JP4688301B2 - 圧電磁器組成物及びこれを用いたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

圧電磁器組成物及びこれを用いたインクジェット記録ヘッド Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた圧電定数dと抗電界Ecを有し、かつ研削性に優れたチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電磁器組成物とこれを用いたインクジェット記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電効果によって発生する変位を機械的駆動源として利用したものに、超音波応用振動子、超音波モータ、圧電アクチュエータ等があり、メカトロニクスの分野の進展とともに、注目されている。
【0003】
例えば、圧電アクチュエータは、磁性体にコイルを巻いた従来の電磁式アクチュエータと比較して、消費電力や発熱量が少なく、応答速度に優れるとともに、変位量が大きく、寸法、重量が小さい等の優れた特徴を有している。そして、これら圧電アクチュエータ等を構成する圧電材料としては、PbZrO3−PbTiO3(以下、Pb(Zr Ti)O3という)組成系の圧電磁器組成物が用いられているが、さらに大きな機械的変位が得られることが要求されており、そのためには圧電定数dの大きい圧電磁器組成物が望まれていた。
【0004】
このような目的に合致する圧電磁器組成物として、例えば、Pb(Zr Ti)O3の2成分組成系に、第3成分として、Pb(Zn1/3 Sb2/3)O3、Pb(Zn1/3 Nb2/3)O3、Pb(Ni1/2 Te1/2)O3の少なくとも一種を固溶させたペロブスカイト型化合物から成る焼結体が実用化されている。
【0005】
また、特開平5−58729号公報には、圧電特性以外に耐熱性や焼結性等の改善を目的として、上記ペロブスカイト型化合物を主成分とし、副成分として、NiO、CuO、Bi23、WO3の少なくとも一種を0.01〜3mol%の範囲で含有した圧電磁器組成物が開示されている。
【0006】
一方、近年、低ランニングコストでカラー画像や文字情報等を印刷する記録装置として、インクジェット方式の記録装置が使用されており、この記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドに圧電アクチュエータが用いられている。
【0007】
図3に従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示すように、このインクジェット記録ヘッド20(以下、単にヘッドという)は、圧電磁器組成物にダイヤモンドホイールによる研削加工にて一端が閉じられた複数の溝を並設し、各溝をインクの流路22とするとともに、流路22を仕切る壁を隔壁21とした流路部材27と、上記各隔壁21の両側面上半分に形成された駆動用電極23と、各隔壁21の頂部に接着にて接合され、各流路22を覆う蓋板28と、上記流路部材27の開放端部に接着にて接合されたノズル板26とから成り、上記ノズル板26には、各流路22と連通し、流路22内のインクを吐出するインク吐出孔25が形成され、上記蓋板28には、各流路22と連通し、流路22内にインクを導入するインク供給孔24が形成されたものがあった。なお、矢印は隔壁21を形成する圧電磁器組成物の分極方向を示す。
【0008】
そして、このヘッド20よりインク滴を吐出するには、インク供給孔24より各流路22へインクを導入し、隔壁21に備える駆動用電極23に通電して隔壁21を形成する圧電磁器組成物の剪断モード変形によって隔壁21を屈曲変位させることにより、隔壁21間にて仕切られた流路22内のインクを加圧し、その流路22と連通するインク吐出孔25よりインク滴を吐出するようになっており、インク滴の吐出性能を高めるためには、隔壁21の機械的変位量を大きくする必要があることから、上記流路部材27を形成する圧電磁器組成物として、Pb(Zr Ti)O3組成系の圧電磁器組成物が用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、高圧電定数dを得るため、Pb(Zr Ti)O3組成系に対し、(Zr Ti)の一部を(Zn1/3 Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2 Te1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカイト型化合物から成る圧電磁器組成物は研削加工を施すと、折れやチッピング(欠け)による欠陥が生じ易い等、加工性が悪いという課題があった。
【0010】
また、上記圧電磁器組成物は抗電界Ecが低く、分極処理を施した後、分極方向と異なる方向に電界がかかると容易に分極の方向が変化し、分極度が劣化するといった課題があった。
【0011】
