JP2018178364A - 建物の耐震補強構造及びその構築方法 - Google Patents

建物の耐震補強構造及びその構築方法 Download PDF

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細井 泰行
Yasuyuki Hosoi
泰行 細井
勝志 渕上
Katsushi Fuchigami
勝志 渕上
洋 箕尾
Hiroshi Minoo
洋 箕尾
秀樹 奥谷
Hideki Okuya
秀樹 奥谷
小林 学
Manabu Kobayashi
学 小林
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Abstract

【課題】より短い施工期間で効率的に施工することができ、適用可能な建物の範囲を広げることができると共に、施工の自由度が高い建物の耐震補強構造を提供する。【解決手段】既存躯体の側方に片持ち床16が張り出している建物の耐震補強構造であって、片持ち床16の外側に平面的な拡がりを有する補強架構20が立設され、片持ち床16と厚み方向に連続する増設床30が片持ち床16の下側に積層され、増設床30が、既存躯体にシアキー40を介して接合されると共に補強架構20に連結部材60を介して接合される。【選択図】図4

Description

本発明は、既存躯体の側方に片持ち床が張り出している建物の耐震補強構造及びその構築方法に関する。
従来、既存躯体の側方に片持ち床が張り出している建物の耐震補強構造として特許文献1の耐震補強構造がある。この耐震補強構造は、バルコニーや廊下の外方に補強用の構面を増設すべく外側に基礎を構築し、この基礎上に増設柱を新設し、新設した各増設柱を建物の桁行方向に沿って新設した第1増設梁で接続し、さらに各増設柱を建物の梁間方向に沿って新設した第2増設梁で建物の既設柱に接続するものである。
特開平10−46834号
しかしながら、特許文献1の耐震補強構造は、基礎の構築、基礎上への増設柱の設置、各増設柱の相互間を接続する第1増設梁の設置、各増設柱を対応する既設柱に接続する第2増設梁の設置という多数の工程を経て構築されるものであるため、施工期間が長くなり、施工効率に劣る。また、斯様な多数の工程を長い施工期間で行うことができる条件の建物はかなり限定されてしまう。
また、上記耐震補強構造は、基礎と増設柱を建物の既設柱に対応する位置に構築し、増設柱を対応する既設柱に第2増設梁で接続するものであるため、施工条件の制約が大きく、施工の自由度が低いものになっている。そのため、より短い施工期間で効率的に施工することができ、適用可能な建物の範囲を広げることができると共に、高い施工の自由度を有する耐震補強構造が望まれている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、より短い施工期間で効率的に施工することができ、適用可能な建物の範囲を広げることができると共に、施工の自由度が高い建物の耐震補強構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
本発明の建物の耐震補強構造は、既存躯体の側方に片持ち床が張り出している建物の耐震補強構造であって、前記片持ち床の外側に平面的な拡がりを有する補強架構が立設され、前記片持ち床と厚み方向に連続する増設床が前記片持ち床の下側に積層され、前記増設床が、前記既存躯体にシアキーを介して接合されると共に前記補強架構に連結部材を介して接合されることを特徴とする。
これによれば、平面的な拡がりを有する補強架構と既存躯体を増設床によって連結、一体化することができることから、各々の増設柱を対応する建物の既設柱にそれぞれ梁で接続する工程を行わずに済み、施工の効率性を高め、施工期間をより短くすることができる。従って、より多くの既存建物に耐震補強構造を構築することが可能となり、耐震補強構造の適用可能な建物の範囲を広げることができる。また、基礎と増設柱を建物の既設柱に対応する位置に構築し、各増設柱を対応する既設柱に梁で接続する必要がないことから、施工条件の制約を緩和することができ、施工の自由度を高めることができる。また、補強架構と既存躯体を増設床によって連結すると共に増設床を片持ち床に積層する構造により、片持ち床の突出している部分や建物全体を高い均等性でバランス良く強固に耐震補強することができる。
