JP3834637B2 - 壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法 - Google Patents

壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築、土木の分野におけるコンクリート構造物、とくに柱部分の少なくとも一部で壁部分がつながる壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中高層建築物あるいは橋梁等の鉄筋コンクリート系の構造物は、棒状の柱や梁が多用されており、その部材には各方向から曲げモーメントや剪断力が負荷され、さらに柱部材にあっては軸圧縮力が常時負荷されていることから、地震等によって過大な負荷を受けた場合においても容易に破壊することがないようその強化が図られている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−34842号公報。
【0004】
【特許文献2】
特開平9−88238号公報。
【0005】
ところで、この種の耐震強化(補強)に係わる技術は、柱に主眼を置いたものが殆どであって、壁と柱の境界にスリットを設け、柱の靭性を確保するパッシブな耐震補強法は数多く提案されているものの、柱の相互間に介在する壁(耐震壁)や柱に付随する壁(袖壁、腰壁、垂れ壁等)を含めた耐震補強について、その靭性と耐力の両方を同時に改善するアクティブな方法はこれまでに新しい提案がほとんどなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、とくに、既存の壁付き柱の耐震性能(耐力と靭性)を飛躍的に改善、恒久的に維持するとともに、地震被災により損傷を受けた直後においても比較的簡単に応急的な補強を施すことができる新規な耐震補強方法を提案するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、構築物の縦方向に沿って伸延する多数本の主筋とこれらの主筋を取り囲むように配置される多数本の帯筋とを内在する柱部分と、多数本の横筋、縦筋とを内在し柱部分の少なくとも一部でつながる壁部分とからなる既存の壁付き柱につき、その恒久的、応急的な耐震補強を施すに当たり、
対向配置になる少なくとも2枚のプレートにより前記壁部分を柱部分ごと挟み込み、
該プレートと壁部分のみを貫通する緊結部材を、壁部分の幅方向及び縦方向に沿いそれぞれ間隔をおいて配置するが、壁部分の幅方向に沿う間隔については、柱部分の近傍域が密となるように、壁部分の縦方向に沿う間隔については、壁付き柱の頭部及び脚部を含むその近傍域にて密となるように複数本配置して仮止めしたのち、該プレートを型枠として利用しつつ該プレートと柱部分、壁部分の間に形成される隙間にコンクリートまたはモルタルを増し打ちして硬化させてその部位の断面積を増大させ、次いで、該プレートを横拘束材、せん断破壊を防止するせん断補強材として利用すべく、該緊結部材を締め上げて増し打ちしたコンクリートまたはモルタルに該プレートを圧着させて拘束するとともにプレストレスを導入して水平耐力と同時に靭性の飛躍的な増大を図ることを特徴とする壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法である。
【0008】
本発明においては、柱部分の全高さ、または柱頭、柱脚部に関して全周または対向する2面、あるいは3面にプレートを配置するとともにそのコーナー部にコーナーピースを配置し、緊結部材にて該コーナーピースを締め上げてプレストレスを導入しつつ該プレートを柱部分に圧着させるのが望ましい。
【0009】
また、本発明では、プレートのサイズ、配置領域を変更して増し打ちするコンクリート又はモルタルの長さ、幅を調整することにより耐力、剛性、変形性能を制御することができる。
【0010】
コンクリートやモルタルを増し打ちしない場合には、コーナーピースや帯板を用いて、柱部分や壁部分にプレートを直接配置し、緊結部材を締め挙げてプレストレスを導入しつつ該プレートを圧着する。
【0011】
壁部分は、耐震壁、腰壁、垂れ壁または袖壁であるのがとくに有利に適合する。
【0012】
プレートと柱部分、壁部分の間に形成される隙間には予め、あと施工アンカーにより鉄筋を配置し、曲げ耐力をさらに増大させることも可能である。
【0013】
削除
【0014】
削除
【0015】
また、本発明では、対向配置になる少なくとも2枚のプレートに、その縁部を超えて突出する帯板をそれぞれ重ねあわせて配置し、該帯板の相互間を貫通する緊結部材にて該帯板を締め上げてプレストレスを導入することもできる。
【0016】
プレートとプレート間およびプレートと既存部材との間には、地震時の弾塑性挙動で接触しない程度の隙間(10mm〜30mm程度)を必ず設ける。
【0017】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は既存の壁付き柱(袖壁)に耐震補強を施した例を示したものである。
【0018】
