JP2002167277A - 圧電磁器組成物及びこれを用いたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

圧電磁器組成物及びこれを用いたインクジェット記録ヘッド

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JP2002167277A
JP2002167277A JP2000362227A JP2000362227A JP2002167277A JP 2002167277 A JP2002167277 A JP 2002167277A JP 2000362227 A JP2000362227 A JP 2000362227A JP 2000362227 A JP2000362227 A JP 2000362227A JP 2002167277 A JP2002167277 A JP 2002167277A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】研削加工において、隔壁に折れやチッピング
(欠け)等の欠陥がなく、また長期間の駆動による特性
変化の小さい、安定したインク吐出性能を有するインク
ジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】インクジェット記録ヘッド10のアクチュ
エータ部をなす隔壁1を、Pb(Zr Ti)O3組成
系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の元素で
置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3
2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2
1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカイ
ト型化合物を主体とし、他の成分としてFeをFe23
に換算して0.03〜0.5重量%含有し、上記化合物
の平均結晶粒子径が0.6〜7μmで、かつ4点曲げ強
度が70MPa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2
以上である焼結体により圧電磁器組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた圧電定数d
と抗電界Ecを有し、かつ研削性に優れたチタン酸ジル
コン酸鉛系の圧電磁器組成物とこれを用いたインクジェ
ット記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電効果によって発生する変位を
機械的駆動源として利用したものに、超音波応用振動
子、超音波モータ、圧電アクチュエータ等があり、メカ
トロニクスの分野の進展とともに、注目されている。
【0003】例えば、圧電アクチュエータは、磁性体に
コイルを巻いた従来の電磁式アクチュエータと比較し
て、消費電力や発熱量が少なく、応答速度に優れるとと
もに、変位量が大きく、寸法、重量が小さい等の優れた
特徴を有している。そして、これら圧電アクチュエータ
等を構成する圧電材料としては、PbZrO3−PbT
iO3(以下、Pb(Zr Ti)O3という)組成系の
圧電磁器組成物が用いられているが、さらに大きな機械
的変位が得られることが要求されており、そのためには
圧電定数dの大きい圧電磁器組成物が望まれていた。
【0004】このような目的に合致する圧電磁器組成物
として、例えば、Pb(Zr Ti)O3の2成分組成
系に、第3成分として、Pb(Zn1/3 Sb2/3
3、Pb(Zn1/3 Nb2/3)O3、Pb(Ni1/2
Te1/2)O3の少なくとも一種を固溶させたペロブスカ
イト型化合物から成る焼結体が実用化されている。
【0005】また、特開平5−58729号公報には、
圧電特性以外に耐熱性や焼結性等の改善を目的として、
上記ペロブスカイト型化合物を主成分とし、副成分とし
て、NiO、CuO、Bi23、WO3の少なくとも一
種を0.01〜3mol%の範囲で含有した圧電磁器組
成物が開示されている。
【0006】一方、近年、低ランニングコストでカラー
画像や文字情報等を印刷する記録装置として、インクジ
ェット方式の記録装置が使用されており、この記録装置
に搭載されるインクジェット記録ヘッドに圧電アクチュ
エータが用いられている。
【0007】図3に従来のインクジェット記録ヘッドの
一例を示すように、このインクジェット記録ヘッド20
(以下、単にヘッドという)は、圧電磁器組成物にダイ
ヤモンドホイールによる研削加工にて一端が閉じられた
