JPH11354378A - セラミック電子部品の電極形成方法 - Google Patents

セラミック電子部品の電極形成方法

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JPH11354378A
JPH11354378A JP15907098A JP15907098A JPH11354378A JP H11354378 A JPH11354378 A JP H11354378A JP 15907098 A JP15907098 A JP 15907098A JP 15907098 A JP15907098 A JP 15907098A JP H11354378 A JPH11354378 A JP H11354378A
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plating
barrel
film
electrode
rotation speed
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JP15907098A
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Yasutaka Baba
康孝 馬場
Shiyoujiro Sakai
将志郎 坂井
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック電子部品の焼結体表面に形成した
電極表面に均質な異種金属のめっき膜を形成すると共
に、めっき電解液の汚染を防止することを目的とする。 【解決手段】 セラミック電子部品の焼結体21表面に
設けた外部電極23面に、電解バレルめっき法を用いニ
ッケル膜24、更にその表面にハンダ膜25を形成する
際、それぞれのめっき初期の間は所定電流を印加しなが
ら、バレル回転数を遅く回転させ予め薄いニッケル膜2
4、ハンダ膜25を形成した後、バレル回転数を規定回
数に戻し継続して所定厚さのニッケル膜24、ハンダ膜
25を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば焼結体の端
面に外部電極を形成した積層セラミックコンデンサ(以
降、積層コンデンサと称する)等のセラミック電子部品
に形成した電極表面に、電解バレルめっき法を用いて異
種金属めっき膜を形成するセラミック電子部品の電極形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミック電子部品は、高密度実装化に
対応し端子電極を直接回路基板にハンダ付けする方法が
用いられている。積層コンデンサに代表されるセラミッ
ク電子部品では、端子電極のハンダ付け性を向上させる
目的で、その端面に形成した外部電極表面に電解バレル
めっき法を用いて耐熱性のニッケルめっき膜を施した
後、更にその表面にハンダめっき膜を形成する方法が一
般的に行われている。
【0003】従来の電解バレルめっき方法を積層コンデ
ンサを例に図を用い説明する。図1に積層コンデンサ、
図2、図3に電解バレルめっきの装置の一部を示した。
図1において、21は焼結体、22は内部電極、23は
外部電極、24はニッケル膜、25はハンダ膜である。
図2において、41は内面にサランネット42を設けた
プラスチック製の六角形状のバレル籠、43は陰電極、
44はダミーボール、45はニッケル、又はハンダ製の
陽電極、46は可変型定電流電源、47はめっき槽、4
8はめっき電解液である。また(表1)に従来の電解バ
レルめっき工程フロー、及び条件を示した。
【0004】
【表1】
【0005】先ず、バレル籠41内にダミーボール44
と端面に外部電極23を形成した焼結体21を重量比で
3:2の割合で投入し、硫酸処理液中で酸活性(31)
処理を所定時間行う。
【0006】次に水洗(32)を一分間行った後、ニッ
ケルのめっき電解液48の入っためっき槽47中にバレ
ル籠41ごと浸漬し、可変型定電流電源46をオンし2
0V、50Aの電流を印加しながら、バレル籠41を2
0rpmの速度で回転させ、可変型定電流電源46に接続
された陽電極45からめっき電解液48を介し陰電極4
3にめっき電流を流して、陰電極43にダミーボール4
