JP5027855B2 - バックドアの補強構造 - Google Patents

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Description

本発明はバックドアの補強構造に係り、特に、外部からの荷重入力でバックドアのロック部付近が変形して当該バックドアが不用意に開いてしまうことを防ぐためのバックドアの補強構造に関する。
従来から、自動車のバックドアは、車両外側に配置されるアウターパネル及び車両内側に配置されるインナーパネルで構成され、車両の後部に形成されたバックドア開口部の上辺部とヒンジを介して開閉自在に取り付けられている。このようなバックドアを軽量化するために、アウターパネル及びインナーパネルを鋼板製のものに変えて樹脂製のものが採用されている(例えば、特許文献1参照。)。この樹脂製バックドアは、インナーパネルのドアロック本体が設けられている部位を補強するために、ドアロック本体を挟んだ両側の位置にそれぞれ垂直壁のリブが形成されている。
第1のリブには、第1のリブを挟んでその両側に第1の金属製補強板と第2の金属製補強板が配置され、第2のリブには、第2のリブを挟んでその両側に第2の金属製補強板と第3の金属製補強板が配置され、それぞれボルト及びナットで固定されている。第1のリブの外側に配置されている第1の金属製補強板は、インナーパネルの第1のリブ及び内底面にそれぞれボルト及びナットで固定可能な形状に形成されている。第1のリブの内側及び第2のリブの内側間に配置されている第2の金属製補強板は、インナーパネルの第1のリブ、第2のリブ及び内底面にそれぞれボルト及びナットで固定可能な形状に形成されている。第2のリブの外側に配置されている第3の金属製補強板は、インナーパネルの第2のリブ及び内底面にそれぞれボルト及びナットで固定可能な形状に形成されている。
このように構成された樹脂製バックドアの補強構造によれば、樹脂に比べて強度の高い金属からなる金属製補強板によってインナーパネルのドアロック本体付近の強度を向上させている。
特開2009−137430号公報
しかしながら、背景技術に記載した樹脂製バックドアの補強構造では、インナーパネルが樹脂製なので各金属製補強板を固定するためのリブの剛性を高めなければならず、現状では繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)であるガラス繊維が添加されたポリプロピレン(以下、明細書中において、「ガラス繊維入りPP」と称する。)を採用しなければならなかった。この場合、インナーパネルは剛性上必要ない部分までガラス繊維入りPPで形成されることになるので、コスト面で鋼板製インナーパネルより高くなる難点があった。
また、ガラス繊維入りPPから成る樹脂製インナーパネルのプラスチック射出成形においては、汎用射出成形機による成形条件が複雑になったり、ガラス繊維入りPP専用の特殊な射出成形機が必要になったりする難点があった。
また、ガラス繊維入りPPから成る樹脂製インナーパネルは、自動車の他の部品、例えばインスツルメントパネル等の当該インナーパネルほど剛性が高くない部品と同じ材料を使用できないので、金型の型換え時に成形機の材料換えが必要になる難点があった。
さらに、ガラス繊維入りPPから成る樹脂製インナーパネルでは、意匠面の品質感が悪化したりシボの品質が低下したりする難点があった。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、樹脂製インナーパネルの軽量化を図ると共にドア側ロック付近の剛性を高めることができるバックドアの補強構造を提供することを目的とする。
また、ドア側ロック付近の剛性を高めることができる樹脂製インナーパネルを採用しても、プラスチック成形設備の汎用性を高めると共に、意匠面の品質感が悪化したりシボの品質が低下したりすることを防ぐことができるバックドアの補強構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する第1の態様であるバックドアの補強構造は、車両の後部に形成されたバックドア開口部の上辺部とヒンジを介して開閉自在に取り付けられ、車両外側に配置されるアウターパネル及び車両内側に配置される樹脂製インナーパネルで構成されているバックドアで、樹脂製インナーパネルは、枠部及び枠部内に設けられた縦面部から形成され、当該樹脂製インナーパネルの車両