JP2750053B2 - 柱・梁接合部の補強構造 - Google Patents

柱・梁接合部の補強構造

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JP2750053B2
JP2750053B2 JP4191928A JP19192892A JP2750053B2 JP 2750053 B2 JP2750053 B2 JP 2750053B2 JP 4191928 A JP4191928 A JP 4191928A JP 19192892 A JP19192892 A JP 19192892A JP 2750053 B2 JP2750053 B2 JP 2750053B2
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健 北村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は鉄骨鉄筋コンクリート
柱と鉄骨梁の接合部の補強構造に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】出願人は一端がボルト
であり、他端がボルト孔を複数穿設した羽子板ボルト、
通称パドルボルトを用いた接合構造を種々開発してき
た。その一例に鉄骨鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合
部に羽子板ボルトを用いる構造がある。例えば特開昭6
3−210321号公報、特開平3−279535号公
報、特開平1−190844号公報がその例である。と
ころでこの場合鉄骨柱のフランジには羽子板ボルトから
大きな引張力が作用するため、そのフランジを補強しな
いと面外曲げ変形を生じ、周囲の柱コンクリートを破壊
する等の問題があり、また羽子板ボルトのネジ部に伸び
を生ずる恐れがある。
【0003】すなわち以上の構造では柱鉄骨フランジの
面外曲げ変形を防止できるが、羽子板ボルトのねじ部の
伸び変形は防止できないため、骨組架構としては、接合
部の剛度がやや低下する。また前記公報に示されるバン
ドプレートは形状が8角形のため製作や取付精度の確保
が難しく、さらに柱内側がバンドプレートで覆われるた
め内側の羽子板ボルトのナットの取付けや締め付け作業
の妨げとなっていた。
【0004】この発明は前記問題点を解決するために開
発したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は鉄骨鉄筋コン
クリート構造における柱鉄骨と梁鉄骨とを羽子板ボルト
によって接合する構造であり、各羽子板ボルトのボルト
部をコンクリート中に埋設される各定着鋼板に挿通し、
かつ柱鉄骨の各フランジに挿通し、前記ボルト部に螺合
した内外のナットにより柱鉄骨の各フランジを挟着し、
前記各定着鋼板を囲むようにその外側に複数列の鉄筋を
巻回し、前記各羽子板ボルトの羽子板部を梁鉄骨に取付
けてあることを特徴とする柱・梁接合部の補強構造であ
る。
【0006】
【実施例】図において、鉄骨鉄筋コンクリート構造にお
ける十字状の柱鉄骨Aと梁鉄骨Bは羽子板ボルトCによ
り主として組立られる。組立に際しては初めに平鋼また
は断面溝形のコンクリート中に埋設される各定着拘束鋼
板1の一辺に2本の羽子板ボルトCのボルト部を挿通
し、さらに柱鉄骨Aのフランジに挿通し、各羽子板ボル
トCのボルト部に螺合してある一対の内外のナット2の
締付けによって柱鉄骨Aのフランジを挟着してある。
【0007】その後、羽子板ボルトCの上下に8角形の
複数の鉄筋3を平面でみて各鋼板1を囲むようにその外
側に巻回してある。すなわち前記各定着鋼板1を柱鉄骨
Aのフランジと鉄筋3との間に位置させる。
【0008】その際、最初図2の状態に鉄筋3を配置
し、ナット2の締付け後、図3の状態に位置させる。柱
鉄骨Aの周囲には柱主鉄筋4を配置し、各羽子板ボルト
Cの羽子板部と梁鉄骨Bのフランジは高力ボルト接合さ
れる。
【0009】
【発明の効果】この発明は、鉄骨鉄筋コンクリート構造
において従来のバンドプレートの代わりに平鋼または溝
型のコンクリート中に埋設される各定着鋼板と前記各定
着鋼板を囲むようにその外側に巻回した鉄筋とによる補
強構造である。すなわち、鋼板に羽子板ボルトを取付
け、これらを、柱鉄骨に取り付ける。この状態で柱内側
の羽子板ボルトナットの取付けや締め付けを行う。各定
着鋼板はこれら作業の妨げにはならない。ナット締め付
け完了後、各羽子板ボルト上下に鉄筋を各定着鋼板を囲
むようにその外側になるように配置する。
【0010】定着鋼板と鉄筋の間には多少のすきまがあ
る状態で設置されるが、柱コンクリートにより一体化さ
れる。このため、各羽子板ボルトに作用する引張力によ
り、柱フランジが面外曲げ変形を生じようとするが、そ
の変形は羽子板ボルトナットを介して各定着鋼板により
防止される。定着鋼板に伝達された引張力は周囲の鉄筋
に伝達され、柱圧縮側まで伝達される。
【0011】この補強構造により、各定着鋼板は接合部
柱フランジの面外曲げ変形を防止できるだけでなく、羽
子板ボルトの伸び変形をも防止でき、柱・梁接合部の剛
性が向上する。また8角形バンドプレートを省略できる
ために、鉄骨製作・加工が低減されるとともに、羽子板
ボルトのナット締め付け作業の妨げを除くことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の横断面図である。
【図2】施工過程の立面図である。
【図3】組立完了後の立面図である。
【図4】変形例の要部横断面図である。
【図5】(a) ,(b)は応力伝達機構説明図である。
【符号の説明】
A…鉄骨柱、B…鉄骨梁、C…羽子板ボルト、1…定着
鋼板、2…ナット、3…鉄筋、4…柱主鉄筋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤本 佳和 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 伊藤 昭栄 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 北村 健 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−279535(JP,A) 特開 平1−190844(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨鉄筋コンクリート構造における柱鉄
    骨と梁鉄骨とを羽子板ボルトによって接合する構造であ
    り、各羽子板ボルトのボルト部を各定着鋼板に挿通しか
    つ柱鉄骨の各フランジに挿通し、前記ボルト部に螺合し
    た内外のナットにより柱鉄骨の各フランジを挟着し、各
    定着鋼板を囲むようにその外側に複数列の鉄筋を巻回
    し、前記各羽子板ボルトの羽子板部を梁鉄骨に取付けて
    あることを特徴とする柱・梁接合部の補強構造。
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JP2606250B2 (ja) * 1988-01-27 1997-04-30 鹿島建設株式会社 鉄筋コンクリートからなる柱と鉄骨梁との接合部構造
JPH0814132B2 (ja) * 1990-03-27 1996-02-14 鹿島建設株式会社 柱・梁接合部構造

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