JP4678194B2 - 電子部品の製造方法、及び電子部品 - Google Patents

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本発明はニッケルめっき液を使用した電子部品の製造方法、及び電子部品に関する。
セラミック電子部品等の電子部品では、はんだ濡れ性の向上等を目的として導電部上にスズ皮膜やスズ基合金皮膜、金皮膜等のめっき皮膜が形成されるが、通常、その下地皮膜として耐熱性に優れたニッケル皮膜が形成されている。
そして、この種のニッケル皮膜形成用のめっき液としては、従来より、ワット浴が知られており、非特許文献1には硫酸ニッケルが240g/L、塩化ニッケルが45g/L、緩衝剤としてのホウ酸が35g/L、及び適量の添加剤を含有し、pHが3.8〜4.5に調整されたワット浴が開示されている。
また、特許文献1には、メタンスルホン酸ニッケル等のアルカンスルホン酸ニッケル、芳香族スルホン酸等のストレス低減用添加剤、塩化ニッケル等のハロゲン化ニッケル、及びホウ酸等の緩衝剤を含有し、pHが0〜5に調整された電解めっき液も知られている。
特許文献1の電解めっき液は、アルカンスルホン酸ニッケルが50〜600gms/L、ストレス低減用添加剤が5〜10gms/L、ハロゲン化ニッケルが0〜100gms/L、及び緩衝剤が0〜60gms/Lとなるように調製されており、この電解めっき液を使用してめっき処理を施すことにより、導電部上にニッケル皮膜を形成している。
小島修、田高寛、「表面技術」No.10、Vol54、p665(2003) 特開平11−71695号公報
しかしながら、上記非特許文献1や特許文献1の電解めっき液を使用し、導電部が表面に形成された部品素体を被めっき物としてめっき処理を行なった場合、導電部以外の部品素体上にもめっき金属であるニッケルが析出してしまうという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、被めっき物上の導電部以外の部位へのめっき成長を極力抑制することができ、かつ良好なはんだ濡れ性を確保することができるニッケルめっき液を使用した電子部品の製造方法、及びこの製造方法を使用して製造された電子部品を提供することを目的とする。
電子部品の製造に使用される電解ニッケルめっき液としては、通常、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸(pH緩衝剤)を主成分としたワット浴、硫酸ニッケルに代えてスルファミン酸ニッケルを使用したスルファミン酸ニッケル浴、硫酸ニッケルに代えてアルカンスルホン酸ニッケルを使用したアルカンスルホン酸ニッケル浴が広く使用されているが、これらニッケルめっき液にはいずれもニッケルイオンとハロゲンイオンとが含有されている。
そして、本発明者らは、これらニッケルめっき液の浴組成について、鋭意研究を行ったところ、ニッケルめっき液中のハロゲンイオンの濃度を増加させてニッケルイオンとハロゲンイオンとのモル濃度比が0.5を超え1.0以下となるようにめっき液組成を定量的に制御することにより、導電部上に優先的にニッケルをめっき析出させることができ、これにより部品素体へのめっき成長を大幅に抑制することができ、しかも良好なはんだ濡れ性を確保することができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る電子部品の製造方法は、ニッケルめっき液を使用して導電部の形成された部品素体にめっき処理を施し、前記導電部の表面にニッケル皮膜を形成する電子部品の製造方法において、前記ニッケルめっき液が、ニッケル塩とハロゲン化合物とpH緩衝剤とからなり、前記ニッケルめっき液が、ニッケル塩とハロゲン化合物とpH緩衝剤とからなり、前記ニッケルめっき液のpH2.5〜5.5に調整すると共に、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/y、0.5<x/y≦1.0とし、前記ニッケルめっき液の温度を55℃以上にして前記部品素体にめっき処理を施すことを特徴としている。
また、前記pH緩衝剤としては、ホウ酸を使用するのが好ましい。
さらに、本発明の電子部品の製造方法は、前記ニッケル塩が、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、アルカンスルホン酸ニッケル、及びアルカノールスルホン酸ニッケルの中から選択された少なくとも1種以上を含有しているのが好ましい。
さらに、本発明の電子部品の製造方法は、前記ハロゲン化合物がハロゲン化ニッケルであるのが好ましい。