4を介して接触した焼結体21の外部電極23を陰電極
43と等電位にし、外部電極23の表面に60分間ニッ
ケルめっき(33)を行い、ニッケル膜24を形成す
る。
【0007】次いでバレル籠41ごと水洗(34)を一
分間行った後、メタンスルホン酸処理液中に浸漬し酸活
性(35)処理を所定時間行う。続いて水洗(36)を
一分間行った後、ハンダのめっき電解液48の入っため
っき槽47中に浸漬し、可変型定電流電源46をオン
し、10V、30Aの電流を印加しながら、バレル籠4
1を20rpmの速度で回転させ、焼結体1の外部電極2
3表面に形成したニッケル膜24の表面に、更に45分
間ハンダめっき(37)を行い、ハンダ膜25を形成す
る。
【0008】その後、バレル籠41ごと水洗(38)を
行った後、バレル籠41からめっき済みの焼結体21を
取り出し、後処理(39)として酸化防止処理を行い、
続いて150℃の温度で2時間乾燥(40)し、焼結体
21の外部電極23表面にニッケル膜24、更にその表
面にハンダ膜25を形成した積層コンデンサを作製する
方法が一般的に行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電解バレルめっき方法では、めっき初期の段階から
20rpmの規定回転数でバレル籠41の回転を行うた
め、焼結体21がバレル籠41回転の遠心力でバレル籠
41のサランネット42面に押付けられた状態で回転し
たり、またはダミーボール44と共にめっき電解液48
中で跳びはね、陰電極43と焼結体21の外部電極23
の電気的接触が不十分となる。このため可変型定電流電
源46をオン状態にすると一時的に一部の焼結体21の
外部電極23部分が、陰電極43に対し電気的に陽極状
態となり、外部電極23の金属、又は外部電極23表面
に形成したニッケル膜24がイオン状態となってめっき
電解液48中に溶出する。特に、生産性を向上させるた
めバレル籠41内に投入する焼結体21を多くするとこ
の傾向が強くなる。めっき電解液48中に溶出した外部
電極23の金属イオン、めっき電解液48に溶出したニ
ッケルイオンは、めっき電解液48の不純物として作用
し、めっき不良の一因となるため、めっき電解液48を
しばしば交換する必要がある。これを怠ると目的とする
めっき金属と溶出した金属との合金が外部電極23、ま
たはニッケル膜24表面にめっきされる。例えば、ハン
ダめっき(37)を行う場合には、ニッケルとハンダの
合金がニッケル膜24表面にめっきされ半田付け性が低
下する。めっき電解液48中に溶出した金属イオンを除
去する手段は考えられるが、めっきコストが大幅にアッ
プするため好ましくない。
【0010】一方、バレル籠41の回転数を20rpmよ
り遅くしてニッケルめっき(33)、またはハンダめっ
き(37)を行うと、焼結体21毎に外部電極23の表
面に形成されるニッケル膜24、またはハンダ膜25の
厚さがバラツクという問題点があった。
【0011】本発明は、前記問題点を解決し焼結体の表
面に形成した外部電極表面に、電解バレルめっき方法を
用いて均質なめっき膜を形成することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、焼結体の表面に形成した電極表面に、電解
バレルめっき法を用い、異種金属のめっき膜を形成する
際、めっき初期段階には、バレルを遅く回転させながら
のめっきを行い、その後バレルの回転数を初期よりも速
い規定回数に戻し、その表面に継続してめっきを行う。
初期段階でバレル籠をゆっくり回転させることで、焼結
体が遠心力によりバレル籠の内壁面に押付けられたり跳
びはねたりする事を防ぎ、ダミーボールと焼結体の電極
面との接触機会を増やし、焼結体の電極が陰電極に対し
電気的に陰極状態に保つことができる。これによって、
電極金属がめっき電解液中に溶出するのを最小限に抑制
し、めっき電解液の汚れを防ぎ、電極金属が溶出するよ
り早く電極表面に異種金属のめっき膜を析出させ、めっ
き膜がある程度の厚さに形成された後は、初期よりも速
い規定回転数に戻して継続してめっきを行い、電極表面
でめっき膜の溶出と析出を繰返しながら徐々に電極表面