外側における縦面部から車両外側に向かって延出した枠部の剛性の高い底部には、バックドア開口部の下辺部側に設けられた車体側ロックと係合するドア側ロックが設けられ、縦面部の上方にはバックドア・ウィンドウを装着するためのバックドア・ウィンドウ開口が設けられ、且つ縦面部のバックドア・ウィンドウ開口の下には車両外側が凸部に形成され車両内側が凹部に形成された剛性の高い部品格納部が底部と空間を有して形成されており、車両内側における底部と部品格納部の凸部との間には、一方から入力する荷重を他方に伝達させるように当該底部と当該凸部とを連結する金属製補強部材が装着され、金属製補強部材は、底部に対して、車両の車幅方向にドア側ロックと車体側ロックとが係合可能な形状で配置され、締結部材で固定されている底板部と、底板部の縦面部側に位置する端面から縦面部に沿って上に向かって延設される第1の補強板部と、底板部の車両の車幅方向側の一方に位置する端面及び第1の補強板部の車両の車幅方向側の一方に位置する端面それぞれに接合されると共に、凸部の形状に沿って屈曲した状態で上方に延設されて上端部が凸部の頂点部位に締結部材で固定される第2の補強板部と、第2の補強板部と対称的な形状に形成され、底板部の車両の車幅方向側の他方に位置する端面及び第1の補強板部の車両の車幅方向側の他方に位置する端面それぞれに接合されると共に、凸部の形状に沿って屈曲した状態で上方に延設されて上端部が凸部の頂点部位に締結部材で固定される第3の補強板部と、から構成され、第2の補強板部及び第3の補強板部にはそれぞれ車両の上下方向に沿って車両外側方向に延びることで、当該第2の補強板部及び当該第3の補強板部の曲げ剛性を高めるリブが設けられているものである。なお、本明細書において「延出」とは延びた状態で出ていることを意味する。また、本明細書において「延設」とは延びた状態で設けられていることを意味する。
このような第1の態様であるバックドアの補強構造によれば、剛性の高い部品格納部の車両外側に向けて形成された凸部と、枠部の縦面部から車両外側に向かって延出した剛性の高い底部とを、金属製補強部材で一方から入力する荷重を他方に伝達させるように連結していることから、一方からの荷重入力を他方の剛性の高い部位へ分散させることができるので、金属製補強部材を固定するためのリブを樹脂製インナーパネルに設けなくてもドア側ロック付近の剛性を高めることができ、結果、樹脂製インナーパネルの素材としてガラス繊維入りPPを使用しなくともよくなる。さらには、例えば樹脂製インナーパネルにおける枠部の剛性の高い底部から金属製補強部材に荷重が入力すると、その入力荷重は底板部から第2の補強板部及び第3の補強板部に分散されるので、その分散された入力荷重を樹脂製インナーパネルにおける剛性の高い部品格納部の凸部に伝達させることができる。また、第1の補強板部は底板部の縦面部側に位置する端面から縦面部に沿って上に向かって延設されると共に第2の補強板部及び第3の補強板部に接合されているので、第2の補強板部及び第3の補強板部の曲げ剛性を高めることができ、さらに、第2の補強板部及び第3の補強板部はそれぞれ車両の上下方向に沿って車両外側方向に延びるリブが設けられていることから、当該第2の補強板部及び第3の補強板部の曲げ剛性を高めることができるので、枠部の剛性の高い底部からの入力荷重を効率よく剛性の高い部品格納部の凸部に伝達させることができるようになる。一方、剛性の高い部品格納部の凸部から金属製補強部材に荷重が入力すると、その入力荷重は第2の補強板部及び第3の補強板部に分散されるが、この2つの補強板部にはそれぞれ車両の上下方向に沿って車両外側方向に延びるリブが設けられていることから、当該第2の補強板部及び第3の補強板部の曲げ剛性を高めることができるので、剛性の高い部品格納部の凸部からの入力荷重を効率よく枠部の剛性の高い底部に伝達させることができるようになる。
本発明の第の態様は第1の態様であるバックドアの補強構造において、第1の補強板部は、開口が上となるコの字形に形成されているものである。このような第の態様であるバックドアの補強構造によれば、金属製補強部材の剛性を低下させることなく重量の低減を図ることができる。
本発明の第の態様は第1の態様又は第2の態様であるバックドアの補強構造において、第1の補強板部は、上部が締結部材で樹脂製インナーパネルの縦面部に固定されているものである。このような第4の態様であるバックドアの補強構造によれば、入力荷重を樹脂製インナーパネルの縦面部にも分散させることができる。