本発明の建物の耐震補強構造は、前記補強架構がプレキャスト架構であることを特徴とする。
これによれば、施工の効率性を一層高め、施工期間をより一層短くすることができる。従って、更に多くの既存建物に耐震補強構造を構築することが可能となり、耐震補強構造の適用可能な建物の範囲をより広げることができる。
本発明の建物の耐震補強構造は、前記シアキーが太径部と細径部とから構成される略棒状であり、前記細径部と太径部の一部が前記既存躯体に埋め込まれ、前記太径部の残部が前記増設床に埋め込まれることを特徴とする。
これによれば、シアキーの太径部の一部を既存躯体の鉄筋等の強度部材と干渉させずに既存躯体内に配置し、必要なせん断耐力を確保することができる。また、細径部を既存躯体の奥深くまで埋め込んで、シアキーの外側のコンクリート等の損傷が進んでも既存躯体と増設床との一体性を確保することが可能となり、急激な耐力低下を防止することができる。
本発明の建物の耐震補強構造は、前記シアキーが略棒状であり、前記増設床内の前記シアキーの部分の前記増設床の延びる方向における両側に、割裂防止筋が近接するようにして設けられることを特徴とする。
これによれば、シアキーの両側に近接する割裂防止筋が増設床の延びる方向に割り裂こうとする力が発生した際にシアキーに当接し、増設床の延びる方向にコンクリートを割り裂こうとする力を効果的に低減し、シアキーが設けられている箇所から増設床の延びる方向にひび割れ、割裂破壊が拡がることを抑制することができる。
本発明の建物の耐震補強構造は、前記増設床内の前記シアキーの部分の両側に前記割裂防止筋が当接して設けられることを特徴とする。
これによれば、シアキーの両側に当接する割裂防止筋によって増設床の延びる方向にコンクリートを割り裂こうとする力を効果的に低減し、ひび割れや割裂破壊の発生を防止することができ、割裂破壊に対する耐力を一層高めることができる。また、シアキーの両側に生じる支圧応力によって、コンクリートが圧壊する支圧破壊に対しても、シアキーの両側に当接する割裂防止筋に支圧応力を分散させ、支圧耐力を増加させることができる。また、シアキーの両側に割裂防止筋を当接する構造では、シアキーと割裂防止筋の位置決めが容易となり、施工性を高めることができる。
本発明の建物の耐震補強構造の構築方法は、建物の耐震補強構造を構築する方法であって、既存躯体の側方に張り出している片持ち床の外側に平面的な拡がりを有する補強架構を立設すると共に、前記既存躯体にシアキーを固定し、前記補強架構に連結部材を固定する工程と、前記既存躯体から突出する前記シアキーの突出部分と前記補強架構から突出する前記連結部材の突出部分を埋め込むようにして前記片持ち床の下側にコンクリートを面状に打設し、前記コンクリートで前記片持ち床と厚み方向に連続する増設床を形成する工程を備えることを特徴とする。
これによれば、増設床の既存躯体へのシアキーを介した接合と、増設床の補強架構への連結部材を介した接合をコンクリートの打設で一度に行うことができ、本発明の建物の耐震補強構造を容易且つ効率的に構築することができる。また、既存躯体からのシアキーの突出部分と補強架構からの連結部材の突出部分をコンクリートの増設床に埋め込むことにより、増設床を既存躯体と補強架構に高い強度で固定することができる。
本発明によれば、より短い施工期間で効率的に施工することができ、適用可能な建物の範囲を広げることができると共に、施工の自由度が高い建物の耐震補強構造を得ることができる。
本発明による実施形態の建物の耐震補強構造を適用した建物を示す立面説明図。 実施形態の建物の耐震補強構造における片持ち床の周辺の部分縦断面図。 実施形態の建物の耐震補強構造における片持ち床の周辺の部分平面説明図。 実施形態の建物の耐震補強構造におけるシアキーの周辺の部分縦断面図。 (a)は実施形態の建物の耐震補強構造におけるシアキーと割裂防止筋による割裂破壊の防止を説明する一部断面説明図、(b)はそのシアキーと割裂防止筋による支圧破壊の防止を説明する一部断面説明図。 第1変形例のシアキーと割裂防止筋を示す斜視図。 第2変形例のシアキーと割裂防止筋を示す斜視図。 (a)は第3変形例のシアキーと割裂防止筋を示す分解斜視図、(b)はその斜視図。 (a)は第4変形例のシアキーと割裂防止筋を示す分解斜視図、(b)はその斜視図。
