JP4582044B2 - 無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法に関する。
積層チップコンデンサ、バリスタ等、セラミック層中に電極板等の導電材料が埋め込まれるとともにセラミック層の表面に外部電極が形成されたセラミック電子部品が知られている。このようなセラミック電子部品の外部電極は、具体的には、セラミック層の表面の一部の上に下地電極層を金属ペースト塗布及び焼結等により形成し、下地電極層の上に無電解めっきを行うことにより形成される場合がある。
しかしながら、従来技術では、無電解めっき液にセラミックが溶出することが多く、電気的特性の不良、外観不良、等の不具合を引き起こしている。そこで、セラミック層の成分を予めめっき液に溶解させておくことが試みられている。
特開2003−268561号公報
しかしながら、セラミック成分自体は、無電解めっきを促進するパラジウム等の金属触媒の触媒毒となることが多く、特許文献1の方法は、めっき速度を低下させ、また、めっき液の寿命を低下させるので好ましくない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、セラミック層の溶出を抑える無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、従来の無電解めっき液には、pHの変動、特に、pHの低下を抑制するpH緩衝剤(バッファー剤)としての塩化アンモニウムや、ニッケル源としての塩化ニッケル等のハロゲン含有剤が含まれる。しかしながら、このハロゲン、特に、塩素が特定のpHの液中に存在することによってめっき液によるセラミックの溶出が促進されていることを見出して、本発明に想到した。
本発明に係る無電解めっき液は、セラミック素子の下地電極上に無電解めっきを行うための無電解めっき液であって、ニッケル及び還元剤を含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10である。
本発明に係るセラミック電子部品の製造方法は、セラミック素子の下地電極上にめっき膜を形成する工程を備え、この工程では、セラミック素子を、ニッケル及び還元剤を含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10である無電解めっき液で処理する。
本発明によれば、無電解めっき液のハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、かつ、pHが7〜10であるので、めっき液とセラミック素子のセラミック層とを接触させてもセラミックの溶出が抑制される。したがって、セラミック電子部品の歩留まり、特性及び品質の向上が図れる。
特に、無電解めっき液中のハロゲン含有量が0.01mol/L以下であることが好ましい。また、pHは8〜9.5であることが好ましい。
ここで、ハロゲンとは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、アスタチンの総称であるが、特に、塩素が0.1mol/L以下であることが好ましく、0.01mol/L以下であることがことがより好ましい。
なお、下地電極がフリットを含む場合には、本発明によればフリットの溶出も抑制できる。特にPbフリーフリットの場合には効果が高い。
ここで、還元剤は次亜リン酸塩、特に次亜リン酸ナトリウムを含むことが好ましい。
このような還元剤を用いると、特に、無電解めっきの前処理として、パラジウム等の金属触媒をセラミック素子の表面に付与した場合に、下地電極以外のセラミック表面にめっき膜が形成されることを特に抑制できる。
また、上記の無電解めっき液は、さらにホウ酸を10g/L以上、好ましくは20g/L以上含むことが好適である。
これにより、セラミック等の溶出量をより抑制できる。また、無電解めっき液のpHの変動も抑制される。
また、上記の無電解めっき液は、アンモニア以外の錯化剤を含み、ニッケル1モルに対してキレート剤を1モル以下、好ましくは0.5モル以下であることが好ましい。
アンモニア以外の錯化剤はセラミックスを溶出させる傾向があるが、上述の範囲であれば特に溶出が少ない。
また、上記の無電解めっき液は、さらに、アンモニアを含むことも好ましい。アンモニアでpHを調整する、いわゆるアンモニアアルカリ浴では、アンモニア以外の錯化剤の量をさらに減らせるので、セラミックスやフリットの溶出を抑えられる。