一方、インクジェット記録ヘッド20の流路22を仕切る隔壁21は、幅が100μm以下、高さが150μm以上の薄肉壁であるため、流路部材27が上述したペロブスカイト型化合物から成る圧電磁器組成物であると、隔壁21及び流路22の形成において、ダイヤモンドホイールを用いた研削加工を施すと、隔壁21が折れたり、隔壁21にチッピング(欠け)等の欠陥が多数発生し、安定して流路部材27を製作することができないといった課題があった。しかも、研削後の欠陥が多いものを用いてヘッド20を製作し、インク滴を吐出させるために駆動用電極23に通電して隔壁21を屈曲変位させようとしても、隔壁21には欠陥があるために設計通りの変位量を得ることができず、インク滴の吐出が不安定であったり、インク滴が吐出されないといった課題があった。
【0012】
また、隔壁21を屈曲変位させるには、隔壁21の両側面上半分に形成された駆動用電極23に通電し、隔壁21の分極方向と直交する方向に電界をかける必要があるが、この時、隔壁21を形成する圧電磁器組成物には分極方向に対して垂直な方向に大きな電界がかかるため、圧電磁器組成物の分極度が徐々に劣化し、インク滴を吐出するのに必要な隔壁21の変位量が得られなくなるといった課題もあった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、FeをFe23に換算して0.01〜0.10質量%、AlをAl23に換算して0.01〜0.04量%、SiをSiO2に換算して0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で含有し、残部が組成式Pb 1-x-y Sr x Ba y (Zn 1/3 Sb 2/3 a (Zn 1/3 Nb 2/3 b (Ni 1/2 Te 1/2 c Zr d Ti 1-a-b-c-d 3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55で示されるペロブスカイト型化合物から成る焼結体であって、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμmであるとともに、4点曲げ強度が7MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上である焼結体により圧電磁器組成物を構成したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも一部が上記圧電磁器組成物から成る複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路とした流路部材と、上記隔壁の両側面にそれぞれ形成された駆動用電極と、前記隔壁の頂面に接合され、上記流路を覆う蓋板と、上記各流路と連通するインク吐出孔とからインクジェット記録ヘッドを構成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
本発明の圧電磁器組成物は、副成分としてFeをFe23に換算して0.01〜0.10質量%、AlをAl23に換算して0.01〜0.04量%、SiをSiO2に換算して0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で含有し、残部が組成式Pb 1-x-y Sr x Ba y (Zn 1/3 Sb 2/3 a (Zn 1/3 Nb 2/3 b (Ni 1/2 Te 1/2 c Zr d Ti 1-a-b-c-d 3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55で示されるペロブスカイト型化合物から成る焼結体であって、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμmの範囲にあることを特徴とする。
【0017】
副成分として含有するFe、Al、Siは、ペロブスカイト型化合物からなる結晶を粒成長させる作用があり、Fe、Al、Siの含有量が多すぎると焼結体の機械的強度を大きく劣化させるため、従来では圧電磁器組成物中にFe、Al、Siが殆ど含まれないように調整されていたが、本件発明者は、このFe、Al、Siを上述した範囲内で含有させることにより、圧電磁器組成物の機械的強度を大きく劣化させることなく、研削加工時における欠けや割れの発生を抑えることができるとともに、さらには圧電定数dの向上並びに分極度の劣化を抑える抗電界Ecを向上させることができることを見出し、本発明に至った。
【0018】
即ち、副成分として含有するAlとSiは、焼結段階において粒界に液相を生成し易く、焼結終了後において、焼結体の粒界にPbO−SiO2−Al23を主体とするガラス相を形成するため、少量のAlとSiの含有によって、これらの副成分を含まない圧電磁器組成物に比べて低い温度で焼結体を緻密化することができるとともに、上記ペロブスカイト型化合物から成る結晶を粒成長させることができる。このため研削加工時に、研削面に作用する応力を低減することができる。
【0019】
