JP2000034842A - コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法 - Google Patents
コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法Info
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Abstract
とともに、その補強作業を容易かつ安価にできるコンク
リート棒状構造体の補強方法を提供すること。 【解決手段】 補強器具30の緊締部材32を構成する
ボルト321に引張力を付与し、緊締部材32で連結さ
れたコーナーピース31を介して柱20を圧縮する。こ
のため、柱20の圧縮された部分の膨張およびひび割れ
を抑制して確実に補強できる。この際、柱20の周囲を
鉄板で囲む必要がなく、また、繊維強化樹脂などといっ
た高価な部材も使用せず、さらには、鉄筋の巻き付け
や、コンクリートの増し打ち、貫通孔の削孔等の繁雑な
作業もいらず、周囲との空間の取り合いも生じない。従
って、補強作業を容易かつ安価にできる。
Description
構造体の補強器具および補強方法に関し、鉄筋コンクリ
ート建築物の柱や梁の補強などに利用できる。
クリート構造物が多用されている。このうちビルディン
グ等の建築物や、橋梁等の構造物においては、棒状の柱
や梁が多く形成されることになる。これらの柱や梁にお
いては、棒状であるために各方向への曲げ力、剪断力を
受けることになり、特に柱では同時に軸力も受けること
になる。
を受けた際に破壊が生じることになる。このような破壊
は、主に圧壊の形で現れる場合と、せん断破壊の形で現
れる場合とがある。例えば、軸力が過大になると、柱の
長手方向の一部が全周にわたって膨張して圧壊する。ま
た、曲げ力が過大になると、曲げによる圧縮が生じる側
で膨張が生じて圧壊に至り、反対側では引張りによる断
裂が生じる。また、せん断力が過大になると、軸線方向
に対して斜め方向のひび割れが生じ、やがては切れてし
まい、せん断破壊を起こす。
よび梁の補強方法として様々な手法が採られている。第
1に、鉄板で柱を囲む補強方法がある。この補強方法
は、鉄板を柱の各周面に沿わせ、互いに溶接等により全
周を筒状に連続させて柱を包み込むものである。この補
強方法によれば、過大な負荷による膨張やひび割れが生
じてきても、鉄板でこの膨張、ひび割れを抑えることが
でき、構造体の破壊を防止できる。第2に、カーボン繊
維等による繊維強化樹脂板材で柱を囲む補強方法があ
る。この補強方法は、柱の周囲に強化用繊維シート等を
巻き付け、含浸させた樹脂を硬化させて柱を筒状に包み
込むものである。この補強方法によっても鉄板包囲式と
同様の効果が得られる。
この方法は、柱の周囲に鉄筋をコイル状に巻き付けて固
定するものであり、やはり鉄板包囲式と同様の効果が得
られる。第4に、コンクリートを増し打ちする補強方法
がある。この補強方法は、既にある柱の周囲に配筋材を
組みてコンクリートを打って追加し、断面を増加させる
ことで耐力を高めるものである。なお、新規に柱を構築
する場合、通常以上の断面寸法を確保することで同様の
補強が得られる。
る補強方法がある。この補強方法は、柱の反対側面に貫
通孔をあけてロッドを挿通させ、その両端に螺合された
ナットを締め付けることで柱を圧縮するものである。こ
の補強方法によっても膨張ないし圧壊が抑制できるとと
もに、圧縮した部分ではプレストレスが付与されるた
め、過大な負荷による膨張およびひび割れが初期の段階
から抑制できるという効果がある(特願昭59-41558号公
報「鉄筋コンクリート柱の補強法」等参照)。なお、こ
れらの補強方法は、一般に柱の全長にわたって行われ
る。また、これらの補強方法は、梁等に対しても行うこ
とができる。
補強方法には次のような問題がある。第1の補強方法で
は、鉄板を用いるために重量が大きく、また溶接が必要
であるために作業の繁雑さが避けられない。第2の補強
方法では、繊維強化樹脂であるため軽量であるが、コス