に均質な異種金属のめっき膜を形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、セラミック電子部品の焼結体表面に形成した電極表
面に、電解バレルめっき法を用いて異種金属のめっき膜
を形成する際、めっき初期の間はバレルを遅く回転させ
ながらめっきを行い、その後バレルの回転数を前記初期
よりも速い規定回数に戻して継続してめっきを行い、前
記電極表面に目的とする異種金属の均質な所定厚さのめ
っき膜を形成することを特徴とするセラミック電子部品
の電極形成方法であって、めっき初期の段階で、バレル
の回転数を遅くすることにより、セラミック電子部品の
焼結体表面に形成した電極とダミーボールとの接触機会
を増やし、形成した電極部を陰電極と等電位にすること
により、電極金属がめっき電解液中に溶出することを防
ぎ、電極金属が溶出するより早く、電極表面にある程度
の厚さの異種金属めっき膜を形成する。その後、バレル
回転数を規定回数に戻し継続してめっきを行うことによ
り、電極表面にある程度の厚さに形成された異種金属め
っき膜は、溶出と析出を繰返すが、電極金属表面に徐々
に均質な異種金属のめっき膜を形成することになる。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、セラミ
ック電子部品の焼結体表面に形成した電極表面に、電解
バレルめっき法を用い異種金属のめっき膜を形成する
際、めっき初期の間は第一のめっき槽でバレルを遅く回
転させながらめっきを行い、次に第一のめっき槽と同一
組成のめっき電解液を有する第二のめっき槽に移し、バ
レルの回転数を前記初期よりも速い回転数とし、目的と
する異種金属の均質な所定厚さのめっき膜を形成するこ
とを特徴とするセラミック電子部品の電極形成方法であ
って、バレルの回転初期の焼結体とダミーボールとの混
合が不均一の状態では、焼結体表面に形成した電極とダ
ミーボールの接触機会が少なく、一部の電極部が陰電極
に対し陽極状態となり電極金属が電解めっき液中に溶出
し易いのを対策するものである。つまり第一のめっき槽
でバレルの回転速度を遅くし、電極面にある程度の厚さ
の異種金属めっき膜を予備的に形成させた後、第一のめ
っき槽と同組成のめっき電解液を有する第二のめっき槽
に移替え、継続してめっきを行う。これによって第二の
めっき槽内でバレルの回転速度を速くしても、電極表面
から溶出するのは予め第一のめっき槽で電極表面に形成
された同種の金属めっき膜であるので、第二のめっき槽
のめっき電解液を汚染することがなく、電極表面で析出
しためっき膜の溶出と析出を繰返しながら徐々に均質な
金属めっき膜を形成することができる。また第一のめっ
き槽での異種金属めっきをバレルの回転数を遅くして行
うため、めっき電解液の汚染を少なくすることができ、
第一のめっき槽のめっき電解液も長期間使用することが
できる。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、電解バ
レルめっき時間合計の1/30〜1/60の間を、バレ
ルの回転速度を規定回転速度の1/20〜1/6の速度
で回転させてめっきを行い、残りの時間はバレルの回転
速度をそれよりは速い回転速度に戻して継続してめっき
を行う請求項1または請求項2に記載のセラミック電子
部品の電極形成方法であって、めっき初期段階で焼結体
表面に形成した電極金属の溶出量を最小限に抑制するこ
とができ、これにより電極表面にある程度の厚さのめっ
き膜を形成することができる。
【0016】以下本発明の一実施形態を、積層コンデン
サの焼結体表面に形成した外部電極表面に、電解バレル
めっき法を用いてニッケル膜の形成と、更にその表面に
ハンダ膜を形成するものを例に説明する。
【0017】(実施の形態1)(表2)に本発明の電解
バレルめっき工程フローとその条件を示した。また電解
バレルめっき装置は図2、図3に示す従来例と同じ機構
のものを用いた。
【0018】
【表2】
【0019】予め、端面に外部電極23として銀電極を
焼付た積層コンデンサの焼結体21を準備する。
【0020】図2、図3に示す開口径0.2mmのサラン
ネット42を内面に設けたプラスチック製のバレル籠4
1に、焼結体21と鋼鉄製の直径0.8mmのダミーボー
ル44とを重量比3:2の割合で投入し、(表2)の条
