JP3771131B2 - コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法 - Google Patents
コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法に関し、鉄筋コンクリート造建物の柱や梁の補強などに利用できる。
【0002】
【背景技術】
従来より、建築や土木の分野では、鉄筋コンクリート構造が多く用いられている。例えば、ビルディング等の建築物や、橋梁等の構造物においては、棒状の柱や梁が多く形成され、これらの柱や梁は、棒状であるために各方向への曲げ力、剪断力を受けており、特に柱では同時に軸力も受けている。
【0003】
このような柱や梁においては、地震等によって軸力が過大になると、柱の軸線方向の一部が全周にわたって膨張して圧壊するおそれがある。また、曲げ力が過大になると、曲げによる圧縮が生じる側で膨張が生じて圧壊に至り、反対側では引張りによる断裂が生じるおそれがある。さらに、せん断力が過大になると、軸線方向に対して斜め方向のひび割れが生じ、せん断破壊を起こす可能性がある。
【0004】
そこで、本出願人は、コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法を先に提案した(特開2000−34842号公報参照)。
この提案によれば、コンクリート棒状構造体としての柱や梁の表面に、複数の係合部材を係合し、各係合部材同士を複数の緊締部材で連結して、これら緊締部材に付与された引張力で係合部材が柱や梁をその軸線方向に対して直交方向に圧縮することによって、その最大許容軸力および最大許容曲げ力を向上させてひび割れを抑制し、補強を確実に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、地震等によって柱や梁にかかる軸力や曲げ力が過大になって柱が変形しようとする場合、構造体の表面のうち、係合部材が係合された部分は係合部材によって拘束されて変形が抑制されるが、残りの部分は変形が充分に抑制されない可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、コンクリート棒状構造体の変形を容易に抑制できるコンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のコンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法は、次の構成を採用する。
請求項1に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、コンクリート棒状構造体の表面に係合される複数の係合部材と、前記構造体の表面に沿って配置されて前記各係合部材同士を連結する複数の緊締部材とを備え、これらの緊締部材に付与された引張力で前記係合部材が前記構造体をその軸線方向に対して直交方向に圧縮可能とされているコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記緊締部材と前記構造体との間の隙間に介在され、前記構造体の膨張を抑制するとともに、片面にテーパが形成された平板材であって、その両端部の厚みが異なっている補強部材を備えていることを特徴とする。
ここで、コンクリート棒状構造体としては、柱、梁に限定されるものではなく、斜めブレース等も含まれる。
【0008】
この発明によれば、緊締部材と構造体との間の隙間に補強部材を介在させたので、地震等によって構造体に過大な軸力や曲げ力が発生した場合に、緊締部材によって支持された補強部材が構造体の表面を押圧するから、構造体が変形してその表面が膨張しようとするのを抑えることができ、構造体の変形を容易に抑制できる。
また、緊締部材と構造体との間の隙間に補強部材を介在させるのみで構造体の補強ができるから、例えば、係合部材の設置個数を増加させる場合に比べて、容易かつ安価に補強できる。さらに、補強部材を、緊締部材と構造体との間の隙間に、その両端部のうち厚みが薄い部分から厚い部分に向かって挿入することによって、補強部材がその隙間を完全に満たして緊締部材の表面および構造体の表面に完全に当接されるから、構造体の変形を確実に抑制できる。
【0009】
請求項2に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、請求項1に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記緊締部材の表面および前記構造体の表面に当接されていることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材を緊締部材の表面および構造体の表面に当接させたので、構造体の変形が始まると同時に、補強部材によって構造体の表面が押圧され、構造体が変形してその表面が膨張しようとするのを抑えることができ、構造体の変形を確実に抑制できる。
【0010】
請求項3に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、請求項1または2に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記各係合部材同士の略中央に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材を各係合部材同士の略中央に配置したので、構造体の表面のうち、最も膨張する可能性が高い部分、つまり係合部材同士の略中央部分を補強できるので、構造体の変形を効果的に抑制できる。
【0011】
請求項4に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記各係合部材同士の間に複数配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材を各係合部材同士の間に複数配置したので、構造体の表面のうち補強が必要な度合いに応じて補強部材の数量を調整して配置することができるから、構造体の変形を効果的に抑制できる。
【0012】
