JP5865567B2 - 連結用スラブ及びその構築方法 - Google Patents

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本発明は、既存建物とその外部に構築される耐震用の補強フレームとを構造的に一体に連結するための連結用スラブ、及びその構築方法に関する。
1985年5月に建物の耐震基準が変更されたため、それ以前に建築された多くの建物は変更後の耐震基準を満たしていない。このような建物は耐震基準を満たすために補強する必要がある。
既存建物の耐震補強方法には、主に、既存建物内部の柱、梁、耐震壁などの構造部材を補強又は新設する方法と、既存建物の外部に耐震補強用の構造体を新設して、この構造体に既存建物の応力を負担させる方法とがある。
既存建物内部の構造部材を補強又は新設する場合は、工事期間内は居住者などを退避させる必要がある、補強後は構造部材の断面積が増えた分内部空間が狭くなる、室内など狭い空間内で工事を行う必要がある、などの問題がある。
外部に耐震補強用の構造体を新設する場合は、耐震補強用の構造体を新設する敷地を必要とするが、上述した内部の構造部材を補強又は新設する場合における問題は生じない。
外部に新設する耐震補強用の構造体は既存建物と構造的に一体化する必要があり、これらを連結する連結部材は十分な剛性及び耐力を有する必要がある。
例えば、特許文献1には、プレキャスト製柱とプレキャスト製ベランダ支持部付梁とが一体化された外フレームを既存建物の外側に構築する耐震補強構造が開示されている。そして、特許文献1には、短管からなる連結部材を既設ベランダの連結用貫通孔とベランダ支持部の連結用凹部とに亘って配置し、ベランダ支持部の先端と既存梁との隙間からグラウトを充填して、ベランダ支持部と既設ベランダ、及びベランダ支持部と既存梁を結合して一体化することが開示されている。
特許第3522255号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された構造では、連結部材は、既設建物に作用する剪断力を外フレームに伝達する機能は有するが、ベランダ支持部と既設ベランダとの連結にはあまり寄与していない。
本発明は、以上の点に鑑み、既存建物と耐震用の補強フレームとを確実且つ安定的に連結することが可能な連結用スラブ、及びその構築方法を提供することを目的とする。
本発明の連結用スラブは、既存建物の外部に構築された新設柱と新設梁とからなる補強フレームを前記既存建物と一体に連結した耐震補強構造において、前記既存建物の既存梁と前記新設梁との間にて、前記既存梁から前記新設梁側に張り出した既存スラブの下面に、コンクリートによって前記既存スラブと一体に構築される連結用スラブであって、前記既存梁と前記新設梁との互いに対向する面からそれぞれ突出されたアンカーが内部に配置され、上下端外周部にそれぞれ鋼板が固定された鋼管からなる連結部材が、前記既存スラブを上下に貫通して形成された貫通孔内と当該連結用スラブ内とに連続して位置することを特徴とする。
本発明の連結用スラブによれば、既存梁と新設梁との互いに対向する面からそれぞれ突出されたアンカーが連結用スラブの内部に配置されており、これらのアンカーによって、連結用スラブは既存梁及び新設梁とそれぞれ連結されている。さらに、既存スラブの貫通孔内と連結用スラブ内とに連続して位置した連結部材によって、連結用スラブは既存スラブと連結されている。
よって、既存建物と補強フレームとは、アンカー及び連結部材によって連結用スラブを介して、確実且つ安定的に連結されている。そして、これにより、地震時の既存建物の剪断力は、アンカー及び連結部材によって連結用スラブを介して補強フレームに伝達されるので、地震時に既存建物にかかる応力が補強フレームに確実且つ安定的に伝達され、既存建物の損傷を防ぐことが可能となる。
本発明の連結用スラブにおいて、前記貫通孔は段差面を有し、前記貫通孔の段差面より上側部分は前記連結部材の上側の鋼板の外径より大径であり、前記貫通孔の段差面より下側部分は前記連結部材の下側の鋼板の外径より大径で、且つ前記連結部材の上側の鋼板の外径より小径である。
これにより、既存スラブに形成された貫通孔に連結部材を設置したとき、連結部材の上側の鋼板は、貫通孔の段差面に支持される。よって、連結部材を予め定められた位置に確実に設置することができる。また、連結部材の下側の鋼板は、コンクリートに外部を囲まれて、連結用スラブ内に位置する。よって、下側の鋼板がコンクリートを支持することになり、連結用スラブが下降して既存スラブとの連結が消失することを防止することができる。