さらに、本発明に係る電子部品は、上記製造方法により製造されたことを特徴としている。
本発明の電子部品の製造方法によれば、ニッケルめっき液が、ニッケル塩とハロゲン化合物とpH緩衝剤とからなり、前記ニッケルめっき液のpH2.5〜5.5に調整すると共に、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/y、0.5<x/y≦1.0とし、前記ニッケルめっき液の温度を55℃以上にして前記部品素体にめっき処理を施すので、被めっき物の導電部上に優先的にめっき析出が起こり、はんだ濡れ性を損なうことなく部品素体上へのめっき成長を抑制することができる。
また、本発明の電子部品によれば、上記ニッケルめっき液を使用して製造されているので、良好なはんだ濡れ性を確保しつつ、部品素体の表面へのめっき成長を抑制することができ、信頼性の優れた電子部品を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
本発明に係る電子部品の製造方法に使用されるニッケルめっき液は、ニッケル塩とハロゲン化合物とpH緩衝剤とからなり、pHが2.5〜5.5に調整され、しかもニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/yが、0.5<x/y≦1.0となるように制御されている。
このように前記モル濃度比x/yを制御したのは以下の理由による。
表面所定個所に導電部が形成された被めっき物にニッケルめっきを施す場合、導電部以外の部分、すなわち部品素体へのめっき成長を抑制するためには、導電部上に優先的にめっき析出させる必要がある。
しかるに、本発明者らが鋭意研究したところ、ニッケルめっき液中のハロゲンイオンyの濃度が高くなるとカソード分極曲線(横軸:電位、縦軸:電流)の勾配が大きくなることが判明した。つまり、「カソード分極曲線の勾配が大きくなる」とは、小さな電位で大きな電流密度を得ることができることを意味し、したがって、ニッケルめっき液中のハロゲンイオンyの濃度が高くなると導電部上に優先的にニッケルをめっき析出させることができ、これにより、部品素体へのめっき成長を抑制することができる。
すなわち、ニッケルめっき液中のハロゲンイオンyの濃度を大きくすると、大きな電流密度を得るのに小さな電位で済むこととなり、したがって電子が導電部上に蓄積されるのを極力回避した状態でめっき反応が進行し、その結果、電子は部品素体上でのめっき成長には消費されずに導電部上でのめっき析出に消費され、したがって部品素体へのめっき成長を極力抑制することができる。
そして、ニッケルを導電部上に優先的に析出させるためには、ハロゲンイオンyを定量的に制御する必要があり、具体的には、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/yが1以下となるように制御する必要がある。
一方、ハロゲンイオンの濃度を過度に増加させてモル濃度比x/yが0.5以下になると、ハロゲン化ニッケル中間体による析出促進作用のため、導電部上に析出するニッケル皮膜が緻密性・平滑性を欠くこととなってはんだ濡れ性が劣化する。
そこで、本実施の形態では、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/yを、0.5<x/y≦1.0としている。
また、仮に、ニッケルイオンの供給源としてハロゲン化ニッケルのみを使用した場合はモル濃度比x/yが0.5となることから、上述したようにはんだ濡れ性が劣化し、本発明の目的を達成することができなくなる。すなわち、モル濃度比x/yを0.5よりも大きくするためにはハロゲン化ニッケル以外のニッケル塩をめっき液中に含ませる必要がある。特に、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、アルカンスルホン酸ニッケル、及びアルカノールスルホン酸ニッケルを使用すると、ニッケル皮膜を平滑化する作用があることから、はんだ濡れ性の向上を図る観点から好ましい。
したがって、本実施の形態では、ハロゲン化化合物としてハロゲン化ニッケルを使用した場合であっても、ニッケルめっき液中に、ニッケル塩として、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、アルカンスルホン酸ニッケル、及びアルカノールスルホン酸ニッケルの中から選択された少なくとも1種以上を所定量含有させ、これによりニッケル皮膜を平滑化させてはんだ濡れ性の劣化を防止している。