ト高になるという問題があり、巻き付けるために柱の角
部を丸める等の処置も必要になる。第3の補強方法で
は、鉄筋の巻き付け等の繁雑さが避けられない。第4の
補強方法では、柱の断面形状が増し、十分な耐力を確保
するためには相当な寸法増が必要となり、周囲との空間
の取り合いに問題が生じる場合がある。第5の補強方法
では、既設コンクリート柱の補強方法として採用した場
合に、既設の柱に貫通孔を開けるという大がかりな工事
が必要となる。また、削孔時に、柱内部の配筋材を切断
することも考えられる。
を確実に補強できるとともに、その補強作業を容易かつ
安価にできるコンクリート棒状構造体の補強器具および
補強方法を提供することにある。
状構造体の補強器具は、既設のコンクリート棒状構造体
を圧縮補強するために用いられる補強器具であって、コ
ンクリート棒状構造体の表面に係合される複数の係合部
材と、その構造体の外周側に配置されて各係合部材同士
を連結する複数の緊締部材とを備え、これらの緊締部材
に付与された引張力で係合部材が前記構造体をその軸線
方向に対して交叉する方向に圧縮可能とされていること
を特徴とするものである。
構成している緊締部材に引張力を付与することにより、
この緊締部材で連結された係合部材を介して構造体が圧
縮される。このため、この圧縮された部分の膨張および
ひび割れが抑制され、これによって構造体の補強が確実
に行われるようになる。この際、構造体の周囲を鉄板で
囲む必要がないから、従来に比して作業が簡単である。
また、繊維強化樹脂などといった高価な部材も使用せ
ず、そして、これに伴って構造体の角部の曲面化も不要
になる。さらには、鉄筋の巻き付けや、コンクリートの
増し打ち、貫通孔の削孔等の繁雑な作業もいらず、周囲
との空間の取り合いも生じない。従って、補強作業が容
易かつ安価に行える。以上により、前記目的が達成され
る。
補強方法は、前述した補強器具を用いて補強する方法で
あって、具体的には、コンクリート棒状構造体の表面に
補強器具を構成する複数の係合部材を係合させるととも
に、その構造体の外周側に前記緊締部材を配置し、これ
らの緊締部材で前記各係合部材を連結した後に、前記各
緊締部材に引張力を付与して前記係合部材で前記構造体
をその軸線方向に対して交叉する方向に圧縮することを
特徴とするものである。従って、この補強方法によれ
ば、前述と同様に、コンクリート棒状構造体が確実に補
強されるとともに、作業が容易かつ安価に行われる。
体の断面が多角形状である場合に、係合部材を多角形状
における各角部に係合させ、外周側の緊締部材を前記構
造体の各表面に沿って配置することが望ましい。
し、そのボルトに引張力を付与する場合に、引張力の調
整を以下のように行うことができる。すなわち、ボルト
をジャッキを使用して引っ張り、この引っ張りによって
伸びるボルトの伸び量を管理して当該ボルトに付与され
る引張力を調整してもよく、ナットと係合部材との間に
バネ部材を介在させ、このバネ部材の縮み量を管理して
その引張力を調整してもよく、あるいはナットを締め付
ける際のトルクを管理することで調整してもよい。
強器具を構造体の長手方向の端部近傍にのみ設置しても
よく、こうすることにより、圧壊の頻度が高い端部を有
効に補強しつつ、頻度の低い中間部が省略されるから、
効率的な補強が行われるようになり、コスト削減および
作業がより良好に行える。
に基づいて説明する。 〔第1実施形態〕図1ないし図4には、本発明の第1実
施形態が示されている。本実施形態は、鉄筋コンクリー
ト造建物10の一部に形成されるコンクリート棒状構造
体としての柱20の補強を行うものである。
側の床部12を支持するコンクリート製の四角柱状体で
あり、内部に図示しない配筋材を有し、この配筋材が上
下の床部11,12内の配筋材や、下方の基礎13、上
方の梁14内の配筋材と互いに連結されている。なお、
本実施形態では、柱20は、基礎13が図示されている
通り一階部分に設けられているが、二階以上あるいは地
下の階層に設けられた柱に本発明を適用してもよい。
は、四周を囲む補強器具30がそれぞれ上下に間隔を空