また、本発明の連結用スラブにおいて、前記新設柱及び前記新設梁はプレキャスト部材からなることが好ましい。
この場合、補強フレームを構築する工期を短縮することが可能となる。また、既存スラブの形状などによっては、補強フレームを構築するための型枠の設置又は撤去などが困難になることがある。しかし、補強フレームにプレキャスト部材を用いることによって、型枠を省略又は削減することが可能となる。
また、本発明の連結用スラブにおいて、前記連結部材は、前記貫通孔内に当該連結部材の鋼管の長さ方向にその外径以上挿入され、且つ、当該連結用スラブ内に当該連結部材の鋼管の長さ方向にその外径以上挿入されていることが好ましい。
この場合、既存スラブと連結用スラブとを連結部材によって確実且つ安定的に連結することができる。
本発明の第1の連結用スラブの構築方法は、既存建物の外部に構築された新設柱と新設梁とからなる補強フレームを前記既存建物と一体に連結した耐震補強構造において、前記既存建物の既存梁と前記新設梁との間にて、前記既存梁から前記新設梁側に張り出した既存スラブの下面に、コンクリートによって前記既存スラブと一体に構築される連結用スラブの構築方法であって、前記既存スラブに上下に貫通した貫通孔を形成する工程と、前記既存梁の前記新設梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、前記新設梁の前記既存梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、鋼管の上下端外周部にそれぞれ鋼板が固定された連結部材を、前記貫通孔内に設置する工程と、前記既存スラブの下側の前記既存梁と前記新設梁との間に型枠を設置し、前記連結部材の前記鋼管の内部を介して、前記既存スラブの上方からコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートが硬化した後、前記連結部材の外周面と前記貫通孔の内周面との間の隙間にグラウトを充填する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の連結用スラブの構築方法は、既存建物の外部に構築された新設柱と新設梁とからなる補強フレームを前記既存建物と一体に連結した耐震補強構造において、前記既存建物の既存梁と前記新設梁との間にて、前記既存梁から前記新設梁側に張り出した既存スラブの下面に、コンクリートによって前記既存スラブと一体に構築される連結用スラブの構築方法であって、前記既存スラブに上下に貫通した貫通孔を形成する工程と、前記既存梁の前記新設梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、前記新設梁の前記既存梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、前記既存スラブの下側の前記既存梁と前記新設梁との間に型枠を設置し、前記貫通孔を介して、前記既存スラブの上方からコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートが硬化する前に、鋼管の上下端外周部にそれぞれ鋼板が固定された連結部材を、前記貫通孔内に設置する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の第1又は第2の連結用スラブの構築方法によれば、連結用スラブの内部には、既存梁と新設梁との互いに対向する面からそれぞれ突出されたアンカーが配置され、これらのアンカーによって、連結用スラブは既存梁及び新設梁とそれぞれ連結される。さらに、既存スラブの貫通孔内と連結用スラブ内とに連続して位置した連結部材によって、連結用スラブは既存スラブと連結される。
よって、既存建物と補強フレームとは、アンカー及び連結部材によって連結用スラブを介して、確実且つ安定的に連結される。そして、これにより、地震時の既存建物の剪断力は、アンカー及び連結部材によって連結用スラブを介して補強フレームに伝達されるので、地震時に既存建物にかかる応力が補強フレームに確実且つ安定的に伝達され、既存建物の損傷を防ぐことが可能となる。
また、本発明の第1の連結用スラブの構築方法においては、前記連結部材の上側の鋼板には、少なくとも2つの開口が形成されていることが好ましい。
この場合、連結部材の上側の鋼板に形成された開口のうち、少なくとも1つの開口はグラウト充填用の孔として機能し、他の少なくとも1つの開口はグラウト充填時の空気抜け孔として機能する。
また、本発明の第2の連結用スラブの構築方法においては、前記連結部材の上側の鋼板には、少なくとも1つの開口が形成されていることが好ましい。