また、ニッケル濃度が5.5g/L以下であることが好ましい。
ニッケル濃度が5.5g/L以下であると、めっき液の寿命を延ばすことができる。また、セラミックの溶出量もより少なくできる。
また、上記の工程において、無電解めっき液の温度が20〜50℃であることが好ましく、30〜40℃がより好ましい。
これによれば、実用的な析出速度が得られ、かつセラミックの溶出を特に抑制できる。
本発明によれば、セラミックを溶出させにくい無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法が提供される。
まず、本実施形態に係る無電解めっき液について説明する。
本発明に係る無電解めっき液は、ニッケル、及び、還元剤を含有し、ハロゲンの濃度が0.1mol/L以下、好ましくは0.01mol/L以下であり、pHが7〜10、好ましくは、8〜9.5である。この無電解めっき液は、好ましくは、さらに、錯化剤、pH緩衝剤(バッファー剤)及びpH調整剤等の添加剤を含むことができる。
ハロゲンの濃度が、0.1mol/Lを超えると、セラミックの溶出量が大きくなって好ましくない。一方、pHが7未満及び11超であっても、セラミックの溶出量が大きくなって好ましくない。特に、塩素の濃度が、0.1mol/L以下であることが好ましく、0.01mol/L以下であることがより好ましい。
ニッケル源としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等のニッケル塩が挙げられ、これらを単独又は適宜混合して水に溶解することにより使用することができる。なお、上述のハロゲンの制限により、塩化ニッケル等のニッケルハロゲン化物の濃度は制限されることになる。ニッケルは、めっき液中のニッケル濃度が5.5g/L以下、好ましくは4.5g/L以下となるようにめっき液中に含有されていると好ましい。この場合には、ニッケルの沈殿が発生し難く、錯化剤の量を減らすことができる。
還元剤は、ニッケルを還元させるものであり、リン酸塩やホウ素化合物、ヒドラジン化合物等が挙げられる。リン酸塩としては、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩、亜リン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸塩が好ましく、特に、セラミック層でなく下地電極上に選択的にめっきを行う観点から、次亜リン酸塩が好ましい。ホウ素化合物としては、ジメチルヘキサボラン、ジメチルアミンボラン(DMAB)、ジエチルアミンボラン、モルホリンボラン、ピリジンアミンボラン、ピペリジンボラン、エチレンジアミンボラン、エチレンジアミンビスボラン、t−ブチルアミンボラン、イミダゾールボラン、メトキシエチルアミンボラン、及びホウ水素化ナトリウム等が挙げられる。
還元剤のめっき液中の濃度は0.1〜2mol/L、特に0.1〜1mol/Lであることが好ましい。
めっき液は、さらに、錯化剤、pH緩衝剤(バッファー剤)、pH調整剤を含むことができる。
例えば、錯化剤としては、グリシン等のアミノ酸、クエン酸ナトリウムやクエン酸アンモニウム等のクエン酸塩、グルコン酸ナトリウム等のグルコン酸塩、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、チオグリコール酸、トリエタノールアミン、アラニン、アスパラギン酸、イミノジ酢酸、グルタミン酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、アンモニア等が挙げられる。特に、アンモニアはセラミックの溶出を増加させ難く、また、pH調整剤としても用いることができるので好適である。アンモニア以外の錯化剤の量は、ニッケルのモル濃度よりも小さいことが好ましく、ニッケルのモル濃度の半分以下であることがより好ましい。アンモニア以外の錯化剤の量が増えると、セラミックの溶出量が増える傾向がある。グリシンやクエン酸塩は比較的セラミックの溶出量を少なくできる。
pH緩衝剤としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸、炭酸ナトリウム等が挙げられる。上述したハロゲン濃度の上限に基づいて、塩化アンモニウム等のハロゲン化物の量は制限される。特にホウ酸を10g/L以上、好ましくは、20g/L以上含むことが好ましく、セラミックの溶出を低減する効果が大きくなり、また、セラミック層上でなく下地電極上に選択的にめっきを行える。ホウ酸濃度の上限はめっき液におけるホウ酸の飽和濃度である。