本発明の第の態様は第の態様乃至第の態様のうちの何れか1つの態様であるバックドアの補強構造において、第2の補強板部及び第3の補強板部のリブの板面にはそれぞれ車両の上下方向に沿ってプレスによる縦長の絞り加工が施されているものである。このような第5の態様であるバックドアの補強構造によれば、リブの板面において加工硬化が大きくなるので、板材の強度を高めることができる。
本発明の第の態様は第1の態様乃至第の態様のうちの何れか1つの態様であるバックドアの補強構造において、樹脂製インナーパネルの素材はポリプロピレンである。このような第6の態様であるバックドアの補強構造によれば、従来の樹脂製インナーパネルの素材であるガラス繊維入りPPよりも重量を低減させることができ、また、コストを下げることができる。
本発明のバックドアの補強構造によれば、樹脂製インナーパネルの軽量化を図ると共にドア側ロック付近の剛性を高めることができる。
また、本発明のバックドアの補強構造によれば、ドア側ロック付近の剛性を高めることができる樹脂製インナーパネルを採用しても、プラスチック成形設備の汎用性を高めると共に、意匠面の品質感が悪化したりシボの品質が低下したりすることを防ぐことができる。
本発明のバックドアの補強構造による好ましい実施の形態例を示す図で、樹脂製インナーパネルの部分斜視図である。 図1の樹脂製インナーパネルに使用される金属製補強部材を示す全体斜視図である。 図1の樹脂製インナーパネルに使用される金属製補強部材を示す正面図である。 (A)は図3の金属製補強部材の左側面図、(B)は図3の金属製補強部材の右側面図である。 (A)は図3の金属製補強部材の平面図、(B)は図3の金属製補強部材の下面図である。 本発明のバックドアの補強構造に使用される樹脂製インナーパネルを示す正面図である。
以下、本発明のバックドアの補強構造を実施するための形態例について図面に基き説明する。
本発明のバックドアの補強構造が適用されるバックドアは従来のバックドアと同様で、車両外側に配置されるアウターパネル及び車両内側に配置されるインナーパネルで構成され、車両の後部に形成されたバックドア開口部の上辺部とヒンジを介して開閉自在に取り付けられている。このアウターパネル及びインナーパネルは軽量化のために、それぞれ基本フレームが樹脂にて一体成形されている。
樹脂製インナーパネルは図6に示すように、枠部2及び枠部2内に設けられた縦面部3から形成されている。この樹脂製インナーパネル1は図1に示すように、車両外側における縦面部3から車両外側に向かって延出した枠部2の底部2aに、バックドア開口部の下辺部側に設けられた車体側ロック(図示せず。)と係合するドア側ロック4が設けられている。なお、図1においてはドア側ロックが示されていないが、符号はその設置位置を示している。また、縦面部3の上方にはバックドア・ウィンドウを装着するためのバックドア・ウィンドウ開口3aが設けられている。このバックドア・ウィンドウ開口3aの下には、車両外側が凸部5aに形成され車両内側が凹部5bに形成された部品格納部5が底部2aと空間を有して形成されている(図4(A)参照)。なお、底部2aは、縦面部3から車両外側に向かって延出して形成され、また、部品格納部5は、車両外側が凸部5aに形成され車両内側が凹部5bに形成されることで、それぞれ樹脂製インナーパネル1の他の部位より剛性が高くなっている。
この樹脂製インナーパネル1の車両内側における底部2aと部品格納部5の凸部5aとの間には、一方から入力する荷重を他方に伝達させるように当該底部2aと当該凸部5aとを連結する金属製補強部材10が装着されている。このように、剛性の高い部品格納部5の車両外側に向けて形成された凸部5aと、縦面部3から車両外側に向かって延出した枠部2の剛性の高い底部2aとを、金属製補強部材10で一方から入力する荷重を他方に伝達させるように連結することで、一方からの荷重入力を他方の剛性の高い部位へ分散させることができる。これにより、金属製補強部材10を固定するためのリブを樹脂製インナーパネル1に設けなくてもドア側ロック付近の剛性を高めることができるので、樹脂製インナーパネル1の素材としてガラス繊維入りPPを使用しなくともよくなる。
このような樹脂製インナーパネル1の変形抑制機能を有する金属製補強部材10は例えば図2、図3、図4(A)、(B)、図5(A)、(B)に示すように、底板部11、第1の補強板部12、第2の補強板部13及び第3の補強板部14で構成されている。なお、図4(A)には説明の便宜上、樹脂製インナーパネル1の部品格納部5を含む部分断面図が示されている。