請求項5に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、請求項1から4のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強器具は、前記構造体の軸線方向に複数配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、補強器具を構造体の軸線方向に複数配置したので、構造体の一部あるいは全体に亘って変形を抑えることができる。
【0013】
請求項6に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、請求項1から5のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記構造体の軸線方向に隣接する補強部材と連続していることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材を構造体の軸線方向に隣接する補強部材と連続させたので、地震等による揺れや振動があった場合に、補強部材の位置が構造体の軸線方向にずれるのを抑えることができるから、構造体の変形を確実に抑えることができる。
【0015】
請求項7に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具は、請求項1から6のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記緊締部材に係止する係止部を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材に緊締部材に係止する係止部を設けたので、補強部材を容易に緊締部材と構造体との間の隙間に保持することができ、補強部材の設置作業の作業効率を向上できる。
【0016】
請求項8に記載のコンクリート棒状構造体の補強方法は、請求項1から7のいずれかに記載の補強器具を用いてコンクリート棒状構造体を補強する補強方法であって、前記コンクリート棒状構造体の表面に複数の前記係合部材を係合させるとともに前記緊締部材で前記各係合部材を連結して、前記各緊締部材に引張力を付与して前記係合部材で前記構造体をその軸線方向に対して直交方向に圧縮した後、前記緊締部材と前記構造体との間の隙間に前記補強部材を挿入することを特徴とする。
この発明によれば、請求項1と同様に、構造体の変形を容易に抑制できる。また、係合部材の設置個数を増加させる場合に比べ、容易かつ安価に補強できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るコンクリート棒状構造体としての柱20の全体側面図が示されている。
【0018】
柱20は、鉄筋コンクリート造建物10の内部に設けられ、床部11の上に形成されて上階側の床部12を支持するコンクリート製の四角柱状体であって、内部に図示しない配筋材を有し、この配筋材が上下の床部11,12内の配筋材や、下方の基礎13、上方の梁14内の配筋材と互いに連結されている。
なお、本実施形態では、柱20は、基礎13が図示されている通り一階部分に設けられているが、二階以上あるいは地下の階層に設けられた柱に本発明を適用してもよい。
柱20には、その軸方向に四周を囲む補強器具30がそれぞれ上下に間隔を空けて一定間隔で複数段に配置されている。各補強器具30間の間隔は、特に限定されるものではなく、その実施にあたって適宜に決められてよい。
【0019】
図2には、補強器具30の全体平面図が示されている。
補強器具30は、柱20の各角部21に対応して配置された係合部材としての計四つのコーナーピース31と、柱20の四周の表面22に沿って水平に配置され各コーナーピース31同士を連結する計4本の緊締部材32と、この緊締部材32と柱20との間の隙間Sのうち、各コーナーピース31同士の略中央に介在される補強部材40とを備えている。
【0020】
図3および図4には、補強器具30の拡大側面図および拡大横断面図が示されている。
コーナーピース31は、金属材料による鋳造によって製造され、断面略L字形状に形成された2つの片部312を備え、各片部312は、柱20(図中の二点鎖線)の互いに直交する表面22にあてがわれる当接面311を有している。なお、コーナーピース31は、鍛造、機械加工による削り出し等の任意の加工方法によって製作されてもよい。
【0021】
コーナーピース31の一方の片部312には、この片部312を貫通する挿通孔313が設けられ、この挿通孔313は、他方の片部312側端部に挿通孔313よりも大きな径寸法の座堀部315を備えている。
また、他方の片部312には、挿通孔313に対して直交する方向に雌ネジ314が刻設されている。
【0022】
緊締部材32は、コーナーピース31の挿通孔313に挿通されるボルト321と、このボルト321の基端側に螺合されるナット322とで構成されている。
ボルト321は、いわゆるPC鋼棒であって、その先端側には雄ネジ324が、その基端側には雄ネジ325が刻設されている。
また、ボルト321の基端面には溝323が設けられ、この溝323にドライバー等を係止させて回転させることにより、ボルト321の先端側の雄ネジ324をコーナーピース31の雌ネジ314に容易に螺合することが可能になっている。
【0023】
ナット322は、ボルト321の基端側の雄ネジ325に螺合されており、コーナーピース31の座堀部315の底面に係止するようになっている。
また、コーナーピース31の座堀部315には、挿通孔313を隠蔽するボルト蓋316が螺合されており、仮に、ボルト321の先端がコーナーピース31から外れた場合でも、そのボルト321が挿通孔313から飛び出さないようになっている。
【0024】
以上のような補強器具30では、柱20の各角部21にコーナーピース31を配置するとともに、各コーナーピース31を緊締部材32で連結した後、この緊締部材32のボルト321に引張力を付与することで、その反力をナット322およびコーナーピース31の当接面311を介して表面22に伝達し、柱20をその軸線方向(垂直方向)に対して直交する方向(水平方向)に圧縮する。
【0025】
図5には、補強部材40の側面図が示されている。
