JP2003309302A - 圧電膜型素子構造体と液体噴射ヘッドおよびそれらの製造方法 - Google Patents

圧電膜型素子構造体と液体噴射ヘッドおよびそれらの製造方法

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JP2003309302A
JP2003309302A JP2002115801A JP2002115801A JP2003309302A JP 2003309302 A JP2003309302 A JP 2003309302A JP 2002115801 A JP2002115801 A JP 2002115801A JP 2002115801 A JP2002115801 A JP 2002115801A JP 2003309302 A JP2003309302 A JP 2003309302A
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Tetsuro Fukui
哲朗 福井
Kenichi Takeda
憲一 武田
Hiroshi Aoto
寛 青砥
Katayoshi Matsuda
堅義 松田
Toshihiro Ifuku
俊博 伊福
Yutaka Kagawa
豊 香川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非鉛系単結晶体を用いて、特性ばらつきを抑
制した良好な圧電特性を有し、高密度でかつ長尺の圧電
膜型素子構造体や液体噴射ヘッドを作製する。 【解決手段】 非鉛系単結晶体のバルク体1を圧電特性
が大きくなる結晶方位に合わせてスライスカットして薄
膜化した単結晶薄膜2を基板3に接合して、基板3上で
単結晶薄膜2を研磨およびパターニングして単結晶圧電
膜4を形成する。そして、単結晶圧電膜4に振動板5を
接合し、その後に、基板3を剥離除去して、非鉛系単結
晶圧電膜4を用いた圧電膜型素子構造体を作製する。こ
のように非鉛系単結晶体を所定の方位に沿ってスライス
カットすることにより、PZT以上の優れた圧電特性を
有効に利用でき、さらに、単結晶体のサイズに限定され
ることなく高密度でかつ長尺で環境問題のない液体噴射
ヘッドを作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉛系圧電単結晶
体を用いた圧電膜型素子構造体と液体噴射ヘッド、およ
びそれらの製造方法に関するものである。
【0002】なお、ここで呼称される圧電膜型素子と
は、電気エネルギーを機械エネルギーすなわち機械的な
変位や振動あるいは応力に変換する素子およびその逆の
変換を行う素子を意味するものとし、液体噴射ヘッドは
勿論、マイクロホン、スピーカーなどの発音体、各種振
動子や発振子、さらには各種のセンサー等に用いること
ができるものである。
【0003】
【従来の技術】近年、パソコン等の印刷装置として液体
噴射ヘッド(インクジェットヘッド)を用いたプリンタ
が、その印字性能が良好で、取り扱いが簡単でありかつ
低コスト等の理由から、広く普及している。このような
液体噴射ヘッドには、熱エネルギーによってインク等の
液体中に気泡を発生させ、その気泡による圧力波により
液滴を吐出させるもの、静電力により液滴を吸引吐出さ
せるもの、圧電膜型素子のような振動子による圧力波を
利用したもの等の種々の方式がある。
【0004】一般に、圧電膜型素子を用いた液体噴射ヘ
ッドは、例えば、液供給室に連通する圧力室とその圧力
室に連通した液吐出口とを備え、その圧力室に圧電膜が
接合された振動板を配設して構成されている。このよう
な構成においては、圧電膜と振動板からなる圧電膜型素
子に所定の電圧を印加して圧電膜型素子を伸縮させるこ
とにより、たわみ振動を起こさせて圧力室内の液体を圧
縮することにより液吐出口から液滴を吐出させている。
【0005】また、カラーの液体噴射記録装置が普及し
てきたが、その印字性能の向上、特に、高解像度化およ
び高速印字、さらにはヘッドの長尺化が求められてい
る。そのため、液体噴射ヘッドを微細化したマルチノズ
ルヘッド構造を用いて、高解像度および高速印字を実現
することが試みられている。液体噴射ヘッドを微細化す
るためには、液体を吐出させるための圧電膜型素子を小
型化することが必要になる。さらには、低コストで精度
の高い長尺の液体噴射ヘッドを提供することが望まれて
いる。
【0006】このような圧電膜型素子を用いて、振動板
を変位させることにより液体を吐出させる方式として
は、圧電膜のd33モードを利用するピストンタイプ、d
31モードを利用する撓みタイプ、あるいはd15モードを
利用するシェアーモードタイプがある。
【0007】ピストンタイプは、吐出パワーが大きい点
で優れているが、圧電膜を積層体の厚膜で使用すること
より、機械的加工切断精度が圧電膜型素子構造体あるい
は液体噴射ヘッドの密度に影響し、密度を機械加工精度
以上に高くすることができず、小型化が困難であるとい
う問題、さらには、加工切削屑のPbによる環境問題等
がある。