複数の溝を並設し、各溝をインクの流路22とするとと
もに、流路22を仕切る壁を隔壁21とした流路部材2
7と、上記各隔壁21の両側面上半分に形成された駆動
用電極23と、各隔壁21の頂部に接着にて接合され、
各流路22を覆う蓋板28と、上記流路部材27の開放
端部に接着にて接合されたノズル板26とから成り、上
記ノズル板26には、各流路22と連通し、流路22内
のインクを吐出するインク吐出孔25が形成され、上記
蓋板28には、各流路22と連通し、流路22内にイン
クを導入するインク供給孔24が形成されたものがあっ
た。なお、矢印は隔壁21を形成する圧電磁器組成物の
分極方向を示す。
【0008】そして、このヘッド20よりインク滴を吐
出するには、インク供給孔24より各流路22へインク
を導入し、隔壁21に備える駆動用電極23に通電して
隔壁21を形成する圧電磁器組成物の剪断モード変形に
よって隔壁21を屈曲変位させることにより、隔壁21
間にて仕切られた流路22内のインクを加圧し、その流
路22と連通するインク吐出孔25よりインク滴を吐出
するようになっており、インク滴の吐出性能を高めるた
めには、隔壁21の機械的変位量を大きくする必要があ
ることから、上記流路部材27を形成する圧電磁器組成
物として、Pb(Zr Ti)O3組成系の圧電磁器組
成物が用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高圧電定数
dを得るため、Pb(Zr Ti)O3組成系に対し、
(Zr Ti)の一部を(Zn1/3 Sb2/3)、(Zn
1/3 Nb2/3)、(Ni 1/2 Te1/2)のうち1種以上
の成分で置換したペロブスカイト型化合物から成る圧電
磁器組成物に研削加工を施すと、折れやチッピング(欠
け)による欠陥が生じ易い等、加工性が悪いという課題
があった。
【0010】また、上記圧電磁器組成物は抗電界Ecが
低く、分極処理を施した後、分極方向と異なる方向に電
界がかかると容易に分極の方向が変化し、分極度が劣化
するといった課題があった。
【0011】一方、インクジェット記録ヘッド20の流
路22を仕切る隔壁21は、幅が100μm以下、高さ
が150μm以上の薄肉であるため、流路部材27が上
述したペロブスカイト型化合物から成る圧電磁器組成物
であると、隔壁21及び流路22の形成において、ダイ
ヤモンドホイールを用いた研削加工を施すと、隔壁21
が折れたり、隔壁21にチッピング(欠け)等の欠陥が
多数発生し、安定して流路部材27を製作することがで
きないといった課題があった。しかも、研削後の欠陥が
多いものを用いてヘッド20を製作し、インク滴を吐出
させるために駆動用電極23に通電して隔壁21を屈曲
変位させようとしても、隔壁21には欠陥があるために
設計通りの変位量を得ることができず、インク滴の吐出
が不安定であったり、インク滴が吐出されないといった
課題があった。
【0012】また、隔壁21を屈曲変位させるには、隔
壁21の両側面上半分に形成された駆動用電極23に通
電し、隔壁21の分極方向と直交する方向に電界をかけ
る必要があるが、この時、隔壁21を形成する圧電磁器
組成物には分極方向に対して垂直な方向に大きな電界が
かかるため、圧電磁器組成物の分極度が徐々に劣化し、
インク滴を吐出するのに必要な隔壁21の変位量が得ら
れなくなるといった課題もあった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、FeをFe23に換算して0.03〜0.5
重量%含有し、残部が実質的に、Pb(Zr Ti)O
3組成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の
元素で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn
1/3 Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2
Te1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカ
イト型化合物から成り、上記ペロブスカイト型化合物の
平均結晶粒子径が0.6〜7μmであるとともに、4点
曲げ強度が70MPa以上、破壊靱性値が0.7MPa
1/2以上である焼結体により圧電磁器組成物を構成し
たことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、少なくとも一部が上記圧
電磁器組成物から成る複数の隔壁を並設し、各隔壁間を
インクの流路とした流路部材と、上記隔壁の両側面にそ
れぞれ形成された駆動用電極と、前記隔壁の頂面に接合