けて複数段に配置されている。各補強器具30間の間隔
は、特に限定されるものではなく、その実施にあたって
適宜に決められてよい。
各角部21に対応して配置された係合部材としての計四
つのコーナーピース31と、柱20の外周側すなわち柱
20の四周の表面22に沿って水平に配置された計4本
の緊締部材32とで構成され、これらの緊締部材32で
各コーナーピース31同士が連結されている。
り、鍛造、鋳造、あるいは機械加工による削り出し等の
任意の加工方法によって略L形状に製作されるものであ
り、図3に拡大して示すように、柱20(図中の二点鎖
線)の互いに交叉する表面22にあてがわれる一対の当
接面311を有している。
形状を形成する一方の片部312を貫通するように挿通
穴313が設けられ、この挿通穴313に緊締部材32
が挿通されるようになっている。また、他方の片部31
2には、挿通穴313に対して交叉する向きで雌ネジ3
14が刻設されており、この雌ネジ314に別の緊締部
材32の先端が螺合するようになっている。
通穴313に挿通されて雌ネジ314に螺合されるボル
ト321と、このボルト321の基端側に螺合されるナ
ット322とで構成されている。
基端部にはドライバー等を係止させるための溝323が
設けられ、この溝323を利用して回転させることによ
り、その先端側に刻設された雄ネジ324をコーナーピ
ース31の雌ネジ314に容易に螺合することが可能に
なっている。
刻設された雄ネジ325に螺合されており、挿通穴31
3に設けられた大きな径寸法の座堀部315の底面に係
止するようになっている。
各角部21にコーナーピース31を配置するとともに、
各コーナーピース31を緊締部材32で連結した後、こ
の緊締部材32のボルト321に引張力を付与すること
で、その反力をナット322およびコーナーピース31
の当接面311を介して表面22に伝達し、柱20をそ
の軸線方向(垂直方向)に対して交叉する方向(水平方
向)に圧縮する。
配置するのに先だって、コーナーピース31に予めボル
ト321の先端を螺合させておくと便利であり、この際
にボルト321の溝323が使用される。また、図3中
の符号316は、コーナーピース31の挿通穴313を
隠蔽するボルト蓋であり、引張力が付与されたボルト3
21の先端が万が一コーナーピース31から外れた場合
に、そのボルト321が挿通穴313から飛び出すのを
防止している。
法について、図4を参照して説明する。ボルト321へ
の引張力の付与は、PC鋼棒を引っ張るのに一般的に用
いられる油圧ジャッキ40によって行われる。つまり、
シリンダーを形成しているジャッキ本体41をコーナー
ピース31の挿通穴313周りに当接させ、このジャッ
キ本体41内のラム42と一体になって移動する保持部
材43をボルト321の基端側に螺合してボルト321
を保持し、この状態で加圧してラム42を移動させ、ボ
ルト321を図中の二点差線で示すように右側に向けて
引っ張る。これによって、ボルト321へ引張力が付与
されることになる。そして、その引張力は、ラム42の
移動量S1すなちボルト321の伸び量を管理すること
で調整される。
てナット322が座堀部315の底面から離れるため、
ナット322に勘合したチェアー44を回転させ、この
回転によってナット322を戻し、座堀部315の底面
に接触させて係止させる。この際、チェアー44の回転
は、ジャッキ本体41の開口部45を介してチェアー4
4に図示しないギアを噛み合わせ、このギアをモータ等
で駆動することで行われたり、あるいは作業者がチェア
ー44を直に操作するなど、任意の方法で行われる。そ
して、この後、ボルト321から保持部材43を外せ
ば、前述したように、ボルト321に付与された引張力
の反力によって柱20が外周側から圧縮補強されるよう
になる。なお、補強された柱20の補強器具30は、柱
20にコンクリートを増し打ちすることで隠されてもよ
く、そのまま露出させた状態に維持されてもよい。
うな効果がある。 1)補強器具30では、緊締部材32のボルト321に
油圧ジャッキ40を用いて引張力を付与することによ
