JP2006080428A - 電子部品 - Google Patents

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Akihiro Motoki
章博 元木
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順一 斉藤
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Abstract

【課題】外部電極上に形成された金属皮膜の酸化を防止すると共に、はんだ爆ぜや電気特性の劣化を回避することができる電子部品を提供する。
【解決手段】セラミック素体1の表面に外部電極3a、3bが形成され、該外部電極3a、3bの表面にニッケル皮膜4a、4bが形成され、該ニッケル皮膜4a、4bの表面に酸化防止膜5a、5bが形成され、さらに酸化防止膜5a、5bの表面にスズ皮膜6a、6bが形成されている。また、酸化防止膜5a、5bは、ニッケルやスズ等の金属に吸着するための極性基と水分を撥水してニッケル皮膜4a、4bやスズ皮膜5a、5bへの水分の浸入を防止する撥水基とを有する有機材料で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は電子部品に関し、より詳しくは部品素体の表面に外部電極が形成され、さらに該外部電極の表面にめっき皮膜が形成された電子部品に関する。
積層セラミックコンデンサ等の電子部品では、通常、表面に外部電極が形成された部品素体に電解めっきや無電解めっき等のめっき処理を施し、これにより外部電極上に2層以上の金属皮膜が形成されている。すなわち、外部電極の表面には、耐熱性の向上等を目的としてニッケルやニッケル−リン等からなる第1の金属皮膜が形成され、さらにニッケル系金属皮膜の表面には、はんだ付け性の向上を目的としてスズや金等からなる第2の金属皮膜が形成されている。
しかしながら、はんだ付け性の向上を目的として形成される前記第2の金属皮膜の膜質は、めっき浴の経時変化やめっき条件の変動によって変化し、その結果めっき皮膜は緻密性を欠く場合がある。そして、めっき皮膜が緻密性を欠くと、第2の金属皮膜の下地である第1の金属皮膜が、外気と接触して酸化を促進し、プレッシャークッカーテスト(以下、「PCT」という。)やスチームエージング等の環境試験後のはんだ濡れ性が劣化する。
そこで、従来より、外部電極と第1の金属皮膜との間、又は第2の金属皮膜の表面にトリアゾール系の防錆剤皮膜を形成した技術が提案されている(特許文献1)。
特開2001−217141号公報
しかしながら、特許文献1のように外部電極と第1の金属皮膜との間に防錆剤皮膜を形成した場合、外部電極へのめっき液侵入を抑制する効果はあるものの、第1の金属皮膜に対しては酸化防止の効果を得ることはできず、しかも第1の金属皮膜の電着強度が低下するおそれがある。
また、第2の金属皮膜の表面に防錆剤皮膜を形成した場合は、第2の金属皮膜形成時に、めっき液が第1の金属皮膜を通過して該第1の金属皮膜と外部電極との界面や外部電極内部、該外部電極と部品素体との界面、さらには部品素体の内部に浸入し、実装時に高温に晒される結果、浸入した水分が膨張、突沸して外層のはんだが飛ぶ「はんだ爆ぜ」と呼ばれる現象が生じ、短絡不良の発生するおそれがある。特に、積層セラミック電子部品の場合は、めっき液がセラミック素体に浸入してくると内部電極とセラミックス素体との界面が剥離し、電気特性の劣化不良を招くおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、外部電極上に形成された金属皮膜の酸化を防止すると共に、はんだ爆ぜや電気特性の劣化を回避することができる電子部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る電子部品は、部品素体の表面に外部電極が形成されると共に、前記外部電極の表面に第1及び第2の金属皮膜が形成された電子部品において、酸化防止膜が、前記第1の金属皮膜と前記第2の金属皮膜との間に介在されていることを特徴としている。
また、本発明の電子部品は、前記酸化防止膜が、前記第2の金属皮膜の表面にも形成されていることを特徴とし、さらに前記酸化防止膜が、前記外部電極と前記第1の金属皮膜との間にも介在されていることを特徴としている。
また、本発明の電子部品は、前記酸化防止膜が、前記第1及び第2の金属皮膜に吸着する少なくとも1種以上の極性基と、水分を撥水する撥水基とを含有した有機材料を主成分とすることを特徴としている。
また、本発明の電子部品は、前記極性基が、イオウ、窒素、リン、及び酸素の中から選択された少なくとも1種以上の元素を含有することを特徴とし、さらに前記撥水基が、炭化水素系アルキル基、ビニル基、フェニル基、及びパーフルオロ基の中から選択された少なくとも1種であることを特徴としている。
