JP3579005B2 - コンクリート型枠用根止め金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート型枠用の根止め金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート壁やコンクリート柱等の各種コンクリート構造物を構築する際には、まず鋳型となるコンクリート型枠を組み立てておき、その型枠内にコンクリートを打設してコンクリートの養生後に型枠を解体、取り外している。このコンクリート型枠の組立固定は、通常、既設のコンクリートスラブから突出している鉄筋を利用し、この鉄筋と型枠との間に根止め金具を介在させて両者を固定することによって行われている。
【0003】
即ち、根止め金具は、鉄筋を挟持して固定されると共に、金具本体に棒状あるいは管状のセパレータの一端部が取付けられており、このセパレータの他端部に螺合されたコーン先端から突出するボルトを型枠の下方の所定高さに設けられたボルト貫通孔に貫通させ、コーン位置を所定の型枠間隔になるよう調整することにより、型枠の位置決めが行われる。
【0004】
この位置決めの後、ボルト貫通孔から突出したコーン先端のボルトに、型枠の外側から型枠締付金具をねじ込んで固定すれば、鉄筋に固定された根止め金具に型枠が固定される。このように、各型枠をそれぞれ互いに所定間隔となるように根止め金具を介して鉄筋に固定することにより、型枠が組み立てられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の根止め金具は、セパレータが金具本体に溶接固定されるものであったため、異なるサイズのセパレータを用いたい場合には、セパレータサイズ別に金具本体を製造しておき、金具本体ごと変更しなければならず、根止め金具を共通して用いることができなかった。
【0006】
このような従来の根止め金具は、金具本体に鉄筋を挟持固定するための機構を形成するだけでなく、セパレータの溶接固定という工程が必要な分、製造工程に手間がかかった。しかも、前記のようにセパレータの種類毎に金具本体を製造しておかなければならないため、製造から保管管理、現場に応じた選択など、常に取り扱いが煩雑となっていた。そこで、セパレータを金具本体に溶接固定することなく、任意のセパレータを使用直前に簡単に且つ強固に取付けられる根止め金具が求められている。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来より構成が簡便で製造が容易であると共に、溶接の必要なくセパレータを簡単に且つ強固に取付けることのできるコンクリート型枠用根止め金具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係るコンクリート型枠用根止め金具は、基部において一体で且つ互いに平行に対面する一対の主体部を形成した略逆U字状の一体構造を有すると共に、前記一対の主体部が重なる方向の平面視で主体部の基部から主体部開放方向に向けて前記基部で連通する略U字状の切り欠き部が形成されている金具本体と、前記切欠き部の底部に固定対象の鉄筋を挿入載置した状態で、該鉄筋と前記基部の内面との間に金具本体の一端縁側から挿入、打ち込まれて前記鉄筋を金具本体に挟持固定する楔部材と、前記一対の主体部の互いに対向する位置にそれぞれ設けられた貫通孔同士を連通するように一対の主体部間に亘って取り付けられ、セパレータの雄ねじ部をねじ込むためのナット部材と、を備え、前記主体部に設けた貫通孔のうちセパレータのねじ込み入り口と反対側の貫通孔形状をナット部材の外形状と一致させ、前記ナット部材は、前記セパレータのねじ込み入り口と反対側の端部が対応する方の主体部の貫通孔から主体部外側へ折り込まれるフリンジ部を有し、この主体部には、ねじ込み入り口と反対側の貫通孔からナット部材を挿入後に前記フリンジ部を押圧固定するように折り曲げられると共に、ナット部に螺合されるセパレータのねじ込みの進行を規制する一つ以上のカシメ部が延設されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係るコンクリート型枠用根止め金具は、請求項1に記載のコンクリート型枠用根止め金具において、前記楔部材は、打ち込み用工具による衝撃を受けるべき尾端縁に対して金具本体の内面に接する一方の長手縁が直角を成すと共に鉄筋に接する他方の長手縁が鋭角を成していることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3に記載の発明に係るコンクリート型枠用根止め金具は、請求項1又は請求項2に記載のコンクリート型枠用根止め金具において、前記金具本体は、前記一対の主体部が重なる方向の平面視で前記切欠き部が一対の主体部の中央に位置する左右対称形状を有し、前記金具本体の両側端縁のいずれの側からも前記楔部材を挿入、打ち込み可能としたものである。