【0008】また、シェアーモードタイプの素子は、隔
壁を変位させるタイプと平板を変位させるタイプがあ
り、前者は、圧電セラミックスのバルク体を切削加工す
るため、上記のピストンタイプと同様の問題を有する。
また、後者は、櫛型電極等を用いて平板を変位させるも
のであり、変位量が少ないため、高密度化には不適であ
る。また、分極処理のために駆動用とは別の電極が必要
である等の問題がある。
【0009】d31モードを利用する撓みタイプは、圧電
膜を薄膜化することで、高密度化が図られることおよび
小型化が比較的容易である等の利点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の圧
電膜型素子構造体における圧電膜には、一般に、PZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)のセラミックス体が使用され
ており、近年、環境問題から鉛フリーの材料からなるデ
バイスが望まれている。しかしながら、PZTの良好な
圧電特性を凌ぐ非鉛系材料はセラミックス体では得られ
ておらず、非鉛系材料によるPZTの特性と同等な圧電
膜型素子構造体や液体噴射ヘッドを作製することができ
なかった。このため、非鉛系材料で、高密度でかつ液体
吐出に必要な特性を有する液体噴射ヘッドをこれまで実
現することができなかった。
【0011】なお、非鉛系の材料を用いて圧電膜型素子
構造体を作製した例としては、例えば、特開平11−5
305号公報や特開2000−6400号公報に記載さ
れているものがある。これらの公報には、単結晶のニオ
ブ酸リチウムやニオブ酸カリウムを液体噴射ヘッドに利
用する技術が記載されている。前者の公報には、ユニモ
ルフおよびバイモルフの液体噴射ヘッド構成が記載され
ているが、直接接合によって基板を接合することのみを
特徴としており、具体的に、高密度でかつ長尺のヘッド
の製造方法に関する手段の記載はない。また、後者の公
報には、圧電膜上に、電鋳法により、液室等を形成する
方法が記載されているが、圧電膜の長さがヘッドデバイ
スの最大長さになってしまうため、長尺のヘッドを作製
することができないという問題がある。また、圧電膜上
全面に金属層を設けていくために隣接する液室とのクロ
ストークが発生し、高密度な液体噴射ヘッドにはならな
いという問題がある。
【0012】また、ニオブ酸系単結晶材料は、分極処理
を均一に行うことが困難であり、単結晶のバルク体から
薄膜の切り出し方によって、特性の違う素子になり、そ
の結果、ばらつきの大きなデバイスになってしまうとい
う問題があった。
【0013】そこで、本発明は、前述した従来技術の有
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、特性
ばらつきを抑制した良好な圧電特性を有し、高密度でか
つ長尺の圧電膜型素子構造体と液体噴射ヘッドおよびそ
れらの製造方法を提供することを目的とし、さらに詳細
には、ニオブ酸系材料やチタン酸バリウム系材料等の非
鉛系単結晶体を用いて、特性ばらつきを抑制した良好な
圧電特性を有し、高密度でかつ長尺で、しかも環境問題
のない圧電膜型素子構造体と液体噴射ヘッドおよびそれ
らの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の圧電膜型素子構造体の製造方法は、圧電膜
と振動板を有する圧電膜型素子構造体の製造方法におい
て、単結晶膜からなる圧電膜を基板に接合する工程と、
基板に接合された単結晶圧電膜を振動板に接合する工程
と、基板を単結晶圧電膜から剥離する工程を含むことを
特徴とする。
【0015】本発明の圧電膜型素子構造体の製造方法に
おいては、基板が、高分子基板またはセラミックス基板
であることが好ましい。
【0016】本発明の圧電膜型素子構造体の製造方法に
おいては、単結晶圧電膜は、単結晶体を所定の結晶方位
に沿って切断加工して薄膜化されていることが好まし
く、さらに、単結晶圧電膜は、非鉛系材料であり、ニオ
ブ酸系材料あるいはチタン酸バリウム系材料であること
が好ましい。
【0017】本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、液
吐出口と、該液吐出口に接続された圧力室と、該圧力室
の一部に設けられた振動板と圧電膜からなる圧電膜型素
子構造体とを備え、前記圧電膜型素子構造体を作動させ
ることにより液吐出口から液体を吐出させる液体噴射ヘ
ッドの製造方法において、単結晶膜からなる圧電膜を基
板に接合する工程と、単結晶圧電膜をパターニングする
工程と、パターニングされた単結晶圧電膜を振動板に接
合する工程と、基板をパターニングされた単結晶圧電膜
から剥離する工程を含むことを特徴とする。
【0018】本発明の液体噴射ヘッドの製造方法におい
ては、基板が、高分子基板またはセラミックス基板であ
ることが好ましい。
【0019】本発明の液体噴射ヘッドの製造方法におい
ては、単結晶圧電膜は、単結晶体を所定の結晶方位に沿
って切断加工して薄膜化されていることが好ましく、さ