図において1は構築物の縦方向に沿って伸延する多数本の主筋とこれらの主筋を取り囲むように配置される多数本の帯筋とを内在する柱部分、2は多数本の横筋、縦筋を内在し柱部分1につながる壁部分(耐震壁又は袖壁)である。
【0019】
また、3は柱部分1及び壁部分2を両側より挟み込むプレート(鋼板等を使用することができ、既存部材である梁等との間には地震時の弾塑性挙動で相互に接触しない程度の隙間が形成される)、4はプレート3を壁部分2とともに貫通する緊結部材(PC鋼棒や新素材ロッド等)、5はプレート3と柱部分1、壁部分2の間に形成される隙間に増し打ちされたコンクリート(無収縮コンクリートあるいは膨張コンクリート)またはモルタル(無収縮モルタルあるいは膨張モルタル)である。
【0020】
上記のような補強を施すには、まず、図2に示すように壁部分2及びプレート3にそれぞれ緊結部材4を通すための貫通孔を開けておき、該壁部分2を柱部分1ごと両側から挟み込むようにプレート3を配置し、このプレート3を緊結部材4にて壁部分2に仮止めするとともにプレート3の幅端と壁部分2との間をつなぐ簡易型枠6を配置する。
【0021】
そして、該プレート3と柱部分1、壁部分2の間に形成される隙間にコンクリートまたはモルタルを増し打ちし、その硬化後に簡易型枠6を取り外し該緊結部材4を締め上げてプレストレスを導入する。
【0022】
鋼板の如きプレートを配置するだけでも、せん断力に対する抵抗を大幅に高めることが可能であり、かつ、受動的な横拘束効果(受動的な横拘束効果とは、コンクリートが膨張することによって初めて生じる拘束反力と定義する)により構造物の靭性を改善することができ、水平耐力についてもある程度増大させることは可能である。
【0023】
上掲図1に示すような耐震補強を施すと、柱を含めた壁の断面積を増大させることができることに加え、壁付き柱はその全面にプレストレスが導入されるので、能動的横拘束効果(能動的横拘束効果とは、コンクリート構造物の膨張とは無関係に最初から静水圧のように付加される拘束力と定義する)も期待できるようになり、コンクリートのはらみ出しや剥離、剥落を回避しつつ大きな水平せん断力と高い靭性が確保される。
【0024】
コンクリートあるいはモルタルの増し打ちを行うに当たっては柱部分1と壁部分2との厚さが同じになるようにする(矩形断面とする)。
【0025】
緊結部材4は基本的には等間隔で配置するが、柱部分1の強度を確保するため、本発明では、図3に示すように、壁部分2の幅方向に沿う配置間隔Wを、柱部分1の近傍域にて密とし、これにより効果的で経済的な配置となる。また、壁部分の縦方向に沿う向きの配置間隔Lについては、図4に示すように壁付き柱の頭部及び脚部を含むその近傍域にて密とする。ただし、緊結部材4の軸断面積と、その降伏点強度からプレストレスによる緊張応力度を差し引いた分との積の合計が、プレートの縦、横の何れか小さい方の断面積とその降伏点強度との積と、ほぼ同等かそれ以上になるような緊結部材の配置が望ましい。
【0026】
緊結部材4に付与する緊張レベルは、その降伏点強度の1/2以下を目安とするのが望ましい。
【0027】
プレート3は、鋼板(切り鋼板)を適用することができ、その厚さは3.2〜9mm程度とし、緊結部材4をPC鋼棒とする場合、その径は9〜25mm程度のものを用いることができる。
【0028】
図5、図6は、2本の柱部分1の間に壁部分2(耐震壁)が存在する壁付き柱に耐震補強を施した例(図6は鋼板を溝形タイプに加工して柱部分1を覆うプレート3′を適用している。)をその水平断面で示したものである。このような耐震補強を施すことによって、壁付き柱の強度と靭性は著しく改善される。
【0029】
コンクリート(又はモルタル)の増し打ちに伴い構造物の重量の増大が懸念される場合や部分的な補強で十分な場合には、図7、図8に示すようにプレート3のサイズや、配置領域を適宜に変更すればよい。プレート3のサイズを適宜に変更することでコンクリート、モルタルの増し打ち幅や長さもそれに伴って変わるので壁付き柱の耐力や剛性、変形性能を制御できる利点がある。
【0030】
緊結部材4は、図(a)(b)に示すようにプレート3に柱部分1(あるいはプレート3)を超えて突出する帯板7(厚さ20mm前後で、アングル材を使用することもできる)を重ねあわせて配置し、その端部相互間に設置することもでき、帯板7を締め上げることで柱部分1においてより高いプレストレスが導入され、その部位の強度がより一層高められることになる。
【0031】
また、壁部分2が柱部分1に対して偏って設けられている壁付き柱については図10、図11に示す要領で補強を施す。
【0032】
12(a)(b)は袖壁付きのRC柱について恒久的、応急的な補強を施した例を示したものである。このような構造物も緊結部材4の締め上げによりプレストレスを導入することが可能であり、とくに袖壁が付随する柱において曲げ耐力を大幅に増大させる必要がある場合には、図13に示すようにコンクリート(又はモルタル)を充填するに当たって、あと施工アンカー等を利用して主筋(鉄筋)8をさらに必要本数配置するのがよい。