また、上記PbO−SiO2−Al23を主体とするガラス相は、上記ペロブスカイト型化合物よりも破壊靱性値が大きいため、焼結体の破壊靱性値を高めることができる。
【0020】
その為、本発明の圧電磁器組成物は、破壊靱性値の向上と、ダイヤモンドホイールとの接触面積の低減効果により、研削加工時に割れやチッピング(欠け)が少なく、研削性を大幅に向上させることができるとともに、低温での焼成が可能であることから、特殊な焼成炉は必要なく、一般的に使用される焼成炉を用いることができ、安価に製造することができる。
【0021】
そして、Al及びSiの含有量をそれぞれAl23、SiO2に換算して0.01〜0.04量%としたのは、Al及びSiの含有量がそれぞれAl23、SiO2に換算して0.01量%未満であると、研削加工時に作用する応力を低減することができず、折れやチッピング(欠け)等の欠陥を低減することができないからであり、逆にAl及びSiの含有量がそれぞれAl23、SiO2に換算して0.04量%を超えると、結晶粒子の成長にともなってボイド等の欠陥が大きくなり、圧電磁器の強度が低下するため、研削加工時に折れやチッピング(欠け)等の欠陥が発生し易くなると共に、圧電磁器組成物の圧電定数dが大きく低下するからである。
【0022】
また、抗電界Ecを向上させることができる理由については明らかではないが、以下のようなメカニズムによるものと考えられる。
【0023】
Feは、焼結体中において、イオン半径との関係からABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有するPb(Zr Ti)O3組成系のBサイトに入り、Bサイトを構成するZr又はTiと置換を起こすものと考えられる。この時、Fe3+はZr4+、Ti4+よりも価数が小さいため、電気的バランスをとるために結晶格子内に酸素欠陥を生じるのであるが、ペロブスカイト型結晶では格子中の酸素間距離が短いため、酸素欠陥は移動、配列し易く、移動、配列した酸素欠陥は局部的に内部電界を発生し、圧電磁器組成物の抗電界Ecを向上させることができるものと思われる。
【0024】
また、圧電磁器組成物中に適度な酸素欠陥を発生させることにより、焼成時に物質の移動が起こり易くなるため、Feを含まない従来の圧電磁器組成物に比べて粒成長を促進させることができる。その為、結晶の粒子径が適度な大きさを有することから、ダイヤモンドホイール等による研削加工時に、ダイヤモンドホイールと圧電磁器組成物の研削面との接触面積を小さくでき、研削面に作用する応力を低減して割れやチッピング(欠け)の発生を大幅に低減することができる。
【0025】
そして、Feの含有量をFe23に換算して0.01〜0.10質量%としたのは、FeがFe23に換算して0.01質量%未満であると、Feの含有量が少ないために抗電界Ecを高める効果や、ペロブスカイト型化合物からなる結晶を粒成長させる効果が小さく、ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径をμm以上とすることが難しいからであり、逆にFeの含有量がFe23に換算して0.10質量%を超えると、ペロブスカイト型化合物の元素との置換量が多くなり過ぎるため、圧電磁器組成物の圧電定数dが大きく劣化するとともに、ペロブスカイト型化合物の粒成長が大きくなり、その平均結晶粒子径をμm以下とすることが難しいからである
【0026】
また、焼結体中におけるペロブスカイト型化合物の結晶粒子径も重要な要件であり、ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμm未満では、研削加工時において、ダイヤモンドホイールとの接触面積が大きくなり、研削加工時に作用する応力を低減することができないため、この時に生じる応力によって割れやチッピング(欠け)を生じ易いからであり、逆に、ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμmを超えると、機械的強度が大きく低下するとともに、チッピング(欠け)が発生した時のチッピングサイズが大きくなり過ぎるからである。
【0027】
さらに、本発明の圧電磁器組成物は、焼結体の4点曲げ強度が7MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上であることを特徴とする。
【0028】
ここで、焼結体の4点曲げ強度を7MPa以上、破壊靱性値を0.7MPam1/2以上としたのは、4点曲げ強度又は破壊靱性値のいずれか一方が上述した範囲を外れると、研削加工時における割れやチッピング(欠け)等の欠陥を低減することができないからである。
【0029】
ところで、本発明の圧電磁器組成物の主体をなすペロブスカイト型化合物は、前述したように、Pb(Zr Ti)O3組成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の元素で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3 Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2 Te1/2)のうち一種以上の成分で置換したものであり、具体的には化1の組成式で表されるものが好ましい。
