JP4678491B2 - ドアの補強構造 - Google Patents
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バックドアの他方側(ヒンジ取付部がある側と反対側)には、ドアを開けるためのハンドルや車体側のストライカと係合してバックドアの閉状態を維持したりバックドアをロックするラッチ機構が配設されているが、バックドアのヒンジ取付部側ほどの補強がされていないのが実状である。
上述したように、バックドア内部は、タイヤ取付部よりもヒンジ側にわたって補強されているので、何らかの補強手段がないとハンドルを設けている側がより塑性変形しやすいこととなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、タイヤの局部的な入力がバックドアに負荷したときに、ラッチ機構やハンドルの周囲を補強することができるドアの補強構造を提供することを目的とする。
上記発明は、前記側部補強パネルをラッチ取付面から前記ドアの室内側に位置する前記インナパネル面に沿って、L字形状断面に形成することができる。
また、上記発明は、前記ハンドルと前記ドアに取付けたタイヤの外周部との間にハンドル部補強ブラケットを設け、該ハンドル部補強ブラケットを前記クロスメンバに取付け、前記ハンドル部補強ブラケットを前記クロスメンバから前記アウタパネルの裏面まで突出させることができる。
さらに、上記発明は、前記横方向に延在するクロスメンバと前記ドア下部との間にわたって、前記タイヤの取付部を補強するリーンフォースメントを設け、該リーンフォースメントと前記ハンドル部補強ブラケットとの間に位置する前記クロスメンバの部分に脆弱部を形成することができる。
上記発明は、前記側部補強パネルをラッチ取付面から前記ドアの室内側に位置する前記インナパネル面に沿って、L字形状断面に形成したので、ラッチ機構がL字形状の側部補強パネルで覆われることにより、よりラッチ取付部を補強することができる。
また、上記発明は、前記ハンドルと前記ドアに取付けたタイヤの外周部との間にハンドル部補強ブラケットを設け、該ハンドル部補強ブラケットを前記クロスメンバに取付け、前記ハンドル部補強ブラケットを前記クロスメンバから前記アウタパネルの裏面まで突出させたので、クロスメンバとアウタパネルとの間にハンドル部補強ブラケットを設けることにより、外力が車両後方からバックドア(アウタパネル)に負荷したときに、ハンドル部補強ブラケットがバックドア(アウタパネル)を支える役割を果たし、クロスメンバとアウタパネルの間を一定の間隔に維持させることができる。
さらに、上記発明は、前記横方向に延在するクロスメンバと前記ドア下部との間わたって、前記タイヤの取付部を補強するリーンフォースメントを設け、該リーンフォースメントと前記ハンドル部補強ブラケットとの間に位置する前記クロスメンバの部分に脆弱部を形成したので、ハンドル部補強ブラケットを基準として脆弱部をハンドルがある部分と反対側に形成したので、脆弱部が変形することによって脆弱部に対してハンドル側のバックドアの変形を軽減することができる。
図1は、本発明に係わる自動車のバックドアとバックドアに装着されるスペアタイヤとその取付部の分解斜視図、図2は、バックドアのアウタパネルを外して車体の後方からバックドアの補強部材を見たドアの背面図、図3は、バックドアのインナパネルとその補強部材の分解斜視図、図4はバックドアの縦断面図である。
自動車の後部に配設されているバックドア1には、タイヤ取付ブラケット4が取付けられ、この取付ブラケット4を介してスペアタイヤなどのタイヤ5がバックドア1に装着される。バックドア1の車体に対して右側には、ヒンジの取付部6a,6bが上下の箇所に設けられ、バックドア1は、ヒンジ軸16a(図5参照)を回転中心として、横開きに回動可能である。