また、ハロゲンイオンの供給源はハロゲン化ニッケルに限定されるものではなく、塩酸や臭素酸を使用してもよい。この場合、ニッケルイオンの供給源として上述した硫酸ニッケル等のニッケル塩を使用し、塩酸や臭素酸等を0.5<x/y≦1.0を満足するように所定量添加すればよい。
尚、ハロゲンイオン源、ニッケルイオン源となる化合物は、本発明の目的を妨げない限り、上記以外の化合物を含んでいても構わない。
また、ニッケルめっき液のpHを2.5〜5.5に調整したのは、pHが2.5未満では、ニッケルめっき液が過度に酸性となり、このため部品素体を構成する成分元素の溶出が顕著となるからであり、一方、pHが5.5を超えると、ニッケルイオンがイオン状態で安定して存在するのが困難となるからである。尚、ニッケルめっき液のpHの好ましい範囲は、3.0〜4.5である。
また、pH緩衝剤としては、錯化作用を示さないホウ酸を使用するのが好ましいが、ホウ酸以外のカルボン酸類、例えば、酢酸等のモノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸、クエン酸等のオキシトリカルボン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、サリチル酸、乳酸、グリコール酸等のオキシモノカルボン酸、リンゴ酸、酒石酸等のオキシジカルボン酸を使用することができ、さらにはグルコノラクトンやグルコヘプトノラクトン等のラクトン化合物を使用することもできる。
ただし、カルボン酸類やラクトン化合物をpH緩衝剤として使用する場合は、所定量以上添加させると錯化作用を強く示すおそれがあることから、添加量を制限する必要がある。
また、上記ニッケルめっき液は、良好なはんだ濡れ性を得る観点から、浴温が55℃以上とされている。
次に、本ニッケルめっき液を使用して製造した電子部品について詳述する。
図1は電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す断面図である。
該積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の誘電体材料で形成されたセラミック素体(部品素体)1に内部電極2〜5が埋設されると共に、前記セラミック素体1の両端部には外部電極(導電部)6a、6bが形成され、さらに外部電極6a、6bの表面にはニッケル皮膜7a、7b及びスズ皮膜8a、8bが順次形成されている。
そして、内部電極2、4の引出部2a、4aは一方の外部電極6aと電気的に接続されると共に、内部電極3、5の引出部3a、5aは他方の外部電極6bと電気的に接続され、内部電極2、4と内部電極3、5との間に静電容量が形成されている。
次に、上記積層セラミックコンデンサの製造方法を説明する。
まず、BaCO、TiO、ZrO等の所定の誘電体セラミック材料を混合し、粉砕、乾燥、仮焼等の工程を経、ドクターブレード法によりセラミックグリーンシートを作製する。
次いで、AgやCu等の導電性材料にガラス粒子やワニス等の有機成分が含有された内部電極用導電性ペーストを作製する。そして、該導電性ペーストを使用してセラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷を施し、導電パターンを形成し、この後、前記導電パターンの形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、導電パターンの形成されていないセラミックグリーンシートで挟持・圧着して積層体を形成する。その後、所定温度(例えば、900〜1300℃)で前記積層体に焼成処理を施し、バレル研磨を行って表面を平滑化し、これによりセラミック素体1が作製される。
次に、AgやCu等の導電性材料にガラス粒子、ワニス等の有機成分が含有された外部電極用導電性ペーストを作製する。次いで、該導電性ぺーストをディップ方式によりセラミック素体1の両端部に塗布した後、温度600〜800℃で焼付処理を行なう。これによりワニス等の有機成分が燃焼して焼失し、導電性材料とガラス粒子との混合体からなる外部電極6a、6bが前記両端部に形成される。
そしてこの後、外部電極6a、6bの形成されたセラミック素体1を被めっき物とし、電解バレルめっき法によりニッケルめっきを行なってニッケル皮膜7a、7bを形成する。
すなわち、まず、上記ニッケルめっき液を用意する。
そして、ニッケルをアノードに配し、カソード板、被めっき物、及び導電性媒体が内有されたバレルをカソードに配して上記ニッケルめっき液に浸漬し、バレルを回転、揺動等させながらアノード、カソード間に所定時間通電し、外部電極6a、6bの表面にニッケル皮膜7a、7bを形成する。