pH調整剤としては、酸やアルカリを使用でき、アンモニア、NaOH,KOH、硫酸、塩酸等が挙げられる。アンモニアはアンモニア水として供給することができる。特に、アンモニアをpH調整剤として用いたいわゆるアンモニアアルカリ浴では、アンモニアが錯化剤としても機能し、アンモニア以外の錯化剤の量を減らすことができるので好ましい。
(セラミック電子部品)
続いて、上述の無電解めっき液を用いてセラミック電子部品を製造する方法について説明する。
まず、製造対象となるセラミック電子部品の例について図1を参照して説明する。
セラミック電子部品100は、チップ本体3とこのチップ本体3の端部に設けられた外部電極7とを有している。
このセラミック電子部品100において、チップ本体3は、セラミック層1と、セラミック層1内に埋設された内部電極2a,2bとを備える。また、外部電極7は、チップ本体3側から、下地電極4、Niめっき層5及びSnめっき層6をこの順に有している。さらに、内部電極2a、2bは、それぞれ一端部がチップ本体3における対向する端面の異なる側にそれぞれ露出するように形成されて(引き出されて)おり、それぞれ下地電極4に接続されている。
セラミック層1としては、セラミック電子部品に必要とされるの種々の特性を発揮できる焼結金属酸化物等のセラミック材料から構成されるものであれば特に制限なく適用できる。より具体的には、例えば、バリスタとして用いる場合には、ZnOを主成分とし、このZnO中にPr等の希土類元素やBi等の副成分、Al等の微量添加物等を配合したものが好適な例として挙げられる。また、セラミック層1の表面に、表面抵抗を上げてリーク電流を抑制するために、Li等のアルカリ金属がドープされていても良い。
内部電極2a,2bとしては、Cu,Ni,Pt、Pd、Ag等の金属単体又はこれらの合金や化合物から構成されるものが例示でき、PdやPtの金属単体や、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金が好ましい。内部電極2a,2bの厚みは、通常0.5〜5μmである。このような積層型素子としては、具体的には、コンデンサ、バリスタ、サーミスタ等が例示できる。なお、複数の板状の内部電極2a、2bを相互接続してヘリカル導体パターンを形成し、コイルを形成したものでも良い。このような積層型素子としては、具体的には、インダクタ、コモンモードフィルター、バラン、トランス等が例示できる。
下地電極4としては、上記内部電極2a,2bと同様の電極材料、例えば、Ag単体やAg−Pd、Pt、Ni合金から構成されるものが例示できる。また、下地電極4は、上記の金属に加え、好ましくは通常セラミック層1への密着性を確保するためにガラスフリット等のガラス物質を含んでいる。ガラスフリットは、鉛入りのものが用いられてきたが、近年電子部品の鉛フリー化の要求に伴い、フリットも鉛フリー系が増えている。鉛フリーのガラスフリットは、一般的に耐薬品性に乏しく、めっき液にも溶出しやすいが、本発明に係る無電解めっき液により溶出を十分に低減できる。ガラスフリットとしては、酸化ストロンチウムもしくは酸化バリウムを含むもの等が挙げられる。
下地電極4の厚さとしては、例えば、1〜100μm程度とすることができる。
本明細書では、チップ本体3及び下地電極4を含み、Niめっき層5、Snめっき層6を含まない状態のものをセラミック素子8と呼ぶ。
上述の無電解めっき液によってめっきされるNiめっき層5は、例えば、セラミック電子部品100をリフローにより基板等に搭載する際のはんだ食われを防止する機能を発揮する。また、Snめっき層6は、例えば、リフロー時におけるはんだ濡れ性を向上させる特性を発揮することができ、Sn以外に、はんだ、Au等、はんだとの親和性の良好な金属材料から構成されていてもよい。
なお、本明細書におけるめっき伸びLとは、図1のように、セラミック層1の表面上において、下地電極4の端部からSnめっき層6の端部までの距離である。なお、Snめっき層6を形成しない場合には、下地電極4の端部からNiめっき層5の端部までの距離である。
また、めっき付着とは、図2に示すように、外部電極7とは孤立してセラミック層1の表面に付着しためっき膜7bの軸方向長さX及び周方向の長さYの内の最大値が100μm以上であるものの個数である。
(製造方法)