らに、単結晶圧電膜は、非鉛系材料であり、ニオブ酸系
材料あるいはチタン酸バリウム系材料であることが好ま
しい。
【0020】本発明の圧電膜型素子構造体は、前述した
圧電膜型素子構造体の製造方法によって作製されたこと
を特徴とし、また、本発明の液体噴射ヘッドは、前述し
た液体噴射ヘッドの製造方法によって作製されたことを
特徴とする。
【0021】本発明の圧電膜型素子構造体および液体噴
射ヘッドにおいては、単結晶圧電膜は、断面形状が平行
四辺形状、台形形状、あるいは逆台形形状であることが
好ましい。
【0022】
【作用】本発明によれば、非鉛系単結晶圧電膜を振動板
に直接成膜するのではなく基板を介在させて圧電膜型素
子構造体を形成するものであって、圧電膜を形成する工
程と圧電膜を振動板に接合する工程が分離され、圧電膜
の成膜プロセスと素子構造体の製造プロセスが機能分離
されていることにより、圧電膜型素子構造体の振動板の
材料を幅広く選択することができ、圧電膜の性能を任意
に調整した圧電膜型素子構造体を得ることができる。
【0023】また、非鉛系単結晶圧電体のバルク体をP
ZT以上の圧電特性を発現する結晶方位に沿ってスライ
スカットして薄膜化した単結晶圧電薄膜を後に剥離する
基板に接合してパターニング等によって圧電膜型素子を
作製することにより、単結晶バルク体の部位による特性
ばらつきを抑制した良好な圧電特性を利用することがで
き、さらに、単結晶体のサイズに限定されることなく高
密度でかつ長尺で、しかも環境問題のない圧電膜型素子
構造体および液体噴射ヘッドを得ることができ、さら
に、圧電膜型素子構造体および液体噴射ヘッドの接合強
度や耐久性を向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0025】図1は本発明の圧電膜型素子構造体や液体
噴射ヘッドの製造方法における主要工程を概略的に示す
工程図であり、図2は本発明の製造方法により作製され
る圧電膜型素子構造体の一例を示す断面図であり、図3
は本発明の製造方法により作製される液体噴射ヘッドの
一例を示す断面図である。
【0026】本発明の圧電膜型素子構造体の製造方法
は、図1に示すように、単結晶薄膜2を基板3に接合し
て基板3上に単結晶圧電膜4を形成する工程(同図
(a)〜(d)参照)と、基板1上に形成された単結晶
圧電膜4の上に振動板等の基板5を接合する工程(同図
(e)参照)と、基板3を単結晶圧電膜4から剥離する
工程(同図(f)〜(g)参照)とを有している。
【0027】本発明の圧電膜型素子構造体に用いる単結
晶薄膜は、非鉛系材料であるニオブ酸系単結晶体、チタ
ン酸バリウム系単結晶体、ビスマス系化合物の単結晶体
等を用い、これらの単結晶体のバルク体をスライスカッ
ト(切断加工)して薄膜化し、デバイス化するものであ
る。これらの単結晶体のバルク体1(図1の(a))
は、通常、TSSG法、ブリッジマン法などの溶融状態
を経て作成することができる。ニオブ酸系単結晶として
は、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カ
リウムナトリウム、ニオブ酸カリウムビスマス等があ
る。また、チタン酸バリウム系単結晶としては、チタン
酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸バ
リウム−チタン酸ビスマス、チタン酸バリウム−チタン
酸ナトリウムビスマス等がある。
【0028】これらの非鉛系単結晶体は、その結晶方位
によって、PZT以上の圧電特性を発現するものであ
り、非鉛系単結晶体のバルク体を圧電特性が大きくなる
結晶方位に合わせてスライスカット(切断加工)して単
結晶薄膜を形成することにより、その良好な圧電特性を
有効に利用することができる。例えば、ニオブ酸カリウ
ムの場合には斜方晶単結晶を用い、Z軸の方向が基板平
面に対して30°〜60°の角度になるよう切断するの
が望ましい。また、チタン酸バリウム系単結晶は、正方
晶単結晶を用い、Z軸方向が基板平面に垂直になるよう
切断するのが望ましい。
【0029】単結晶薄膜2の厚さに関しては、単結晶体
のバルク体1から切断加工する厚さとしては0.1mm
厚程度が機械加工の限界である。ところで、単結晶圧電
薄膜の最適な膜厚は、圧電膜型素子構造体や液体噴射ヘ
ッドの仕様によって異なるが、高密度な素子を作製する
ためには、単結晶圧電薄膜をより薄膜化することが望ま
しい。このような単結晶薄膜の薄膜化の方法としては、
単結晶薄膜を基板に接合した後に単結晶薄膜を研磨ある
いはCMP等の方法で薄膜化することができる。したが
って、単結晶体のバルク体1からスライスカットする単
結晶薄膜2の膜厚としては、圧電薄膜のサイズや剛性等
によって適当な厚さの単結晶薄膜を用いれば良く、例え
ば0.1mm以上の厚さの薄膜とし、この単結晶薄膜2
を基板3(図1の(c))に接合するようにしても良
い。
【0030】圧電薄膜を基板に接合する接合手段として
は、一般的に、活性金属法、通電加熱、通電圧接、陽極
酸化接合法等や接着剤を用いることができる。
