JP4648235B2 - 組積造構造体の免震化工法 - Google Patents

組積造構造体の免震化工法 Download PDF

Info

Publication number
JP4648235B2
JP4648235B2 JP2006112586A JP2006112586A JP4648235B2 JP 4648235 B2 JP4648235 B2 JP 4648235B2 JP 2006112586 A JP2006112586 A JP 2006112586A JP 2006112586 A JP2006112586 A JP 2006112586A JP 4648235 B2 JP4648235 B2 JP 4648235B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
masonry structure
filler
chimney
isolation method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006112586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007284971A (ja
Inventor
健司 齊木
基至 北澤
繁 大塚
幸好 長谷山
寛 山田
友雄 大内
勇治 光阪
亨 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP2006112586A priority Critical patent/JP4648235B2/ja
Publication of JP2007284971A publication Critical patent/JP2007284971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4648235B2 publication Critical patent/JP4648235B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、既存の建物に対する免震化工法に関し、特に、組積造構造体(例えば煉瓦造りの煙突など)を有する建物に対する免震化工法に関する。
近年、耐震性に対する意識の高まりから、既存建物の最下層や中間層に免震装置(例えば積層ゴム)を組み込み、それにより既存建物を免震化することが行われている。この工法は、「免震レトロフィット工法」などと呼ばれることもある。以下、これについて図10を参照して簡単に説明する。
図10には、免化された建物150が示されており、一例として、最下層の所定位置L1のところに免震装置110が配置された構成となっている。具体的には、既存の建物の柱115を所定位置L1で切断すると共に、その切断箇所に免震装置110が挿入されている。なお、こうした免化工法の一例は例えば特許文献1にも開示されている。
特開平11−280266号公報
ところで、既存建物の中には、図11の建物151のように煙突132が設けられているものもある。煙突132は煉瓦造りの組積造構造となっており、その内部が煙道131となっている。さて、ここで問題となるのは煙突132が煉瓦で構成されていること、すなわち、柱のような単一の構造体ではなく組積造構造となっていることである。
上述のように、免震レトロフィット工法では所定位置L1のところで建物を切断する必要がある。単一の構造体である柱115を切断する分には特に問題は生じないが、煙突132を切断する場合、組積造構造であることから、例えば、切断箇所の近傍の煉瓦がばらけて落下してしまうといった問題が生じることとなる。
これに対して従来の工法では、例えば、煙突としての機能を無くし、煙道131内に免震化対象階までコンクリートを充填したうえで煙突132を切断したり、あるいは、免震継手を備えた配管を煙突内に別途配置したうえで上部の煉瓦の解体を行ったり、といった手法が採られていた。
他にも、例えば図12に示すように、所定位置L1のところで切断された上側の煙突132A内に保持体111を吊るすと共に、アンカー112により、該保持体111と躯体125とを連結する工法も考えられる。つまり、このように連結を行い仮支持した後に、煙突を切断しようとするものである。
