JP4525779B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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Description

この発明は、インクジェットヘッドに関し、特に、インク室のインク流路を、ジルコン酸チタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)を主成分とする圧電セラミックス(以下、PZTという)とPZT以外のセラミックスとを用いて構成するインクジェットヘッドに関する。
圧電素子としてPZTを用いたピエゾ型インクジェットヘッドの種々の形態が知られている。これらは何れも、PZTに電極を設けて電圧を印可することにより、PZTを変形させ、インク室内のインクに圧力を与えてノズル孔からインクを吐出させるものである。PZTは比較的軟らかく加工し易いといったメリット有するため、PZTからなる基板(PZT基板)自体に溝加工を行うことでインク室を形成することを特徴としたインクジェットヘッドも提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、PZT基板は非常に高価であり、また、PZT基板等の圧電素子はインク室やそのインク流路を構成する全部材に用いる必要性もないので、インク室の一部を構成する部材として用いるのが一般的であり、例えば、特許文献2には、ノズルプレートとそれに対向して配置される供給プレート以外に、インク室を構成する部材として、2枚積層のPZT基板が側壁に用いられ、アルミナ基板を天板及び底板に用いる一態様が記載されている。また、この公報には、種々の加工を施しつつ組み上げたこれらPZT基板および天板と底板の2枚のアルミナ基板を主構成とするアクチュエータチップをディスコ社製ダイシングソーDFD−641にて切断して複数のアクチュエータチップを製造することが記載されている。
米国特許公報第5185055号 特開2000−263787号公報
しかしながら、このような従来のPZT基板を用いたピエゾ型インクジェットヘッドにおいて、PZT基板とそれ以外のセラミックス基板とを接合した状態で、ダイヤモンドブレード等によりそれら基板を共に切断する工程を経てインクジェットヘッドを製造した場合、その切断時にセラミックス基板から脱落した破片によりPZT基板に傷が発生することがあった。特に、PZT基板を側壁とし、天板および底板の少なくとも一方をセラミックス基板とする構成において、インク室のインク流路となる溝が形成され、側壁であるPZT基板とセラミックス基板の天板及び底板とが接合された状態で、ダイヤモンドブレード等によりインク流路の断面方向(インク流路の長さ方向と直交する方向)に切断する場合、その切断中に脱落したセラミックス基板の破片が溝に引っかかり、引き続く切断中に、やがてダイヤモンドブレードと切断面との間に巻き込まれ、ダイヤモンドブレードと切断面との間でダイヤモンドブレードに引きずられることにより、比較的軟らかいPZT基板に筋状の傷が発生したり、場合によってはPZT基板の切断面が完全に欠けてしまうことがあった。
このようなPZT基板に傷や欠けを生じると、インクの射出スピードが低下したり、各ノズルで射出スピードが異なったりしてインクジェットヘッドの性能を低下することとなる。また、傷や欠けを生じたPZT基板の切断面に、ノズルプレート等を接着剤で接合したインクジェットヘッドでは、インク漏れを生じたりするという問題があり、このような欠陥をもったインクジェットヘッドは、製品として使用することができず、品質検査工程で不良品として廃棄されることになる。
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドの製造歩留まりを向上し、安定した吐出性能を有するとともに低コスト化が可能なインクジェットヘッドを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、インク室を形成する部材の少なくとも一部に、PZT基板とPZT基板以外のセラミックス基板とを用い、前記PZT基板と前記セラミックス基板とが接合された状態で共に切断された切断面と、前記インク室にインクを供給するためのインク導入口が設けられた供給プレートとを有し、前記切断面に前記供給プレートが接合されているインクジェットヘッドであって、前記セラミックス基板の粒径は前記PZT基板の粒径よりも小さいことを特徴とする。