補強部材40は、断面略L字形状の金属製であって、緊締部材32と柱20との間の隙間Sに介在される本体41と、この本体41の上部に一体成型され緊締部材32に係止する係止部42とを備えている。なお、係止部42は、本体41に一体成型としたが、別体としてもよく、例えば、本体41と係止部42とを互いにボルトで連結した構造としてもよい。また、補強部材40は、金属製に限らず、木製、硬質ゴム製等その他の材料で形成されてもよい。
【0026】
本体41は、平面長方形状の平板材であって、緊締部材32側表面にテーパが形成されることにより、その高さ方向上端の厚みは厚く、下端の厚みが薄くなっており、柱20の表面22に当接される当接面411と、緊締部材32の表面に当接される当接面412とを備えている。なお、本体41の幅寸法および長さ寸法等の大きさは任意に決定されてよい。
【0027】
係止部42は、平板材であって、その下面が緊締部材32のボルト321の上面に係止されることによって、補強部材40が落下しないようになっている。
【0028】
次に、補強器具30を用いた柱20の補強方法を説明する。
まず、柱20の各角部21にコーナーピース31を配置し、緊締部材32のボルト321をコーナーピース31の挿通孔313に挿通して、その先端側の雄ネジ324を隣接するコーナーピース31の雌ネジ314に螺合し、その基端側の雄ネジ325にナット322を螺合することによって、コーナーピース31と緊締部材32とを連結する。次に、ジャッキ等の工具でナット322を回転させることにより緊締部材32に引張力を付与する。
【0029】
その後、補強部材40を補強器具30の上方から柱20と緊締部材32との間の隙間Sに挿入する。具体的には、補強部材40の本体41を、緊締部材32と柱20との間の隙間に、その高さ方向両端部のうち下端、つまり厚みが薄い部分から上端、つまり厚みが厚い部分に向かって挿入する。すると、その隙間Sは補強部材40の本体41によって徐々に満たされ、その後、隙間Sが完全に満たされると、本体41の当接面411は柱20の表面22に当接され、当接面412は緊締部材32の表面に当接される。
【0030】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)緊締部材32と柱20との間の隙間Sに補強部材40を介在させたので、地震等によって柱20に過大な軸力や曲げ力が発生した場合に、緊締部材32によって支持された補強部材40が柱20の表面22を押圧するから、柱20が変形してその表面22が膨張しようとするのを抑えることができ、柱20の変形を容易に抑制できる。
また、緊締部材32と柱20との間の隙間Sに補強部材40を介在させるのみで柱20の補強ができるから、例えば、コーナーピース31の設置個数を増加させる場合に比べて、容易かつ安価に補強できる。
【0031】
(2)補強部材40を緊締部材32の表面および柱20の表面22に当接させたので、柱20の変形が始まると同時に、補強部材40によって柱20の表面が押圧され、柱20が変形してその表面22が膨張しようとするのを抑えることができ、柱20の変形を確実に抑制できる。
【0032】
(3)補強部材40を各コーナーピース31同士の略中央に配置したので、柱20の表面22のうち、最も膨張する可能性が高い部分、つまりコーナーピース31同士の略中央部分を補強できるので、柱20の変形を効果的に抑制できる。
【0033】
(4)補強器具30を構造体の軸線方向に複数設置したので、柱20の一部あるいは全体に亘って変形を抑えることができる。
【0034】
(5)補強部材40の本体41を、緊締部材32と柱20との間の隙間Sに、その両端部のうち下端、つまり厚みが薄い部分から上端、つまり厚い部分に向かって挿入することによって、補強部材40がその隙間Sを完全に満たして緊締部材32の表面および柱20の表面22に完全に当接されるから、柱20の変形を確実に抑制できる。
【0035】
(6)補強部材40に緊締部材32に係止する係止部42を設けたので、補強部材40を容易に緊締部材32と柱20との間の隙間Sに保持することができ、補強部材40の設置作業の作業効率を向上できる。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、係止部42を平板材としたが、これに限らず、図6(A)に示すように、係止部42を縦断面略L字形状とし、より確実に係合されるようにしてもよい。また、本実施形態では、補強部材40を縦断面略L字形状としたが、これに限らず、図6(B)に示すように、断面三角形状としてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、補強部材40に係止部42を設けて緊締部材32と柱20との間の隙間Sに保持したが、係止部42を設けず、図7(A)〜(C)に示すように、その横断面形状を長方形状、円形、三角形等その他の形状としてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、補強部材40を、柱20の表面22と補強器具30の緊締部材32との間の隙間Sのうち各コーナーピース31同士の略中央に配置したが、その位置や個数は任意に決定されてよく、例えば、隙間Sのその他の部分あるいは全部に亘って配置してもよい。
具体的には、図8に示すように、補強部材40を各コーナーピース31同士の間に複数配置してもよい。
このようにすれば、柱20の表面22のうち補強が必要な度合いに応じて補強部材の数量を調整して配置することができるから、柱20の変形を効果的に抑制できる。
【0039】
また、図9に示すように、補強部材40を柱20の軸線方向に隣接する補強部材40と連続させてもよい。
このようにすれば、地震等による揺れや振動があった場合に、補強部材40の位置が柱20の軸線方向にずれるのを抑えることができるから、柱20の変形を確実に抑えることができる。
【0040】
また、本実施形態では、補強器具30のコーナーピース31を鍛造、鋳造、あるいは削り出し等の任意の方法で製作したが、これらの他に、図10(A)および(B)に示すコーナーピース61のように、平板材を折り曲げ加工して製作してもよい。各コーナーピース61は、平面W形状であって、前述のコーナーピース31と同様に、一対の当接面611を有している。コーナーピース61は、上下二段に配置された計8本のボルト321、およびこれらの両端に螺合されたナット322によって互いに連結されている。