【0033】
上掲図1213では、壁部分2、柱部分1の周りを全てプレート3、3´で取り囲む例を示したが、図14(a)(b)に示すように柱部分1、壁部分2の全面を両側から挟み込んでコンクリートを増し打ちするか、あるいは図14(c)(d)に示すように壁部分2の一部を残して両側から挟み込んでコンクリートを増し打ちしてプレストレスを導入してももちろんよく、この点に関しては限定されない。
【0034】
本発明は、既存の壁付き柱の部分的な補強にも適用し得るものであり、腰壁付き柱の部分的な補強を行う場合の実施の形態を図15、図16(a)(b)に示す。
【0035】
15は腰壁付き柱の外観斜視図であり、図16(a)(b)はその立面図および水平断面図を示したものである。
【0036】
腰壁付き柱の部分的な補強を行うには、補強すべき部位にプレート3を配置して柱部分1及び壁部分2をサンドイッチし、プレート3を壁部分2に緊結部材4にて仮止めする。そして、プレート3と柱部分1、壁部分2の間に形成される隙間にコンクリート(又はモルタル)を充填、増し打ちし、その硬化後に緊結部材3を締め上げてプレストレスを導入する。
【0037】
これにより、柱部分1と壁部分2とが一体となるため、強度がより一層高められることになる。
【0038】
1516に示したところにおける符号の9は柱部分1の対向する2面に配置される切り鋼板の如きプレート、10はコーナーピース、11は緊結部材であり、プレート9を柱部分1にあてがったのち、その上からコーナーピース10を配置して該コーナーピース10を緊結部材11で締め上げることでプレート9を柱部分1に圧着させつつプレストレスを導入することが可能であり、これにより柱部分1のみの補強も可能になる(耐震性能の改善と鉛直荷重に対する支持能力が高まる)。
【0039】
上掲図15、図16では、柱部分1の2面にプレート9を設けた場合を示したが、図17(a)に示すようにその全周(4面)に設けることもできるし、図17(b)に示すように3面に設けることもできる。あるいは、柱部分1の頭部あるいは脚部のみの2面、3面あるいは4面に設けるようにしてもよく、この点については、限定されない。なお、プレート9を設けるに際しては、地震時の弾塑性挙動でそれらが相互に接触しないように、あるいはプレート9と既存部材である例えば梁が接触しないよう隙間を設けることが肝要になる。
【0040】
柱部分1のみを補強するに当たっては、壁部分2に柱部分1に沿って貫通孔を設けて、その貫通孔に緊結部材11を通してコーナーピース10を取り付ける。柱部分1の対向する2面にプレート9を設け、コーナー部にコーナーピース10を配置して緊結部材11を締め上げてプレストレスを挿入した例を図18に、また、壁部分2が柱部分1に対して偏った壁付き柱につき、コーナーピース10、帯板7(アングル材でもよい)および緊結部材11によって補強した例を図19にそれぞれ示す。
【0041】
腰壁や垂れ壁等の壁部分2が柱部分1に対して偏ってつながる壁付き柱についても図20に示すように同様の要領でプレストレスを導入することができる。
【0042】
プレート3は柱部分1に直接接触させることができるが、柱部分1のより一層の強化を図るために、図21に示す如くコンクリート(又はモルタル)を介して配置するようにしてもよい。
【0043】
また、現場での取付けが可能ならば、コの字状に加工したプレート3´を、図22に示すようにその突き合わせ面で溶接を施すようにしてもよい。
【0044】
本発明の実施の形態では、柱部分1は正方形断面になるものを例として示したが、これは円形断面を有するものであってもよく、この場合、図23(a)に示すように柱部分に接触するプレート3´はその面に沿うように加工するか、図23(b)に示すように円形断面に接するように平らなプレートをあてて、その隙間にコンクリートやモルタルで充填すればよい。また、柱部分1と壁部分2が角度をもってつながっているような場合には、その角度に適合するようにプレート3を配置すればよく、この点についてはとくに限定されない。
【0045】
プレート3の厚さが厚くなるのを許容できる場合には、図24(a)、(b)に示すように、壁部分2については、プレート3を直接圧着させて緊結部材4で締め上げることもでき、この場合、柱部分1については、図18に示した要領でその補強を施せばよい。
【0046】
【実施例】
実施例1
25(a)(b)に示すような袖壁付き柱(柱部分:幅250mm、せい250mm、高さ1000mm、柱部分(袖壁):幅250mm、厚さ50mm、高さ1000mm、)に、図26(a)(b)に示すような厚さ3.2mm、縦寸法970mm(プレートと梁との間に15mmの隙間を設ける)、横寸法750mmの鋼板で挟み込んでコンクリートを充填、硬化させて直径5.4mmになるPC鋼棒(片側2列16本)にて490MPaのプレストレス(ひずみ2450μm)を導入した。
そして、この袖壁付き柱につき、軸圧縮応力(軸力比0.2)を加えた状態で上端の梁を水平方向に正負繰返し移動させた場合における水平耐力の変動状況(せん断力V(kN)と層間変形角R((水平移動量/高さ)×100%)との関係)についての検討を行った。その結果を図27(a)(b)に比較して示す。