〔実施形態の建物の耐震補強構造〕
本発明による実施形態の建物の耐震補強構造は、既存躯体の側方に片持ち床が張り出している建物に設けられるものであり、例えば図1の既存建物10に設けられる。既存建物10は、図1〜図4に示すように、柱11、梁12、床13を有し、床13を介して上層階14と下層階15が区分されている。既存建物10の柱11と梁12から構成される一の外壁構面には片持ち床16が側方に張り出して設けられ、片持ち床16の上面は床13の上面と略面一になっている。図示例の片持ち床16は、断面視略L字形になっており、壁部161が一体形成されている。
片持ち床16の外側には平面的な拡がりを有する補強架構20が立設されている。補強架構20には、例えばRC架構、鉄骨フレームなど耐震補強機能を有する適宜のものを用いることが可能であり、又、補強架構20にはプレキャスト架構を用いると好適である。補強架構20を立設する際には、地盤100に基礎を構築して基礎上に補強架構20を立設することが好ましいが、例えば補強架構20の下端部を地盤100に埋め込んで周囲をコンクリートで固めるなど、所要の設置強度が確保できれば基礎を設けずに立設することも可能である。
片持ち床16の下側には、片持ち床16と厚み方向に連続する増設床30が積層されており、本実施形態では片持ち床16の下面の略全面に亘って面接触するように増設床30が形成されている。増設床30には、片持ち床16の下側に積層して所要の耐震強度を確保できる適宜の材料で形成することが可能であるが、強度、施工性等の点で優れるコンクリートで形成することが好ましい。図示例の増設床30は、コンクリートの内部に配筋31が配設されている構成である。
増設床30は、既存躯体である既存建物10の梁12及び柱11に略棒状のシアキー40を介して接合されている。シアキー40は、柱状の太径部41と、太径部41よりも径が小さい柱状の細径部42を有する段付き形状であり、太径部41の一方の端面から突出するように細径部42が形成され、例えば丸鋼や異形鉄筋などの鋼材等で形成されている。シアキー40は、その細径部42と太径部41の一部が既存建物10の梁12や柱11に埋め込むように固定され、太径部41の残部が増設床30に埋め込むように固定されて、梁12と増設床30、柱11と増設床30を接合する。
シアキー40の太径部41の一部は、梁12や柱11に埋め込んだ状態で梁12や柱11の図示省略する配筋の位置まで到達しない長さで形成され、配筋に干渉しないように梁12や柱11に埋設されている。シアキー40の細径部42は、梁12や柱11に埋め込んだ状態で梁12や柱11の配筋よりも深い位置まで延びる長さで形成され、梁12や柱11の配筋の間に入って配筋よりも深い位置まで延びるように埋設されている。この梁12や柱11に埋設される太径部41の一部の埋込長さは例えば20〜30mm、細径部42の埋込長さは例えば60mm以上とすると良好である。
シアキー40は、増設床30の既存建物10側の面に増設床30の延びる方向に所定間隔を開けて設置され、各設置個所で梁12や柱11と増設躯体20に埋込固定され、既存躯体と増設床30を接合している。尚、個々のシアキー40の耐力を大きくし、シアキー40の設置本数を減らす観点からは、シアキー40の太径部41の径を30mm以上とする等、増設床30内に埋め込まれるシアキー40の部分の最大径を30mm以上とすると好適である。また、シアキー40のせん断力による転倒を確実に防止する観点から、シアキー40の増設床30への埋込深さは太径部41の直径の3倍以上とすると好適であり、3倍〜5倍程度とするとより好適である。
増設床30の内部には略U字形状の割裂防止筋50が設けられている。割裂防止筋50は、増設床30内のシアキー40の部分に相当する太径部41に対し、増設床30の延びる方向における太径部41の両側に太径部41に近接するように設けられ、本実施形態では増設床30内の太径部41の両側に一対の割裂防止筋50・50が当接して設けられている(図4、図5参照)。略U字形状の割裂防止筋50の一部は、増設床30の内方に延びるように設けられる延在部52になっており、割裂防止筋50は、シアキー40と当接する架橋部51を外側、延在部52を内側にして増設床30に埋設されている。