このようにしてニッケル皮膜7a、7bを形成した後、所定組成に調製されたスズめっき液を使用し、上述と同様、電解バレルめっきを行ってニッケル皮膜7a、7b上にスズ皮膜8a、8bを形成し、これにより積層セラミックコンデンサが製造される。
このように本積層セラミックコンデンサは、上記ニッケルめっき液を使用して製造されているので、良好なはんだ濡れ性を確保しつつ、セラミック素体1の表面へのめっき成長を抑制することができ、信頼性の優れた積層セラミックコンデンサを得ることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態ではニッケルめっき液の適用例として積層セラミックコンデンサを例示したが、他の電子部品にも広く適用でき、例えば、単板コンデンサ、正特性サーミスタ、負特性サーミスタや積層コイル部品に適用できるのはいうまでもない。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
まず、表1に示すような成分組成となるようにニッケル塩(硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル)、ハロゲン化ニッケル(塩化ニッケル、臭化ニッケル)、ホウ酸を配合し、pH及び浴温を調整し、実施例1、2及び比較例1〜のニッケルめっき液を作製した。
Figure 0004678194
次いで、外形寸法が縦2.0mm、横1.2mm、厚み1.2mmであって、ニッケルからなる内部電極が埋設されると共に、焼付け処理により銅からなる外部電極が両端部に形成された第1の被めっき物(セラミック素体)を用意した。
次いで、実施例1、2及び比較例1〜のニッケルめっき液を使用して第1の被めっき物に電解バレルめっきを施し、外部電極上に膜厚3μmのニッケル皮膜を形成した。尚、電解バレルめっきは10Aの電流を120分間通電して行った。
次に、下記組成を有するスズめっき液を用意した。
〔スズめっき液の浴組成〕
硫酸第1スズ 43g/L
クエン酸アンモニウム 122g/L
硫酸アンモニウム 132g/L
ラウリルジエタノールアミン 1g/L
pH 5.0
浴温 30℃
次いで、このスズめっき液を使用して電解バレルめっきを施し、ニッケル皮膜上に膜厚4μmのスズ皮膜を形成し、これにより積層セラミックコンデンサを得た。尚、電解バレルめっきは8Aの電流を120分間通電して行った。
次に、外形寸法が縦2.0mm、横1.2mm、厚み1.2mmであって、Cr層、Ni−Cu合金(モネル)層、Ag層がスパッタリング処理により順次形成された3層構造の外部電極を両端部に有する第2の被めっき物(セラミック素体)を用意した。
次いで、上記実施例1、2及び比較例1〜のニッケルめっき液を使用し、上述と同様の方法・手順で、前記第2の被めっき物の外部電極上に膜厚3μmのニッケル皮膜を形成し、さらに上記スズめっき液を使用して前記ニッケル皮膜上に膜厚4μmのスズ皮膜を形成し、これにより正特性サーミスタを得た。
次に、上記積層セラミックコンデンサ及び正特性サーミスタの各10個について、マイクロスコープを使用し、セラミック素体上に析出しためっき皮膜の伸びを測定してその平均値を算出し、めっき成長の程度を評価した。
さらに、上記積層セラミックコンデンサ及び正特性サーミスタの各10個について、はんだ濡れ性を評価した。
ここで、はんだ濡れ性は、PCT(プレッシャークッカーテスト)を行った後、メニスコグラフ法によりはんだの引張力とはんだの排斥力とが等しくなるゼロクロス時間を測定してその平均値を算出し、評価した。
すなわち、1.22×10Paの気圧下、温度105℃、湿度100%の条件で4時間放置した後、各試験片をロジン系不活性タイプのフラックス中に浸漬し、次いで、浸漬速度0.4mm/sec、浸漬深さ0.02mm、浸漬時間10秒で浴温230℃のはんだ溶融槽(60%Sn−35%Ag−5%Cu)に浸漬し、前記ゼロクロス時間を測定し、その平均値からはんだ濡れ性を評価した。
表2は積層セラミックコンデンサについての測定結果を示し、表3は正特性サーミスタについての測定結果を示している。
Figure 0004678194
Figure 0004678194
尚、表中、めっき成長については、セラミック素体上のめっき皮膜の伸びが20μm未満の場合を良(○)、20μm以上の場合を不良(×)と判断し、ゼロクロス時間が1.5秒以下の場合をはんだ濡れ性が良(○)、1.5秒を超えた場合をはんだ濡れ性が不良(×)と判断した。