底板部11は、底部2aに対して、車両の車幅方向にドア側ロックと車体側ロックとが係合可能な形状で配置され、締結部材6で固定されている。具体的には、底板部11は略平板状に形成され、ドア側ロックを挿入して取り付けるための貫通孔11aが形成されている。なお、樹脂製インナーパネル1の底部2aにもドア側ロックを挿入するための貫通孔2b(図1参照。)が形成されている。この2つの貫通孔11a、2bは、金属製補強部材10を樹脂製インナーパネル1の定位置に固定することで、ほぼ同位置で貫通状態となるように設定されている。なお、締結部材6としては、ボルト及びナットやリベットが好ましい。ボルト及びナットを使用する場合には、ボルト及びナットで底板部11及び底部2aを挟み込んだ状態でボルトナット締結させ、リベットを使用する場合には、リベットで底板部11及び底部2aを挟み込むようにリベット締結させる。底板部11は、このように構成されることで、樹脂製インナーパネル1の底部2aが割れにくくなっている。
第1の補強板部12は、底板部11の縦面部3側に位置する端面から縦面部3に沿って上に向かって延設されている。この底板部11及び第1の補強板部12は、金属板を折り曲げて一体的に形成されている。第1の補強板部12は、このように構成されることで、底板部11に取り付けられるドア側ロックの機能を確保するための剛性を高めることができる。ここで、ドア側ロックの機能とは、バックドアの固定や保持のことである。
第2の補強板部13は、底板部11の車両の車幅方向側の一方に位置する端面及び第1の補強板部12の車両の車幅方向側の一方に位置する端面それぞれに接合されている。接合手段としては、溶接が好ましいがボルト及びナットやリベットによって締結させてもよい。また、凸部5aの形状に沿って屈曲した状態で上方に延設されて上端部13aが凸部5aの頂点部位5a'に締結部材7(図4(a)参照。)で固定されている。第2の補強板部13は、このように構成されることで、ドア側ロック及び車体側ロックでバックドアの固定や保持を行った際に、縦面部3が変形するのを抑止することができる。
第3の補強板部14は、第2の補強板部13と対称的な形状に形成され、底板部11の車両の車幅方向側の他方に位置する端面及び第1の補強板部12の車両の車幅方向側の他方に位置する端面それぞれに接合されると共に、凸部5aの形状に沿って屈曲した状態で上方に延設されて上端部14aが凸部5aの頂点部位5a'に締結部材7(図4(a)参照。)で固定されている。第3の補強板部14は、このように構成されることで、第2の補強板部13と同様の作用、効果を得ることができる。
この2つの補強板部13、14の各締結部材7、7としては、底板部11の締結部材6と同様のボルト及びナットやリベットが好ましい。
また、この底板部11、第1の補強板部12、第2の補強板部13及び第3の補強板部14で構成された金属製補強部材10は、第2の補強板部13及び第3の補強板部14にそれぞれ車両の上下方向に沿って車両外側方向に延びるリブ15、16が設けられている。このリブ15、16は、第2の補強板部13及び第3の補強板部14における底板部11及び第1の補強板部12側の端部に形成されているので、第2の補強板部13及び第3の補強板部14はそれぞれ金属板を折り曲げて一体的に形成されている。なお、リブ15、16の一部位が底板部11及び第1の補強板部12に対して接合されている。リブ15が設けられた第2の補強板部13及びリブ16が設けられた第3の補強板部14は、それぞれこのように構成されることで、第2の補強板部13及び第3の補強板部14の曲げ剛性を高めることができるので、一方の剛性の高い部位からの入力荷重を効率よく他方の剛性の高い部位に伝達させることができるようになる。したがって、金属製補強部材を固定するためのリブを樹脂製インナーパネルに設けなくてもドア側ロック付近の剛性を高めることができ、結果、樹脂製インナーパネルの素材としてガラス繊維入りPPを使用しなくともよくなる。
このように構成された金属製補強部材10の第1の補強板部12は、開口が上となるコの字形に形成されていてもよい。第1の補強板部12をこのように形成しても、第1の補強板部12と、第2の補強板部13及び第3の補強板部14とは上述のように接合されているので、金属製補強部材10の剛性を低下させることなく重量の低減を図ることができる。