また、本発明の電子部品は、前記第1の金属皮膜がニッケルを主成分とし、前記第2の金属皮膜がスズ及び金のうちいずれか一方をを主成分とすることを特徴としている。
さらに、本発明の電子部品は、前記第1の金属皮膜及び第2の金属皮膜が、それぞれ2層以上の積層膜からなっていてもよい。
本発明の電子部品によれば、酸化防止膜が、前記第1の金属皮膜と前記第2の金属皮膜との間に介在されているので、第1の金属皮膜の酸化が抑制され、環境負荷試験後のはんだ濡れ性を向上させることができ、かつ第2の金属皮膜形成時に第1の金属皮膜や外部電極、部品素体内にめっき液が浸入するのを回避することができ、はんだ爆ぜや電気特性の劣化等、不良品が発生するのを抑制することができる。
また、前記酸化防止膜が、前記第2の金属皮膜の表面にも形成されているので、第2の金属皮膜の酸化も防止される。
さらに、前記酸化防止膜が、前記外部電極と前記第1の金属皮膜との間にも介在されているので、第1の金属皮膜を形成するためのめっき液が外部電極に浸入するのを効果的に防止することができる。
また、本発明の電子部品は、前記酸化防止膜が、前記第1及び第2の金属皮膜に吸着する少なくとも1種以上の極性基と、水分を撥水する撥水基とを含有した有機材料を主成分としているので、前記酸化防止膜は極性基により第1及び第2の金属皮膜に吸着してはんだ濡れ性を向上させることができ、撥水基により水分が第1及び第2の金属皮膜に浸入するのを回避することができるため、外部電極、部品素体内にめっき液が浸入して電気特性が劣化したり、はんだ爆ぜが発生するのを効果的に抑制することができる。
そして、これらの効果は、前記極性基として、イオウ、窒素、リン、及び酸素の中から選択された少なくとも1種以上の元素を含有し、撥水基として炭化水素系アルキル基、ビニル基、フェニル基、及びパーフルオロ基の中から選択された少なくとも1種を使用することにより、容易に奏することができる。
また、本発明の電子部品は、前記第1の金属皮膜がニッケルを主成分とし、前記第2の金属皮膜がスズ及び金のうちいずれか一方を主成分とするので、少なくともニッケルを主成分とした第1の金属皮膜とスズ又は金を主成分とした第2の金属皮膜との間に酸化防止膜が介在されていることとなり、したがってスズめっき浴に錯化剤を含有している場合であってもスズめっき液が外部電極等に浸入するのを回避することができ、はんだ濡れ性や電気特性を損なうこともなく、はんだ爆ぜ等が生じることのない積層セラミックコンデンサ等の電子部品を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係る電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を模式的に示した断面図である。
該積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム等の誘電体セラミック材料からなるセラミック素体(部品素体)1に内部電極2(2a〜2f)が埋設されると共に、該セラミック素体1の両端部には外部電極(導電部)3a、3bが形成され、さらに該外部電極3a、3bの表面にはニッケル皮膜4a、4b、酸化防止膜5a、5b及びスズ皮膜6a、6bが順次形成されている。
各内部電極2a〜2fは積層方向に並設されると共に、内部電極2a、2c、2eは外部電極3aと電気的に接続され、内部電極2b、2d、2fは外部電極3bと電気的に接続されている。そして、内部電極2a、2c、2eと内部電極2b、2d、2fとの対向面間で静電容量を形成している。
前記酸化防止膜5a、5bは、ニッケルやスズ等の金属に吸着するための極性基と水分を撥水してニッケル皮膜4a、4bやスズ皮膜5a、5bへの水分の浸入を防止する撥水基とを有する有機材料で形成されている。
前記有機材料は、具体的には、撥水基として炭化水素系のアルキル基、ビニル基、フェニル基、及びパーフルオロ基の中から選択された少なくとも1種を含有し、前記極性基として少なくともイオウ、窒素、リン、酸素の中から選択された1種以上の元素を含有した有機化合物が使用される。
そして、極性基がイオウ元素を含有する有機材料としては、メルカプタン類、チオカルボン酸類、チアジアゾール類、スルフィド類等を使用することができ、極性基が窒素元素を含有する有機材料としては、ベンゾトリアゾール類、トリルトリアゾール類、テトラゾール類、アミン化合物等を使用することができ、極性基がイオウ元素と窒素元素の双方を含有する有機材料としては、イソチオシアネート類、チアゾリジン類、チオアセトアミド類を使用することができる。また、極性基がリン元素を含有している有機材料としてはジフェニルリン酸アジドを使用することができ、極性基が酸素元素を含有している有機材料としてはケトン類等を使用することができる。