【0031】例えば、圧電薄膜上に金属単体、金属合
金、金属酸化物、金属窒化物あるいは金属間化合物を接
合層として設け、この接合層を基板に当接させ、その後
に、通電加熱、通電圧接あるいは低温加熱等により接合
することができる。接合層の金属あるいは合金として
は、例えば、Pd、In、Sn、Ni、Ga、Cu、C
r、Ag、Mo、Ti、Au、Zr等の金属のうち少な
くとも一種類以上の金属あるいはこれらの合金を用いる
ことができ、金属酸化物としては、例えば、SiO 2
CaO2 、TiO2 、ZnO等を、金属窒化物として
は、例えば、TiN、Si34 等を用いることがで
き、また、合金としては、例えば、PdIn3 、Al−
Cu、Ag−Ni、Ti−Ni等がある。金属間化合物
としては、例えば、Ti−Ni、Ag−Ni、Fe−C
o、Cr−Mo等である。
【0032】ここで、通電加熱とは、導電層を介して電
流を流し、自己発熱により接合させる方法である。電流
量としては0.5A/cm2 〜100A/cm2 で、好
ましくは1A/cm2 〜50A/cm2 である。通電圧
接とは、前記通電加熱法に加えてさらに圧力をかけ、よ
り強固に接合させる方法である。また、低温加熱とは、
300℃以下の温度で合金を形成する異種金属を組み合
わせて接合面で合金を形成して接合させる方法である。
【0033】また、活性金属法で、PdとInの組み合
わせを用いて接合する際には、200℃付近に加圧下加
熱することによって、接合面にPdIn3 の合金を形成
することができ、低温で接合することができ、好ましい
方法である。他には、例えば、Ag−Ni、Ti−N
i、Zr−Cu等の組み合わせにより、接合することも
可能である。
【0034】また、圧電薄膜を基板に接合する接着剤と
しては、天然高分子系、合成高分子系のいずれでも良
い。天然高分子系としては澱粉、合成高分子系として
は、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン・
ウレア系接着剤等を用いることができる。
【0035】本実施例においては、図1の(c)に示す
ように、単結晶薄膜2を基板3へ接合する接合方法とし
ては、上記の接合方法のうち有機接着剤を用いる方法が
好ましい。ホットメルト系接着剤の採用が好ましい態様
である。なお、その後の工程において、図1の(e)に
示すように、単結晶圧電膜4を第二の基板である振動板
5へ接合する接合方法としては、活性金属法、通電加熱
法、通電圧接法等を採ることが好ましい。
【0036】また、単結晶薄膜2を接合する基板3とし
ては、セラミックス基板、高分子基板、金属基板を用い
ることができる。より好ましくは、セラミックス基板、
高分子基板である。セラミックス基板としては、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、チタニア等であ
り、高分子基板としては、ポリスチレン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリウレア系樹脂、ポリビニル系樹脂等である。基板3
の板厚は、素子のサイズと基板のヤング率や熱膨張係数
等を考慮し、適宜選択することができるが、ハンドリン
グ等を考慮して、0.1mm〜10mm、好ましくは、
0.5mm〜5mmである。また、基板3は、その表面
粗度Raが0.01μm〜5μmであることが好まし
く、より好ましくは、0.02μm〜1μmである。さ
らに、基板3の裏面の表面粗度も同様に表面平滑性があ
ることが好ましく、裏面の表面粗度Raは0.01μm
〜10μmが好ましく、より好ましくは、0.01μm
〜5μmである。
【0037】なお、後の工程で単結晶圧電膜4に接合す
る振動板5としては、シリコン基板、ステンレス基板、
Ti箔等の金属基板や、パイレックス(登録商標)ガラ
ス等のガラス、ジルコニア、アルミナ等のセラミックス
基板を用いることができる。振動板5の表面も、基板3
と同様に、平滑性の良好なものを用いるのが良く、振動
板5の表面粗度Raは0.005μm〜3μmであるこ
とが好ましく、より好ましくは0.01μm〜2μmで
ある。
【0038】単結晶薄膜2は、基板3に接着剤により接
合された後に、さらに薄膜化するためにそして膜厚を均
一にするために、研磨あるいはCMP等により研磨加工
する。また、次工程の振動板5との接合のために単結晶
薄膜の表面粗度も重要な要素であり、接合前に単結晶薄
膜2の表面粗度Raを0.01μm〜2.5μmにして
おくことが好ましい。
【0039】次いで、図1の(d)に示すように、単結
晶薄膜2は、適宜パターニング等により、所望の形状の
単結晶圧電膜4を形成する。この単結晶薄膜のパターニ
ングは、後述する液体噴射ヘッド以外の圧電膜型素子構
造体においては、特に必要としない場合もある。なお、
単結晶薄膜のパターニングに関しては、後述する液体噴
射ヘッドの製造方法に関連して説明することとする。
【0040】次に、図1の(e)に示すように、基板3
上の単結晶圧電膜4に第二の基板としての振動板5を接