され、上記流路を覆う蓋板と、上記各流路と連通するイ
ンク吐出孔とからインクジェット記録ヘッドを構成した
ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0016】本発明の圧電磁器組成物は、副成分として
FeをFe23に換算して0.03〜0.5重量%の範
囲で含有し、残部が実質的に、Pb(Zr Ti)O3
組成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の元
素で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3
Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2 Te
1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカイト
型化合物から成る焼結体であって、上記ペロブスカイト
型化合物の平均結晶粒子径が0.6〜7μmの範囲にあ
ることを特徴とする。
【0017】副成分として含有するFeは、ペロブスカ
イト型化合物からなる結晶を粒成長させる作用があり、
Feの含有量が多すぎると焼結体の機械的強度を大きく
劣化させるため、従来では圧電磁器組成物中にFeが殆
ど含まれないように調整されていたが、本件発明者は、
このFeの含有量を上述した範囲内で含有させることに
より、圧電磁器組成物の機械的強度を大きく劣化させる
ことなく、研削加工時における欠けや割れの発生を抑え
ることができるとともに、さらには圧電定数dの向上並
びに分極度の劣化を抑える抗電界Ecを向上させること
ができることを見出し、本発明に至った。
【0018】抗電界Ecを向上させることができる理由
については明らかではないが、以下のメカニズムによる
ものと考えられる。
【0019】即ち、Feは、焼結体中において、イオン
半径との関係からABO3で表されるペロブスカイト型
結晶構造を有するPb(Zr Ti)O3組成系のBサ
イトに入り、Bサイトを構成するZr又はTiと置換を
起こすものと考えられる。この時、Fe3+はZr4+、T
4+よりも価数が小さいため、電気的バランスをとるた
めに結晶格子内に酸素欠陥を生じるのであるが、ペロブ
スカイト型結晶では格子中の酸素間距離が短いため、酸
素欠陥は移動、配列し易く、移動、配列した酸素欠陥は
局部的に内部電界を発生し、圧電磁器組成物の抗電界E
cを向上させることができるものと思われる。
【0020】また、圧電磁器組成物中に適度な酸素欠陥
を発生させることにより、焼成時に物質の移動が起こり
易くなるため、Feを含まない従来の圧電磁器組成物に
比べて粒成長を促進させることができる。その為、結晶
の粒子径が適度な大きさを有することから、ダイヤモン
ドホイール等による研削加工時に、ダイヤモンドホイー
ルと圧電磁器組成物の研削面との接触面積を小さくで
き、研削面に作用する応力を低減して割れやチッピング
(欠け)の発生を大幅に低減することができる。
【0021】ところで、このような効果を奏するために
は、上述したように、FeをFe23に換算して0.0
3〜0.5重量%の範囲で含有することが重要である。
【0022】即ち、Feの含有量がFe23に換算して
0.03未満であると、Feの含有量が少ないために抗
電界Ecを高める効果や、ペロブスカイト型化合物から
なる結晶を粒成長させる効果が小さく、ペロブスカイト
型化合物の平均結晶粒子径を0.6μm以上とすること
が難しいからであり、逆にFeの含有量がFe23に換
算して0.5重量%を超えると、ペロブスカイト型化合
物の元素との置換量が多くなり過ぎるため、圧電磁器組
成物の圧電定数dが大きく劣化するとともに、ペロブス
カイト型化合物の粒成長が大きくなり、その平均結晶粒
子径を7μm以下とすることが難しいからである。な
お、好ましくは0.03〜0.3重量%の範囲で含有す
ることが良い。
【0023】また、焼結体中におけるペロブスカイト型
化合物の結晶粒子径も重要な要件であり、ペロブスカイ
ト型化合物の平均結晶粒子径が0.6μm未満では、研
削加工時において、ダイヤモンドホイールとの接触面積
が大きくなり、研削加工時に作用する応力を低減するこ
とができないため、この時に生じる応力によって割れや
チッピング(欠け)を生じ易いからであり、逆に、ペロ
ブスカイト型化合物の平均結晶粒子径が7μmを超える
と、機械的強度が大きく低下するとともに、チッピング
(欠け)が発生した時のチッピングサイズが大きくなり
過ぎるからである。
【0024】さらに、本発明の圧電磁器組成物は、焼結
体の4点曲げ強度が70MPa以上、破壊靱性値が0.