しかしながらこの工法では、アンカー112により保持体111と躯体125とを一体化することができるが、アンカーを固定するには煙突内(切断前の煙突を指す)での作業が必要となる。免震レトロフィット工法では、10階建程度の建物の1階または2階部分を切断することも多く、煙突内での作業は現実的ではない。ちなみに、10階建−1m角程度の煙突の耐火煉瓦の重量は50ton程度にもなる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば煙突などの組積造構造体の免震化を比較的簡単な作業で行うことができ、しかも免震化後の信頼性も十分に確保し得る免震化工法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の組積造構造体の免震化工法は、建物の免震化対象階を上下に貫通する組積造構造体を免震化する工法であって、前記組積造構造体の周囲の躯体壁と前記組積造構造体との間に第1の充填材を充填し固化させることで、前記組積造構造体と前記躯体壁とを部分的に接続する工程と、前記組積造構造体、前記第1の充填材、および前記躯体壁を貫通するコア孔を形成する工程と、前記コア孔内に、前記組積造構造体、前記第1の充填材、および前記躯体壁を貫通して延在する支持体を設ける工程と、前記支持体が設けられた後、前記支持体より下方の位置で前記組積造構造体を上下に分断する工程とを有する。
上記本発明の工法では、組積造構造体と躯体壁とを部分的に接続した後に組積造構造体の切断されるようになっており、切断された上側の煙突は落下することなく、そのままの位置に保持される。ここで、組積造構造体と躯体壁とを部分的に接続するための工程としては、第1の充填材の充填固化工程と、支持体を設ける工程とがあるが、これらの工程はいずれも、躯体壁の外側から実施可能である。したがって、例えば図12に示したような、煙突内部での作業を要する工法と比較して作業の簡素化が実現される。「支持体」としては、例えば、コア孔内に充填された第2の充填材が固化したものであってもよい。
また、本発明の工法では、第1の充填材のみによる支持ではなく、第1の充填材と支持体とによって煙突が支持されるようになっている。特に、支持体は、煙突の重量をせん断力として受けるものであるため、煙突重量の支持がより効果的に行われることとなる。こうしたことから、本発明によれば、煙突の上部側がより確実に支持され、煙突を切断する際(または切断した後)に、上側の煙突が落下するといった問題も生じにくくなる。
上記本発明の免震化工法は、また、前記第1の充填材を充填する前に、前記組積造構造体の壁面および/または前記躯体壁の壁面に対し、前記第1の充填材による接着作用を高めるための粗面化処理を施す工程をさらに有するものであってもよい。また、同じく第1の充填材を充填する前に、前記組積造構造物と前記躯体壁との間に、前記第1に充填材を受けるための受け部材を配置する工程と、前記躯体壁のうち前記受け部材よりも上方となる位置に、前記第1の充填材を投入するための導入孔を形成する工程とをさらに有していてもよい。
例えば組積造構造体が煙突の場合、上記本発明は、変形自在に構成されたフレキシブル配管を用いて、上下に分断された前記組積造構造体同士を連結する工程をさらに有していてもよい。これにより、煙突の機能を損なうことなく煙突の免震化が行われることとなる。
上記支持体としては、第2の充填物を単に塊状に固化させたものであってもよいが、補強のために、その内部に軸部材が形成されていてもよい。また、上記支持体を形成する工程は、前記コア孔を閉塞する板状の閉塞板と、該閉塞板に取り付けられた軸部材とを有する充填用ジグを用いて行われるものであって、前記閉塞板が前記組積造構造体側に位置するように、前記充填用ジグを前記コア孔内に配置すると共に、その状態で、前記コア孔内に前記第2の充填材を充填することを含むものであってもよい。
より具体的な工法として、上記本発明の工法は、前記組積造構造体を包囲するように前記躯体壁が形成されている建物に対する免震化工法であって、前記第1の充填材を充填する前に、予め、前記躯体壁の一部を除去して前記組積造構造体を露出させる工程をさらに有していてもよい。
上述したように本発明の免震化工法によれば、煙突などの組積造構造体の免震化を比較的簡単な作業で行うことができ、しかも免震化後の信頼性も十分に確保することが可能である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳しく述べる。
(第1の実施形態)
まず、図1、図2等を参照し、本発明に係る免震化工法が適用される建物の構造について説明する。図1は、免震化が行われる前の建物の構造を示しており、図1(a)は縦断面図であり、図1(b)はA−A切断線における横断面図である。図2は、免震化が行われた後の建物の構造を示しており、図2(a)は縦断面図であり、図2(b)はA−A切断線における横断面図である。