合する。振動板5を圧電膜4に接合する手段としては、
前述した活性金属法、通電加熱法、通電圧接法、あるい
は陽極酸化接合法等の方法を採用することができる。単
結晶圧電膜4に振動板5を接合する際には、その接合強
度として0.3kgf/mm2 以上の強度が得られる方
法が好ましく、活性金属法が好適である。このときに用
いる元素としては、前述したように、PdとInの組み
合わせが、200℃付近に加圧下加熱することでPdI
3 の合金を形成することができ、低温で接合すること
ができることから、好ましい。すなわち、接合する単結
晶圧電膜4と振動板5のそれぞれの相対向する面に、ス
パッタ法等によりPdとInをそれぞれ単層成膜し、ま
たは、In/Pdの積層を形成し、さらにまたは、一方
の面にInを、他方の面にIn/Pdの積層を形成し
て、両金属層を当接させて、加圧下で200℃の加熱に
より接合することができる。
【0041】振動板5を単結晶圧電膜4に接合した後
に、図1の(f)および(g)に示すように、基板3を
単結晶圧電膜4から剥離する。この基板3の剥離方法と
しては、予め基板3に易剥離層を設けておきこの易剥離
層を機械的に破壊して基板3を剥離する方法、レーザー
光を照射し剥離する方法、ウォータージェット法で束状
の流体を基板3と単結晶圧電膜4の界面に当てて剥離す
る方法、溶剤等で接着剤を除去し剥離する方法等を採る
ことができる。
【0042】以上のように非鉛系単結晶圧電膜を用いて
作製される圧電膜型素子構造体においては、図2に図示
するように、振動板12上の単結晶圧電膜11は、上下
に電極13、14を配した構成とされるが、振動板12
が金属である場合にはあえて下部電極(圧電膜11と振
動板12の間の電極13)は設ける必要はない。また、
単結晶圧電膜11を振動板12に接合する接合層が金属
層である場合にはこれを電極13として利用することも
できる。また、圧電膜11上への上部電極14の形成
は、基板を圧電膜11から剥離した後に、スパッタ法、
蒸着法あるいは塗布法などにより形成することができ
る。電極材料としては、例えば、Au、Pt、Cr、A
l、Cu、Ir、Ni等の金属材料を用いることがで
き、また、SRO、ITOなどの導電性酸化物でも良
い。
【0043】次に、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法
について、図1ないし図3を用いて説明する。
【0044】本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、前
述した圧電膜型素子構造体の製造方法と同様に、非鉛系
材料の単結晶体のバルク体をスライスカットして薄膜化
した単結晶薄膜を基板に接合する工程と、基板上の単結
晶薄膜をパターニングして単結晶圧電膜を形成する工程
と、パターニングされた単結晶圧電膜に振動板等の基板
を接合する工程と、基板を単結晶圧電膜から剥離する工
程とを有し、さらに、振動板に圧力室を形成する工程
と、圧力室に連通する液吐出口を形成する工程とを有し
ている。
【0045】本発明の液体噴射ヘッドの製造方法におい
ては、前述した圧電膜型素子構造体の製造方法と同様
に、非鉛系単結晶体のバルク体1を、圧電特性が大きく
なる結晶方位に合わせてスライスカットして薄膜化した
単結晶薄膜2を接着剤等により基板3に接合し、そし
て、薄膜化するためにそして膜厚を均一にするために、
研磨あるいはCMP等により研磨加工する(図1の
(a)〜(c)参照)。
【0046】その後に、図1の(d)に示すように、基
板3上の単結晶薄膜2をパターニングして所望形状の単
結晶圧電膜4を形成する。
【0047】単結晶薄膜をパターニングする方法として
は、ドライエッチング、ウェットエッチング、機械加
工、サンドブラスト等の方法を採ることができる。好ま
しくは、微細加工が可能なドライエッチング、ウェット
エッチングである。ウェットエッチングおよびドライエ
ッチングにおいては、パターニングのためにレジスト処
理を施すとともに、基板保護のための保護膜形成を必要
に応じて行っても良い。このように基板上で単結晶薄膜
を研磨加工しそしてパターニングすることにより、単結
晶圧電膜のハンドリングが容易であり、さらに、複数個
数の単結晶薄膜を基板上に接合した後にこれらを研磨加
工やパターニングを行うことができるために、単結晶バ
ルク体のサイズに制限されない長尺のデバイスを作製す
ることができ、特に長尺の液体噴射ヘッドの作製に好適
である。
【0048】そして、その後に、前述した圧電膜型素子
構造体の製造方法と同様に、図1の(e)に示すよう
に、基板3上の単結晶圧電膜4に振動板5を接合し、そ
して、図1の(f)〜(g)に示すように、基板3を単
結晶圧電膜4から剥離する。
【0049】次いで、振動板に圧力室を形成する工程に
おいては、予め圧力室がパターニングされた基板を振動
板に貼り付ける方法、振動板に基板を貼り付けて該基板
に圧力室を作製する方法、あるいは、厚膜の振動板を用
いて該振動板に圧力室を作製する方法などがある。後者
の方法は、圧力室を作製することにより振動板部を薄膜