【0011】
本発明のコンクリート型枠用根止め金具は、基部において一体で互いに平行に対面する一対の主体部を形成した略逆U状の一体構造を有する金具本体の前記主体部に、鉄筋挟持部としての略U字状の切欠き部を基部から主体部開放方向に向けて形成したものである。この両切欠き部が連通する基部から切欠き部の底部に鉄筋を挿入載置し、載置状態の鉄筋から金具本体の基部内面との間に楔部材を挿入して打ち込むという簡単な操作によって鉄筋を金具本体の切欠き部の底部との間に挟持し、根止め金具を鉄筋に容易に固定することができる。
【0012】
また本発明においては、セパレータの雄ねじ部をねじ込むためのナット部材が、前記一対の主体部の互いに対向する位置にそれぞれ設けられた貫通孔同士を連通するように一対の主体部間に亘って取り付けられているため、ナット部材にねじ込められたセパレータは、一対の主体部の双方によって機械的に強い支持状態が得られるものである。
【0013】
さらに、前記セパレータのねじ込み側と反対側の主体部にはカシメ部が一つ以上延設されており、このカシメ部は折り曲げられてナット部材のセパレータねじ込み入り口と反対側の端部が貫通孔から主体部外側へ折り込まれるフリンジ部を押圧固定することによってナット部材を金具本体に固定すると共に、ナット部材に螺合されるセパレータのねじ込みの進行を規制するものである。
【0014】
例えば、このカシメ部の先端をねじ込み入り口と反対側のナット部材の開口を遮るように突出させる構成とすれば、セパレートのねじ込み部は螺合が進み過ぎてもその先端がカシメ部の先端に当接してそれ以上の進行が規制される。また、セパレータ先端がカシメ部に到達した時点より更に螺合を進める必要がある場合には、スパナー等を用いて強引にねじ込みを進めれば、カシメ部の折り曲げ状態を逆方向に戻して必要な分だけ螺合を進めることは可能である。
【0015】
なお、このカシメ部の構成は、入り口側と反対方向からのナット部材の雌ねじ部内へセパレータのねじ込みを防ぐこともできる。このねじ込み入り口と反対側の開口は、フリンジ部によるナット部材の主体部への固定箇所であるため入り口側よりも強度が弱くなっているが、このカシメ部による規制によってセパレータは常に入り口側からのねじ込みのみがなされるので、強い強度での支持状態が得られることになる。
【0016】
本発明の金具本体の略逆U字状の構造は、金属平板をプレス加工等によって折曲する工程で容易に形成でき、その後、一つの主体部に同時に切欠き部を形成すれば良い。また上記のようなナット部の金具本体への固定は、予め、一対の主体部同士の間隔と同一長さをもつナット部材の端部に外側へ折り曲げられたフリンジ部を形成しておくと共に、主体部のねじ込み入り口と反対側の貫通孔をナット部材の外形状と一致させておけば、容易な組み立て工程で行える。
【0017】
即ち、ナット部材をその外形状と一致している貫通孔に貫通させて入り口側の主体部貫通孔にナット部材の雌ねじ部入り口を連通させるように当接させれば、端部側のフリンジ部が他方の主体部に掛止状態で当接するため、そのフリンジ部を押圧するまでカシメ部を折り曲げれば、容易にナット部材の金具本体への固定が完了する。
【0018】
以上のように、本発明の根止め金具では、セパレータ取付け部であるねじ穴を有するナット部材が、鉄筋挟持部と共に金具本体の主体部という同一領域に設けられており、ナット部材のねじ穴とセパレータの一端部のねじ加工とが互いに螺合するものであれば、従来のようにセパレータを直接金具本体に溶接固定する必要がなく、現場で簡単に且つ短時間でセパレータを本金具を介して鉄筋に連結することができる。
【0019】