請求項2の発明は、インク室を形成する部材の少なくとも一部に、PZT基板とPZT基板以外のセラミックス基板とを用い、前記PZT基板と前記セラミックス基板とが接合された状態で共に切断された切断面又は切削された切削面を有し、該切断面又は切削面が前記インク室の壁面を形成しているインクジェットヘッドであって、前記セラミックス基板の粒径は前記PZT基板の粒径よりも小さいことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記供給プレートは接着剤を介して前記切断面に接合されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの発明において、前記セラミックス基板はアルミナ基板であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかの発明において、前記セラミックス基板の粒径は2μm以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記PZT基板の粒径は4μm以上7μm以下であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかの発明において、前記PZT基板は前記インク室の両側壁を構成し、前記セラミックス基板は前記インク室の底板又は天板、あるいは底板及び天板を構成していることを特徴とする。
請求項1、3の発明では、切断によってセラミックス基板の破片が脱落しても、その破片により製造時の検査で不良製品となるような傷等がPZT基板に発生することを低下できる。簡易な製造で、製造歩留まりの高いアクチュエータチップの複数個の同時製造等も可能であり、インクジェットヘッドの低コスト化ができる。
請求項2の発明では、切断や切削によってセラミックス基板の破片が脱落しても、その破片により製造時の検査で不良製品となるような傷等がPZT基板に発生することを低下できる。
請求項4の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかの発明の効果に加えて、安価なインクジェットヘッドを提供できる。
請求項5の発明では、請求項1〜請求項4のいずれかの発明の効果に加えて、インクの射出スピードに悪影響を与えるような傷等がPZT基板に発生することを低下でき、安定した吐出性能を有するインクジェットヘッドを得ることができる。
請求項6の発明では、請求項5の発明の効果に加えて、高速化に対応可能で高精細なインクの射出が可能なインクジェットヘッドを容易に製造し得る。
請求項7の発明では、請求項1〜請求項6のいずれかの発明の効果に加えて、いわゆるシェアモードのピエゾ型インクジェットヘッドを安価に提供することが可能となる。
以下、本発明に係るインクジェットヘッドの実施形態について図面を参照して説明する。尚、本明細書中でいうPZT基板或いはPZT基板以外のセラミックス基板の粒径とは、それら基板中に存在する結晶粒子の平均粒径を表している。これら基板を焼成する前の原材料粒子の粒径分布は、例えばJIS−R1629に定義される方法、つまりレーザー照射後の散乱光の測定により求められ、焼成後の基板の結晶粒子の粒径分布も原材料の粒径分布をほぼ反映したものとなる。焼成後のPZT基板或いはPZT基板以外のセラミックス基板から結晶粒子の粒径分布を実測するには、それら基板の破断面の電子顕微鏡画像から求めることができる。具体的には、コンピューターに電子顕微鏡画像を取り込み、各々の結晶粒子の粒径を、画像処理ソフトウェアを用いて測定し、粒径分布を求める。本実施形態においては、基板の破断面(切断面)を電子顕微鏡で観察したときの所定の面積(100μm×100μm)における電子顕微鏡画像から粒径分布を求め、平均粒径を得た。
(第1実施形態)
図1にシェブロンタイプのインクジェットヘッドの主要部の分解斜視図を示す。同図に示すように、このインクジェットヘッド10は底板1、互いに逆方向に分極された圧電素子である2枚のPZT基板2a、2b、天板4、ノズルプレート5、供給プレート6を備える。これらの部材が貼り合わされた状態で、溝A、B部分はそれぞれインク室、空気室として用いられる。
PZT基板2a、2bは、ジルコン酸チタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)を主成分とし圧電特性を有する圧電性セラミックス(PZT)からなる基板であり、圧電定数やその高周波応答性などの圧電特性に優れる。特に、このPZT基板2a、2bの粒径を4μm以上7μm以下にすると、PZT基板全体の柔軟性を高めることができ、インクの吐出性能に優れ、高速印字や高精細なインクの射出が容易となるインクジェットヘッドを容易に製造できて好ましい。本実施形態では粒径5μmのものを用いた。
