JPH0813152A - 無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴 - Google Patents
無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴Info
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- JPH0813152A JPH0813152A JP16495494A JP16495494A JPH0813152A JP H0813152 A JPH0813152 A JP H0813152A JP 16495494 A JP16495494 A JP 16495494A JP 16495494 A JP16495494 A JP 16495494A JP H0813152 A JPH0813152 A JP H0813152A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 良好な特性を有するニッケル-リン複合めっ
きに耐摩耗性、自己潤滑性等の新たな機能性を付与させ
た無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっきを形成
させる。 【構成】 無電解めっき浴を、ニッケル塩、次亜リン酸
又はそのナトリウム塩、有機酸又はその塩、窒化形成及
び雲母で構成する。
きに耐摩耗性、自己潤滑性等の新たな機能性を付与させ
た無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっきを形成
させる。 【構成】 無電解めっき浴を、ニッケル塩、次亜リン酸
又はそのナトリウム塩、有機酸又はその塩、窒化形成及
び雲母で構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属をはじめセラミッ
ク、プラスチック、繊維等の各種の材料でなる素地上に
ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっきを無電解的に形
成するためのめっき浴に係る。
ク、プラスチック、繊維等の各種の材料でなる素地上に
ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっきを無電解的に形
成するためのめっき浴に係る。
【0002】
【従来の技術】無電解めっきの中でもニッケルめっきは
最も多く研究がなされ、実用化されており、代表的なも
のは次亜リン酸ナトリウムを還元剤とするものである。
この場合、ニッケル−リン複合めっきが形成されるが、
このめっき皮膜は熱処理することにより硬質なものとな
ると共に、耐摩耗性等の優れた性質を有することが知ら
れている。
最も多く研究がなされ、実用化されており、代表的なも
のは次亜リン酸ナトリウムを還元剤とするものである。
この場合、ニッケル−リン複合めっきが形成されるが、
このめっき皮膜は熱処理することにより硬質なものとな
ると共に、耐摩耗性等の優れた性質を有することが知ら
れている。
【0003】現在では、このようなニッケル−リン複合
めっきの優れた性質に鑑み、かかる複合めっきに新たな
機能性(たとえば耐摩耗性、自己潤滑性等)を付与する
ため、各種の分散剤を含有せしめることが行われてい
る。一般に皮膜内に分散される分散剤としては、SiC、A
l2O3、MoS2、TiC、WC、Cr3C2 等のセラミックが使用さ
れている。
めっきの優れた性質に鑑み、かかる複合めっきに新たな
機能性(たとえば耐摩耗性、自己潤滑性等)を付与する
ため、各種の分散剤を含有せしめることが行われてい
る。一般に皮膜内に分散される分散剤としては、SiC、A
l2O3、MoS2、TiC、WC、Cr3C2 等のセラミックが使用さ
れている。
【0004】化学的にニッケル−リン−セラミックめっ
き皮膜を析出させるためのめっき浴は、塩化物、酢酸塩
又は硫酸塩の如きニッケル塩、還元剤としての次亜リン
酸又は次亜リン酸ナトリウム、及びめっき皮膜に分散さ
れるセラミック微粒子以外に、めっき速度、還元効率及
びめっき皮膜の状態を調整するpH調整剤、金属イオンの