7MPam1/2以上であることを特徴とする。
【0025】ここで、焼結体の4点曲げ強度を70MP
a以上、破壊靱性値を0.7MPam1/2以上としたの
は、4点曲げ強度又は破壊靱性値のいずれか一方が上述
した範囲を外れると、研削加工時における割れやチッピ
ング(欠け)等の欠陥を低減することができないから
で、好ましくは4点曲げ強度を75MPa以上、破壊靱
性値を0.75MPam1/2以上とすることが良い。
【0026】ところで、本発明の圧電磁器組成物の主体
をなすペロブスカイト型化合物は、前述したように、P
b(Zr Ti)O3組成系のPbの一部を、Ba、S
rのうち一種以上の元素で置換し、かつ(Zr Ti)
の一部を、(Zn1/3 Sb2 /3)、(Zn1/3
2/3)、(Ni1/2 Te1/2)のうち一種以上の成分
で置換したものであり、具体的には化1の組成式で表さ
れるものが好ましい。 (化1) Pb1-x-ySrxBay(Zn1/3 Sb2/3)a(Zn1/3
Nb2/3)b (Ni1/2 Te1/2cZrdTi1-a-b-c-d3 ただし、0≦x≦0.10 0≦y≦0.10 0<x
+y 0≦a≦0.08 0≦b≦0.04 0≦c≦0.0
1 0.015<a+b 0.43≦d≦0.55 ここで、Pb(Zr Ti)O3組成系のPbの一部を
SrやBaで置換するのは、大きな圧電定数dが得られ
るからで、Srの置換比率xとBaの置換比率yがそれ
ぞれ0.10より大きくなると、耐熱性が急激に低下す
るからであり、また、0<x+yとしたのは、Sr又は
Baのどちらかを置換しないと、圧電定数dを高めるこ
とができないからである。
【0027】また、Pb(Zr Ti)O3組成系の
(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3Sb2/3)や(Zn
1/3 Nb2/3)で置換するのは、圧電定数dを大きくす
ることができるからで、(Zn1/3 Sb2/3)の置換比
率aが0.08を超えたり、(Zn1/3 Nb2/3)の置
換比率bが0.04を超えると、耐熱性が低下するから
であり、また、0.015<a+bとするのは、(Zn
1/3 Sb2/3)又は(Zn1/3 Nb2/3)を0.015
以上置換しないと、圧電定数dを高めることができない
からである。
【0028】さらに、Pb(Zr Ti)O3組成系の
(Zr Ti)の一部を、(Ni1/2Te1/2)で置換す
るのは、耐久性を高くするのに有効であるからで、(N
1 /2 Te1/2)の置換比率cが0.01を超えると、
150℃のエージングによる圧電特性の劣化が著しく大
きくなるからである。
【0029】また、Pb(Zr Ti)O3組成系の圧
電磁器組成物には、圧電定数dの極大値を示すMPB
(組成相境界)が存在し、Pb(Zr Ti)O3を構
成するPbZrO3とPbTiO3の固溶比率を変化させ
ることにより調整することができ、例えば圧電アクチュ
エータ用として用いる場合には、MPB近傍の組成値を
用いることが良く、このMPBは、x、a、b、cの量
により変化するため、置換比率dを0.43≦d≦0.
55とすることにより、前述した、x、a、b、cの組
成範囲内でMPBを捉えることができる。
【0030】このように、化1で表されるペロブスカイ
ト型化合物を用いることにより、圧電定数dを向上させ
ることができるだけでなく、耐熱性並びに耐久性に優れ
た圧電磁器組成物を得ることができる。
【0031】また、本発明の圧電磁器組成物は、Feか
ら成る成分以外の残部は実質的にペロブスカイト型化合
物から成る焼結体であるが、ここで、残部が実質的にペ
ロブスカイト型化合物から成るとは、他に積極的に含有
させるものはなく、不純物以外はペロブスカイト型化合
物だけであることを指し、不純物として含まれる成分
(Feは除く)は0.01重量%未満の範囲であれば含
んでいても構わない。
【0032】次に、本発明の圧電磁器組成物の製造方法
について説明する。
【0033】まず、出発原料として、基本成分のPb3
4、ZrO2、TiO2、SrCO3及び/又はBaCO
3、ZnO、Sb23、NiO、TeO2、Nb25の各
粉末を秤量し、次いでこの混合物を脱水、乾燥したあ
と、850〜900℃の温度で1〜3時間仮焼して、化
1の組成式で表されるペロブスカイト型化合物の仮焼粉
体を作製する。この時、基本成分となる各粉末中には、
不純物としてFeを含有しているが、できるだけFeの
含有が少ない粉末を用いることが好ましい。
【0034】次に、得られた仮焼粉体に対し、焼結後に
おいてその含有量が0.03〜0.5重量%となるよう
にFe23を添加し、ボールミル等にて混合、粉砕す
る。その後、この粉砕物に有機バインダー(PVA、モ
ビニール等)を添加して混練乾燥することにより造粒粉
とし、得られた造粒粉を成形して成形体を作製する。
【0035】この時、焼結された圧電磁器組成物が緻密
化され、表面に存在するボイドの径が大きくならないよ
