JP4679769B2 - 柵体 - Google Patents

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JP4679769B2
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誠治 若本
嘉徳 大沢
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒状体(縦桟)と板状体(横桟)とを互いに交差するように連結する連結構造を適用した柵体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状体と板状体とを連結する連結構造が適用されたものとして、図16に示すような柵体100が知られている。この柵体100は、歩道や橋梁等に手摺用や転落防止用として用いられるものであり、一対の支柱101と、これら支柱101間に連結された板状体としての上下一対の横桟102と、これら横桟102間に所定ピッチで介設された棒状体としての複数本の縦桟103とからなっている。なお、図16に示す例では、上部の横桟102に手摺としての笠木104が被せられている。
【0003】
かかる柵体100は、まず、支柱101間に一対の横桟102を配し、これらをボルト止めあるいは溶接止めで支柱101に固定し、ついで横桟102間に所定ピッチで複数本の縦桟103を、連結構造を構成するボルト止めあるいは溶接止めで固定していき、最後に笠木104を上部の横桟102に装着することにより形成される。
【0004】
別の従来技術として、図17(イ)、(ロ)に示すような擁壁アンカー200が知られている。この擁壁アンカー200は、擁壁201の安定性向上のため、土中202に埋め込まれるものである。擁壁アンカー200は、擁壁201に連結するアンカーバー203と、それに連結するアンカープレート204からなる。アンカープレート204は、アンカーバー203の先端付近に配設され、ナット205及びロックナット206により固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の上記のような連結構造が適用された柵体100にあっては、各部品(支柱101、横桟102および縦桟103)が一々ボルト止めや溶接止めで互いに結合されるため製造に手間が掛り、製造コストが嵩むという問題点を有していた。また、擁壁アンカー200にあっては、大きなアンカー効果を得るためにはアンカープレート204を間隔をあけて複数枚設けるのが効果的である。しかしそのためにはアンカーバー203のネジ加工部を擁壁側へ大幅に拡大しなければならず、製造、組立ての効率が悪化するという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、縦桟横桟との連結を、面倒な溶接作業やボルト止め作業を行うことなく容易に行うことが可能であり、これによって連結作業コストの低減化を図ることができる柵体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上下一対の横桟と、これら一対の横桟間に架設された複数の縦桟と、上方の横桟の上部に装着された手摺部材とを有する柵体であって、上記縦桟が棒状体からなり上記横桟が、上記棒状体が嵌入される嵌入孔の穿設されたもので、両側部を同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁を備えた板状体からなり、上側の横桟が上記側縁壁を上方に向け、下側の横桟が上記側縁壁を下方に向けて配設され、上記横桟の嵌入孔に嵌入された状態の縦桟に外嵌されて上記横桟に積層されるかしめ座金備え、上側の横桟に対して上記かしめ座金が上側に、下側の横桟に対して上記かしめ座金が下側にそれぞれ設けられ、各かしめ座金は、上記縦桟を通す挿通孔の周縁部に形成され、上記縦桟に対してかしめ処理を施すかしめ部を有し、上記挿通孔は、上記かしめ部がかしめ座金の表面側から裏面側に向けて折り曲げられることにより縦桟を摺接状態で挿通し得るように構成され、縦桟が挿通孔に挿通された状態で挿通孔の孔径が小さくなるように上記かしめ部がかしめられることにより、縦桟横桟とがかしめ座金を介して抜け止め状態で互いに連結され、上記かしめ座金は、上記一対の側縁壁間に摺接状態で嵌り込むように幅寸法が設定されていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、縦桟を、互いに積層された横桟の嵌入孔およびかしめ座金の挿通孔に差し通した状態で、上記かしめ部を、例えば所定のプレスマシンを用いてかしめ座金と平行になる方向に向かうようにプレスすることにより、かしめ部の先端が縦桟の周面に食い込んだかしめ処理が行われて縦桟は挿通孔に対して抜け止めされるとともに、かしめ部の食い込みにより縦桟に膨出部が発生し、この膨出部が横桟の嵌入孔の周面に圧接されるため、縦桟は嵌入孔に対しても抜け止め状態になり、結局縦桟横桟とは、かしめ座金を介して抜け止め状態で一体に連結される。また、一対の側縁壁の存在で横桟の剛的強度が向上する。特に横桟が長尺のものである場合には、長手方向に向けての撓みが有効に防止される。更に、かしめ座金を横桟の一対の側縁壁間に嵌め込んだ状態で縦桟を嵌入孔および挿通孔に差し通し、この状態でかしめ座金にプレス処理を施すことにより、かしめ部の先端が縦桟に食い込むことの反力でかしめ座金の幅寸法が広がるため、この広がりによってかしめ座金の側縁部が各側縁壁に圧接し、これによってかしめ座金の横桟に対する結合状態がより強固になる。従って、かしめ座金を介した縦桟と横桟との連結状態がより強固になりかつ安定する。
【0009】