【0041】
また、本実施形態では、断面四角形状の柱20に補強器具30を設置したが、例えば、断面三角形や五角形以上の多角形状の柱に設置してもよい。
また、本実施形態では、柱20の軸方向に補強器具30を複数配置したが、補強器具30の個数は単数でもよい。
【0042】
また、本実施形態では、補強部材40の当接面411および当接面412を柱20の表面22および緊締部材32の表面に当接させたが、これに限らず、緊締部材32と柱20との間の隙間Sに介在されていれば、補強部材40を柱20または緊締部材32のみに当接させてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、緊締部材32に引張力を付与した後に補強部材40を隙間Sに挿入したが、これに限らず、補強部材40が隙間Sに介在された状態で、ナット322を回転させて緊締部材32に引張力を付与してもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明のコンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法によれば、次のような効果が得られる。
緊締部材と構造体との間の隙間に補強部材を介在させたので、地震等によって構造体に過大な軸力や曲げ力が発生した場合に、緊締部材によって支持された補強部材が構造体の表面を押圧するから、構造体が変形してその表面が膨張しようとするのを抑えることができ、構造体の変形を容易に抑制できる。
また、緊締部材と構造体との間の隙間に補強部材を介在させるのみで構造体の補強ができるから、例えば、係合部材の設置個数を増加させる場合に比べて、容易かつ安価に補強できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンクリート棒状構造体を示す全体側面図である。
【図2】前記実施形態に係る補強器具の全体平面図である。
【図3】前記実施形態に係る補強器具の拡大側面図である。
【図4】前記実施形態に係る補強器具の拡大横断面図である。
【図5】前記実施形態に係る補強部材の側面図である。
【図6】本発明の変形例(補強部材の側面視の形状が異なる場合)に係る補強部材を示す側面図である。
【図7】本発明の変形例(補強部材の平面形状が異なる場合)に係る補強部材を示す平面図である。
【図8】本発明の変形例(補強部材が複数配置されている場合)に係る補強器具を示す拡大側面図である。
【図9】本発明の変形例(補強部材が構造体の軸線方向に隣接する補強部材と連続している場合)に係る補強器具を示す拡大側面図である。
【図10】本発明の変形例(係合部材の平面形状が異なる場合)に係る補強器具を示す全体側面図および全体平面図である。
【符号の説明】
20 コンクリート棒状構造体としての柱
22 柱の表面
30 補強器具
31,61 係合部材としてのコーナーピース
32 緊締部材
40 補強部材
42 係止部
S 緊締部材と構造体との間の隙間
Claims (8)
- コンクリート棒状構造体の表面に係合される複数の係合部材と、前記構造体の表面に沿って配置されて前記各係合部材同士を連結する複数の緊締部材とを備え、これらの緊締部材に付与された引張力で前記係合部材が前記構造体をその軸線方向に対して直交方向に圧縮可能とされているコンクリート棒状構造体の補強器具において、
前記緊締部材と前記構造体との間の隙間に介在され、前記構造体の膨張を抑制するとともに、片面にテーパが形成された平板材であって、その両端部の厚みが異なっている補強部材を備えていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。 - 請求項1に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記緊締部材の表面および前記構造体の表面に当接されていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。
- 請求項1または2に記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記各係合部材同士の略中央に配置されていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。
- 請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記各係合部材同士の間に複数配置されていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。
- 請求項1から4のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強器具は、前記構造体の軸線方向に複数配置されていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。
- 請求項1から5のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記構造体の軸線方向に隣接する補強部材と連続していることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。
- 請求項1から6のいずれかに記載のコンクリート棒状構造体の補強器具において、前記補強部材は、前記緊締部材に係止する係止部を備えていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強器具。
- 請求項1から7のいずれかに記載の補強器具を用いてコンクリート棒状構造体を補強する補強方法であって、
前記コンクリート棒状構造体の表面に複数の前記係合部材を係合させるとともに前記緊締部材で前記各係合部材を連結して、前記各緊締部材に引張力を付与して前記係合部材で前記構造体をその軸線方向に対して直交方向に圧縮した後、前記緊締部材と前記構造体との間の隙間に前記補強部材を挿入することを特徴とするコンクリート棒状構造体の補強方法。
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