バックドア1の反対側のドア他端側(車両左右方向でラッチ取付側)に位置する側部補強パネル8は、バックドア1の左側に上下方向にラッチからハンドルまでの高さ位置及びクロスメンバと重なる高さ位置にわたって延在し、図6に示すように、バックドア1の他端側でインナパネル2とともにほぼクランク(先端側はL字)形状に折り曲げられ、先端部に車幅方向外側に延びるフランジ8aが形成されている。フランジ8aは、上側部補強パネル9のクロスメンバ11がある高さから、ほぼ下側部補強パネル10との接合部まで形成され、インナパネル2と接合されている。そして、フランジ8aはシーラ22を介在させてアウタパネル3と連結されている。なお、側部補強パネル8は、上側の上側部補強パネル9よりも下側の下側部補強パネル10の板厚を薄く形成している。
図4に示すように、クロスメンバ11は、バックドア1の左右中間位置において縦断面が略ハット形状であり、その上端部と下端部でインナパネル2と接合し、インナパネル2とクロスメンバ11とによって、閉じ断面16を形成している。この閉じ断面16は、バックドア1の車幅方向のほぼ一端部から他端部まで形成している。
下部メンバ13は一端が、リーンフォースメント12の後面に接合され、他端がヒンジ補強パネル7に接合され、下部メンバ13の下端は、図8に示すように、車体の後面側に折曲げたフランジ13aをドア底面17に接合している。
ハンドル18よりもドア内方側、すなわち、ハンドル18とリーンフォースメント12との間には、ハンドル18に近接させてハンドル部補強金具21が設けられている。ハンドル部補強金具21は、図10、図11に示すように、クロスメンバ11の下端部にサイド取付部21c,21cが溶接dによって接合され、上端取付部21bがクロスメンバの11の上下中間位置にある車体の後方側の突出面11dに溶接eによって接合されている。また、図11に示すように、ハンドル部補強金具21の後端面21aは、アウタパネル3の裏面まで突出し、その形状がアウタパネル3の裏面に沿うように形成され、アウタパネル3と後端面21aとの間にシーラ22を介在させてアウタパネル3と連結されている。
クロスメンバ11のハンドル部補強金具21を設けた位置よりもドア1の中央側、すなわち、ハンドル補強金具21とリーンフォースメント12の間に位置する突出面11dには、車体の前方側に窪む凹部11cを縦方向に形成している。この凹部11cは、ほぼタイヤ5がバックドアに装着されたときのタイヤ5の外周面若しくは外周面の近くに位置し、凹部に対してハンドル部補強金具21側のクロスメンバ11の部分に比べて脆弱となる脆弱部となるように形成している。
本実施の形態では、バックドア1の全体の補強として、バックドア1の幅方向にわたって配設されているクロスメンバ11に、タイヤ5を支持するリーンフォースメント12を固定している。そのため、バックドア1の開閉の際に、クロスメンバ11に負荷するタイヤ5の重力と慣性力からなる荷重を分散し、リーンフォースメント12の左右上端側でクロスメンバ11がほぼ均等に荷重を受けることができる。
ハンドル部補強金具21を、タイヤ5の後方側からの荷重に対して近接した箇所に配置しているので、タイヤ5からの荷重を効果的に受け止めることが出来る。また、ハンドル部補強金具21の形状およびその取付位置と入力位置の関係で、タイヤ5からの荷重入力に対して、ハンドル補強金具21の溶接接合位置(e)が剪断方向の入力となるので、ハンドル補強金具21の回転、倒れを効果的に抑制する効果がある。
本実施例では、下部メンバ13は側部補強パネル8まで延設されておらず、側部補強パネル8とリーンフォースメント12の間が比較的強度の弱い部位となり、脆弱部とこの部分を結ぶ部分が、バックドア1が変形する変形部となる。側部補強パネル8は、上側の上側部補強パネル9よりも下側の下側部補強パネル10の板厚を薄く形成しているので、変形に有利に作用する。下部メンバ13が側部補強パネル8まで延設されて結合されている場合は、別途変形を制御する脆弱部を下部メンバ13にも設けることが出来る。