(化1)
Pb1-x-ySrxBay(Zn1/3 Sb2/3a(Zn1/3 Nb2/3b(Ni1/2Te1/2cZrdTi1-a-b-c-d3
ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y
0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01
0.015<a+b 0.43≦d≦0.55
ここで、Pb(Zr Ti)O3組成系のPbの一部をSrやBaで置換するのは、大きな圧電定数dが得られるからで、Srの置換比率xとBaの置換比率yがそれぞれ0.10より大きくなると、耐熱性が急激に低下するからであり、また、0<x+yとしたのは、Sr又はBaのどちらかを置換しないと、圧電定数dを高めることができないからである。
【0030】
また、Pb(Zr Ti)O3組成系の(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3 Sb2/3)や(Zn1/3 Nb2/3)で置換するのは、圧電定数dを大きくすることができるからで、(Zn1/3 Sb2/3)の置換比率aが0.08を超えたり、(Zn1/3 Nb2/3)の置換比率bが0.04を超えると、耐熱性が低下するからであり、また、0.015<a+bとするのは、(Zn1/3 Sb2/3)又は(Zn1/3 Nb2/3)を0.015以上置換しないと、圧電定数dを高めることができないからである。
【0031】
さらに、Pb(Zr Ti)O3組成系の(Zr Ti)の一部を、(Ni1/2Te1/2)で置換するのは、耐久性を高くするのに有効であるからで、(Ni1/2 Te1/2)の置換比率cが0.01を超えると、150℃のエージングによる圧電特性の劣化が著しく大きくなるからである。
【0032】
また、Pb(Zr Ti)O3組成系の圧電磁器組成物には、圧電定数dの極大値を示すMPB(組成相境界)が存在し、Pb(Zr Ti)O3を構成するPbZrO3とPbTiO3の固溶比率を変化させることにより調整することができ、例えば圧電アクチュエータ用として用いる場合には、MPB近傍の組成値を用いることが良く、このMPBは、x、a、b、cの量により変化するため、置換比率dを0.43≦d≦0.55とすることにより、前述した、x、a、b、cの組成範囲内でMPBを捉えることができる。
【0033】
このように、化1で表されるペロブスカイト型化合物を用いることにより、圧電定数dを向上させることができるだけでなく、耐熱性並びに耐久性に優れた圧電磁器組成物を得ることができる。
【0034】
また、本発明の圧電磁器組成物は、Fe、Al、Siから成る成分以外の残部は実質的にペロブスカイト型化合物から成る焼結体であるが、ここで、残部が実質的にペロブスカイト型化合物から成るとは、他に積極的に含有させるものはなく、不純物以外はペロブスカイト型化合物だけであることを指し、不純物として含まれる成分(Fe、Al、Siは除く)は0.01量%未満の範囲であれば含んでいても構わない。
【0035】
次に、本発明の圧電磁器組成物の製造方法について説明する。
【0036】
まず、出発原料として、基本成分のPb34、ZrO2、TiO2と、SrCO3及び/又はBaCO3に、さらにZnO、Sb23、NiO、TeO2、Nb25の各粉末を秤量し、次いでこの混合物を脱水、乾燥したあと、850〜900℃の温度で1〜3時間仮焼して、化1の組成式で表されるペロブスカイト型化合物の仮焼粉体を作製する。この時、基本成分となる各粉末中には、不純物としてFe、Al、Siを含有しているが、できるだけFe、Al、Siの含有が少ない粉末を用いることが好ましい。
【0037】
次に、得られた仮焼粉体に対し、焼結後において含有量が0.01〜0.10質量%となるようにFe23を、0.01〜0.04量%となるようにAl23及びSiO2をそれぞれ添加し、ボールミル等にて混合、粉砕する。その後、この粉砕物に有機バインダー(PVA、モビニール等)を添加して混練乾燥することにより造粒粉とし、得られた造粒粉を成形して成形体を作製する。
【0038】
この時、焼結された圧電磁器組成物が緻密化され、表面に存在するボイドの径が大きくならないようにするために、成形圧は1×108N/m2以上とすることが良い。また、ボールミル等の粉砕ボールや成形時の型材には、原料中にFe、Al、Siが混入し、含有量が変わってしまうことを防止するため、できるだけFe、Al、Siを含まないものを用いることが良く、例えば、粉砕ボールにはジルコニアを用い、ボールミルの内張材には樹脂等を用いることが良い。
【0039】