底板1及び天板4には、機械的強度が高く、耐インク性を備えたものであれば、種々の材質のものを用いることができる。このような基板として、セラミックス基板を用いることが好ましく、更に、PZT基板との接合を考慮すると、PZT基板のような圧電性セラミックス基板ではなく、非圧電性のセラミックス基板を用いることが好ましく、圧電性セラミックスの側壁の変位を強固に支えることができ、かつ自身の変形が少ないために、効率的な駆動ができ、低電圧化が可能となるので好ましい。例えば、シリコン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化アルミニウム、窒化シリコン、シリコンカーバイト、石英の少なくとも1つを主成分とした基板等を用いることができる。特に、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウム等を主成分とするセラミックス基板は、板厚が薄くても優れた基板特性を有し、駆動時の発熱や環境温度の変化に伴う基板の膨張によるそりやストレスでの破壊を低下できるので好ましく、さらに酸化アルミニウムを主成分とする基板は安価で高絶縁性であるのでより好ましい。特に、PZT基板を側壁とし、PZT基板以外のセラミックス基板を底板及び/又は天板とすると、高性能のシェアモードのピエゾ型インクジェットヘッドを安価に製造できるので好ましい。更に、そのセラミックス基板として酸化アルミニウム基板を用いると、インクジェットヘッドがより安価に製造し得る。
本発明では、このようにインク室を構成する部材、特にインク室のインク流路を構成する部材に、PZT基板とPZT基板以外のセラミックス基板を用いる場合に、PZT基板の粒径よりも粒径が小さいセラミックス基板を用いる。これによりPZT基板とそのセラミックス基板とが接合された後の工程で、両者をともにダイヤモンドブレード等によって切削や切断を行っても、PZT基板の切断面等に傷や欠けが発生することを低減できる。PZT基板以外のセラミックス基板の好ましい粒径は2μm以下であり、これによりインクの射出スピードに影響を与えるような傷等のPZT基板への発生を著しく低下し、安定した吐出性能を有するインクジェットヘッドを得ることができる。
本実施形態では、底板1及び天板4ともにPZT基板よりも粒径の小さいセラミックス基板とし、より具体的には、酸化アルミニウムを主成分とする粒径2μmのアルミナ基板を用いた。これによりヘッド全体が軽くなり好ましい。
また、天板4には貫通孔4aを設けている。貫通孔4aの内部は金属材料が埋め込まれており、天板4の上面側には接続電極7が該金属材料と電気的に接続されている。
ノズルプレート5としては、ポリアルキレン、エチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース等のプラスチックが好適である。本実施形態ではポリイミドのフィルムを用いた。また、ノズルプレート5には、インクを吐出するためのノズル孔5aを設けている。
供給プレート6も、前述のノズルプレートと同様の材料を用いることができ、特にプラスチックを用いることが好適である。本実施形態ではノズルプレート5と同様にポリイミドのフィルムを用いた。また、供給プレート6には、図示しないインク供給部に連通され、インク室へのインクの流動を制限するインク導入口6aを設けている。
なお、詳細な説明は省略するが、圧電素子であるPZT基板2a、2bをせん断変形させるため、インク室及び空気室の底面部、側面部および上面部(天板4の溝A、Bに面した部分)の各表面には、蒸着、スパッタリング、あるいはメッキ等により、金、銀、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タンタル、あるいはチタンからなる金属の電極を設ける。特に、電気的特性や加工性の点から、金、アルミニウムが好ましい。溝の側壁をなすPZT基板2a、2bの表面である側面部に設けられる電極以外は、必要に応じて設けられればよく、特に、上面部に設けた電極は外部との電気的接続のために設けたものである。そのため、本実施形態では、天板4で溝A、Bを覆った後に、ニッケルの電極(電極膜)をメッキ法により形成した。したがって、本実施形態のように、天板4に貫通孔4aを設け、それを利用して外部との電気的接続をするような形態でない場合には、天板4で溝A、Bを覆う前に、よく知られたスパッタ法で溝A、Bの底面部および側面部に電極(電極膜)を設け、その後に溝A、Bを覆うように天板4を接着接合するようにしてもよい。また、水系インクを使用する場合、インクによる腐食を防止するために、インク室の電極(電極膜)にはそれを被覆するパリレン膜等の保護膜を設けることが好ましい。
また、PZT基板2a、2bを駆動する電圧を印可するインク室の電極および接地する空気室の電極とのそれぞれ外部との接続には、本実施形態では天板4に設けられた接続電極7が用いられ、上記上面部(天板4の溝A、Bに面した部分)の電極とインク室の外側(表面側)の接続電極7とは貫通孔4aに金属ペーストをスクリーン印刷で充填しておくことにより接続した。金属ペーストとしては、電極に用いられる金属と同様の材料を用いることができる。このようにすることで、従来のようにワイヤーボンディングや半田付けといった工程が不要で、駆動電極の取出が簡単且つ確実であり、低コスト且つコンパクトなインクジェットヘッドを得ることができる。