次に、上記積層セラミックコンデンサの製造方法を詳述する。
まず、炭酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の所定の誘電体セラミック材料を混合し、粉砕、乾燥、仮焼等の工程を経、ドクターブレード法によりセラミックグリーンシートを作製する。
次いで、銀−パラジウムやニッケル等の導電性材料にワニス等の有機成分が含有された内部電極用導電性ペーストを作製する。そして、該導電性ペーストを使用してセラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷を施し、導電パターンを形成し、この後、前記導電パターンの形成されたセラミックグリーンシートを積層し、導電パターンの形成されていないセラミックグリーンシートで挟持・圧着して積層体を形成する。その後、所定温度(例えば、900〜1300℃)で前記積層体に焼成処理を施し、バレル処理を行い、これによりセラミック素体1が作製される。
次に、銀や銅等の導電性材料にワニス等の有機成分が含有された外部電極用導電性ペーストを作製し、該導電性ぺーストをディップ方式等によりセラミック素体1の両端部に塗布した後、温度600〜800℃で焼付処理を行なう。これによりワニス等の有機成分が燃焼して焼失し、外部電極3a、3bが前記両端部に形成される。そしてこの後、外部電極3a、3bの形成されたセラミック素体1を被めっき物とし、電解バレルめっき法によりニッケルめっきを行なってニッケル皮膜4a、4bを形成する。
すなわち、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル及びホウ酸を含有したニッケルめっき浴(ワット浴)を準備し、該ニッケルめっき液でめっき槽を満たす。
そして、ニッケルをアノードに配し、被めっき物及び導電性媒体が内有されたバレルをカソードに配してめっき槽に浸漬し、バレルを回転、揺動等させながら所定の電流密度でアノード、カソード間に所定時間電流を通電することにより、電解めっきを施し、外部電極3a、3bの表面にニッケル皮膜4a、4bを形成する。
次に、酸化防止処理液を作製する。
すなわち、上述した撥水基及び極性基を含有する有機材料を用意し、該有機材料を溶媒、例えば水、又はイソプロピルアルコール、エチルアルコール、トルエン等の有機溶剤に溶解させる。
尚、酸化防止処理液には、必要に応じて界面活性剤を添加するのが好ましい。
次いで、ニッケル皮膜が形成されたセラミック素体1を、前記酸化防止処理液に所定時間浸漬し、その後乾燥処理を施してニッケル皮膜4a、4bの表面に酸化防止膜5a、5bを形成する。
次に、酸化防止膜5a、5bが形成されたセラミック素体1を被めっき物として電解バレルめっき法によりスズめっきを施し、スズ皮膜6a、6bを形成する。
すなわち、所定の第1スズ塩、錯化剤等が含有されたスズメッキ浴を用意し、めっき槽をスズめっき浴で満たす。
そして、スズをアノードに配し、被めっき物及び導電性媒体が内有されたバレルとをカソードに配してめっき槽に浸漬し、バレルを回転、揺動等させながらアノード、カソード間に所定の電流密度で所定時間電流を通電することにより、電解めっきを施し、酸化防止膜5a、5bの表面にスズ皮膜6a、6bを形成し、これにより積層セラミックコンデンサが製造される。
このように本積層セラミックコンデンサは、極性基と撥水基とを有する有機材料からなる酸化防止膜5a、5bが、ニッケル皮膜4a、4bとスズ皮膜6a、6bとの間に介在されているので、PCT、スチームエージング等の環境負荷試験を行っても、ニッケル皮膜4a、4bの酸化が防止され、スズ皮膜6a、6bのはんだ濡れ性が低下するのを回避することができる。
しかも、酸化防止膜5a、5bが、ニッケル皮膜4a、4bとスズ皮膜6a、6bとの間に介在されたことにより、スズ皮膜6a、6b形成時に使用されるスズめっき液がニッケル皮膜4a、4b側に浸入することもなくなり、所謂はんだ爆ぜの発生や電気特性の劣化不良を防止することができる。
図2は積層セラミックコンデンサの第2の実施の形態を模式的に示す断面図であって、本第2の実施の形態では、スズ皮膜6a、6bの表面にも酸化防止膜5a′、5b′が形成されており、これによりスズ皮膜6a、6aの酸化をも防止することができる。
図3は積層セラミックコンデンサの第3の実施の形態を模式的に示す断面図であって、本第3の実施の形態では、第2の実施の形態に加え、外部電極3a、3bとニッケル皮膜4a、4bとの間にも酸化防止膜5a″、5b″が形成されており、これによりニッケルめっき液が外部電極3a、3bに浸入するのを回避することができ、該外部電極3a、3bを溶解するのを効果的に防止することが可能となる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、セラミック素体1を酸化防止処理液に浸漬、乾燥させて酸化防止膜を形成しているが、セラミック素体1をアノードとした電解法で形成してもよい。この時、酸化防止膜がセラミック素体1上にも付着するが、特に問題とはならない。