件Aに示す工程フローに従ってめっきを行った。
【0021】先ず、バレル籠41と共に硫酸処理液中で
酸活性(5)を所定時間処理後、一分間の水洗(6)を
行う。
【0022】次にニッケルのめっき電解液48の入った
めっき槽47にバレル籠41ごと浸漬し、可変型定電流
電源46のスイッチをオンし、20V、50Aの電流を
印加し、バレル籠41を3rpmの速度で2分間回転させ
ながら外部電極23表面にニッケルめっき(7)を行
い、引き続いてバレル籠41の回転速度を20rpmに戻
し43分間継続して外部電極23表面にニッケルめっき
(7)を行い、厚さ2〜3μmのニッケル膜24を形成
した後、バレル籠41ごと、一分間の水洗(8)を行
う。
【0023】次いで、バレル籠41ごとメタンスルホン
酸処理液中で所定時間酸活性(13)の処理に続いて、
一分間の水洗(14)を行う。
【0024】続いて、バレル籠41ごとハンダのめっき
電解液48の入っためっき槽47に浸漬し、再び可変型
定電流電源46のスイッチをオン状態とし、10V、2
0Aの電流を印加し、バレル籠41を3rpmの速度で2
分間回転させながら、外部電極23表面に形成したニッ
ケル膜24の表面にハンダめっき(15)を行い、引き
続いてバレル籠41の回転速度を20rpmに戻し58分
間継続してニッケル膜24の表面にハンダめっき(1
5)を行い、厚さ2〜3μmのハンダ膜25を形成した
後、バレル籠41ごと一分間の水洗(16)を行う。
【0025】外部電極23表面にニッケル膜24、及び
ハンダ膜25を形成した焼結体21をバレル籠41より
取り出し酸化防止剤処理(17)を行った後、150℃
の温度で2時間乾燥(18)して積層コンデンサを完成
させた。
【0026】以上のような方法で作製した積層コンデン
サと、従来方法の最初からバレル籠41の回転速度を2
0rpmで60分間ニッケル膜24、及び45分間ハンダ
膜25を形成した積層コンデンサをそれぞれ85℃、8
4RH%の恒温恒湿槽に200時間保持した後のハンダ付
け性を評価した結果と、本実施形態1のハンダめっき
(15)のめっき電解液48中に溶出したニッケルイオ
ン濃度、及び従来のめっき電解液48中に溶出したニッ
ケルイオン濃度を測定し併せて(表3)に示した。
【0027】
【表3】
【0028】(表3)に示すように、本実施形態1の条
件Aの工程で作製した積層コンデンサは、恒温恒湿槽に
放置後においても外部電極23ハンダ付け不良が1個し
か発生していないのに対し、従来のめっき方法の積層コ
ンデンサは100個中6個の不良が発生している。この
原因は従来条件では、めっき電解液48中のニッケルイ
オン濃度が250ppmと多く検出され、本発明の約4倍
となっていることから、外部電極23のニッケル膜24
の表面のハンダ膜25がハンダとニッケルの合金めっき
で形成された結果と推測される。
【0029】(実施の形態2)(実施の形態1)と同様
に図2、図3に示す、開口径0.2mmのサランネット4
2を内面に設けたプラスチック製のバレル籠41に、焼
結体21と鋼鉄製直径0.8mmのダミーボール44とを
重量比3:2の割合で、投入し(表2)の条件Bに示す
工程フローに従って順次めっき膜を形成した。
【0030】先ず、バレル籠41と共に焼結体21を硫
酸処理液中で所定時間の酸活性(1)処理に続いて、一
分間の水洗(2)を行った後、ニッケルのめっき電解液
48の入った第一のめっき槽47にバレル籠41ごと浸
漬し、可変型定電流電源46のスイッチをオンし、20
V、50Aの電流を印加しながら、バレル籠41を3rp
mの速度で回転させ、2分間外部電極23表面にニッケ
ルめっき(3)を行い、続いてバレル籠41ごと一分間
の水洗(4)を行った。
【0031】次いでバレル籠41ごと二回目の硫酸処理
液中で所定時間の酸活性(5)処理に続いて、一分間の
水洗(6)処理を行った後、ニッケルのめっき電解液4
8の入った第二のめっき槽47に移して、再び可変型定
電流電源46のスイッチをオンし、20V、50Aの電
源を印加しながら、バレル籠41の回転数を20rpmに
戻し、58分間継続して外部電極23表面にニッケルめ
っき(7)を行い、厚さ2〜3μmのニッケル膜24を
形成し、その後、続いて一分間の水洗(8)を行った。
【0032】その後、ニッケル膜24を形成した焼結体