請求項記載の発明は、上下一対の横桟と、これら一対の横桟間に架設された複数の縦桟と、上方の横桟の上部に装着された手摺部材とを有する柵体であって、上記縦桟が棒状体からなり、上記横桟が、上記棒状体が嵌入される嵌入孔の穿設されたもので、両側部を同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁を備えた板状体からなり、上側の横桟が上記側縁壁を上方に向け、下側の横桟が上記側縁壁を下方に向けて配設され、上記横桟の嵌入孔に嵌入された状態の縦桟に外嵌されて上記横桟に積層されるかしめ座金を備え、上側の横桟に対して上記かしめ座金が上側に、下側の横桟に対して上記かしめ座金が下側にそれぞれ設けられ、各かしめ座金は、上記縦桟を通す挿通孔の周縁部に形成され、上記縦桟に対してかしめ処理を施すかしめ部を有し、上記挿通孔は、上記かしめ部がかしめ座金の表面側から裏面側に向けて折り曲げられることにより縦桟を摺接状態で挿通し得るように構成され、縦桟が挿通孔に挿通された状態で挿通孔の孔径が小さくなるように上記かしめ部がかしめられることにより、縦桟と横桟とがかしめ座金を介して抜け止め状態で互いに連結され、上記かしめ座金は、幅方向の一側部または両側部に外方に向かって突出した食込み突起を有している一方、上記側縁壁は、上記食い込み突起に対応して凹設または穿設された食込み凹部または食込み孔を有していることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、かしめ座金を横桟の一対の側縁壁間に嵌め込んだ状態で縦桟を嵌入孔および挿通孔に差し通し、この状態でかしめ座金にプレス処理を施すことにより、かしめ部の先端が縦桟に食い込むことの反力でかしめ座金の幅寸法が広がるため、この広がりによってかしめ座金の食込み突起が横桟の食込み凹部または食込み孔に嵌まり込み、これによってかしめ座金が横桟に対して嵌り止めされ、かしめ座金を介した縦桟横桟との連結状態が安定する。また、一対の側縁壁の存在で横桟の剛的強度が向上する。特に横桟が長尺のものである場合には、長手方向に向けての撓みが有効に防止される。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項1または請求項に記載の柵体において、上記かしめ部は、上記挿通孔の周縁部に径方向の外方に向かって凹設された周方向所定ピッチの複数のかしめ溝と、隣り合ったかしめ溝間に形成されたかしめ爪から成ることを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、かしめ爪の先端が縦桟の周面に食い込むかしめ処理が行われて縦桟は挿通孔に対して抜け止めされるとともに、かしめ爪の食い込みによる反力で隣り合ったかしめ爪間の縦桟の周面位置が径方向の外方に向かって膨出し、前記かしめ座金を有する場合にはこの膨出で形成された膨出部が横桟の嵌入孔の周面に圧接されるため、縦桟は嵌入孔に対しても抜け止め状態になり、縦桟横桟とは抜け止め状態で一体に連結される。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1または請求項に記載の柵体において、上記かしめ部は、上記挿通孔の周縁部が横桟の裏面側へ突出するように屈曲したかしめ環状体によって構成され、このかしめ環状体は、内径寸法が基端側から先端側に向けて漸減するように寸法設定されていることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、縦桟が挿通孔に挿通された状態でプレス処理を行うことにより、かしめ環状体の先端縁部が全体的に縦桟の外周面に圧接されるため、この圧接による摩擦力で縦桟横桟に一体的に連結される。そして、縦桟がたとえ塑性変形し難い中実品であっても、両者を確実に連結することが可能になる。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1または請求項に記載の柵体において、上記かしめ部は、上記挿通孔の周縁部が横桟の裏面側へ突出するように屈曲したかしめ環状体によって構成され、上記縦桟には円周方向に溝を有し、かしめた後にかしめ環状体の一部が上記溝に嵌まり込むことにより、縦桟横桟とが抜け止め状態で互いに連結されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、かしめ環状体の成形が容易で、かしめ部が縦桟の溝にはまり込む状体でかしめるため、高いかしめ力を得ることが出る。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項5に記載柵体において、上記かしめ環状体の上記挿通孔の周縁部内径端面が、かしめ後に上記縦桟の軸線と略平行となるよう形成されていることを特徴とするものである。以下、このような特徴を有するかしめ環状体をカップ型環状体と記す。
【0018】
この発明によれば、前記挿通孔の周縁部が、縦桟の溝に略垂直に入り込むため、より確実性の高い連結構造とすることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に適用される連結構造の第1構成例を示す一部切欠き分解斜視図であり、図2はその一部切欠き組立て斜視図である。これらの図に示すように、連結構造10は、筒状の棒状体70と、長尺の板状体80とを互いに交差(図1および図2に示す例では直交)するように一体に連結するものである。なお、図1および図2に示す例では、板状体80は、長尺の板状体本体81と、この板状体本体81の幅方向両側部が互いに同一方向に折り曲げられることによって形成した一対の側縁壁82とからなっている。これら一対の側縁壁82の存在で板状体80は長手方向に直交する方向に対する剛性が高くなり、構造的に丈夫なものになっている。