り、この緊締部材32で連結された各コーナーピース3
1を介して柱20を圧縮できる。このため、この圧縮さ
れた部分の膨張およびひび割れを抑制でき、これによっ
て柱20の補強を確実に行える。
のコーナーピース31を係合させることで補強されるの
で、内部応力が集中しやすい角部21を確実に押圧する
ことができ、柱20の圧縮補強を一層確実に行える。
要がないから、従来に比して作業を簡単にできる。ま
た、従来の繊維強化樹脂などといった高価な部材も使用
せず、そして、これに伴って柱20の角部21の曲面化
も不要にできる。さらには、鉄筋の巻き付けや、コンク
リートの増し打ち、柱20への貫通孔の削孔など、繁雑
な作業もいらず、周囲との空間の取り合いも生じない。
従って、補強作業を容易かつ安価に行える。
柱20を貫通する貫通孔を設ける必要がないから、削孔
時に柱20内の配筋材を誤って切断したり、配筋材に損
傷を負わせる心配がなく、信頼性の高い補強を行える。
おいてのみ行われるので、通常圧壊の頻度が高い端部を
確実に補強しつつ、頻度の低い中間部を省略でき、コス
ト削減およ作業性の向上を確実に実施できる。
圧縮されるので、垂直な柱20に対する適切な補強を行
える。
力の付与は油圧ジャッキ40を用いて行われるため、油
圧ジャッキ40のラム42の移動量S1を管理すること
で、ボルト321の伸び量を容易に管理でき、引張力の
調整を簡単かつ正確に行うことができる。
により、比較的大きな引張力をもボルト321に付与で
き、より大きな柱20を確実に補強できる。
実施形態が示されている。本実施形態では、ボルト32
1に付与される引張力の調整の仕方が前記第1実施形態
とは異なる。つまり、図5(A)に示すように、ボルト
321に螺合するナット322と、コーナーピース31
に設けられた座堀部315の底面との間には、バネ部材
としての環状の皿バネ50がボルト321に貫通された
状態で配置されている。他の構成は、第1実施形態と同
じである。
は、ナット322を締め付けるに従って、皿バネ50が
徐々に縮んでゆくの対し、その際のバネ力(弾性力)の
増加に応じてボルト321が伸び、図5(B)に示すよ
うに、皿バネ50が完全に縮みきった状態でボルト32
1に最大の引張力が付与される。
がある。 9)皿バネ50が縮みきった時点でのバネ力は、予め把
握できるものであるから、ボルト321に引張力を付与
する際に、必ず皿バネ50が縮みきるまでナット322
を締め付ければ(縮み量S2を最大にすること)、常に
一定の引張力をボルト321に付与できる。
ない場合でも、その縮み量に応じたバネ力は決まってい
るから、ナット322を締め込むことで変化する皿バネ
50の縮み量S2を、例えば隙間ゲージ等で確認できる
ように構成すれば、この縮み量を管理することで任意の
バネ力を発生させることができ、ボルト321に付与さ
れる引張力を正確かつ簡単に調整できる。
与するのに油圧ジャッキ等を用いないから、油圧ジャッ
キを用意したり、操作する手間を省くことができ、作業
性を良好にできるというメリットがある。
たり、あるいは厚みの異なる皿バネ50を用いることに
より、利用できる弾性力のレンジを容易に変えることが
でき、ボルト321に与える引張力の大きさを要求され
る補強の度合いに応じて迅速に対応できる。
実施形態が示されている。本実施形態では、ボルト32
1およびナット322の材質として高張力鋼が用いられ
ており、それらがいわゆる高力ボルトおよびナットとな
っている。その他の構成は第1実施形態と同じである。
よびナット322は、ねじ部の表面処理や、これに伴う
互いの摩擦係数などが規定された高力ボルトおよびナッ
トであるから、ナット322を締め付ける際のトルクに
応じてボルト321には決まった引張力が付与される。
このため、例えばトルクメータが設けられたレンチや、
所定のトルクに達するとクラッチ機構が働くレンチ等を
用いるなど、常にトルクを管理しながらナット322を
締め付ければ、ボルト321に正確な引張力を容易に付
与できる。
40ほどの大がかりな設備が不要であるから、作業性も
良好にできる。
50等のバネ部材を用いなくてよいので、部材点数を削