図1に示すように、免震化が行われる前の建物50’は、建物を上下に貫通して延びる煙突32’を有しており、煙突32’の周囲は躯体壁25(壁材)によって取り囲まれている。煙突32’は、煉瓦が積層された組積造構造であり、内部に煙道31が形成されている。煉瓦自体は特に限定されるものではなく、一般には、断熱性を備えた耐火性のものである。躯体壁25は、RC造、S造およびSRC造のいずれであってもよい。
特に限定されるものではないが、本実施形態では、煙突32および躯体壁25はいずれも矩形断面となっている(図1(b)参照)。図1(a)において符号24は、免震装置が設置される階(免震化対象階)の床面を示している。
次に、図2、図3を参照して、免震化が行われた後の建物の構造について説明する。免震化後の建物50では、煙突32が所定位置L1の高さで上下に分断されている。上側の煙突32Aと下側の煙突32Bとは、蛇腹状のフレキシブル配管37によって相互に接続されており、これによ、免震化が実現されると共に煙突としての機能も損なわないようになっている。なお、フレキシブル配管37としては、変形自在に構成されたものであれば特に限定されるものではない。
煙突32の免震化に合わせて、それを取り囲む躯体壁も所定位置L1の高さで切断され、上側の躯体壁25Aと下側の躯体壁25Bとに分断されている。躯体壁25A、25Bの間にはスリット45が形成されている。なお、図示は省略しているが、従来公知の工法により、建物の柱も所定位置L1とほぼ同じ高さで上下に切断され、その切断箇所に免震装置(例えば積層ゴム)が挿入されている。
躯体壁25Aの下部側周辺の構造は、より詳細には次のようになっている。図3に示すように、煙突32Aと躯体壁25Aとの間には充填材18(第1の充填材)が充填され、これにより両部材同士が接着されている。充填材18は例えば無収縮グラウトである。ストッパ14は、後述するように、投入された充填材18を受けるための板材(受け部材)であり、木材等を利用してもよい。
支持材12は、上記グラウトとは別工程で充填されたグラウト(第2の充填材)が固化したものである。支持体12は、円柱状をなし、躯体壁25Aと充填材18と煙突32Aとを貫通して横方向に延在している。なお、図3では1本の支持材12のみが示されているが、正確には図2(b)に示すように、煙突32の各側面ごとに支持材12が2本ずつ設けられている。支持体12は、グラウトが端に塊状に固化したものであってもよいが、補強のために軸部材12aを有していてもよい。
本実施形態に係る免震化工法では、煙突が上下に分断されることとなるため、分断された上側の煙突32Aを何らかの手段で支持する必要がある。支持体12は、そのための構造体であり、煙突32Aの自重をせん断方向の荷重として受けることで、煙突32Aを支持している。
煙突32Aと躯体壁25Aとの間に充填された充填材18の接着力のみによって煙突32Aの自重を支持することも場合によっては可能である。しかし、本実施形態のように、充填材18と支持体12との両方によって煙突32Aの自重を受ける構成とする方が、信頼性向上の点で好ましい。特に、上述したように煙突32Aの自重は50ton程度になることもあり、この場合、充填材18の接着力のみで支持することは困難である。なお、支持体12の本数や太さは適宜変更可能であり、煙突32Aの自重などに応じて設定すればよい。
次に、本発明に係る免震化工法の手順について、図4、図5を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように躯体壁25の一部を除去する。これにより壁は躯体壁25A、25Bに分断され、煙突の外周面の一部が露出することとなる。躯体壁25Aの下端は、所定位置L1とほぼ同じ高さとなっている。この工程ではさらに、煙突32の外周面および躯体壁25Aの内周面に対して(いずれか一方の面のみであってもよいが)、清掃、ケレン、目粗し、溝形成などといった、充填材18による接着作用を高めるための粗面化処理を施す。これにより、充填材18による接着(仮支持)がより良好に行われることとなる。
次いで、図4(b)に示すように、躯体壁25Aの下端に、充填材18受けるためのストッパ14を取り付ける。これにより、煙突と躯体壁との間に有底状の隙間が形成されることとなる。またこの工程では、躯体壁25Aの下端より上方の位置に、充填材18を投入するための導入孔16を穿孔する。
次いで、図4(c)に示すように、導入孔16から充填材18を投入する。この充填材18が固化することにより、煙突32と躯体壁25Aとが部分的に一体化し、煙突32Aが仮支持される。なお、本実施形態では、導入孔16から充填材の投入を行っているが、これに限らず、上層階から充填材を投入するようにしてもよい。