【0020】
第1構成例の連結構造10は、板状体本体81の適所に穿設された嵌入孔83と、この嵌入孔83に対応して一対の側縁壁82間に嵌め込まれ、板状体本体81に積層されるかしめ座金20と、このかしめ座金20の中央部に穿設された挿通孔21とを備えた基本構成を有している。上記嵌入孔83は、内径寸法が棒状体70の外径寸法より僅かに大きく寸法設定され、これによって棒状体70は、摺接状態で嵌入孔83に嵌入されるようになっている。
【0021】
図3は、かしめ座金20の一例を示す図であり、(イ)は平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線断面図である。図3に示すように、かしめ座金20は、平面視で矩形状を呈し、幅寸法W1が一対の側縁壁82間の間隙寸法L1より僅かに小さく寸法設定され、これによってかしめ座金20の各側縁部が板状体80の各側縁壁82内面に摺接した状態で一対の側縁壁82間に嵌り込み得るようになっている。
【0022】
上記挿通孔21は、板状体本体81の嵌入孔83に対応してかしめ座金20の中央位置に穿設されている。かかる挿通孔21は、孔径寸法W2が棒状体70の外径寸法L2より僅かに大きく寸法設定され、これによって棒状体70は、挿通孔21に摺接状態で嵌入し得るようになっている。
【0023】
このような挿通孔21の周縁部には、孔径方向の外方に向かってかしめ座金20が切り欠かれることによって形成した複数(第1構成例においては6つ)のかしめ溝22が凹設されているとともに、隣り合ったかしめ溝22間に6個のかしめ爪23が形成されている。上記かしめ溝22は周方向に等ピッチで設けられ、これによって隣り合ったかしめ溝22間に形成された各かしめ爪23は、挿通孔21の中心側に向かって先細りの同一形状になっている。
【0024】
そして、上記のような各かしめ爪23は、先端側(すなわち挿通孔21の孔心側)が、図3の(ロ)に示すように、下方に向かって湾曲状態で折り曲げられ、この折り曲げられた各かしめ爪23の先端を結ぶ曲線によって孔径寸法がW2の挿通孔21が形成されている。
【0025】
このような挿通孔21、かしめ溝22およびかしめ爪23を有するかしめ座金20は、金属板を原料として所定のプレスマシンで打ち抜きのプレス処理を行うことによって形成されている。そして、上記プレス処理時に、かしめ座金20は、図3の(ロ)に示すように、各縁部が若干上方に向けて反るようにプレス処理されて全体的に湾曲され、この湾曲状態でかしめ座金20の幅寸法W1が設定されている。
【0026】
図4は、棒状体70を板状体80に連結する連結操作を説明するための説明図であり、(イ)は、かしめ座金20が板状体80の側縁壁82間に嵌め込まれた状態、(ロ)は、棒状体70を板状体80の嵌入孔83およびかしめ座金20の挿通孔21に差し通した状態、(ハ)は、仮連結された棒状体70と板状体80とをプレスマシンの下型に装着した状態、(ニ)は、かしめ座金20がプレスマシンの上型によってプレス処理された状態をそれぞれ示している。
【0027】
棒状体70を板状体80に連結するに際しては、まず、図4の(イ)に示すように、かしめ座金20を板状体80の一対の側縁壁82間に嵌め込んで嵌入孔83と挿通孔21とを対向させる。ついで、図4の(ロ)に示すように、棒状体70を嵌入孔83および挿通孔21に差し通す。これによって棒状体70がかしめ座金20に仮連結された状態になる。
【0028】
引き続き仮連結された棒状体70および板状体80を金型95に装着する。具体的には、図4の(ハ)に示すように、かしめ座金20が仮連結された棒状体70の下部を、下型96の下方に向けて穿設された装着孔99に上から嵌め込んだ状態で板状体80を下型96上に載置する。
【0029】
ついで、図略のプレスマシンの駆動で上型97を下降させてかしめ座金20にプレス処理を施す。上型97は、幅寸法が板状体80の一対の側縁壁82間の間隙寸法より狭く寸法設定されているとともに、上型97の下面中央部には棒状体70の上部を逃す逃し孔98が穿設されている。従って、プレスマシンの駆動で上型97が下降されると、図4の(ニ)に示すように、かしめ座金20から上方に突出した棒状体70の上部が逃し孔98に外嵌された状態で、かしめ座金20は上型97の下面に押圧されてプレス処理が施される。
【0030】
このプレス処理によって、縁部が上方に反った湾曲状のかしめ座金20が平板状にされ、このときのかしめ座金20の拡幅によってその両側縁部が板状体80の各側縁壁82に内側から圧接するとともに、板状体本体81の上面と上型97の下面とに挟持された折れ曲がり状態のかしめ爪23が上型97によるプレス処理で真っ直ぐに延びようとし、これによってかしめ爪23の先端が棒状体70の表面に食い込んだ状態になる。この反動で棒状体70の周面でかしめ爪23が食い込んでいない部分が径方向に盛り上がり、この盛り上がりで形成された膨出部71が板状体80の嵌入孔83の内周面に圧接する。
【0031】
そして、プレス処理を行うことによるかしめ座金20の両側縁部の側縁壁82に対する圧接、かしめ座金20のかしめ爪23の棒状体70への食い込み、および棒状体70の外周面に形成される膨出部71の嵌入孔83周面に対する圧接によって、棒状体70と板状体80とは一体に連結されて抜け止め状態になる。
【0032】
図5は、本発明に適用される連結構造の第2構成例を示す一部切欠き分解斜視図であり、図6はその一部切欠き組立て斜視図である。この構成例の連結構造10aにおいては、図5に示すように、かしめ座金20の四隅部にそれぞれ下方に向けて突出した係止爪24が設けられている。
【0033】