21をバレル籠41ごとメタンスルホン酸処理液中で所
定時間の酸活性(9)処理し、続いて、一分間の水洗
(10)を行った後、バレル籠41ごとハンダのめっき
電解液48の入った第一のめっき槽47に浸漬し、可変
型定電流電源46のスイッチをオン状態にし、10V、
30Aの電流を印加しながら、バレル籠41を3rpmの
速度で回転させ、2分間外部電極23表面に形成したニ
ッケル膜24の表面にハンダめっき(11)を行い、続
いてバレル籠41ごと一分間の水洗(12)を行った。
【0033】次にバレル籠41ごと二回目のメタンスル
ホン酸処理中で所定時間の酸活性(13)を行い、続い
て、一分間の水洗(14)処理を行った後、ハンダのめ
っき電解液48の入った第二のめっき槽47に移して、
再び可変型定電流電源46のスイッチをオンし、10
V、30Aの電源を印加しながら、バレル籠41の回転
数の20rpmに戻し、43分間継続して外部電極23表
面に形成したニッケル膜24表面にハンダめっき(1
5)を行い、厚さ2〜3μmのハンダ膜25を形成し、
続いて一分間の水洗(16)を行った。
【0034】次いで、ハンダ膜25を形成した焼結体2
1をバレル籠41より取り出し、酸化防止剤による後処
理(17)を行った後、150℃の温度で2時間乾燥
(18)して外部電極23の表面にニッケル膜24、更
にその表面にハンダ膜25を形成した積層コンデンサを
完成させた。
【0035】以上のような方法で作製した積層コンデン
サを実施の形態1と同条件で恒温恒湿槽に放置後、積層
コンデンサのハンダ付け性の評価と、本実施形態2の条
件Bにおける第二のハンダのめっき槽47のめっき電解
液48に溶出したニッケルイオン濃度を測定し併せて
(表3)に示した。
【0036】(表3)に示すように、本実施形態の条件
Bの工程フローに従って作製した積層コンデンサは、恒
温恒湿槽に放置後のハンダ付け不良がさらに減少してい
ることが分かる。これはハンダのめっき電解液48中の
ニッケルイオン濃度が20ppmと更に減少していること
から、ニッケル膜24の表面には純粋なハンダ膜25が
形成された結果と推測される。
【0037】尚、実施の形態1、及び2においてめっき
初期段階でバレル籠41の回転数の遅い状態を二分以上
継続すると一部の焼結体21の外部電極23表面に形成
されるめっき厚さが厚くなり過ぎ好ましくない。また一
分間より短い場合はめっき膜の形成が不十分で、その後
にバレル籠41の回転数を速くして継続してめっきを行
うと形成不十分の箇所から下地金属がめっき電解液の中
に溶出し好ましくない。また更に初期段階のバレル籠4
1の回転速度を1rpmより遅くするとダミーボール44
と焼結体21との均一分散が行われず、3rpmより速く
すると焼結体21の跳びはねが発生し、何れの場合にお
いても外部電極23の表面が溶出するものと、予備めっ
きがされるものとが生じ好ましくない。
【0038】以上の結果から、積層コンデンサの焼結体
21表面に形成した外部電極23の表面に、電解バレル
めっき法を用いニッケル膜24を形成後、更にその表面
にハンダ膜25を形成する際、それぞれのめっき初期段
階にはバレル籠41の回転数を遅くして短時間で、予め
薄いめっき膜を形成した後、バレル籠41の回転数を規
定回転数に戻し継続して所定時間めっき処理を行い必要
とする厚さのめっき膜を形成する方法を用いることによ
り、目的とする金属の均質なめっき膜を形成することが
できると共に、めっき電解液48の汚染を低減すること
が可能となる。まためっき工程を予備めっきの第一のめ
っき槽47、本めっきの第二のめっき槽47と分離して
行うことで、得られた積層コンデンサのハンダ付け性を
向上させることができると共に、めっき電解液48は消
費されためっき金属イオンの不足分を補充するのみで、
めっき電解液48を交換する事なく、長期間めっき作業
を継続することができる。即ち、本発明の電解バレルめ
っき方法を用いることにより、従来の技術的、コスト的
課題であっためっき槽47のめっき電解液48中の不純
物管理の軽減と、めっき電解液48の更新の回数を極端
に減らすことができ、ハンダ付け性の優れたセラミック
電子部品の提供と、めっきコストの低減が可能となり、
その経済効果は大きなものとなる。