また、本発明の根止め金具は、ねじ込み加工部がナット部材のねじ穴に螺合できるものであれば、金具本体は共通のものとし、様々な長さやサイズ、タイプの異なるセパレータの取り付けに対応できるため、必要な部品点数は少なくて済み、大量生産に適したものであると同時に、部材の製造から保管管理、搬送、現場の使用に亘って、取り扱いが非常に簡便なものである。
【0020】
なお、セパレータの取付け用のナット部材は、一つに限らず、例えば切欠き部の両側に二つ設ける構成としても良い。この場合、それぞれ異なるねじ穴のナット部材として雄ねじ加工の異なるセパレータに対応させる構成も可能であり、あるいは、同じねじ穴のナット部材をそれぞれ互いにねじ込み入り口を逆向きにして設ける構成としても良い。
【0021】
また、本発明の根止め金具の楔部材は、前記切欠き部の底部に載置状態にある鉄筋と金具本体の基部内面との間に挿入されて鉄筋を下方に押圧することにより挟持固定するものであるため、楔部材の形状としては、一方の長手縁が金具本体の基部内面に接しながら挿入できるように、打ち込み用工具による衝撃を受けるべき尾端縁に対して基部内面に接する一方の長手縁が直角を成すと共に、鉄筋に接する他方の長手縁が鋭角を成す形状とすれば良い。
【0022】
即ち、この楔部材は、正面側(一対の主体部が重なる方向)から見た平面形状が略直角三角形となれば良い。従って、このような楔部材の構成としては、略直角三角形状の金属平板であっても良い。しかしながら、楔部材は、鉄筋との押圧接触において固定状態が緩まないように鉄筋に対してその軸方向に位置ズレし難く、両部材同士が引っ掛かりやすい形状とすることが好ましい。
【0023】
一般的には、表面に均一なピッチで凸部が形成されている異形鉄筋が多く使用されていることから、楔部材の鉄筋に接触する端面が、この鉄筋表面の凸部間に嵌って鉄筋軸方向に沿った外力が金具本体に作用しても凸部で引っ掛かってその移動を規制できる形状であることが望ましい。
【0024】
上記の平板状の楔部材でも、鉄筋に接する長手縁の端部が鉄筋表面の凸部に引っ掛かることはあるが、位置ズレすることなく凸部に引っ掛かるには、ほぼ凸部同士間隔に相当する厚みが必要となる。
【0025】
もしくは、楔部材を、金具本体の基部内部に嵌合するような側断面形状において互いに対面する一対の鉄筋押さえ部を形成する逆U字状に形成し、この一対の鉄筋押さえ部の開放側端辺で鉄筋を押圧する構成が好適である。この場合、両鉄筋押さえ部の間隔を、鉄筋の凸部のピッチに応じて適当な距離に設定しておけば、両押さえ部の開放側端部がそれぞれ楔部材の挿入打ち込みに伴って所定位置の鉄筋凸部間の凹部に落ち込み、挟持固定状態では前記凸部と鉄筋押さえ部の開放側端部とが互いに引っ掛かって、鉄筋に対する金具本体の移動が規制され、根止め金具が緩んで鉄筋から外れることを防止する。この側断面逆U字形状の楔部材は、金具本体と同様に所定形状の金属平板からプレス加工での一工程で容易に製造できる。
【0026】
また、金具本体は、一対の主体部が重なる方向の平面視で切欠き部が一対の主体部の中央に位置する左右対称形状とし、金具本体の両側端縁のいずれの側からも楔部材を挿入、打ち込める構成とすることがより望ましい。これにより、作業者は鉄筋の金具固定部位の状況に応じて、作業し易い方向から楔部材を打ち込むことができるため、根止め金具の鉄筋への固定作業が容易となる。
【0027】
なお径の異なる鉄筋に対しては、楔部材の前記打ち込み衝撃を受ける尾端縁の長さ寸法を変更して鉄筋に接する側の長手縁の長手縁に対する鋭角度を変えれば、金具本体は同一形状のもので対応することができる。例えば、現状では、外径13mm、16mmの2種の鉄筋が一般的に広く用いられているため、予め、これら両サイズの鉄筋用に尾端縁の長さの異なる2種の楔部材を用意しておけば良い。
【0028】
以上のように、特に左右対称形状で両側端縁のいずれの側からも楔部材を打ち込める金具本体の場合、金具本体は同一形状のものを共用しても、楔部材も前記尾端縁の長さ寸法さえ変更すれば、異なるサイズのセパレータ、鉄筋に対応できるため、根止め金具を構成する部材数は非常に少なくて済み、製品の量産が非常に容易である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態としてのコンクリート型枠用根止め金具を、図示の実施態様と共に以下に説明する。図1は、本実施形態による根止め金具の全体構成を示す概略斜視図であり、図2は、図1の根止め金具による鉄筋の挟持固定状態を示す概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【0030】