うにするために、成形圧は1×108N/m2以上とする
ことが良い。また、ボールミル等の粉砕ボールや成形時
の型材には、原料中にFeが混入し、含有量が変わって
しまうことを防止するため、できるだけFeを含まない
ものを用いることが良く、例えば、粉砕ボールにはジル
コニアを用い、ボールミルの内張材には樹脂等を用いる
ことが良い。
【0036】しかる後、得られた成形体を鉛雰囲気下で
1〜3時間程度焼成するのであるが、この時、焼成温度
が1100℃未満であると、緻密化が不十分であるた
め、得られた圧電磁器組成物の機械的特性(曲げ強度や
破壊靱性値)を所望の範囲とすることができず、また、
1300℃を超えると、圧電磁器組成物中のペロブスカ
イト型化合物の平均粒子径が所望の範囲を超えてしま
う。
【0037】その為、1100〜1300℃の範囲で焼
成することが良く、このようにして製作することにより
本発明の圧電磁器組成物を得ることができる。
【0038】なお、上述した製造方法では、組成の制御
を行い易いことから、化1の組成で表される仮焼粉体に
対してFeを添加しているが、焼成後におけるFeの含
有量がFe23に換算して0.03〜0.5重量%とす
ることができれば、積極的にFe23を添加せず、不純
物としてFeを多めに含む出発原料のみを用いて焼成し
ても構わない。
【0039】次に、本発明の圧電磁器組成物を用いた応
用例であるインクジェット記録ヘッドを図1及び図2を
用いて説明する。
【0040】このインクジェット記録ヘッド10は、圧
電磁器組成物にダイヤモンドホイールによる研削加工に
て一端が閉じられた複数の溝を並設し、各溝をインクの
流路2とするとともに、流路2を構成する壁を隔壁1と
した流路部材7と、上記各隔壁1の両側面上半分に、蒸
着法、スパッタリング法、メッキ等の膜形成手段によっ
て形成された、白金、金、パラジウム、ロジウム、ニッ
ケル、アルミニウム等の金属や白金−金、パラジウム−
銀、白金−パラジウム等の合金から成る駆動用電極3
と、セラミックス、ガラス、シリコン等の絶縁材料から
成り、各隔壁1の頂部に接着にて接合され、各流路2を
覆う蓋板8と、セラミックス、ガラス、シリコン、樹脂
(ポリイミド樹脂等)等から成り、上記流路部材7の開
放端部に接着にて接合されたノズル板6とから成り、上
記ノズル板6には各流路2と連通し、流路2内のインク
を吐出するインク吐出孔5を、上記蓋板8には、各流路
2と連通し、流路2内にインクを導入するインク供給孔
4をそれぞれ形成してある。
【0041】そして、上記流路部材7を形成する圧電磁
器組成物を、FeをFe23換算で0.03〜0.5重
量%の範囲で含有し、残部が実質的に、Pb(Zr T
i)O3組成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種
以上の元素で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、
(Zn1/3 Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni
1/2 Te1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブ
スカイト型化合物からなり、上記ペロブスカイト型化合
物の平均粒子径が0.6〜7μmであるとともに、4点
曲げ強度が70MPa以上、破壊靱性値が0.7MPa
1/2以上で、かつ抗電界Ecが100以上である焼結
体により形成してある。なお、矢印は隔壁1を形成する
圧電磁器組成物の分極方向を示す。
【0042】そして、このヘッド10よりインク滴を吐
出するには、インク供給孔4より各流路2へ顔料タイプ
の油性インクや水性染料インクあるいは紫外線硬化イン
ク等のインクを導入するとともに、隔壁1に形成された
駆動用電極3に電圧を印加して隔壁1を屈曲変位させ、
流路2内のインクを加圧することにより、インク吐出孔
5からインク滴を吐出するようになっている。
【0043】即ち、図2(a)(b)にその駆動原理を
示すように、例えば駆動用電極3b,3c及び駆動用電
極3h,3iにそれぞれ正極の電圧を、駆動用電極3
a,3d及び駆動用電極3g,3jにそれぞれ負極の電
圧を印加して分極方向に対して垂直な方向に電界を加え
ると、隔壁1を形成する圧電磁器組成物が剪断モードに
よるすべり振動を起こし、図2(a)に示すように隔壁
1a及び隔壁1bが流路2a側へ屈曲変位するととも
に、隔壁1d,1eが流路2d側へ屈曲変位するため、
流路2a,2d内に充填されたインクを加圧して、イン
ク吐出孔5よりインク滴を吐出させることができ、この
後、各駆動用電極3a〜3d,3g〜3jへの通電を遮
断すると、屈曲変位していた隔壁1a,1b,1d,1
eが弾性作用によって元の形状に戻り、流路2a,2d
内が減圧される結果、インク供給孔4からインクの供給
が行われ、さらに前述した駆動用電極3a〜3d,3g
〜3jへ極性を逆転して電圧を印加すると、図2(b)