還元の進行に伴って生ずるpHの変動を抑制する緩衝剤、
長時間使用した後のめっき浴の安定性を維持する錯化剤
及び安定剤等の如き各種の添加剤を含有してなる。
き皮膜を析出させるためのめっき浴は、塩化物、酢酸塩
又は硫酸塩の如きニッケル塩、還元剤としての次亜リン
酸又は次亜リン酸ナトリウム、及びめっき皮膜に分散さ
れるセラミック微粒子以外に、めっき速度、還元効率及
びめっき皮膜の状態を調整するpH調整剤、金属イオンの
還元の進行に伴って生ずるpHの変動を抑制する緩衝剤、
長時間使用した後のめっき浴の安定性を維持する錯化剤
及び安定剤等の如き各種の添加剤を含有してなる。
【0005】従来、このような添加剤としては、一般に
有機酸(たとえば酢酸、グリコール酸、クエン酸、酒石
酸等)のアルカリ塩、チオグリコール酸、アンモニア、
ヒドラジン等が使用されている。
有機酸(たとえば酢酸、グリコール酸、クエン酸、酒石
酸等)のアルカリ塩、チオグリコール酸、アンモニア、
ヒドラジン等が使用されている。
【0006】上述の組成のめっき浴に界面活性剤を添加
し、セラミック粒子をめっき液中に分散させ、あるいは
特殊な撹拌装置を使用して還元反応を行い、ニッケル−
リン−セラミックの複合めっきを行っている(特開昭56
−14859号、特開昭60−196465号、特開昭61−179899
号)。
し、セラミック粒子をめっき液中に分散させ、あるいは
特殊な撹拌装置を使用して還元反応を行い、ニッケル−
リン−セラミックの複合めっきを行っている(特開昭56
−14859号、特開昭60−196465号、特開昭61−179899
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き公知の無電
解ニッケル−リン−セラミック複合めっき浴に関して
は、次のような課題があった。 (1)めっき浴におけるセラミックの添加量が多いわり
には、めっき皮膜中の析出量は少なく、約20容量%以下
である。 (2)実際に工業的に使用した場合の析出速度は低く、
約15μm/時間以下である。 (3)上述の微粒子状分散剤は、従来の浴組成において
は浴の化学的バランスの不安定化を促進するため、つい
には浴が分解したり、分解に至らないまでも、セラミッ
ク微粒子が凝集する結果、浴を廃棄しなければならなく
なる。
解ニッケル−リン−セラミック複合めっき浴に関して
は、次のような課題があった。 (1)めっき浴におけるセラミックの添加量が多いわり
には、めっき皮膜中の析出量は少なく、約20容量%以下
である。 (2)実際に工業的に使用した場合の析出速度は低く、
約15μm/時間以下である。 (3)上述の微粒子状分散剤は、従来の浴組成において
は浴の化学的バランスの不安定化を促進するため、つい
には浴が分解したり、分解に至らないまでも、セラミッ
ク微粒子が凝集する結果、浴を廃棄しなければならなく
なる。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、次亜リン酸
ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケルめっき浴に、
耐摩耗性粒子としてSi3N4 を雲母と共に添加することに
より上述の問題点を解消できるとの知見を得て本発明に
至った。
ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケルめっき浴に、
耐摩耗性粒子としてSi3N4 を雲母と共に添加することに
より上述の問題点を解消できるとの知見を得て本発明に
至った。
【0009】従って、本発明の目的は、(1)ニッケル
塩、(2)次亜リン酸又はそのナトリウム塩、(3)有
機酸及びその塩の中から選ばれる少なくとも1の化合物
及び(4)窒化ケイ素を主要成分として含有すると共
に、(5)雲母を添加したことを特徴とする無電解ニッ
ケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴を提供することに
ある。
塩、(2)次亜リン酸又はそのナトリウム塩、(3)有
機酸及びその塩の中から選ばれる少なくとも1の化合物
及び(4)窒化ケイ素を主要成分として含有すると共
に、(5)雲母を添加したことを特徴とする無電解ニッ
ケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴を提供することに
ある。
【0010】
【作用】本発明によれば、ニッケル塩として塩化物、酢
酸塩、又は硫酸塩(好ましくは硫酸塩)を使用でき、め
っき浴におけるニッケルイオンの量は、一般に約0.02〜
0.25 モル/リットル、好ましくは0.08〜0.14 モル/リットルであ
る。
酸塩、又は硫酸塩(好ましくは硫酸塩)を使用でき、め
っき浴におけるニッケルイオンの量は、一般に約0.02〜
0.25 モル/リットル、好ましくは0.08〜0.14 モル/リットルであ
る。
【0011】次亜リン酸は還元剤であり、浴中のニッケ
ルイオンを還元し、金属ニッケルとして素地表面に析出
させる。次亜リン酸はナトリウム塩が安価であり、次亜
リン酸ナトリウムとして使用されるのが一般的である。
次亜リン酸イオンの濃度は、約0.04〜0.5 モル/リットル、好
ましくは0.16〜0.3 モル/リットルである。
ルイオンを還元し、金属ニッケルとして素地表面に析出
させる。次亜リン酸はナトリウム塩が安価であり、次亜
リン酸ナトリウムとして使用されるのが一般的である。
次亜リン酸イオンの濃度は、約0.04〜0.5 モル/リットル、好
ましくは0.16〜0.3 モル/リットルである。
【0012】有機酸及びこれらの塩類はニッケルの錯化
剤、浴のpH緩衝剤として作用する。これら有機酸として
は、酢酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク
酸、マロン酸等があり、これらの塩としてアルカリ塩を
使用できる。有機酸等の含量は、約0.07〜0.4 モル/リット
ル、好ましくは0.1〜0.2 モル/リットルである。特に、本発明
の好適な1具体例によれば、リンゴ酸、マロン酸又はこ
れら有機酸の塩の少なくとも1と、コハク酸、プロピオ
ン酸又はこれら有機酸の塩の少なくとも1とを併用する
ことにより最良の結果が得られる。
剤、浴のpH緩衝剤として作用する。これら有機酸として
は、酢酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク
酸、マロン酸等があり、これらの塩としてアルカリ塩を
使用できる。有機酸等の含量は、約0.07〜0.4 モル/リット
ル、好ましくは0.1〜0.2 モル/リットルである。特に、本発明
の好適な1具体例によれば、リンゴ酸、マロン酸又はこ
れら有機酸の塩の少なくとも1と、コハク酸、プロピオ
ン酸又はこれら有機酸の塩の少なくとも1とを併用する
ことにより最良の結果が得られる。
【0013】窒化ケイ素(Si3N4)は、粒径0.1〜0.3μ
mの微粒子として浴に添加される。その含量は約0.5〜1
0g/リットル、好ましくは2〜5g/リットルである。
mの微粒子として浴に添加される。その含量は約0.5〜1
0g/リットル、好ましくは2〜5g/リットルである。
【0014】本発明によってめっき浴に添加される雲母
は粒度0.5〜1μmのものであり、その含量は0.1〜10g
/リットル、好ましくは1〜5g/リットルである。
は粒度0.5〜1μmのものであり、その含量は0.1〜10g
/リットル、好ましくは1〜5g/リットルである。
【0015】これら窒化ケイ素と雲母とは、各種の比率
で混合された混和物として浴に添加され、たとえば窒化
ケイ素1に対して雲母0.2〜1の割合(重量比)で混和
する。
で混合された混和物として浴に添加され、たとえば窒化
ケイ素1に対して雲母0.2〜1の割合(重量比)で混和
する。
【0016】以上の成分に加えて、めっき皮膜の展延性
を改善するためにアルミニウム塩を添加することができ
る。たとえば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、
ミョウバン、リン酸アルミニウム等があり、その含有量
はアルミニウムイオンとして2〜30mg/リットル、好ましく
は4〜20mg/リットルである。
を改善するためにアルミニウム塩を添加することができ
る。たとえば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、