また、増設床30は、図2に示すように、補強架構20に連結部材60を介して接合されている。連結部材60やその連結構造には、補強架構20と増設床30を連結可能な適宜の部材、連結構造を用いることが可能であり、例えばRC架構の補強架構20に一部が打込み等によって埋め込まれ、残部が補強架構20から既存建物10側に突出する鋼製部材、或いは鉄骨フレームの補強架構20にナット等の固定部材で固定され、残部が補強架構20から既存建物10側に突出する鋼製部材等を用いることが可能である。
本実施形態の建物の耐震補強構造を構築する際には、例えば既存躯体の側方に張り出している片持ち床16の外側に平面的な拡がりを有する補強架構20を立設すると共に、既存躯体の梁12や柱11にシアキー40を打ち込んで固定し、補強架構20に連結部材60を固定する。そして、所定の配筋31を配設すると共に、既存躯体から突出するシアキー40の突出部分と補強架構20から突出する連結部材60の突出部分を埋め込むようにして、片持ち床16の下側にコンクリートを面状に打設し、このコンクリートで片持ち床16と厚み方向に連続する増設床30を形成する。これにより、本実施形態の建物の耐震補強構造を得ることができる。
本実施形態によれば、平面的な拡がりを有する補強架構20と既存躯体を増設床30によって連結、一体化することができることから、各々の増設柱を対応する建物の既設柱にそれぞれ梁で接続する工程を行わずに済み、施工の効率性を高め、施工期間をより短くすることができる。従って、より多くの既存建物に耐震補強構造を構築することが可能となり、耐震補強構造の適用可能な建物の範囲を広げることができる。また、基礎と増設柱を建物の既設柱に対応する位置に構築し、各増設柱を対応する既設柱に梁で接続する必要がないことから、施工条件の制約を緩和することができ、施工の自由度を高めることができる。また、補強架構20と既存躯体を増設床30によって連結すると共に増設床30を片持ち床16に積層する構造により、片持ち床16の突出している部分や建物全体を高い均等性でバランス良く強固に耐震補強することができる。
また、補強架構20をプレキャスト架構とする場合には、施工の効率性を一層高め、施工期間をより一層短くすることができる。従って、更に多くの既存建物に耐震補強構造を構築することが可能となり、耐震補強構造の適用可能な建物の範囲をより広げることができる。
また、シアキー40の細径部42と太径部41の一部を既存躯体に埋め込み、太径部41の残部を増設床30に埋め込むことにより、シアキー40の太径部41の一部を既存躯体の鉄筋等の強度部材と干渉させずに既存躯体内に配置し、必要なせん断耐力を確保することができる。また、細径部42を既存躯体の奥深くまで埋め込んで、シアキー40の外側のコンクリート等の損傷が進んでも既存躯体と増設床30との一体性を確保することが可能となり、シアキーに引張力が生じるような場合でも急激な耐力低下を防止することができる。
また、増設床30内のシアキー40の部分の増設床30の延びる方向における両側に割裂防止筋50を近接することにより、増設床30の延びる方向にコンクリートを割り裂こうとする力が発生した際に割裂防止筋50がシアキー40に当接し、増設床30の延びる方向に割り裂こうとする力を効果的に低減し、シアキー40が設けられている箇所から増設床30の延びる方向にひび割れ、割裂破壊が拡がることを抑制することができる。
更に、増設床30内のシアキー40の部分の両側に割裂防止筋50を当接して設けることにより、シアキー40の両側に当接する割裂防止筋50によって増設床30の延びる方向にコンクリートを割り裂こうとする力を効果的に低減し、ひび割れや割裂破壊の発生を防止することができ、割裂破壊に対する耐力を一層高めることができる。尚、図5(a)の太線矢印は割裂破壊を発生させる力が負荷される方向を示している。