一方、板状体80の側縁壁82には、これらの係止爪24に対応した位置にそれぞれ係止孔84が穿設されている。各係止孔84は、上下寸法が上記係止爪24の厚み寸法より若干長めに寸法設定されることによって横長に形状設定され、かしめ座金20が板状体80の側縁壁82間に装着された状態で、かしめ座金20の下端部が係止孔84の下縁部に位置するようになっている。また、係止爪24は、若干先細りに形成されているとともに、根本部分の幅寸法は、係止孔84の孔幅寸法より若干大きめに寸法設定されている。連結構造10aのその他の構成については、第1構成例の連結構造10と同一である。
【0034】
第2構成例の連結構造10aによれば、かしめ座金20が板状体80の一対の側縁壁82間に装着されて板状体本体81上に積層され、かつ、棒状体70が板状体80の嵌入孔83およびかしめ座金20の挿通孔21に差し通された状態で、上記図4に示す方法でかしめ座金20に対してプレス処理を施すことにより、上型97の下降時に各係止爪24が押圧されて外側に向けて折り曲げられ、これによって各係止爪24が、図6に示すように、対応した係止孔84に嵌まり込む。このとき、係止爪24の根本部分が係止孔84の対向した縁部に圧接され、これによってかしめ座金20の板状体80に対するより確実な係止状態が実現する。
【0035】
図7は、本発明に適用される連結構造の第3構成例を示す一部切欠き分解斜視図であり、図8はその一部切欠き組立て斜視図である。第3構成例においては、連結構造10bは先の構成例で用いたかしめ座金20を使用しない。すなわち、この構成例の連結構造10bは、板状体80に穿設された、上記かしめ座金20の挿通孔21と同一構造の挿通孔85のみによって構成されている。すなわち、挿通孔85の周縁部には、径方向の外方に向かって切り込まれた、上記かしめ溝22に対応する複数のかしめ溝86と、隣り合ったかしめ溝86間に形成された、上記かしめ爪23に対応するかしめ爪87とが設けられている。
【0036】
従って、棒状体70を挿通孔85に差し込んだ状態で、図4に示す金型95を用いてかしめ爪87に対してプレス処理を施すことにより、下型96の上面と上型97の下面との間に挟持された折り曲げ状態のかしめ爪87が真っ直ぐになろうとすることにより、その先端部が棒状体70の外周面に食い込み、これによって、図8に示すように、棒状体70と板状体80とが一体に連結された状態になる。
【0037】
図9は、本発明に適用される連結構造の第4構成例を示す一部切欠き分解斜視図であり、図10はその一部切欠き組立て斜視図である。第4構成例の連結構造10cは、棒状体70cとして先の棒状体70のようなパイプ状のものに代えて中実のものを使用した場合であり、板状体本体81に棒状体70cが差し込まれる挿通孔88が設けられている点については、第3構成例と同様であるが、第3構成例のかしめ爪87に代えてかしめ環状体89が設けられている点が第3構成例と異なっている。
【0038】
上記かしめ環状体89は、図9に示すように、板状体本体81の底面から若干下方に向けて突出するように設けられているとともに、その内周面がすり鉢状に形成されている。従って、かかるかしめ環状体89は、内径寸法が上方から下方に向かうに従って漸減するようになっている。
【0039】
そして、棒状体70cが挿通孔88に差し通された状態で、図4に示すのと同様のプレス処理が施されることにより、かしめ環状体89の環状の下端縁部が棒状体70cの外周面に対して全体的に圧接し、この圧接による摩擦力で、図10に示すように、棒状体70cが板状体80に一体的に連結されるようになっている。
【0040】
図11は、本発明に適用される連結構造の第5構成例を示す一部切欠き分解斜視図であり、図12(イ)はその組立て断面図である。第5構成例の連結構造10dでは、棒状体70dを先の第4構成例に示す棒状体70cに溝72を追加したものとしている。溝72は棒状体70dの任意の箇所に施され、溝幅は板状体80dの板厚より僅かに大きい。板状体80dは平板としている。板状体80dには棒状体70dが差し込まれる挿通孔90が設けられ、かしめ部としてはカップ型環状体91を設けている。カップ型環状体91は、板状体80dの底面から若干下方に向けて突出するように設けられているとともに、その内周面がすり鉢状に形成されている点はかしめ環状体89と同様であるが、そのすり鉢の底面にあたる部分が板状体80dの平板部と略平行となるよう成形されている点が異なる。図12(イ)で、カップ型環状体91は、プレス処理前を91の一点鎖線で、処理後を91'の実線で示す。棒状体70dが挿通孔90に差し通された状態で、図4に示すのと同様のプレス処理が施されることにより、カップ型環状体91の環状の下端縁部が棒状体70dの溝72に嵌まり込み、棒状体70dが板状体80dに一体的に連結されるようになっている。図12(ロ)は、上記第5構成例において、かしめ部をかしめ環状体89とした場合の組立て断面図である。かしめ環状体89は、プレス処理前を89の一点鎖線で、処理後を89'の実線示す。図12(イ)では、(ロ)に比べて、プレス処理後、カップ型環状体91の周縁部内径端面92が、棒状体70dの軸線と略平行となるよう成形されているため、かしめ部の溝72への係り代が大きくなっているのが特徴である。このため、第5構成例では、かしめ環状体を用いるよりもカップ型環状体を用いた方が、より大きな連結力を得られる組み合わせとなっている。
【0041】
以上詳述したように、第1構成例の連結構造10は、棒状体70と、この棒状体70が摺接状態で嵌入される嵌入孔83の穿設された板状体80とを連結するためのものであり、板状体の嵌入孔83に嵌入された状態の棒状体70に嵌入されて板状体80に積層されるかしめ座金20が備えられ、このかしめ座金20は、棒状体70を通す挿通孔21と、この挿通孔21の周縁部に径方向の外方に向かって凹設された周方向所定ピッチの複数のかしめ溝22と、隣り合ったかしめ溝22間に形成されたかしめ爪23とを有し、挿通孔21は、かしめ爪23がかしめ座金20の表面側から裏面側に向けて折り曲げられることにより棒状体70を摺接状態で挿通し得るようになっており、棒状体70が挿通孔21に挿通された状態で挿通孔21の孔径が小さくなるようにかしめ爪23がかしめられることにより、棒状体70と板状体80とがかしめ座金20を介して抜け止め状態で互いに連結されるようにしている。