充填材18が収縮性を有するもの(固化する際に収縮することを意図する)である場合、煙突32と躯体壁25Aとの間に十分な接着力が得られない可能性があるため、充填材18は収縮率ができるだけ小さい無収縮グラウトであることが望ましい。あるいは、固化する際に逆に膨張するような充填材を利用することも可能である。
次いで、図5(d)に示すように、躯体壁25A、充填材18、および煙突32とを貫通するようなコア孔19を形成する(「コア抜き」とも言う)。この工程は、例えばドリル等を用い、躯体壁25A側から煙道31側に向けて穴あけを行うものであってもよい。なお、図ではコア孔19は水平方向に延在するように描かれているが、躯体壁25A、充填材18、および煙突32を貫通するものであればこれに限定されるものではない。
次いで、図5(e)に示すように、このコア孔19内にグラウト(第2の充填材)を充填し、固化させる。グラウトの充填は躯体壁25A側から実施可能である。これにより支持材12が形成され、煙突32と躯体壁25Aとが一体化する。次いで、このように煙突上部の自重が躯体壁25Aに支持された状態で、煙突の切断を行い、煙突を煙突32A、32Bに分断する。この切断工程において、支持材12等によって煙突32と躯体壁25Aとが一体化しているため、上側の煙突32Aの自重が支持材12(および充填材18)を介して躯体壁25Aに支持されることとなる。つまり、煙突を切断したとしても上側の煙突32Aは落下することなく、そのままの位置に保持される。
なお、第2の充填材も、上記充填材18と同様に、無収縮グラウトあるいは膨張性のある充填材であることが好ましい。また、支持体12内に軸部材12aを設けるには、軸部材12aをコア孔19のほぼ中心に位置させ、この状態でグラウトを充填し、固化させればよい。
その後、図5(f)に示すように分断された煙突32Aと煙突32Bとの間をフレキシブル配管37で繋ぐと共に、一旦除去した躯体壁25Bの一部を補修して修復壁26とすることで免震化が完了する。もっとも、免震化の完了までには、上記の他にも適宜必要な工程が含まれていてもよい。例えば、支持材12の露出側の端部(躯体壁25A側の端部)や、導入孔16の開口部を隠すための壁紙等を貼り付けてもよい。
また、上記工程は、充填物18の受け材として用意したストッパ14を、作業完了まで取り付けたままにしておく例であったが、ストッパ14は、充填物18が固化したのち、例えば図5(d)の工程で取り外されてもよい。この場合、図5(f)に示した最終工程で、充填物18の下部側にアゴ15を形成してもよい。アゴ15としては、コンクリートや鉄骨を利用可能であり、煙突と躯体壁との接着をより強化する。
以上説明したような本実施形態の免震化工法によれば、図5(e)の工程において煙突と躯体壁とを部分的に接続したのち、煙突の切断が行われるため、上側の煙突32Aは落下することなくそのままの位置に保持される。ここで、本実施形態の工法によれば、充填材18の充填固化工程と、コア孔19内へのグラウトの充填固化工程(支持体12形成のための工程)とを、いずれも躯体壁の外側からの作業で実施可能である。したがって、例えば図12に示したような、煙突内部での作業を要する工法と比較して作業の簡素化が実現される。本実施形態の免震化工法は、他にも、免震化後も煙突をそのまま使用できる(煙突の機能を損なうものでない)点においても有利である。
なお、本発明は上記実施形態の構成および工程に限定されるものではなく、他にも種々変更可能である。以下、これについて説明する。
まず、コア孔19内にグラウトを充填する工程は、具体的には、図6に示すようなジグを用いて行われるものであってもよい。図6の充填用ジグ22は、コア孔19の内径よりもやや小さい径を有する円板状の閉塞板22bと、該閉塞板に対し垂直に取り付けられた軸部材22aとで構成さている。充填用ジグ22の材質は特に限定されるものではないが、例えば、閉塞板22bと軸部材22aとがいずれも金属からなるものであってもよい。
充填用ジグ22は、図7(a)に示すように、閉塞板22bが煙道31側となるようにしてコア孔19内に挿入される。これにより、コア孔19の煙道側の端部が閉塞板22bにより閉塞される。次いでこの状態で、図7(b)に示すように、コア孔19内にグラウトが充填される。コア孔の端部が閉塞板22bにより閉塞されていることから、グラウトが煙道31側に漏れるおそれもない。