しかる後、得られた成形体を鉛雰囲気下で1〜3時間程度焼成するのであるが、この時、焼成温度が1100℃未満であると、緻密化が不十分であるため、得られた圧電磁器組成物の機械的特性(曲げ強度や破壊靱性値)を所望の範囲とすることができず、また、1300℃を超えると、圧電磁器組成物中のペロブスカイト型化合物の平均粒子径が所望の範囲を超えてしまう。
【0040】
その為、1100〜1300℃の範囲で焼成することが良く、このようにして製作することにより本発明の圧電磁器組成物を得ることができる。
【0041】
なお、上述した製造方法では、組成の制御を行い易いことから、化1の組成で表される仮焼粉体に対してFe、Al、Siを添加しているが、焼成後におけるFeの含有量がFe23に換算して0.01〜0.10質量%、Al及びSiの含有量がそれぞれAl23、SiO2に換算して0.01〜0.04量%とすることができれば、積極的にFe23、Al23、SiO2を添加せず、不純物としてFe、Al、Siを多めに含む出発原料のみを用いて焼成しても構わない。
【0042】
次に、本発明の圧電磁器組成物を用いた応用例であるインクジェット記録ヘッドを図1及び図2を用いて明する。
【0043】
このインクジェット記録ヘッド10は、圧電磁器組成物にダイヤモンドホイールによる研削加工にて一端が閉じられた複数の溝を並設し、各溝をインクの流路2とするとともに、流路2を仕切る壁を隔壁1とした流路部材7と、上記各隔壁1の両側面上半分に、蒸着法、スパッタリング法、メッキ等の膜形成手段によって形成された、白金、金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、アルミニウム等の金属や白金−金、パラジウム−銀、白金−パラジウム等の合金から成る駆動用電極3と、セラミックス、ガラス、シリコン等の絶縁材料から成り、各隔壁1の頂部に接着にて接合され、各流路2を覆う蓋板8と、セラミックス、ガラス、シリコン、樹脂(ポリイミド樹脂等)等から成り、上記流路部材7の開放端部に接着にて接合されたノズル板6とから成り、上記ノズル板6には各流路2と連通し、流路2内のインクを吐出するインク吐出孔5を、上記蓋板8には、各流路2と連通し、流路2内にインクを導入するインク供給孔4をそれぞれ形成してある。
【0044】
そして、上記流路部材7を形成する圧電磁器組成物を、FeをFe23換算で0.01〜0.10質量%、Al及びSiをそれぞれAl23、SiO2換算で0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で含有し、残部が組成式Pb 1-x-y Sr x Ba y (Zn 1/3 Sb 2/3 a (Zn 1/3 Nb 2/3 b (Ni 1/2 Te 1/2 c Zr d Ti 1-a-b-c-d 3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55で示されるペロブスカイト型化合物からなり、上記ペロブスカイト型化合物の平均粒子径がμmであるとともに、4点曲げ強度が7MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上で、かつ抗電界Ecが100以上である焼結体により形成してある。なお、矢印は隔壁1を形成する圧電磁器組成物の分極方向を示す。
【0045】
そして、このヘッド10よりインク滴を吐出するには、インク供給孔4より各流路2へ顔料タイプの油性インクや水性染料インクあるいは紫外線硬化インク等のインクを導入するとともに、隔壁1に形成された駆動用電極3に電圧を印加して隔壁1を屈曲変位させ、流路2内のインクを加圧することにより、インク吐出孔5からインク滴を吐出するようになっている。
【0046】
即ち、図2(a)(b)にその駆動原理を示すように、例えば駆動用電極3b,3c及び駆動用電極3h,3iにそれぞれ正極の電圧を、駆動用電極3a,3d及び駆動用電極3g,3jにそれぞれ負極の電圧を印加して分極方向に対して垂直な方向に電界を加えると、隔壁1を形成する圧電磁器組成物が剪断モードによるすべり振動を起こし、図2(a)に示すように隔壁1a及び隔壁1bが流路2a側へ屈曲変位するとともに、隔壁1d,1eが流路2d側へ屈曲変位するため、流路2a,2d内に充填されたインクを加圧して、インク吐出孔5よりインク滴を吐出させることができ、この後、各駆動用電極3a〜3d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位していた隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用によって元の形状に戻り、流路2a,2d内が減圧される結果、インク供給孔4からインクの供給が行われ、さらに前述した駆動用電極3a〜3d,3g〜3jへ極性を逆転して電圧を印加すると、図2(b)に示すように隔壁1a,1bが流路2aに対して外側へ屈曲変位するとともに、隔壁1d,1eが流路2dに対して外側へ屈曲変位するため、流路2a,2d内がさらに減圧されてインクが充填され、次に、各駆動用電極3a〜3d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位していた隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用によって元の形状に戻り、次のインク滴の吐出段階に入ることになり、これらの動作を順次繰り返すことでインク滴の吐出を連続的に行うことができる。