次に、セラミック電子部品の製造方法の一例について説明する。まず、公知の方法により、セラミック層用グリーンシート及び内部電極層用グリーンシートを適切に積層してなるグリーンシート積層チップを形成し、これを焼結することによりチップ本体3を得る。各グリーンシートは印刷法やシート法等により形成できる。
次に、チップ本体3の両端部に、内部電極2a,2bのそれぞれに接するように、例えばAg及びガラスフリットを含むペースト(有機バインダーでも無機バインダーでも良い)を塗布した後、このペーストの焼き付け処理を行い、導電性の下地電極4を形成する。
これにより、チップ本体3及び下地電極4を含むセラミック素子8が形成される。ここで、チップ本体3のセラミック層1の一部及び下地電極4が表面に露出している。この後、このチップ本体3をパラジウム等の金属触媒を含む事前処理液に接触させて、下地電極4上に金属触媒を保持させる。
その後、下地電極4の表面に、上述のめっき液を用いて無電解めっき法によりNiめっき層5を形成し、その後、公知の方法により、Snめっき層6を形成して、セラミック電子部品100を得る。めっき時のめっき液の温度は、20〜50℃が好ましい。
このように構成されたセラミック電子部品100は、めっき工程におけるセラミック溶出量が少なく、高品質のセラミック部品の適用が可能となる。また、下地電極がガラスフリットを含んでいる場合には、このガラス成分の溶出も少なくなって好ましい。
(実施例A−1〜A−10及び比較例A−1,A−2)
各実施例及び比較例毎にめっき液を用意した。具体的には、硫酸ニッケル:25g/L、次亜リン酸ナトリウム:25g/L、グリシン:5g/L、((錯化材のモル比)/(ニッケルのモル比)=0.7)、及び、各種バッファー剤(種類及び濃度は図3を参照)を含む水溶液を調製し、さらに、NaOHを用いて室温においてpHをそれぞれ9に調整した。
(セラミック層のエッチング深さ、めっき伸びL、めっき付着の検討)
ZnOを主成分とするセラミック層を有し、下地電極としてSrを含むPbフリーフリットを含有するCu下地電極を設けたチップサイズ1005(長さ1.0mm、幅及び厚さ0.5mm)のバリスタ素子を各実施例及び各比較例に対して10000個ずつ用意した。セラミック層中には複数対の内部電極が埋設されている。そして、このバリスタ素子を洗浄し、奥野製薬工業のNNPアクセラにディップすることにより表面にパラジウム触媒を付着させた。具体的には、標準組成液に25℃3分チップを浸漬した。続いて、各実施例及び比較例のめっき液を10L貯留するめっき槽中に、バリスタ素子を10000個投入した容量1Lのバレルをそれぞれ投入してめっき液温度50℃、バレル回転数10rpmで2μmのNiめっき膜を下地電極上に形成した。
めっき後に、100個のバリスタ素子をランダムに抽出して、めっき伸びL及びめっき付着の個数を取得した。さらに、ランダムに選んだ100個の素子を断面研磨して各素子毎に10点のエッチング深さを取得し、その平均値としてセラミック層エッチング深さを取得した。
(溶出の検討)
ZnOを主成分とするセラミック層を有し、下地電極にBaを含むPbフリーフリットを含有するCu下地電極を設けたチップサイズ1005(長さ1.0mm、幅及び厚さ0.5mm)のバリスタ素子を用意した。セラミック層中には一対の内部電極が埋設されている。続いて、各実施例及び比較例のめっき液を100mL貯留する容器中にバリスタ素子をそれぞれ100個投入し、めっき液温度50℃で200分浸漬した。
その後、バリスタ素子の浸漬後のめっき液のZn成分の濃度をセラミック溶出量として取得し、Ba成分の濃度をフリット溶出量として取得した。結果を図3に示す。
ハロゲンを0.1mol/L超含むとセラミック溶出量やセラミック層エッチング深さ及びフリット溶出量が大きくなり、それぞれ、800ppm以下、5μm以下、160ppm以下を満たさないことが理解される。
また、ハロゲンが0.1mol/L以下であると、めっき伸びLやめっき付着を低くできることも理解される。
また、バッファー剤として10g/L以上のホウ酸を含むとセラミック層やフリットの溶出量を特に低減できて好ましい。
(実施例B−1〜B−4及び比較例B−1〜B−3)
バッファー剤を添加せず、さらに、NaOHによる室温でのpHの最終調整値を、図4に示すように変えた以外は実施例A−1と同様にした。なお、実施例B−3と実施例A−3とは同一である。