側部補強パネル8は、上側部補強パネル9よりも下側部補強パネル10の板厚を薄くすることにより、車体重量の軽量化を図っている。また、下側部補強パネル10をインナパネル2の底面まで延長して接合することにより、バックドア1の左下コーナ部の強度、剛性上の負荷を分散することができ、組立時の位置調整が容易である。
上記実施の形態では、図12に示すように、ラッチ19、ロッド20などを上部補強金具でコ字形状に囲ったが、図13に示すように、さらに一枚補強ブラケット23を追加することにより、閉じ断面の中に配設するようにしてもよい。具体的には、補強ブラケット23は略クランク形状に形成し、補強ブラケット23の一端は、インナパネル2と側部補強パネル8のフランジ8aとの重合部に重ねられて溶接で接合する。そして、アウタパネル3の裏面側のハンドル18が取付けられている部分の下部に沿って配設し、ハンドル18を越えた部分でインナパネル2側に折り曲げられて、インナパネル2面で溶接により接合されている。こうして、ハンドル18、ラッチ19及びこれらを連結するロッド20の変形を抑制することができる。
クロスメンバ11については、差厚鋼板を使用して剛性コントロールしてもよく、さらにクロスメンバ11を分割することも可能である。また、上側部補強パネル9と下側部補強パネル10とを一体成形による差厚鋼板で形成し、下側部補強パネル10の部分の肉厚を薄く形成してもよい。
クロスメンバ11に形成した凹部11cは、クロスメンバ11に負荷が加わったときの変形点であるので、凹部にかえて、薄肉部などや切り欠きなどによって、脆弱部とすることができる。
2 インナパネル
3 アウタパネル
4 取付ブラケット
5 タイヤ
6a,6b ヒンジ取付部
7 ヒンジ補強パネル
7a フランジ
8 側部補強パネル
8a フランジ
9 上側部補強パネル
10 下側部補強パネル
11 クロスメンバ
11a 折り曲げ部
11c 凹部
12 リーンフォースメント
12a フランジ
13 下部メンバ
13a フランジ
14 溶接ナット
15 窓
15a 下枠部
16 ヒンジ
17 ドア底面
18 ハンドル
19 ラッチ
20 ロッド
21 ハンドル部補強金具
21a 後端面
22 シーラ
23 補強ブラケット
Claims (4)
- 車体に対して横開きに回動するドアがインナパネルとアウタパネルとを備え、ドアのアウタパネルの外側にタイヤが装着され、前記ドアの一端側にドアを回動させるヒンジ取付部を設け、前記ドアの他端側にドアを開けるハンドルとドアを車体側にロックするラッチとを備えたドアの補強構造において、
前記ドアの一端側と他端側にわたって横方向に延在するクロスメンバを設けるとともに前記ドアの他端側のラッチ取付面に側部補強パネルを上下方向に延設し、該側部補強パネルを前記ラッチから前記ハンドルまでの高さ位置及び前記クロスメンバと重なる高さ位置にわたって配設し、前記側部補強パネルと前記クロスメンバとを接合したことを特徴とするドアの補強構造。 - 前記側部補強パネルをラッチ取付面から前記ドアの室内側に位置する前記インナパネル面に沿って、L字形状断面に形成したことを特徴とする請求項1に記載のドアの補強構造。
- 前記ハンドルと前記ドアに取付けたタイヤの外周部との間にハンドル部補強ブラケットを設け、該ハンドル部補強ブラケットを前記クロスメンバに取付け、前記ハンドル部補強ブラケットを前記クロスメンバから前記アウタパネルの裏面まで突出させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のドアの補強構造。
- 前記横方向に延在するクロスメンバと前記ドア下部との間にわたって、前記タイヤの取付部を補強するリーンフォースメントを設け、該リーンフォースメントと前記ハンドル部補強ブラケットとの間に位置する前記クロスメンバの部分に脆弱部を形成したことを特徴とする請求項3に記載のドアの補強構造。
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