本実施形態の根止め金具10は、主に、基部において一体で互いに平行に対面する一対の主体部(2x,2y)を形成する略逆U字状の一体構造を有する金具本体1と、金具本体1の基部の内部形状より小さい側断面形状において互いに平行に対面する一対の鉄筋押さえ部7が形成された略逆U字状の楔部材6とから構成されるものである。
【0031】
金具本体1の前記一対の主体部(2x,2y)には、これら主体部が重なる方向の平面視で主体部の基部から主体部開放方向に向けて前記基部で連通する略U字形状の切欠き部3が鉄筋挟持部として形成されている。
【0032】
この切欠き部3の底部に両主体部間に亘って固定対象の鉄筋20が収まるように、鉄筋20を挿入載置した状態とするか、あるいは対象の鉄筋20がコンクリート構造体の基礎などに既に固定されたものである場合は鉄筋20に対して切欠き部3の底部を当接させるいうに金具本体1を被せ置いた状態とし、該鉄筋20と金具本体1の基部内面との間に金具本体1の一端縁側から楔部材6を挿入、打ち込むことによって、図1(b)に示すように鉄筋20が切欠き部3の底部側へ押圧され金具本体1と楔部材6との間に挟持固定される。
【0033】
なお本実施形態においては、金具本体1の外形状を、一対の主体部(2x,2y)が重なる方向の平面視(図2(b)の正面図)で切欠き部3が一対の主体部(2x,2y)の中央に位置する左右対称形状とすることによって、金具本体1の両端縁いずれの側からも楔部材6を挿入し打ち込めるものとした。この構成によって、作業者は作業し易い側から楔部材6を打ち込めるので、根止め金具10の鉄筋20への固定作業がより容易となる。
【0034】
また本実施形態では、楔部材6は、側断面略逆U字形状として互いに平行に対面する一対の鉄筋押さえ部7を形成するものとし、これら鉄筋押さえ部7が重なる方向の平面視で、打ち込み時に衝撃を受けるべき尾端縁に対して金具本体1の基部内面に接する一方の長手縁が直角を成すと共に鉄筋20に接する他方の長手縁、即ち鉄筋押さえ部7の開放側端辺が鋭角を成すという略直角三角形状を有しているものとした。
【0035】
この楔部材6は、表面に凸部21が形成された異形鉄筋に対してより強固な挟持固定ができる構成となっている。図2(a)の側面図、(b)の正面図に示すように、楔部材6の互いに平行に対面する一対の鉄筋押さえ部7の鉄筋に接する開放側の各端部は、打ち込みに伴って鉄筋表面の凸部21間の凹部へ落ち込み、この凹部へ嵌り込んだ状態で挟持固定状態となる。従って一対の鉄筋押さえ部7の鉄筋20を押圧している端辺部分は鉄筋軸方向への外力が作用しても、近くの凸部21に引っ掛かって楔部材6の移動が規制されるため、挟持固定は強固に維持される。またこのような効果は金具本体1側においても同様に生じ、切欠き部3の底部が鉄筋表面の凸部21に引っ掛かり、鉄筋軸方向への金具本体1のズレは困難となる。
【0036】
また本実施形態の根止め金具においては、セパレータ30の取り付け部として、セパレータ30の雄ねじ部31が螺合する雌ねじ部13をもつナット部材11が金具本体1に固定されている。このナット部材11は、セパレータ30のねじ込み入り口と反対側の端部が外周方向に向かって折り込まれたフリンジ部12を有しており、フリンジ部12を除くナット部長さが一対の主体部2同士の間隔および一主体部厚さ分と一致する設計となっているものである。
【0037】
また金具本体1には、一対の主体部(2x,2y)の互いに対向する位置にそれぞれ貫通孔(5x,5y)が形成されている。このうち一方の貫通孔5xは、ナット部材11の外形状(本実施形態においては六角形)とほぼ一致する内形状を有し、ナット部材11を貫挿させることができるものであり、他方の貫通孔5yは、ナット部材11の雌ねじ部13の入り口(セパレータねじ込み入り口)開口形状と同じかそれより大きい径を持つ円形状となっている。さらに、一方の主体部2xの貫通孔5xの外周方向に位置する端部に、数本のカシメ部4が延設されている。
【0038】
従って、ナット部材11を一方の貫通孔5xに外側からフリンジ部12が一方の主体部2xに当接して掛止状態となるまで貫通させると、ナット部材11の先端部は他方の主体部2yの内側に当接すると共に、その他方の貫通孔5yとナット部材11の雌ねじ部13の入り口開口とが連通状態となる。