【0042】
従って、棒状体70を、互いに積層された板状体80の嵌入孔83およびかしめ座金20の挿通孔21に差し通した状態で、複数ある曲折状態のかしめ爪23を、例えば所定のプレスマシンの金型95を用いてかしめ座金20と平行になる方向に向かうようにプレスすることにより、各かしめ爪23の先端が棒状体70の周面に食い込んだかしめ処理が行われて棒状体70は挿通孔21に対して抜け止めされるとともに、かしめ爪23の食い込みによる反力で隣り合ったかしめ爪23間の棒状体70の周面位置が径方向の外方に向かって膨出し、この膨出で形成された膨出部71が板状体80の嵌入孔83の周面に圧接されるため、棒状体70と板状体80とを、かしめ座金20を介して互いに抜け止め状態で一体に連結することができる。
【0043】
このように、かしめ座金20の挿通孔21の周縁部に周方向所定ピッチでかしめ溝22とかしめ爪23とを設けることにより、棒状体70を板状体80の嵌入孔83およびかしめ座金20の挿通孔21に差し通した状態で、折れ曲がったかしめ座金20が真っ直ぐになるようにプレス処理を施すことで棒状体70と板状体80とを互いに抜け止め状態で一体に連結することが可能になり、棒状体70と板状体とを溶接止めやボルト止めで連結する従来の連結方式に比較して作業効率を向上させることができる。
【0044】
そして、特に1枚の板状体80に対して多数の棒状体70をそれぞれ平行になるように連結するような場合には、複数のかしめ座金20を対象として一度のプレス処理で済ませることが可能になり、両者の連結作業の作業効率を格段に向上させることができる。
【0045】
また、板状体80として、その両側部が同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁82を備えたものを採用すれば、これら一対の側縁壁82の存在で板状体80の剛的強度を向上させることができ、長手方向の撓みを有効に防止することができる。
【0046】
また、かしめ座金20の幅寸法を、一対の側縁壁82間に摺接状態で嵌り込むように設定することにより、かしめ座金20を板状体80の一対の側縁壁82間に嵌め込んだ状態で棒状体70を嵌入孔83および挿通孔21に差し通し、この状態でかしめ座金20にプレス処理を施すことにより、かしめ爪23の先端が棒状体70に食い込むことの反力でかしめ座金20の幅寸法が広がるため、この広がりによってかしめ座金20の側縁部が各側縁壁82に圧接し、これによってかしめ座金20の板状体80に対する結合状態をより強固なものにすることができる。
【0047】
また、第2構成例の連結構造10aによれば、かしめ座金20の四隅にそれぞれ係止爪24を設けるとともに、板状体80の側縁壁82に各係止爪24に対応する係止孔84を設けたため、かしめ座金20を板状体80の一対の側縁壁82間に嵌め込んだ状態で棒状体70を嵌入孔83および挿通孔21に差し通し、この状態でかしめ座金20にプレス処理を施すことにより、かしめ爪23の先端が棒状体70に食い込むことの反力でかしめ座金20の幅寸法が広がり、この広がりによってかしめ座金20の係止爪24が板状体80の係止孔84に嵌まり込み、これによってかしめ座金20が板状体80に対して嵌り止めされ、かしめ座金20を介した棒状体70と板状体80との連結状態をより安定したものにすることができる。
【0048】
また、かしめ座金20を用いずに板状体80の挿通孔85に、かしめ座金20のかしめ爪23と同様のかしめ爪87を設ける第3構成例の連結構造10bによれば、棒状体70を、板状体80の挿通孔85に差し通した状態で、複数ある折り曲げられた状態のかしめ爪87を、例えば所定のプレスマシンを用いて元に戻すようにプレス処理することにより、各かしめ爪87の先端が棒状体70の周面に食い込んだかしめ処理が行われて棒状体70は挿通孔21に対して抜け止めされるとともに、かしめ爪23の食い込みによる反力で隣り合ったかしめ爪23間の棒状体70の周面位置が径方向の外方に向かって膨出し、この膨出で形成された膨出部71が板状体80の挿通孔85の周面に圧接されるため、棒状体70と板状体80とを一体に連結することができる。
【0049】
そして、先の構成例の連結構造で使用したかしめ座金20が不要になるため、その分部品点数を削減することができ、連結処理の処理コストの低減化を図ることができる。
【0050】
第4構成例の連結構造10cによれば、板状体本体81の挿通孔88の周縁部にかしめ環状体89が設けられているため、棒状体70cが挿通孔88に挿通された状態でプレス処理を行うことにより、かしめ環状体89の先端縁部が全体的に棒状体70cの外周面に圧接され、この圧接による摩擦力で棒状体70cが板状体80に一体的に連結される。従って、棒状体70cが塑性変形し難い中実品であっても、第4構成例の連結構造10cを棒状体70cと板状体80との連結に有効に適用することができる。
【0051】
第5構成例の連結構造10dによれば、板状体80dの挿通孔90の周縁部にカップ型環状体91が設けられているため、棒状体70dが挿通孔90に挿通された状態でプレス処理を行うことにより、カップ型環状体91の先端縁部が全体的に棒状体70dの溝部72に嵌まり込み、棒状体70dが板状体80に一体的に連結される。従って、棒状体70dが塑性変形し難い中実品であっても、棒状体70dと板状体80との連結に有効に適用することができる。また、プレス処理後、カップ型環状体91の周縁部内径端面92が、棒状体70dの軸線と略平行となるよう成形されているため、かしめ部の溝72への係り代が大きくなっており、大きな連結力を得られる。