【0047】
そして、本発明によれば、隔壁1を形成する圧電磁器組成物を上述したペロブスカイト型化合物からなる焼結体により形成してあるため、インク滴を吐出するのに必要な圧電定数dを有するとともに、駆動用電極3に通電して分極方向と垂直な方向に電界をかけても分極度の劣化が小さいため、長期にわたってインク滴の吐出を行っても特性劣化の無いヘッド10を得ることができる。
【0048】
また、流路部材7を形成するにあたり、圧電磁器組成物をダイヤモンドホイールを用いた研削加工によって、隔壁1を幅100μm以下、高さ150μm〜500μm程度の薄肉に加工しても、研削面である隔壁1の側面に折れやチッピング(欠け)等の欠陥が少なく、ヘッド10の製造歩留りを向上させることができるとともに、隔壁1には割れやチッピング(欠け)等の欠陥が殆どないことから、隔壁1を変位させれば十分な変位量を得ることができ、隔壁1の安定した屈曲変位によって全てのインク吐出孔5からインク滴を安定して吐出させることが可能な信頼性の高いヘッド10とすることができる。
【0049】
以上、本発明の圧電磁器組成物を用いた応用例としてインクジェット記録ヘッド10を例にとって説明したが、本発明にかかるヘッド10は、図1に示した構造だけに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良できることは言うまでもない。また、本発明の圧電磁器組成物は、インクジェット記録ヘッドに限らず、超音波応用振動子や超音波モータ等の他の圧電アクチュエータにも用いることができる。
【0050】
【実施例】
(実施例1)
ここで、化1の組成式で表されるペロブスカイト型化合物を主成分とし、副成分としてFe23、Al23、SiO2を添加し、これらの添加量を異ならせた圧電磁器組成物と、上記副成分を含まない従来の圧電磁器組成物とを用意し、4点曲げ強度、破壊靱性値、圧電定数d、抗電界Ecをそれぞれ測定するとともに、各圧電磁器組成物に研削加工を施した時の折れやチッピングの有無について測定し、各測定結果について比較する実験を行った。
【0051】
まず、圧電磁器組成物の原料粉末として、Pb34、ZrO2、TiO2、SrCO3、BaCO3、ZnO、Sb23、NiO、TeO2、Nb25を用意し、それぞれの金属元素のモル比率が表1となるように秤量したものに溶媒として水を加え、ボールミルにて20時間湿式混合した。次にこの混合物を乾燥し、900℃の温度で3時間熱処理を加えて仮焼粉体を得た。
【0052】
次に、得られた仮焼粉体に、表1の範囲でFe23、Al23、SiO2を添加した後、溶媒として水を加え、ZrO2製のボールを使用しボールミルにて20時間湿式粉砕し、さらにスラリーにモビニールの有機バインダーと混練したあと乾燥させて造粒粉を作製し、1.5×108N/m2の成形圧で100mm×100mm、厚さ1.0mmの板状の成形体を形成し、脱脂処理した後、1250℃前後の温度で焼成することにより、表1に示す圧電磁器組成物を得た。
【0053】
なお、得られた各圧電磁器組成物の組成を、XRF蛍光分析にて測定したところ、表1に示す組成比から構成されており、焼成による組成ずれがなかった。
【0054】
そして、得られた圧電磁器組成物の上下面に金の電極を蒸着法により被着し、80℃のシリコンオイル中で圧電磁器組成物の厚み方向に直流電圧を30分間印加して、3〜5kV/mmの電界にて分極処理した。その後、ダイシング装置を用いて、溝幅70μm、溝深さ400μm、ピッチ140μmの溝加工を施し、この溝加工による複数の溝を流路とするとともに、流路を仕切る壁を隔壁とした流路部材を製作した。なお、加工に使用したダイヤモンドホイールは、砥粒粒度が#2000(4〜8μm)であり、回転数25000rpm、送り速度20mm/秒の条件にて研削加工を行った。
【0055】
その後、隔壁の折れやチッピングの有無を双眼顕微鏡にて観察し、また、圧電磁器組成物を形成する各ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径は、焼結体表面又は断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によりSEM写真を撮影し、インターセプト法により平均結晶粒径を測定した。
【0056】
また、4点曲げ強度はJIS R 1601に準拠して測定し、破壊靱性値はJIS R 1607に準拠して測定し、圧電定数d15は、分極処理した厚さ0.25mm、幅2.5mm、長さ10mmの短冊状の試料を電子工業会(EMAS)の規格に基づく測定法によって測定し、抗電界Ecはソーヤタワー回路を用いて得た電束密度(D)−電界(E)ヒステリシス曲線から電束密度Dが0となる電界を測定した。
【0057】