化して同時に振動板を作製することになる。圧力室の形
状は、長方形、円形、楕円形等各種選択することができ
る。また、圧力室の断面形状をノズル方向に絞った形状
にしても良い。
【0050】そして、ノズル(液吐出口)を形成する工
程においては、圧力室を作製した後にその圧力室にノズ
ルが作製されたノズルプレートを貼り合わせる方法、あ
るいはノズルプレートを貼り合わせた後にノズルを形成
する方法等がある。また、圧力室とノズルの両方が成形
された構造体を貼り合わせて、これを振動板に接合する
ようにすることもできる。また、ノズルの形成方法とし
ては、ノズルプレートをエッチング加工、機械加工、レ
ーザー加工で形成する方法、あるいはセラミックスを型
成形し焼結して作製する方法がある。
【0051】このように本発明の製造方法により作製さ
れる液体噴射ヘッドは、図3に示すように、基板部16
に形成された圧力室15と、圧力室15に連通するよう
にノズルプレート19に形成されたノズル(液吐出口)
18と、圧力室15の一部に設けられた振動板12と圧
電膜11からなる圧電膜型素子構造体とを備え、圧電膜
型素子構造体をたわみ振動させることにより圧力室15
内の液体をノズル18から液滴として吐出させるように
構成される。なお、図3において、13と14はそれぞ
れ圧電膜11の下部電極と上部電極である。
【0052】また、以上のように作製される圧電膜型素
子構造体および液体噴射ヘッドにおける非鉛系単結晶圧
電膜の断面形状においては、圧電膜の加工精度が取りや
すく、生産性を挙げることができ、かつ、素子間のばら
つきの少ない素子を得ることができる形状とすることが
好ましく、図4の(a)〜(c)に示すように、平行四
辺形、逆台形、台形の形状とすることが望ましい。な
お、図4の(a)〜(c)において、11(11a、1
1b、11c)は単結晶圧電膜、12は振動板、13は
下部電極、14は上部電極である。
【0053】単結晶圧電膜11がニオブ酸系材料である
場合には、特に、図4の(a)に示す平行四辺形状の断
面形状(11a)が好ましく、単結晶圧電膜11がチタ
ン酸バリウム系材料である場合には、図4の(b)や
(c)に示す逆台形あるいは台形の断面形状(11b、
11c)とすることが好ましい。また、断面形状が平行
四辺形である場合においては、図示する角度θ1 (図3
の(a))は、80°〜89.8°であることが好まし
く、逆台形の場合は、角度θ2 (図3の(b))は85
°〜89.5°で、台形の場合は、角度θ3 (図3の
(c))が90.5°〜95°であることが好ましい。
圧電膜型素子構造体および液体噴射ヘッドの非鉛系単結
晶圧電膜の断面形状を上述のような形状とすることによ
り、特に、変位量が安定し高寿命の素子とすることがで
きる。
【0054】次に、本発明の圧電膜型素子構造体と液体
噴射ヘッドの製造方法の詳細について、具体的な実施例
を挙げて、図1ないし図3を参照しながら、さらに説明
する。なお、以下の説明において括弧内の符号は図1な
いし図3に示す部材の符号である。
【0055】(実施例1)本実施例において用いる単結
晶薄膜(2)は、TSSG法で作成されたニオブ酸カリ
ウム斜方晶単結晶のバルク体(1)をZ軸の角度が基板
面に対して40°になるようスライスカット(切断加
工)し、厚さを0.1mmとした。
【0056】次に、図1の(c)に示すように、スライ
スカットして厚さを0.1mmとした単結晶薄膜(2)
をMgO基板(3)上にエポキシ系接着剤で接合し、接
合後に、単結晶薄膜(2)を厚さ15μm、表面粗度R
aが0.15μmになるよう研磨した。ここで、MgO
基板(3)として、板厚1mmで縦横50mm×10m
mのMgO多結晶基板を用いる。なお、MgO多結晶基
板の表面と裏面の表面粗度Raはともに0.2μmとす
る。
【0057】次に、単結晶薄膜(2)にレジストをパタ
ーニングし、フッ硝酸(フッ酸:硝酸=1:2)でライ
ン/スペースが100μm/70μm、圧電膜の長さが
2.5mmとなるようにエッチングし、160本のニオ
ブ酸カリウムの単結晶圧電膜(4)のアレイを得た(図
1の(d)参照)。
【0058】この単結晶圧電膜(4)上に斜めスパッタ
でIn/Pdの層を1μm/150nm形成し、そし
て、厚さ300μmのSi基板(5)にスパッタ法でI
n層を100nm形成し、これらの金属層を当接させ
て、加圧下で200℃に加熱し1時間で接合した(図1
の(e)参照)。その後、室温まで徐冷した後、有機溶
剤中に浸漬して単結晶圧電膜(4)とMgO基板(3)
を剥離した( 図1の(f)および(g)参照) 。
【0059】以上のようにして、ニオブ酸カリウムのパ
ターニングされた単結晶圧電膜(4)をSi基板(5)
に接合した圧電膜型素子構造体が作製された。
【0060】そしてさらに、真空乾燥した後に、Si基
板(5)にドライプロセス(ICPプロセス)で幅12
0μm、長さ2.5mmの圧力室(15)を作製した。
使用したガスはSF6 とC48 である。これに液体通
路を形成したSUS基板とノズル(18)が形成された