【0052】
図13は、本発明に係る柵体1を示す斜視図である。この適用例においては、連結構造10、10aを柵体1に適用している。
【0053】
すなわち、柵体1は、上下一対の横桟2と、これら一対の横桟2間に架設されたパイプ状の複数本の縦桟3と、上方の横桟2の上部に装着された断面視で山形を呈する手摺部材4とからなっている。手摺部材4は、裏面側から下方に向けて突設された、パイプ状の縦桟3に嵌入し得る複数の嵌入突起5を有しており、各嵌入突起5を縦桟3の上部に嵌入することにより、手摺部材4が上部の横桟2に装着されるようになっている。
【0054】
そして、このような柵体1において、横桟2として上記板状体80が適用されているとともに、縦桟3として上記棒状体70が適用され、これら棒状体70と板状体80との連結に、上記連結構造10、10aが適用されている。
【0055】
柵体1に上記連結構造10、10aを採用することにより、従来、縦桟3を横桟2に連結するに際し採用されていた溶接止めに比較し、上下の横桟2を対象として2度のプレス処理を行うだけで横桟2が縦桟3に連結され、柵体1を製造するための作業性が改善され、製造コストの大幅な削減を実現することができる。
【0056】
図14(イ)は、上記連結構造10dの別の適用例を示している。この適用例においては、連結構造10dを擁壁アンカー210に適用している。擁壁アンカー210は、アンカープレート214の抵抗により、擁壁201の安定性を高める構造となっている。アンカープレート214は、アンカーバー213の先端付近に配設され、その連結には連結構造10d(図12(イ)参照)を適用している。
【0057】
図14(ロ)はアンカーバー213とアンカープレート214の分解斜視図である。カップ型環状体215が、アンカープレート214にプレス成形され、アンカーバー213には溝216が設けられている。カップ型環状体215の周縁部が溝216に嵌まり込む位置で連結構造10dを適用することにより、アンカープレート214がアンカーバー213に固定される。
【0058】
擁壁アンカー210に上記連結構造10dを採用することにより、ネジ加工、3箇所のナット止めに代えて溝加工、1回のプレス工程とすることが出来、製造コストの低減を実現することができる。
【0059】
図15(イ)、(ロ)は、上記連結構造10dの更に発展的な適用例を示す。擁壁アンカー220は、アンカーバー223に複数(図では3枚)のアンカープレート214が配設され、その連結には連結構造10d(図12(イ)参照)を適用している。このような間隔をあけた複数プレートの配設であっても、アンカーバー223の所定の位置に溝加工さえ施しておけば、プレス加工により容易にアンカープレート214をアンカーバー223に連結することができる。
【0060】
擁壁アンカー220に上記連結構造10dを採用することにより、高いアンカー効果を持った擁壁アンカーを、従来技術に比べて格段に低コストで製造することができる。
【0061】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0062】
(1)上記の説明においては、かしめ座金を用いる連結構造10,10aを、本発明に係る柵体1の横桟2と縦桟3との連結に適用した例を挙げた。しかし本発明はそれらに限定されるものではなく、連結構造10、10a、10b、10c、10dの何れも柵体1と組合わせられるものであり、更には建築物の骨組や橋梁、階段の骨組あるいは恒久的に構築されるイベント会場の舞台など、棒状体と板状体との組み合わせによって形成される各種の構造物に適用することができる。望ましい実施形態としては、連結構造10、10a、10bは棒状体がパイプである場合が、かしめによるパイプの膨出を利用できる点で望ましく、連結構造10cは棒状体が中実で、要求連結力が比較的小なる場合が棒状体の溝加工不要な点で望ましく、連結構造10dは棒状体が中実で、要求連結力が比較的大なる場合が強固な連結力を得られる点で望ましい。
【0063】
(2)上記の説明においては、板状体80として板状体本体81と一対の側縁壁82とからなる断面形状がコ字状のものや平板状のものを挙げたが、その他L型状板、ゆるやかに湾曲する板等であってもよい。
【0064】
(3)上記の第2構成例の連結構造においては、かしめ座金20の四隅部に係止爪24がそれぞれ設けられているが、本発明は、係止爪24をかしめ座金20の四隅に設けることに限定されるものではなく、かしめ座金20の長手方向の中央部に幅方向一対で設けてもよいし、かしめ座金20の対角線状に一対で設けてもよい。なお、当然のことながら係止爪24に対応した板状体80の係止孔84は、係止爪24の設置位置の変更に応じて穿設位置を変更しなければならない。
【0065】
(4)図9および図10に示す構成例の連結構造においては、板状体本体81の嵌入孔88にかしめ環状体89が設けられているが、こうする代わりに図1に示すようなかしめ座金の挿通孔にかしめ環状体89を設けてもよい。こうすることによって、板状体本体81にかしめ座金を積層した状態で、棒状体70を嵌入孔83およびかしめ座金のかしめ環状体89に差し通し、かしめ座金にプレス処理を施すことによってかしめ環状体89の縮径によって棒状体70とかしめ座金とが連結されるとともに、上記縮径の反動で拡径した棒状体70の外周面が嵌入孔83に圧接するとともに、拡幅したかしめ座金の縁部が一対の側縁壁82に圧接し、これによって棒状体70がかしめ座金を介して板状体80に連結される。