この場合、連結部材の上側の鋼板に形成された少なくとも1つの開口は、連結部材をセメント内に打設するときの空気抜け孔として機能する。
本発明の実施形態に係る既存建物及び補強フレームを示す説明図。 図1のII−II線断面図。 図2の連結部材付近の拡大図。 図2の別態様。 本発明の実施形態に係る連結用スラブの構築方法を説明する図。
本発明の実施形態に係る連結用スラブ10について図面を参照して説明する。図1に示すように、連結用スラブ10は、既存建物20の外部に補強フレーム30を構築し、既存建物20と補強フレーム30とを一体に連結した耐震補強構造において、既存建物20のスラブ(既存スラブ)21を補強フレーム30に連結するために新たに構築される新設スラブである。連結用スラブ10と既存スラブ21とで連結スラブが構成される。
既存建物20は、柱(既存柱)22や梁(既存梁)23などからなり、外周の既存梁23から外側に向って、バルコニーや共用廊下などを構成する既存スラブ21が設置されている。既存建物20は、例えば、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションやアパートなどの集合住宅やオフィスビルである。
既存建物20は、平面視で略長方形であり、各住戸が長辺方向に連続して配置され、戸境壁が耐震壁を形成しており、短辺方向の応力に対しては耐震性能が十分であるが長辺方向の応力に対しては耐震性能が不足するものであることが、特に好ましい。このような既存建物20の場合、連結用スラブ10は面内方向の水平力のみを負担すればよいので、その断面積や配筋が過大とならない。
補強フレーム30は、既存建物20の地震力を負担させる耐震補強用の構造体であり、既存建物20とは独立して新たに構築される。補強フレーム30は、新設された基礎31(新設基礎)を有し、新設された柱(新設柱)32、梁(新設梁)33などから構成される架構である。
補強フレーム30を構成する新設柱32、新設梁33などの部材は、プレキャスト部材からなる。これにより、補強フレーム30を構築する工期を短縮することが可能となる。また、既存スラブ21の形状などによっては、補強フレーム30を構築するための型枠の設置又は撤去などが困難になることがある。しかし、補強フレーム30にプレキャスト部材を用いることによって、型枠を省略又は削減することが可能となる。なお、補強フレーム30の柱梁接合部、梁継手部などは、プレキャスト部材からなるものでなくてもよい。
連結用スラブ10は、既存梁23から新設梁33側に張り出した既存スラブ21の下面に、コンクリートによって既存スラブ21と一体に構築される新たなスラブである。なお、日射、景観などを考慮して、連結用スラブ10は、既存梁23の下面に形成されている。
図2に示すように、連結用スラブ10は、既存梁23と新設梁33との間に構築されており、既存梁23及び新設梁33とアンカー(鉄筋)41,42で連結されている。なお、図示しないが、連結用スラブ10の内部には鉄筋が配筋されている。
既存梁23の新設梁33に対向する面には、後施工によってアンカー(既存側アンカー)41が突出して設置されており、既存側アンカー41の突出部分が連結用スラブ10の内部に位置している。既存側アンカー41は、ケミカルアンカーであっても機械式アンカーであってもよい。
新設梁33の既存梁23に対向する面には、アンカー(新設側アンカー)42が突出して設置されており、この新設側アンカー42の突出部分が連結用スラブ10の内部に位置している。新設側アンカー42は、新設梁33を作成する際に予め埋め込んだ鉄筋を露出させたものでも、予め埋め込んだ袋ナットなどに後から鉄筋を設置させたものであってもよい。
既存スラブ21には、上下に貫通する貫通孔21aが形成されている。この貫通孔21aは、既存梁23の長手方向に沿って、直線状、千鳥状などに複数形成されている。貫通孔21aは、連結用スラブ10と既存スラブ21とを連結する連結部材50を設置するための孔であると共に、連結用スラブ10を構築するためのコンクリートを打設するための打設口でもある。
図3に示すように、各貫通孔21aには、それぞれ段差面21bが設けられ、段差面21bより上側部分は、段差面21bより下側部分よりも大径になっている。
連結部材50は、上下に開口を有する円筒状の鋼管51と、鋼管51の上下端付近にそれぞれ固定された上部鋼板52及び下部鋼板53とから形成されている。上部鋼板52及び下部鋼板53は、共に中央に円形状の穴が形成されたドーナツ状の円盤形状であり、中央の穴を通した鋼管51に溶接などによって固定されている。なお、上部鋼板52及び下部鋼板53は鋼管51にねじ形式などで取外し可能に固定してもよい。溶接で固定する場合、上部鋼板52の上面と鋼管51の上端面、及び下部鋼板53の下面と鋼管51の下端面とは、少なくとも隅肉溶接可能な程度に離れていることが好ましい。また、上部鋼板52と下部鋼板53との間隔は鋼管51の外径の2倍以上であることが好ましい。