Si基板のノズルプレート(19)を貼り合わせ、電極
をパターニングして上部電極(14)を設け、液体噴射
ヘッドを作製した。このように作製された液体噴射ヘッ
ドは図3に図示すると同様の構造を有している。
【0061】以上のように作製された液体噴射ヘッドに
おいては、20Vの駆動電圧、18kHzの周波数で、
インク等の液滴を10m/s〜11m/sの速度で安定
して吐出させることができた。また、この圧電膜型素子
構造体における圧電薄膜の断面形状はほぼ平行四辺形を
なし、図4の(a)に示すθ1 は88.5°〜89°で
あった。
【0062】(実施例2)本実施例においては、チタン
酸ジルコン酸バリウム(Ti/Zrのモル比=95/
5)の正方晶単結晶体をZ軸が面に対して垂直になるよ
うスライス加工した単結晶薄膜(2)を用いた。この単
結晶薄膜(2)をポリフェニレン系の高分子(ポリマ
ー)基板(3)(表面と裏面の表面粗度Raがそれぞれ
0.45μmと0.25μm)にアクリル系ホットメル
ト接着剤をドクターブレード塗布し、その後、160℃
加熱下で接合した(図1の(c)参照)。
【0063】高分子基板(3)に接合した単結晶薄膜
(2)は、粗研磨および鏡面研磨により、膜厚10μ
m、表面粗度Raが0.08μmとなるように研磨し、
次いで、ウェットエッチングによりライン/スペースが
100μm/50μmのパターニングされた単結晶圧電
膜( 4) のアレイを作製した(図1の(d)参照)。
【0064】この単結晶圧電膜(4)上にSi基板
(5)をAg−Niの金属を用いて120℃下で接合し
た(図4の(e)参照)。その後、170℃まで昇温
し、接着剤を融解させて単結晶圧電膜(4)と高分子基
板(3)を剥離した( 図1の(f)および(g)参照)
【0065】このようにして、Si基板(5)上にチタ
ン酸ジルコン酸バリウムの単結晶圧電膜(4)のアレイ
が転写されており、高分子基板上との寸法精度は±3μ
mの誤差以内であった。また、単結晶圧電膜(4)の断
面形状は台形であり、図4の(c)に示すθ3 は92°
〜93°であった。
【0066】本実施例により作製された圧電膜型素子構
造体においても、前述した実施例1と同様に、圧力室、
ノズル部を形成し、液体噴射ヘッドを得た。
【0067】吐出検討を行ったところ、駆動電圧20
V、周波数15kHzで13m/sの速度で安定して液
滴を吐出させることができた。
【0068】また、単結晶圧電膜(4)の断面台形形状
における角度θ3 を96°以上にしたところ、液滴の吐
出速度が劣化し好ましくなかった。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非鉛系単結晶圧電膜を振動板に直接成膜するのではなく
基板を介在させて圧電膜型素子構造体を形成するもので
あって、圧電膜を形成する工程と圧電膜を振動板に接合
する工程が分離され、圧電膜の成膜プロセスと素子構造
体の製造プロセスが機能分離されていることにより、圧
電膜型素子構造体の振動板の材料を幅広く選択すること
ができ、圧電膜の性能を任意に調整した圧電膜型素子構
造体を得ることができる利点がある。
【0070】また、非鉛系単結晶圧電体を所定の結晶方
位に沿ってスライスカットして薄膜化した単結晶圧電薄
膜を後に剥離する基板に接合してパターニング等によっ
て圧電膜型素子を作製することにより、単結晶体の部位
による特性ばらつきを抑制した良好な圧電特性を利用す
ることができ、さらに、単結晶体のサイズに限定される
ことなく高密度でかつ長尺の圧電膜型素子構造体および
液体噴射ヘッドを得ることができる。また、圧電膜型素
子構造体および液体噴射ヘッドの接合強度や耐久性を向
上させることができる。
【0071】さらに、低駆動電圧で大変位が得られ、高
速応答が可能で安定した信頼性の高い高密度で長尺の環
境問題のない圧電膜型素子構造体および液体噴射ヘッド
を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電膜型素子構造体や液体噴射ヘッド
の製造方法における主要工程を概略的に示す工程図であ
る。
【図2】本発明の製造方法により作製される圧電膜型素
子構造体の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の製造方法により作製される液体噴射ヘ
ッドの一例を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の製造方
法により作製される圧電膜型素子構造体や液体噴射ヘッ