また、増設床30内のシアキー40の部分の両側に割裂防止筋50を当接して設けることにより、シアキー40の両側に生じる支圧力応力によって、増設床30のコンクリートが圧壊する支圧破壊に対しても、シアキー40の両側に当接する割裂防止筋50に支圧応力を分散させ、支圧耐力を増加させることができる。尚、図5(b)の太線矢印は支圧破壊を発生させる力が負荷される方向を示している。また、シアキー40の両側に割裂防止筋50を当接する構造では、シアキー40と割裂防止筋50の位置決めが容易となり、施工性を高めることができる。
また、上述の建物の耐震補強構造を構築する方法によれば、増設床30の既存躯体へのシアキー40を介した接合と、増設床30の補強架構20への連結部材60を介した接合をコンクリートの打設で一度に行うことができ、建物の耐震補強構造を容易且つ効率的に構築することができる。また、既存躯体からのシアキー40の突出部分と補強架構20からの連結部材60の突出部分をコンクリートの増設床30に埋め込むことにより、増設床30を既存躯体と補強架構20に高い強度で固定することができる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
例えば本発明の建物の耐震補強構造は、既存躯体の仕上材のない表面に増設床を構築する構造の他、既存躯体の仕上材がある表面に増設床を構築する構造とすることも可能である。例えば既存躯体表面の強度の低い吹付タイル、モルタル等の仕上材を残した状態でシアキー40を既存躯体に埋め込んで固定し、仕上材を残した状態で、既存躯体から突出するシアキー40の部分の両側に割裂防止筋50を近接配置し、増設床30を構成するコンクリートを打設して耐震補強構造を得てもよい。
また、本発明におけるシアキーと割裂防止筋の構成は上記実施形態に限定されず、例えば以下の第1変形例〜第4変形例のようにしてもよい。
第1変形例は、図6に示すように、シアキー40aを全長に亘って略同一の外径を有する棒状に形成している。図示例のシアキー40aは円柱形であり、例えば丸鋼等で形成されている。ただし、異形棒鋼のように全く同一の外形ではない構成とすることも可能である。シアキー40aは、その一部が既存躯体に埋め込むように固定され、残部が増設床30に埋め込むように固定されて既存躯体と増設床30を接合する。シアキー40aには、埋め込まれた状態の増設床30の内部において、その両側に割裂防止筋50が近接するように設けると好適であり、より好適には両側に割裂防止筋50を当接して設けるとよい。
また、第2変形例は、図7に示すように、割裂防止筋50bが、上記実施形態の略U字形状の割裂防止筋50・50をバネ部53bを介して連結した形状を呈しており、先端側の延在部54b・54bと、バネ部53b側の延在部55b・55bと、延在部54bと延在部55bとの間を架橋する第1実施形態の割裂防止筋50の架橋部51に対応する部分である当接部56b・56bと、延在部55b・55bの根元側を連結する略弧状のバネ部53bから構成される。また、シアキー40aは第1変形例と同一であり、割裂防止筋50bの延在部54bと延在部55bとの間の間隔は、シアキー40aの直径より僅かに小さく形成されている。
割裂防止筋50bの一対の当接部56b・56bの間に配置されたシアキー40aは、バネ部53bの付勢により、当接部56b・56bで挟持され、両側から当接部56b・56bがシアキー40aに当接するようになっている。そして、増設床30の内部において、増設床30の延びる方向のシアキー40aの両側に当接部56b・56bが当接した状態で、増設床30及び耐震補強構造が構築される。
第2変形例によれば、第1の当接部56bと第2の当接部56bで挟持するようにシアキー40aに当接させ、割裂防止筋50bをシアキー40aに仮止めすることができる。従って、割裂防止筋50bをシアキー40aに容易且つ確実に当接させることができると共に、割裂防止筋50bがシアキー40aに当接するように地組する必要を無くし、施工性を高めることができる。
また、第3変形例は、図8に示すように、割裂防止筋50cが異なること以外は第2変形例と同様である。割裂防止筋50cは、先端側の延在部57c・57cと、延在部57cから略L字状に屈曲して設けられる当接部58c・58cと、当接部58c・58cの根元側を連結する略弧状のバネ部59cから構成される。
