。どちらも生じていないものを○、どちらか一方でも生じているものを×とした。
・保存安定性:
ガラスびん中に分散液100gを密栓したものを、23℃及び40℃の各温度において10、30及び90日間保存した後外観を観察し、増粘、ゲル化の有無を判定した。これらのいずれも見られないものを○とした。
【0095】
組成物の評価
実施例5、6で調製した組成物Q1、Q2及び比較例2で調製した組成物Q3について、保存安定性、並びにこの組成物を用いて塗布、乾燥、光照射して得られた硬化物の塗膜面の外観、透明性、鉛筆硬度、密着性、耐スチールウール(SW)擦傷性及びカールを評価した。その結果を表2に示す。
以下に評価法を示す。
・保存安定性:
紫外線を遮光したガラスびん中に組成物100gを密栓したものを、23℃及び40℃の各温度において10、30及び90日間保存した後外観を観察し、増粘、ゲル化の有無を判定した。これらのいずれも見られないものを○とした。
・塗膜面の外観及び透明性:
組成物を、厚み188μmのポリエチレンテレフタレ−ト(PET)フィルム上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにバ−コ−タ−を用いて塗布した。続いて80℃の温風乾燥機中で乾燥した後、コンベア式水銀ランプを用いて1J/cmの光量で照射した。得られた塗膜(被膜)の外観及び透明性を観察し、異物、塗りむら、はじき、白濁、失透等異常の発生の有無を判定した。これらの異常のいずれも見られないものを○、いずれか一つでも見られるものを×とした。
・鉛筆硬度:
JIS K5400に準拠し、ガラス基板上で硬化させたこと以外は上述の塗膜面の外観及び透明性の評価における硬化条件を用いて塗膜を形成し、その塗膜を評価した。
・密着性(%):
JIS K5400における碁盤目セロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率で評価した。
・耐スチールウール(SW)擦傷性:
上述の塗膜面の外観の評価における硬化条件を用いて塗膜を形成し、テスター産業(株)製 学振型耐磨耗試験機を用いて、その塗膜面上に、500g荷重をかけた#0000スチールウールを30往復させ、その塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷なしの場合を○、1〜10本の傷がある場合を△、10本を超える傷がある場合を×とした。
・カール(mm):
本発明の組成物を188μm厚さのPET上に、前述の塗布、硬化条件で製膜直後、カッターナイフにて、10cm×10cm片に切り出し、25℃、相対湿度50%にて24時間放置後、4つの角の基準面からのそり量の平均値(mm)を求めた。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、析出や沈殿、保存中の粘度上昇及びゲルの発生がなく分散安定性及び保存安定性に優れた架橋性粒子、また優れた硬化性及び保存安定性を有し、かつ各種基材の表面に、硬度、耐擦傷性、低カ−ル性、密着性及び透明性に優れるとともに、塗膜面の外観にも優れた被膜を形成し得る樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。本発明の架橋性粒子、樹脂組成物及びその硬化物は、このような特性を有することから、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コ−ティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等又はその原料として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. (A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子と、
    (B)重合性不飽和基、下記式(1)に示す基、及びシラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物、並びに
    (C)重合性不飽和基を含まず、シラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を含む化合物、
    とを結合させてなることを特徴とする架橋性粒子。
    Figure 0004207293
    [式(1)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
  2. 前記化合物(B)が、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものである請求項1に記載の架橋性粒子。
  3. 前記加水分解によってシラノ−ル基を生成する基が、アルコキシシリル基又はアリールオキシシリル基である請求項1又は2に記載の架橋性粒子。
  4. 前記酸化物粒子(A)と、化合物(B)及び化合物(C)との結合が、酸化物粒子(A)を化合物(B)で処理した後、その処理物を化合物(C)で処理することよって得られるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の架橋性粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の架橋性粒子及び(D)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  6. (E)重合開始剤をさらに含有することを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(E)重合開始剤が、(e)1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリ−ルケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリ−ルケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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