ミョウバン、リン酸アルミニウム等があり、その含有量
はアルミニウムイオンとして2〜30mg/リットル、好ましく
は4〜20mg/リットルである。
【0017】また、めっき浴の自然分解を抑制するため
の安定剤として酢酸鉛、塩化鉛、硫酸鉛、硝酸鉛等を添
加できる。しかしながら、鉛イオンの存在はめっき速度
を抑制するため、約1〜2mg/リットルに調節される。
の安定剤として酢酸鉛、塩化鉛、硫酸鉛、硝酸鉛等を添
加できる。しかしながら、鉛イオンの存在はめっき速度
を抑制するため、約1〜2mg/リットルに調節される。
【0018】さらに、補助的な公知の無機又は有機の安
定剤、たとえばカドミウムイオン、ビスマスイオン、シ
アンイオン、有機イオウ化合物(たとえばチオ尿素類な
ど)等が含まれてもよく、その濃度は約1〜100mg/リット
ル、一般に20mg/リットル以下である。
定剤、たとえばカドミウムイオン、ビスマスイオン、シ
アンイオン、有機イオウ化合物(たとえばチオ尿素類な
ど)等が含まれてもよく、その濃度は約1〜100mg/リット
ル、一般に20mg/リットル以下である。
【0019】本発明による無電解ニッケル−リン−セラ
ミック複合めっき浴の調製に当たっては、脱イオン水を
使用し、ニッケル塩、リンゴ酸等の緩衝剤を水に溶解
し、ついで次亜リン酸ナトリウム、安定剤を加え、pHを
4.0〜5.0、最適には4.2〜4.5に調整し、最後にセラミッ
ク微粒子を添加して分散させる。
ミック複合めっき浴の調製に当たっては、脱イオン水を
使用し、ニッケル塩、リンゴ酸等の緩衝剤を水に溶解
し、ついで次亜リン酸ナトリウム、安定剤を加え、pHを
4.0〜5.0、最適には4.2〜4.5に調整し、最後にセラミッ
ク微粒子を添加して分散させる。
【0020】本発明によるめっき浴の使用に当たって
は、めっき浴を空気撹拌又は機械撹拌によって循環させ
るか、これらを併用し、液温を80〜95℃に維持してめっ
きを行う。
は、めっき浴を空気撹拌又は機械撹拌によって循環させ
るか、これらを併用し、液温を80〜95℃に維持してめっ
きを行う。
【0021】めっき処理の結果、複合めっき皮膜内にお
いてSi3N4 及び雲母が共析し、めっき後における温度20
0〜600℃、時間10分〜3時間の熱処理によって、耐摩耗
性、自己潤滑性の両方を有する耐摩耗性皮膜が得られ
る。
いてSi3N4 及び雲母が共析し、めっき後における温度20
0〜600℃、時間10分〜3時間の熱処理によって、耐摩耗
性、自己潤滑性の両方を有する耐摩耗性皮膜が得られ
る。
【0022】得られるめっき皮膜の各特性は次のとおり
である。 (1)物理化学的特性 i)Si3N4 微粒子の含量は、粒子がSi3N4 単独の場合約
1〜15容量%であり、他の粒子(雲母)との併用の場
合、粒子全体として5〜40容量%である。 ii)膜厚は一般に5〜25μmであり、耐摩耗性を目的と
するめっきの場合には25〜100μmである。さらに長時
間めっき処理を行い、膜厚約0.75cmとすることも可能で
ある。 iii)セラミック微粒子がめっき皮膜内に均一に分布し
ている。本発明のめっき浴を使用して得られたニッケル
−リン−窒化ケイ素めっき皮膜の断面を図1に示す。 (2)機械的特性 i)硬度(マイクロビッカース)及び動摩擦係数 本発明により得られた複合めっき皮膜を熱処理後、マイ
クロビッカース硬度及び動摩擦係数を測定し、熱処理
(℃)と硬度(Hv)及び動摩擦係数(μK)との関連を
検討した。結果を図2に示す。図2の結果から、熱処理
を施すことにより、硬度は上昇、横ばい又は低下の各種
の傾向を示すが、動摩擦係数は減少傾向を示し、潤滑摩
耗性が良くなる傾向を示す。 ii)耐摩耗性(アルファー摩耗試験による) 本発明による複合めっき皮膜及び他の従来のめっき皮膜
をアルファー摩耗試験に供した。得られた結果を表1に
示す。
である。 (1)物理化学的特性 i)Si3N4 微粒子の含量は、粒子がSi3N4 単独の場合約
1〜15容量%であり、他の粒子(雲母)との併用の場
合、粒子全体として5〜40容量%である。 ii)膜厚は一般に5〜25μmであり、耐摩耗性を目的と
するめっきの場合には25〜100μmである。さらに長時
間めっき処理を行い、膜厚約0.75cmとすることも可能で