上部鋼板52は、貫通孔21aの段差面21bより上側の部分より小径であるが、貫通孔21aの段差面21bより下側の部分より大径であり、貫通孔21aの段差面21bで支持される。一方、下部鋼板53は、貫通孔21aの段差面21bより下側の部分より小径であり、貫通孔21aを通過して、連結用スラブ10の内部に位置している。
貫通孔21a内に位置する連結部材50の上下方向の長さは、鋼管51の外径以上であることが好ましい。また、連結用スラブ10の内部に位置する連結部材50の上下方向の長さも、鋼管51の外径以上であることが好ましい。連結部材50の上下端は、最小かぶり厚さを確保できることが好ましい。
連結部材50の外周面と貫通孔21aの内周面との間の隙間には、グラウトが充填されている。そして、上部鋼板52には、グラウト充填用の孔及びグラウト充填用の孔として少なくとも2つの開口52aが形成されている。
或いは、図4に示すように、連結部材50の外周面と貫通孔21aの内周面との間の隙間が、コンクリートで充填されていてもよい。この場合、上部鋼板52には、コンクリート充填時の空気抜き用の孔として少なくとも1つの開口52aが形成されている。
以上のように、本発明の実施形態に係る連結用スラブ10によれば、既存梁23と新設梁33との互いに対向する面からそれぞれ突出されたアンカー41,42が連結用スラブ10の内部に配置されており、これらアンカー41,42によって、連結用スラブ10は既存梁23及び新設梁33とそれぞれ連結されている。さらに、既存スラブ21の貫通孔21a内及び連結用スラブ10内に連続して位置した連結部材50によって、連結用スラブ10は既存スラブ21と連結されている。
従って、アンカー41,42によって既存梁23及び新設梁33と連結用スラブ10とが連結され、且つ、連結部材50によって既存スラブ21と連結用スラブ10が連結されることにより、既存梁23と新設梁33との間で既存スラブ21と連結用スラブ10とが構造的に一体化された連結スラブを形成することができる。
これにより、地震時の既存建物20の剪断力は、アンカー41,42に加えて、連結部材50も介して、補強フレーム30に伝達される。具体的には、地震時に既存建物20に発生する剪断力は、既存スラブ21から連結部材50を介して、且つ、既存梁23から既存側アンカー41を介して、連結用スラブ10に伝達され、そして、連結用スラブ10から新設側アンカー42を介して新設梁33に伝達される。よって、地震時に既存建物20にかかる応力を補強フレーム30に確実に伝達して、既存建物20の損傷を防ぐことが可能となる。
連結用スラブ10の構造は、連結用スラブ10の剪断終局耐力が補強フレーム30の剪断終局耐力以上となるように定めればよい。連結用スラブ10の既存建物20との接合部の剪断終局耐力は、既存側アンカー41の剪断耐力と連結部材50の剪断耐力とを合計することによって算出することができる。そのため、既存側アンカー41は新設側アンカー42と比較して径又は本数を小さくすることができ、削孔などによる既存梁23の表面の損傷を削減することが可能となる。なお、連結部材50の剪断耐力を算定する際に、鋼管51内のコンクリートを考慮してもよい。
さらに、連結部材50の上部鋼板52が既存スラブ21に形成された貫通孔21aの段差面21bで支持されているので、既存スラブ21に連結部材50を確実且つ安定的に定位置に定着させることができる。
また、連結部材50の下部鋼板53は、コンクリートで外部を囲まれて連結用スラブ10の内部に配置されているので、連結用スラブ10が下降などして既存スラブ21との連結が消失することを防止することができる。そのため、下部鋼板53の厚さや大きさは、その自重や振動などによって連結用スラブ10と既存スラブ21との間に隙間などが生じないように、連結用スラブ10を支えることができる厚さや大きさに定められる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る連結用スラブ10の構築方法について図面を参照して説明する。この方法は、貫通孔21aに予め連結部材50を設置しておき、コンクリートを連結部材50の内部を介して打設してから貫通孔21aと連結部材50との隙間にグラウトを注入する先付け工法である。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、既存建物20の外部に補強フレーム30を構築する工程を行う。