セラミック溶出量やセラミック層エッチング深さ及びフリット溶出量を、それぞれ、800ppm以下、5μm以下、160ppm以下に維持するには、pHを7〜10にする必要があることが理解される。
(実施例C−1〜C−6)
アンモニアを図5に示すように量を変えて添加した以外は、実施例B−3と同様にした。実施例C−1は実施例B−3と同一である。
アンモニアを添加すると、めっき伸びL及びめっき付着が抑制できる。好ましいアンモニア添加量は濃度28%のもので30〜100mL/Lすなわち0.5〜1.7mol/Lである。
(実施例D−1〜D−6)
実施例D−1〜D−6では、図6に示すように、還元剤として次亜リン酸ナトリウムに代えてジメチルヘキサボランを25g/L添加した以外は実施例C−1〜C−6と同様にした。
アンモニアを添加するとめっき伸びL及びめっき付着が抑制できること、還元剤としては、次亜リン酸塩のほうが好ましいことが解る。
(実施例E−1〜E−5、F−1〜F−6,実施例G−1)
アンモニア及びアンモニア以外の錯化剤を併用すると共にpH調整剤を変更した以外は実施例A−3と同様にした。実施例E−1〜E−5では、グリシン及びアンモニアが錯化剤として機能し、アンモニア、硫酸、及びNaOHをpH調整剤として用いた。
実施例F−1〜F−6及び実施例G1では、クエン酸塩及びアンモニアが錯化剤として機能し、アンモニアをpH調整剤として用いた。
アンモニア以外のキレート剤を用いる場合には、セラミック層やフリットの溶出を抑える観点からアンモニア以外のキレート剤のモル濃度をニッケルのモル濃度以下に抑えることが好ましい。
アンモニア以外のキレート剤の中で、セラミック層やフリットの溶出を抑える観点からクエン酸ナトリウムが好ましい。
pH調製をアンモニアで行ったアンモニアアルカリ浴(実施例F−1〜F−6及び実施例G−1)では、実施例E−1〜E−5に比べて溶出量を低減できる。
硫酸Niとスルファミン酸Niとを比較すると、硫酸Niのほうがセラミック層やフリットの溶出量を低減できる。
(実施例H−1〜H−12)
実施例E−4及び実施例F−4のめっき液組成で、図8に示すように、液温度を10、20、30、40、50,60℃にそれぞれ変化させてめっき伸び、めっき付着、セラミック層エッチング深さ、無めっきチップ数を調べた。ここで無めっきチップ数とはめっき後のチップをランダムに100個抜き取り、下地電極上のNiめっきが付着している面積が50%以下のチップ数である。温度が下がると20℃で無めっきチップが出現し、さらに液温度を10℃に低下させると無めっきチップ数が急増するのが解る。
また液温度が上がるとセラミック層エッチング深さが増加し、また60℃でこれが急増するのが解る。以上のことより、好ましいめっき液温度は20〜50℃、さらに好ましくは30〜40℃であることが解る。
(実施例I−1〜I−7)
ニッケル濃度が、図9のようになるように硫酸Niを添加し、クエン酸ナトリウムの濃度を5g/Lとする以外は、実施例F−1と同様にした。
本実施例では、液の寿命も測定した。液量1Lで、10cm×10cm×1mmのNi板に繰り返しめっきを行った。このとき、めっき液の補給は、金属濃度が初期値の10%低下する毎に、それぞれの初期液組成での硫酸Ni及び次亜リン酸ナトリウムの10倍濃縮液を補給することにより行った。沈殿ができ始めた時点のターン数を測定した。1ターンとは、初期めっき液の全金属がめっきにより消費されたことを意味する。
めっき伸びは殆ど発生せず、また、めっき付着も無かった。また、溶出量は、ニッケルの濃度が低下するにつれて低下する傾向があった。液寿命を1ターン以上確保するには、ニッケル濃度が5.5g/L以下であることが好ましい。
(実施例J−1からJ−5)
セラミック素子の種類を図10の如く変えたものである。実施例J−1は実施例I−3と同一である。
また、実施例J−1及び実施例J−2においては、めっき前後の端子間抵抗の変化も測定した。端子間抵抗は、1Vの印加により測定し、20チップの平均値とした。
特に、実施例J−2では、絶縁抵抗の低下を十分に抑制できた。