また、金属製補強部材10の第1の補強板部12は、上部12aが締結部材8(図4(A)参照。)で樹脂製インナーパネル1の縦面部3に固定されていてもよい。この締結部材8としては、底板部11の締結部材6と同様のボルト及びナットやリベットが好ましい。第1の補強板部12は、このように構成されることで、入力荷重を樹脂製インナーパネル1の縦面部3にも分散させることができる。
また、金属製補強部材10は、第2の補強板部13及び第3の補強板部14のリブ15、16の板面に、それぞれ車両の上下方向に沿ってプレスによる縦長の絞り加工が施されているとよい。この絞り加工部15a及び絞り加工部16aを、第2の補強板部13のリブ15及び第3の補強板部14のリブ16の板面に施すと、各リブ15、16の板面において加工硬化が大きくなるので、板材の強度を高めることができる。したがって、第2の補強板部13及び第3の補強板部14を、厚みが薄い材料で作成しても強度の低下を防ぐことができるので、金属製補強部材10の軽量化につながる。
さらに、金属製補強部材10が、一方から入力する荷重を他方に伝達させるように枠部2の底部2aと部品格納部5の凸部5aとを連結することができるような構造なので、樹脂製インナーパネル1の素材をポリプロピレンにすることができる。したがって、従来の樹脂製インナーパネルの素材であるガラス繊維入りPPよりも重量を低減させることができ、また、コストを下げることができる。なお、ポリプロピレンにタルクを添加することで、ポリプロピレンの強度を高くすると共に、ガラス繊維入りPPよりも重量を低減させることができ、また、コストを下げることができるようになる。なお、鋼板製インナーパネルに対しても重量を低減させることができ、また、コストを下げることができるようになる。
このように構成された本発明のバックドアの補強構造が適用されるバックドアの樹脂製インナーパネル1において、樹脂製インナーパネル1における枠部2の剛性の高い底部2aから金属製補強部材10に荷重が入力すると、その入力荷重は底板部11から第2の補強板部13及び第3の補強板部14に分散されるので、その分散された入力荷重を樹脂製インナーパネル1における剛性の高い部品格納部5の凸部5aに伝達させることができる。また、第1の補強板部12は底板部11の縦面部3側に位置する端面から縦面部3に沿って上に向かって延設されると共に第2の補強板部13及び第3の補強板部14に接合されているので、第2の補強板部13及び第3の補強板部14の曲げ剛性を高めることができ、さらに、第2の補強板部13及び第3の補強板部14はそれぞれ車両の上下方向に沿って車両外側方向に延びるリブ15、16が設けられていることから、当該第2の補強板部13及び第3の補強板部14の曲げ剛性を高めることができるので、枠部2の剛性の高い底部2aからの入力荷重を効率よく剛性の高い部品格納部5の凸部5aに伝達させることができるようになる。
一方、剛性の高い部品格納部5の凸部5aから金属製補強部材10に荷重が入力すると、その入力荷重は第2の補強板部13及び第3の補強板部14に分散されるが、この2つの補強板部13、14にはそれぞれ車両の上下方向に沿って車両外側方向に延びるリブ15、16が設けられていることから、当該第2の補強板部13及び第3の補強板部14の曲げ剛性を高めることができるので、剛性の高い部品格納部5の凸部5aからの入力荷重を効率よく枠部2の剛性の高い底部2aに伝達させることができるようになる。
このような金属製補強部材10は、剛性の高い部品格納部5の車両外側に向けて形成された凸部5aと、縦面部3から車両外側に向かって延出した枠部2の剛性の高い底部2aとを一方から入力する荷重を他方に伝達させるように連結する構成なので、金属製補強部材を固定するためのリブを樹脂製インナーパネルに設けなくてもドア側ロック付近の剛性を高めることができ、結果、樹脂製インナーパネルの素材としてガラス繊維入りPPを使用しなくともよくなる。したがって、樹脂製インナーパネルのプラスチック射出成形においては、汎用射出成形機を使用でき、この汎用射出成形機による成形条件の設定が容易になり、また、自動車の他の部品、例えばインスツルメントパネル等の部品と同じ材料を使用できるようになるので、金型の型換え時に成形機の材料換えが必要なくなり、さらには、意匠面の品質感が悪化したりシボの品質が低下したりすることを防ぐことができるようになる。