【0039】
本実施形態の根止め金具10においては、このナット部材11の雌ねじ部13の入り口開口と他方の貫通孔5yとの連通状態で前記カシメ部4を折り曲げてフリンジ部12を押圧固定状態とすることによって、セパレータ30の雄ねじ部31を他方の主体部2yの外側から他方の貫通孔5yを介して雌ねじ部13内へねじ込めるようにナット部材11を金具本体1に固定したものである。
【0040】
このような雌ねじ部13内へ端部雄ねじ部31がねじ込まれたセパレータ30は、ナット部材11を介して一対の主体部(2x,2y)の双方に支持されることとなり、安定して強固なセパレータ支持状態が維持される。
【0041】
さらに、本実施形態における根止め金具10では、カシメ部4のうちの一つをセパレータ30のねじ込みの進行を規制するものとして用いる。即ち、本実施形態では2個のカシメ部4が設けられているがそのうちの1個がナット部材11のフリンジ部12を押圧状態で折り曲げられた際に先端部が雌ねじ部13の開口の内側へ突出する長さに設定されたねじ込み規制用のカシメ部4sである。
【0042】
従って、セパレータ30の雄ねじ部31が他方の主体部2y側からからねじ込まれて螺合を進行させていき、雄ねじ部31の先端が雌ねじ部13の一方の主体部2x側の開口端に達すると、そこに突出しているカシメ部4sの先端部に当たってそれ以上の進行が規制される。
【0043】
また、この雌ねじ部13の開口内側に先端部が突出しているカシメ部4sは、入り口開口と反対の他方側からのセパレータ雄ねじ部31のねじ込みを防止する働きもあり、ネット部材11の固定部であって比較的強度の弱い側に負担がかかるセパレータ支持状態となることは回避され、常に支持強度が強い側の入り口開口からねじ込みが行われるようにするものである。
【0044】
なお、以上の本実施形態では、2個のカシメ部4を設け、そのうちの1個をねじ込みの進行を規制するものとしたが、本発明の根止め金具においては、これに限定されるものではなく、規制用のカシメ部4sは二つ以上であっても良い。
【0045】
また、場合によっては、カシメ部4に当接する位置より更にねじ込みを進める必要が生じることもあるため、カシメ部4sに到達した後にスパナ等でセパレータ30を回して強引にねじ込みめば、カシメ部4sの折り曲げが若干戻って螺合を進められる程度にしておくことが望ましい。
【0046】
そこで、規制用のカシメ部4sの個数が多いとこのようなさらなる螺合の進行が非常に困難となるため、規制用のカシメ部4は1〜2個程度が実質的に好ましい。ただし、このように規制用のカシメ部4sは屈曲状態がいくらか戻ってネット部材11の固定押圧が緩むため、すべてのカシメ部4を規制用とはせず、全カシメ部4のうちの一部を規制用とし、その他のカシメ部4でナット部材11の押圧固定が良好に維持できる構成とする。
【0047】
また、規制用のカシメ部4sの構成としては、単に長目の先端部を雌ねじ開口の内側に突出させておくものに限らず、成型可能で良好にねじ込みの進行を規制できると共に、いくらか強引なねじ込みで螺合を進行させられる構成であれば種々の形状が採用できる。
【0048】
規制用カシメ部の別の構成の一例を図3に示す。この例では、一つの固定専用のカシメ部14の他に規制用カシメ部14sを二つ設けており、これら二つのカシメ部14sの先端部でセパレータ30雄ねじ部31の先端の進行を規制すると共に、それ以上の強引なねじ込みで雄ねじ部31を進行させ、その所定位置で雄ねじ部先端を挟持固定する構成となっている。
【0049】
具体的には、これら規制用カシメ部14sは、先端部が図1で示した規制用カシメ部4sよりさらに長く成型されており、ナット部材11の雌ねじ部13の開口内側へ突出した位置でそれぞれ開口外側に向かって再び屈曲されているものである。
【0050】
従って、ナット部材11の雌ねじ部13内に入り口開口からねじ込まれていくセパレータ30の雄ねじ部31は、図3(b)に示すようにその先端が規制用カシメ部14sの屈曲部Tに当接してそれ以上の螺合進行が抑えられる。そこで、さらにスパナ等を用いてさらに強引にねじ込みを進めると、雄ねじ部31の先端は図3(c)に示すように二つのカシメ部14sの屈曲部Tを外側へ押し広げながら両屈曲部T間を進む。所定の位置までセパレータ30の螺合が進んでねじ込み作業が終了すれば、ナット部材11の雌ねじ部13の開口から突出している雄ねじ部31の先端は、両屈曲部Tに挟持された状態であり、その後は安定した位置固定状態となる。