に示すように隔壁1a,1bが流路2aに対して外側へ
屈曲変位するとともに、隔壁1d,1eが流路2dに対
して外側へ屈曲変位するため、流路2a,2d内がさら
に減圧されてインクが充填され、次に、各駆動用電極3
a〜3d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位
していた隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用によっ
て元の形状に戻り、次のインク滴の吐出段階に入ること
になり、これらの動作を順次繰り返すことでインク滴の
吐出を連続的に行うことができる。
【0044】そして、本発明によれば、隔壁1を形成す
る圧電磁器組成物を上述したペロブスカイト型化合物か
らなる焼結体により形成してあるため、インク滴を吐出
するのに必要な圧電定数dを有するとともに、駆動用電
極3に通電して分極方向と垂直な方向に電界をかけても
分極度の劣化が小さいため、長期にわたってインク滴の
吐出を行っても特性劣化の無いヘッド10を得ることが
できる。
【0045】また、流路部材7を形成するにあたり、圧
電磁器組成物をダイヤモンドホイールを用いた研削加工
によって、隔壁1及び流路2を幅100μm以下、高さ
150μm〜500μm程度の薄肉に加工しても、研削
面である隔壁1の側面に折れやチッピング(欠け)等の
欠陥が少なく、ヘッド10の製造歩留りを向上させるこ
とができるとともに、隔壁1には割れやチッピング(欠
け)等の欠陥が殆どないことから、隔壁1を変位させれ
ば十分な変位量を得ることができ、隔壁1の安定した屈
曲変位によって全てのインク吐出孔5からインクを安定
して吐出させることが可能な信頼性の高いヘッド10と
することができる。
【0046】以上、本発明の圧電磁器組成物を用いた応
用例としてインクジェット記録ヘッド10を例にとって
説明したが、本発明にかかるヘッド10は、図1に示し
た構造だけに限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で変更や改良できることは言うまでもな
い。
【0047】
【実施例】(実施例1)ここで、化1の組成式で表され
るペロブスカイト型化合物を主成分とし、副成分として
Fe23を添加し、それらの添加量を異ならせた圧電磁
器組成物と、上記副成分を含まない従来の圧電磁器組成
物とを用意し、4点曲げ強度、破壊靱性値、圧電定数
d、抗電界Ecをそれぞれ測定するとともに、各圧電磁
器組成物に研削加工を施した時の折れやチッピングの有
無について測定し、各測定結果について比較する実験を
行った。
【0048】まず、圧電磁器組成物の原料粉末として、
Pb34、ZrO2、TiO2、SrCO3、BaCO3
ZnO、Sb23、NiO、TeO2、Nb25を用意
し、それぞれの金属元素のモル比率が表1となるように
秤量したものに溶媒として水を加え、ボールミルにて2
0時間湿式混合した。次にこの混合物を乾燥し、900
℃の温度で3時間熱処理を加えて仮焼粉体を得た。
【0049】次に、得られた仮焼粉体に、表1の範囲で
Fe23を添加した後、溶媒として水を加え、ZrO2
製のボールを使用しボールミルにて20時間、湿式混合
粉砕し、さらにスラリーにモビニールの有機バインダー
と混練した後、乾燥させて造粒粉を作製し、1.5×1
8N/m2の成形圧で100mm×100mm、厚さ
1.0mmの板状の成形体を形成し、脱脂処理した後、
1250℃前後の温度で焼成することにより、表1に示
す圧電磁器組成物を得た。
【0050】なお、得られた各圧電磁器組成物の組成
を、XRF蛍光分析にて測定したところ、表1に示す組
成比から構成されており、焼成による組成ずれがなかっ
た。
【0051】そして、得られた圧電磁器組成物の上下面
に金の電極を蒸着法により被着し、80℃のシリコンオ
イル中で圧電磁器組成物の厚み方向に直流電圧を30分
間印加して、3〜5kV/mmの電界にて分極処理し
た。その後、ダイシング装置を用いて、溝幅70μm、
溝深さ400μm、ピッチ140μmの溝加工を施し、
この溝加工による複数の溝を流路とするとともに、流路
を仕切る壁を隔壁とした流路部材を製作した。なお、加
工に使用したダイヤモンドホイールは、砥粒粒度が#2
000(4〜8μm)であり、回転数25000rp
m、送り速度20mm/秒の条件にて研削加工を行っ
た。
【0052】その後、隔壁の折れやチッピングの有無を
双眼顕微鏡にて観察し、また、圧電磁器組成物を形成す
る各ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径は、焼結
体表面又は断面をSEM(電子顕微鏡)により写真を撮
影し、インターセプト法により平均結晶粒径を測定し
た。
【0053】また、4点曲げ強度はJIS R1601
に準拠して測定し、破壊靱性値はJIS R1607に
準拠して測定し、圧電定数d15は、分極処理した厚さ