そして、図5(b)に示すように、既存梁23の新設梁33に対向する面に既存側アンカー41を設置する工程を行う。また、新設梁33の既存梁23と対向する面に新設側アンカー42を設置する工程を行う。また、既存スラブ21に上下に貫通する貫通孔21aを形成する工程を行う。貫通孔21aはコアドリルなどを用いて削孔する。なお、補強フレーム30を構築する前に、貫通孔21aを形成してもよい。
次に、既存スラブ21の下側の既存梁23と新設梁33との間に、図示しないが、型枠を支保工などで設置する工程を行う。また、図5(c)に示すように、既存スラブ21に形成した貫通孔21aに、少なくも2つの開口52aを備えた上部鋼板52(図3参照)を有する連結部材50を設置する工程を行う。
そして、連結部材50の鋼管51の内部を介して既存スラブ21の上側からコンクリートを打設する工程を行う。コンクリートは、少なくとも既存スラブ21の下面を超えるまで打設する。なお、連結用スラブ10を既存スラブ21の下面と密着させるために、コンクリートは片押し打ちすることが好ましい。ここで、片押し打ちとは、打設する領域の一方の端部から他方の端部へ向けて打設する貫通孔21aを変更させながら連結してコンクリートを打設する方法である。
そして、コンクリートが硬化した後、上部鋼板52に形成された少なくとも2つの開口52aの1つから、連結部材50の外周面と貫通孔21aの内周面との間の隙間にグラウトを充填する工程を行う。グラウトは、無収縮モルタルなどのセメント系材料である。上部鋼板52に形成された他の開口52aが、グラウト充填時の空気抜き用の孔となる。
その後、グラウトが硬化することによって、グラウト硬化部61が形成され、且つ、アンカー41,42によって既存梁23及び新設梁33と連結されると共に、貫通孔21a内から連続して位置した連結部材50によって既存スラブ21と連結された連結用スラブ10を構築することができる。
本実施形態では、コンクリートに高流動性のものを使用しなくてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る連結用スラブの構築方法について図面を参照して説明する。この方法は、貫通孔21aからコンクリートを打設して、コンクリートが硬化する前に、貫通孔21aに連結部材50を設置する後付け工法である。
具体的には、図5(a)に示すように、既存建物20の外部に補強フレーム30を構築する工程を行う。
そして、図5(b)に示すように、既存梁23の新設梁33に対向する面に既存側アンカー41を設置する工程を行う。また、新設梁33の既存梁23と対向する面に新設側アンカー42を設置する工程を行う。また、既存スラブ21に上下に貫通する貫通孔21aを形成する工程を行う。なお、補強フレーム30を構築する前に、既存スラブ21に貫通孔21aを形成してもよい。
そして、既存スラブ21の既存梁23と新設梁33との間に、図示しないが、型枠を支保工などで設置する工程を行う。
そして、貫通孔21aを介して既存スラブ21の上側からコンクリートを打設する工程を行う。コンクリートは、少なくとも既存スラブ21の上面近くまで打設する。
そして、打設したコンクリートが硬化する前に、少なくも1つの開口52aを備えた上部鋼板52(図3参照)を有する連結部材50を貫通孔21aに設置する工程を行う。開口52aは、コンクリート充填時の空気抜き用の孔となる。
その後、図4に示すように、コンクリートが硬化し、且つ、アンカー41,42によって既存梁23及び新設梁33と連結されると共に、貫通孔21a内から連続して位置した連結部材50によって既存スラブ21と連結された連結用スラブ10を構築することができる。
本実施形態では、コンクリートを貫通孔21aから打設するので、連結部材50の鋼管51の内部からコンクリートを打設する第1の実施形態と比較して、コンクリートの打設が容易であり、且つ、打設時間を短縮することが可能となる。また、第1の実施形態のようにコンクリートが硬化するのを待ってグラウトを注入する必要がないので、作業時間を短縮化することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図面では、連結用スラブ10の断面形状は同じであるように描いているが、作用する応力の大きさに応じて断面積を変化させてもよい。また、既存柱22と新設柱32の間に、梁型や耐震壁などを設けてもよい。