また、上記実施の形態では、電子部品として積層セラミックコンデンサについて説明したが、他の電子部品、例えば積層インダクタや積層LC部品等についても同様に適用することができる。電子部品によっては、無電解めっきにより、第1の皮膜がニッケルで形成され、第2の皮膜が金で形成されることがあるが、斯かる場合も上記実施の形態と同様の作用・効果を奏することができる。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
まず、ニッケルを導電性材料とした内部電極がセラミック素体に埋設され、かつ銅を導電性材料とした外部電極が前記セラミック素体の両端部に形成された縦2.0mm、横1.2mm、厚み1.2mmの被めっき物を用意した。
次に、下記組成を有するニッケルめっき浴を用意した。
〔ニッケルめっき浴の組成〕
硫酸ニッケル : 1.5mol/L
塩化ニッケル : 0.25mol/L
ホウ酸 : 0.1mol/L
pH : 4.0
次いで、ニッケル製のアノード板と、カソード板と、通電性媒体及び被めっき物が内有されたバレルとを上記ニッケルめっき浴に浸漬して前記バレルを回転させ、アノード、カソード間にカソード平均電流密度0.2(A/dm)の電流を120分間通電し、被めっき物に電解ニッケルめっきを施し、膜厚3μmのニッケル皮膜を作製した。
尚、ニッケルめっき浴の浴温は60℃であった。
次に、下記組成を有する酸化防止処理液を用意した。
〔酸化防止処理液の組成〕
1-メチル-5-メルカプトテトラゾール:2重量%
2-メルカプト-5-メチル-1,3,4-チアジアゾール:2重量%
トリエタノールアミン:4重量%
ポリエチレングリコール縮合型非イオン界面活性剤:5重量%
溶媒(残部):蒸留水
次に、ニッケル皮膜の形成されたセラミック素体を上記酸化防止処理液に30秒間浸漬し、その後乾燥処理を施し、ニッケル皮膜の表面に膜厚数nm〜数10nmの酸化防止膜を作製した。
尚、上記酸化防止処理液の浴温は40℃であった。
次いで、下記組成を有するスズめっき浴を用意した。
〔スズめっき浴の組成〕
硫酸第1スズ:0.5mol/L
クエン酸アンモニウム(錯化剤):1.0mol/L
硫酸アンモニウム:1.0mol/L
ラウリルジエタノールアミン:1g/L
次いで、スズをアノード板に配し、通電性媒体及び酸化防止膜が形成された被めっき物を内有したバレルをカソードに配して上記スズめっき浴に浸漬して前記バレルを回転させ、アノード、カソード間にカソード平均電流密度0.16(A/dm)の電流を120分間通電し、被めっき物に電解スズめっきを施し、酸化防止膜の表面に膜厚4μmのスズ皮膜を作製し、これにより実施例1の積層セラミックコンデンサを得た。
尚、スズめっき浴の浴温は30℃であった。
また、上記積層セラミックコンデンサの作製工程で、ニッケルめっきを施してニッケル皮膜を形成した後、酸化防止膜を形成することなく直接スズめっきを施してニッケル皮膜上にスズ皮膜を形成した比較例1の積層セラミックコンデンサを作製した。
さらに、上記積層セラミックコンデンサの作製工程で、外部電極上にニッケル皮膜及びスズ皮膜を順次形成した後、上記酸化防止処理液を使用してスズ皮膜上に酸化防止膜を形成した比較例2の積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、各実施例及び比較例について、はんだ濡れ性を評価し、電極剥離の有無、及びはんだ爆ぜの有無を観察した。
ここで、はんだ濡れ性は、各試験片を10個用意し、PCT(プレッシャークッカーテスト)を行った後、メニスコグラフ法によりはんだの引張力とはんだの排斥力とが等しくなるゼロクロス時間で評価した。
すなわち、温度105℃、湿度100%の条件で4時間放置した後、各試験片をロジン系不活性タイプのフラックス中に浸漬し、次いで、浸漬速度0.4mm/sec、浸漬深さ0.02mm、浸漬時間10秒で浴温235℃のはんだ溶融槽(60%スズ−40%Pb)に浸漬し、前記ゼロクロス時間を測定し、その平均値ではんだ濡れ性を評価した。
また、電極剥離が生じた場合は電気特性が損なわれると考えられることから、各試験片を1000個用意し、超音波探傷試験装置で電極剥離の有無を調べ、電極剥離の生じた試験片の個数を計測し、電気特性を評価した。
また、はんだ爆ぜは、各試験片1000個用意し、温度300℃に加熱する処理を2回行い、はんだ爆ぜ(はんだ飛び)の生じた試験片の個数を計測して評価した。