【0039】尚、本実施形態において積層コンデンサの
焼結体21表面に形成した外部電極23の表面にニッケ
ル膜24、更にその表面にハンダ膜25を形成したこと
について説明したが、形成された外部電極23表面にめ
っき可能な金属であれば如何なる金属の電解バレルめっ
きにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明は、セラミック電子
部品の焼結体表面に形成した外部電極の表面に、異種金
属のめっき膜を形成する際、めっき初期段階はバレルの
回転数を遅くして予め異種金属の薄いめっき膜を形成
し、その後、バレルの回転数をそれまでよりは速い規定
回転数に戻して継続してめっき処理を行い、必要とする
厚さのめっき膜を形成する方法を用いることにより、目
的とする金属の均質なめっき膜を形成することができる
と共に、めっき電解液の汚染を低減しハンダ付け性の優
れたセラミック電子部品を提供することができる。また
めっき工程を第一、第二のめっき槽と分離して行うこと
で、めっき電解液に消費された不足分の新液を補充する
のみで、めっき電解液を交換する事なく長期間めっき作
業を継続することができることから、更にその効果が大
きくなり工業的に利用価値の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による積層セラミックコン
デンサの断面図
【図2】本発明の一実施形態の電解バレルめっき装置の
側面断面図
【図3】同正面断面図
【符号の説明】
21 焼結体 41 バレル籠 43 陰電極 44 ダミーボール 45 陽電極 47 めっき槽 48 めっき電解液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック電子部品の焼結体表面に形成
    した電極表面に、電解バレルめっき法を用いて異種金属
    のめっき膜を形成する際、めっき初期の間はバレルを遅
    く回転させながらめっきを行い、その後バレルの回転数
    を前記初期よりも速い規定回数に戻して継続してめっき
    を行うことを特徴とするセラミック電子部品の電極形成
    方法。
  2. 【請求項2】 セラミック電子部品の焼結体表面に形成
    した電極表面に、電解バレルめっき法を用い異種金属の
    めっき膜を形成する際、めっき初期の間は第一のめっき
    槽でバレルを遅く回転させながらめっきを行い、次に第
    一のめっき槽と同一組成のめっき電解液を有する第二の
    めっき槽に移し、バレルの回転数を前記初期よりも速い
    回転数としてめっきを行うことを特徴とするセラミック
    電子部品の電極形成方法。
  3. 【請求項3】 電解バレルめっき時間合計の1/30〜
    1/60の間を、バレルの回転速度を規定回転速度の1
    /20〜1/6の速度で回転させてめっきを行い、残り
    の時間はバレルの回転速度をそれよりは速い回転速度に
    戻して継続してめっきを行う請求項1または請求項2に
    記載のセラミック電子部品の電極形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006080428A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Murata Mfg Co Ltd 電子部品
US7589951B2 (en) 2006-02-27 2009-09-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated electronic component and method for manufacturing the same
US8154849B2 (en) 2005-10-28 2012-04-10 Murata Manufacturing Co. Ltd. Laminated electronic component
JP2019216206A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品のスクリーニング方法

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