なお、この検討は、標準的な構造物の1/2.6程度の縮小モデルに相当するものである。また、軸力比0.2は積載荷重と自重に相当する荷重で、コンクリート圧縮強度の20%に相当する。
【0047】
柱部分(図25、図26共通)
主筋:12−D10(主筋比Pg=1.36%)
帯筋:3.7φ−ピッチ105mm(せん断補強筋比Pw=0.08%)
コンクリート圧縮強度σ:25.7MPa
軸力比(N/(bDσ)):0.2 (N:軸力、b:柱の幅、D:柱のせい)
せん断スパン比(M/(VD)):2.0
袖壁部分:
横筋および縦筋:3.7φ−ピッチ105mm(シングル)
【0048】
27(a)(b)より明らかなように、耐震補強を施した26に示したものにおいては、層間変形角Rの変動にかかわりなく、高いせん断力Vで一定しており、水平耐力の劣化がほとんどないことが確認された。
【0049】
実施例2
厚さ3.2mm、縦寸法500mm、横寸法750mmの鋼板で挟み込み隙間内にコンクリートを充填、硬化させて直径5.4mmになるPC鋼棒(片側2列、6本)にて490MPaのプレストレス(ひずみ2450μm)を導入して局部的な補強を施すとともに柱部分に切り鋼板(240×470×3.2mm)を4面ともあてて、コーナーピース(ピッチ41mmで11列配置)とともに直径5.4mmになるPC鋼棒を41mmピッチに配して該柱部分にもプレストレスを導入(490MPa)し、切り鋼板を圧着した図28に示すような腰壁付きの柱(腰壁:厚さ50mm、縦寸法500mm、横寸法800mm(片側)、縦筋および横筋:3.7φ−ピッチ105mmシングル)を、梁(スタブ)の相互間に配して実施例1と同様の検討を行った。その結果を図29に示すような腰壁付きの柱(腰壁部分の補強はなく、柱部分の補強は切り鋼板を除いて図28のものと同じ)の結果とともに図30(a)(b)に示す。
【0050】
柱部分(図28、図29は切り鋼板を除いて共通)
主筋:12−D10(Pg=1.36%)
帯筋:3.7φ−ピッチ105(Pw=0.08%)
コンクリート圧縮強度:20.6MPa
軸力比:0.2
腰壁部分:
横筋および縦筋:3.7φ−ピッチ105mm(シングル)
【0051】
30(a)(b)より明らかなように耐震補強を施した28に示した壁付き柱は、図29に示した壁付き柱に比較してせん断力Vがほぼ一定しており、その値も大きく、水平耐力の劣化がほとんどなく、層間変位角Rが5%に達した状態でもその損傷程度は極わずかであった。これに対して図29に示したような補強では、層間変位角R=2.0%に向う1サイクル目の途中で大きな破損(せん断破壊)が見られた。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、既存の壁付き柱の耐震性能を恒久的に高い状態に維持できるだけでなく、地震等によって損傷を受けた場合でも比較的簡単な手順でもって応急的な補強を施すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示した図である。
【図2】 プレストレスの導入要領の説明図である。
【図3】 筋結部材の配置間隔を示した図である。
【図4】 筋結部材の配置間隔を示した図である。
【図5】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図6】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図7】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図8】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図】 (a)(b)本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面及び側面を示した図である。
【図10】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図11】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図12】 (a)(b)は本発明に従って補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図13】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図14】 (a)〜(d)は本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の水平断面を示した図である。
【図15】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の外観斜視図である。
【図16】 (a)(b)は図16の立面および水平断面を示した図である。