上記のインクジェットヘッド10の製造において、底板1上にPZT基板2a、2bを積層した状態から、ノズルプレート5や供給プレート6を接合するまでの主な製造フローについて図2のインクジェットヘッドの一部拡大図を用いて説明する。図2において、図面左側にその正面図を示し、右側にそのC−C’断面の側面図を示す。尚、同図において、図1と同様な部材には同一符号を用いた。
図2において(1)は、底板1に、互いに逆極性に分極されたPZT基板2a、2bを積層した状態を示す。底板1には、40mm×20mm角、厚さ0.9mmの粒径2μmのアルミナ基板を準備し、このアルミナ基板上に2液性エポシキ接着剤を薄く塗布した。また、40mm×20mm角、厚さ0.1mmのPZT基板2aを重ね、その上に更に2液性エポキシ接着剤を薄く塗布し、同様サイズ、厚さのPZT基板2bを重ね、120℃、5kg/cm2の加熱プレス機で、20分間加圧接着硬化させた。各々の接着剤の厚みは2μmであった。(尚、図においては接着剤を省略している。)
次に、円板状の砥石(ダイヤモンドブレード)にて幅70.5μmの溝(インク室用の溝Aと空気室用の溝B)を、141μmピッチで長辺方向に、256本加工する。この溝は2枚の積層PZT基板2a、2bを加工して形成する。尚、図1のインクジェットヘッドにおいては溝Aと溝Bとを異なる幅としているが、図2では同じ幅で示した。このように溝の幅は適宜選択することができる。こうして溝状加工が施され、溝A、Bが形成された状態を図2中の(2)に示す。また、ダイヤモンドブレードを備えた装置としては、例えば、ディスコ社製ダイシングソーDFD−641を用いることができる。
その後、この溝状加工済みの基板上に、2液性エポキシ接着剤を薄く塗布した、40mm×20mm角、厚さ0.9mmの粒径2μmのアルミナ基板である天板4を重ね、120℃、5kg/cm2、20分間で加熱加圧接着する。この状態を図2中の(3)に示す。ここで、8はインク室のインク流路である。天板4は、C−C’断面の側面図に示される通り、インク流路8の長さ方向に3列(個)の貫通孔4aが形成されている。天板4は、溝状加工済みの基板の天板として溝A、Bを覆うように接着接合される前に、予め貫通孔4aには電極を充填するとともに、天板4の上面の貫通孔4a周囲には接続電極7を形成しておく。そして、溝状加工済みの基板上に天板4を接着接合した後に、インク室及び空気室の上面部である天板4の溝A、Bに対向する面および溝の内面全体に、メッキ法により4μm厚のニッケル電極膜を形成する(図示せず)。このメッキを行う際には、天板4の上面等のニッケル電極膜のメッキが必要ない部分には、フィルム等を貼って保護しておき、メッキ処理後に、そのフィルム等とその上に形成されたニッケル電極膜とを除去する。また、メッキ法によって形成された電極膜の不要部分をレーザーにより除去しても良い。その後、インク室のニッケル電極膜上(インク流路8の全面)にパリレン保護膜を形成した(図示せず)。
なお、天板4を接着接合する前に、スパッタリング等により溝A、Bの底面部及び側面部に電極膜を形成する場合には、例えば、上記の3基板を積層接合した基板(図2中の(1))上に、40mm×20mm角、30μm厚のドライフィルム(デュポン製FX−130)をラミネーターで圧着し、そのドライフィルムと2枚の積層PZT基板2a、2bを溝状加工して、溝A、Bを形成した後、スパッタリング等による電極膜を形成し、その後、N−メチルピロリドン溶液等に浸漬して、そのフィルム等とその上に形成された電極膜とを除去することで電極膜が必要ない部分から電極膜を除去し、次に天板4を接着接合することによって製造することができる。
こうして、底板1と、側壁となるPZT基板2a、2bと、天板4とを基本部材として備え、インク室の基本的な構成となる構造が形成された部材(以下、単にアクチュエータという)を、次に、ダイヤモンドブレードにて溝の長さ方向を分割する方向に(インク流路の長さ方向に直交する方向に)、6mm幅に切断し、3個のアクチュエータチップを製造した。切断された状態を図2中の(4)に示す。
その後は、各チップに2液式エポキシ接着剤を必要箇所に転写印刷し、ノズルプレート5と供給プレート6とをそれぞれ位置合わせし、120℃、10分間で接着接合する(ノズルプレート5及び供給プレート6、およびそれらの接合位置については、本実施形態では図1参照のこと)。こうしてインクジェットヘッドにおける主要なインク室が構成される。この実施形態においては、図2中の(4)の側面図で中央に位置するインクジェットヘッドのアクチュエータチップは、接着剤を介してノズルプレート5を接合する場合に、必ずダイヤモンドブレードにより切断された切断面にてノズルプレート5が接合されることになるが、本実施形態では、切断面内のPZT基板表面にも接着不良やインク漏れを起こすような傷や欠けの発生はなく、性能の安定したインクジェットヘッドを得ることができた。また、切断面に供給プレート6が接着剤を介して接合される場合も、同様に接着不良やインク漏れといった不具合は生じなかった。このようにして、簡易な製造で、製造歩留まりの高いアクチュエータチップの複数個(本実施形態では3個)の同時製造ができ、インクジェットヘッドの低コスト化を図ることができる。