【0066】
(5)上記の各構成例の連結構造において,表裏あるいは上下として方向を示しているが、これらは構造の絶対的な方向を示しているのではなく、板状体の両面の内、一方を表、あるいは上とすれば反対側は裏、あるいは下となることを表す。したがって、かしめ部のかしめ前屈曲方向は、各構成例に示されたものと反対方向も可である。
【0067】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、かしめ座金の挿通孔の周縁部にかしめ部を設けることにより、縦桟横桟の嵌入孔およびかしめ座金の挿通孔に差し通した状態で、曲折したかしめ座金が真っ直ぐになるようにプレス処理を施すという簡単な操作で縦桟横桟とを互いに抜け止め状態で一体に連結することが可能になり、縦桟横桟とを溶接止めやボルト止めで連結する従来の連結方式に比較して作業効率が向上する。
【0068】
そして、特に1枚の横桟に対して複数本の縦桟をそれぞれ平行になるように連結するような場合には、複数のかしめ座金を対象として一度のプレス処理で済ませることが可能になり、両者の連結作業の作業効率は格段に向上する。更に横桟の両側部に同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁を設けたため、これら一対の側縁壁の存在で横桟の剛的強度を向上させることができる。更にまた、かしめ座金の幅寸法を一対の側縁壁間に摺接状態で嵌り込むように設定したため、かしめ座金を横桟の一対の側縁壁間に嵌め込んだ状態で棒状体を嵌入孔および挿通孔に差し通し、この状態でかしめ座金にプレス処理を施すことにより、かしめ爪の先端が縦桟に食い込むことの反力でかしめ座金の幅寸法が広がり、この広がりによってかしめ座金の側縁部が各側縁壁に圧接し、これによってかしめ座金の横桟に対する結合状態をより強固になものにすることができる。
【0069】
請求項記載の発明によれば、かしめ座金に幅方向の一側部または両側部に外方に向かって突出した食込み突起を設ける一方、横桟の側縁壁に、食い込み突起に対応した食込み凹部または食込み孔を設けたため、かしめ座金を横桟の一対の側縁壁間に嵌め込んだ状態で縦桟を嵌入孔および挿通孔に差し通し、この状態でかしめ座金にプレス処理を施すことにより、かしめ爪の先端が縦桟に食い込むことの反力でかしめ座金の幅寸法が広がり、この広がりによってかしめ座金の食込み突起が横桟の食込み凹部または食込み孔に嵌まり込み、これによってかしめ座金が横桟に対して嵌り止めされ、かしめ座金を介した縦桟横桟との連結状態をより安定したものにすることができる。また、横桟の両側部に同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁を設けたため、これら一対の側縁壁の存在で横桟の剛的強度を向上させることができる。
【0070】
請求項記載の発明によれば、かしめ爪の先端が縦桟の周面に食い込むかしめ処理が行われて縦桟は挿通孔に対して抜け止めされるとともに、かしめ爪の食い込みによる反力で隣り合ったかしめ爪間の縦桟の周面位置が径方向の外方に向かって膨出し、前記かしめ座金を有する場合にはこの膨出で形成された膨出部が横桟の嵌入孔の周面に圧接されるため、縦桟は嵌入孔に対しても抜け止め状態になり、縦桟横桟とを抜け止め状態で一体に連結することができる。
【0071】
請求項記載の発明によれば、縦桟が嵌入孔に嵌入された状態でプレス処理を行うことにより、かしめ環状体の先端縁部が全体的に縦桟の外周面に圧接されるため、この圧接による摩擦力で縦桟横桟に一体的に連結される。そして、縦桟がたとえ塑性変形し難い中実品であっても、両者を確実に連結することが可能になる。
【0072】
請求項記載の発明によれば、かしめ環状体の成形が容易で、かしめ部が縦桟の溝にはまり込む状態でかしめるため、高いかしめ力を得ることができる。また、長い縦桟の任意の箇所に横桟を連結することが可能となる。
【0073】
請求項記載の発明によれば、前記挿通孔の周縁部が、縦桟の溝に略垂直に入り込むため、確実性の高い連結構造とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用される連結構造の第1構成例を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図2】 図1に示す連結構造の一部切欠き組立て斜視図である。
【図3】 かしめ座金の一例を示す図であり、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図である。
【図4】 棒状体を板状体に連結する連結操作を説明するための説明図であり、(イ)は、かしめ座金が板状体の側縁壁間に嵌め込まれた状態、(ロ)は、棒状体を板状体の嵌入孔およびかしめ座金の挿通孔に差し通した状態、(ハ)は、仮連結された棒状体と板状体とをプレスマシンの下型に装着した状態、(ニ)は、かしめ座金がプレスマシンの上型によってプレス処理された状態をそれぞれ示している。
【図5】 本発明に適用される連結構造の第2構成例を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図6】 図5に示す連結構造の一部切欠き組立て斜視図である。
【図7】 本発明に適用される連結構造の第3構成例を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図8】 図7に示す連結構造の一部切欠き組立て斜視図である。
【図9】 本発明に適用される連結構造の第4構成例を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図10】 図9に示す連結構造の一部切欠き組立て斜視図である。