図1は、本実施形態に係る無電解めっき液によりめっきされたセラミック電子部品の概略断面図である。 図2は、めっき付着の定義を示すためのセラミック電子部品の上面図である。 図3は、実施例A−1〜A−10及び比較例A−1〜A−2のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図4は、実施例B−1〜B−4及び比較例B−1〜B−3のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図5は、実施例C−1〜C−6のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図6は、実施例D−1〜DC−6のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図7は、実施例E−1〜E−5、実施例F−1〜F−6、実施例G−1のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図8は、実施例H−1〜H−12のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図9は、実施例I−1〜I−7のめっき液の条件及び結果を示す表である。 図10は、実施例J−1〜J−5のめっき液の条件及び結果を示す表である。
符号の説明
1…セラミック層、4…下地電極、8…セラミック素子、100…セラミック電子部品。

Claims (13)

  1. セラミック素子の下地電極上にめっき膜を形成する工程を備え、
    前記工程では、前記セラミック素子を、ニッケル還元剤及び10g/L以上のホウ酸を含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10である無電解めっき液と接触させる、セラミック電子部品の製造方法。
  2. セラミック素子の下地電極上にめっき膜を形成する工程を備え、
    前記工程では、前記セラミック素子を、ニッケル還元剤及びアンモニアを含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10である無電解めっき液と接触させる、セラミック電子部品の製造方法。
  3. セラミック素子の下地電極上にめっき膜を形成する工程を備え、
    前記工程では、前記セラミック素子を、ニッケル及び還元剤を含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10であり、ニッケル濃度が5.5g/L以下である無電解めっき液と接触させる、セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記工程において、前記無電解めっき液の温度が20〜50℃である請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記還元剤として次亜リン酸塩を含む請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記ハロゲンは塩素である請求項1〜のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記無電解めっき液は、さらに、アンモニア以外の錯化剤を含み、ニッケル1モルに対してアンモニア以外の錯化剤を1モル以下含む請求項1〜のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  8. セラミック素子の下地電極上に無電解めっきを行うための無電解めっき液であって、ニッケル還元剤及び10g/L以上のホウ酸を含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10である無電解めっき液。
  9. セラミック素子の下地電極上に無電解めっきを行うための無電解めっき液であって、ニッケル還元剤及びアンモニアを含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10である無電解めっき液。
  10. セラミック素子の下地電極上に無電解めっきを行うための無電解めっき液であって、ニッケル及び還元剤を含有し、ハロゲン含有量が0.1mol/L以下であり、pHが7〜10であり、ニッケル濃度が5.5g/L以下である無電解めっき液。
  11. 前記還元剤として次亜リン酸塩を含む請求項8〜10のいずれかに記載の無電解めっき液。
  12. 前記ハロゲンは塩素である請求項〜11のいずれかに記載の無電解めっき液。
  13. さらに、アンモニア以外の錯化剤を含み、ニッケル1モルに対して錯化剤を1モル以下含む請求項〜12のいずれかに記載の無電解めっき液。
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