0.25mm、幅2.5mm、長さ10mmの短冊状の
試料を電子工業会(EMAS)の規格に基づく測定法に
よって測定し、抗電界Ecは、ソーヤタワー回路を用い
て得た電束密度(D)−電界(E)ヒステリシス曲線か
ら電束密度Dが0となる電界を測定した。
【0054】それぞれの結果は表1に示す通りである。
なお、圧電定数d15及び抗電界Ecは、Fe23を添加
していない従来の圧電磁器組成物の圧電定数d15及び抗
電界Ecをそれぞれ100とした場合の相対値で示し
た。
【0055】
【表1】
【0056】この結果、表1より試料No.2,11で
は、Feの含有量が少なすぎるため、平均結晶粒子径が
0.5μmと小さく、溝加工による隔壁の折れが発生し
た。
【0057】また、試料No.8,9では、Feの含有
量が多すぎるため、4点曲げ強度が67MPa、破壊靱
性値が0.68MPam1/2と低く、隔壁の折れが発生
し、チッピングサイズも10μmを超える大きなものが
あった。しかも、圧電定数dと抗電界Ecは試料No.
1に示す従来の圧電磁器組成物よりも低い値であった。
【0058】さらに、試料No.15では、平均結晶粒
子径が7μm以上と大きく、試料No.17は、平均結
晶粒子径が0.5μmと小さいため、両試料共に隔壁の
折れが発生した。
【0059】これに対し、試料No.3〜7,12〜1
4及び18〜20のように、Feの含有量が0.03〜
0.5重量%、平均結晶粒子径が0.6〜7μmの範囲
にあるものは、隔壁の折れがみられず、また、圧電定数
d及び抗電界Ecを試料No.1,10,16に示す従
来の圧電磁器組成物と比較して高い値を得ることができ
た。
【0060】このように、Pb(Zr Ti)O3組成
系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の元素で
置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3
2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2
1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカイ
ト型化合物を主成分とし、副成分としてFeをFe23
に換算して0.03〜0.5重量%の範囲で含有し、上
記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径が0.6〜
7μmであるとともに、4点曲げ強度が70MPa以上
で、かつ破壊靱性値が0.7MPam1/2以上である圧
電磁器組成物であれば、従来の圧電磁器組成物と比較し
て高い圧電定数d及び/又は抗電界Ecを得ることがで
き、さらには研削加工を施しても隔壁に大きなチッピン
グを生じたり破損することがなく、研削性に優れてい
た。 (実施例2)次に、表1のうち、試料No.5,9の流
路部材を用い、各流路部材の隔壁の両側面上半分にスパ
ッタリング法にて白金からなる駆動用電極を形成し、し
かる後、インク供給孔を備えたアルミナセラミック製の
蓋板を、流路部材の各流路を塞ぐように隔壁の頂面にエ
ポキシ系樹脂により接着するとともに、流路部材の開放
端部に、各流路と連通するインク吐出孔を備えたポリイ
ミド樹脂製のノズル板をエポキシ系樹脂にて接着して図
1に示すヘッドを製作した。なお、本発明範囲外である
試料No.9の圧電磁器組成物により形成したものは、
流路部材の隔壁に折れが無い部分を選別してヘッドを製
作した。
【0061】そして、各ヘッドの流路内にインクを充填
し、駆動用電極に20Vの電圧を100Hr印加してイ
ンク吐出孔よりインク滴を吐出させ、この時のインク滴
の飛翔状況を、放電管を光源としフィルム上に記録させ
る高速度写真撮影装置によって観察した。
【0062】この結果、試料No.9の流路部材を用い
て形成した本発明範囲外のヘッドでは、インクの吐出速
度のバラツキが大きく、100Hr経過後、100個の
インク吐出孔のうち、30個のインク吐出孔からインク
滴が吐出されなくなった。
【0063】これに対し、試料No.5の流路部材を用
いて形成した本発明のヘッドは、100Hr経過後も、
100個のインク吐出孔全てから安定してインク滴を吐
出させることができ、信頼性の高いものであった。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、Feを
Fe23に換算して0.03〜0.5重量%含有し、残
部が実質的に、Pb(Zr Ti)O3組成系のPbの
一部を、Ba、Srのうち一種以上の元素で置換し、か
つ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3 Sb2/3)、
(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2 Te1/2)のうち一
種以上の成分で置換したペロブスカイト型化合物から成