10…連結用スラブ、 20…既存建物、 21…既存スラブ、 21a…貫通孔、 21b…段差面 、22…既存柱、 23…既存梁、 30…補強フレーム、 31…新設基礎、 32…新設柱、 33…新設梁、 41…既存側アンカー(アンカー)、 42…新設側アンカー(アンカー)、 50…連結部材、 51…鋼管、 52…上部鋼板(上側の鋼板)、 52a…開口、 53…下部鋼板(下側の鋼板)、 61…グラウト硬化部。

Claims (7)

  1. 既存建物の外部に構築された新設柱と新設梁とからなる補強フレームを前記既存建物と一体に連結した耐震補強構造において、前記既存建物の既存梁と前記新設梁との間にて、前記既存梁から前記新設梁側に張り出した既存スラブの下面に、コンクリートによって前記既存スラブと一体に構築される連結用スラブであって、
    前記既存梁と前記新設梁との互いに対向する面からそれぞれ突出されたアンカーが内部に配置され、
    上下端外周部にそれぞれ鋼板が固定された鋼管からなる連結部材が、前記既存スラブを上下に貫通して形成された貫通孔内と当該連結用スラブ内とに連続して位置し、
    前記貫通孔は段差面を有し、前記貫通孔の段差面より上側部分は前記連結部材の上側の鋼板の外径より大径であり、前記貫通孔の段差面より下側部分は前記連結部材の下側の鋼板の外径より大径で、且つ前記連結部材の上側の鋼板の外径より小径であることを特徴とする連結用スラブ。
  2. 前記新設柱及び前記新設梁は、それぞれプレキャスト部材からなることを特徴とする請求項1に記載の連結用スラブ。
  3. 前記連結部材は、前記貫通孔内に当該連結部材の鋼管の長さ方向にその外径以上挿入され、且つ、当該連結用スラブ内に当該連結部材の鋼管の長さ方向にその外径以上挿入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結用スラブ。
  4. 既存建物の外部に構築された新設柱と新設梁とからなる補強フレームを前記既存建物と一体に連結した耐震補強構造において、前記既存建物の既存梁と前記新設梁との間にて、前記既存梁から前記新設梁側に張り出した既存スラブの下面に、コンクリートによって前記既存スラブと一体に構築される連結用スラブの構築方法であって、
    前記既存スラブに上下に貫通した貫通孔を形成する工程と、
    前記既存梁の前記新設梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、
    前記新設梁の前記既存梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、
    鋼管の上下端外周部にそれぞれ鋼板が固定された連結部材を、前記貫通孔内に設置する工程と、
    前記既存スラブの下側の前記既存梁と前記新設梁との間に型枠を設置し、前記連結部材の前記鋼管の内部を介して、前記既存スラブの上方からコンクリートを打設する工程と、
    前記コンクリートが硬化した後、前記連結部材の外周面と前記貫通孔の内周面との間の隙間にグラウトを充填する工程とを備えることを特徴とする連結用スラブの構築方法。
  5. 前記連結部材の上側の鋼板には、少なくとも2つの開口が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の連結用スラブの構築方法。
  6. 既存建物の外部に構築された新設柱と新設梁とからなる補強フレームを前記既存建物と一体に連結した耐震補強構造において、前記既存建物の既存梁と前記新設梁との間にて、前記既存梁から前記新設梁側に張り出した既存スラブの下面に、コンクリートによって前記既存スラブと一体に構築される連結用スラブの構築方法であって、
    前記既存スラブに上下に貫通した貫通孔を形成する工程と、
    前記既存梁の前記新設梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、
    前記新設梁の前記既存梁に対向する面から突出するアンカーを設置する工程と、
    前記既存スラブの下側の前記既存梁と前記新設梁との間に型枠を設置し、前記貫通孔を介して、前記既存スラブの上方からコンクリートを打設する工程と、
    前記コンクリートが硬化する前に、鋼管の上下端外周部にそれぞれ鋼板が固定された連結部材を、前記貫通孔内に設置する工程とを備えることを特徴とする連結用スラブの構築方法。
  7. 前記連結部材の上側の鋼板には、少なくとも1つの開口が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の連結用スラブの構築方法。
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