減できる。
れるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成
等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれ
る。例えば、前述した補強器具30のコーナーピース3
1は、鍛造、鋳造、あるいは削り出し等の任意の方法で
製作されるが、これらの他に、図7、図8に示すコーナ
ーピース61のように、比較的厚めの板金を曲げ加工し
て製作してもよい。このようなコーナーピース61は、
平面W形状とされ、前述のコーナーピース31と同様に
一対の当接面611を有している。そして、各コーナー
ピース61同士は上下二段に配置された計8本のボルト
321、およびこれらの両端に螺合されたナット322
によって連結される。ただし、ボルト321の本数等
は、補強の度合いを勘案して任意に決められてよい。こ
のよに構成された補強器具を用いても、前述した1)〜
6)の効果を同様に得ることができるうえ、ボルト32
1への引張力の付与の仕方に応じて、前述の7)〜1
2)の効果も同様に得ることができる。
としては、柱20等の角部21に係合されるものの他、
図9、図10に示すように、対向する一対の表面22に
係合されるものであってもよい。これらの係合部材は板
金等からなるプレート71であり、各表面22を幅方向
(水平方向)の全域にわたって被っている。そして、プ
レート71同士は、当接する表面22からはみ出した部
分を利用してボルト321および両端のナット322で
連結されている。このような補強器具では、プレート7
1が表面22を大きく被っているため、対向する一対の
表面22の圧縮を効率よく行える。なお、図示した補強
器具の他に同様な別の補強器具を用いことにより、前記
表面22と交叉する他の一対の表面22を被うようにプ
レートを係合させ、これによって上下の補強器具で圧縮
する表面22を交互に変えてもよい。
柱20の上下端部近傍にのみ設置されていたが、図11
に示すように、補強器具30を柱20の上下方向の略全
域にわたって設置してもよく、さらに、図12に示すよ
うに、柱20の下部側には床部11から立ち上がった腰
壁15が設けられ、上方の梁14の下部側には垂れ壁1
6が設けられているような場合など、これら腰壁15お
よび垂れ壁16間に形成された開口部17に対応した位
置、すなわち柱20の略中央付近に補強器具30を配置
した場合でも本発明に含まれる。
4、腰壁15、垂れ壁16、および柱20に沿って設け
られた図示しない袖壁等に貫通孔18(図11、図12
中に点線で図示)を設け、この貫通孔に緊締部材を貫通
させることにより、柱20とそれらの別の構造体との接
合部分を補強器具30で補強してもよい。ただし、あく
まで柱20には貫通孔を設けない。
であったが、本発明は例えば断面三角形や五角形以上の
多角形状の柱に適用できる。また、本発明の構造体とし
ては、柱に限定されるものではなく、例えば周面が露出
した状態にある梁等も含まれる。
られたが、本発明に係るジャッキとしては、油圧や水圧
等を利用したハイドロジャッキの他、ねじ・てこ・歯車
などを利用したメカニカルジャッキであってもよい。
バネ50が用いられていたが、本発明に係るバネ部材と
しては、例えばコイルバネ等であってもよく、その実施
にあたって適宜なバネ部材を適用できる。
のボルト321およびナット322で構成されていた
が、緊締部材としては、例えば頭部が形成されたボルト
であってもよく、これによってナット322を不要にし
てもよい。
補強器具の緊締部材に引張力を付与することにより、緊
締部材で連結された係合部材を介して構造体を圧縮でき
るため、この圧縮された部分の膨張およびひび割れを抑
制でき、構造体の補強を確実にできる。この際、構造体
の周囲を鉄板で囲む必要がないから、従来に比して作業
を簡単できる。また、繊維強化樹脂などといった高価な
部材も使用せず、そして、これに伴って構造体の角部の
曲面化も不要にできる。さらには、鉄筋の巻き付けや、
コンクリートの増し打ち、貫通孔の削孔等の繁雑な作業