ある。 iii)セラミック微粒子がめっき皮膜内に均一に分布し
ている。本発明のめっき浴を使用して得られたニッケル
−リン−窒化ケイ素めっき皮膜の断面を図1に示す。 (2)機械的特性 i)硬度(マイクロビッカース)及び動摩擦係数 本発明により得られた複合めっき皮膜を熱処理後、マイ
クロビッカース硬度及び動摩擦係数を測定し、熱処理
(℃)と硬度(Hv)及び動摩擦係数(μK)との関連を
検討した。結果を図2に示す。図2の結果から、熱処理
を施すことにより、硬度は上昇、横ばい又は低下の各種
の傾向を示すが、動摩擦係数は減少傾向を示し、潤滑摩
耗性が良くなる傾向を示す。 ii)耐摩耗性(アルファー摩耗試験による) 本発明による複合めっき皮膜及び他の従来のめっき皮膜
をアルファー摩耗試験に供した。得られた結果を表1に
示す。
【0023】
【表1】 表 面 処 理 熱処理 表面硬度 摩擦係数 摩 耗 損 失 (mg) ブロック リング 温度(℃) (Hv) (μK) ブロック リング Ni-P* Ni-P- − B 580 0.197 10.7〜 0.32〜 Si3N4* R 620 9.1 0.35 Ni-P Ni-P- 450 B 1005 0.127 7.1〜 0.15〜 Si3N4 R 980 6.5 0.17 硬質Cr* Ni-P- 450 B 1005 0.095 1.7〜 0.35〜 Si3N4 R 420 1.4 0.32 Ni-P- Ni-P- 450 B 1200 0.080 0.39〜 0.30〜 Si3N4 Si3N4 R 1200 0.34 0.28 *めっきのまま アルファーモデルLFM−1 速度:72rpm;負荷:60Kg;期間:3500サイクル;潤滑材:ホワイト油 本発明で得られた複合めっき皮膜の摩耗損失は一般的な
無電解ニッケルめっき(酸性次亜リン酸浴からのめっ
き)、硬質クロムめっき(サージェント浴からのめっ
き)のものよりも少なく、潤滑摩耗性に優れている。 iii)引張強さ 本発明により得られた膜厚150μmのめっき皮膜を、他
の方法によって得た同じ膜厚のめっき皮膜と共に引張試
験に供した。結果を図3に示す。結果から、一般的に無
電解ニッケル−リンめっき(a)、電解によるニッケル
−リン−窒化ケイ素複合めっき(b)よりも優れた引張
強さが認められる。
無電解ニッケルめっき(酸性次亜リン酸浴からのめっ
き)、硬質クロムめっき(サージェント浴からのめっ
き)のものよりも少なく、潤滑摩耗性に優れている。 iii)引張強さ 本発明により得られた膜厚150μmのめっき皮膜を、他
の方法によって得た同じ膜厚のめっき皮膜と共に引張試
験に供した。結果を図3に示す。結果から、一般的に無
電解ニッケル−リンめっき(a)、電解によるニッケル
−リン−窒化ケイ素複合めっき(b)よりも優れた引張
強さが認められる。
【0024】一方、本発明による複合めっき浴自体も下
記の優れた特性を有する。 (1)定期的に浴成分を補給することにより、浴監理が
容易である。 (2)3−5ターンオーバーの状態でSbS及びMAlPOを添
加し、処理することにより、含リン無用物質を沈殿除去
でき、浴の寿命が長くなる。
記の優れた特性を有する。 (1)定期的に浴成分を補給することにより、浴監理が
容易である。 (2)3−5ターンオーバーの状態でSbS及びMAlPOを添
加し、処理することにより、含リン無用物質を沈殿除去
でき、浴の寿命が長くなる。
【0025】たとえば、めっき液が3ターンオーバーに
達した時、カルシウム塩(たとえば水酸化カルシウム
0.5g/リットル)を添加し、自触媒反応を1〜10時間行
い、反応後、液温を10〜25℃に下げ、生成した沈殿(次
亜リン酸の劣化生成物結晶及びSi3N4 粒子)を濾去し、
濾液については濃度とpHを調整し、復元する。一方、濾
取した沈殿については水に溶解して濾過するとSi3N4 粒
子はそのまま残留するため、これを濾取し、水洗し、3
ターンオーバーのめっき液に再循環できる。なお、濾液
は無用の劣化リン化合物であるため廃棄する。 (3)従って、図4に示す如く、比較的高い析出速度を
維持できる。析出速度は一般に25〜30μm/時間であ
る。
達した時、カルシウム塩(たとえば水酸化カルシウム