ここで、本実施形態では、切断面に接着剤を直接塗設したが、切断面を清浄化するために、アセトン等による超音波洗浄、プラズマ処理、UV処理等を行った後に、接着剤を介して接合するようにしてもよい。これにより、有機物汚染を洗浄除去でき、切断面への接着剤の濡れ性を向上させ、微小な泡の残留や接着不良を排除することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態における底板1と2枚の積層PZT基板2a、2bとを接着接合した状態で、PZT基板2a、2bを溝状加工することに代えて、底板1の上方部までダイヤモンドブレードにて溝状加工を施してして溝A、Bを形成した以外は、第1実施形態と同様にしてインクジェットヘッドを製造した。この第2実施形態においても、同様にPZT基板表面に接着不良やインク漏れを起こすような傷や欠けの発生はなく、性能の安定したインクジェットヘッドを得ることができた。
また、本実施形態では、溝状加工の際に、底板1のセラミックス基板(実施形態ではアルミナ基板)がダイヤモンドブレードにて切削されるが、セラミックス基板の破片や粒塊により、インク室を形成するためのインク流路8の側壁となるPZT基板表面に傷の発生はほとんど見られず、その後の電極膜やパリレン膜等の有機絶縁膜といった保護膜を塗設しても、それらにピンホールを生じることもなかった。このように、インク室のインク流路内面が切削されても、その切削面の表面形状は滑らかで、吐出性能等の劣化も見られなかった。本実施形態においてもインク室の底面が平滑面にできるので、高い吐出効率を得ることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態においては、底板1とPZT基板2aとが別部材であり、それら部材およびPZT基板2bを積層して接着剤を介して接合する構成であったが、その構成に代えて、図3に示すように、底板1とPZT基板2aとが一体的なPZT基板3aを準備し、このPZT基板3aとPZT基板3bとを積層し接着剤を介して接合する以外は、第1実施形態と同様にしてインクジェットヘッド20を製造した。この第3実施形態においても、天板4のセラミックス基板(実施形態ではアルミナ基板)の破片や粒塊により、PZT基板表面に接着不良やインク漏れを起こすような傷や欠けの発生はなく、性能の安定したインクジェットヘッドを得ることができた。これにより、不良製品の発生を抑えることができ、製造コストを低下することができる。尚、図3において、図1と同様な部材は同一符号を用いた。
(第4実施形態)
図4に概略を示すシェブロンタイプのインクジェットヘッド30は、ダイヤモンドブレードにて切削され溝加工が施された2枚のPZT基板32a、32bを、セラミックス基板33を介して各PZT基板32a、32bに形成された溝が対向するように積層して接着剤を用いて接合し、更に、それに接着剤を用いてノズルプレート35と供給プレート36を接合して構成される多段ノズル孔35aを備えたインクジェットヘッドの一例である。第1実施形態と同様に、溝A、Bの部分はそれぞれインク室、空気室として用いられる部分を示す。また、溝の側面部となるPZT基板表面への電極の形成や水系インクを使用する場合のその電極上への有機絶縁膜といった保護膜形成等は、公知の種々の態様とすることができるので、ここではそれらの説明は省略する。
本実施形態では、PZT基板32a、32bには粒径5μmのものを用い、セラミックス基板33には、PZT基板以外のセラミックス基板として非圧電性のセラミックス基板である粒径3μmの酸化ジルコニウム基板を用いた。
また、ノズルプレート35及び供給プレート36としては、上述した種々の材料を用いることができる。尚、本実施形態では、供給プレート36に設けられるインク導入口36aは、ノズルプレート35に設けられたノズル孔35aの複数に対して共用される構成とした。
本実施形態のインクジェットヘッド30の製造においては、ノズルプレート35及び供給プレート36を接合する前の段階で、第1実施形態と同様に、セラミックス基板33とこのセラミックス基板33を挟み込んだ2枚のPZT基板32a、32bとで構成されたアクチュエータは、図4に示した形状を溝の長さ方向に延長した構成、言い換えれば、図4に示した形状が溝方向に複数個分連続するような形状に形成されていたものである。それ(アクチュエータ)を第1実施形態と同様に、溝の長さ方向と直交する方向にダイヤモンドブレードにより切断して、各アクチュエータチップを得たものである。その後、各アクチュエータチップにノズルプレート35及び供給プレート36を接合して複数個のインクジェットヘッドを製造した。
この場合においても、セラミックス基板33(実施形態では酸化ジルコニウム基板)の破片や粒塊により、PZT基板表面に接着不良やインク漏れを起こすような傷や欠けの発生はなく、性能の安定したインクジェットヘッドを得ることができた。