このように充填用ジグ22を用いた場合であっても、グラウトが固化すること(すなわち支持体12が形成されること)による効果は、上記と同じようにして得られることとなる。特に、図7のような構成によれば、支持体12内に充填用ジグ22の軸部材22aが存在することとなり、この軸部材が支持体12の補強部材として機能することから、支持体12のせん断強度をより向上させることが可能となる。軸部材のこうした機能に鑑みれば、軸部材22aはコア孔19と同程度の長さを有していることが好ましい。
なお、以上、支持体12をグラウトから構成する例について説明したが、本発明の「支持体」はこれに限定されるものではない。せん断力として煙突の自重を支持しうるものであれば、例えば金属等からなる棒状の芯材を支持体12としてコア孔19内に設けるようにしてもよい。
次に、免震化後の煙突32のより具体的な一例について図8を参照して説明する。図2では詳細に示さなかったが、切断した煙突32A内には、断熱のための管状部材34が配置されていてもよい。特に限定されるものではないが、図8の構成では、管状部材34の下端はスリット45とほぼ同じ高さとなっており、ここにフレキシブル配管37が連結されるようになっている。管状部材34は、少なくとも、充填材18が存在している領域(図中のA18を参照)を断熱するような長さを有していることが好ましい。なお、このような管状部材は下側の煙突32B内に配置されていてもよい。
次に、コア孔19を形成する位置について図9を参照して説明する。例えば、図9(a)に示すように3の煉瓦39A〜39Cに対し、煉瓦39Aの下方、および煉瓦39Cの下方にそれぞれ1つずつコア孔19を形成してもよい。
または、図9(b)に示すように、煉瓦39Aの下方、および煉瓦39B、39Cの両方にかかるような位置にそれぞれ1つずつコア孔19を形成してもよい。このように、煉瓦層Z1における各煉瓦の下方に少なくともコア孔19の一部が存在するような形態でコア孔19が形成されていることで、最終的には、各煉瓦39A〜39Cが支持材12(例えば図3参照)によって支持されることとなる。したがって、煉瓦の落下をより生じにくくさせることができる。
もっとも、図9(a)のような構成であったとしても、例えば、煙突の周囲にシート状の拘束部材を巻くなどして煉瓦の落下を防止することで、上記問題の発生を抑えることは可能である。拘束部材としては、一方の面に接着剤層が形成されたシート部材であってもよい。なお、コア孔19の大きさに関して言えば、上下方向に見て、2つまたは3つの煉瓦にかかるような大きさ(一例として、外径φ=200mm)であることが好ましい。
また、上記実施形態では例えば図2に示すように、上側の躯体壁25Aで煙突32Aの重量を支持するような構成であったが、本発明はそれに限定されるものではなく、下側の躯体壁25Bで煙突25Aの重量が支持されるような構成であってもよい。躯体壁25A、25Bとしては、煙突の全周囲を包囲するものに限定されるものではない。例えば、対向する2つの躯体壁の間に煙突が設けられているような構成であってもよい。「組積造構造体」としては、基本的には上記に説明してきたような煙突を意図するが、組積造構造のものであれば必ずしもそれに限定されるものではない。
免震化が行われる前の建物の構造を示しており、図1(a)は縦断面図であり、図1(b)はA−A切断線における横断面図である。 免震化が行われた後の建物の構造を示しており、図2(a)は縦断面図であり、図2(b)はA−A切断線における横断面図である。 煙突と躯体壁とを一体化するための構造体を説明するための斜視図である。 本発明に係る免震化工法の手順を説明するための工程図である。 本発明に係る免震化工法の手順を説明するための工程図である。 支持体形成用のグラウトを充填する工程で用いられる充填用ジグを示す斜視図である。 図6のジグを用いた充填方法を説明するための工程図である。 本発明の免震化工法を適用可能な建物の他の構成例を示す縦断面図である。 煙突に対するコア孔の形成位置等を説明するための模式図である。 免震化された従来の建物を模式的に示す図である。 煙突が設けられた建物を示す図である。 煙突を免震化するための工法の参考例を示す図である。
符号の説明
12 支持材
12a 軸部材
14 ストッパ
15 アゴ
16 導入孔
18 充填材
19 コア孔
22 充填用ジグ
24 床面
25、25A、25B 躯体壁
26 修復壁
31 煙道
32、32A、32B 煙突
34 管状部材
37 フレキシブル配管
45 スリット
50 建物

Claims (9)

  1. 建物の免震化対象階を上下に貫通する組積造構造体を免震化する工法であって、
    前記組積造構造体の周囲の躯体壁と前記組積造構造体との間に第1の充填材を充填し固化させることで、前記組積造構造体と前記躯体壁とを部分的に接続する工程と、