【0051】
以上に示すようなカシメ部の形成は、金具本体1を構成する金属板を型抜きする時に、本体部からの延長部として本体と一体的に打ち抜けば容易に形成することができる。
【0052】
また、本発明の根止め金具においては、セパレータ取り付け用のナット部材11の固定を一つの金具本体1に対して1個に限らず、図1に示した実施形態のように、2個のナット部材11を固定できるように金具本体10の一対の主体部(2x,2y)のそれぞれに設けられた貫通孔(5x,5y)とカシメ部4とからなる固定機構を二組、あるいは形成可能であればそれ以上の組数で形成しておけば、セパレータ30の取り付け位置として適当なものを選択できると同時に複数このセパレータ30の取り付けが可能となる。また、複数組の固定機構を設ける場合、セパレータ30のねじ込み方向が互いに逆向きになるように設定しておいても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明のコンクリート型枠用根止め金具によれば、従来より構成が簡便で製造が容易であると共に、溶接の必要なくセパレータを簡単に且つ強固に取付けることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるコンクリート型枠用根止め金具の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の根止め金具による鉄筋の挟持固定状態を示す概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図3】図1の根止め金具とは別の形状を備えたカシメ部のを示す説明図であり、(a)はナット取り付け部の部分構成図、(b)および(c)はカシメ部の構成と動作を示す断面図である。
【符号の説明】
1:金具本体
2x,2y:主体部
3:切欠き部
4,14:カシメ部
4s.14s:規制用カシメ部
5x,5y:貫通孔
6:楔部材
7:鉄筋押さえ部
10:コンクリート型枠用根止め金具
20:鉄筋
21:凸部
30:セパレータ
31:雄ねじ部
T:(カシメ部)屈曲部
Claims (3)
- 基部において一体で且つ互いに平行に対面する一対の主体部を形成した略逆U字状の一体構造を有すると共に、前記一対の主体部が重なる方向の平面視で主体部の基部から主体部開放方向に向けて前記基部で連通する略U字状の切り欠き部が形成されている金具本体と、前記切欠き部の底部に固定対象の鉄筋を挿入載置した状態で、該鉄筋と前記基部の内面との間に金具本体の一端縁側から挿入、打ち込まれて前記鉄筋を金具本体に挟持固定する楔部材と、前記一対の主体部の互いに対向する位置にそれぞれ設けられた貫通孔同士を連通するように一対の主体部間に亘って取り付けられ、セパレータの雄ねじ部をねじ込むためのナット部材と、を備え、前記主体部に設けた貫通孔のうちセパレータのねじ込み入り口と反対側の貫通孔形状をナット部材の外形状と一致させ、前記ナット部材は、前記セパレータのねじ込み入り口と反対側の端部が対応する方の主体部の貫通孔から主体部外側へ折り込まれるフリンジ部を有し、この主体部には、ねじ込み入り口と反対側の貫通孔からナット部材を挿入後に前記フリンジ部を押圧固定するように折り曲げられると共に、ナット部に螺合されるセパレータのねじ込みの進行を規制する一つ以上のカシメ部が延設されていることを特徴とするコンクリート型枠用根止め金具。
- 前記楔部材は、打ち込み用工具による衝撃を受けるべき尾端縁に対して金具本体の内面に接する一方の長手縁が直角を成すと共に鉄筋に接する他方の長手縁が鋭角を成していることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート型枠用根止め金具。
- 前記金具本体は、前記一対の主体部が重なる方向の平面視で前記切欠き部が一対の主体部の中央に位置する左右対称形状を有し、前記金具本体の両側端縁のいずれの側からも前記楔部材を挿入、打ち込み可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリート型枠用根止め金具。
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