0.5g/リットル)を添加し、自触媒反応を1〜10時間行
い、反応後、液温を10〜25℃に下げ、生成した沈殿(次
亜リン酸の劣化生成物結晶及びSi3N4 粒子)を濾去し、
濾液については濃度とpHを調整し、復元する。一方、濾
取した沈殿については水に溶解して濾過するとSi3N4 粒
子はそのまま残留するため、これを濾取し、水洗し、3
ターンオーバーのめっき液に再循環できる。なお、濾液
は無用の劣化リン化合物であるため廃棄する。 (3)従って、図4に示す如く、比較的高い析出速度を
維持できる。析出速度は一般に25〜30μm/時間であ
る。
【0026】以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に
詳しく説明する。
詳しく説明する。
【0027】
【実施例】表2に示す各組成のめっき液を使用して、同
じくこの表に示すpH、温度、撹拌下にて無電解ニッケル
−リン−窒化ケイ素分散めっきを行った。被めっき物
は、常法に従い前もってバフ研磨、アルカリ脱脂、希酸
浸漬を施した鉄板である。
じくこの表に示すpH、温度、撹拌下にて無電解ニッケル
−リン−窒化ケイ素分散めっきを行った。被めっき物
は、常法に従い前もってバフ研磨、アルカリ脱脂、希酸
浸漬を施した鉄板である。
【0028】得られた各めっき皮膜のニッケル、リン、
ケイ素、アルミニウムの各含有率を表2に示した。な
お、めっき皮膜は15μmとした。
ケイ素、アルミニウムの各含有率を表2に示した。な
お、めっき皮膜は15μmとした。
【0029】得られた各めっき皮膜は、いずれも均一分
散良好な外観を有し、めっきのままと、これを熱処理し
た皮膜は良好な耐摩耗性、自己潤滑性、引張延性を示し
た。
散良好な外観を有し、めっきのままと、これを熱処理し
た皮膜は良好な耐摩耗性、自己潤滑性、引張延性を示し
た。
【0030】
【表2】 実 施 例 番 号 1 2 3 4 5 めっき液成分・組成 硫酸ニッケル(M/リットル) 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 次亜リン酸ナトリウム(M/リットル) 0.3 0.3 0.3 0.35 0.35 リンゴ酸(M/リットル) 0.12 0.12 0.12 0.10 0.10 マロン酸(M/リットル) - - - 0.03 0.03 コハク酸(M/リットル) 0.06 0.06 0.06 0.04 0.04 窒化ケイ素(g/リットル) 5 5 10 5 10 鉛イオン Pb2+(mg/リットル) 1 1 1 1 1 雲母(g/リットル) 2 3 4 5 5 アルミニウムイオン(mg/リットル) 4 6 10 14 20 有機安定剤(mg/リットル) 1 1 1 1 1 めっき条件 pH 4.4 4.4 4.8 4.8 5.0 温度(℃) 85■90 85■90 85■90 85■90 85■90 撹拌 空気+ 同 同 同 同 機械 皮膜の成分・組成(%) ニッケル 79.2 78.1 74.2 71.5 68.3 リン 8.2 8.5 9.2 7.2 8.9 ケイ素 3.1 3.5 5.1 7.3 9.8 アルミニウム 1.6 2.9 3.9 6.3 8.3
【発明の効果】本発明によるニッケル−リン−窒化ケイ
素無電解分散めっき浴は、Ni、P、Si3N4、雲母が自然
に析出することのない安定性に優れたものであって、特
に雲母及びアルミニウム塩の添加により、水素の作用の
下に、ニッケル−リンの析出速度の増加、均一な粒子の
分散、平滑性を有する皮膜、粒子の複合量が多い等の特
性を持つ良好なめっき皮膜を形成できる。
素無電解分散めっき浴は、Ni、P、Si3N4、雲母が自然
に析出することのない安定性に優れたものであって、特
に雲母及びアルミニウム塩の添加により、水素の作用の
下に、ニッケル−リンの析出速度の増加、均一な粒子の
分散、平滑性を有する皮膜、粒子の複合量が多い等の特
性を持つ良好なめっき皮膜を形成できる。
【0031】また、析出する複合めっき皮膜とその熱処
理めっき皮膜は、良好な耐摩耗性、自己潤滑性を有し、
引張延性に優れた有用性の高いものである。
理めっき皮膜は、良好な耐摩耗性、自己潤滑性を有し、
引張延性に優れた有用性の高いものである。