それぞれの結果は表1に示す通りである。なお、圧電定数d15及び抗電界Ecは、Fe23、Al23、SiO2を添加していない従来の圧電磁器組成物の圧電定数d15及び抗電界Ecをそれぞれ100とした場合の相対値で示した。
【0058】
【表1】
Figure 0004688301
【0059】
この結果、表1より試料No.17ではAl、Siが含有されておらず、試料No.18ではFeが含有されていないため、圧電磁器組成物を形成するペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径が0.5μmと小さく、溝加工による隔壁の折れが発生した。
【0060】
また、試料No.6,7ではFeの含有量がFe23に換算して0.10質量%より多く、試料No.12,23ではAl、Siの含有量がそれぞれAl23、SiO2に換算して0.04量%より多いため、4点曲げ強度が7MPa未満と低く、隔壁の折れが発生し、チッピングサイズも1μmを超える大きなものになった。しかも、試料No.7は、抗電界Ecが基準となる試料No.1,9に示す従来の圧電磁器組成物よりも低い値であった。
【0062】
また、試料No.14ではペロブスカイト化合物の平均結晶粒子径が8μmと大きく、試料No.19ではペロブスカイト化合物の平均結晶粒子径が0.5μmと小さく、試料No.24では圧電磁器組成物の4点曲げ強度が低いため、各試料共に隔壁の折れが発生した。
【0063】
これに対し、試料No.,10,11及び20のように、Feの含有量が0.01〜0.10質量%、AlおよびSiの含有量が0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で、平均結晶粒子径がμm、4点曲げ強度が7MPa以上の範囲にあるものは、隔壁の折れがみられず、また、圧電定数d及び抗電界Ecを試料No.1,9,16に示す従来の圧電磁器組成物と比較して高い値を得ることができた。
【0064】
このように、Pb(Zr Ti)O3組成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の元素で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3 Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2 Te1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカイト型化合物を主成分とし、副成分としてFeをFe23に換算して0.01〜0.10質量%、AlをAl23に換算して0.01〜0.04量%、SiをSiO2に換算して0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で含有し、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμmであるとともに、4点曲げ強度が7MPa以上で、かつ破壊靱性値が0.7MPam1/2以上である圧電磁器組成物であれば、従来の圧電磁器組成物と比較して高い圧電定数d及び抗電界Ecを得ることができ、さらには研削加工を施しても隔壁に大きなチッピングを生じたり破損することがなく、研削性に優れていた。
【0065】
そして、各ヘッド10の流路2内にインクを充填し、駆動用電極3に20Vの電圧を100Hr印加してインク吐出孔5よりインク滴を吐出させ、この時のインク滴の飛翔状況を、放電管を光源としフィルム上に記録させる高速度写真撮影装置によって観察した。
【0066】
この結果、試料No.8の流路部材7を用いて形成した従来のヘッド10では、インクの吐出速度のバラツキが大きく、100Hr経過後、100個のインク吐出孔5のうち、30個のインク吐出孔5からインク滴が吐出されなくなった。
【0067】
これに対し、試料No.5の流路部材7を用いて形成した本発明のヘッド10は、100Hr経過後も、100個のインク吐出孔5の全てから安定してインク滴を吐出させることができ、信頼性の高いものであった。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、FeをFe23に換算して0.01〜0.10質量%、AlをAl23に換算して0.01〜0.04量%、SiをSiO2に換算して0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%含有し、残部が組成式Pb 1-x-y Sr x Ba y (Zn 1/3 Sb 2/3 a (Zn 1/3 Nb 2/3 b (Ni 1/2 Te 1/2 c Zr d Ti 1-a-b-c-d 3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55で示されるペロブスカイト型化合物から成り、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμmであるとともに、4点曲げ強度が7MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上である焼結体により圧電磁器組成物を構成したことによって、従来の圧電磁器組成物と比較して圧電定数d及び抗電界Ecを向上させることができ、大きな機械的変位量を長期間にわたって安定して維持することが要求される圧電アクチュエータ用として好適に用いることができるとともに、ダイヤモンドホイールを用いた研削加工を施したとしても折れやチッピング(欠け)等の欠陥がなく、研削性を大幅に向上させることができる。