この表2及び表3から明らかなように、比較例1のニッケルめっき液は、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyのモル濃度比x/yが0.50であり、したがってニッケルめっき液中のハロゲンイオンの濃度が高いため、ゼロクロス時間が積層セラミックコンデンサの場合で2.5秒、正特性サーミスタの場合で2.7秒と大きく、はんだ濡れ性に劣ることが分かった。これはニッケルめっき液中のハロゲンイオンyの濃度が高いため、めっき析出速度が速くなり、このためめっき皮膜が緻密性・平滑性を欠くことになり、はんだ濡れ性の低下を招いたものと思われる。
比較例2のニッケルめっき液は、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyのモル濃度比x/yが6.0であり、ニッケルめっき液中のハロゲンイオンyの濃度が低すぎるため、セラミック素体上に形成されためっき皮膜の伸びは、積層セラミックコンデンサの場合で43μm、正特性サーミスタの場合で75μmであり、いずれの場合もめっき成長が顕著であることが分かった。これはニッケルめっき液中のハロゲンイオンyの濃度が低いため、めっき処理中に被めっき物に大きな電位が負荷され、このため外部電極以外のセラミック素体上にもめっき皮膜が形成されてめっき成長が生じたものと思われる。
同様に、比較例3のニッケルめっき液も、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyのモル濃度比x/yが1.5であり、ニッケルめっき液中のハロゲンイオンの濃度が低いため、比較例2のニッケルめっき液を使用した場合に比べると幾分改良はされてはいるものの、積層セラミックコンデンサの場合で31μm、正特性サーミスタの場合で66μmのめっき皮膜の伸びがセラミック素体上に形成され、めっき成長が顕著に生じることが分かった。
また、比較例4は、浴温が30℃と低いため、ゼロクロス時間が積層セラミックコンデンサの場合で1.9秒、正特性サーミスタの場合で1.8秒と長くなった。すなわち、はんだ濡れ性は、上述したモル濃度比x/yのみならず、浴温も影響することが分かった。
これに対して実施例1、2のニッケルめっき液はニッケルイオンxとハロゲンイオンyのモル濃度比x/yが、0.50<x/y≦1.0であり、かつ浴温が55℃以上であるので、セラミック素体上に析出しためっき皮膜の伸びは積層セラミックコンデンサの場合で〜4μm、正特性サーミスタの場合で〜15μmと良好であり、めっき成長を大幅に低減させることができた。また、ゼロクロス時間についても、積層セラミックコンデンサの場合は1.1〜1.5秒、正特性サーミスタの場合は1.2〜1.5秒と良好なはんだ濡れ性が得られることが分かった。すなわち、前記モル濃度比x/yを0.50<x/y≦1.0の範囲で定量的に制御し、めっき液の浴温を55℃以上とすることにより、めっき成長を極力抑制できると共に、良好なはんだ濡れ性を確保することができ、したがってめっき成長の抑制とはんだ濡れ性の両立を図ることができることが確認された。
本発明に係るニッケルめっき液を使用して製造された電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 セラミック素体(部品素体)
6a、6b 外部電極(導電部)
7a、7b ニッケル皮膜

Claims (5)

  1. ニッケルめっき液を使用して導電部の形成された部品素体にめっき処理を施し、前記導電部の表面にニッケル皮膜を形成する電子部品の製造方法において、
    前記ニッケルめっき液が、ニッケル塩とハロゲン化合物とpH緩衝剤とからなり、前記ニッケルめっき液のpH2.5〜5.5に調整すると共に、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/y、0.5<x/y≦1.0とし、前記ニッケルめっき液の温度を55℃以上にして前記部品素体にめっき処理を施すことを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記pH緩衝剤はホウ酸であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記ニッケル塩は、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、及びアルカンスルホン酸ニッケル、及びアルカノールスルホン酸ニッケルの中から選択された少なくとも1種以上を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記ハロゲン化合物はハロゲン化ニッケルであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする電子部品。
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