【図17】 (a)(b)は本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の他の例を水平断面について示した図である。
【図18】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の外観斜視図である。
【図19】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の外観斜視図である。
【図20】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の他の例を水平断面について示した図である。
【図21】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の他の例を水平断面について示した図である。
【図22】 本発明にしたがって補強を施した壁付き柱の他の例を水平断面について示した図である。
【図23】 (a)(b)は本発明に従って補強した壁付き柱の他の例を水平断面について示した図である。
【図24】 (a)(b)は壁付き柱の補強例を示した図である。
【図25】 (a)(b)は実施例で使用した壁付き柱の立面及び水平断面を示した図である。
【図26】 (a)(b)は実施例で使用した壁付き柱の立面及び水平断面を示した図である。
【図27】 (a)(b)はせん断力Vと層間変形角Rの関係を示したグラフである。
【図28】 実施例で使用した壁付き柱の外観斜視図である。
【図29】 実施例で使用した壁付き柱の外観斜視図である。
【図30】 (a)(b)はせん断力Vと層間変位角Rの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 柱部分
2 壁部分
3 プレート
3′溝形タイプに加工したプレート
4 緊結部材
5 コンクリート又はモルタル
6 簡易型枠
7 帯板
8 主筋
9 プレート
10 コーナーピース
11 緊結部材

Claims (8)

  1. 構築物の縦方向に沿って伸延する多数本の主筋とこれらの主筋を取り囲むように配置される多数本の帯筋とを内在する柱部分と、多数本の横筋、縦筋とを内在し柱部分の少なくとも一部でつながる壁部分とからなる既存の壁付き柱につき、その恒久的、応急的な耐震補強を施すに当たり、
    対向配置になる少なくとも2枚のプレートにより前記壁部分を柱部分ごと挟み込み、
    該プレートと壁部分のみを貫通する緊結部材を、壁部分の幅方向及び縦方向に沿いそれぞれ間隔をおいて配置するが、壁部分の幅方向に沿う配置間隔については、柱部分の近傍域が密となるように、壁部分の縦方向に沿う配置間隔については、壁付き柱の頭部及び脚部を含むその近傍域にて密となるようにそれぞれ複数本配置して仮止めしたのち、該プレートを型枠として利用しつつ該プレートと柱部分、壁部分の間に形成される隙間にコンクリートまたはモルタルを増し打ちして硬化させてその部位の断面積を増大させ、次いで、該プレートを、横拘束材、せん断破壊を防止するせん断補強材として利用すべく、該緊結部材を締め上げて増し打ちしたコンクリートまたはモルタルに該プレートを圧着させて拘束するとともにプレストレスを導入して水平耐力と同時に靭性の飛躍的な増大を図ることを特徴とする壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法。
  2. 柱部分の全高さ、または柱頭、柱脚部に対して、その全周、対向する2面または3面にプレートを配置するとともにそのコーナー部にコーナーピースを配置し、緊結部材にて該コーナーピースを締め上げてプレストレスを導入しつつ該プレートを柱部分に圧着させる請求項1記載の方法。
  3. 壁部分が、耐震壁、腰壁、垂れ壁または袖壁である、請求項1又は2記載の方法。
  4. プレートのサイズ、配置領域を変更して増し打ちするコンクリート又はモルタルの長さ、幅を調整することにより耐力、剛性、変形性能を制御する、請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. コーナーピースや帯板を使用して柱部分、壁部分にプレートを直接配置し、緊結部材を締め上げることによってプレストレスを導入しつつ該プレートを圧着させる請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. プレートと柱部分、壁部分の間に形成される隙間に予め、あと施工アンカー等により鉄筋を配置する請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 対向配置になる少なくとも2枚のプレートに、その縁部を超えて突出する帯板をそれぞれ重ねあわせて配置し、該帯板の相互間を貫通する緊結部材にて該帯板を締め上げてプレストレスを導入する1〜6の何れかに記載の方法。
  8. プレートとプレート間およびプレートと既存部材との間に、地震時の弾塑性挙動で接触しない程度の隙間を設ける請求項1〜7の何れかに記載の方法。
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