    前記組積造構造体、前記第1の充填材、および前記躯体壁を貫通するコア孔を形成する工程と、
    前記コア孔内に、前記組積造構造体、前記第1の充填材、および前記躯体壁を貫通して延在する支持体を設ける工程と、
    前記支持体が設けられた後、前記支持体より下方の位置で前記組積造構造体を上下に分断する工程とを有する、組積造構造体の免震化工法。
  2. 前記第1の充填材を充填する前に、前記組積造構造体の壁面および/または前記躯体壁の壁面に対し、前記第1の充填材による接着作用を高めるための粗面化処理を施す工程をさらに有する、請求項1に記載の組積造構造体の免震化工法。
  3. 前記第1の充填材を充填する前に、
    前記組積造構造物と前記躯体壁との間に、前記第1に充填材を受けるための受け部材を配置する工程と、
    前記躯体壁のうち前記受け部材よりも上方となる位置に、前記第1の充填材を投入するための導入孔を形成する工程とをさらに有する、請求項1または2に記載の組積造構造体の免震化工法。
  4. 変形自在に構成されたフレキシブル配管を用いて、上下に分断された前記組積造構造体同士を連結する工程をさらに有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の組積造構造体の免震化工法。
  5. 前記支持体を設ける工程は、前記コア孔内に第2の充填材を充填し固化させることを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の組積造構造体の免震化工法。
  6. 前記支持体を設ける工程は、前記支持体の内部に補強用の軸部材を設けることを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の組積造構造体の免震化工法。
  7. 前記支持体を設ける工程は、前記コア孔を閉塞する板状の閉塞板と、該閉塞板に取り付けられた軸部材とを有する充填用ジグを用いて行われるものであって、
    前記閉塞板が前記組積造構造体側に位置するように、前記充填用ジグを前記コア孔内に配置すると共に、その状態で、前記コア孔内に前記第2の充填材を充填することを含む、請求項6に記載の組積造構造体の免震化工法。
  8. 前記組積造構造体を包囲するように前記躯体壁が形成されている建物に対する免震化工法であって、前記第1の充填材を充填する前に、予め、前記躯体壁の一部を除去して前記組積造構造体を露出させる工程をさらに有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の組積造構造体の免震化工法。
  9. 前記第1および第2の充填材はいずれも、無収縮グラウトまたは膨張性を有するグラウトである、請求項5に記載の組積造構造体の免震化工法。
JP2006112586A 2006-04-14 2006-04-14 組積造構造体の免震化工法 Expired - Fee Related JP4648235B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006112586A JP4648235B2 (ja) 2006-04-14 2006-04-14 組積造構造体の免震化工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006112586A JP4648235B2 (ja) 2006-04-14 2006-04-14 組積造構造体の免震化工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007284971A JP2007284971A (ja) 2007-11-01
JP4648235B2 true JP4648235B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=38757006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006112586A Expired - Fee Related JP4648235B2 (ja) 2006-04-14 2006-04-14 組積造構造体の免震化工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4648235B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101763530B1 (ko) 2016-10-13 2017-08-01 일웅엔지니어링 주식회사 환봉삽입형 굴뚝철거 신공법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000170363A (ja) * 1998-12-08 2000-06-20 Uno Kogyo Kk 建築物に組み込まれる煙突の構造