【0069】
また、少なくとも一部が前記圧電磁器組成物から成る複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路として成る流路部材と、上記隔壁の両側面にそれぞれ形成された駆動用電極と、前記隔壁の頂面に接合され、上記流路を覆う蓋板と、上記各流路と連通するインク吐出孔とからインクジェット記録ヘッドを構成したことによって、隔壁を形成する圧電磁器組成物における分極度の劣化が少なく、また、隔壁に折れやチッピング(欠け)等の欠陥がなく、さらには隔壁の屈曲変位によって破損することも少ないため、インク滴の吐出性能を高めることができるとともに、長期間にわたり、安定してインク滴を吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示す一部を破断した斜視図である。
【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動原理を説明した断面図である。
【図3】従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示す一部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1,21・・・隔壁 2,22・・・流路 3,23・・・駆動用電極
4,24・・・インク供給孔 5,25・・・インク吐出孔
6,26・・・ノズル板 7,27・・・流路部材 8,28・・・蓋板
10,20・・・インクジェット記録ヘッド

Claims (2)

  1. FeをFe23に換算して0.01〜0.10質量%、AlをAl23に換算して0.01〜0.04量%、SiをSiO2に換算して0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で含有し、残部が組成式Pb 1-x-y Sr x Ba y (Zn 1/3 Sb 2/3 a (Zn 1/3 Nb 2/3 b (Ni 1/2 Te 1/2 c Zr d Ti 1-a-b-c-d 3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55で示されるペロブスカイト型化合物から成る焼結体であって、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμm、上記焼結体の4点曲げ強度が7MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 少なくとも一部が圧電磁器組成物から成る複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路とした流路部材と、上記隔壁の両側面にそれぞれ形成された駆動用電極と、前記隔壁の頂面に接合され、上記流路を覆う蓋板と、上記各流路と連通するインク吐出孔とを備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、上記圧電磁器組成物を、FeをFe23に換算して0.01〜0.10質量%、AlをAl23に換算して0.01〜0.04量%、SiをSiO2に換算して0.01〜0.04量%、さらに、上記FeをFe 2 3 に、上記AlをAl 2 3 に、上記SiをSiO 2 に、各々を換算した合計が0.05〜0.16質量%の範囲で含有し、残部が組成式Pb 1-x-y Sr x Ba y (Zn 1/3 Sb 2/3 a (Zn 1/3 Nb 2/3 b (Ni 1/2 Te 1/2 c Zr d Ti 1-a-b-c-d 3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.01 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55で示されるペロブスカイト型化合物から成り、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径がμmで、4点曲げ強度が7MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上である焼結体により形成したことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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