【図11】 本発明に適用される連結構造の第5構成例を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図12】 図11に示す連結構造の組立て断面図であり、(イ)は請求項を含む構成例、(ロ)は請求項を含まない構成例である。
【図13】 本発明に係る柵体を示す斜視図である。
【図14】 本発明に適用される連結構造の適用例である擁壁アンカーの図面であり、(イ)は土中の側面図、(ロ)は分解斜視図である。
【図15】 本発明に適用される連結構造の適用例である複数枚擁壁アンカーの図面であり、(イ)は土中の側面図、(ロ)は分解斜視図である。
【図16】 従来の連結構造が適用された柵体を示す斜視図である。
【図17】 従来の連結構造が適用された擁壁アンカーの図面であり、(イ)は土中の側面図、(ロ)は分解斜視図である。
【符号の説明】
1 柵体 2 横桟 3 縦桟
4 手摺部材 5 嵌入突起
10,10a,10b,10c,10d 連結構造
20 座金 21 挿通孔 22 かしめ溝
23 かしめ爪 24 係止爪
70,70c,70d 棒状体 71 膨出部
72 溝 80,80d 板状体 81 板状体本体
82 側縁壁 83 嵌入孔 84 係止孔
85 挿通孔 86 かしめ溝 87 かしめ爪
88 嵌入孔 89 かしめ環状体 90 挿通孔
91 カップ型環状体 92 カップ型環状体の周縁部内径端面
93 かしめ環状体の周縁部内径端面 95 金型
96 下型 97 上型 98 逃し孔
99 装着孔 100 柵体 101 支柱
102 横桟 103 縦桟 104 手摺部材
200,210,220 擁壁アンカー 201 擁壁
203,213,223 アンカーバー
214 アンカープレート 215 カップ型環状体 216 溝

Claims (6)

  1. 上下一対の横桟と、これら一対の横桟間に架設された複数の縦桟と、上方の横桟の上部に装着された手摺部材とを有する柵体であって、
    上記縦桟が棒状体からなり
    上記横桟が、上記棒状体が嵌入される嵌入孔の穿設されたもので、両側部を同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁を備えた板状体からなり、上側の横桟が上記側縁壁を上方に向け、下側の横桟が上記側縁壁を下方に向けて配設され、
    上記横桟の嵌入孔に嵌入された状態の縦桟に外嵌されて上記横桟に積層されるかしめ座金備え、上側の横桟に対して上記かしめ座金が上側に、下側の横桟に対して上記かしめ座金が下側にそれぞれ設けられ、
    かしめ座金は、上記縦桟を通す挿通孔の周縁部に形成され、上記縦桟に対してかしめ処理を施すかしめ部を有し、上記挿通孔は、上記かしめ部がかしめ座金の表面側から裏面側に向けて折り曲げられることにより縦桟を摺接状態で挿通し得るように構成され、縦桟が挿通孔に挿通された状態で挿通孔の孔径が小さくなるように上記かしめ部がかしめられることにより、縦桟横桟とがかしめ座金を介して抜け止め状態で互いに連結され
    上記かしめ座金は、上記一対の側縁壁間に摺接状態で嵌り込むように幅寸法が設定されていることを特徴とする柵体
  2. 上下一対の横桟と、これら一対の横桟間に架設された複数の縦桟と、上方の横桟の上部に装着された手摺部材とを有する柵体であって、
    上記縦桟が棒状体からなり、
    上記横桟が、上記棒状体が嵌入される嵌入孔の穿設されたもので、両側部を同一方向に略直角に折り曲げられることによって形成した幅方向一対の側縁壁を備えた板状体からなり、上側の横桟が上記側縁壁を上方に向け、下側の横桟が上記側縁壁を下方に向けて配設され、
    上記横桟の嵌入孔に嵌入された状態の縦桟に外嵌されて上記横桟に積層されるかしめ座金を備え、上側の横桟に対して上記かしめ座金が上側に、下側の横桟に対して上記かしめ座金が下側にそれぞれ設けられ、
    各かしめ座金は、上記縦桟を通す挿通孔の周縁部に形成され、上記縦桟に対してかしめ処理を施すかしめ部を有し、上記挿通孔は、上記かしめ部がかしめ座金の表面側から裏面側に向けて折り曲げられることにより縦桟を摺接状態で挿通し得るように構成され、縦桟が挿通孔に挿通された状態で挿通孔の孔径が小さくなるように上記かしめ部がかしめられることにより、縦桟と横桟とがかしめ座金を介して抜け止め状態で互いに連結され、
    上記かしめ座金は、幅方向の一側部または両側部に外方に向かって突出した食込み突起を有している一方、上記側縁壁は、上記食い込み突起に対応して凹設または穿設された食込み凹部または食込み孔を有していることを特徴とする柵体
  3. 上記かしめ部は、上記挿通孔の周縁部に径方向の外方に向かって凹設された周方向所定ピッチの複数のかしめ溝と、隣り合ったかしめ溝間に形成されたかしめ爪から成ることを特徴とする請求項1または請求項に記載の柵体
  4. 上記かしめ部は、上記挿通孔の周縁部が横桟の裏面側へ突出するように屈曲したかしめ環状体によって構成され、このかしめ環状体は、内径寸法が基端側から先端側に向けて漸減するように寸法設定されていることを特徴とする請求項1または請求項に記載の柵体
  5. 上記かしめ部は、上記挿通孔の周縁部が横桟の裏面側へ突出するように屈曲したかしめ環状体によって構成され、上記縦桟には円周方向に溝を有し、かしめた後にかしめ環状体の一部が上記溝に嵌まり込むことにより、縦桟横桟とが抜け止め状態で互いに連結されていることを特徴とする請求項1または請求項に記載の柵体
  6. 上記かしめ環状体の、上記挿通孔の周縁部内径端面が、かしめ後に上記縦桟の軸線と略平行となるよう形成されていることを特徴とする請求項5に記載柵体
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