ドにおける非鉛系単結晶圧電膜の好ましい形状を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 単結晶バルク体 2 単結晶薄膜 3 基板 4 単結晶圧電膜 5 振動板(第二の基板) 11 単結晶圧電膜 12 振動板 13 下部電極 14 上部電極 15 圧力室 16 基板部 18 ノズル 19 ノズルプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/18 (72)発明者 武田 憲一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 青砥 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松田 堅義 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊福 俊博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 香川 豊 東京都立川市柴崎町4丁目6番33号 Fターム(参考) 2C057 AF65 AF93 AG12 AG44 AP02 AP14 AP21 AP22 AP27 AP31 AP52 AQ02 AQ06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電膜と振動板を有する圧電膜型素子構
    造体の製造方法において、単結晶膜からなる圧電膜を基
    板に接合する工程と、基板に接合された単結晶圧電膜を
    振動板に接合する工程と、基板を単結晶圧電膜から剥離
    する工程を含むことを特徴とする圧電膜型素子構造体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 基板が、高分子基板またはセラミックス
    基板であることを特徴とする請求項1記載の圧電膜型素
    子構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 単結晶圧電膜は、単結晶体を所定の結晶
    方位に沿って切断加工して薄膜化されていることを特徴
    とする請求項1または2記載の圧電膜型素子構造体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 単結晶圧電膜が非鉛系材料であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧
    電膜型素子構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 単結晶圧電膜がニオブ酸系材料あるいは
    チタン酸バリウム系材料であることを特徴とする請求項
    4記載の圧電膜型素子構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の圧電膜型素子構造体の製造方法によって作製されたこ
    とを特徴とする圧電膜型素子構造体。
  7. 【請求項7】 単結晶圧電膜は、断面形状が平行四辺形
    状、台形形状、あるいは逆台形形状であることを特徴と
    する請求項6記載の圧電膜型素子構造体。
  8. 【請求項8】 液吐出口と、該液吐出口に接続された圧
    力室と、該圧力室の一部に設けられた振動板と圧電膜か
    らなる圧電膜型素子構造体とを備え、前記圧電膜型素子
    構造体を作動させることにより液吐出口から液体を吐出
    させる液体噴射ヘッドの製造方法において、単結晶膜か
    らなる圧電膜を基板に接合する工程と、単結晶圧電膜を
    パターニングする工程と、パターニングされた単結晶圧
    電膜を振動板に接合する工程と、基板をパターニングさ
    れた単結晶圧電膜から剥離する工程を含むことを特徴と
    する液体噴射ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 基板が、高分子基板またはセラミックス
    基板であることを特徴とする請求項8記載の液体噴射ヘ
    ッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 単結晶圧電膜は、単結晶体を所定の結
    晶方位に沿って切断加工して薄膜化されていることを特
    徴とする請求項8または9記載の液体噴射ヘッドの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 単結晶圧電膜が非鉛系材料であること
    を特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載
    の液体噴射ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 単結晶圧電膜がニオブ酸系材料あるい
    はチタン酸バリウム系材料であることを特徴とする請求
    項11記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8ないし12のいずれか1項に
    記載の液体噴射ヘッドの製造方法によって作製されたこ
    とを特徴とする液体噴射ヘッド。
  14. 【請求項14】 単結晶圧電膜は、断面形状が平行四辺
    形状、台形形状、あるいは逆台形形状であることを特徴
    とする請求項13記載の液体噴射ヘッド。
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