もいらず、周囲との空間の取り合いも生じない。従っ
て、補強作業を容易かつ安価にできるという効果もあ
る。
である。
状態を示した断面図である。
ある。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 既設のコンクリート棒状構造体を圧縮補
強するために用いられる補強器具であって、 前記コンクリート棒状構造体の表面に係合される複数の
係合部材と、前記構造体の外周側に配置されて前記各係
合部材同士を連結する複数の緊締部材とを備え、これら
の緊締部材に付与された引張力で前記係合部材が前記構
造体をその軸線方向に対して交叉する方向に圧縮可能と
されていることを特徴とするコンクリート棒状構造体の
補強器具。 - 【請求項2】 複数の緊締部材で連結される複数の係合
部材を備えた補強器具を用いて既設のコンクリート棒状
構造体を圧縮補強する補強方法であって、 前記コンクリート棒状構造体の表面に前記補強器具を構
成する複数の係合部材を係合させるとともに、その構造
体の外周側に前記緊締部材を配置し、これらの緊締部材
で前記各係合部材を連結した後に、前記各緊締部材に引
張力を付与して前記係合部材で前記構造体をその軸線方
向に対して交叉する方向に圧縮することを特徴とするコ
ンクリート棒状構造体の補強方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載のコンクリート棒状構造
体の補強方法において、前記構造体の断面が多角形状で
ある場合に、前記係合部材を前記多角形状における各角
部に係合させ、前記外周側の緊締部材を前記構造体の各
表面に沿って配置することを特徴とするコンクリート棒
状構造体の補強方法。 - 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のコンク
リート棒状構造体の補強方法において、前記緊締部材を
ボルトと当該ボルトに螺合されるナットとで構成し、前
記ボルトをジャッキを使用して引っ張り、この引っ張り
によって伸びる前記ボルトの伸び量を管理して当該ボル
トに付与される引張力を調整することを特徴とするコン
クリート棒状構造体の補強方法。 - 【請求項5】 請求項2または請求項3に記載のコンク
リート棒状構造体の補強方法において、前記緊締部材を
ボルトと当該ボルトに螺合されるナットとで構成し、こ
のナットと前記係合部材との間にバネ部材を介在させ、
このバネ部材の縮み量を管理して前記ボルトに付与され
る引張力を調整することを特徴とするコンクリート棒状
構造体の補強方法。 - 【請求項6】 請求項2または請求項3に記載のコンク
リート棒状構造体の補強方法において、前記緊締部材を
ボルトと当該ボルトに螺合されるナットとで構成し、こ
のナットを締め付ける際のトルクを管理することで前記
ボルトに付与される引張力を調整することを特徴とする
コンクリート棒状構造体の補強方法。 - 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかに記載のコンク
リート棒状構造体の補強方法において、前記補強器具を
前記構造体の長手方向の端部近傍にのみ設置することを
特徴とするコンクリート棒状構造体の補強方法。
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---|---|---|---|
JP20211698A JP3293777B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | コンクリート棒状構造体の補強器具および補強方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000034842A true JP2000034842A (ja) | 2000-02-02 |
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Cited By (6)
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