(その他の実施形態)
以上、具体的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明はそれら実施形態に限定されるものではなく、種々の形態のインクジェットヘッドに適用できる。
例えば、第1実施形態において、2枚のPZT基板を積層して用いたが、1枚のPZT基板を用いてもよく、また、3枚以上のPZT基板を積層して用いてもよい。
また、第1実施形態では、PZT基板以外のセラミックス基板である底板と、インク室や空気室の側壁となるPZT基板と、PZT基板以外のセラミックス基板である天板とによりアクチュエータチップの主要部を構成したインクジェットヘッドを示したが、例えば、側壁をPZT基板以外のセラミックス基板とし、天板にPZT基板を用いるインクジェットヘッドにも適用できる。また、複数個のアクチュエータチップを同時に製造する場合に限らず、1個のアクチュエータチップを製造する際に、PZT基板とそれ以外のセラミックス基板とを接合した状態で切削や切断する工程を含む場合にも適用でき、要するに、ダイヤモンドブレード等により、セラミックス基板とPZT基板とを共に切削や切断する工程を経て製造されるインクジェットヘッドであれば、その具体的なインクジェットヘッドの形態によらず、本発明を適用可能であり、それによってPZT基板表面に接着不良やインク漏れを起こすような傷や欠けの発生はなく、性能の安定したインクジェットヘッドを得ることができるので好ましい。
また、以上の実施形態においては、インク室の両側に空気室を配置したインクジェットヘッドを挙げて説明したが、インク吐出のためのPZT基板の剪断変形等の変形を許容し、吐出対象のインク室ではないインク室に影響を及ぼしてインクが吐出したり、インク漏れが生じたりすることがなければ、空気室が空気ではなくインクが充填される形態でもよく、また、空気室を設けずにインク室を隣接させた形態のインクジェットヘッドにも同様に実施することができる。
本発明の実施形態によるインクジェットヘッドの主要構造を示す分解斜視図である。 図1のインクジェットヘッドの製造フローに沿ったインクジェットヘッドの状態を示す部分正面図及び断面側面図である。 本発明の別の実施形態によるインクジェットヘッドの主要構造を示す分解斜視図である。 本発明の他の実施形態によるインクジェットヘッドの主要構造を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 底板
2a、2b、32a、32b PZT基板
33 セラミックス基板
4 天板
5、35 ノズルプレート
6、36 供給プレート
10、20、30 インクジェットヘッド

Claims (7)

  1. インク室を形成する部材の少なくとも一部に、PZT基板とPZT基板以外のセラミックス基板とを用い、前記PZT基板と前記セラミックス基板とが接合された状態で共に切断された切断面と、前記インク室にインクを供給するためのインク導入口が設けられた供給プレートとを有し、前記切断面に前記供給プレートが接合されているインクジェットヘッドであって、前記セラミックス基板の粒径は前記PZT基板の粒径よりも小さいことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. インク室を形成する部材の少なくとも一部に、PZT基板とPZT基板以外のセラミックス基板とを用い、前記PZT基板と前記セラミックス基板とが接合された状態で共に切断された切断面又は切削された切削面を有し、該切断面又は切削面が前記インク室の壁面を形成しているインクジェットヘッドであって、前記セラミックス基板の粒径は前記PZT基板の粒径よりも小さいことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 前記供給プレートは接着剤を介して前記切断面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記セラミックス基板はアルミナ基板であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記セラミックス基板の粒径は2μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記PZT基板の粒径は4μm以上7μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記PZT基板は前記インク室の両側壁を構成し、前記セラミックス基板は前記インク室の底板又は天板、あるいは底板及び天板を構成していることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
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