割裂防止筋50cの一対の当接部58c・58cの間に配置されたシアキー40aは、バネ部59cの付勢により、当接部58c・58cで挟持され、両側から当接部58c・58cがシアキー40aに当接するようになっている。そして、増設床30の内部において、増設床30の延びる方向のシアキー40aの両側に当接部58c・58cが当接した状態で、増設床30及び耐震補強構造が構築される。尚、図示例では、一対の割裂防止筋50c・50cが逆方向からシアキー40aに外嵌めされ、各々の割裂防止筋50cの当接部58c・58cが増設床30の延びる方向のシアキー40aの両側に当接するようになっている。
また、第4変形例は、図9に示すように、割裂防止筋50dが異なること以外は第2変形例と同様である。割裂防止筋50dは、第3変形例の割裂防止筋50cの延在部57c・57cを無くした形状を呈する略U字形状であり、当接部58d・58dと、当接部58d・58dの根元側を連結する略弧状のバネ部59dから構成される。
割裂防止筋50dの一対の当接部58d・58dの間に配置されたシアキー40aは、バネ部59dの付勢により、当接部58d・58dで挟持され、両側から当接部58d・58dがシアキー40aに当接するようになっている。そして、増設床30の内部において、増設床30の延びる方向のシアキー40aの両側に当接部58d・58dが当接した状態で、増設床30及び耐震補強構造が構築される。尚、図示例では、一対の割裂防止筋50d・50dが逆方向からシアキー40aに外嵌めされ、各々の割裂防止筋50dの当接部58d・58dが増設床30の延びる方向のシアキー40aの両側に当接するようになっている。
本発明は、側方に片持ち床が張り出している既存建物を耐震補強する際に利用することができる。
10…既存建物 11…柱 12…梁 13…床 14…上層階 15…下層階 16…片持ち床 161…壁部 20…補強架構 30…増設床 31…配筋 40、40a…シアキー 41…太径部 42…細径部 50、50b、50c、50d…割裂防止筋 51…架橋部 52…延在部 53b…バネ部 54b、55b…延在部 56b…当接部 57c…延在部 58c、58d…当接部 59c、59d…バネ部 60…連結部材 100…地盤

Claims (6)

  1. 既存躯体の側方に片持ち床が張り出している建物の耐震補強構造であって、
    前記片持ち床の外側に平面的な拡がりを有する補強架構が立設され、
    前記片持ち床と厚み方向に連続する増設床が前記片持ち床の下側に積層され、
    前記増設床が、前記既存躯体にシアキーを介して接合されると共に前記補強架構に連結部材を介して接合される
    ことを特徴とする建物の耐震補強構造。
  2. 前記補強架構がプレキャスト架構であることを特徴とする請求項1記載の建物の耐震補強構造。
  3. 前記シアキーが太径部と細径部とから構成される略棒状であり、
    前記細径部と太径部の一部が前記既存躯体に埋め込まれ、前記太径部の残部が前記増設床に埋め込まれることを特徴とする請求項1又は2記載の建物の耐震補強構造。
  4. 前記シアキーが略棒状であり、
    前記増設床内の前記シアキーの部分の前記増設床の延びる方向における両側に、割裂防止筋が近接するようにして設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の建物の耐震補強構造。
  5. 前記増設床内の前記シアキーの部分の両側に前記割裂防止筋が当接して設けられることを特徴とする請求項4記載の建物の耐震補強構造。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の建物の耐震補強構造の構築方法であって、
    既存躯体の側方に張り出している片持ち床の外側に平面的な拡がりを有する補強架構を立設すると共に、前記既存躯体にシアキーを固定し、前記補強架構に連結部材を固定する工程と、
    前記既存躯体から突出する前記シアキーの突出部分と前記補強架構から突出する前記連結部材の突出部分を埋め込むようにして前記片持ち床の下側にコンクリートを面状に打設し、前記コンクリートで前記片持ち床と厚み方向に連続する増設床を形成する工程
    を備えることを特徴とする建物の耐震補強構造の構築方法。
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