また、剛性の高い部品格納部5の車両外側に向けて形成された凸部5aと、縦面部3から車両外側に向かって延出した枠部2の剛性の高い底部2aとを、一方から入力する荷重を他方に伝達させるように連結する金属製補強部材10は、この入力荷重の伝達作用により後面衝突時に樹脂製インナーパネル1のドア側ロック部が、バックドア開口部の下辺部側に設けられた車体側ロックから分離してしまうことを防ぐことができるようになる。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
1……樹脂性インナーパネル
2……枠部
2a……剛性の高い底部
3……縦面部
3a……バックドア・ウィンドウ開口
5……部品格納部
5a……凸部
5b……凹部
6、7、8……締結部材
10……金属製補強部材
11……底板部
12……第1の補強板部
13……第2の補強板部
13a……上端部
15……リブ
15a……縦長の絞り加工部
14……第3の補強板部
14a……上端部
16……リブ
16a……縦長の絞り加工部

Claims (5)

  1. 車両の後部に形成されたバックドア開口部の上辺部とヒンジを介して開閉自在に取り付けられ、車両外側に配置されるアウターパネル及び車両内側に配置される樹脂製インナーパネルで構成されているバックドアで、
    前記樹脂製インナーパネルは、枠部及び前記枠部内に設けられた縦面部から形成され、当該樹脂製インナーパネルの前記車両外側における前記縦面部から前記車両外側に向かって延出した前記枠部の剛性の高い底部には、前記バックドア開口部の下辺部側に設けられた車体側ロックと係合するドア側ロックが設けられ、前記縦面部の上方にはバックドア・ウィンドウを装着するためのバックドア・ウィンドウ開口が設けられ、且つ前記縦面部の前記バックドア・ウィンドウ開口の下には前記車両外側が凸部に形成され前記車両内側が凹部に形成された剛性の高い部品格納部が前記底部と空間を有して形成されており、前記車両内側における前記底部と前記部品格納部の前記凸部との間には、一方から入力する荷重を他方に伝達させるように当該底部と当該凸部とを連結する金属製補強部材が装着され
    前記金属製補強部材は、
    前記底部に対して、前記車両の車幅方向に前記ドア側ロックと前記車体側ロックとが係合可能な形状で配置され、締結部材で固定されている底板部と、
    前記底板部の前記縦面部側に位置する端面から前記縦面部に沿って上に向かって延設される第1の補強板部と、
    前記底板部の前記車両の車幅方向側の一方に位置する端面及び前記第1の補強板部の前記車両の車幅方向側の一方に位置する端面それぞれに接合されると共に、前記凸部の形状に沿って屈曲した状態で上方に延設されて上端部が前記凸部の頂点部位に締結部材で固定される第2の補強板部と、
    前記第2の補強板部と対称的な形状に形成され、前記底板部の前記車両の車幅方向側の他方に位置する端面及び前記第1の補強板部の前記車両の車幅方向側の他方に位置する端面それぞれに接合されると共に、前記凸部の形状に沿って屈曲した状態で上方に延設されて上端部が前記凸部の頂点部位に締結部材で固定される第3の補強板部と、
    から構成され、前記第2の補強板部及び前記第3の補強板部にはそれぞれ前記車両の上下方向に沿って前記車両外側方向に延びることで、当該第2の補強板部及び当該第3の補強板部の曲げ剛性を高めるリブが設けられていることを特徴とするバックドアの補強構造。
  2. 前記第1の補強板部は、開口が上となるコの字形に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバックドアの補強構造。
  3. 前記第1の補強板部は、上部が締結部材で前記樹脂製インナーパネルの前記縦面部に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバックドアの補強構造。
  4. 前記第2の補強板部及び前記第3の補強板部の前記リブの板面にはそれぞれ前記車両の上下方向に沿ってプレスによる縦長の絞り加工が施されていることを特徴とする請求項乃至請求項のうち何れか1項に記載のバックドアの補強構造。
  5. 前記樹脂製インナーパネルの素材はポリプロピレンであることを特徴とする請求項1乃至請求項のうち何れか1項に記載のバックドアの補強構造。
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