表1は各実施例及び比較例におけるゼロクロス時間の平均値、電極剥離及びはんだ爆ぜの生じた試験片の個数を示している。
Figure 2006080428
この表1から明らかなように比較例1は、酸化防止膜が形成されていないため、ゼロクロス時間が4.5秒と長く、はんだ濡れ性に劣ることが分かった。またスズめっき液がニッケル皮膜側に浸入し、このため1000個の試験片中、200個で電極剥離が認められた。さらに、ニッケル皮膜側に浸入したスズめっき液が加熱により膨張、突沸し易くなり、このため1000個の試験片中、152個ではんだ爆ぜの発生が認められた。
比較例2は、スズ被膜上に酸化防止膜が形成されているため、ニッケル被膜の酸化は防止され、その結果ゼロクロス時間は1.3秒と短く、はんだ濡れ性については良好な結果を得たが、スズめっき液がニッケル被膜側に浸入したため、1000個の試験片中、202個で電極剥離が認められ、230個ではんだ爆ぜが認められた。
また、比較例2が比較例1と比べて、電極剥離やはんだ爆ぜの生じた不良品が多かったのは、ニッケル被膜とスズ被膜との間に酸化防止膜を形成することなく最外層に酸化防止膜を形成しているため、セラミック素体に浸入しためっき液中の水分を外部に排出させることができなかったためと考えられる。
これに対し実施例1は、ニッケル被膜とスズ被膜との間に酸化防止膜が形成されているので、PCTを行っても、ニッケル皮膜が酸化されることはなく、ゼロクロス時間は1.2秒と短く、良好なはんだ濡れ性を得ることができることが分かった。また、スズめっき液がニッケル皮膜側に浸入することもなくなり、電極剥離やはんだ爆ぜが発生しないことが確認された。
尚、本実施例では、酸化防止処理液は溶媒として蒸留水を使用したが、溶媒として有機溶剤を使用しても本発明の作用効果を奏する酸化防止膜を形成することができる。この場合、例えば、有機溶剤としてイソプロピルアルコールを使用した場合、ベンゾトリアゾール:0.25重量%、1−[ビス−(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール:0.25重量%、トリエタノールアミン:0.05重量%、ソルビタンモノオレエート(非イオン界面活性剤):0.05重量%からなる酸化防止処理液を使用することができる。
本発明に係るニッケルめっき浴を使用して製造された電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態(第1の実施の形態)を示す断面図である。 積層セラミックコンデンサの第2の実施の形態を示す断面図である。 積層セラミックコンデンサの第3の実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
1 セラミック素体(部品素体)
3 外部電極
4a、4b ニッケル被膜(第1の金属被膜)
5a、5b 酸化防止膜
5a′、5b′ 酸化防止膜
5a″、5b″ 酸化防止膜
6a、6b スズ被膜(第2の金属被膜)

Claims (7)

  1. 部品素体の表面に外部電極が形成されると共に、前記外部電極の表面に第1及び第2の金属皮膜が形成された電子部品において、
    酸化防止膜が、前記第1の金属皮膜と前記第2の金属皮膜との間に介在されていることを特徴とする電子部品。
  2. 前記酸化防止膜が、前記第2の金属皮膜の表面にも形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  3. 前記酸化防止膜が、前記外部電極と前記第1の金属皮膜との間にも介在されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子部品。
  4. 前記酸化防止膜は、前記第1及び第2の金属皮膜に吸着する少なくとも1種以上の極性基と、水分を撥水する撥水基とを含有した有機材料を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 前記極性基は、イオウ、窒素、リン、及び酸素の中から選択された少なくとも1種以上の元素を含有することを特徴とする請求項4記載の電子部品。
  6. 前記撥水基は、炭化水素系アルキル基、ビニル基、フェニル基、及びパーフルオロ基の中から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の電子部品。
  7. 前記第1の金属皮膜がニッケルを主成分とし、前記第2の金属皮膜がスズ及び金のうちいずれか一方を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子部品。
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