【図1】本発明により得られた無電解ニッケル−リン−
窒化ケイ素めっきの皮膜の金属組織を示す図である。
窒化ケイ素めっきの皮膜の金属組織を示す図である。
【図2】本発明によるめっき皮膜の熱処理と摩擦係数及
び硬度の関係を示すグラフである。
び硬度の関係を示すグラフである。
【図3】本発明によるめっき皮膜の引張特性を他のめっ
き皮膜と比較して示すグラフである。
き皮膜と比較して示すグラフである。
【図4】本発明のめっき浴の析出速度とターンオーバー
数との関係を示すグラフである。
数との関係を示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】一方、本発明による複合めっき浴自体も下
記の優れた特性を有する。 (1)定期的に浴成分を補給することにより、浴監理が
容易である。 (2)3−5ターンオーバーの状態でカルシウム塩を添
加し、処理することにより、含リン無用物質を沈殿除去
でき、浴の寿命が長くなる。
記の優れた特性を有する。 (1)定期的に浴成分を補給することにより、浴監理が
容易である。 (2)3−5ターンオーバーの状態でカルシウム塩を添
加し、処理することにより、含リン無用物質を沈殿除去
でき、浴の寿命が長くなる。
Claims (1)
- 【請求項1】(1)ニッケル塩、(2)次亜リン酸又は
そのナトリウム塩、(3)有機酸及びその塩の中から選
ばれる少なくとも1の化合物及び(4)窒化ケイ素を主
要成分として含有すると共に、(5)雲母を添加したこ
とを特徴とする、無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複
合めっき浴
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16495494A JPH0813152A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16495494A JPH0813152A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0813152A true JPH0813152A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15803027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16495494A Withdrawn JPH0813152A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 無電解ニッケル−リン−窒化ケイ素複合めっき浴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813152A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007270298A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Tdk Corp | 無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-24 JP JP16495494A patent/JPH0813152A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007270298A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Tdk Corp | 無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法 |
JP4582044B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2010-11-17 | Tdk株式会社 | 無電解めっき液及びセラミック電子部品の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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