り、上記ペロブスカイト型化合物の平均結晶粒子径が
0.6〜7μmであるとともに、4点曲げ強度が70M
Pa以上、破壊靱性値が0.7MPam1/2以上である
焼結体により圧電磁器組成物を構成したことによって、
従来の圧電磁器組成物と比較して圧電定数d及び抗電界
Ecを向上させることができ、大きな機械的変位量が要
求される圧電アクチュエータ用として好適に用いること
ができるとともに、ダイヤモンドホイールを用いた研削
加工を施したとしても折れやチッピング(欠け)等の欠
陥がなく、研削性を大幅に向上させることができる。
【0065】また、少なくとも一部が前記圧電磁器組成
物から成る複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流
路として成る流路部材と、上記隔壁の両側面にそれぞれ
形成された駆動用電極と、前記隔壁の頂面に接合され、
上記流路を覆う蓋板と、上記各流路と連通するインク吐
出孔とからインクジェット記録ヘッドを構成したことに
よって、隔壁を形成する圧電磁器組成物における分極度
の劣化が少なく、また、隔壁に折れやチッピング(欠
け)等の欠陥がなく、さらには隔壁の屈曲変位によって
破損することも少ないため、インク滴の吐出性能を高め
ることができるとともに、長期間にわたり、安定してイ
ンク滴を吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示
す一部を破断した斜視図である。
【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの駆動原理を説明した断面図である。
【図3】従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示す
一部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1,21・・・隔壁 2,22・・・流路 3,23・
・・駆動用電極 4,24・・・インク供給孔 5,25・・・インク吐
出孔 6,26・・・ノズル板 7,27・・・流路部材
8,28・・・蓋板 10,20・・・インクジェット記録ヘッド
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 2/16 H01L 41/08 U H01L 41/09 41/18 101E 41/187 101F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FeをFe23に換算して0.03〜0.
    5重量%含有し、残部が実質的に、Pb(Zr Ti)
    3組成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上
    の元素で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn
    1/3 Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2
    Te1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカ
    イト型化合物から成る焼結体であって、上記ペロブスカ
    イト型化合物の平均結晶粒子径が0.6〜7μm、上記
    焼結体の4点曲げ強度が70MPa以上、破壊靱性値が
    0.7MPam1/2以上であることを特徴とする圧電磁
    器組成物。
  2. 【請求項2】少なくとも一部が圧電磁器組成物から成る
    複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路とした流
    路部材と、上記隔壁の両側面にそれぞれ形成された駆動
    用電極と、前記隔壁の頂面に接合され、上記流路を覆う
    蓋板と、上記各流路と連通するインク吐出孔とを備えた
    インクジェット記録ヘッドにおいて、上記圧電磁器組成
    物を、FeをFe23に換算して0.03〜0.5重量
    %含有し、残部が実質的に、Pb(Zr Ti)O3
    成系のPbの一部を、Ba、Srのうち一種以上の元素
    で置換し、かつ(Zr Ti)の一部を、(Zn1/3
    Sb2/3)、(Zn1/3 Nb2/3)、(Ni1/2 Te
    1/2)のうち一種以上の成分で置換したペロブスカイト
    型化合物から成る焼結体であって、上記ペロブスカイト
    型化合物の平均結晶粒子径が0.6〜7μm、上記焼結
    体の4点曲げ強度が70MPa以上、破壊靱性値が0.
    7MPam1/2以上である圧電磁器組成物により形成し
    たことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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