JP2003227236A (ja) * 2001-11-29 2003-08-15 Univ Of The Ryukyus 壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04189976A (ja) * 1990-11-22 1992-07-08 Fujimori Kogyo Kk 煉瓦煙突の改修施工法
JP3032716B2 (ja) * 1996-07-02 2000-04-17 日本道路公団 コンクリート橋脚の補強方法及び緊張材の定着方法
JPH10317684A (ja) * 1997-05-14 1998-12-02 Taisei Corp 耐震補強ブレースの定着方法
JP3677715B2 (ja) * 1997-09-03 2005-08-03 清水建設株式会社 組積造建物の免震化工法
JPH11280266A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Taisei Corp 既存建物の免震化工法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000170363A (ja) * 1998-12-08 2000-06-20 Uno Kogyo Kk 建築物に組み込まれる煙突の構造
JP2003227236A (ja) * 2001-11-29 2003-08-15 Univ Of The Ryukyus 壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007284971A (ja) 2007-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10221558B1 (en) Foundation connection device for use during construction of concrete wall panels
JP6648990B2 (ja) 基礎構造
CN106760851A (zh) 既有砖混结构新增隔震层的施工方法
JP2977075B2 (ja) 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強方法
JP4648235B2 (ja) 組積造構造体の免震化工法
JP2001311314A (ja) 既存建物の免震構造化方法
JP2010150889A (ja) 非耐力壁の連結構造および連結施工方法
JP2005105531A (ja) 建物の基礎構造とその構築方法
KR102137915B1 (ko) 내진 보강을 위한 3축 홀더유닛을 이용한 치장벽돌구조물 및 이의 시공 방법
JP5865567B2 (ja) 連結用スラブ及びその構築方法
JP5814816B2 (ja) アンカーボルト施工方法
JP2016217013A (ja) 孔部形成治具および孔部形成方法
CN104746851B (zh) 一种组合式烟气排放管道及其安装方法
JP3579811B2 (ja) 既設構造物への免震装置の設置方法およびそれに用いる免震装置
JP2011074727A (ja) 山留め壁構造、山留め壁構造の構築方法
JP6230272B2 (ja) 耐震壁、およびその形成方法
JP4950107B2 (ja) Pc飾り柱の接合構造
JP6172501B2 (ja) 耐震補強構造および耐震補強工法
JP6635595B2 (ja) 遮音工法
JP2011042975A (ja) あと施工アンカー及びこれを用いた耐震補強構造、耐震補強方法
CN206800711U (zh) 一种喷涂砂浆外包钢梁‑内墙管卡连接节点
JP5775830B2 (ja) アンカーボルト施工方法
JP2006002428A (ja) 既存床の補強工法および既存建物の免震化工法
JP2019027218A (ja) 鉄骨構造物
JPH07317211A (ja) 充填鋼管コンクリート柱

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4648235

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees